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2000-11-08 第150回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十二年十一月八日(水曜日) 午後一時九分開会 ─────────────
委員
の
異動
十一月一日 辞任
補欠選任
片山虎之助
君
清水
達雄
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
立木
洋君 理 事
末広まきこ
君 中川 義雄君 松崎 俊久君
福本
潤一君 委 員 鎌田 要人君 月原
茂皓
君 成瀬 守重君 森田 次夫君 郡司 彰君 小林 元君
笹野
貞子君 風間 昶君
小泉
親司君
照屋
寛徳
君 堂本 暁子君
国務大臣
国務大臣
(
沖縄開発庁長
官)
福田
康夫
君
事務局側
第一
特別調査室
長
鴫谷
潤君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
沖縄
及び北方問題に関しての
対策樹立
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
) ─────────────
立木洋
1
○
委員長
(
立木洋
君) ただいまから
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御
報告
をいたします。 去る一日、
片山虎之助
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
清水達雄
君が選任されました。 ─────────────
立木洋
2
○
委員長
(
立木洋
君)
沖縄
及び北方問題に関しての
対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。 先般本
委員会
が行いました
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
末広まきこ
君。
末広まきこ
3
○
末広まきこ
君 先般行われました
委員派遣
につきまして、その
概要
を御
報告
申し上げます。 八月二十三日から同月二十五日までの三日間、
沖縄
の
振興開発
及び
海上保安業務等
に関する
実情調査
のため、
立木委員長
、
鴻池理事
、
笹野理事
、
福本理事
、
小泉委員
、
照屋委員
及び私、
末広
の七名が
沖縄
県に
派遣
されました。なお、八月二十四日と二十五日には、
島袋議員
の
現地参加
もいただきました。
本土復帰
以降、これまで三次にわたる
沖縄振興開発計画
が策定され、これに基づき
各般
の
施策
が講じられてまいりましたが、三次振計の終了が一年数カ月後となった現在、
ポスト
三次振計が重要な
課題
となってきております。また、本年七月には、G8
サミット
の
首脳会合
が
沖縄
において
開催
されましたが、同
サミット
の
開催
が
沖縄
の
経済社会
にどのような
影響
をもたらしているかということも
関心
のあるところであります。 今回の
委員派遣
におきましては、このような
状況
を踏まえ、
沖縄
の
振興開発
の
現状
を
中心
に、これと密接な
関連
を持つ米軍基地問題、さらには
沖縄
における
海上保安業務
や
航空業務
も
調査
の対象とし、
概況説明
の聴取や
現地
の
実情視察
を行い、あわせて
沖縄
県や
関係自治体等
からの
意見
や
要望
の把握に努めてまいりました。 以下、その
調査
の
概要
について、
日程
に沿って御
報告
申し上げます。 第一日目は、まず
沖縄総合事務局
及び
那覇防衛施設局
から
概況説明
を聴取し、次いで
沖縄
県から県勢の
概況
と
要望
を聴取し、それぞれ質疑と
意見交換
を行いました。その主な
項目
は、
沖縄
の
雇用対策
、
沖縄振興新法
の
重点分野
及びその理念、
クリントン大統領
への
稲嶺県知事
の四つの
要望
、マルチメディア・アイランドの
形成
、
普天間代替施設
の十五年使用期限問題、アメラジアン問題、
沖縄
における
高齢者保養地
の
形成
などであります。 この後、
沖縄自動車道
を北上して
石川
市に向かい、同市の
中心市街地
に隣接した
石川西地区土地区画整理事業
を
視察
し、
事業概要
の
説明
を受けました。その際、
石川
市から、
土地区画整理事業
の
国庫補助
について
区画道路
までの
適用範囲
