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2000-11-17 第150回国会 衆議院 国会等の移転に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年十一月十七日(金曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 肥田美代子君    理事 亀井 久興君 理事 佐藤  勉君    理事 田野瀬良太郎君 理事 棚橋 泰文君    理事 永井 英慈君 理事 古川 元久君    理事 久保 哲司君 理事 中井  洽君       岩永 峯一君    熊谷 市雄君       下村 博文君    高橋 一郎君       滝   実君    西川 公也君       山本 明彦君    渡辺 喜美君       桑原  豊君    玄葉光一郎君       小林 憲司君    山元  勉君       石井 啓一君    江田 康幸君       坂口  力君    矢島 恒夫君       阿部 知子君    大島 令子君     …………………………………    参考人    (三重県知事)      北川 正恭君    参考人    (滋賀県知事)      國松 善次君    参考人    (岐阜県知事)      梶原  拓君    参考人    (愛知県副知事)     河内 弘明君    参考人    (栃木県副知事)     齋藤 清衛君    参考人    (福島県知事)      佐藤栄佐久君    衆議院調査局国会等移転    に関する特別調査室長   冨樫 恒行君     ————————————— 委員の異動 十一月十七日  辞任         補欠選任   熊谷 市雄君     下村 博文君   牧  義夫君     小林 憲司君   石井 啓一君     坂口  力君   大島 令子君     阿部 知子君 同日  辞任         補欠選任   下村 博文君     熊谷 市雄君   小林 憲司君     牧  義夫君   坂口  力君     江田 康幸君   阿部 知子君     大島 令子君 同日  辞任         補欠選任   江田 康幸君     石井 啓一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  国会等移転に関する件     午前十時開議      ————◇—————
  2. 肥田美代子

    肥田委員長 これより会議を開きます。  国会等移転に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、ただいま、参考人として三重県知事北川正恭君及び滋賀県知事國松善次君に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序ですが、まず、北川参考人國松参考人の順に、合わせて二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  それでは、まず北川参考人お願いをいたします。
  3. 北川正恭

    北川参考人 どうも皆さんおはようございます。三重県知事北川正恭でございます。  本日は、この委員会にお招きをいただき、発言機会を与えていただきまして、まことにありがとうございました。また、三重畿央地域首都機能移転候補地としてこのよう国会において御審議をいただきますことについて、厚く御礼を申し上げます。まことにありがとうございました。  早速でございますが、まず、国会等移転につきまして、私ども考え方を申し述べたいと思います。  昨年六月にもそれぞれの地域代表として私、委員会にお招きをいただいたときに、月へ行こうよというような話をしたわけでございます。それで、アメリカのアポロ計画現実の、どうしても政治行政現実対応型にならざるを得ないところはありますが、やはりこの二十世紀末、二十一世紀を迎える、あるいはミレニアムというときに、月へ行こうよというような壮大な夢を国民に持っていただき、そしてそれを実現していく過程の中で、さまざまな社会的あるいは経済的、文化的制度の大改廃をやっていただいたり、あるいは科学技術のさらなる発展を願ったりというようなことから、まさに今閉塞感を取るためには、月へ行こうよというような発想、あるいはかつて大航海時代に船を操りながら世界にどんどん雄飛し、アメリカ大陸を発見するというような、そういった雄々しく前へ向かっていくというようなことがぜひ国政の場でも必要ではないかということを痛切に感じているところでございます。  ぜひそういった観点から、百三十数年前の明治維新以来あるいは戦後の改革以来、まずその点で、従来の制度的なお互い補完し合った体制というものが本当によかったかどうかということをぜひ御議論をいただいて、せっかく国会で御決議をいただいているわけでございますから、この期間、壮大な夢を語っていただき、それに向かってまっしぐらにこの国が動いていくというようなことをお示しいただくことをまず強く念願をする次第でございます。  そこで、私どもとしては、そういった時代を切り開く一つの形として、首都機能移転ということについては、すばらしい題材でもあり、そしてそのことをなし遂げることによって今日の閉塞感を取ることがとても重要ではないか、そのように考えているところでございます。  例えば、経済分野で、ボーダーレスを前提にしてさまざまな制度が破壊を始めております。例えば金融ビッグバンがそうであるがごとくに、かつて絶対つぶれないと言われていた銀行があっという間につぶれたり、財閥系金融機関が合体したりということは、明らかに世界の構築する秩序というものの前提が変わってきたからこそ起こったことだと思います。これは単に金融だけではなしに、行政政治世界も起こりつつあると思います。  あるいは、当然、行政金融、さまざまな分野、これのトータル、社会全体あるいは日本の国のあり方が問われてきていることだと思いますから、ぜひ私どもは、それぞれの部分部分びほう策だけではなしに大構造改革をするということについて、御決議をいただいたこの国会移転で大議論をしていただければ大変ありがたい、そのように強く願うところでございます。  そこで、私どもは、今回の首都機能移転につきまして、三地域がそれぞれ立候補し、先生方にお認めをいただいたわけですが、まずこの三地域も、力を合わせて、東京との比較考量をぜひしていただきたい、真剣にしていただきたいということをお願いするところでございます。  この話になりますと、こういった景気低迷のときですから公共事業云々で語られるときがありますけれども、全くナンセンスだと思っているところでございます。すなわち、現実対応として、公共事業というとらえ方こそが閉塞感を生んでいることになっていると私は思えてなりません。首都機能移転については、まさにミレニアムなりあるいは百年、二百年の単位で考えていただかなければならないことであって、公共事業に矮小化した議論というのは、あえて言うなら、ためにする議論になりかねないとさえ思っているところでございます。  すなわち、私どもは、お互いがつくり上げてきた制度、例えば会計制度が、国も地方も税金を、公金を使わせていただく立場でございますから、毎年国民代表国会に、県民の代表の県議会に財政状況をお示しするということで、単年度主義でございますし、現金主義になっています。にもかかわらず、起債は発行するわけでございますから、ぼつぼつ発生主義会計へと変わっていかなければいけないことになろうと思うのですね。  そうしますと、単純に会計でいきますと、公共事業云々という話が出ますけれども、果たして今までずっとつくり上げてきたストックといいますか、資産というものを考えたときに、今のままの東京一極集中で、例えば東京へ一たん来て、そして飛行機も乗りかえて、あるいは情報も全部ここで一たん東京へ集中して、乗りかえて、しかもここで集中して、都市イメージというのは過密であり、あるいは環境の問題でも大課題があり、一キロ行くのに二十分も三十分もかかる。そういったことのままにおいて、そして東京から移転することに費用が行くということならば、もし今から百年の単位でお考えいただいたときに、どれぐらいのむだが東京にあることによってということを、発生主義会計国家資産というものをどう活用するかというふうなことは今までほとんど語られてこなかったということが閉塞感をもたらしているのではないかと実は思うところでございます。  ぜひ百年、二百年の国家大計に基づいて、そしてこの国のありよう、この国の会計制度あり方集権官治かあるいは分権自治かというような大議論を巻き起こしていただくことがとても重要であり、そのことこそが、今日日本閉塞感をもたらしていることに対して打開する大きな道筋をこのことによってつくり上げるのではないか。  したがいまして、この国のありようというものをぜひ考えていただき、政治は、確かに利害調整することもとても重要でありますけれども、本当は、この国の閉塞感を取るならば、利害調整という枠組みを超えて、目的達成型といいますか、国会先生方がこの国のありようというものを本当に追求していただき、中央集権官治がいいのか、あるいは民のそれぞれ国民の力を信用して、その国の国民の一人一人の力が自由に発揮できるよう分権自治がいいのかという大議論をまとめていただければ、この首都移転という問題と必ずひっついていくのではないか、私はそのように考えているところでございますので、ぜひそのようにお考えをいただければ大変ありがたいと思うところでございます。  ボーダーレスになったこと、前提が変わりました。当然経済は変わりますから、ビッグバンを初めさまざまな変革が起きてきました。ドメスチックな産業というのもこれからどんどんと変わらざるを得ない。最もドメスチックであった地方自治体あり方も変えていかなければいけないのは必然のことではないか。そのときに、まさにこの首都機能移転ということについて御議論をいただくことが一番いいことではないか、そのように思っているところでございます。  東京都が発表されたさまざまな意見がございましたが、あれこそまさに、従来の中央集権のままで、そしてこの首都機能移転公共事業という矮小化したところで見ればああいう表現にもなるでしょうし、一方的な話になっていると私は思っているところでございますので、ぜひこの国のありようということについて国会先生方の御議論をいただき、そしておまとめいただくように、まずお願いをいたしたいと思います。  次に、今日、御答申いただいて以来の三重畿央地域の取り組みについて説明をさせていただきます。  まず、先月でございますが、関西圏行政経済界中心とする三重畿央新推進協議会を設立いたしました。これは、首都機能移転議論が、三重滋賀、京都、奈良の四府県だけの問題でなく、日本の将来に深くかかわる問題であることを理解していただき、関西圏一体となって、これを訴え、議論の輪を全国に広げていくことを目的としています。これまでにもシンポジウムなどを開催してまいりましたが、今後もあらゆる手段情報発信し、世論の喚起に努めてまいります。  また、本日お手元に配付させていただきました、三重畿央新構想を策定いたしました。これは、候補地として、首都機能移転先となる新都市の姿を具体的に国民皆さんに御提案することで、首都機能移転必要性三重畿央地域への理解を深めていただくことを目的としております。  パンフレットの表紙に「「日本創生新都」 未来を拓く三重畿央」とございますが、まさに三重畿央地域から未来日本の形と心を創生していくのだという決意でこの構想を策定したものであります。  三ページに、三重畿央新都の基本理念を示しておりますが、ここに、あるべき日本の将来への思いを込めております。  幾つか説明させていただきますと、例えば、「伝統文化を継承し、新たな文化を創造する都市」でございます。  今日、グローバル化が急速に進行していますが、このグローバル化時代とは、情報や人、物が自由に、そしてリアルタイムに移動する中で、ボーダーレス化が進んでいく時代であるからこそ、独自性、すなわちアイデンティティーに対する関心が高まる時代であります。我が国世界に対してどういうアイデンティティーを発信できるかということが重要でありますが、私たちが継承してきた文化は何なのか、伝統的な生活様式は何なのかなどということを再認識し、伝統的な文化生活様式に根差した新たな文化を創造し、醸成することによって、我が国アイデンティティーを発信していくべきであると考えています。  また、「グローバルな交流を拡大する都市」という基本理念がございます。  二十一世紀は、世界の各地域IT革命の中で相互にネットワークを構築して有機的に結びつき、活発な交流と連携によって発展していく時代であると考えますが、例えば、現在我が国を訪れる外国人旅行者一つをとってみても、海外へ出かける人と比べて約四分の一と圧倒的に少ないという状況にあります。今後、新たな文化技術の創造を通じて、我が国の魅力を磨き、またさまざまなバリアを取り除くことで交流を拡大していく必要があると考えております。  さらに、私は、二十一世紀日本環境先進国として貢献していくべきだと考えておりますが、「多様な機能に支えられた環境共生する都市」という基本理念には、こういう思いを込めております。生態系が危機に瀕している今、亜寒帯から亜熱帯まで広がっている我が国は、地球環境問題に取り組むのにふさわしい国であり、またこれに取り組み、世界に貢献していかなければならないと考えています。  三重畿央地域は、このよう国づくり新都づくりを可能にするさまざまな資源を有しております。  特に、他の地域にはない特徴として、関西文化学術研究都市代表される最先端の学術研究機能などの知的資源人的資源集積、多くの世界文化遺産代表される我が国固有歴史文化資源集積を活用することができるとともに、あらゆる機能が充実している関西圏中京圏大都市母都市として、これらの機能を最大限活用し、クラスター方式を採用して、環境への影響を最小限に抑えたコンパクトな都市づくりを目指しています。  首都機能移転には、あらゆるシステムを改革するという意義だけでなく、新世紀にふさわしい国土づくりを行うという意義もあります。これは、国土構造の再編であり、災害に強い安全な国土づくりであります。  これを可能にする有力な手段が、中央新幹線であります。すなわち、中央新幹線を整備し、より広い地域高速交通網に組み入れることで、より高度で多様な地域間交流を可能にし、国土のバランスある発展を可能にするものであります。  また、東京大阪名古屋の三大都市圏は、首都機能移転先となる新都市とともに二十一世紀も引き続き日本発展に重要な役割を担うものと考えますが、これらを結ぶ幹線交通機能被災時において麻痺することのないよう二重系化してリダンダンシーを確保すれば、首都機能移転による中枢機能同時被災の回避とあわせて、我が国災害対応力は飛躍的に向上するものと考えます。このよう観点から、この構想では、中央新幹線の整備を提案させていただいています。  簡単でございますが、以上で三重畿央新構想説明を終わらせていただきます。先生方におかれましては、ぜひ御一読をいただきますようお願いを申し上げます。  最後に、私どもは、今後とも首都機能移転推進に努力をしていく決意でございますので、先生方におかれましては、よろしく御指導のほどをお願いいたします。  ありがとうございました。(拍手
  4. 肥田美代子

    肥田委員長 ありがとうございました。  次に、國松参考人お願いいたします。
  5. 國松善次

    國松参考人 滋賀県知事國松でございます。  本日は、このよう発言機会をいただきましたことを、委員長初め委員皆さんに心からお礼を申し上げます。そしてまた、首都移転について真剣な御議論をいただいている姿を目の当たりにしまして、大変うれしく思います。  ところで、持ち時間がもうないようでございますが、五分間だけいただくということで、結論的なことだけ申し上げさせていただこうと思います。  まず、首都機能移転についての私の考え方でありますが、要は、今のマスコミ等で見ている感じでは、首都機能移転議論が変な議論になっているなという感じがいたします。  その一つは、公共事業の見直しの一環のよう議論になってしまっている点等々でありますが、気になる点が三点あります。  一つは、場所議論するわけでありますが、場所の前に、この首都機能移転という意味、もっと言えば、戦略的位置づけを明確にみんなが議論する必要があると思います。今なぜ首都機能移転を考えなきゃいけないのかという議論を、まず戦略として、日本戦略としてきっちり位置づける必要があると思います。  東京は、日本首都として見事なまでに首都役割を果たしてきたと思います。しかし、これからは新しい時代に入っていくのだと思います。季節でいえば、間違いなしに季節が変わるときに入っていると思います。そのときに、今までと同じ身なりでいいのかどうか。これは、世界的視点歴史的視点と、そして戦略という点で、まずそのことが場所の前に真剣な議論がされるべきだと思います。  二点目は、首都イメージを明確にしないで場所選び議論してはいけないと思います。  首都とはどんなイメージなのか、もっと言えば、スケールとそれからコンセプトを明確にすべきだと思います。その議論をしないで場所議論に入ると、混線をしてしまうのではないかと思います。  三点目に気になることは、こんなに変化時代、その変化日本だけではありません、世界的な変化時代に、我が国トップ大統領制にしていないという欠陥があるという点をしっかり踏まえるべきだと思います。ということは、こんな変化時代には、みんなが選ぶトップという仕組みになっていない点と一定期間責任を持たせるという仕組みになっていない点が大変問題だと思います。それがあれですが、あとは、ぜひそういうだけにこの国会議論が大事ですし、この特別委員会議論が大事なのではないかと私は思います。  それから、畿央地域についてですが、今、北川知事がおっしゃったことで尽きるのですが、三点補足というか、強調をしたいと思います。  一つは、三重畿央の場合、大変コンパクトな首都機能移転が可能だということがあります。それはなぜかといえば、周りに大阪中心とする関西のさまざまな都市機能があり、中部圏名古屋中心とする都市機能がありというよう距離にあるという点で、しかも歴史がふんだんにある、しかもそれは日本を象徴するものであるという点が一点あります。安くつくというだけではなくて、足腰の強い形の中でコンパクトな都市が考えられるという点だと思います。  そして二点目は、このコンセプトなんですが、やはりこれからの日本世界にどう生きるのか生き残るかという戦略として首都を考えなければいけないと思いますが、それには、コンセプトとして、やはり自然との共生日本リーダーカントリーとして果たしていくのだというイメージ首都を考え、そのときに、やはり今の三重畿央というのは、そういう点で、環境共生をモデルにする都市をつくるということ、そしてそのことを通して日本をシンボライズする、そういうことが可能になるのではないかと思います。  三点目は、遠いとよく言われますが、むしろ一定距離のあった方がいいということがはっきり言えると思います。わざわざ新しい首都をつくるわけですから、東京と違うものをつくるわけですから、何もかも東京首都機能を持たすという時代から、首都としての機能に純化してということであれば一定距離が必要だと思いますし、三重畿央の場合は、鉄道、道路、飛行機、それをフルに生かせる、しかも複数の交通アクセスを生かせる点で大変有利だというよう思います。  歴史に三人のリーダーというか、政治家特徴のある人がいると私は思います。信長と家康と秀吉、この三人ですが、この三人のうち、信長の場合はとりわけ個性的な人でしたが、時代をつくろうとした、時代変化させようとした人だと思います。この三人とも愛知県出身ですが、信長最後戦略的に考えて安土を選びました。滋賀県でした。そういう意味では、信長がいたら、私は、三重畿央に決めるだろうと思います。  以上です。(拍手
  6. 肥田美代子

