○穀田恵二君 私は、
日本共産党を代表し、
森総理に
質問します。
質問に先立って、北海道有珠山の噴火、三宅島の噴火と神津島近海などでの地震活動、東海
地方を
中心とした豪雨など、ことしに入ってから
日本列島各地で災害が相次いで発生しており、これらの災害により犠牲となられた
方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された
皆様に心からお見舞い申し上げます。
さて、今
国会は、
日本国
憲法の
もと、
国会が主権者である
国民の代表機関となって百五十回目、節目の
国会であり、二十
世紀最後の
国会です。
総理、あなたも次の
世紀への備えを強調されました。しかし、山積する
課題の危機的
状況をどのように解決し、どういう形で二十一
世紀を迎えるのか、全く見えてきませんでした。
総理、
日本と
国民の置かれている
状況をしっかり見据え、
国民こそ主人公の立場に立って、今日の行き詰まった
政治を打開し、
国民の
生活と安全を確保する、これこそが今
政治が果たすべき
責任と
役割であります。
まず初めに、災害
対策について
質問します。
有珠山では、三月三十一日の噴火開始以来半年がたっても、なお多くの
方々が避難
生活を余儀なくされています。三宅島では全島民の避難という
事態になり、東京都内などでのなれない避難
生活を強いられ、子供たちの多くは秋川高校での集団
生活を続けています。
東海
地方の豪雨災害では、九名の
方々が犠牲となられ、愛知県では、住宅の損壊が二百六十九棟、床上浸水は二万八千棟を超えるという大災害となりました。
被災者の
支援で痛感するのは、できるだけの
支援ではだめだということです。融資だけでは
生活再建はできません。地震、噴火、水害などで被災し、
個人の力ではどうしようもない困難に直面した人々にあらゆる
支援の手を差し伸べる、ここにこそ
政治の最低限の
役割と
責任があります。
忘れもしません。未曾有の大災害となった一九九五年一月十七日の阪神・淡路大震災、私は、その直後の
予算委員会で、復興に当たっては被災者の
生活再建を柱とすること、そのために
個人補償を
中心とした公的
支援の実施を提案しました。
阪神・淡路大震災の復旧復興
対策に十兆円を超える国費を投じ、高速道路や鉄道などはいち早く再建しましたが、肝心の被災者の
生活と営業の再建は立ちおくれ、今なお
もとの町にさえ戻れず、二重ローンや災害融資の返済に多くの被災者が苦しんでいるのが実態です。災害で家を失い、収入の道を断たれた被災者が自立するためには、住宅や店舗の再建を含む
生活や営業の
基盤の
回復への公的
支援、
個人補償がどうしても必要です。
災害列島
日本の現実を見るにつけ、公的
支援、
個人補償
制度を実現することは、まさに
政治の
責任ではありませんか。明確な答弁を求めます。(
拍手)
次に、暮らしを支える
社会保障と雇用の問題です。
この二十
世紀は、
社会保障を権利として
確立した
世紀です。
日本国
憲法は、
国民の生存権を保障し、
社会保障の向上と増進を国の義務として求めていますが、私は、この
憲法を暮らしに生かすことが大切だと
考えています。
社会保障の
現状に不安を感じている
国民が今ほど多いときはありません。
読売新聞の世論調査によると、
国民の四人に三人が老後の
生活に不安を感じ、その理由として、
生活費が足りなくなる、五四・五%、十分な
介護が受けられない、四六・一%、寝たきりや痴呆になる、二九・七%を挙げています。しかも、
生活に不安を感じる人が昨年よりも六ポイントもふえて、同紙の調査開始以来最高の数値となっています。
老後の不安を増幅させている
介護保険について
質問します。
介護保険が始まって半年、
総理はおおむね順調に実施されていると言いますが、その実態を見ると、利用料の
負担が重いために必要なサービスが受けられないお年寄りが続出しています。厚生省が公表した各
自治体の
介護利用者のアンケート結果によると、利用料が高くなったと答えた方が六割から七割に上り、日経新聞のケアマネジャー調査でも、限度額の六割以下しかサービスを利用しない事例が七〇%にも上っています。