の拡大を求める
意見
が寄せられました。 次に、
名護
市に入り、九州・
沖縄サミット
の
首脳会合
が行われた万
国津梁館
を
視察
しました。万
国津梁館
には、
沖縄
独自の
素材
や
沖縄
と歴史的につながりの深いアジアの
素材
がふんだんに用いられており、
沖縄
の心を
世界
に発信するにふさわしい場であるとの印象を受けました。
最後
に、
名護
、
沖縄
、
石川
の三市から
市勢概況
と
要望
を聴取し、
意見交換
を行いました。その主な
項目
は、
名護金融特区構想
、市政と基地問題、
基地周辺
の
住宅防音区域
の不均衡などであります。 第二日目は、まず、
名護
から
沖縄自動車道
を南下して、
沖縄
市と
石川
市の
市境
に所在する
倉敷ダム
を
視察
し、同
施設
及び
比謝川総合開発
の
概要
を聴取いたしました。 続いて、
具志川ランセンター
を
視察
し、
有限会社熱帯資源研究所
から、同
センター
における新品種の
開発
、
ラン生産
、販売など
事業概要
の
説明
を受けました。 次いで、
米軍普天間飛行場
を展望できる
宜野湾
市の
嘉数高台
において、
那覇防衛施設局
、
沖縄
県及び
宜野湾
市から、
普天間飛行場
の
現状
及び同
飛行場
の存在が
周辺住民
に及ぼす
影響
や
被害等
について
説明
を受けました。
市街地中心部
の平たんで有用な
区域
を占める同
飛行場
を一望し、
移設
の
早期実現
に向けた
努力
がこれまで以上に必要との認識を新たにいたしました。 この後、
那覇新港
から海上保安庁の
巡視船
「
りゅうきゅう
」に乗船し、同船において、第十一
管区海上保安本部
の
業務概要
、特に
沖縄サミット
時の
海上警備
や最近活動が活発になっている中国の
海洋調査船
への
警戒態勢
などについて
説明
を聴取するとともに、
船内業務
及び
那覇新港
の内外を
視察
いたしました。 二日目の
最後
には、
那覇空港
を訪れ、
那覇空港事務所
から
業務概要
を聴取し、管制塔及び
レーダー室
、
空港内エプロン
を
視察
いたしました。 第三日目は、
沖縄本島南部
の
視察
として、まず、
糸満
市にある
沖縄
県
水産試験場
を
視察
し、
業務概要
や
水産試験場
の現況の
説明
を受けました。続いて、
沖縄漁業
の
中心
となっている
糸満漁港
を
視察
し、
漁港整備長期計画等
について
説明
を受けました。 次いで、
沖縄戦終えん
の地となった摩文仁の丘の
平和祈念公園
を訪れ、
国立戦没者墓苑
で献花し、平和の礎及び
沖縄
県
平和祈念資料館
を
視察
いたしました。平和の礎の
建設趣旨
の
説明
を受ける中で、石碑に刻まれた
沖縄戦等
で亡くなられたすべての
人々
の氏名の圧倒的な数に胸を打たれました。また、
平和祈念資料館
では、
沖縄戦
の悲惨さや
歴史的教訓
、戦後の
沖縄
の
人々
が培ってきた平和を求める心がひしひしと伝わってまいりました。これは私
たち
と同様に、ここを訪れる
世界
の
人々
や次代を担う
若者たち
にも伝えられ、恒久平和を求める心が
沖縄
から
世界
に、現在から未来に広がっていくとの確信を持ちました。 次に、南風原町の
琉球
か
すり
会館を
視察
し、
沖縄
の
伝統工芸
の一つである
琉球
が
すり
の
生産
の
実情
や
製造工程等
について
説明
を受けました。その中で、
琉球
が
すり
は、
生産量
の減少や
後継者不足
などの問題を抱え、その将来が危惧されているとの
説明
があり、
後継者育成事業
の
研修期間
の延長と
補助
の充実及び
共同作業所設置
の
要望
を受けました。 この後、
那覇空港
に向かう車中から、
平成
十五年の開業を目指して
建設
が進められている
都市モノレール
の
建設現場
を
視察
するとともに、工事の
進捗状況
や
事業概要
の
説明
を受けました。 以上をもちまして三日間の
調査日程
を終了いたしました。 今回の
派遣
におきましては、地元から多岐にわたる
要望
をいただき、また、高い
失業率
や財政及び
基地関係収入
への依存、米軍基地問題など、いまだ数多くの問題を抱える
沖縄
の
実情
をこの目で確認いたしました。残された
沖縄
の
課題
を踏まえて、
ポスト
三次振計においては、
本土
との
格差是正
にとどまらない、
沖縄
の特色を生かした自立的な
発展
を確保する総合的な政策の
樹立
が求められており、これらを
沖縄振興新法
や新たな
沖縄振興開発計画
において実現していくことが必要であります。 今回の