    肥田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————
  7. 肥田美代子

    肥田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩永峯一君。
  8. 岩永峯一

    岩永委員 北川知事國松知事、きょうは御苦労さんでございます。  また、先ほどの意見陳述を受けておりましたら、むしろきょうはそれぞれの地域代表としてお越しをいただいたのですが、国家的観点から、また、世界的視野に立った大変高度な御議論をお聞かせいただきました。昨年の六月にもいろいろとお聞かせいただき、両知事日本地方分権の大リーダーであるわけでございますので、本当に高い次元から今回の首都機能移転をお考えいただいていることに対して敬意を表しますし、ひとつ大いにその議論国民的議論にしてもらいたい、このように御要請を申し上げる次第でございます。  昨年の行革で一府十二省庁に再編されましたものの、数合わせではないかという国民不信感がまだまだございますし、そして、新しい二十一世紀時代になっていくにもかかわらず、国、そして県、市町村、国の成り立ちというものが一向に変わらない、戦後社会を引きずってきている、私もそんな気がしてならないわけでございます。  そういう状況の中で、六百四十五兆円という大きな借金ができた。なおかつ、少子高齢化時代を迎えて、あと五、六十年していきますと、もう高齢者とそれを支える世代というのが一対一の状況になっていくという、大変日本の将来に厳しい時代を迎えざるを得ない。こんなことを考えますと、どうしてこれから国民負担率を下げていって、そして若い世代が本当に生き生きと、日本に生まれてよかった、育ってよかった、そして自分の価値観日本国家で生かせる、そういう部分にどうしていくかというようなことを我々真剣に考えていかなきゃならぬ、このように思っております。  それで、北川知事におきましても國松知事におきましても、政策を読ませていただきますと、常に先取りをした政策がございます。しかし、私は、これから日本の国というのは二層構造にしていかなきゃだめじゃないかと。だから、今、市町村があって県があって国があるということよりも、もう国の機関と県の機関とが本当に一体になる、そしてそこに住民と接触する市町村の合併した大きな自治体がある、そしてその中で税というものの割合をどう低めていくか、そして国民自身がどう負担率を低めていくかというようなことを真剣に考えていって、やはり六百四十五兆円というような赤字、借金というものをこれから年々、本当に十兆、二十兆、三十兆単位で国と自治体との一体の形の中で削減していって、我々の次の世代にそういうものを持ち込まない状況をつくっていかなきゃならぬ。そういうよう意味合いで、私も勉強会で、今、道州制の問題を大変活発に議論いたしておりますし、ようやくにしてその集約ができてきたわけでございます。  そういうようなことを考えて、ダイナミックに、先ほどおっしゃっていたように、本当に国のありようというようなもので大議論を深めていって、そして大改革をしていかなきゃならない、私はそのように思っているわけでございます。  そして、国会に寄せていただいたら、国会首都機能移転議論があったわけでございます。私は、この国会移転という大きな議論は、必ず新しい国の成り立ちをつくっていくものだ、こういうようなことで大賛同をしたわけでございます。  しかし、そのときには、我が地元の話は何も出ておりませんでした。しかし、ちなみによくよく考えてみると、北川知事國松知事の県は、ちょうど国から見ると真ん中になるわけです。私の滋賀県は、上から、北海道から考えても二十五番目の県に当たるわけですし、沖縄から考えても実は二十五番目の県に当たるわけです。  それで、ここにおられる田野瀬先生と一緒に、確かに東京、そしてあの当時は東北、むしろ東に偏った部分が、候補地が大変多うございました。しかし、東京から三百キロ以内、とやかく言っているけれども、何が大事なのかというようなことをもっと議論ようじゃないか、一番真ん中にある我々の地域が名乗りを上げない、そして、隣の大阪経済圏を抱え、また名古屋経済圏の中間にあって、かつての歴史的な状況の中でも、奈良や京都そして滋賀、本当に大変大きな歴史の中軸にあった我々が手を挙げないというようなことについてはおかしいのじゃないかということの中から、同調者を集めまして、そして議員連盟をつくったわけです。そしてその議員連盟が、むしろ近畿という枠の中だけではなしに、中国地方だとか四国地方だとか九州地方だとか、そういう地域国会議員の先生方が超党派で御賛同をいただいて、そして主体的に進めさせていただきました。そういうよう状況の中で、四府県がお立ち上がりいただき、そして我々と一体になってこの運動を進めてきたというのが現在の状況でございます。  先般、大阪で行われました三重畿央新構想という形の大会にも私、出席をさせていただきました。そして、相当な費用と相当な議論、そして研究調査をされてこの構想が出されましたことに対しまして、私は本当に深い敬意を表するものでございます。  その中で、具体的に、やはりきょうはせっかく三重畿央知事さんがお越しをいただきましたので、大きな問題に終始してしまいますと何にもなりませんので、お伺いをしたいと思うわけでございますが、立法、司法、行政などのさまざまな国家機能を、具体的にこの中ではクラスター方式で当てはめておられるわけでございます。そして、一番重要である立法機能について、畿央として、阿山町や甲南町、甲賀町にその配置をされている、こういうことでございます。  國松知事に、きょうはせっかくの機会でございますので、この地域首都機能の一番重要な立法機能にどうすばらしい場所であるかというようなことを最初に、ひとつ宣伝かたがたお考えを申し上げていただきたい、このようお願いを申し上げます。
  9. 國松善次

    國松参考人 三重畿央地域の中でも立法機能を伊賀、甲賀地域にということに今度の構想で私どもはまとめたわけですが、もともと首都機能移転イメージとしてクラスター方式を考えています。そして、クラスター方式を考えて幾つか適地の中で、ちょうど中心的にもなりますし、また、先ほど言いました京都、大阪、奈良、名古屋等既存の母都市をうまくネックレス状に生かせるという位置にあるのですが、同時に多くの里山がございまして、非常に豊かな緑があり、そこに清らかな水が流れているということで、まさに日本の原風景のようなものの地形がございます。  あわせて、甲賀、伊賀は忍者の里でございまして、全国的にも、ある意味ではミステリアスな雰囲気もあるかもしれませんが、とにかく、忍者というのは今でいうITの役割をしていたと思うんです。情報を集め、発信をした、そういう役割をしていたんだと思います。ともあれ、それ以外にも、伊賀焼なりあるいは信楽焼なりというような焼き物の産地として。  いずれにしましても、歴史文化全体の伝統なり原風景を生かすというその中心的位置にあり、関西圏中京圏をうまく生かせる、そして日本歴史文化をきっちりと押さえながら、かつ、新しい創造を可能にする地形なり自然なりを持っている、こう思っています。
  10. 岩永峯一

    岩永委員 私が住んでいるところでございますので、私自身が、甲賀流と伊賀流の忍者の本当に接点、信楽町多羅尾というところにおります。そして、これは中井先生も同じところでございますので、かつてはにらみ合いをしていたようでございますが、今は大変仲よくさせていただいております。そして、皆さん方にお知りおきいただこうと思うのですが、本能寺の変の後に徳川家康が、堺の町から私どもの伊賀、甲賀そして信楽を通って、そして忍者に助けられながら三河の国に落ち延びていったというような、大変歴史のある、由緒のあるところでございますので、補足的にお知りおきをいただければ大変ありがたい、このよう思います。  先ほど申し上げたように、そういうようなすばらしい地域日本の国の中心地域、そこから新たな地方分権中心とした国家体系ができる、こういうようなことでございますので、その立法機能を持つ地域がいかに大切かというようなことで、ひとつ、そのよさを三重県、滋賀県そして畿央高原を取り巻く奈良、京都の四県においては大いに全国に吹聴してもらいたい、そのことがまた、国会議員の大きな賛同を我が地域にいただけるものだ、このように思っておりますので、よろしくお願いします。  それでは、北川知事にお伺いをしたいと思うのですが、今、公共事業論が大変罪悪論としてマスコミをにぎわしております。私は大変残念でなりません。やはり日本のインフラ整備というのはまだまだおくれておりまして、雇用確保の点からも公共事業は現在でも大変重要でございますし、また、事業のあり方の見直しは行いつつも、やはりしっかりと続けていかなきゃならぬ、このように考えているところでございます。  従来、公共事業地域の雇用に配慮する余り事業のための事業になっていたのではないかというような反省は確かにございますし、また、東京における公共事業ように、大都市の過密状況の中で無節操な繰り返しがパッチワーク的になされてきた、そういうよう部分での一つ大きな反省もあるわけでございます。  今回の首都機能移転を通じて新しい日本をつくることで、新太平洋そして日本国土軸に基づいた我が国あり方をやはり打ち出していって、そして未来への投資としての従来型と異なる新たな公共事業というものを行うべきではないか、私はこのように思っております。  そういう意味で、新都形成に際しましては、最先端技術を用いることができて、大幅な技術革新がこの事業で確実に見られるというようなこともございますし、先ほど北川知事がおっしゃられたように、リニアを中心にした新しい日本の交通体系、鉄道体系というようなものも、新たな新都を考える中で考えていけるのではないか、私はこのように思っております。  そして、関西は御承知のとおり、二十四時間空港の関西国際空港を持っておりますし、滋賀県でもびわこ空港で大変大きな議論をしていただいておりますけれども、やはりこの地域中心的な空港機能をつくっていこうというようなことで、いろいろと、この四県並びに大阪府も含めた経済圏でお考えをいただいているわけでございます。  こういうようなことを踏まえて、公共事業、交通政策、インフラの整備のあり方について、北川知事はどのようにお考えをいただいているのかということをお尋ねいたします。
  11. 北川正恭

    北川参考人 首都機能移転公共事業のお話を先ほど少しいたしましたが、発生主義会計で損益計算書だけでなしにさまざまなバランスシートを組んでみますと、今までつくり上げてきた国土で本当に有機的に安い国土構造になっているかといったら、そうではなしに、東京に今集中が集中を呼んで、例えば通勤時間なんかもどんどん延びてきておりますし、人口集積も行われている。こういった形で非常に高い国家構造というものをどう考えるかということを考えますときに、やはり国土構造あり方というものをここで抜本的に、全国的な視野で見ていただければ必ず安い国家構造国土構造につくり変えることができる。そういう二十一世紀なり二十二世紀に通用することを考えていただくというのが新全総の考え方であったはずでございますから、ぜひそのように考えていただきたいと思います。  そして、公共事業が、私どもも随分苦労しまして、道路による評価順位というものも私どもは一応評価システムで考えましたが、道路と河川と砂防とどっちが重要かというようなこともできるだけ指標化して評価システムに入れて、そしてむだな公共事業はやめなければいけませんし、必要なものはどんどんつくっていくということから考えますと、単に、今必要だからフローで考える、交通ラッシュが起こったから道路を直すということだけでなしに、交通ラッシュのもとに起こったいろいろなソフトを、例えば出勤時間にタイムラグを設けるとか、さまざまなことまで考え合わせた上で国家構造あり方というものをこの際考えていただき、循環型の社会構造にしていただいて、そして機能的に世界に通用する安い土地あるいは安いコストというようなことを考えていっていただければいいと思います。  まだまだ社会的なインフラ整備はおくれている部分地域によって、私ども三重県におきましても随分ございますので、それは必要なところへは必要な措置をしなければいけない、そのように思っています。
  12. 岩永峯一

    岩永委員 時間もありませんので、もう一点だけ御質問をいたします。  十一月二日に東京都から首都機能移転の費用対効果の検証についての資料が発表されました。御存じいただいていますね。その中で、三重・幾央高原に移転した場合に六兆三千三百億円の赤字となる試算が実は発表されたわけでございます。この試算は、国土庁が新聞にコメントをされましたように、民間への経済波及効果は全く試算の外に置いて、そして移転跡地の民間企業への売却を無視するなど、本当に試算としては大変疑わしい、正確さのないものだ、私はこのように思っております。  石原知事も大変ダイナミックな行政をおやりいただいておりますけれども、事この首都機能移転については本当に我田引水的な部分があるということで、甚だあの人らしくないものだ、私はこのように思っております。こんな状況の中の試算でもマスコミはやはりおもしろおかしく大きく取り上げるわけでございますので、この首都機能移転の本来の目的、そういうようなものがゆがめられないかどうか、私は大変憂慮することだと考えております。  一方では、このよう首都機能移転に反対して中央集権体制を擁護しながら、都心の交通渋滞を緩和するのに、何と都内に入る車両から交通税を徴収しようとか、いろいろな模索をしているというよう部分もございまして、都市政策に一貫性が見られない。私はこんなことを思って、一回石原さんに、あなたらしく、国家観そして世界の中の日本というよう状況の中で物を考えてくださいよ、このようにお話ししようと思って、そのチャンスをうかがっている次第でございます。  このことに対して、北川知事國松知事も、私同様憤慨しておられる部分もあろうと思いますが、この試算に対してどのようにお考えをいただいているか、両知事にお伺いをしたいと思います。
  13. 北川正恭

    北川参考人 東京都の不幸は、首都機能移転公共事業に特化して取り上げたところで、矮小化されているということで、先ほど御指摘いただいたよう首都機能移転の本来の意味を歪曲化しているのではないかという思いがいたしております。  それで、余計なことかもわかりませんが、東京で十六兆円ほど十年間に投資的な経費を使っていると思いますが、何も変わっていないということになろうと思います。東京を本当に基本的に、抜本的に変えようとしたら、数百兆円要ると思います。地震対策は一体どうなるかということは大議論で、東京都は東京都でそれが御趣旨なら大反対されればいいと思うのです。そのかわり我々は我々で首都機能移転というものを、本当にどういう意味があるかということを大議論すればいいわけですね。そういうことを国会でやってほしい、岩永議員に特に強くお願いしておきたいと思います。よろしくお願いします。
  14. 國松善次

    國松参考人 東京都の方が首都機能について費用の点で一つの資料を出されたというのは、議論に一石を投じたという意味では大変意味があったと思いますが、同時に、費用対効果でこの問題を考えることは、先ほど来申し上げますように、国家戦略のものでございますから、それを費用対効果ではかれるとは私はもともと思いません。  そしてまた、東京で地震が起こる可能性はますます近くなりつつあるわけですから、そういうときの国家的損失だけでも、あるいはそれは国家的損失だけで済まなくて外国にも迷惑をかけるわけでありますから、そういうものを算出するということも、費用対効果を言うのなら、そこまでしなければいけないのではないかと思います。  同時にまた、この種のものは、それぞれが主催者発表で言うものではなくて、東京も含めて三候補地と、四者を比較する第三者がやるべきで、ぜひこの国会等でやっていただければありがたいと思います。
  15. 岩永峯一

    岩永委員 もう少し時間がありますので、この際、國松知事にお伺いをしたいと思います。  先ほどもちょっと申し上げましたように、この首都機能移転の中で空港の果たす役割というのは大変大きいわけですね。ましてや、京都、滋賀、奈良、三重そして岐阜、この地域に空港が一カ所もない。だから、そういう部分でびわこ空港というのは大変期待をされていたわけでございます。  しかし今、地元で大変な反対の議論等もありまして、なかなか大変だ、こういうようなことで御苦労いただいていることはよくわかるわけでございますが、やはり滋賀部分だけではなしに、この地域全体の中でのびわこ空港の持つ位置づけというのは大変大きかったと私は思いますし、我々の議連、そして今までの各県の資料、そしてこの新都構想等におきましても、実はびわこ空港の位置づけというのを大変重要に掲げておるわけでございます。  そういうようなことから考えまして、知事のびわこ空港建設に対するお考えをひとつお聞かせいただき、なおかつ、この首都機能移転と合わせてどうお考えになっておられるかということを最後にお聞きしておきたいと思います。
  16. 國松善次

    國松参考人 滋賀県は空港のない県でありまして、なおかつ、日本で空港のある県とない県がありますが、空港のない県が十一県ありまして、空港のない県に囲まれている日本で唯一の県でございます。  そういう意味で、しかも人口の伸び率からいいますと、率だけでいいますと、ここ五年、十年は一番というような格好になっておりますし、厚生省の予想でも二〇二五年まではその伸び率が続くという感じでございますから、そういうことと、工業県で、日本一工業、製造業に特化した県でもありますから、そういう意味で空港をつくりたいと思っています。首都機能が来るからということよりも、私どもはそれに関係なしにつくりたいと思っておりますが、首都機能が来れば、大いにそれはまた活用していただけると思います。  特に、日本首都を考える場合に、世界の空港を見てみますと、日本の空港ほどハブ空港がお粗末な国はありませんから、やはり関空と中部国際空港、二つ合わせて、なおかつ、びわこ空港があれば、首都機能にとっては大変すばらしい環境になるのだろうと私は思っています。
  17. 岩永峯一

    岩永委員 どうもありがとうございました。伊賀地方、甲賀地方に核を置いて、そして、両県はもとより奈良、京都にまたがる、大変歴史文化の高い、すばらしい地域だと思っておりますので、これからは我々も議連やこの国会移転特別委員会の中で頑張ってまいりたいと思いますが、やはり地元のアピール、そしてインフラ整備、いろいろな部分で両知事リーダーシップをとっていただかなきゃならない部分が大変大きいと思います。どうかひとつ、必ず我が地域に来るのだという確信のもとに、今後の御活躍を御期待申し上げるものでございます。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  18. 肥田美代子

  19. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 民主党の玄葉光一郎です。両知事、本日はまことにありがとうございます。そして冒頭、北川知事國松知事の常日ごろの行政手腕に敬意を表したいと思います。  たくさんお聞きをしたいことがあるのでありますが、私は、この国会移転の問題は、今から五年ぐらい前だったと思いますが、候補地を選定するための審議会をつくるための法律の提案者の一人でありまして、そのときに答弁をした記憶があります。私は、どこに決まっても国会移転は賛成するつもりであります。それは、なぜならば、先ほどお二人がおっしゃっていただいたように、この国を改革するためにはこのぐらいのことをやらないとだめだ、こう思っているからであります。  冒頭、扇さんの発言がありました。私は、衆議院の最初の国会移転で扇さんを呼んでくれというお願いをして、そのときはトップバッターで質問をいたすからというお願いもした経緯もあるのですが、問題発言をすると困るから出てこないということも漏れ聞いたのでありますけれども、扇さんの外国人記者クラブでの発言についてどう思われるか、一言ずつで結構ですからコメントをいただきたいと思うのです。  ちなみに、どうおっしゃったかというと、いろいろありますけれども、要点だけ申し上げれば、首都機能移転をするよりも、森内閣では電子政府、電子商取引を挙げている、それができれば地域格差というのはなくなる。あるいは、政治経済というものが一体でなければ都市とは言えない。あるいは、首都機能移転したとして、大使館、外国人記者クラブもそこへ行くのでしょうか。  私は、全くとんちんかんな話をされているなというふうに言わざるを得ないわけです。例えば電子商取引だ云々といっても、現実にはIT革命が進んで、アメリカは地域格差が縮まっていますけれども、残念ながら現状の日本は、むしろ広がっていると言ってもいいかもしれないですね。どんどん、例えばインターネット関連の企業なんかが上場する場合は、ほとんど東京ですね。それに、東京圏の人口なんかを見ていても実はふえているということも相まって、何を考えているのかなと。  政治経済一体じゃなきゃ都市じゃない。では、アメリカはどうするのですか、オーストラリアはどうするのですか。中国だってそうですね。今、北京と上海あるいは香港ですし、ヨーロッパだって、ブラッセルとそれぞれの首都という感じですから、私は、全く扇さんの考えはとんちんかんだと思っていますが、とんちんかんという言葉が適当かどうか、あえてそういう言葉を使っているのですが、一言ずつコメントをいただきたいと思います。
  20. 北川正恭

    北川参考人 私も、扇大臣の御発言は、国会の場ではなく他の場でおっしゃられたということはいかがなものか、そのように思っております。  それで、先ほどもおっしゃいましたが、集中が集中を呼んで、例えばIT化をするときに、インテリジェントシティーとしての機能東京でつくり直すことの方がいいか、インテリジェントビルがほとんどないという東京でつくり直すのがいいのか。新たに新しい首都像というものを見詰め、そして、この国家でITを、本当に定額で安く、世界に開かれた地域をつくり上げた方がはるかに機能的であり、公共事業はそういうふうな目で見るべきではないか、そのように考えています。
  21. 國松善次

    國松参考人 扇大臣が、首都というのは政治経済一つになっている姿でないといけないとおっしゃっておられるとしたら、ちょっと考え方は私は違うということを申し上げさせていただきます。  と同時に、何か議論を沸かすためにやったのだというような話もマスコミ等で聞いたりしましたので、そういう意味では評価しなければいかぬのかなと思うのですが、ただ、政府の責任者であるということの中で、建設大臣としておっしゃっているのなら私はおもしろいと思うのですが、国土庁長官を兼ねていただいているだけに、これはちょっとというのと、このことに対して一番文句を言っていただかなければいけないのは国会ではないかと思います。
  22. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 例えば大使館なんかも、東京に大使館が持てないでいるのが、百八十九カ国中六十四カ国あるそうですね。それぞれの国は、東京に置けないので、それはコストが高いから、どうしているかというと、韓国、中国から見ている、こういう現状なんですね。ですから、私も非常に解せない発言だなというふうに思っています。  次に、先ほど来から出ていますので、お一人でコメントをいただければいいと思うのですが、平成十二年の十一月二日、東京都の調査報告書というのが出た。首都移転の費用対効果の検証についてということで新聞をにぎわしたわけであります。  私は、先ほども出ましたけれども、道路とかダムとかという一つの事業に対するいわゆる評価手法を使ってこの国会移転を論ずるということ自体に誤りがあるし、よく読んでも、経済波及効果なんというのは全然見ていないのですね。私は非常に一方的だと思っているのです。先ほど御質問にお答えになられていたので、もう時間がありませんから、これはやめようかなと思います。コメントは結構でありますが、私自身はそういう考えでありますし、お二人の知事ともそういうお考えだというふうに聞きました。  そこで、その東京都の調査報告書なんかも触れているのですけれども一つだけ、せっかくいらっしゃっていただいたわけでありますので、教えていただきたいのですが、そうはいえ、国会移転改革の契機だ、大改革の契機だとはいえ、国民は、一体国会移転にどのぐらいお金がかかるのだというのは、関心はあるのですね。わかりやすい議論なんですね。  そういう意味では、三重・幾央地域にもし移転をされたときに、先ほど来からコンパクトな首都だというお話がありますけれども一体どのぐらいの費用を見積もられておられるか。これは、もちろん正確に見積もるということは不可能でありますけれども、どのようなお考えでおられるか。どちらかと言ったら恐縮なんでしょうか。では、滋賀知事さんに、後で北川知事にお聞きしますので。資料があれば聞かせてください。
  23. 國松善次