介護保険ができたために今までの
介護が受けられないという
介護の
社会化に逆行するこうした
事態を、
総理はどう認識しているのですか、率直な答弁を求めます。
ところが、
政府は、この十月から、六十五歳以上のお年寄りからも
介護保険料を新たに
徴収しようとしています。
保険料徴収通知が届けられた途端、私の地元の京都市では、わずか三週間の間に一万一千件もの問い合わせが殺到し、市税が減免されているのになぜ
保険料を払わないといけないのかという苦情がそのうちの半数以上を占めています。
介護サービスの利用料が払えず、認定してもらっただけになっているのに、それでも
保険料を払うのか、本人の承諾なしで年金から天引きすることなど許せないといった声が次々と寄せられています。
お年寄りの
保険料徴収が始まれば、たとえ当面一年間は半額の
保険料であっても、低所得者には二重の打撃となります。このままでは、必要なサービスをさらに縮小せざるを得なくなることは明白ではありませんか。
そこで、緊急措置として、在宅
介護の利用料については、最小限の措置として、
政府の特別
対策である訪問
介護利用料の三%への軽減措置を、新規の
サービス利用者も含めて、訪問看護、デイケア、訪問入浴などすべての在宅サービスに
拡大すること、
保険料は
住民税非課税の
高齢者、低所得者からは
徴収しない措置をとること、このことを直ちに実行すべきではありませんか。
また、深刻な
事態の
もとで、少なくない
地方自治体が独自の
保険料免除措置を行おうとしています。これは当然のことです。
政府はこれを応援すべきものです。
政府が、一律免除は適当でないなどとして低所得
高齢者への減免をやめるよう
自治体を
指導するなどは、やり方が逆さまであり、断じて認められるものではありません。答弁を求めます。
健康
保険制度の問題です。
政府は、今
国会に
法案を提出し、七十歳以上の
高齢者の医療費患者
負担を来年一月から原則一割に引き上げようとしています。
この
政府の計画が実施されたらどうなるでしょう。ある医療機関の試算によると、小脳出血で二週間入院した場合、
現行制度では二万七千四百四十円の
負担だったものが四万八千百二十円となり、一・七倍もの患者
負担増になります。
また、ぜんそくで通院しているお年寄りは、一割
負担になれば、病院に行くまで幾らかかるかわからないし、安心して治療が受けられなくなります、病気になったら見捨てられてしまうようで本当に心配ですと話していました。
高齢者にとって、
介護の利用料
負担に加え、
保険料の
徴収と重なり、医療保険の
負担増はトリプルパンチとなり、この上どう
負担せよというのかとの怨嗟の声が広がっています。
しかも、お年寄りの
負担をふやす一方で、国庫
負担は月額百四十億円も減らす。やり方が逆さまではありませんか。このような計画はやめるべきであります。
医療費の国庫
負担率は、一九八〇
年度の三〇・四%から、一九九七
年度には二四・四%へと六ポイントも減らされています。九七
年度で、金額に換算すれば一兆七千億円にもなるのです。
高齢者、
国民の
負担をふやすのではなく、国庫
負担を抜本的に引き上げてこそ
政治の
責任と
役割を果たすことができるのであり、医療の
改革を言うなら、健康保険改悪
法案を撤回した上で、高過ぎる薬価や医療機器の価格
構造にメスを入れることが先決ではありませんか。答弁を求めます。(
拍手)
次に、雇用問題です。
雇用危機を解決するためには、
日本共産党が提案している解雇規制法の制定と、違法なサービス残業を根絶する措置をとることが緊急に必要です。
労働省が昨年から始めた紛争解決援助
制度の実績を見ると、五一・二%が解雇に関するものです。出向や退職勧奨、雇いどめなど解雇に類するものを含めると、実に七二・四%に達しています。直接、
行政機関に救済を求めているというのが実態であります。だからこそ、
政府も、個別紛争処理のための新たな
制度を
検討しているのではありませんか。
解雇問題について、労使の話し合いに任せるという
政府のこれまでの言い分は、もはや通用しません。今こそ解雇規制法の制定を真剣に
