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山本正和君 確かに、一年間で一兆五千億とか六千億とかいうふうな逆ざやから生まれる、どうやってそれをやるんだという、大変なことですよ。だけれども、同時に、保険
会社の皆さんが一生懸命に契約者と話をするときに、いろいろな話をしているわけですよ。例えば、我が社はアメリカの
国債をこれぐらい持っています、絶対大丈夫なんですと、こういうことを言っている
会社もたくさんあるわけですね。そういう
会社に対する信頼というものにもつながっていくだろう。
それから、もっと言いますと、本来、生命保険
会社が、これは相互
会社の場合もそうですが、その定款に基づいて、あるいは寄附行為に基づいてやっておればこういう事態になるはずはないんですよ、本来からいえば。ただし、もちろん、大変なアメリカの新しい
金融資本の
動きの中で、いろんなことがあったことは私は否定しませんよ。しかし、それでも、今の保険
会社、いわゆる割合強いと言われている
幾つかの
会社は私は負けないと思う。負けるはずはないと思うんです。しかし、弱い
会社はそれじゃどうなるんだといったら、その経営責任というのはやっぱり問われなきゃいけないと思うんですね、本来は。
しかし、今ここで、そうかといって大変な被害が生まれるからということで、国が何らかの
措置をするということになれば、これは国としての方針としてやらざるを得なくなるでしょう。そうすると、経営責任というものを問う部分が消えていきはせぬか、この懸念が一つあるわけですね。それから、本来そういうことをしてもらわぬでもいいですよという
会社もあるわけですね。そういう
会社は一体どうなるんだという問題が出てくる。また大変な混乱が私は起こりはせぬかと思っている。
〔理事
須藤良太郎君退席、
委員長着席〕
そういうことで、きょうは特に、また宮澤
大蔵大臣にも無理やりお忙しい中出ていただいたのは、私は自分がかつて住専のときに、私の大切な友達の久保君が
大蔵大臣になったもので、一生懸命になって、住専の
処理のために六千八百五十億の理解を野党の皆さんに得るために一生懸命頭を下げて走り回ったんですよ。そのときのことを今思い起こすんです。やっぱり失敗したなと思っているんです。もっと本気になって事態の深刻さをあのときにしっかり考えておって、それをそのまま正直に出しておけばよかったのに、六千八百五十億やればこれで大丈夫ですからと、こう言えということだったんです、あのとき、大蔵省の中の方針は。私もそう一生懸命言ってきたんですよ。それを後で振り返って、しまったと思ったんですけれども、これはもう遅いですよね。
だから、問題は
日本の国の
経済にいろんなことを言うけれども、本当からいえば底力があるはずなんですよ、国が。
私の年になると、同僚はようけいますからね。この前も、高分子化学を専攻した男と話をしておったら、こんなのは、君、デュポンなんかに負けぬぞ、
我が国はというような話をする。もう一人は、この前アメリカで訴訟が起こされて、カプセル
会社だった。勝ったんです、ちゃんとアメリカで。
そういう連中が、要するに七十代の戦争経験の連中がこの貧しい中で一生懸命やってきて、戦って勝ってきた自信を持っておるんですね。ただ、自信を持っておるんだけれども、どうしても今できない最大の理由は何かといったら
金融問題ですよ。
金融の問題をきちっとやらなかったから、あれからとにかくもう八年も、六年も七年も、
原因は十年前になるんでしょうけれども。
そういうことを思ったら
再生委員会の役割というのは、やっぱり
国民の皆さんにもっと本当のことを知らせて、こうだからこれはこうせざるを得ませんとそのまま率直に言わなければ、今の話で保険
会社はどうもこんなことになって、そうすると保険を掛けている人も結局損しますよ、こうした方がいいですよというふうな話をしないと、これはもうとんでもないことになりはせぬかというふうに私は思うんです。
そこで、
金融再生委員長として今この問題に取り組まなきゃいけない。今、生保が出てきたわけです、本来からいえば
金融機関はまだたくさんあると思いますけれども。この
金融問題を解決しなければ、
我が国はやっぱりこの二十一世紀の中で一番の障害になっていると思うんです。その辺は
再生委員長としてひとつ決意を、やっぱり本気になって全部示しますよというぐらいの決意をやっていただいて、それからその保険の問題なんかもいろいろとやっていただかなければ、何か聞いていると、
会社がどうもこれみんな壊れたらあなたたちも損しますよ、それならこの方がいいですよというふうに聞こえるんですけれども、その辺はひとつどうでしょう、この場ですから、はっきりと御見解をお示しいただきたいと思うんです。