    國松参考人 まず、東京都の出されたことについてですが、先ほども言ったとおりでございまして、やはりこういう議論は役人的視点になってしまっているというよう思います。  そういう中で、三重畿央の場合の費用のお話ですが、もともとこれは国でやっていただくわけですから、国土庁の試算で、第一段階は四兆円、成熟段階で十二兆円とおっしゃって、十年間はほぼ二千数百億円とおっしゃっておられますので、まず、やはりそれは、国の方がどういう首都をつくるのだというイメージを、先ほど来申し上げているように、スケールとコンセプトも含めてですが、イメージを明確にして、その上で、この場所だったらより高くつくのか、安くつくのかという話になるのかなという感じがいたします。
  24. 北川正恭

    北川参考人 いろいろな試算があると思うのですね。私ども、四兆二千億というようなことに出しておりますが、必ずしもそれは、最近の技術の進歩等々で変化するものだと思いますが、私どもは、その可能性に挑戦をしていく余地が非常に高いところだという見方をするわけです。  したがって、先ほど申し上げたように、アポロ計画なんかで世界技術の粋を集めて、ではインテリジェントシティーをどうつくり上げるかというようなことにすれば、この国全体のコストが非常に低く抑えられることができるという大挑戦を、十九世紀から二十世紀にかけてこの国をキャッチアップでつくり上げてきたことをもう一回つくり直してやろう、そういう計算をぜひしていただかないと、費用だけ公共事業的なということではない、この国のありようをそういうところでも問うていくということから、先ほどから少しこだわっていますが、やはり発生主義会計、トータル、長い目で、長いスパンで見たことを考えていただくことがとても重要だ。そのように考えておりますし、大阪名古屋あるいは京都というようなところを控えておりますから、非常に安い政府をつくれる地域であることは事実だと思います。
  25. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 これはかけ方だと思うのですね。ただ、先ほど北川知事から、四・二兆という試算を我々は持っているんだという話がありましたけれども、私は、ぜひ国も大いにやったらいいし、それぞれの地域もやった方がいいと思うのですよ、これは。まさにかけ方なので、どういう都市をつくるかということを議論することにもなりますので。  ベルリンなんかは、今、一、二兆でやっているんじゃないですかね、恐らく。私も何回か行っていますが、非常に少ないコストでやっていますね。私は、金がかかる、金がかかるというけれども、逆に日本を最も安く改造する方法じゃないか。しかも、一年間、単年度ですべてかけるというわけでもないわけですから、今の補正、十兆ですからね。よく考えてほしいという思いがあるぐらいなんでありますが、私はぜひ、それは大いに我々もやりますが、それぞれの候補地でやっていただきたいなという思いを申し上げたいと思います。  それと、もう一つ三重畿央地域の県民の皆さんのこの国会等移転に対する考え方、反応というものも、やはりここで一言お触れになっていただいた方が参考になるかなというふうに思うのです。  やや辛口のことを申し上げて大変恐縮なんですが、反論していただいて結構でありますが、何となくウエルカムというか、大歓迎ですという感じを正直受けないのです。いや、実際はそうじゃないのかもしれませんよ。少なくとも余り感じていないものですから。三重畿央地域の実際はどうなのか。  あるいはもう一つ、ごめんなさい、これは通告していなかったのですが、防災上、あの辺は大丈夫なのかという思いも正直ありますので、そういう面についてはどんなふうにお考えになっておられるか。一言で結構ですから、よろしくお願いします。
  26. 北川正恭

    北川参考人 三重県でアンケートをとっておるのですが、よく知っている、多少知っているというのは九〇・一%で、総理府の世論調査の七五・五%は上回っています。そして、首都機能移転賛成、どちらかといえば賛成が六九・六%。反対、どちらかといえば反対が一六・一%。こういうことで、総理府の世論調査の五四・五%は上回っている。こういうことでございますが、御指摘いただくとおり、必ずしも決定的に盛り上がっているということではございません。  これは、やはり大臣が御発言いただいたり、国会でも非常にいろいろな議論があるということを聞いています。そういったことは敏感に反映すると思います。私どもも努力をしていきますが、まさに賛成、反対あっていいと思うのですね。こういった議論を本当にやらないといけないのではないかという問題提起を、私どもも今繰り返しさせていただいていることでございますので、ぜひ、この国のありようということを問うていただくようなことをしていただければ本当にありがたいと思うのです。私どもも、今後いろいろなことで、地域から、例えば発生主義会計を取り入れようとか努力しているのもそのうちの単なる一つなんですね。したがって、そういうふうにお考えをいただけたらと思います。  防災上の問題は、今の三地域、ほとんど大差ないのではないかと思っておりますし、三重畿央は大丈夫だと思います。
  27. 國松善次

    國松参考人 首都機能移転に対する県民の意識調査を平成十年の三月にやっております。県民の関心度は、大いに関心ある、多少関心あるも含めますと七四・三%でした。二年前の話です。二年半前になるかもしれません。それから、首都機能滋賀をエリアとするような形で移転したときにどう考えるかという問いでは、望ましいというのが五七%でした。そんなデータがございます。  ただ、こういうのは、候補地になっている地域の関心度の高さというのも非常に関心があるんですが、やはり全国的なレベルでの関心度をより高めるということが非常に大事なのではないかと思っていまして、こういう国会特別委員会議論も、例えば九州でやっていただくとか東北でやっていただくとかいうようなこととか、あるいは、これはやはり若者が主役にならなきゃいけないと思うのですね、この議論は。だから、私どもも、県内では、JCとか、若者に焦点を当てた議論の場を、あるいは意見発表の場をと思ってやっているんですが、ぜひそれを全国レベルでもやっていただいて、新しい時代の主役の皆さんにこの問題を真剣に考えていただくということがいいのかなと。  そしてまた、ついでにつけ加えさせていただきましたら、ぜひこの特別委員会なんかでも、ITを使ってバーチャル国会よう特別委員会を考えるなり、やっていただくと、また議論が沸くのかなと思います。  なお、防災でいえば、滋賀県は台風その他の災害がない県で、珍しいぐらいでございますが、地震はどの程度特にあれかわかりませんが、非常に安全な場所だということで、ある企業さんが特定なところにすごい施設をつくっておられるというところでもあります。
  28. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 私、国会移転委員会は比較的長いのでありますけれども、印象に残っている発言一つに、石原信雄さんという、官房副長官をずっとおやりになられた方がいらっしゃった。いわば官僚主義の一番の中核といいますか、そういう方なわけでありますけれども、今までの、御自分のこれまでの御活動を振り返りつつ、やはり日本はドラスチックに変わらないといけない、こういうふうに言ったのが私はとても印象的で、そのためには国会東京から変えないと変わらないなということを言ったのが、印象的な言葉はたくさんあるのですが、それはあの人が言ったので非常に印象的だったのです。  もう時間がありませんが、最後に、せっかく北川知事いらっしゃっていて、もちろん國松知事にもいろいろなことをお聞きしたい、あるいはお聞きしたわけでありますけれども、非常に切れ味鋭い発言とか実績を上げておられるわけでありますが、我々も、きょうも聞きながら、早く国会に帰ってきてほしいなと思う側面もなきにしもあらずでありますが、それはおいといて、せっかくですから、現在の政局どうごらんになっているか、政界再編どう思われるか。こればかりだと、国会移転で何でそんな質問をするんだと言われますから、これからの日本の歩むべき、これは県政の歩むべき理念とも重なると思いますが、理念を一つ挙げるとしたらどんな理念が最も大切だというふうにお考えになられているか、せっかくですからお聞かせください。
  29. 北川正恭

    北川参考人 各政党さんも、現状追認型といいますか、体制ができ上がってきていますから、それを破壊するには大変な勇気、情熱が要ると思うのですね。したがって、私は、利害調整型を政治が脱却していただいて、目的達成型の理想を掲げてそれを追求していくということだ、そのように考えて県政運営をしているところでございます。  国会のことは国会にお任せしたいと思います。
  30. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 終わります。どうもありがとうございました。
  31. 肥田美代子

    肥田委員長 坂口力君。
  32. 坂口力

    坂口委員 北川知事さん、そして國松知事さん、本当にきょうはお忙しいところありがとうございました。お礼を申し上げたいと思います。  北川知事さんの月へ行こうよという話を聞いて、そして國松知事さんの信長の安土城の話を聞いて、一体何を聞くかなとちょっとちゅうちょしておるわけでございますが、若干、お聞きをする前に、私の自分の考え方を少しだけ申し述べておかなければならないと思います。  これは、党の考え方というより私個人の考え方でございますが、確かに東京都はさまざまな面で疲労してきておりますし、ここを何とかしなきゃならないことだけは間違いがないというふうに思っております。  これから高齢化社会を迎えまして、そして活力、再生力というものが非常に大事になってまいりますが、そういう意味で、東京は、もうすべてのものが腸詰めのように余りにも押し込まれ過ぎておりますし、肝心かなめの人口そのものを、人間そのものを見ましても、合計特殊出生率一つを見ましても、一・〇と全国で一番低下をしてきている。人間そのものの活力が落ちてきておるわけでありますから、さて、このままでここをいいか、何とかしなきゃならないということはそのとおりというふうに思っております。  ただ、東京首都機能を全部そっくりどこかに移してしまうというのが果たしていいのか。私は、この腸詰めになっているところを適切な状態にまで戻して、そこをどこかに移して、そして東京都ともう一カ所、ちょうど眼鏡のように二カ所にそれを分散をするということが大事ではないか、私個人はそんな思いを持っております。  そうした意味で、滋賀県の知事さんが、ある程度の適度の距離がある方がいいんだということをおっしゃったのは、私は全くそこは同感でございまして、ある程度の距離がやはりある方がいいんだろうと思っております。東京都と余り近いところへつくりましても変化に乏しい。やはり関西と関東という、文化的にも地理的にもニュアンスを異にした、しかも適度の距離を持ったところが好ましいということで、しかし、関西にすべてを持っていくというのではないので、両側に、やはり双眼鏡のように、ひとつ日本の両目のように位置づけていくということが大事ではないかというふうに思っているわけでございます。  そんな私の思いを先に申し述べさせていただきまして、先ほどから出ておりますように、東京都の石原知事さんの思いというのも、あるいはその辺のところで、全部持っていかれてしまうんじゃないかという思いもあって、その財政論やあるいはまた公共事業論が出てきたのかもしれないという気がするわけです。  これは、北川知事さんから、先ほどからもかなり公共事業論ナンセンスだというお話があったわけですが、公共事業論ということではなくて、東京都にある程度の機能を残すということについてどんなふうにお考えになられるか、両知事さんから一言ずつちょっとお聞きをしておきたいと思います。
  33. 北川正恭

    北川参考人 東京は残ると思いますし、とても重要な都市でございますから、機能は相当部分残ればいいと思うのですね。一九八六年から十年間で投資的経費が十六兆円。実はほとんど従来のパラダイムのままに何も変わらなかったということだと思います。したがって、東京を直すなら何百兆円とかかると思いますが、もし首都機能をやったときに、カウントの仕方ですが、二百三十ヘクタールぐらいは余るだろう。そういったことを活用して、さらに東京機能的ないい都市になるということを願っております。  もう一つは、集中と選択ということが最近よく言われますが、一つの企業が圧倒的に強くなって六〇%以上の市場を確保しますと、そのもとになる企業を分割して危険分散をするということが、これはもう世界経済の中の大きな流れだと思います。東京へ集中が集中を生んでということになったときに、国家機能がパンクしたときに、ではその責任は一体だれが果たすかということも実はとても重要なことですから、東京にこの機能、そして別のところに首都機能、そういったことがきちっと分かれられるようなことにしていただければと、そういう考えで申し上げているつもりでございます。
  34. 國松善次

    國松参考人 私は、首都機能移転は、これからの新しい時代、それも百年単位の話でなくて、数百年、千年を見越しての視野で国家戦略として考えるべきだ、こう思うのですが、そしてそのときに、東京が今まではすごい立派な首都機能役割をしてきた、そのことをきっちり評価しながら、その中で、やはり東京役割というのは今後もあるわけですし、また物すごく立派な機能を持っていると思いますが、ただ、首都機能だけ、それも立法、司法、行政というその機能部分はこの際セットで行かないと、戦略、戦術的にもこれは適当ではないと私は思います。  それともう一つは、その新しいところが離れたところでということを申し上げているわけですが、鮮明に顔にならないといけないと思いますので、その顔ということを表現するのには、首都機能の中のさらにそれを分割するという話になってくると、その顔が見えにくかったりパワーがなかったりするのではないかと思います。  それともう一つは、これはちょっとそれと離れるかもしれませんが、日本歴史を振り返ってみますと、見事に東と西を振り子のよう首都機能移転させてきた。しかもそのサイクルは四百年単位であるということであったと思いますので、ちょうど今その時期にもあるということが言えるのかと思います。
  35. 坂口力

    坂口委員 私に与えられた時間、十分間なものですから、多くをお聞きすることできないのですが、先ほどからいろいろとお話をお伺いしておりまして、なるほどこの戦略的位置づけというのもこれは確かに大事だろうというふうに思います。  ただ、この戦略的位置づけというのも、その都度と申しますか、変化の激しい時代でございますから変化をしてまいりますし、また、この三カ所ありますところのそれぞれを比較いたしましたときに、やはりそれぞれの特徴も持っている。それを考えましたときに、自然環境もそれぞれいいところもありますし、また地震やその他のことにつきましても、これもどこに起こるかはわからない。これはなかなか一概に言いにくいところもある。  そういうことになれば、私が最初に申しましたように、やはり現在の関東、東京中心にした一つのエリアと、もう一点これに匹敵するところがあって、そしてそこが、時にはその機能を行き来させることもあると思いますし、あるいはその機能を分担し合うということもあると思いますが、もう一点大きな機能を持つ場所が必要になってくる。  そのもう一点持つ場所が、先ほどから繰り返し御主張になっておりますように、歴史的なところでもございますし、一番今三重畿央というのが非常に適しているというふうにおっしゃるのであれば、私はそれは、なるほど、そのとおりというふうに思っておりまして、そういうことがあったときに初めてこの三重畿央というのは生きてくる。一点だけということになると、どこでも同じことということになってくるという気がいたしまして、それこそ三重畿央にという戦略的な立場をどう考えるかということになれば、首都機能の双眼鏡的、眼鏡的位置づけという考え方を採用していただければ、私は三重畿央の芽がうんと出てくるのではないかと考えております一人でございます。  時間が参りましたので、自分でえらい主張しまして申しわけありませんが、終わりにしたいと思います。
  36. 肥田美代子

    肥田委員長 中井洽君。
  37. 中井洽

    ○中井委員 自由党の中井です。  北川國松知事、本当に御苦労さまでございます。私も十分ですので端的に尋ねさせていただきます。  今、坂口先生が御質疑をなさいまして、こうやって坂口先生、私、北川知事とそろいますと、ちょうど五年前に北川知事を担いで、改革三重、こういうことをやったことを懐かしく思い出しております。  この間の長野の知事選挙では、国会議員等の、あるいは政党等の支援なしでああいう結果が出ました。ああいうことを見ますと、国民は大きな変革、改革の流れを確実に判断なさっていらっしゃる、こう考えています。  しかし、それに比べて、各政党あるいは中央政治は、改革を言いながら、なかなか遅々として進まない。明治維新、第二次世界大戦、そして今とよく言われますが、明治維新はやはり維新という大変動があった。第二次世界大戦の敗戦、これもあった。しかし、今回の激動というのはなかなか見えるものがない。そういった意味で、調整型の政治がいつまでも続いているのだろう。  そういう意味でのシンボルとして、日本を変える、日本が変わらなければならない、これを象徴するものとしての首都機能移転であるべきだ、私は、こう考えてこの委員会に所属をし、微力でありますが、委員長職も務めさせていただきました。  私のこのよう思いでの首都機能移転の中で、特に印象深いのは、答申をお出しいただきました森会長と石原会長代行のところへ委員長としてごあいさつに行きましたところ、中井さんの住んでいらっしゃるところが候補地だから言うわけではないが、百年、二百年の日本の先を考えたら、候補地はやはり三重畿央だろう、このことは自信を持ってお進めをいただけたらいいのじゃないか、こういう大変うれしいお言葉をいただきました。  先ほど、北川知事のお話の中で百年、二百年、また國松知事も千年の長きを見ろ、こういうお話を賜りましたが、そういう長い目で見たときに、三つの候補地の中で三重畿央が一番すぐれている、こうお考えになっているところはどういうところだと、北川知事にお尋ねをいたします。
  38. 北川正恭

    北川参考人 長い目で見る場合と短期で見る場合もあると思いますが、まず短期的に見た場合にも、既存のインフラ、例えば大阪、京都あるいは名古屋、そういったことが活用できるというようなことが一つございますが、今世界がボーダーレスになりますと、アイデンティティーをどう出すかというときに、日本文化集積、ここから見ましたときに、長い目から見ても、確かにIT革命はネットワーク社会、フラット社会をつくり上げますが、しかし一方で、集中ということも必要でございますから、そういった集中力のある大阪名古屋に、近畿圏、中京圏に囲まれたところ、しかも日本の発祥の歴史文化がある。グローバルになればなるほどそういったアイデンティティーが出せる。そういった観点からしても、この三重畿央首都にふさわしいのではないか、そう信じて、今御理解をいただくために努力をいたしております。
  39. 中井洽

    ○中井委員 首都機能移転の根幹に、東京への一極集中があります。先ほどから、北川知事からもいろいろと話がありました。東京だけじゃなしに、日本の各都道府県がそれぞれ県庁所在地への一極集中をやっている。  ところが、三重県と滋賀県と奈良県においては、比較的県庁所在地に人口あるいは経済力が一極集中をせずに、バランスよく、特徴ある都市が並んでいる。そういう都市特徴をつかまえて、この三重畿央においてはこういう首都機能移転構想ですよとおつくりになったのがこの今回の構想ではないか、こういうふうに考えております。  その点をもう少し御説明いただけたらありがたいと思います。
  40. 北川正恭

    北川参考人 江戸から東京へとすごく発展した大きな理由は関東平野があったと思いますが、それぞれ近畿と中京は、山岳地帯に挟まれて、技術的に不可能な点があったと思います。したがって、大きく発展し得なかったと思いますが、今中井先生御指摘の畿央地域は、そのセンターにあります。技術的に、これを克服できる技術を持ち合わせました。  したがいまして、この畿央地域こそ、比較的、百メートルから二百メートルの高さでフラットなところがございますから、そこを機能的に、クラスター形式でやれば、本当に環境に配慮できるチープな、安い首都が持ってこられる。しかも、そこには既存の施設、例えば関空と中空という二つの大きな国際空港も持ち合わせている。  そういったことを考えていきますと、いわゆる第二の飛躍のときが来ている、そのように思っているところでございます。
  41. 中井洽