検討すべきではありませんか。答弁を求めます。
青年の雇用問題も重要です。
いわゆるフリーターの青年は、労働省の調査でも百五十万人を超えています。二十一
世紀を担う青年がその職業
生活を順調にスタートできないという
現状は、
我が国の将来にとっても重大な問題です。彼らが希望を持って職業
生活に踏み出していくために、安定した雇用と労働時間の短縮は不可欠の
課題です。同時に、新卒未就職者に対する職業訓練の実施とその間の
生活保障などの
対策を講ずべきと
考えますが、
総理の答弁を求めます。
急増するパート労働者を初めとする非正規労働者
対策も急がれています。
これらの労働者は、圧倒的に無権利の状態に置かれています。賃金は限りなく最低賃金に張りつき、ボーナスも退職金もない、一千万人にも及ぶパート労働者のうち、雇用
保険制度に加入しているのはわずかに七十四万人
余りにすぎず、国の
制度からも排除されているのです。
先日、ディズニーランドで、
社会保険に加入させないまま働かせていたアルバイトの青年労働者に、さかのぼって
保険料が請求され、大問題となりましたが、こうした
事態は広く蔓延し、このことが年金や健康保険の
財政基盤をも掘り崩す結果になっています。
既に国際的には、ILO百七十五号条約やEU各国のパート法制に見られるように、こうしたパート差別をなくすための賃金の時間比例原則とその他の処遇の平等という規範が
確立しています。
しかし、
我が国のパート労働法は、肝心の賃金についても時間比例原則すら明確にしていないという極めて不十分なものです。今こそ、国際水準に立った抜本的なパート労働法の拡充と強化が求められていると思いますが、答弁を求めます。(
拍手)
次に、
補正予算の問題です。
総理がやろうとしているのは、結局、
景気対策と称して相も変わらず
公共事業中心の大型の
補正予算の
編成ではありませんか。
ITなど看板を新たにしても、その内実は、関西国際空港二期工事、中部国際空港
整備など、大型プロジェクトの投資が
中心です。
九二年八月の宮澤内閣の総合
経済対策以来十一回、
事業規模で百二十五兆円、うち
公共事業に七十一兆円もつぎ込んできました。しかし、こうしたゼネコン奉仕型
公共事業が、借金の山を築いただけで
景気回復に役立たず、
国民の暮らしを
改善するものではありませんでした。
マスコミの社説でも、まず規模ありきが一九九〇年代以降の
補正予算の習性になってきた、このことがいかに多くのむだな
事業と
政府の借金を重ねてきたことか、もうそろそろ冷静にこれまでの総合
対策を振り返ってもいいころであるとずばり指摘しています。
国債をさらに増発しての大型
補正予算の
編成は、
景気回復に役立たないどころか、国債価格の暴落、長期金利の上昇などを引き起こし、金融
市場と
国民経済に深刻な混乱をもたらす危険性を指摘せざるを得ません。
総理、こうしたやり方を根本的に転換すべきではありませんか。
政府・
与党は、二百三十三
事業、二兆八千億円の
公共事業の
見直しを発表しました。しかし、年額に直すと二から三千億円程度で、総額五十兆円という
公共事業費のわずか〇・五%にすぎません。それどころか、
公共事業上積みの
補正予算まで
編成するのでは、
見直しどころか
拡大ではありませんか。
総理の言う
公共事業のビッグバン的
見直しというのはこういうことなのですか。これでは、むだな
公共事業をやめよという
国民の批判に逆行するのではありませんか。
この際、年間五十兆円、総額六百三十兆円使い切りの公共投資基本計画を根本から見直すべきであります。明確な答弁を求めます。
九九
年度は、一兆円を超える剰余金が出ることが確定しています。その半分は、
財政法第六条に基づき国債の償還に充て、残りを緊急に必要な
国民の暮らしを支える
予算に充てるべきです。
四つの柱を提案します。
第一は、災害被災者への
支援です。
この間の地震、噴火や水害などで被害を受けた被災者に、
生活、仕事の確保や災害前の借金返済の
負担軽減など、きめ細かな
対策を直ちに実施すべきです。同時に、被災者
生活再建
支援法に基づく
