○山内(惠)
委員 わかりました。私の
考えと通じると
思います。
今、こういう
子供たちのケアに児童相談所が
対応しているということなんですが、例えば、
札幌は百八十三万人の都市なんですけれ
ども、
札幌というのは、児童福祉センターは、道立というのがもう
一つありますけれ
ども、一カ所しかなく、年間四千件以上に上る相談を十六人の相談員でカバーしているということです。余りにも人の数が少ない。
その
意味では、今
大臣もおっしゃられたことの具体的な例として通じるものがあるので、フィンランドの例を言いますと、
学校での担任、
校長、それから養護教諭役の看護婦、
学校心理士、医師、親が参加して、いじめや不登校など、問題が起きるたびに検討会を開いている。このような体制が、
学校と子供を社会が支援する仕組みとしてあるということです。研究態勢におありということですから、
日本でもこのような支援体制を本当に急いでつくる必要があると
思います。
教育行政の貧困が十七歳少年
事件の数々をもたらしたということのないようにということでいえば、バス乗っ取り
事件の少年も、六年間も不登校であった、随分繊細な子供だったというふうに
報道されています。この子の逮捕された後なんですけれ
ども、警察官があの部屋を見て、息子さんは物すごい不安を抱えていたんですねとおっしゃっていた。この子供の
対応をしたお医者さんは、医療だけでは無理がある、児童精神科医、それから児童福祉、司法の
関係者、その辺は今の
大臣のお答えと通じると
思いますので、
文部省が中心になって、この支援体制づくりに本当に全力を挙げていただけることを私は
大臣に期待したいと
思います。
次なんですけれ
ども、私は、
学校現場にいた者として、子供のシグナルを受けとめるということが本当になかなかできない、さっきのような
子供たちを
学校も見落とすことがある、もし見落としてさえいなければあの
事件にはつながらなかったのではないかという声も
新聞に出ていますけれ
ども、その
意味でこそ、クラスサイズを三十人以下にするということを長いこと強く希望してきました。今回の
教職員定数改善計画というのは、その
意味では、残念ながら少な過ぎるということを私は申したいと
思います。
ただ、きょう、もう
一つ大きな問題を
質問したいと思っておりますので、お調べくださった担当の方には申しわけないのですけれ
ども、このお答えは後日いただきたいということでお許しください。
それから、子
どもの権利条約につきましても、実は周知徹底をどのようにされてきたかということや、
教職員や
子供たちがどれぐらい知っている現状にあるかという点についても、
質問事項に書いておいたのですけれ
ども、これも恐れ入りますが、後日お聞かせいただくということで、きょうは省略させていただきたいと
思います。申しわけございません。
今、二〇〇二年度から本格的な総合的学習が始まるということになっています。総合的学習を進めるということにつきましては、学級の枠を取り払い、教科の枠を取り払い、横断的なカリキュラムで、創造的に、
教職員、
子供たちそして地域の父母の方々、皆さんと自由な発想で進めていく必要がある時間の設置だというふうに
思います。
例えば、
北海道的に言えば、
北海道には石狩川が流れています。この川を中心にその流域に暮らしている人々、そしてこの石狩川はサケの上る川、そして、あそこにはアイヌの人たちが文化を持って暮らしていた。そういうことでいえば、地理の勉強にもなるし、食生活の問題にもなるし、それを延ばしていくと
北海道の食料基地としての
あり方というところにまでつながるかもわかりません。ユーカラ叙事詩のことを言えば、またこれがもう
一つ、音楽へもつながるかもわかりません。歴史ということにもつながるように
思います。
多様な教科の
内容にわたっての学習をしていく、そういうことが
子供たちの生きる力をつけていくということでは、希望の持てる時間だというふうに私は思っています。そのためにも、担任一人でこの授業ができるわけではありませんので、学年の
先生方や地域の方々の協力を得て、自由な研究、自由な話し合いの中からの実践をすることも、きっと
文部省も望んでいることであろうというふうに
思います。
ところで、
大臣、実はきょう、一番最初の馳さんもおっしゃったのですけれ
ども、私はちょっと予定になかったことに時間をとるために、今焦ったわけです。
参議院の文教
委員会で
北海道の
教育問題が取り上げられているとお聞きしましたが、きょう発言がなければそれはまたいずれとか思ったりしていたのですけれ
ども、またきょうも馳議員から
質問があり、
大臣のお答えがあったということでいえば、私は
北海道出身の議員として、しかも現場にいたという立場でいうと、どうしてもここで、今なぜ急に
北海道の
教育なのかということを
質問したいと
思います。
今回、いろいろ読ませていただきましたが、日の丸・君が代の
実施率が低いということから、今回
大臣が
答弁されている
内容、
職員会議の問題、
学校管理規則の
改正の問題に至るまでということになると、
大臣、これは強制ということにつながりませんか。私は、このことをとても強く心配をするものです。
四六
協定というのが、
札幌の
教職員組合との
関係だったと
思いますが、それを破棄するように
道教委を
指導するとおっしゃった回答に、私はちょっと胸を痛くしております。しかも、相当な決意を持って当たると。そして、先ほどのお話ですと、十一月の六日には、
教育委員会の方をお呼びになってなのか、強く
指導された。それから、聞くところによりますと、私も数字は確かではありませんけれ
ども、五、六回
教育委員会の方に来ていただいてお話をされたような、余りそれは事実ではありませんからわかりませんけれ
ども、
指導をなさったということなんですけれ
ども、私は、このような強制は本当はあってはならない、抑えていただきたかったなというふうに思うのです。
それは、第百四十五
国会の日の丸・君が代、
国旗・
国歌法案を法制化するに当たっての議事録を幾つか私も見せてもらっています。その中には、当時の野中内閣
官房長官は、法制化に当たり、
国旗の掲揚等に関し、
義務づけを行うことは
考えていない、したがって現行の運用に変更が生ずることにはならない、法制化に伴い
学校教育における
国旗・
国歌の
指導に関する
取り扱いを変えるものではないと
考えている。
そして、いろいろ間にありますけれ
ども、野中
官房長官は、当時、
学校現場において内心の自由ということをどう
考えるかということに対して答えているのですけれ
ども、それぞれ人によって、式典において、起立する自由もあればまた起立しない自由もあろう、斉唱する自由もあればしない自由もあろうかと思う、この法制化はそれを画一的にしようというわけではございませんと答えてくださっています。
そして、きょうもいらしている初等中等
教育局長御手洗さんは、当時このように答えていますね。もしかしたら、随分たくさんある中で私に都合のいいところを取り出したと言われたらちょっと気になりますけれ
ども、この部分だけを読みますと、今回の
国旗・
国歌の法案の提出に伴い、政府としての見解が示された以上、
学校教育においてこの見解をもとに
指導をお願いするということになる、このことは従来からの
文部省の
指導と基本的に変わるものではないとおっしゃっているのですね。
私は、その
意味では、
学習指導要領についてはそれなりにしっかり読み、そして、現場では、
校長、
教職員が話し合いをし、いろいろこの間努力をして、足並みがそろうような努力であったり、
意見の対立の場面もあったかと
思いますけれ
ども、努力をしているのが現状だと
思いますが、それを、こちらに来ていただいて積極的に、また強力に
指導をするというのは、強制につながるのではないかという心配があります。
その
意味で、できれば短い時間で、私もたくさん述べたいことがありますので、よろしくお願いいたします。