    ○中井委員 國松知事にお尋ねをいたします。  この皆さんのおつくりになられました構想を見せていただきますと、伊勢湾、琵琶湖、若狭湾、こう出ているわけでございます。人間の生活にとって、水というのは大事なことであります。東京というのは、江戸の時代から水がない。今日でも、自分の地域からの水じゃなしに、他府県からの河川の水でやっている。  私どもから見ると、日本に恵まれているのは自然の水だ、こう思うのですが、いつの間にか水を買うようになって、このごろはガソリンよりも高い。ガソリンが今世界じゅう高騰しておるが、日本はちっとも騒がないけれども、考えてみたら、水の方が高いのですね、一リットル。こういう国になったということを、僕は本当に寂しい思いをいたしております。  そういう意味では、三重畿央高原というのは、人口が二十万、三十万ふえても一応水を確保できる。また、伊勢湾、琵琶湖と続いている。  ただ、この構想の中に大阪湾というのが出てこない、書かれていない、文言を見ると。せっかく大阪湾まで七十キロぐらいのところにありながら、どうしてお書きにならないのか。この辺、ちょっと御説明をいただければありがたい。三ページです。  それから、アジア云々というお話がございます。古くからアジアとの交流が極めていい、こういうことがありましたが、この首都機能移転畿央高原へ行われたときに、私は、一番プラスはアジアの国々、アジアの首都へ、今、東京にいるよりもやはり四十五分から一時間近くなる。この間、韓国、台湾と短期の間に行く機会がございましたが、飛行機の切符がとれないのですね。物すごい交流であり、そして意外と時間がかかる。このことをやはりもう少しお書きになる。  こういったことも、これから国会議論をしながら、三候補地を一カ所に絞る、そして一カ所に絞って、お話の東京都との比較対照をする、こういうことが決められているわけでありますし、期限も限られているわけであります。もちろん、今のままで絞り込めるとは思っておりません。ありとあらゆる議論と知恵を出していかなきゃなりませんが、この絞る過程の中できょうがスタートでございます。  いろいろな意味で、他の候補地をどうだこうだ言うのじゃなしに、自分のところのプラスを言う、こういう意味で、國松知事の方から、もう少し補足いただければと思います。
  42. 國松善次

    國松参考人 この私どもがつくりました資料に大阪湾を意図的に抜いたつもりは全然なくて、もう十分入っているという理解をしておったものですから、大阪という都市がそもそも都市機能としてあるという背景の中に大阪湾ももちろんあるわけで、御指摘いただいたように、やはりこの位置のよさは、日本列島の真ん中にあるということだけではなくて、日本海と太平洋を結ぶいろいろなアクセスも含めて、歴史も含めてあるという点で、その点もこれから説明するときには見落とさないようにしなきゃいけないのかなと思ってお聞きしました。  なお、私も前に、ここへ参考人で呼ばれたときも申し上げたのですが、これからの日本の新しい首都をつくるときには、単に日本首都として場所を考えるのじゃなくて、アジアを視点に入れた、アジアの首都としての機能で、その視点を持ってやるべきだということを申し上げさせていただきまして、しかもそれは、単に物理的にちょっと西へ寄るからアジアに近いというのじゃなくて、それは人脈、歴史、そういうことが大事なんではないか、こう思います。
  43. 中井洽

    ○中井委員 終わります。
  44. 肥田美代子

    肥田委員長 矢島恒夫君。
  45. 矢島恒夫

    ○矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。  お二人の参考人知事さん、本当に御苦労さまでございます。  私たちは、国会等移転という計画には反対であります。私は、ここで反対理由を長々と述べようなどとは思っておりません。与えられた時間は十分だけであります。  九〇年の国会決議以来十年が経過いたしました。この間、なぜ移転なのか、いろいろ論議されてまいりました。先ほど、國松知事さんは、戦略がないということを述べられました。この移転の理由というものを見てみますと、一極集中の解消から、震災対策があったり、最後には人心を一新するんだという意見まで出てくる。消えたりあらわれたり、いろいろな理由がありました。私は、そのどれも納得できるものではないし、説得力があるものだというように思っておりません。私は、何よりも首都移転するということならば、まず第一に国民的な合意と国民の総意というものが必要であって、それこそ民主主義の基本だと思っております。  九八年一月に国会等移転審議会が第一次の候補地を決めました。昨年十二月に三地域の答申が出たわけですけれども、結果的には静岡が落ちておりますけれども、結局、関係自治体というのは十一になるわけなんですね。この十一県になるという答申の、なぜそうなったのかという理由というのはいろいろあるかもしれませんが、私はこの答申、引き続き絞り込めないで、それぞれの地域に期待を残す措置じゃないかというように考えます。  皆さん方は、この十年間、いろいろな論議に、振り回されと言うと語弊があるかもしれませんが、振り回されたり、その都度、その対応や内容の検討というものに追われてきたのではないかと思うのです。  そこで、まず最初にお聞きしたいのは、九二年以来、候補地としてこの誘致のためにそれぞれの県でどれくらいの費用を使われたのか。例えば、きょういただいた立派なパンフレットですが、こういうのは四府県でそれぞれ分担しているのかもしれません、あるいは分担金を出していらっしゃるのかもしれません。そういうのも、わかりにくい点はあるかもしれませんが、おおよそ、お聞かせいただければありがたいと思います。
  46. 北川正恭

    北川参考人 三重県の場合は、平成八年から十一年度までの四カ年で一億三千百万円ぐらいでございます。
  47. 國松善次

    國松参考人 私ども、平成五年度から十一年度までで、首都機能移転調査、啓発に五千四百万円使っておりますが、これは県民の意識を調べたり、あるいはまたこういうことを議論していただくというためのシンポジウムやフォーラムに使ったことでございまして、これは日本人として大事なことだと思っていますし、振り回されたという覚えはありません。
  48. 矢島恒夫

    ○矢島委員 この間、橋本行革ビジョンなどから、国会とともに移転するのは、いわゆる政策立案部門だ、執行部門はそのまま東京に残すのだというような論議もあり、そういう方向へも進んでいるというように考えます。  皆さん方は、国会行政府も含めたいわゆる首都機能移転ということを前提に、誘致計画あるいは公共事業の整備、こういうものを一体的に検討されてこられたと思うのです。  そこで、時間の関係がありますので、二つの点を一緒にお聞きしてしまうのですが、最終候補地から外れちゃったという、これは三つあるうちの一つになるわけですから外れざるを得ないので、その影響はどうなるのかということと、もう一つは、移転誘致の県民合意、これはどのように進めてこられたか、または合意は得られているのか。この二つの点について、それぞれお聞かせいただきたいと思います。
  49. 北川正恭

    北川参考人 一つは、首都機能移転候補地から外れた場合、こういうことですね。私ども、まず三候補地力を合わせて、東京との比較考量をぜひしていただきたいということで一致結束いたしております。そして、私ども地域のそれぞれ優位性はどんどん発表していきますが、最終的にはお決めいただいたところに従う、こういうことでやります。  県民合意は、私ども、いろいろなアンケートをいたしましたり、あるいはそれぞれの団体の皆さん、あるいは市町村皆さんと御相談を申し上げながら推進をしてきたところでございます。  ただ、国会の方で本当に熱い議論をしていただくということが、私どもにとっては何よりのことでございますので、賛否両論あっていいと思いますが、堂々の議論をお進めいただくように強くお願いをいたしたい、そのよう思います。
  50. 國松善次

    國松参考人 私どもの県で、地域振興その他を考えるときに、首都移転前提公共事業等の整備はやっておりません。  それと、県民合意につきましては、平成四年に県議会で決議がされておりますのと、先ほど御紹介しましたように、県民意識調査で県民の意向を把握しております。  なおまた、県議会では、特別委員会が設置され、絶えずこのことが議論されております。
  51. 矢島恒夫

    ○矢島委員 滋賀県の場合には、そういうことで、影響はたとえなってもないということが知事さんのお話だと思います。  知事さんの方はこれがなかったときの影響、要するに候補地にならなかったということを前提というのは考えていらっしゃらないかもしれないのですが、今こういうふうに進めているのに外れちゃった、そうするとこういう影響が出るぞというようなことを何かお考えでしょうか。
  52. 北川正恭

    北川参考人 恐縮でございますけれども前提をすべて立てられて、それに対してのお答えというのは、少しいたしかねる点がございます。  今は、一生懸命皆さんに理解を求めながらやっていこう、そういうことでいっぱいでございます。
  53. 矢島恒夫

    ○矢島委員 先ほど、扇国土庁長官の首都移転反対発言というものでいろいろ御意見が出されました。そういう中で、移転の見直しのいろいろな議論も実際にありますし、今後大いに議論をしていかなきゃならない問題だと私ども考えております。  そこで、いわゆる地域振興対策といいますか、首都機能移転することを前提にした地域振興対策、あるいはその計画というのはあると思うのですが、もしなくなった場合でも、やはり地域振興対策や、なくなったということを前提にしながらの計画なんというのはまだお持ちではないかどうか。
  54. 北川正恭

    北川参考人 地域振興対策というよりは、この国の形、あるいは国と県、県と市町村という、そういった形まで含めて御議論をいただきたいと思うわけでございまして、地域振興策、こうなりますと、何か誘致合戦のような雰囲気になることを実は正直恐れております。  したがいまして、自治のあり方とか、先ほど御質問の中で御意見がございましたが、国、県、市町村という三層制がこのままあっていいのかどうか、そういった議論を抜本的にやっていただくことがとても重要だ、私どもはそういうとらえ方をしながらこの運動を進めている、こう御理解いただきたいと思います。
  55. 國松善次

    國松参考人 先ほどもお答えしましたように、首都機能移転前提地域づくりは、インフラ整備その他を考えておりません。もし決まれば、私どもの今の地域振興のいろいろなものが加速されるということと、新しい付加をした対応も考えなきゃいけない、そんな感じではおります。
  56. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私たちも、今後国会の中で、反対の立場からのいろいろな論議をしていきたいと思っております。いずれにいたしましても、いろいろな御意見を拝聴しながら進めていきたいと思います。終わります。
  57. 肥田美代子

  58. 大島令子

    大島(令)委員 初めまして、社会民主党・市民連合の大島令子でございます。  まず、北川知事に質問をさせていただきたいと思います。  三重県は情報公開度全国ナンバー一、二を争うというふうに報道されております。したがいまして、県民の知る権利を尊重するという姿勢を、首都機能移転の誘致に対して、どのように反映していかれるのか。  具体的にお伺いしますけれども、国は来年から情報公開法の施行がされます。情報公開法の施行には国民の大きな期待が寄せられているわけなんですが、三重県の情報公開度は、先ほども申し上げましたけれども、透明度の高いことで宮城県といつも争って言われる、よい評価を受けております。  首都機能移転候補地は、国土庁や審議会等関係機関地域の特性についてのさまざまな資料を出していると思います。中には基礎的なデータもあると思いますが、地方自治体情報公開では、国や他の県などと協議中の事案については全面的に非公開としたり、一部を黒く墨で塗って公開することがよくあるわけなんですが、そうすると、今懸案の首都機能移転に関して三重県が国などに提出した資料の公開請求があった場合に、北川知事としては、基本的に全面公開でいくのか、それとも、国との意思形成過程上の問題であるということで文書を非公開でいくのか、どちらか、考えを聞かせてください。
  59. 北川正恭

    北川参考人 三重県の考え方は、情報公開は原則公開、こういうことで、原則非公開じゃなしに原則公開、こういうことでやらせていただきます。  そこで、国との関係、他府県との関係については、個別具体の事象にならないと、原則公開の対象になり得るかどうかということはなかなかお答えしにくい点もあろうか、そんなふうに感じます。したがいまして、私どもとしては、意思形成過程は、私どもの県内で処理できることは、最大限、原則公開していきたいと思っております。  以上です。
  60. 大島令子

    大島(令)委員 最終候補地ということで、まだ決まっているわけではないので、資料の公開は今していかないというふうに受けとめてよろしいのでしょうか。それとも、方向としてはしていくというふうに理解していいのか。少しわかりづらい答弁、お答えでしたので、もう一度。
  61. 北川正恭

    北川参考人 ちょっと資料とか個別の内容を、どの程度、どうなっているかということを私も詳細存じ上げませんので、お答えしにくい、できる能力がないわけでございますが、原則、私どもで出せる範囲のものは本当に公開はしていきたい、こう思っております。  したがって、個別のことについてちょっと、これはどうだとか、これはどうかとかということには今お答えできかねるといいますか、資料を持っておりませんのでできない、そういうふうなことです。
  62. 大島令子

    大島(令)委員 では、原則公開という基本的な立場ということで理解させていただきます。  次に、北川知事にまた質問させていただきますが、先ほどから、新千年紀における日本の方向性について、夢を語るような形で首都機能移転ということを冒頭にお話しされましたけれども、その中で、議論がやはり必要だということを強調されていました。  私、話を聞いていまして、議論必要性を示されながら、三重畿央地域なんですよという結論が出ない段階で誘致されることに、私自身、少し矛盾を感じるわけなんですね。  ですから、その辺、知事として、本心から移転推進し、ぜひ三重畿央地域首都を誘致したいと考えているのか。今の現状ですと、この二年間で、法律上は、国会の中で東京都との比較考量をして最終候補地を決めるというのが今の現状なものですから、すごく長いスパンの中で議論をするということと、その時間的なことを考えると、最初の、冒頭の話と非常に食い違いを感じまして、本気で御自分の地域移転したい、誘致をしたいのかなという、その辺の気持ちが感じられないものですから、ちょっと聞かせてください。
  63. 北川正恭

    北川参考人 私ども首都機能移転の課題は挑戦するにふさわしい課題だ、そのように思っておりまして、ぜひ、まず地域を限定せずに、東京比較考量を本当にしていただきたい。そして、この国のありようをぜひ問うていただきたいというふうに思います。  そして、今後、私どもとしては、やはり日本中央として、この三重畿央地域が優位だということは、その中で堂々と議論していく。そして、その議論にたえ得る地域だということを信じております。したがって、私は、本心からといいますか、本当に真剣にこの問題については国会でぜひ御議論いただきたいと思いますし、二年間の猶予ということは、もう本当に、決して長い時間じゃなしに、大変ショートな時間だと思います。したがって、ぜひ集中して大議論をしていただくことが、私どもの強い念願でございます。  以上です。
  64. 大島令子

    大島(令)委員 時間が十分ということですので、では、國松知事に質問させていただきます。  先ほど、変化時代に、トップ日本大統領制でないと。大統領ですと、その任期の期間、自分のした仕事に責任を持ちます。日本は常に内閣がかわっているものですから、私も、政治家というのは自分の任期にやったことに対して、政治家の職を離れると非常に無責任になってしまう。しかし、やりかけた事業、例えばこういう大きな事業ですと、何兆円というものは、基本的にいろいろな事業も税金をもとにするものですから、負担までセットにして考えなければいけないと思うわけなんです。そうすると、自分が政治家のときにやったことが継続して事業として残る場合に、私たちは政治家をやめてしまえば、知事という立場から、責任から外れるわけですね。  そういう意味におきまして、例えば九〇年十一月の国会決議の後、三回衆議院の選挙が行われまして、現在国会に衆議院で議席の占める割合、この当時いた人は四〇%で、私も含め六〇%の衆議院の方が決議のときにいなかったわけなんです。そういう意味で、これから私どもも、国会に議席を置いた以上、過去の資料とか経過を見ながら審議するわけですが、今、政治情勢も変わっている、経済社会環境も変わっている、昔考えたことが、そのままそのとおりにレールに乗っていっていいのかという疑問も私は感じているわけです。  ですから、この新しい国会議員の六〇%の衆議院の方々に、その人たちはそれぞれ御自分で勉強する必要もありますが、立候補している立場として、その方々にどういうメッセージをこれから送っていきたいと考えているのか、これは國松知事北川知事に伺いたいと思います。
  65. 國松善次

    國松参考人 私が先ほど申し上げた意味はそういう意味ではなくて、そういう意味ではなくてというのは、政治家が特定の期間をもって自分の成果だとかなんとかいうことではなくて、申し上げたのは、こんなに変化の激しい時代にはリーダーというのは非常に大事だと。そのリーダーが、今の日本仕組みの場合に、要は、直接選べないということと、トップの任期が固定されていないという点では、変化のときには非常に弱いということを申し上げておるわけでございます。  国会議員の先生がどんどんかわられる、それはもう当然の話であって、その上で、法律をつくって、この特別委員会をつくって、真剣に議論ようということで積み重ねておられるわけですから、大いにそこで議論をしていただければと思います。
  66. 北川正恭

    北川参考人 新しく出られた国会議員の先生方も、かつての決議ということで、それを中心に大議論をしていただくことを切に要望するところでございまして、新しい感覚でその点について御議論をいただくということを本当にお願いしたいな、そのよう思います。  以上です。
  67. 大島令子

    大島(令)委員 質問の持ち時間が終了したということで、終わらせていただきますが、私どもも、新人議員というところに甘えず、この問題に関して真剣に社民党としても取り組んでいきたいと考えております。  ありがとうございました。
  68. 肥田美代子

    肥田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言御礼申し上げます。  北川参考人國松参考人、お二人におかれましては、貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうございました。委員会代表しまして厚く御礼を申し上げます。  この際、休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ————◇—————     午後一時四十六分開議
  69. 肥田美代子

    肥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国会等移転に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、ただいま、参考人として岐阜県知事梶原拓君及び愛知県副知事河内弘明君に御出席いただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。  なお、議事の順序ですが、まず、梶原参考人、河内参考人の順に、合わせて二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  それでは、まず梶原参考人お願いいたします。
  70. 梶原拓