支援金支給は、対象を抜本的に
拡大し、支給限度額を大幅に引き上げるなど、国の
責任で真に実効ある
制度にすべきです。また、阪神・淡路大震災被災者に対する災害融資や二重ローンの
負担軽減
対策にも緊急に
支援を講ずるべきです。
第二は、
高齢者からの
介護保険の利用料や
保険料の減免措置をつくることです。
第三は、お年寄りの医療費
負担をこれ以上重くする健康保険法改悪をやめること。
第四は、失業者のつなぎ就労確保などの雇用
対策を初め、中小
企業や農家経営の安定
対策を充実することです。
緊急
地域雇用特別交付金
制度、これについては、二年半で二千億円にすぎない
予算をせめて倍増することが必要です。
そして、委託
中心のやり方を
自治体が直接実施できるように改めること、最長六カ月という雇用期間の規制を外すこと、雇用保険の受給期間を超えた失業者を対象とすることなどの
改善を直ちに行うことです。
こうした
対策こそ、今必要な最小限の施策であり、今
年度中に必要な
経費は約五千億円程度です。
政府にその意思さえあれば、実現可能な措置です。国債の発行などは全く不要です。
こうしてこそ、
日本経済の再建と
財政再建に向けた第一歩が開けるのではありませんか。答弁を求めます。
次に、
参議院選挙制度を根本から変える非拘束名簿式の導入問題です。
第一に、
与党三党が導入しようとしている非拘束名簿式なるものが有権者の投票意思を全く愚弄するものだということです。
非拘束名簿式の
制度としての最大の
問題点は、有権者が
個人名を書いて投票した票をその候補者の所属政党への投票と読みかえて、これによって、有権者がある候補を当選させようとして投票した票が政党の得票に集計され、自分が入れたつもりのない候補者の得票となることです。
これはまさに票の横流しではありませんか。票の横流しを
制度化するなどというのは、民意の正確な議席への反映という
選挙制度の基本に背くものであり、断じて容認できません。
与党は、このような
法案の提出を中止すべきです。
第二に、そのやり方がおよそ議会制民主主義のルールを根本から踏みにじっている点です。
選挙制度は、
国会の土俵づくりであり、
国民主権と議会制民主主義の根幹にかかわる問題です。その
制度の変更は、議会を構成するすべての会派で十分に
協議を尽くして、
合意に基づき進めるべきものです。
総理、あなたはそう思わないのですか。
参議院のすべての会派で構成された
参議院選挙制度改革協議会が、当面は
現行制度を維持すること、つまり非拘束名簿式の導入はしないことを決め、
参議院議長も参加し、
参議院全体の
合意として確認しました。
にもかかわらず、その
合意を一方的にほごにして、全党でやらないとしていた
現行制度の改変を持ち出してくる。これは、議会運営の最低限のルールさえ踏みにじる重大なルール破りではありませんか。
見解を求めます。(
拍手)
次に、
総理は
あっせん利得処罰
法案を今
国会中に成立させると答弁しました。問題は、実効ある法律を成立させることです。
あっせん利得罪は、いわゆる族議員などが官庁や役所に圧力をかけ、
予算や補助金、
税制、
行政指導などに口ききをし、その報酬としてわいろを受け取ることをやめさせようというものです。
この問題は、
現行刑法で汚職犯罪を立件する上で障害になっている職務権限やあっせんを依頼したという請託を外して、実効ある法律をつくろうというのが出発点でした。その立場で提案したのが
野党共同案です。
ところが、
与党案は、
野党案より厳しいものにするなどと言いながら、どうして請託や権限を犯罪の構成要件に盛り込み、さらには、対象範囲を契約と
行政処分に限定したのですか。これで、どうして実効ある法律になりますか。抜け穴だらけのざる法ではありませんか。
また、本年四月から、
政治家個人への
企業・団体献金が禁止になりましたが、その後も、政党支部を通じた抜け道献金は一層横行し、政党助成金との二重取りに
国民の不信が募っているのであります。
総理、本当に
国民の
信頼を高めるには、この際、
政治腐敗の根源である
企業・団体献金を完全に禁止し、政党助成
制度を撤廃するべきではありませんか。答弁を求めます。