調査
を踏まえて、二十一世紀の
沖縄
のために、残された
課題
の
解決策
を
委員会
で十分議論し、国の
施策
に反映できるよう
努力
することが重要であります。
最後
に、今回の
委員派遣
に際して多大な御
協力
をいただきました
沖縄総合事務局
を初めとする
関係機関
、
沖縄
県、
関係自治体等
の
皆様
に厚く御礼を申し上げます。 なお、
委員派遣
の文書による
報告書
につきましては、本日の
会議録
の
末尾
に掲載されますよう、お取り計らいをいただきたいと思います。 以上でございます。
立木洋
4
○
委員長
(
立木洋
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 ただいまの
報告
につきまして、別途、詳細にわたる
報告書
が提出されておりますので、これを本日の
会議録
の
末尾
に掲載することにいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
立木洋
5
○
委員長
(
立木洋
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
立木洋
6
○
委員長
(
立木洋
君) この際、
福田沖縄開発庁長官
から発言を求められておりますので、これを許します。
福田沖縄開発庁長官
。
福田康夫
7
○
国務大臣
(
福田康夫
君)
沖縄開発庁長官
を拝命いたしました
福田康夫
でございます。
立木委員長
を初め
理事
、
委員各位
の御鞭撻、御指導をよろしくお願い申し上げます。
皆様
御承知のとおり、
沖縄
は、さきの大戦で焦土と化し、その後も二十七年間にわたり米国の
施政権下
に置かれるなど、まことに多難な道を歩んでまいりました。
沖縄
が昭和四十七年五月に
本土
に復帰して以来、
政府
は三次にわたる
振興開発計画
を策定し、これに基づきまして総額六兆円を超える国費を投入し、
各般
の
施策
を積極的に講じてまいりました。その結果、
県民
の
皆様
のたゆまざる御
努力
と相まって、
社会資本
の
整備
は大きく前進し、
沖縄
の
経済社会
は総体として着実に
発展
してきたところであります。 しかしながら、
沖縄
には、今なお広大な
米軍施設
・
区域
が存在するとともに、交通の
円滑化
、水の確保、
街づくり
、
環境衛生
などさまざまな
分野
で
整備
を要するものが見られ、さらには
産業振興
の問題、
雇用
の問題など今なお
解決
しなければならない多くの
課題
を抱えております。 こうした
沖縄
の抱える諸問題については、現内閣においても引き続き
重要課題
として、その
解決
に全力を挙げて取り組む
方針
であります。
沖縄開発庁
といたしましては、引き続き、第三次
沖縄振興開発計画
を着実に推進し、観光・
リゾート関連産業
を初めとする
沖縄
の
特性
を生かした
産業
の
振興
、
我が国
の南の
国際交流拠点
の
形成
に努めてまいりますとともに、
平成
十三年度末で期限を迎える
現行計画
後の
振興開発
の進め方としてのいわゆる
ポスト
三次振計について、新たな時代に向けた法制のあり方も含め精力的に検討してまいります。また、特に、昨年十二月に閣議決定された
普天間飛行場
の
移設
に係る
政府方針
に基づき、
移設先
及び
周辺地域
を含む
沖縄
県
北部地域
の
振興
並びに
駐留軍用地跡地利用
の促進及び
円滑化等
の
重要課題
に誠心誠意尽力してまいります。 また、本年七月、
沖縄
において
サミット首脳会合
が
開催
されましたが、その成功により、
沖縄
が
世界
に発信され、大きな
関心
を集めたことは、今後の
沖縄
の
発展
にはかり知れないプラスの
影響
を与えるものと考えており、
沖縄開発庁
といたしましても、引き続き
国際会議
を誘致するなど、
我が国
の南の
国際交流拠点
の
形成
を目指し、今後とも、
サミット開催
の成果の積極的な活用に努めてまいります。 私といたしましては、今後とも
沖縄
県や
県民
の
皆様
と一体となって、
沖縄
の
特性
を生かした
振興開発施策
を積極的に展開してまいりたいと考えております。
最後
に、
立木委員長
を初め
理事
、
委員
の
皆様方
の一層の御理解と御
協力
を重ねてお願い申し上げまして、私の就任のあいさつといたします。
立木洋
8
○
委員長
(
立木洋
君) 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十二分散会