○井上美代君 時間もありませんので、私は今後またこの問題については取り上げもしていきたいというふうに思っておりますけれ
ども、やはりやむを得ないというような問題ではないんです。だから、そこのところを
大臣にぜひ
認識していただきながら、女性労働者がもっと働きやすくなるように、そして待機児童をなくしていくということを本当に念頭に入れながらやってほしい。
八月四日に出されているその通達については、私はどうしても撤回に近づくというような、そういう施策を今後のところで示してほしいというふうに思うんです。そもそもが、配置基準問題についても決して
改善されていないし、三歳児で二十人に一人の保育士、そしてまた四歳、五歳児で三十人に一人というような、もう国際的に見ても物すごくおくれている基準なんです。
だから、そういう問題も含めまして、少子化対策だとか新エンゼルプランだとか物すごいキャンペーンをやられるんですけれ
ども、実を、質を上げていくという、そこに力を出してほしいというふうにお願いをいたしまして、先へ進ませていただきます。
次は私、ホームヘルパーの問題について取り上げたいと思います。
介護保険制度が導入されましてから七カ月、利用料が高過ぎる問題とともに、十月から
高齢者の
保険料の
年金からの天引きが始まる中で、これもまたさまざまな現場の混乱というのが起きております。大手の事業者のホームヘルパーの大量解雇が
マスコミでも大きく取り上げられました。労働条件の劣悪化の問題がほっておけない状態です。
私は、非常にこの問題について真剣に
考えております。介護の質を保証するためには、一つは、パート型になっております、登録型になっておりますホームヘルパーが急増している、正社員になりたくても多くの人がその願いを踏みにじられているという問題の
改善がどうしても必要だと思うんです。ホームヘルパーの
人たちというのは女性が圧倒的に多いわけなんですけれ
ども、そういう女性の労働条件を
改善していくという点でも重要だと思っています。
第二に、常勤、非常勤を問わず余りに低い賃金の抜本的な
改善、介護報酬の引き上げ、これが必要だと思います。
生活できる賃金が欲しい、本当にプロとして自立したいという、これはホームヘルパーさんの切なる願いです。
介護事業従事者の労働組合のゼンセン同盟の
日本介護クラフトユニオンのアンケートの結果があります。これは
マスコミでも取り上げられておりましたけれ
ども、
介護保険実施以後の六月、七月に行われたものです。そのうち、在宅介護従事者八百十九人のものがそこに出されているわけなんですけれ
ども、この
調査でいきますと、全体の九五%が女性労働者なんです。まさに女性労働者によって介護
制度が支えられているということです。
そして、この雇用形態を見ますと、常勤は二一・四%、パート労働者が三一・四%、登録が二六・四%と、不安定雇用が大部分を占めているというのがこの六、七月の
調査で出ている
中身です。時間給で働いている人の五割は千円から千百円未満の時給であり、それ以上の人は三割、千円未満というのは二割います。日給制では一日三千円、月の出来高制で十五万から二十万円未満がトップです。十五万円に満たない
人たちというのが圧倒的に多いです。
また、ここに私は一九九八年の
国民生活センターのホームヘルプの活動実態
調査の声を持っております。一カ月二十日間勤務、税込みで十五万円。ボランティア精神を求められ、賃金が低く、働き続ける自信がない、こういうふうに言っておられる。三十六歳の民間企業の方です。それだとか、週四十時間以上働き、深夜勤務が多い。明け休みが十分とれないばかりか給料も安い。月に十六万円、この方も民間企業ですけれ
ども、もらっています。常勤でもこんな実態なんです。
ヘルパーは安上がり、本当に安上がりに使われていると思うんです。まともな生活ができる職業として成り立たないというのが、私はこの質問をしたいということで随分いろいろなものを調べましたけれ
ども、そこに出てきているものは全く職業としては成り立たない
人たちがたくさんいるということです。
私は、どうしてもこの職場を魅力的な職場にしなければ、二十一
世紀の福祉というものはないというふうに思います。ゴールドプラン21では、四年後には三十五万人のホームヘルパーの確保を目標とされておりますけれ
ども、これは現在の二倍の数字です。ヘルパーが低賃金の使い捨て労働と位置づけられている状況では、私は継続的に質の高い
サービスを続けるのは困難だというふうに思っております。
現在、パートや登録のヘルパーも常勤になりたいと希望している人がたくさんいます。意欲もあり、能力もあるホームヘルパーを確保するためには、魅力ある職場にしなければなりません。そのためにも、私は、賃金を全体として引き上げるとともに、常勤ヘルパーをふやす施策を
政府として進める必要があるのではないかということを
考えております。
こういったヘルパーの実態についてどういう
認識を
厚生省が持っておられるか、まず
大臣にお聞きしたいと思います。