選挙制度に関連して、永住外国人の
地方参政権についてもお聞きします。
永住外国人の
地方参政権は、
地方自治、住民自治の場に永住外国人をその担い手として迎え、
日本国民と等しく参加する
政治を実現しようとするものであり、
我が国の民主
政治の
発展につながるものだと
考えます。
ところが、
政府は、一貫して
与党間での
協議任せの
姿勢をとってきました。この問題は、日韓
首脳会談の議題となってきた問題でもあります。
政府としての
責任ある態度を明らかにすべきであります。答弁を求めます。
最後に、
日本外交の
あり方です。
私は、京都の立命館大学に学びました。侵略戦争を反省し、若き学徒の出陣の過ちを繰り返さないという反戦平和のわだつみ像を仰ぎ見て
政治を志しました。わだつみの悲劇を繰り返すまい、これが私の
政治信条です。その立場から、二十一
世紀の
日本外交について三つのことを提案します。
第一は、軍事同盟
中心、軍事
対応一本やりを平和的な話し合いの
外交路線に転換し、侵略戦争と植民地支配の反省を明確にして、真にアジアの一員としての
外交を進めることです。
今、アジアで平和への力強い流れが起きています。朝鮮半島をめぐってはさまざまな曲折がありましたが、
南北首脳会談の
歴史的成功は、朝鮮半島問題の平和的解決のみならず、東アジアの平和と安全にとっても極めて大きな意義を持つものであります。
ところが、この平和への
動きの中で、
日本政府がこの間やってきたことは、戦争法、ガイドライン法を初めとする自衛隊の海外派兵体制の強化など、軍事
対応一本やりでした。これは、アジアの国々を危険視した政策そのものではありませんか。加えて、
森総理の神の国
発言や侵略戦争肯定の
発言が、どんなにアジア諸国の
信頼を失ったことでしょうか。
総理、二十一
世紀をアジアの
世紀にすると言うなら、二十
世紀最後のこの
国会で、
総理自身が、
日本が行った侵略戦争と植民地支配への真摯な反省を内外に明らかにすべきであります。
責任ある答弁を求めます。
これは、
日本の
歴史的
責任の問題であり、
北朝鮮との国交正常化
交渉を前向きに実らせるかぎでもあります。そして、アメリカ追従
外交をやめ、アジアの平和の流れに貢献する
外交に転換する、この道こそが、
日本が選択すべき二十一
世紀の
外交だと
考えます。
第二に、二十一
世紀を核廃絶の
時代とするためのイニシアチブをとる
外交であります。
総理は、
国連ミレニアムサミットで、今春のNPT再
検討会議で確認された全面的核廃絶に向けての明確な約束を大きな一歩と評価しました。問題は、
日本政府が一日も早い全面的核廃絶に向けてイニシアチブをとるかどうかであります。
国連に加盟してからの四十四年間の
日本外交は、一日も早い核廃絶をという
国民の願いに反し、アメリカに追随し、究極的廃絶の立場に立って期限を切っての核廃絶決議に棄権し続けてきました。今、非同盟諸国や新アジェンダ連合がアメリカなどの核兵器保有国に対して強力な
交渉を行うなど、核兵器廃絶への力強い流れが起きている
もとで、唯一の原爆被爆国
日本が、率先して期限を切った核廃絶のための
交渉開始を求め、その先頭に立つべきではありませんか。明確な答弁を求めます。(
拍手)
第三に、
日本国
憲法の
平和主義を
日本外交の
中心に据える問題です。
日本国
憲法の打ち立てた恒久
平和主義の原則は、第二次
世界大戦への反省から出発して、戦争の違法化という二十
世紀の
世界史の大きな流れの中で、最も先駆的な到達点を示すものであり、
世界に誇るべき原則であります。
今二十一
世紀に向けて、アジアと
世界でわき起こりつつある平和への力強い流れの中で、
憲法第九条の値打ちがいよいよ光り輝くものとなっております。
この
日本国
憲法の
平和主義を
中心にした
日本外交を進めることが、
日本が
世界の平和に貢献し、
国際社会で名誉ある地位を占める道であります。
以上、
日本国
憲法の先駆的原則を生かす
政治こそが二十一
世紀の
日本をつくる道だということを申し上げ、
質問を終わります。(
拍手)
〔
内閣総理大臣森喜朗君
登壇〕