    ○梶原参考人 岐阜県知事の梶原でございます。よろしくお願いします。  私たちが国会等移転問題に対応する基本的な考え方をまず申し述べたい、かよう思います。  お手元に、一枚の表といいますか図を差し上げてございます。それによりまして御説明させていただきたい、かよう思います。  国会等移転問題は、言うなれば明治維新、昭和維新、平成維新と大きな歴史の流れの中の一環として位置づけるべきではなかろうか、こんなように考えております。それぞれ革命とも言っていいような大きな変革をし、また変革をしなければならないと思っております。  明治維新は言うなれば集権革命であり、昭和維新は民主革命であり、平成維新は分権革命である。それで、国家目的が、軍事大国から経済大国、そして今生活大国を目指そうとしている。  そして、社会構造あるいは産業構造は、農業社会から工業社会、そして今どんどん情報社会に突入しつつあるということでございます。明治維新におきましては、脱亜入欧ということでアジアから離れて欧米化していく、引き続いて、それに追いつけ追い越せと努力いたしてまいりましたが、これからはアジアの一員として、欧米から距離を置き、そしてアジアに貢献する、こういう脱欧入亜の時代に入っている、こんなふうに思うわけでございます。  権力構造も、ピラミッド型からネットワーク型に、あたかもスーパーコンピューター中心からパソコンネットワーキングにというよう情報システムが変わってまいっておりますように、コラボレーションの、協働の時代だ、こんなふうに思うわけでございます。  国民との関係も、強権と恩恵という大きな政府の時代から、これからは分権と責任という小さな政府へ移行すべき段階である。  対外国の関係におきましては、明治維新、列強諸国に対決していくということでございまして、敗戦後は、言うなれば、言葉は適当でないかもしれませんが、へりくだり型になってきました。そして、これからは対等型の関係に行くべきだ、こんなふうに思うわけでございます。  対外国との関係におきましては、一番上のところに掲げておきましたが、ずっと日本時代が明治維新あるいはその前に続きまして、明治維新から、対大陸へ支配的な関係を及ぼそうとしたという時代、それから敗戦後、太平洋時代が到来して、言うなれば対米服従というような関係になった。いよいよ新日本時代に入ってまいりまして、対等に、お互いに融合していく時代ではないか。そういう大きな歴史的な変革の節目にあるということを私たちは自覚して国会等移転問題に対応していくべきだ、こんなふうに考えてまいったわけでございます。  表の一番下にございますように、やはり、主権在民のもと、国会移転ということは大きなシンボル的な効果があるというふうに考えております。明治維新は、皇居の移転というシンボル的な出来事がございました。昭和維新におきましては、敗戦後、人間天皇宣言というのがございました。平成維新は、それに相当するこの国会移転というようなシンボル的な出来事が国民意識の変革の上で必要ではないか、このように思うわけでございます。  明治維新は、確かに、東京首都がございまして、その首都がビッグ・アンド・ストロングというように、大きくかつ強力な中央政府機能を果たしました。現在はどうかということでございますが、首都である東京が巨大都市、過密都市になりまして、国家機能が十分に働かなくなってしまっている。交通等の問題が典型的な例でございますが、ツービッグであるためにウイークになっている。そこで、巨大都市あるいは過密都市から、この国会等移転によって首都機能移転いたしまして、そこに、小さいけれども十分中央政府機能を働かせられる、スモール・バット・ストロング、こういうような町づくりをする必要がある、こんなふうに思うわけでございます。それが私たちの基本的な歴史的な認識である、かようなことでございます。  そして、東京の過密問題でございますが、交通問題一つとりましても、外郭環状線というものが必要だと言われております。一例を挙げますと、東京外郭環状自動車道、一キロつくるのに一千百億円かかると言われておりまして、すべてこれを借金でやれば、償還不能の路線になります。一方、名古屋市を中心に東海環状自動車道路事業を進めております。現在、約五千億程度の事業費をどう捻出するか、建設省、道路公団あるいは地元で頭を悩ませておりますけれども、八十キロの路線について今論じられているのは五千億円内外の話でございまして、東京外郭環状道路の四キロないし五キロ、こういう程度でございまして、その格差というものは大きなものがございます。  そのように、過密都市でいろいろな事業をやりますと膨大なむだを生じている、こういうことでございます。  一方、生活費が高いということで、外国の大使館を東京に置けない国がたくさんございまして、日本に大使館のない国が六十四カ国でございます。そのうち十三カ国は、中国に大使館を置いて日本を管轄しているということでございます。考えようによりましては屈辱的な話でございまして、これまで、発展途上国の大使館がビルの賃貸料を払わないということで訴訟騒ぎなどが起こっております。日本の外交にとってこんなことが果たしていいことか、この現状を放置していいかということを、もっと問題をクローズアップして真剣に論ずべきである、かように思うわけでございます。  それから、例えば治安問題でございますが、外国の要人がおいでになるということもありまして、巨大都市、過密都市東京では警備が大変難しいと言われております。そこで、警視庁の警察費を見てみますと、この程度の規模であれば約三千億円ぐらいで仕事ができますけれども、警視庁の場合、六千億円を超えるお金、約倍のお金がかかっております。その三千億円の差というものは東京都が負担されておりますが、大きく国家的に見て、やはり巨大なロスを生じている、このように考えざるを得ないというふうに思います。  それから、日本時代の到来ということを考えますと、今の東京国会等を置いておいていいのかどうか。一つは国際空港の問題でございまして、巨大都市東京の需要と競合するがゆえに、非常に使い便利が悪くなってきている、こんなふうに言われております。外国の要人がどんどんこれからふえるという時代に、国際空港の問題が一つの大きな課題ではないか。そして、場所的に、かつて日本時代が長く続きましたけれども、京都とか奈良というようなものが都として存在をいたしました。太平洋と日本海が近いところ、大陸により近い関係ということが必要ではないか、こんなふうに思うわけでございます。  そして、生活費が高いとかいうようなことに関連いたしまして、国家公務員の現在の東京の生活状況が果たしてこれでいいのかどうか。今まで余り論じられておりませんが、国家事務に専念していただきたい国家公務員の生活が、巨大都市、過密都市東京であるがゆえに、ラッシュの交通にさいなまれている。それから、二時間もかけて通勤しなきゃいけない。あげくの果て、地価が高いために巨大な住宅ローンをしょって一生苦労しなきゃいけない。そういう生活苦から解放してあげることが必要ではないか。そのことが余り論じられていないということは不思議なことではないかと私は思います。  あと、自然環境問題等、首都として大変重要なことでございます。そういうことも配慮されるべきではないか、こんなように考えております。  あと、申し上げることはございますが、時間も参りましたので、後ほど御質問にお答えをしたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。(拍手
  71. 肥田美代子

    肥田委員長 ありがとうございました。  次に、河内参考人お願いいたします。
  72. 河内弘明

    ○河内参考人 愛知県の副知事の河内でございます。本来、知事出席すべきところでございましたが、所用で失礼をいたしておりますので、かわりまして説明をさせていただきますので、お許しを賜りたいと存じます。  今、岐阜県知事さんから首都機能移転意義等についてお話をいただきましたので、私からは、岐阜県と連携して組織しておる岐阜愛知首都推進協議会の取り組みを中心説明させていただきたいと思います。  お手元にこういう資料を配付させていただいておりますが、その五ページをお願いしたいと思います。  私どもでは、昨年十二月の国会等移転審議会の答申に、この東濃地域と西三河北部地域一体地域として盛り込まれたことを受けまして、ことしの四月に、両県挙げて岐阜愛知首都推進協議会を設立したところでございます。現在は、この協議会を中心に、当地域への移転実現に向けた取り組みを進めているところでございまして、具体的には、まだ緒についたところではございますけれども地域として構想する岐阜・愛知地域における新首都構想の策定とか、それから首都機能移転推進に必要な調査研究などを行っておるところでございます。  資料を一枚はねていただきますと、ここに愛知・岐阜地域の広域図を掲げさせていただいております。これは、現在進めております地元としての新首都構想の検討に用いている広域構造図でございます。  岐阜・愛知地域には、図の左下にお示ししております知多半島の常滑沖に建設が進められます二十四時間運航の中部国際空港や、名古屋中心として緑色の線で表示しております東海環状自動車道などのすぐれた交通基盤がございます。特に、東海環状自動車道によりまして、岐阜東濃地域と本県の西三河地域は約十五分ないし二十分で結ばれることになります。  また、商業やサービス産業など新首都の生活を支援する名古屋大都市圏機能、あるいはあいち学術研究開発ゾーンや東濃研究学園都市等における教育とか研究開発の機能集積しておりまして、さらには、近くに森林リゾートや三河湾を中心とした海洋リゾート等が広がっておりますので、こうした地域の特性を生かしながら、魅力的な新首都構想を策定してまいりたいと考えておるところでございます。  こうした考え方をシンポジウムなどの機会をとらえてお示しし、広く一般の方からも御意見をいただきながら取りまとめていきたい、このように存じております。  この他、協議会としての啓発活動につきましては、パンフレット等の作成はもとより、ホームページを立ち上げ、情報発信や一般の方からの意見募集など幅広い合意形成に向けた取り組みを進め、首都機能移転の実現につなげてまいりたいと考えております。  今後も、当地域におきましては、この協議会での取り組みを中心に、岐阜県、愛知県が一致協力して移転実現に向けた取り組みを進めてまいります。  なお、岐阜・愛知地域を超えたより広域の取り組みといたしまして、中部圏知事会議等におきまして、中部九県一市が協力して、シンポジウムや雑誌での広告掲載など具体的な取り組みを行っていることもつけ加えさせていただきたいと思います。  以上、簡単でございますが、当地域での取り組みにつきまして御説明をさせていただきました。どうぞ今後とも委員皆様方の御指導、御鞭撻をお願い申し上げるところでございます。  ありがとうございました。(拍手
  73. 肥田美代子

    肥田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————
  74. 肥田美代子

    肥田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。棚橋泰文君。
  75. 棚橋泰文

    ○棚橋委員 自由民主党の棚橋泰文でございます。  まずもって、岐阜県知事の梶原参考人、そして愛知県副知事の河内参考人におかれましては、大変公務御多忙の中、本委員会においでいただきまして、参考人としての御意見をいただきますことを心から御礼申し上げる次第でございます。  さて、早速両参考人から御意見を伺いたいと思いますが、岐阜・愛知地域につきましては、岐阜県そして愛知県、両県で協力し合って首都機能移転誘致に向けて御努力をされていらっしゃることを感じておりますけれども、先ほど梶原参考人、そして河内参考人という順で御意見を陳述していただきましたので、まず梶原参考人に御意見をいただき、大変恐縮でございますが、河内参考人にはそれにつけ加えての御意見をいただければと思います。  先ほど、梶原参考人のお話の中で、首都機能移転についての歴史的あるいは文明論的な視点からのお話がございました。私もまさに全くそのとおりだと思っておりまして、特に、我が国においては歴史的な転換点において首都移転していることが大変多うございます。二十一世紀に向けて、今大きく激動の流れの中で世の中が変わらなければいけないときに、首都機能移転議論が今進められていることの意味は、まず私はそこにあると思います。  しかしながら、首都機能移転において大変重要なポイントの一つは、やはり首都機能が誘致される予定地の地域の方々がどのようにそれを感じ、そしてどのように意識をしているかではないかと思います。  そこで、まず梶原参考人に、岐阜県民の方を中心に、この首都機能移転について県民の皆様方がどのように認識しているか、そしてまた、どのように認識していると参考人はお考えかをお話しいただきまして、河内参考人から、おつけ加えいただけることがあれば、その後おつけ加えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  76. 梶原拓

    ○梶原参考人 地元でどのように認識しているかというお尋ねでございます。  いろいろアンケート調査等を実施しておりますが、本年十月に開催いたしました西濃圏域女性会議、先生のおひざ元でございますが、その結果によりますと、移転賛成の方が六一%ございまして、なぜ賛成かとその理由に、これによって国政全般の改革が促進されるのじゃないか、それから、東京の土地、住宅、交通問題などが解消されるという東京に対する思いやりまで含まれておりまして、また、地震などの大規模災害に備える必要がある、そして、岐阜県の活性化、地域振興につながる、こういうような理由になっております。  そして、全般的には、県下全体の女性に対しまして、回答は約百七十人程度でございますが、賛成が六四%でございまして、地方分権をすべきだ、過密都市東京の問題解消だ、国政あるいは地方行政改革のきっかけになる、災害時対策のため必要だとか、そういうような理由が掲げられております。
  77. 河内弘明

    ○河内参考人 候補地が選定される前でございますが、県の県政世論調査を実施しております。平成十年に実施しておりますが、このときは、国政全般の改革とか、あるいは東京への一極集中の弊害の除去というような、そういう意義前提にした上での、そういうことを掲げた上で移転の賛否を聞いております。その結果によりますと、進めるべきだとの意見が七六・三%を占めたのに対しまして、進めなくてもよいという意見は一五・五%にとどまっておりまして、四人に三人が進めるべきだと答えております。しかし、まだ具体的な構想とかそういうものが見えない段階での意見でございます。  今後、移転イメージ意義等々を推進協議会等で十分詰めて、さらにそうした意識の盛り上げを図っていく必要がある、そのように考えておるところでございます。
  78. 棚橋泰文

    ○棚橋委員 どうもありがとうございました。  今お話にございましたように、まだ必ずしも県民お一人お一人の中では具体的なイメージを十分に認識されていらっしゃらない方がいらっしゃるにもかかわらず、六割ないし七割の方が首都機能移転してほしい、そしてまた、それを私ども地域に来てほしいという御意見があるということは、何といいましても、特に梶原参考人のお話にありましたように、我が国の国政全般の新しい時代に向けての新たなステージに進んでほしいという熱望のあらわれでもあるのではないかというふうに私も感じております。  そこで、具体的な候補地の選定に当たりまして、何よりも、岐阜・愛知地域というのは、我が国のまさに国土中心でございますし、アクセスという観点からも歴史的な観点からも候補地として最適であるというふうに私は考えておりますが、両参考人に、岐阜・愛知地域候補地として最適であるその最大のセールスポイントをお話しいただければと思います。  と申しますのは、委員会の中でも議論になりましたし、そしてまたさまざまな議論の中でも、当然のことながら、それぞれの候補地には、利点もあれば、中には必ずしも十分でない点もございますが、やはり候補地の選定という観点から考えていくならば、一番大事なのはその候補地が一番最適であるという本質ではないかと思います。  そこで、両参考人に、岐阜・愛知地域が最適であるというその最大のセールスポイントをどうお考えかということをお話しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  79. 梶原拓

    ○梶原参考人 どういうところがいいかということでございますが、一つには、政府の統計調査によりますと、人口重心がこの地域にございます。そういう数字だけではございませんで、鉄道、高速道路、空港、港湾というようなことを考えますと、国民皆さんが利用されるのに一番便利であり、経済的である、国民経済全般から見てコストが一番安いというような数字になっております。その上、既定計画で、中部国際空港、リニア中央新幹線、第二東名、第二名神高速道路、こういった幹線が建設中でございます。さらに便利になる、あるいは経済的になるということでございます。  それから二点目は、いよいよ環日本時代を迎えるという段階に間もなく入ると思います。京都、奈良が、対日本時代が長らく続いたときに大きな役割を果たしました、江戸時代は鎖国をいたしましたので違いますけれども日本の長い歴史を考えますと、中央地域は大陸との交流、交易にやはり欠かせない立地条件である、かよう思います。  それから三番目に、これから空港というものが重要な存在になるわけでございますが、中部国際空港は二〇〇五年に開港されます。そして、将来、四千メーター級二本という計画でございまして、二十四時間空港でございます。韓国とかあるいは中国、シンガポール、マレーシア、大規模な空港づくりが進んでおりますが、関西新空港も二本目の滑走路事業に着手しております。そういう国際化の時代に使える国際空港が存在するということ。  それから、東日本と西日本、関東、関西という時代ではもうなかろう。日本経済再生のためには関東、関西が力を合わせる時期に来ている。この日本の真ん中で力を結集いたしまして、そして二十一世紀型の産業を育てて、経済を繁栄させ、かつ、それが税収入に結びつく、国家財政の再建にもなる、このような期待をいたしておる次第でございます。
  80. 河内弘明

    ○河内参考人 ただいま梶原知事のおっしゃられたことに尽きるというふうに思いますが、特につけ加えさせていただくならば、骨格的な道路交通体系の整備がもう既に着々と進んでおり、いろいろな意味で安価に済む、首都機能移転のためだけの交通基盤整備というものは必要がないよう状況にあるのではないかということがございます。  それからもう一点は、中京都市圏におきましては、名古屋を核にしつつも中小のある程度の規模を持った都市が分散立地する、リセントラリゼーションに分布しておりますので、そういう意味で、そういう機能も十分活用していける道があるのではないか、そのような点も有利な点ではないかというふうに思うところでございます。
  81. 棚橋泰文

    ○棚橋委員 どうもありがとうございました。  今、両参考人からポイントを整理してお話しをいただきましたが、まさにお話にありましたように、特にこの岐阜・愛知地域の最大のセールスポイントというのは、まさにアクセスのしやすさではないかと思います。  特に、二十一世紀に向けての我が国首都機能というものに一番求められておりますのは、国内的にはもとより国際的にもアクセスしやすい、日本国民全員にとってどこよりもアクセスしやすく、と同時に、国際社会の中で生きていく我が国においても、国際的にも非常にアクセスしやすいという、この二重の利点を備えていけるべき地域首都機能として一番機能するのではないかと私も考えております。  梶原参考人のお話にございましたように、空港、港湾、鉄道あるいは道路、こういった機能が比較的コンパクトに、しかもきちんとした機能を備えて存在することが必要でございます。  例えば東京の場合ですと、大変失礼かもしれませんが、成田空港までのアクセスのしにくさというのがやはり非常に大きくネックになっておりますが、この点、岐阜・愛知地域であれば、中部国際空港という、しかも非常にまた使い勝手のいい空港の建設が今予定されておりますし、鉄道網は、東海道新幹線、あるいは将来的にはリニアの計画等も含めて、これまた我が国中心にある中で非常に便利な形になっております。  こういった点において、私は、個人的にはこの岐阜・愛知地域は非常に有利な点を備えていると思いますが、もう少しこの点についてお話を伺えればと思いますのは、この岐阜・愛知地域というのが、他の候補地と比較してお話しいただくのは両参考人としてはなかなかお話しにくいのかもしれませんけれども、このアクセスという観点から、あるいは国民の利便性という観点から、あるいは国際社会の中における我が国首都機能という観点から、他の地域に比較してどのようにすぐれているかということを、少し他の地域と比較してもしお話しいただけることがあればお願いしたいと思います。
  82. 梶原拓

    ○梶原参考人 先生がおっしゃるとおり、ほかの地域と比較するということは余り適当ではないかと思いますが、例えば、国民一人当たりの平均移動コスト、国会においでになるときのコストでございますが、栃木・福島地域は一万七千七百六十五円、岐阜・愛知地域は一万三千五百六十九円、三重畿央地域は一万三千六百四十七円、試算でございますが、一例としてそんなようなものもございます。
  83. 河内弘明

    ○河内参考人 他地域と比較するというのは余りあれでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、やはり各種の交通基盤の骨格が既にもう事業に着手しておるような面が非常に多いという点があるのではないかと思います。  それから、データ的にはあれでございますけれども、全国の都道府県からの到達時間等からいいましても、私の記憶で若干古いデータでございますが、やはり一番近いといいますか、時間距離日本地図を描きますと非常に近い地域ではないか、このように思っておるところでございます。
  84. 棚橋泰文

    ○棚橋委員 どうもありがとうございました。  今お話にございましたように、岐阜・愛知地域の最大の利点というのは、やはり全国民からのアクセスのしやすさだと思っております。  一方で、現在、東京には、経済中心政治行政中心が重複して重なっている形になっておりますが、これは、当然のことながら、不慮の災害時においてこの二つの機能が同じ地域に重複していて大丈夫だろうかという議論は当然出てまいります。  岐阜・愛知地域というのは、ある意味では、特にこれが首都機能移転によって政治行政中心になりますと、経済中心である東京と二つにリスクを分散できるわけでございますし、一方で経済中心である東京とのアクセスも、またこれは他の候補地に比べても遜色ないというよりも、ある意味では私は一番有利な地域ではないかというふうに考えております。  ただ、やはり首都機能移転していくことを考えるに当たって大変重要な要素の一つに、災害時の防災体制の整備、あるいは、そもそも災害に対してどういう対応ができる地域であるかということが大変重要なポイントになってくるのではないかと思います。  一部では、どうしても東海地域は地震に弱いのではないかという意見もございますけれども、そういった観点も含めて、さらには地震だけではなくて自然災害一般を中心に、災害時の防災体制としてどういう首都機能を岐阜・愛知地域として今参考人の頭の中のイメージとしてお持ちであるか、この点についてお話をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  85. 梶原拓

    ○梶原参考人 この地域は専門家の調査によりまして地盤が非常に強固であると言われておりますが、しかし、他地域からの波及ということもございます。したがって、災害時への対応ということが極めて重要な課題であるというふうに思います。  そこで、阪神・淡路大震災の教訓から考えますと、災害発生後の輸送路の確保というものが非常に致命的なことになってくるということでございますし、この地域は空港も、国際空港あるいは国内空港あるいは自衛隊の飛行場、そういうものがたくさんございまして、中部国際空港を中心にいたしますと、おおむね二百キロ圏内に十二空港が立地しております。緊急時にこうしたものが活用できるということでございます。それから、鉄道あるいは道路あるいは港湾、代替性のある複数の手段がここにたくさんある、こういうことでございます。  そして、岐阜県内で私たちが今実施しておりますのは、道路について言いますと、複々道路という方針で、いざというときに代替する道路を複数つくる、こういう方針で進めております。現実にそういうルートが今できつつございます。これは災害時には大きな効果を果たす。それから、東海環状自動車道も、ごく最近ですけれども、いざというときに下におりられるランプをインターチェンジ以外につくってほしいというお願いをしております。  こういうような既定計画がございますが、さらに強化をするということになりましても、先ほど申し上げましたように、用地費も安いし、そして早く、時間もかけなくて対応できるという点が例えば東京なんかに比べてはるかに大きい、かように考えております。
  86. 河内弘明

