○塩田
委員 給与法の改正法案につきまして御
質問を申し上げます。
言うまでもなく、公務員に対する労働基本権の
代償措置としてこの
人事院勧告の
制度があるわけでございます。それを前提とした場合に、この労働基本権の制約というのは非常に重大なことであるわけでございます。その点から、この
人事院の勧告というのは非常に重いものであるということをまず前提としなければならないところです。
今回の勧告に基づく
給与法の
改定、
内容といたしましては、一般
給与については据え置き、しかし年末及び夏季の
ボーナスについては減額、
ボーナスについての減額という措置が二年連続行われるわけでございます。それは、
民間給与の実態を反映したものだということが基本であるわけでございますけれども、現在の
民間給与の状況、
民間の企業経営の状況等から見まして、ことしの年末の
民間ボーナスは恐らく昨年よりは上がるであろうということが予想されます。現に夏季の場合でもふえておるわけでございますから、年末はもっとふえるだろうということが予想されるわけでございます。
これは、
民間企業の利益の状況が好転しておる、極めて好転しておるという面もあるわけでございます。それから、設備投資その他の経済状況も、経済成長を促す大きな要因としての各種経済指標もよくなってきているという中で、
消費が低迷していることによりまして
景気の回復が思わしくないという状況にあることは、皆さん御承知のとおりです。その中で、公務員の年末
ボーナスの
影響というものが国民経済、経済成長、国民所得に対して大きな
影響、すなわち六割のウエートを持っておる
消費の問題に直結しておるわけでございます。
その中で、
公務員給与は
ボーナスは下がる、そして
民間は上がる。受け取る側から見まして、これは非常に矛盾を感ずるといいますか、公務員の皆さんは、労働基本権の
代償措置としてのこの問題でございますので物が言えない、しかし非常に内心不満であるという気持ち、これは公務員だけでも三百万人の
影響があると思うのですね。家族を含めますと一千万近いものになるだろう。その人たちの直接の所得、期待しておった
ボーナス、しかも隣の
民間の勤労者はみんなふえていくという中で、本当につらい
思いをしておるのが公務員の本当の気持ちではないかと思うのです。物が言えませんので、これを黙って耐えなければならない、家族を含めて非常な苦痛だと思うのでございます。
現在の
民間給与の実態調査の反映の仕方、
人事院勧告の仕方、これは一定の方式がありますから、これをそうしょっちゅう変えるわけにいかぬというのはございますけれども、公務員の、また家族を含めての感情からいって、やはりこの辺は考えないといけないんじゃないか。
今までとっておる方式、
給与はよろしいです、
給与はまだ今年度については四月現在の状況を反映しての勧告でございますから、一般
給与についてはこの方式でも今年度通用すると
思いますけれども、
ボーナスは昨年の実績なんですね。それでこういう矛盾が起こる。逆に言えば、
民間給与、
ボーナスが下がっているときに、公務員だけが前年の実績によってやりますから上がるという場合が現に起こったわけです。今回の場合は逆になっているわけですね。これは、やはり勧告の
制度、そして
給与を算定する
根拠、方式、ここに問題があるのではないか。
私もいろいろと事情を聞きましたところ、
ボーナスの調査はなかなか今年の分を反映する方式が見つからない、こうおっしゃるわけでございますが、今年の分が反映されるような方式を工夫して、知恵を出したらどうか。今の時点でやれば年末の
ボーナスに間に合うわけですから、現時点までで一、二カ月かかるか知りませんけれども、今年の分の調査をする。あるいは、見通し等も含めてそれを反映するにはどうするか、適切な
方法を見出して、知恵を出して反映するのが公務員の皆さんの、家族を含めての気持ちに合うわけであります。
そして、現在の
日本の経済の状況から見ましても、やはり
消費ということが非常に
景気回復のポイントになっている。
景気の回復がもたついているのは
消費だというところからいいますと、なおそれに
マイナスに働くような公務員の
ボーナスの支給が決まっていくということは、国民経済の政策上からいってもやはり問題がある。そういったことを一々考えながら
公務員給与を決めるとこれまた問題があるとおっしゃると
思いますけれども、今最初に申し上げた点と、経済政策としての
消費の低迷をどうするかということもあわせて考えて、適切な
方法、措置をとる御検討をぜひとも早急にいただきたいと
思います。いかがでございますか。