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国務大臣(
扇千景君) 私は、今の首都
移転の費用対効果についての
東京都の発表、これはこれで
東京都としてきちんと都民の
皆さん方に明示できたということは
一つの大変有効な資料であろうと。私も手元に持っております。
けれ
ども、私もう
一つ申し上げたいことは、少なくとも今、
保坂先生がおっしゃいました展都なのかあるいは重都なのかと、そういう
言葉のからくりといいますか、
言葉がいろいろあるものですから、これがさっきおっしゃった
日本語の難しいところで、どれを
国民はあるいは
東京都の人は、重都なのかあるいは展都なのかわからないんですね。
ですから、そういうことを受けて、私はきちんと
皆さん方にはっきり言えることは、
平成七年十二月、これは
国会等移転調査会の
報告で、国家機能の円滑な発揮を確保するためには、国の中枢機能が一体としてその効用を発揮していく必要がある、これは当然なことだろうと思いますけれ
ども、また、三権の中枢を分離することは適当ではない、はっきり書かれているわけですね。
私は、これは今の重都だとか展都だとか、そういう
意味で少なくとも三権の中枢機能を
候補地、これは例えですけれ
ども、
候補地が
三つあるから
三つのところへ三権を持っていけばいいみたいな単純なことではなくて、国家たり得る姿というものを私は明記してあると思うんですね。
それと、今
保坂先生がおっしゃいました首都
移転の費用と効果、これに関して私
一つだけ事例を申し上げておきたいと思いますことは、私はなぜそのことを申し上げたかといいますと、さっき
国井先生にも間違いじゃないかと言われましたけれ
ども、
一つだけ時間が申しわけないので例を挙げますけれ
ども、例えば百キロの荷物を新潟から横浜まで陸路で輸送します。これは、今の費用でいいますと、百キロのものを陸路で輸送したら横浜まで新潟から千四百九十円かかるんです。ところが、横浜から船で北米へ送ったらこれが千円でございます。それは、今の
日本の交通体系、都内の高速
道路の高さ等々を含めまして、物流というものを、私は少なくともこれを改めなければ
日本は
国際的に立ち行かないという例を申し上げました。
ですから、あえて
保坂先生は
東京出身でいらっしゃいますから、二十三区をお車でお走りになったらわかりますけれ
ども、三十キロとか制限キロ数が書いてあります、
道路に。けれ
ども、制限キロで走れたことがないんです。
東京都の平均時速は十七・八、約十八キロ弱でございます、平均時速が。これを標準どおりの三十キロに
東京の時速を上げるだけで
東京都内だけで一年間に四兆九千億の
経済効果が出るんです。
だから、そういうこともきちんと
国民の
皆さんに御
理解をいただいて、そして
国際都市というのはどうあるべきかということを私は申し上げたのであって、そういうグローバルな話での私はぜひ御
論議をしていただきたいと思っておりますので、あえてお答えさせていただきました。