    ○河内参考人 先月の十一日、十二日に東海で大変な大雨で大きな被害を、皆様にもいろいろ御心配をおかけし、御尽力を賜ったわけでございますが、このとき、西枇杷島町という町が一つすっぽりと水に一瞬にして埋まってしまったというわけでございます。  そういう段階で私ども痛切に感じましたことは、やはりしばらく役場が沈んだためにすべてが混乱してしまったというようなことでございます。そのときに思いましたことは、非常に複線型のいろいろな対策、情報の体系とか交通の体系とか通路の体系、そういうものを持つことがどうしても必要だというふうに思ったわけでございまして、そうした点で、今梶原知事から申されたような点がこの地域にとって大切だというふうに思っております。  それからもう一点、これは地域の、当然のことでございますけれども、やはり災害時における支援の体制というようなものを、常日ごろからそういう風土をしっかりつくっていく、ボランティアとかNPOとか、そういうものをつくっていくというようなことが必要でありまして、そういうようなことは首都機能移転とはかかわりがないかもしれませんが、地域としてそういうことにも力を入れていく必要があるのではないかというふうに思っております。
  87. 棚橋泰文

    ○棚橋委員 どうもありがとうございました。  まさに両参考人のお話にあるように、やはり防災対策の原則は、メーンのシステムあるいは施設が使えなくなったときに、予備的な施設やシステムにいかに素早くそして簡易にスイッチすることができるかということに私もかかっているのではないかと思います。  幸い、岐阜・愛知地域は、域内あるいはその周辺部に、今の梶原参考人のお話にございましたように、例えば二百キロメーター以内で十二空港あるというお話がございましたように、新しい設備投資をそんなにすることなく代替できる機能を十分に持っておりますので、特に複線化、あるいはそういう観点からの防災体制を整備するという観点からも他地域に比べて非常に安価なコストで進めていけるのではないかと思います。  そこで、もう一点両参考人にお話をしたいと思いますが、防災については今お話を伺いましたので、特に岐阜・愛知地域首都機能イメージとしては、これまでももちろん配慮はされておりましたけれども必ずしも十分に認識をされていなかった、環境共生する首都というコンセプトでこれを誘致したいというふうにお進めであるというふうに聞いております。  何といいましても、二十一世紀世界的に見てもより環境問題に対する意識、あるいは対応が迫られる時代であることは間違いございませんが、これは当然のことながら首都が率先して行うべきであって、しかしながら一方で、一般の方を見ると、環境というとどこまで配慮していかなければいけないのか、この辺の具体的なイメージが必ずしも明確に実は認識されているわけではございません。ある意味首都がそれを率先して行っていけば、全国にそれを発信していくまさにその手がかりになってまいりますし、さらには環境先進国としての我が国イメージづくり、あるいは我が国の実態を知らしめるに非常に大きな意義を持っています。  そこで両参考人に、まず梶原参考人環境共生する首都イメージについてお話をいただきまして、河内参考人に、大変恐縮でございますが、それにさらにつけ加えるお話があれば御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  88. 梶原拓

    ○梶原参考人 御指摘のとおり環境の問題は大変大きな課題である、かように考えます。  この地域は、東美濃丘陵地帯、大変緑豊かなところでございます。そこで、私ども今作業をやっておりますのは、地元と御一緒に自然を保全する区域を先取りしてしまおうということにいたしておりまして、自然環境を保全する区域を先取りして、その他のところで開発をしようということでございます。  そのために、一つには、たくさんのゴルフ場がございますので、ゴルフ場に国会等を建築したいということで、ゴルフ場関係者の御了解を得ております。これは国会のためにも非常に環境のいいところにある。ちょっと落ちついて仕事ができないこともあろうかと思いますけれども環境的にはすばらしいと思います。  それから、公務員団地などは、大きなものを自然を壊して建てるということではなくて、極力、人口十万人の多治見市を初め中小都市が周辺にございますので、その中に公務員の居住地を吸収していくということの方がいいのではないかという御提案をさせていただいておりまして、公務員の皆様も、地域社会に溶け込んで、介護の問題だとかごみ集めだとか、子供さんの教育の問題だとか、地域の方々と交流して話し合って、そういうものが国政に反映されるというようなことが望ましいのではないか。そういう意味で既存の中小都市機能を活用する、そういうことも考えておるわけでございます。  そして、自然のみならず、先端技術とか伝統文化とかそういうものが既にここにも集積をしております。おもしろい、楽しい町づくりも同時に、テーマパークをつくったりいたしまして進めておるような次第でございます。
  89. 河内弘明

    ○河内参考人 イメージということとはちょっと離れるかもしれませんが、今度、二〇〇五年の国際博覧会は、自然との共生というようなことがメーンのテーマでございます。そういう中でいろいろ生み出されてくるノウハウというようなものを生かしてまいりたいとも思いますし、それから、私ども地域では、今、産学官共同で地域結集型共同研究事業という循環型都市基盤の整備に関する調査を、五カ年かけて大規模にそういう調査を進めております。そういうような成果も生かしながら、環境に調和した首都づくりができればというふうに思うところでございます。
  90. 棚橋泰文

    ○棚橋委員 どうもありがとうございました。  両参考人のお話の中で、岐阜・愛知地域首都機能移転を誘致するに当たりまして、我が国において最も恵まれた、あるいは国際的にも最も恵まれたアクセスのしやすい地域である利点を生かしながらも、災害時における体制の整備、あるいはさらには二十一世紀における国際社会の中での我が国首都としてふさわしい環境共生する首都機能づくり、こういった観点から誘致活動を進められていることに心から敬意を表させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  91. 肥田美代子

    肥田委員長 古川元久君。
  92. 古川元久

    ○古川委員 民主党の古川元久でございます。  本日は、岐阜県知事の梶原参考人、そして愛知県副知事の河内参考人、御多用のところ私ども委員会に御出席いただきまして大変貴重な意見を御開陳いただきましたことを、まずもって心よりお礼を申し上げます。  この国会移転首都機能移転の問題は、まさに今、先ほど梶原知事のお話にもございましたように、これは歴史的な視野を持って、また先ほどの御説明の中でも文明論的な視点を持って進めていかなければいけない、そういう大きな問題でありまして、まさに国家百年の計を語るに足る、そういう課題だと思うのですが、そういうものを審議している委員会の割に、残念ながら、こう見回していただきますと、今政局混迷の折、どうも国会議員、本来国家百年の計を考えなければいけないのに、どうも目先のところに振り回されているような感がありまして、まことに申しわけないなというふうに思うわけでございますが、願わくはこの政局の転換が、先ほど梶原参考人からお話があったよう歴史的な視点を持った政治の転換につながるように私どもとしてもしていきたいな、そういう形で進んでいっていただきたいな、そんなふうにちょっと外側からではありますけれども思っております。  ちょっと話がそれてしまいましたけれども、早速、限られた時間でございますので質問をさせていただきたいと思います。  幾つかの点は既に棚橋委員の方から御質問もありましたので、少し視点を変えてということになろうかと思いますが、御了解をいただきたいと思います。  まず、この愛知、岐阜、私も愛知県の名古屋の出身でございますのでまさに地元でございますけれども、この岐阜・愛知地域首都移転させようという形で私も推進の議連の方に入っておるわけでございますけれども、ここでもう一度、この岐阜・愛知地域首都移転させようという、そこの意図といいますか、移転させたいと思っている両参考人から、なぜこの地域移転をさせたいと思っておられるのか、その理由について簡単に御説明いただければと思います。
  93. 梶原拓

    ○梶原参考人 東京から国会等移転させることが必要かどうかということと、移転させる場合にこの岐阜・愛知地域がいいのかどうか、二つの面があろうかと思うのです。  前者の方は、先ほど御答弁申し上げましたのですが、この岐阜・愛知地域、言うなれば日本中央地域首都機能移転する場合にその対象地として選ばれることが望ましいということを申し上げたいと思いますが、今財政が非常に困窮をきわめております。国も地方も同様でございますが、行財政改革、もちろんこれはやらなければいけませんが、要すれば税収をふやすというところにもっと力を入れなきゃいけないと思います。  税収をふやすにはどうしたらいいかということでございますが、二十一世紀型の産業構造に持っていくということを急がなきゃいけない、そういう産業経済構造改革と同時に、やはり日本として何で生きていくかという戦略も明確にしなければいけない、かよう思います。  そういうことを考えますと、物づくりにITによる付加価値を高めて、そして二十一世紀型の商品サービスをつくり出していく、こういうことが日本として一番望ましい姿ではないか、かように私ども考えるわけでございますが、そういたしますと、東海地域一つとりましても、製造品等出荷額、恐らく広域で考えますと世界最高のところでございます。ここに新技術をさらに導入して、物づくりで産業経済を再生して、そして税収をふやしていく、こういうことを国家戦略として考えるべきだと思うのです。  そのように考えますと、関東、関西中心に東西の経済力等を結集させるということがどうしても必要である、さらに、そのためには政治中心である国会をここに持ってくることが一番効果的である、こんなふうに考えます。そして、経済も産業も、外国を無視できない、グローバルに考えなきゃいけないと考えますと、とりわけアジアとの関係が密接になってまいりますし、またそうならなければいけない。アジアとの関係を強く持てる地域という点で、歴史的に見てもこの地域が最もすぐれていると。  それからもう一つ、産業経済面から考えますと、東西の比較をいたしまして、西の方は民間自力型という歴史、伝統がございます。日本の産業経済の方向あるいは行財政の方向として、民間活力に依存する、こういう方向に行かざるを得ない、そう考えますと、関西のそういう土壌というものを生かしていくことが必要である、かよう思います。産業経済という側面から申し上げますと、岐阜・愛知地域というようなところが最も適当ではないか、こんなふうに思うわけでございます。
  94. 河内弘明

    ○河内参考人 この委員会の冒頭に梶原知事から首都機能移転歴史的な、あるいは意義というようなことについて述べられたわけでありますけれども、そういう形で首都機能移転が行われるのならば、そういうことならば、日本において最も私どものこの地域が望ましい、こういうような強い認識でこの地域がいいと。あわせて、そのことに伴いまして、私ども地域の目指しております開かれた地域づくりにもそうしたことがいろいろな意味で貢献してくるであろう、こういうような点からでございます。
  95. 古川元久

    ○古川委員 ありがとうございます。  今、河内参考人最後に、首都機能移転してくることによって好ましい影響がというお話がございましたが、では、もし岐阜・愛知地域首都機能移転した場合に、この地域にはどのような影響や効果があるというふうにお考えになっておられるのか。もちろん、これはプラス面もあればマイナス面もあろうと思います。いいことばかりじゃないと思います。ですから、その辺で、今把握しておられるこういうような影響や効果があるのじゃないか、具体的な数値等も、そういうものもあるのであればお示しをいただきたいと思います。
  96. 梶原拓

    ○梶原参考人 地元としてどういうメリット、デメリットがあるかということでございます。  地元といたしましては、国会が仮に移転してまいりますと、内外の人とかあるいは情報が集まるところになる。情報社会においてこのことが最大のメリットではないかと思います。確かにインターネットでデジタル情報はリアルタイムで入ってきますけれども、究極は、オフラインといいますか、人対人の生の情報が必要でございますし、むしろさらに重要になってくる、こんなふうに思います。  そういった点、考えますと、情報社会において情報が、生の情報が集まる、このことが最大のメリットであるというふうに私たちは考えております。その情報が集まることによりまして、新しい産業、文化も興ってくる、かよう思います。現に、アメリカのワシントンDCの郊外に私も参りましたけれども、昨年、ワシントン郊外の幹線道路を走りますと、情報関係の企業がたくさん立地してきております。そういうようなことが大きなメリットである、かように考えております。  デメリットというのは、主として心配されるのが環境問題でございます。環境問題につきましては、自然保護地域を先取りしてしまって、そして、ゴルフ場も活用し、既存の都市も活用して、建造物をつくるときにはそういうところを利用するということにして、さらに、交通手段につきましても、自動車が走る道路は地下に埋め込んでしまうというような、世界のモデルになるよう環境都市、それをつくることは十分可能でございまして、デメリット面も、工夫によってデメリットが生じないようにするということは十分可能である、かように考えております。
  97. 河内弘明

    ○河内参考人 具体的な数値というようなお話もございましたけれども、実は今、先ほどの協議会におきまして、マクロ経済モデルを使いましていろいろ計算等もしておりますので、年度末くらいまでには一つの試算等々も出してまいりたいというふうに思っております。  それで、首都機能移転した地域効果といたしましては、人と人の交流が高まる中でさまざまな新しい価値が生まれてくるということがやはり基本的に一番大きなことであろうというふうに、地域にとってはそのように思うわけでございます。  従来から、本県では、世界的な交流創造拠点としての愛知発展というものを大きなテーマとしておるわけでございまして、そういう中で、中部国際空港の問題とか国際博覧会の問題等々にも取り組んでおるわけでございますが、そうしたものを加速させるファクター、そうした方向を加速させるものであるというふうに思っております。
  98. 古川元久

    ○古川委員 ありがとうございました。  ぜひ、もう少しそういうものを具体的にしていっていただきたいな、分析もされるのであれば、そういう数量的なものも早く出していただきたいなというふうに思うわけでございます。  なぜそんなことを申し上げるかというと、私も名古屋で生まれて、名古屋で十八まではずっといました。あそこの地域というのは、ある意味で恵まれ過ぎているといいますか、非常に内向きといえば内向きなところがありまして、私も大学に来るまで、とにかくプロ野球といえば中日ドラゴンズが日本の中では一番人気のある球団だと思っていまして、大体、中日新聞を読んでいますと、名古屋周辺が日本中心で何か動いているような、そんな感じで記事が書かれているようなところもあるせいかもわかりませんけれども、何となく、やはり真ん中である、地理的にはもちろんそうなんですが、そういう意識で、自分たちのところが中心になって動いているような、それこそ天動説的な雰囲気もないわけじゃないのですね。  ですから、よく外から名古屋地域、ちょっとこれは岐阜の方は違うかもしれません。ですからそこは、岐阜の方は違ったらお許しをいただきたいんですが、名古屋圏あたりですと、なかなか外から入ってきた人たちがなじみにくいと。一たんなじんでしまえばいいんですが、なじむまでに大変にこれは苦労するという話をよく聞くんですね。  私は、首都機能というものの候補地、これからこの国会委員会の中で選定をしていく作業に入るわけなんですが、そうした、もちろん、先ほどの御指摘がありましたアクセスのしやすさ、それから地理的なものという、そういう客観的な条件からいえば、それこそ口をあけていてもここに落ちてくるというのが、客観的条件だけだとそのようにも感じような、それは、私地元の人間ですから、そういうふうにひいき目に見ているのかもしれませんが、そんな思いもします。  しかし、一方で、やはり首都というのは単に国会とか来るだけじゃなくて、当然人もついてくるわけですから、いろいろなところから来る人たちが地域になじみやすいような、そういう雰囲気というものがあるのかどうかというところに関しますと、なかなかどうも、私なども名古屋を離れて十年東京の方で暮らして、戻ってみますと、それからもう私もかなりになりましたので、ようやくまたもとに戻ったかなという気はしますけれども、しかし、やはりどうも最初のうちは、何となく東京でやっていた感覚と名古屋の感覚は違うなという感じがしたわけでございますね。  ですから、こういったちょっと内向き的な県民性というものも、新しい首都機能移転したときにマッチするのかな、そういう心配がちょっとあるのですけれども、そのような心配というものは、これは岐阜の方はそうでなければもう愛知県の方だけで結構でございますが、持っていらっしゃらないかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  99. 河内弘明

    ○河内参考人 NHKの文化研究所の全国県民意識調査等々を見ますと、大体そのような方向が出ておりますが、逆に、その裏腹といたしまして、堅実性とか着実性というような面も出てきておるわけでございます。  そして、先ほども話がございましたが、この地域は、自動車だけじゃなしに、物づくりにおきまして本当にしっかりした力を持って世界に大きく展開をしておるというのが実情でございますし、それからまた、将来に向けましても、国際博覧会の問題とか等を含めて、開かれた地域づくりというのは非常に強い、いい方向を持って取り組んでおるところでございます。  首都機能移転の問題等につきましても、むしろ、その着実性、堅実性というような面から、長い時間かかりますこの首都機能移転等はしっかりと支えていけるのではないかというふうに思いますし、また、今日のようグローバル化の展開の中では、県民性も、いろいろな意味で風土も変わってくる面もあるのではないかというふうに思うところでございます。
  100. 梶原拓

    ○梶原参考人 私もドラゴンズファンでございまして、やはりドラゴンズファンといいますか、プロ野球のファンというのは、自分のひいきのチームが中心で地球が回っている、こういうふうに考えなきゃいけない、そういう世界ではないかと思います。  それはそれといたしまして、岐阜地域も尾張と一緒に東海地域を形成しておりますし、歴史的に振り返りますと、信長が戦国時代京都で、そして秀吉が大阪に町をつくり、そして家康が江戸に出て今日の東京の基礎を築いた。そして、その関係の者が全国に大名として配されておるわけでございまして、決して歴史的に見れば内向的ではない、ただ、今、世を忍ぶ仮の姿で少しおとなしくしている、こういうことでございまして、産業面では、トヨタ、ホンダ、スズキ、ヤマハ、世界で大きく活躍をされておりまして、私は、全く大丈夫だ、かように考えております。
  101. 古川元久

    ○古川委員 ありがとうございます。  今、三偉傑の話が出たのですが、その話をすると、でも、みんな出ていってしまったじゃないか、残ってくれないじゃないかと。まさに、私はよく、世界の中の日本日本の中の名古屋というのは相似形じゃないか、元気があるのとかいろいろなことを言うのとか、そういうやんちゃなのは外へ出ていって、のんびりと豊かな中でやろうじゃないのというような人だけが残る、そんなところがあるのじゃないかということを思ったりするわけでございます。  やはり、こうした首都機能移転する誘致をしていくということであれば、これはそれぞれの、一人一人の意識まで変わっていくレベルまでこれを落とし込んでいかないといけないのじゃないか。それぞれの地域の中で、これを実際に、もし仮になったときに、それこそ住民の中から、そんなの来るのはもう、人がたくさん来るのなんか、知らない人が来るのは反対だというような反対運動が起こるようなことがあってはいけない話ですから、やはりそうならないためには、しっかりとそうした県民、地域の人たちの意識も、そういう人たちも受け入れましょうというような、そういう環境というかムードをつくっていく努力というのが私は必要なんじゃないかと思います。それが、先ほど意見陳述の中で梶原参考人が述べられました新しい時代社会あり方じゃないか。  そういうことで、この岐阜・愛知地域も変わっていくことが、名古屋というかあの地域が変わって、外に非常にオープンに、発信をするよう地域になっていけば、それはまた日本が変わっていくことにもつながるのじゃないのかな、そういうことにつながるのであれば、これは大いに進めていくべきじゃないかと私は思っています。  ですから、そういうような形で進められるように、両県におかれましては、私も地元でございますから、そういう努力はもちろん自分でもしていきますけれども、ぜひ御努力いただきますことを心よりお願い申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  102. 肥田美代子

  103. 江田康幸

    江田委員 公明党の江田康幸でございます。  本日は、参考人先生方、この国家百年の大事な国会等移転に関する特別委員会においでいただきまして、まことにありがとうございます。  私の方からも、さきの委員の御質問にも多少ダブるところがあるかもしれませんが、幾つかお聞きしたいと思っております。  まずは、先ほども詳細に御紹介されたと思いますが、首都機能移転について、愛知、岐阜の両県が岐阜愛知首都構想策定調査、これを進められていると伺っております。現在のその調査内容の進捗状況と今後の見通し、また両県の調整状況について、再度その内容を簡単にお話しいただければと思います。よろしくお願いします。
  104. 梶原拓

