○中田
委員 さすが
堺屋長官でありまして、
堺屋長官のように率直に議論ができますと大変物事がスムーズに進むと私は思うんですけれ
ども、往々にしてなかなかそうはならないというのが政治家の場合のせりふのような気もいたします。
私は、単に、別に
日本がおくれていることをあげつらって
政府を追及しようという気もないし、自虐的に我が国のおくれを認識したいというつもりも全くありません。先ほどちらっと申し上げたように、物事をどういう現状認識に立つかということをはっきりしておかないと、具体的に対策を講じていくこと、また、それに取り組んでいく覚悟というものも決まらないし、また、私
たちは
国民に対して協力、努力というものを求めていく側の立場でありますから、そういったところの現状認識をしっかりと把握、そしてそれを
国民の前に出して、私
たちは協力や努力を求めていくべきだろうというふうに思うわけです。
今の
長官の御答弁にありましたように、
インターネットの出現以降、
日本は
インターネットに関しては非常に立ちおくれてしまった。しかし、一方では、携帯
電話における
インターネットなどでは
日本は先端を行っているわけだし、まだまだある意味で挽回が可能だというようにお答えをいただいたんだろうというふうに
思います。
十月の二十四日の本
会議で、この
ITの
基本法についての質疑がありました。そのときの質疑なんかだと、やはり、
日本は立ちおくれているのかという問い、これは
民主党・無所属クラブの伊藤忠治代議士がした
質問であります。それに対して
政府の答えはこうなるんですね。
政府全体としては着実に取り組んできたんだ、
ITに対して、前略しましたけれ
ども、「しかしながら、我が国においては、
インターネットの
利用、電子商取引等において、
IT先進諸外国と比べ十分に進んでいるとは申せません。」取り組んできた、着実に、でも十分に進んでいるとは言えないという話になって、これは何か理屈になっていない。
その後で今度は、さらに続けて、「この背景として、この一、二年、欧米等において
IT化に向けて集中的な取り組みを強化していることが挙げられます。」要するに、人が先に進んだんだから我々はおくれたんだ、一、二年、欧米が先に集中的な取り組みをしてしまったんだというような、これは全然
質問に答えていないわけであります。私は、こういう議論じゃだめだと思っていて、現状認識というものをしっかりする、今
堺屋長官がおっしゃられたとおりだというふうに思うわけです。
私、まだ実は学生のころでありますけれ
ども、昭和六十年の十二月、十五年前に、
堺屋長官は「知価
革命」という本を出されているんですね。十五年前です。私は、今でも諸先輩より若いですけれ
ども、それこそ大学生のときに読みました。十五年前にこのことを既に
指摘されておられた
長官からすれば、今はもちろん
政府の一員でありますから、
政府が対応遅かったと
批判をできる立場では、恐らく、言いたくても言えない、フラストレーションがたまっているんじゃなかろうかと
思いますが、恐らくは、
長官になられる前までは、いかにも取り組みが遅いというふうにお
考えであったように拝察をいたします。
今
長官のお答えがありましたけれ
ども、アジア諸国のちょうど真ん中ぐらいだというふうにお答えをいただきました。これ自体がもう既に、今までの
日本のある意味では国際間における競争の順番とかなり違っているわけですよね。だって、明治の時代より
日本は、脱亜入欧、そして欧米に追いつけ追い越せというふうに物事を発展させてきたわけであって、繊維
産業にしても化学
産業にせよ、あるいは鉄鋼、自動車、電機といった
分野にしても、欧米が先駆けて、その後
日本が必ず追っかけていって、そして逆にリードを奪ったりする、その後ようやくアジアの諸国が
日本の後についてくるというような形であったわけです。ところが、
IT技術の我が国への導入といったような
部分においては、明らかに出おくれているわけです。
もとより、
ITというのが、決してそれ自体が目的ではありませんから、これは手段でありますから、今現状における結果が出ているわけではもちろんありません。あくまでも手段を使ってどういう国をつくっていくのかということでありますけれ
ども、先ほど言ったように、
日本の
インターネットの
普及率は二一・四%、十三位だ。その前に、実は十二位には台湾がいるわけです。
普及率は二一・七%。韓国はその
日本の次、十四位で、二一・三%ですから、十二、十三、十四とアジア諸国が並んでいるど真ん中に
日本はいるわけでありますから、今までの
産業のある意味では国際間における競争の順番とは違っちゃっているということは、これはもう明確だと
思います。
そして、いわゆる
電子政府に対する取り組み、
日本はこれから本格化するわけですけれ
ども、
アメリカでは、
政府再構築計画、これは九三年に出た。それから、シンガポールは九五年に出ている。イギリスは九七年、韓国は九八年、そして
日本は、ようやく二〇〇〇年の今やっている。本格的には二〇〇一年になってからというぐあいになっているわけです。
そこで、私は、次にお
伺いをしていきたいのは、これからの推進体制ということについてであります。これまでは
IT戦略本部、そして
戦略会議という両輪で我が国の
IT社会の推進をしてきたわけですよね。
IT担当大臣については官房
長官でありました。官房
長官なんというのはただでさえ忙しい身であるにもかかわらず、
ITの責任大臣だというのは、私はこういう体制じゃだめだと思うんですね。ちなみに、官房
長官は別件で
辞任をされて、今回から
堺屋長官が経企庁の
長官とまた兼務という形になっています。
先ほど来の現状認識に立ったときに、このおくれをどう挽回していくかというときに、私は、
堺屋長官が
IT担当大臣になったことは、ずっと言い続けてきた方がやることについて、精通されておられる方が責任を持つことについて、なるほどというふうに
思いますが、しかし、既に本
委員会でも議論になりましたけれ
ども、では、今まではというと、まさに適材適所ではなかった配置もあった、その責めもある意味では
政府は負わなければいけないとも私は
思います。
これからのことです。本
基本法の中で、
高度情報通信ネットワーク社会推進
戦略本部の設置というのがある。そして、本
法案が成立したとして、来年一月六日、
平成十三年の一月六日以降の推進体制がこの中で決まるわけですね。まさにその一月までの残されたわずか二カ月の間で、この
法案施行以降の体制を
堺屋長官にフル稼働でやってもらわなければいけないわけでありますけれ
ども、経企庁
長官との兼務で大丈夫ですか、これは。