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達増委員 四十人中二十人、半分が定足数なわけであります。そういう中で、この人数で
審議が進むことは極めて異常であり、特に、当初三時間の
審議でいいという与党の提案を聞きますと、どうも
政府・与党、組織的に
IT革命をつぶしにかかっているのではないかという疑いを持つくらい異常な
委員会審議ではないかと思います。
傍聴席もだれもいません。記者もいません。確かに今、この
委員会の
審議はテレビでモニターすることができますし、また、その映像は
国会が永久保存して、それを
インターネットでダウンロードして見ることができます。しかし、だからといってだれもいないというのも、
IT国会の目玉の
法案の
審議にしては異常ではないかと思うわけであります。
一方、この
書面一括法については、首相官邸の、
総理大臣官邸のホームページにパブリックコメントが募集されて、さまざまな
意見がそこに届いております。
首相官邸のホームページを
利用してのパブリックコメントの募集は、
平成十二年、ことしの九月二十七日から十月四日まで約一週間行われて、そこに寄せられたパブリックコメントの件数は二十六件。
経済団体連合会、全国商工会連合会、全国
中小企業中央会、各県の
中小企業中央会、全国下請企業振興協会、
日本労働組合総連合会、連合であります、
日本行政書士会連合会、
日本GE社、ゼネラルエレクトリックですね、その他個人二件。
パブリックコメントの概要は、
法案に賛成という
意見が十九件。サイバースペースでの
取引環境整備上、不可欠な取り組み、迅速な
省庁横断的な一括
改正を高く評価。時宜にかなった
法改正。組合運営の省力化、業務効率化とコスト削減につながる。本
法案による
電子商取引の振興は、地域の小規模
事業者に新たなビジネスチャンスを生む。下請
取引の
実態変化を踏まえた法的な面の
整備として評価など。
また、
対象法律についてのコメントが二件。雇用、労働契約に関する
法律は除外してほしい。貸金業法第十七条、第十八条についても
電子化を認めてほしい。
その他として六件。
電子的手段を認めるに当たり、送り手側に過度の
条件が設定され、
電子商取引の
利用を妨げることとならないよう要望。
条件設定に当たっては、実
社会のニーズをよく見きわめて対応するよう要望。
書面の
交付にかえて
インターネットが使えるよう要望。
消費者間による手段の選択を認める等、
情報弱者への配慮を希望。官
民間等の、官と民ですね、官と
民間等の
電子化も要望。対官公庁、公的機関等の
書面の
電子化、
行政書士法の
書面の
電子化。そして電子決済、電子マネー、誤操作への対応、
電子商取引の契約成立時期に対する法的措置及び
情報リテラシーへの対策を要望。
こういう、思えば本来、この
委員会で
審議しなければならない、
委員会で
国民とともに
国民の前で
議論しなければならないようなことがネット上で行われているわけであります。
政府が
法案を閣議決定する前にパブリックコメントをやることは大変結構だと思いますけれ
ども、それに匹敵する努力を
国会の側がやらなければ、
国会はますます形骸化、ネット
社会から取り残されてしまいます。
二十一世紀の政治というものは、恐らく政治とネットのチェック・アンド・バランスということになるでありましょう。
国会や内閣といった
既存のそういう意思決定の場、国の課題をピックアップして、何が課題か、そしてどうすれば
解決できるのか、それを決める場が、伝統的にはこの
国会であり、議院内閣制においてはそれと一体となった行
政府でありますけれ
ども、それがきちんとした仕事をしなければネットの側にその仕事をとられてしまう。
今回のこの
書面一括法をめぐる
国民的な意思決定ということを考えると、どうもネットの方に分があって、
国会ではなくネットの中で
国民的な意思形成と意思決定が行われてしまうのではないか、そういう懸念を覚えるわけであります。
やはりこれは、商工
委員会としては猛省をすべきであって、何らかの形でこういう
国民的な
議論をこの商工
委員会の中で行う工夫、そしてその前に、何より商工
委員自身が、
IT革命推進のための
議論に積極的に参加する工夫、努力、これを行わなければならないはずでありますし、その点については、
大臣や政務次官も、
政府の一員であるということは議院内閣制においては与党の一員でもあって、与党内の国対なりあるいは政調なりそういったところに働きかける、それは資格も立場も権限も権力もあるのでございましょうから、そうした
政府・与党一体となった努力と工夫を行って、
国民の前でこの
IT革命を推進するための
法律についていい
議論をする、きちんとした
審議をしていかなければならないんだと思います。
IT基本法が発表されても市場は冷淡で、日経平均はそれほど上がらない、むしろ下がってしまっておりますけれ
ども、この
書面一括法というのは本当に
民間が求めていた
法律であり、
日本語では
電子商取引でありますが、EコマースとEトレードと両方含んでいるんですね。物の販売のみならず、株や保険、
金融先物といったそういうEトレード部分についてもきちんと
規制を緩和、撤廃している。そういう意味で、この
書面一括法に関する
議論を
国会としてきちんと
国民の前で効果的にやることによって、
日本の株を上げるくらいの、そういうことが商工
委員会に期待されているのではないかと思います。
以上、これは商工
委員会理事としてのみずからの反省を込めての思いを述べさせていただきましたけれ
ども、
大臣、政務次官に改めて、この
書面一括法の
重要性、そして
政府として
IT革命推進にかける思いについてそれぞれ伺いたいと思います。