    ○梶原参考人 首都機能移転を行うということは、先ほど申し上げましたように、歴史的に見て一種の平成維新の一環である、かように考えておりますし、かつ、移転する場合は、国家的に考えまして、あるいは国際的な視点も加えまして、岐阜・愛知地域が一番いいのではないか、このように考えておるわけでございます。  そのために、どのような受け皿をつくるべきか調査を進めておりまして、先ほど申し上げましたように、自然環境を守る地域を先取りし、そして、人工的な町づくりはどこでやったらいいのか、そういった点を調査しておりますし、両県で共同でいろいろな調査も進めておる。  中身につきましては、河内副知事さんからお答えがあろうか、かよう思います。
  105. 河内弘明

    ○河内参考人 推進協議会におきまして、新しい国家都市あり方や、新首都と他の地域との連携、機能配置の基本的な考え方などにつきまして、十二年度末をめどに中間報告を取りまとめたい、そういう予定をしておりまして、その中で、キャッチフレーズやコンセプト、新都市イメージパース等もお示ししていきたいというふうに思っております。十三年度には、新首都の建設方策や、市民のライフスタイルなどについての検討を進めてまいりたいと考えております。  構想の策定に当たっては、シンポジウムやホームページを通じまして広く意見、提案を集めながら進めていくことといたしておるところでございます。  いずれにいたしましても、日本全国に強くアピールできるよう構想をまとめていきたいというふうに考えております。  そのほか、経済的な波及効果に関するさまざまな試算等々も行っておるところでございます。
  106. 江田康幸

    江田委員 ありがとうございます。  もう一つお聞きします。  私の持ち時間は十分でございますので、なかなか多くを聞けないのですが、国民的な合意形成と東京都との比較考量についてお伺いさせていただきます。  先ほども、ダブるかもしれませんが、首都機能移転するためには、何よりも国民的な合意形成が必要、住民的合意形成でもある。国民への情報提供と、国民の声をくみ上げる、どうも両方がまだまだ欠けているように思われます。形態はともあれ、今後とも、シンポジウムの開催などを積極的に行って、移転先候補地だけでなくて、国民的な合意形成の確立に努めるべきものだと我々は考えておりますが、それは候補地においてもしかりだと思っております。  そこで、東京都にある首都機能移転するに当たり、審議会等でも論じられた点でございますが、首都機能東京都にそのまま存置する場合の損失と、移転先候補地に、ここは岐阜・愛知ですが、移転する場合の損失を比較する必要があるということで議論になってきております。  そこで、この点を踏まえてお聞きしたいのでございますが、先ほどもありましたけれども、岐阜・愛知移転した場合の長所と短所について、東京都と比較考量して何点か答えていただけたらと思いますので、よろしくお願いします。
  107. 梶原拓

    ○梶原参考人 東京都に置くということと比較考量するということがこれから始められると思いますが、私どもは岐阜・愛知地域というものが最適の候補地だという主張をいたしておりますが、東京という一地方と岐阜・愛知地域という一地方が、対等の関係で、どっちがいい、悪いとお互いに論ずることは望ましくない、かように考えておりまして、東京知事さんあたりの発言、いろいろマスコミの皆さんなどからコメントを求められておりますけれども、それは申し上げないという方針で来ております。  でございますが、一般論として、アメリカの例でいきますと、巨大都市ニューヨークの中になぜワシントンDCを置いておかなきゃいけないか、こういう素朴な疑問がございます。政治経済が一致しなきゃいけないという論者も一部にあるやに聞いておりますけれども、アメリカの場合は、産業経済政治というものを明確に分離して、ワシントンDCで政治に専念をしておいでになる。それで、かつ、アメリカ一国が堂々と世界リーダーで活躍されているということでございまして、産業経済政治を一致させなきゃいけないという論理的必然性もあるいは現実的な必要性もない、このように考えておりまして、むしろ現在の巨大都市、過密都市東京首都機能が置かれていることによりまして、公共事業一つやるにいたしましても、大変なむだが生じておる、あるいは外国の、特に発展途上国の大使館がビルの賃貸料あるいは職員の生活のために東京に大使館を置けないとか、そういう事例を見ましても、限界に来ておるのではないか、このように考えております。
  108. 河内弘明

    ○河内参考人 東京との比較考量の問題におきましては、経済的な計算は割方ある程度のめどが立つというようなことは思うわけでございますけれども、それを超えた、例えば構造的な国家の体系に関することとか、あるいは東京におけるゆとりとか快適性の問題とか、あるいは災害の問題、そういう定性的な問題につきましてのいろいろな比較考量につきましては、これからいろいろ工夫をしていかなきゃならないのではないかというふうに思うところでございます。  いずれにいたしましても、さまざまな検討等を含め、あるいは各方面の意見を聞きながら比較考量、そうした定性的な面を含めての比較考量が必要ではないかというふうに思っております。
  109. 江田康幸

    江田委員 時間が参りますので。  最も大切なことは、首都機能移転についてやはり国民的な、住民的なコンセンサスを得るということがどの地域においても必要だと私は思っております。そういう意味で、今おっしゃられましたように、この東京との比較考量をより詳細に住民レベルで、また候補地レベルで、また東京国会レベルで議論をしていくというのが非常に大事なことかと思っております。  本日は、どうもありがとうございました。
  110. 肥田美代子

    肥田委員長 中井洽君。
  111. 中井洽

    ○中井委員 自由党の中井洽です。  お二人の参考人、御苦労さまでございます。特に愛知県におかれましては、過般からの水害、大変でございました。心からお見舞いを申し上げ、一日も早く、大都市名古屋災害に強い町をつくられるようお祈りを申し上げます。  十分しかありませんので、端的にお尋ねをしてまいります。  先ほど、三重畿央北川知事そして滋賀県知事のお話を承りました。既に滋賀三重、奈良、京都、四つの知事さん、担当、お集まりになられて、答申以降少し進められて、クラスター方式等を採用されて、大体国会が移るというならこの地域、こういう形の合意を地域内で得て運動しておる、こういうお話でございます。  今お二方のお話を聞かせていただきますと、それぞれ岐阜、愛知、自分のところ、自分のところという形でPRをいただきましたが、この候補地として、お二つの県、地域が話し合われて、ここらへ国会、こういうイメージ首都機能移転、こういう形にはなっていないように理解をさせていただいたのですが、それでよろしゅうございますか。
  112. 梶原拓

    ○梶原参考人 どこに首都機能を配置していくかということは最終的には国会あるいは政府でお決めになることでございまして、私どもができますことは、仮にこういう姿がありますよという程度のことではないかと思います。でございますけれども、私ども、両県で事務的にも共同でいろいろ勉強いたしておりまして、お手元にもございますよう愛知県で提出いただいた資料のように、いろいろ地域的な分担も検討しているということでございます。  両者緊密に連携をとって進めておるということで、河内副知事さんから内容についてはお話があろうかと思います。
  113. 河内弘明

    ○河内参考人 どこに何を置くかというような問題につきましては、現在調整中でございますので、今この段階では何とも申し上げることはできませんが、基本的な考え方は、この地区はまさに一体でございまして、県境というようなものはないという認識を、ほとんど県境はない。それから、どこに何ができても、それはむしろ広大な地域の中におきまして、既開発地など用地面での開発可能性の高さとか環境の問題とか、そういうことから客観的に整理をしていきたい、そのように思っております。  いずれにいたしましても、とにかく十分か十五分の区域の中のことでございますから、どこに何が、それは最適を探していきたいというふうに思っております。年度内にはその一つ考え方を整理して出したいと思っておるところでございます。
  114. 中井洽

    ○中井委員 私も隣の三重県ですから、それぞれの地区は何遍もお訪ねをして、大体地理的には頭に入っているつもりでありますが、これは、愛知の場合には豊田のちょっと北の地域あたりだ、こう聞いていますが、そうすると、あれは名古屋からどういう交通網で行くのだろうと。猿投グリーンロードをお考えになっているのか、愛知万博でまた新しい交通ルートでお考えになるのか。あの地帯全体が大変交通網のいいところでありますが、首都機能移転となったときに、具体的には名古屋からどういう交通体系をお考えなのか、ここのところをお聞かせいただきたいし、岐阜の方におかれても同じことかなと。  やはり名古屋からの交通体系をお考えになって、中央高速が通っていらっしゃいますから、これはこれで高速はいいのだと思うのですが、鉄道網やらは、どういう形でどのぐらいの時間で名古屋から行けると御判断をなさっていらっしゃるか、そこら辺をお聞かせください。
  115. 河内弘明

    ○河内参考人 中京圏の交通道路体系というのは放射線状でございました。それで、今度、東海環状という環状の道路ができるわけであります。  そこへ名古屋からどう到達するかという問題でございますが、今私ども取り組んでおる一つとしましては、力石名古屋線というグリーンロードでございますが、これを今、四車化の事業を進めております。これもそうでございますし、それから、博覧会に絡みまして事業が凍結してございます名古屋瀬戸道路という問題も、将来的にどのように、これは東海環状と名古屋を直に結ぶ道路でございますが、これをどうこれから考えていくのかというような問題もあります。  それから、既存でも三六三とか国道も幾つか通っておりますので、そういうものの整備とか、いろいろつながりがある。  それから、大都市圏の交通網としましては、名古屋の環状二号線を通りまして、東名を通って上がっていく道もあるわけでございまして、そういう意味では、そういう枝線につきましては、いろいろな道が今後出てくるのではないかというふうに思っております。(中井委員「鉄道は」と呼ぶ)鉄道につきましては、愛知環状鉄道というのがございまして、今単線の鉄道でございますが、これも相当の部分を複線化する。そういたしますと、東海環状と名古屋との中間に一本鉄道が丸く入る、しっかりした鉄道が入るというよう状況にもなります。  ただ、直につなぐ鉄道は、リニア新幹線とか、そういうようなものが将来的な課題として出てくるというふうに思っております。
  116. 梶原拓

    ○梶原参考人 岐阜県としての交通条件でございますが、岐阜市という県庁所在地から考えますと、高山本線と太多線をつないだルートがございまして、これは直行運転をしております。JR東海も、やがてこれを通勤線として整備したいということは、首都機能移転問題あるなしにかかわらず計画をされておられます。それから、南北には中央線が走っている。高速道路は、中央自動車道が南北に走り、東西は東海環状自動車道がただいま建設中であるというようなことでございまして、交通面で県内におきましても至便の地にある、かように思っております。
  117. 中井洽

    ○中井委員 私ども国会に課せられました任務は、首都機能移転意義を御理解いただいて、これを実現するということはもちろんですが、具体的には、この三つの候補地を二年間で絞っていく、そしてその過程で東京との比較対照あるいは国民世論、こういったものを喚起していくということがございます。絞る以上はやはり他地区との比較、こういうことを常に考えていかなきゃなりません。審議会でかなりの調査をいただいたわけでありますが、私どもも私なりに考えていく、皆さんも御対応いただく、こういうところが必要か、こんなふうに考えております。  最後に、岐阜県の知事さんにお尋ねいたしますが、ちょうだいしましたここには、四万四千ヘクタールの公有地がある、こういうふうにお書きをいただいておりますけれども、しかし、国会は何かゴルフ場へつくる、こういうことですから、これは民間の土地だろう。この辺にそういう意味で公有地というのがあって、国会をそんな民間の土地に置かなくてもというようなことはお考えになっていらっしゃらないのか、これが一つであります。  もう一つは、愛知県さんにお尋ねいたしますのは、僕は、ここはすばらしいところだというのはよく知っておりますが、余りにも日本一の工業地帯に近いのじゃないか。東京都で政治経済あるいは工業、いろいろな面と一本化になった一極集中を排除するというときに、日本一の工業地帯、すさまじい地域で道もわからないぐらいの工業地帯、僕ら時々行っては迷うのですが、そういう地域のすぐそばに政治都市を持っていくということはどうなんだろうというようなことを思うのでありますが、これらについてお答えをいただきます。
  118. 梶原拓

    ○梶原参考人 私ども岐阜県に東濃地域の丘陵地帯がございまして、ゴルフ場もたくさんございます。そういう中で、今おっしゃったように広い面積の公有地がございます。公有地といいますのは、市の所有地、あるいは財産区とかそういうものがたまたまあの地域に広大な面積を有しているということでございます。  それから、立地的には、多治見市から愛知県に至る途中に山がございまして、市街地がどんどん連担してくるという可能性はないというような御判断をいただいております。
  119. 中井洽

    ○中井委員 ちょっと質問と……。四万四千ヘクタール公有地があるとお書きになっているのに、どうして国会をゴルフ場という民間の土地へ入れたらどうだとおっしゃったのか、こう聞いておるのです。
  120. 梶原拓

    ○梶原参考人 私ども考え方でございますが、ゴルフ場は公有地の方に移転していただいて、そしてその跡に国会等をつくったらどうか。さっき申し上げておりますように、自然環境保全区域というものを先取りいたしますが、それ以外のところは、べったり建物を建てるよりもゴルフ場を移転させた方がより緑が残る。それで、既にゴルフ場になっているところは開発が終わっておるところでございまして、改めて大量の土量を動かす必要もないしということでゴルフ場の活用を考えている、こういうことでございます。
  121. 河内弘明

    ○河内参考人 確かに、豊田から西三河、南の方に向けましては大変な工業地帯でございますが、候補地となっておりますところはそれからずっと北に上がっておりまして、一気に山に入る地区でございます。それから、東濃につながる地域は、本当になだらかな丘陵地、今知事がおっしゃられましたように真ん中に山がございますが、なだらかな丘陵地地域でございまして、そういう意味では混雑した市街地というイメージは全くないところでございます。  むしろ、私ども目指しております、単なる生産工場から研究開発機能等を強めていきたいというよう考え方も持っておるわけでございますが、そういうようなものとも結びつける可能性もあるわけでございまして、決して工場等とつながるという感じではない地域であるというふうに思っておるところでございます。
  122. 中井洽

    ○中井委員 時間ですので。ありがとうございました。
  123. 肥田美代子

    肥田委員長 矢島恒夫君。
  124. 矢島恒夫

    ○矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。  参考人のお二人の方、本当に御苦労さまでございます。  私たちは、国会等移転については反対であります。午前中も國松滋賀県知事さんから、なぜ今移転なのか、その戦略というものがないのだというようなお話がありました。  九〇年に国会決議いたしました。私、ここで反対の理由などを長々と述べるつもりはありませんが、一極集中の解消だとか、あるいは過密を解消するとか、最後になったら人心一新だというようないろいろな理由がつけられました。どれも、私、なるほどなと思うようなものはありませんし、説得力もない理由だと考えております。何よりもまず、首都移転させようというのですから、やるべきことは国民の総意と合意であると思うのです。それが民主主義の基本だろうと思っております。  九八年一月に、審議会ができまして、第一次の候補地が発表されました。昨年の十二月に三地域に絞る形での答申がなされました。が、絞るといっても、実際には、関係する自治体は十一県あるわけですから、結局のところ、この答申というのは引き続きそれぞれの地域に、あるいは、それぞれの県に期待を残すための措置を考えたにすぎない、私はそう思っております。  この十年間、いろいろ議論がなされてまいりました。それぞれの地域、それぞれの自治体はそういう議論に、振り回されるという表現がいいかどうかは別として、実際にそういう事態もあったかと思います。その都度いろいろな対応を考えたり、あるいは内容の検討というものに追われてきたのではないかと思います。  そこで、一番最初にお聞きしたいのは、九二年の国会で法案が成立いたしましたが、その時点あたりからそれぞれの地域でのPR活動や誘致活動というのが行われてまいりました。両県におかれましては、この間どれくらい誘致のために費用を使われたか、そのことについてお答えいただきたいと思います。
  125. 梶原拓

    ○梶原参考人 平成四年あたり、法律制定等いろいろな政府の方針あるは国会の方針が定まって以来、平成四年の三月二十四日に県議会で首都機能移転促進決議というのがなされております。このときは、共産党さんを含めて全会一致でそういう決議がなされておりまして、こういう県議会の御理解も得ながら首都機能移転対策を進めてきたということでございます。  首都機能移転の関連のPR経費が五割程度、それからいろいろな調査等そういうもので二割、残り一割は事務的経費ということで、十二年度を含めてここ十年間で総額三億九千万円程度、こういうことになっております。
  126. 河内弘明

    ○河内参考人 本県で首都機能移転問題調査費を起こしましたのは平成八年度からでございまして、平成八年度から五年間で約一億七千六百九十万円を計上しております。PR関係で三割、調査関係で二割、補助・負担で四割、事務費一割、大体そのよう感じでございます。
  127. 矢島恒夫

    ○矢島委員 梶原知事にお聞きしたいのですが、今の三億九千万円については、これは新聞で知った程度ですから私はっきりわからないのですが、これの返還訴訟が起こっているというのはどんな状況か、あるいは、本当なのかどうなのかちょっとわからないのですが、あるのかないのか、対応はどうなのか、そのぐあいについて。
  128. 梶原拓

    ○梶原参考人 一部の方から返還訴訟が起きておるということは事実でございますが、私もいろいろな被告をたくさんやっておりますので、一々その状況がどうなっているか、ただいまのところ掌握しておりませんで、まことに申しわけございません。
  129. 矢島恒夫

    ○矢島委員 では、次に行きます。  この間いろいろ、移転問題では、当委員会も含め国会で論議されてきました。橋本行革ビジョンというのが出まして、それから、いわゆる移転するのは、政策立案部門と執行部門、こういう部門を分けておいて、実際に移転していくということになると政策立案部分だけだというようなことから、部分的な移転というようなこともいろいろ言われているわけです。  ただ、皆さん方の計画や誘致の方向というのは、やはり首都機能全体として、国会行政府も含めて移転するということを前提にやっているのではないかな、こう思うわけですが、この部分移転ということについて何かお考えがあったらお聞かせいただきたい。
  130. 梶原拓

    ○梶原参考人 私たちは、公式には、国会等移転ということで包括的な感じ移転計画である、移転構想であるというように今までの審議会等を通じて感じ取っておりますので、今公式に、分けたらどうかとかいうことは直ちにお答えはできないので、まことに申しわけございません。
  131. 河内弘明

    ○河内参考人 梶原知事からお話のあったとおりというふうに思っております。
  132. 矢島恒夫

    ○矢島委員 実際にいざ移転ということになりますと、地方財政、いろいろ今逼迫した状況があるわけです。愛知の方では、万博だとか空港だとか、いろいろ大変な状況もあろうかと思います。  実際に移転しますと、結局、地元負担といいますか、財政負担を一定程度やらなきゃならない。その辺、大体どれくらいをお考えになっていらっしゃいますか。お聞かせいただきたい。
  133. 梶原拓

    ○梶原参考人 私ども、国費ベースで年間二千億円程度必要であろうかと考えております。これは国全体の行政投資額のほぼ一%というものに相当するものでございまして、実際、事業が行われる場合に、その二千億円の国費に対応して地元負担はどうなるのか、特別事業で国費負担の比率が高くなるか、いろいろなことがあろうかと思いますが、県域全体でそういう事業を受けとめていくということは将来的に考えて決して無理なことではないのじゃないか、こんなふうに思っております。特に岐阜・愛知地域は、高速道路にいたしましても、ほとんど既定計画で骨格的な基盤は済む、そういうことで割安で済むのではないか、こんなふうに考えております。
  134. 河内弘明

    ○河内参考人 具体的な金額というのは把握しておりません。  ただ、ただいまも話がございましたように、骨格的なプロジェクトにつきましてはほとんど既定の計画で動いております。そしてまた、首都機能移転というのは国家プロジェクトでございますから、やはり国に大きな期待を寄せつつ、私どもとしまして、地域として必要なことはやっていきたい、そのように思っておるところでございます。
  135. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私、先ほども申しましたように、やはり県民的な合意といいますか、国全体の問題ですから、本来ならば国民的合意や総意ということがあると思います。それぞれの県におきましては、そういう県民的な合意をどう進めていらっしゃるか、合意を得るための。あるいは、その合意は形成されているのか。その辺についてお答えいただきたいと思います。
  136. 梶原拓

