○松崎俊久君 次に、
沖縄の
産業の問題を
伺います。
沖縄が今後、いつまでも補助体質を温存するのではなく、どうしても自立への道を強く歩み出さなければいけないと
思いますが、その点で
沖縄の基本
産業というものは、製造業があそこに
発展する見込みなどというのはまずあり得ない、重工業などはましてやあり得ないわけでありますから、基本的には第三次
産業の分野、これは
先ほど森田委員も御
質問なさいましたが、どなたに聞いてもまず
観光だろうということをおっしゃいます、
観光が第一と。
このごろ、県内の
期待を込めてあるいは政府筋からも、情報通信
産業が二番目に登場してくるというような位置づけになっていると
思いますが、私は、この情報通信
産業に対してはかなりの疑問を持っております。いつ何どき、そういうものがまた
本土へ引き返してこないとも限らないという危険を感じております。くれぐれも、そういうことには御注意いただきたいと思うのであります。
さらに三番目には、規模は小さいでしょうが農水
産業製品の加工、水産物の加工というようなものが恐らく第三番目に位置づけられるだろう。
それで、
産業という意味ではなくて多数の人が集まるという意味では、私は
沖縄振興開発審議会の中間報告を拝見しましたが、琉球大学に私はいたこともありまして、せめて琉球大学の定員の半分は東南アジアの人々に大胆に開放すべきであるというふうに
思います。
沖縄の人たちをあそこで教育するというのは大変重要なことではありますが、中にはそれを重視する余り、例えば教育学部のごときは卒業生が一人も
沖縄県の教員試験に合格しなかったという年が一昨年なんかありますが、こういうことを見ましても、また位置的な問題を考えましても、東南アジアに突出した
日本の先端のとりでという位置にありますから、これはぜひとも東南アジアに開放されていかなきゃならないというように
思います。
その中で、一番最初に申し上げました
観光の問題であります。
一年に
観光客が五百万人を突破したというふうに伺っていまして、つい二、三年前までは四百万人突破がいつかなどと言っていたわけですから大変すばらしいことだとは思うんですが、
沖縄の
観光の特徴の致命的な欠陥というものが同時にあります。それは、
沖縄の
観光ほどリピーターの少ない
観光はないということであります。要するに、二度
沖縄には行かないと。一回は行ってみたい、しかし二度は行かないという
観光客がほかの
観光地よりもかなり多い。これは
沖縄の
観光の最大の問題点だろうというふうに
思います。
それは一にかかって、航空機会社が自分の飛行機で客を、若者を運び、そして宿に泊め、宿で金を使わせ
本土へ帰す、こういうシステムが一貫していることと、それからもう
一つは、
沖縄の食事を人一倍、恐らく
日本で私ぐらい普及行動を行った者はいないと思うぐらい私はやってまいりましたが、しかしうまくないという点では、
沖縄の料理はそういう意味では
本土からは大変評判が悪いわけであります。
問題はここからでありますが、この
観光客をぜひとも定着させるという意味で考えてまいりますと、一体
観光客は何をしに
沖縄に行くんだろうというふうに考えるべきだと思うんです。青い海などという宣伝に恐らく目を引かれるわけです。しかし、あの
観光ポスターが実はオーストラリアで撮られているというようなばかげた
観光宣伝をやっておりますし、それだけではなくて、若者にだけ限られている、いわゆる中年層、老人の旅行が非常に少ないと。
ですから、こういうものを直していくものの第一歩として、やはりいわゆる特定免税店の活用を考えないといけないと
思います。シンガポールが国全体として商業のために
発展し、
日本の女性たちは恐らくブランド物の買い物にシンガポールへ殺到するわけでありますし、一国二制度の香港、これもそのたぐいであります。
沖縄がもしも、せめてあの半分でも特定のそれだけの能力を持っていたならば、
那覇市への買い物というものは、これはもうずっと近いわけですし、恐らく
発展するだろうと思うんです。ところが特定免税店たるや、
沖縄に一度行かれた方はおわかりのとおり、飛行場の中にみすぼらしいのが二つあります。商品内容貧弱、そして売るものはろくになしと。私は、あれを見る
たびごとに
沖縄の人間の商売感覚のなさに憤りを感ずるのでありますが、せめて一国二制度とはいかないまでも、現制度の中でぎりぎりの接点まで、この特定免税店の
発展並びにこれだけで町の一画が形成されるぐらい
那覇の商業地にもそういうものをつくるべきだろうというふうに考えていますが、この点いかがでございましょうか。