○柳田稔君 私は、ただいま可決されました
健康保険法等の一部を
改正する
法律案及び
医療法等の一部を
改正する
法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、無所属の会及び二院クラブ・自由連合の各派共同
提案による附帯決議案を提出いたします。
案文を朗読いたします。
健康保険法等の一部を
改正する
法律案及び
医療法等の一部を
改正する
法律案に対する附帯決議(案)
政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一、
抜本改革の重要な柱である老人保健
制度に代わる新たな
高齢者医療制度等の創設については、早急に
検討し、
平成十四年度に必ず実施すること。その際、
制度の効率化に努めるとともに、
年金制度、
介護保険制度など関連する
制度との整合性や連携等を図りつつ、
患者や
国民の
負担等を考慮して、低
所得者対策を充実するなどの
検討を総合的に進めること。また、生涯を通じた健康づくり、特に女性の生涯にわたる健康に関する政策の推進と老人医学・予防医学の研究を進め、健康寿命の延伸をめざすこと。
二、老人の上限付き定率一割
負担制導入に当たっては、
制度の運用及び定着
状況等を把握し、
平成十四年度の
抜本改革の際に再
検討すること。さらに、支払いが困難な低
所得者層の実態を把握し、十分な対策を講ずること。
三、高額療養費
制度への上乗せ定率「一パーセント」
負担制については、今後の家計に与える影響、
医療費の動向、
医療保険財政の推移等を見て、
平成十四年度の
抜本改革の際に再
検討すること。
四、
診療報酬体系、薬価基準
制度及び
医療提供体制については、引き続き
検討を進め、
平成十四年度までに所要の措置を講ずること。特に、老人
医療及び慢性期
医療については、包括・定額化を更に進めること。
五、医薬分業の推進のため、今後も所要の措置をとること。
六、
医療保険制度運営の安定化と
保険者機能の強化を図るため、
保険集団の規模を適正化すること。また、レセプト点検の強化と体制整備、被
保険者への情報提供の充実、健康づくりなどを進めるとともに、被
保険者の
立場に立った機能強化の
在り方について
検討すること。
七、
医療費の不正請求を防止するため、
審査及び指導監査の充実等
医療費の適正化を図るための対策を強化すること。また、
医療費の不正請求や指導監査に係る情報については、情報公開法に基づき
国民に開示すること。
八、新たな病床区分に当たっては、その具体的な目的や効果を明確にするとともに、
看護婦等の配置基準及び構造設備基準については、今回の措置の実施
状況を踏まえ、今後更なる
改善を
検討し、
医療の質の確保・向上に努めること。同時に、平均在院日数の短縮を
実現するなど、社会的入院の解消に努めること。
九、精神病院の職員配置基準及び構造設備基準を可能な限り一般病床並みに
引き上げるとともに、国際人権規約及び国連原則等の規定に従い、当事者の
意見を聴いて処遇を
改善すること。その際、診療報酬においても必要な措置を講ずること。
十、精神保健福祉施策を充実するために、障害保健福祉圏域や二次
医療圏を視野に入れて
医療計画を策定するとともに、新たな障害者プランの策定に取り組むなどの必要な措置を講ずること。その際、社会的入院に関する実態把握に努めつつ、適正な精神病床数への是正に取り組むとともに、各
医療機関の情報公開や政策決定プロセスにおける当事者の参画の下、ノーマライゼーションの理念に基づき、今後の精神保健福祉施策を推進すること。
十一、地域における小児
医療の重要性にかんがみ、小児科専門医の確保に努めるとともに、小児救急
医療の充実に向けた取組を強化すること。
十二、カルテの開示については、環境整備の
状況を見て法制化を
検討するとともに、十分な
医療情報の開示を行い、インフォームドコンセントの実が上がるように努めること。なお、カルテについては、遺族の申請による開示も
検討すること。
十三、
医療の質を確保し、
患者の
立場を尊重するために、各
医療機関の情報公開を更に進めていくとともに、
医療機関等の第三者
評価の内容等及び苦情解決機関の設置等について充実を図ること。
十四、医師及び歯科医師の臨床研修については、インフォームドコンセントなどの取組や人権教育を通じて
医療倫理の確立を図るとともに、精神障害や感染症への理解を進め、更にプライマリーケアやへき地
医療への理解を深めることなど全人的、総合的な
制度へと充実すること。その際、臨床研修を効果的に進めるために指導体制の充実、研修医の身分の安定及び労働条件の向上に努めること。
十五、
医療制度の
抜本改革を論議し、その推進を図る際に、
国民がこの論議に参加できるよう、
看護婦等の
医療従事者の労働実態、病院経営に要する経費及び特定療養費等に係る
患者負担の実態などの
医療・保健の実態を示すデータ、
高齢者とりわけ高齢女性を始めとする
国民の
所得、生活実態等
負担能力を判断するために必要なデータなどについて、情報の収集及び公開を進めること。
右決議する。
以上でございます。
十五という大変膨大な附帯決議になりましたけれども、何とぞ委員各位の御賛同を
お願い申し上げます。