○鈴木(淑)
委員 自由党の鈴木淑夫でございます。
私は、今の長妻
委員と
大蔵大臣のやりとりを伺いながら、
宮澤大蔵大臣は辛抱強い方だなと思って聞いておりました。そのうちに言い出すんじゃな
いかと思って私が期待していた二つのことを最後までおっしゃらなかった。
一つは、今の
財政赤字、非常に大きくて大変な
状況だけれ
ども、しかし、
一般会計の
公債依存度を尺度にすれば最悪期は過ぎた。
平成十一
年度が恐らく最悪ですね、四〇%をちょっと超えて四一、二%。恐らく今度は補正後で、もう見えていますが、四〇%を切ったというふうに思います。それを言い出さない。私だって努力しているというのでそれを言い出すかと思っていたら、言い出さない。
もう
一つは、この
平成十二
年度補正予算について、ちょっとおっしゃいましたけれ
ども、
公債依存度が低い、半分以下だ、久しぶりに
特例公債を出していないし、
建設公債だって割と少ない、そういうことをおっしゃるかなと思っていたら、そのことはちらっとおっしゃいましたが、でも、辛抱強い方だというふうに思っておりました。
しかし蔵相、私は、そういうふうに最悪期は過ぎたなと思っていますが、それは全く
財政構造改革の努力の結果だとは思っておりません。あるいは、規制の撤廃とか
地方分権とか、思い切った
行政改革をやってその結果
財政支出を構造的に切ってきた、その結果だとは思っておりません。そういう跡は全く見えない。
幸いにして赤字のピークを過ぎた、
一般会計の
公債依存度で見ればピークを過ぎたのは、先ほ
ども長妻
委員が言っておられましたけれ
ども、
一つは税収がふえてきているということであって、これは行政の努力ではない。少なくとも行革の努力、
財政構造改革の努力ではない、景気の反映だ。もちろん、景気対策は打ったよ、そこをおっしゃれば、それは景気対策という限りにおいては
政府の努力ですが、しかし、
財政構造改革、
行政改革とは関係ないと思います。私の見るところ、当初予算で前
年度よりも一兆円ちょっと多い税収を見ておりました上に、ここに出ておりますようにさらに
自然増収が出ていますから、二兆円以上の税収増があった、それに救われているところが非常に大きい。
それからもう
一つは、財投債という名の長期
国債を
一般会計の外で出していますよね、
一般会計から財投に繰り入れするんじゃなくて。これも一種の、
一般会計だけ見ていると、何か形が整ってきている原因だというふうに思います。
そして、第三の、ディスガイスしているといいますか、一見健全化しているように見えている第三の
理由が、先ほどから議論しております、そしてここに出ております、
剰余金を
財政法第六条第一項どおりに
国債整理基金に二分の一以上繰り入れるということをしない、これによってディスガイスされているなというふうに思います。ですから、最悪期は一見過ぎているように見えるが、全然これは
構造改革の努力によるものではない、そこに私は問題があると思っております。
蔵相は、あるいは大蔵省は、
財政赤字が大きいじゃな
いかといって不健全だ、不健全だと責め立てられる余り、何とか
国債発行額を小さく見せたい、ディスガイスしたい、そのことからこの二分の一の繰り入れをストップしたと思いますが、しかし、
宮澤大臣、もう少し長い目で
考えますと、
大臣の責任というのは、
日本の
財政の
国債費を極小化することにあると思うのですよ。ことし一年じゃありません、もう少し長い目で見て、
国債費をなるべく小さくするというのが
国債管理政策の
目標であります。そして、その責任者である
大蔵大臣は、目先の
国債発行額を小さく見せたいという配慮よりも、何年間か長い目で見て、
国債費を極小化するという
国債管理政策的観点を
優先させる勇気を持ってほしいと思いますよ。
そういう観点から申しますと、本当は、今は超低金利時代です。こんな超低金利は長く続かない、いずれ上がります。長期
国債が二%切っている状態なんというのは、これはもう異常な超低金利です。こんな時代は長く続かない、将来は上がっていくとすれば、長い目で見て、
国債費を極小化するにはどうしたらい
いかといえば、これはむしろ将来の償還のために
剰余金を積んでおいて、今は超低金利の長期
国債を出した方がいいのですよ。そういう観点が私は欠けていると思います。
国債発行を小さく見せたいばかりに、長い目で見た
国債費極小化の
方法をとっていない。つまり、
剰余金を積まない。
剰余金を積めば、その分、今
国債が出ます。出ますが、実はその方が長い目で見たら
国債費の
負担は少なくて済むのですよ。そういう視点が欠けていると思いますが、
宮澤大臣、
いかがでございますか。