    ○梶原参考人 確かに、御指摘のとおり、まず地元のコンセンサスの形成は非常に重要なことでございまして、一々は申し上げませんけれども、世論調査だとか、女性あるいは子供を対象にしたアンケート調査あるいはシンポジウム、それから青年会議所の方も関係地域で自主的に調査、シンポジウムあるいはアンケート調査をやっていただきまして、県内ではかなり認知率も高く、またそういう合意形成の方に向かっている、こんなふうに考えております。
  137. 河内弘明

    ○河内参考人 首都機能移転の問題につきましては、県議会でも特別委員会等々が開かれまして、熱心にいろいろな議論も行われております。また、PR活動は、シンポジウムとか県の広報紙の活用とか、いろいろやっておるわけでございます。  しかし、今後さらにさまざまな計画を地元としても練り上げまして、そうしたものでPRし、合意形成を目指していきたいと思います。
  138. 矢島恒夫

    ○矢島委員 時間になりましたので、終わります。
  139. 肥田美代子

  140. 大島令子

    大島(令)委員 社会民主党・市民連合の大島令子です。地元愛知出身でございます。  梶原知事とは初めてでございますけれども、河内副知事におかれましては、あの九月十一日の東海の集中豪雨では、私ども社民党でも現地調査をさせていただきまして、そういう災害の面では、安全な町づくりということで御努力されていることに敬意を表します。  では、質問に入らせていただきます。  午前からの話を聞いていますと、首都が一カ所である限り、どこに置いても、誘致合戦、戦いという言葉がいろいろなところで感じられます。私たち、私自身も含めて、国会に六月に参りましたけれども女性が少ない。私たちは、昔から、子供を産んで育てること、平和を願っております。ですから、こういう政治の、行政の場面で戦い、今政局も非常に混乱しているということで、やはりまだまだ日本は男性中心社会なのかなということを感じながらきょうの参考人質疑に参加させていただいております。  私は、日本の今のシステム、官僚主導とか企業の考え方が変わらない限り、首都がどこにあっても何か意味がないのではないかなという印象を今持っています。政治家のモラルの問題、また企業のモラルの問題も毎日マスコミの上でいろいろ取り上げられております。  そういう意味におきまして、岐阜県知事にお伺いしたいと思うのですが、県民合意を得るためにどのような努力をなされたのか、簡単に聞かせてください。
  141. 梶原拓

    ○梶原参考人 県民の皆様に問題を認識していただく、あるいは御意見をいただくということを年々数多く実施いたしておりまして、特に女性の方を対象にフォーラムをやる、あるいはシンポジウムをやる、アンケート調査をやるということも何回も実施をいたしておりまして、これによりまして、かなり女性の方々を含めて認識が深まっている、こんなふうに理解をいたしております。
  142. 河内弘明

    ○河内参考人 これまで進めてまいりました事業としまして、例えば、県の「広報あいち」での広報、あるいは最近では首都機能移転月報を岐阜県とともに一緒になって発行しておるとか、あるいは協議会のホームページを立ち上げておる、さまざまな団体等でのシンポジウムの開催等々、現段階でいろいろな合意形成に向けての努力を行っておるわけでございます。  しかし、より具体的なイメージをつくりまして、さらにそうした取り組みを強めていく必要がある、そういうふうに認識をいたしております。
  143. 大島令子

    大島(令)委員 私もホームページを全部ここにプリントアウトしました。最近になって、いろいろ岐阜県で女性の会議を開いているようですね。  ところで、先般の地元の新聞を見ていましたら、岐阜県の知事は住民に訴訟を起こされていた。それが、九五年、九六年にかけて、首都機能移転するために全国の候補地の中でも異常に多い宣伝費を出している。これに関して二億四千万円ほどの返還請求、これは九九年の一審の岐阜地裁では住民の訴えが棄却されましたけれども、本年十月七日、この新聞報道によりますと、一審の判決が変更され、二億四千万のうちの一部ですが、きょうここに借りてきましたが、この冊子だけ、百六十四万八千円、岐阜県知事梶原知事が岐阜県に返しなさいという、二審の名古屋高裁から出されたと聞いております。  住民というのは、議会制民主主義の中で、監査請求を棄却されてから住民訴訟を起こすわけですから、やはり、岐阜県の中で自分たちの意見を言う場がない、最後手段がこの住民訴訟ということで、住民は地方自治法に基づいてそういう訴訟を起こすことが保障されているわけなんですが、こういうことを見ますと、今、県民合意を得られているという御発言でしたけれども、この新聞報道から見ますと、私は、得られていないのではないか、なぜ岐阜県知事は頻繁に新聞で被告人になるのかなという疑問を持っています。  ですから、私は地元出身の国会議員としまして、やはり慎重に、愛知万博にしましても、知事選に対抗馬が出て、たしか八十万票対百二十万票ぐらいの差で今の現職の知事さんが勝ちましたけれども、結局、首都機能というのは、第一部の三重県とか滋賀県の知事さんは、国家のいろいろな夢を語る、そういうことをおっしゃっていましたが、二部の地元のお二人の行政関係者の方は、非常にコストとかお金とかということを言われます。  そうしますと、私からしますと、非常に膨大な公共事業という形が見えてきます。トータルとして首都機能移転という言葉なんですが、一つ一つ分解してみれば、そこに人が住み、そして移動する橋や道路や家をつくり、ということは、分解すれば、一つ一つ公共事業の塊が首都機能移転ではないかというふうな形に私には見えるわけでございます。  そういう意味からいいますと、国では来年から、行政評価法ですか、そういう法律が通常国会に出されると聞いておりまして、公共事業の見直し基準を盛り込んで、費用対効果について見直しをしよう、そういう動きがある中で、お二人の県を代表する方々に聞きたいと思うのですが、そういう観点から、本当に総体として、首都機能東京にあることが国全体として、果たして国民全体で、首都機能東京に置き続ける経済的な、社会的なコストを国全体で、東京に置いてもいいのか、やはりそういう観点から議論をしないと、誘致合戦で何もまとまらない、私はそういう印象を受けるわけなんですね。  今の私の考えに対して梶原知事と河内副知事の考えを聞かせてください。
  144. 梶原拓

    ○梶原参考人 私たちは、国全体から見て、岐阜・愛知地域が一番いい、こういうふうにみずから評価して御提案をさせていただいているということで、この種の国家百年の大計が一地域の誘致合戦で進むということは私は大反対でございまして、私は、県議会でも、国家的にどこがいいということが最終的に決まれば、その際岐阜地域が外れても私は反対しませんということを言明いたしております。一地域の利害で論ずべきことではないということで、私ども、一貫してこの問題に対応させていただいております。  そして、何か地域公共事業というよう観点で進めておるようにおっしゃいましたけれども、冒頭に表で御説明しましたように、長期的、国家的な、文明史的なスタンスで私どもは取り組んでおります。国の仕組みを変えなきゃいけないという観点でこの問題に対応しておるわけでございます。  そして、国全体で考えて損か得かということでございますが、愛知地域とか大阪府の地域とか、いわゆる大都市地域東京都を比較しまして、どの程度公共投資が投入されているか。特に、国費ベースでございますが、一人当たりに還元して比較いたしますと、東京地域は、例えば愛知地域その他と比べて年間四千億程度余分に出されておる。これは、大都市地域というだけではなくて、首都機能を保持するというようなプラスアルファがあるからそういうお金が余分に出ているのじゃないか。巨大都市首都機能があるということ、アメリカでいえばニューヨークにワシントンDCが置いてある、それがために大きなむだを生じているということでございます。  それから、私に対する訴訟について言及されましたけれども、今思い出しましたけれども、自慢じゃございませんけれどもたくさん訴訟があるので今思い出しましたが、名古屋高裁で確かにそういう判決が出ました。それで、中身は首都機能移転とは全く関係ございません。その資料が協議会の名前だけで印刷された、お金を出している岐阜県の名前が出ていないということで、岐阜県が不当に支出した、こういうふうに言われておるわけでございまして、その表紙に「岐阜県」という三文字を入れておけば全く問題はなかったのです。  首都機能移転という中身は全く関係ございませんので、形式的にそういう御判断をされたということでございますので、誤解のないように申し添えさせていただきます。
  145. 河内弘明

    ○河内参考人 首都機能移転が必要か必要でないかという観点から、私どもは、国家の対策として、対応として必要であるという認識に立って、その上で、どこに置くというならこの地域がいいのではないか、こういうスタンスで取り組んでおるところでございます。これは、ただいま梶原知事がおっしゃられたと同じ考え方でございます。  それで、比較考量の問題につきましては、やはりこれは将来的にしっかりやっていくべきであるというふうに思っております。
  146. 大島令子

    大島(令)委員 時間が参りました。  訴訟のことを言われましたけれども、私も少し調べさせていただきました。原告住民のいろいろな一審の中での主張は、やはり県民合意がないと。しかし知事は、これは高度な政策的な判断だ、そういうふうに反論されておりまして、たとえこの一冊の冊子が、「岐阜県」という三文字がなければというふうに先ほどおっしゃいましたけれども、この中身を見ますと、首都機能誘致のための中身が書かれてあると私は思います。司法の場になりますと、これが何という法律の何条に違法か適法か、そういう司法の判断になりますけれども、私は政治家であって裁判官ではありませんから、一般的に見ますと、これはやはり誘致のためのパンフレットだなというふうに思っております。  そういうことを申し上げて、質疑時間がないということですので終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  147. 肥田美代子

    肥田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。  梶原参考人、河内参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べくださいまして、まことにありがとうございました。委員会代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  速記をとめてください。     〔速記中止〕
  148. 肥田美代子

    肥田委員長 速記を起こしてください。     —————————————
  149. 肥田美代子

    肥田委員長 ただいま、参考人として栃木県副知事齋藤清衛君及び福島県知事佐藤栄佐久君に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。  なお、議事の順序ですが、まず、佐藤参考人から二十分程度御意見をお述べいただき、その後、両参考人に、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。  それでは、佐藤参考人お願いいたします。
  150. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 福島県知事佐藤栄佐久でございます。  本日は、このような場で意見を述べる機会を与えていただきまして、感謝を申し上げます。また、昨年、十一年の八月でございましたが、この委員会におじゃまをして、意見陳述をさせていただきました。十二月に審議会からの答申が出て、三つの候補地一つになったわけでございます。改めて、決議それから法律制定、そして首都機能移転に向けて着々と国会の方で進めていただいていることに敬意を表すると同時に、御礼を申し上げたいと思います。  栃木県の知事さんが選挙中でございます。私、栃木・福島地域の取り組み状況について御説明を申し上げたいと思います。次に、北東地域五県の連携について、それから最後に、受け入れ体制の整備状況という三つの点について御説明を申し上げます。  お手元の資料一ページをお開きいただきたいと思います。なお、適宜パネルを使わせていただくことをお許しいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。  まず、この首都機能移転という取り組みにおきましては、移転に対する県民の理解を得ることが、そして合意を形成していくことが何よりも大切でありまして、また、このことは候補地を抱える県の知事としての責務であろうと考えております。  そこで、栃木、福島両県とも、栃木県国会等移転促進県民会議並びに福島県首都機能移転促進県民会議を設立し、県民の総意を結集し、官民一体となった取り組みを行うことによって、栃木・福島地域への首都機能移転促進を図るため、緊密に協力をし合いながらPR活動等の事業を展開いたしております。  また、宮城、茨城両県においても同様の協議会が設立され、首都機能移転に関する活動を行っているところでございます。また両県とも、候補地中心とした地域において、住民とひざを交え、一人一人の声を聞くことができるようなミニ講座や地域懇談会というものをそれぞれ六十回程度開催いたしております。その席上、住民の方々からは、首都機能移転は、二十一世紀の新しい日本をつくるためにも極めて有効であるとともに、自分たちの地域のよさを再認識する契機にもなるといった建設的な意見が多く出されているところでございます。  次に、二ページの「北東地域五県の連携」について御説明いたします。  北東五県、すなわち宮城、山形、福島、茨城、栃木の各県は、国会等移転審議会の答申がなされる前から連携した取り組みを行ってきた経緯がございます。県議会連絡協議会や五県知事会議を設立し、他の広域的な団体とも連携を図りながら、この地域のすばらしさを全国に向けて発信するため、各種活動を積極的に展開いたしておるところであります。  次に、基本構想について御説明いたします。  北東地域としては、答申に先駆け、連携構想を策定したところでありますが、今年度は、答申の内容を踏まえ、栃木・福島地域移転先地とした基本構想を策定するため、調査事業を実施しておるところです。  この調査は、次の三点について検討することになっております。  まず第一点目は、栃木・福島地域における新首都イメージや整備のあり方、ライフスタイル、さらには本地域内の機能配置等について検討するということであります。  二点目は、首都機能を擁する北東地域の広域的な将来像の展望に関しまして、茨城地域の支援、補完のあり方、また、仙台、東京等との連携に関する検討を行うということであります。  三点目は、北東地域への首都機能移転国土構造にもたらす影響等について検討を行うということでございます。  以上の三点について調査を実施し、国会の皆様方を初め、全国に向けてよりよい基本構想を提案できればと考え、現在作業を進めておるところでございます。  続きまして、三ページからは「受け入れ体制の整備状況」について御説明いたします。ここでは、ハード面での受け入れ体制とソフト面での受け入れ体制について説明をしたいと思います。  まず、ハード面での受け入れ体制についてでございますが、栃木・福島地域は、広大な開発可能性を有しているという点が第一に挙げられると考えております。本地域は、栃木県那須地域から福島県阿武隈地域南部にかけて、三十八市町村、総面積約四十四万ヘクタールを有しております。  用地の確保という観点からは、特に那須地域には、東北自動車道の西那須野塩原インターチェンジに隣接いたしまして、約四百ヘクタールに及ぶ平たんな一団の国公有地が存在しております。これに隣接して民間企業一社で所有している牧草地が存在しており、合計すると、千代田区の面積を超える約千二百ヘクタールのまとまった平たんな土地がございます。  また、本県の阿武隈地域全体では四十二万ヘクタールを有しておりますが、これは東京都と神奈川県を合わせた面積とほぼ同じでございます。一平方キロメートルメッシュごとに、標高五百メートル以下、傾斜度十五度未満、建物ドット数二十未満という三つの条件を満たし、かつ二千ヘクタール以上のまとまりがある適地を抽出するという作業を行った結果、この阿武隈地域には合計一万二千ヘクタールの開発可能性の高い地域が存在しております。審議会では新都市の開発面積を最大ケースで八千五百ヘクタールと想定しておりますが、これを大きく上回る開発適地を確保することが可能であります。  さらに、阿武隈地域においては過去に福島空港建設という大規模プロジェクトが行われた経緯がございます。この事業は、空港施設及び関連施設用地として約六百七十ヘクタールの用地買収を行いましたが、支障なく用地の取得が行われたところであります。  また、栃木・福島地域においては全般的に地価の水準が低いことから、首都機能移転に必要な土地を低価格で確保できる可能性が高いと言えます。  次に、五ページの「災害に対する高い安全性」でございますが、私は、法律の前文にもございますように、我が国の大規模災害に対する脆弱性を克服することが移転意義の中でも最も重要かつ緊急を要するものであると考えております。国会で論議が始まったのも、伊豆群発地震、一九七八年でございましたが、その群発地震が始まったころだと記憶をいたしております。  栃木・福島地域は、移転先候補地の中で地震災害に対する安全性が最も高い地域と評価されております。中でも阿武隈地域は、活断層がほとんど見られないことから、直下型地震に対する安全性が極めて高いものと考えられております。また、地質のほとんどが花崗岩類から構成され、極めて堅固で構造物の支持力が高く、地震被害を受けにくい特性を有しております。  先日、地形・地質学が専門の先生と話したとき、金をかければ解決できるような問題は本当の意味の問題にはならない、安定した地盤は金で買うことができない最も得がたい条件であるといった意味の話を伺いました。  本地域は、緊急時に国家の司令塔としての役割を果たすため、最適な条件を備えた地域でもございます。  次に、六ページでございますが、本地域は円滑な移転の実現が可能である点について申し上げます。  新都市の建設開始から少なくとも十年程度は、新都市東京の双方に首都機能が存在するという状況になることが考えられます。こうした状況を想定いたしますと、新都市の位置は、基本的に東京との連携が密接にとれる距離にあることが大切ではないかと思います。  また、本地域は既にかなりの高速交通インフラが整備されているため、これらを新たに整備する必要はほとんどありません。新幹線はもとより、空港や高速道路網が整備されております。新幹線による本地域への所要時間は、東京—那須塩原間が五十四分、東京—新白河間が六十分となっております。  さらに、本地域候補地内に空港を持つ唯一の地域であります。福島空港は現在二千五百メートルの滑走路長を持っておりますが、さらに、二〇一〇年までに三千メートル級滑走路の供用に向け、第七次空港整備七カ年計画の中に位置づけられており、当空港は新都市を支える空港としての資質は十分備えているものと考えております。  また、六ページのルート図をごらんいただければわかりますように、陸路については、縦軸に東京から本地域を経由して仙台まで東北道、常磐道が並行して整備または整備されようとし、横軸には太平洋と日本海を結ぶ横断道である磐越道が整備されております。現在、北関東自動車道の建設も進められております。水戸から宇都宮を通っての道路でございます。  さらに、本地域からは東京圏を経由せず直接関西方面と連絡することができる磐越—北陸—名神という利便性の高いルートが整備されております。  例えば、郡山を起点とした場合、郡山—吹田(大阪)間で、東京を経由する東北—東名—名神は七百八十キロメートルの距離がございますが、日本列島は弓なりになっておりますので、北陸道を経由する磐越—北陸—名神は七百三十キロメートル、五十キロメートルの距離短縮になります。時間はもちろんでございますが。北陸道を経由するこのルートを利用すれば、東京圏の渋滞をカットすることができるので、著しい時間短縮が図られております。  このように、東京圏や関西方面と複数のルートで連絡することが可能であるため、この地域につくられた新都市は、既に交通網のリダンダンシーが確保され、災害時の国土の安全性向上には大きな役割を果たすことができます。  さらに、東北道と磐越道を結ぶ地域高規格道路、トライアングルハイウエーの整備も進んでおり、本年度中に東北道矢吹インターチェンジから福島空港周辺までが供用開始になる予定でございます。この道路が完成すれば、西那須野塩原インターから空港まで三十分程度で結ぶことになり、地域一体性はさらに増すことになります。  こうしたことから、これらの既に整っている高速交通インフラを利用することにより、最小のコストで非常に利便性の高い都市をつくることが可能であります。  ちなみに、高速道路一キロメートル当たりの建設費用を見ますと、本県の磐越道では三十億円程度でございますが、東京圏では、東京外郭環状道路が三百億円、特別な例ではございますが、アクアラインが一千億円ほどかかっております。このように、高速道路一つをとっても、東京圏に比べ本地域は十分の一から三十分の一という非常に安いコストで建設できるということでございます。  また、東京一極集中は、生活者の視点で見た場合でも、交通渋滞やヒートアイランド現象、さらには遠距離通勤など、多くの問題を抱えております。このような生活環境のひずみは東京圏の著しい少子化傾向からも読み取れます。例えば、合計特殊出生率の全国平均が一・三四、栃木県が一・四一、福島県が一・六三に対し、東京都は一・〇三と非常に低い数字となっております。このような巨大都市が抱えるさまざまな問題を解決するためにも、生活者の視点を大切にし、二十一世紀にふさわしい価値観あるいはライフスタイルを先取りした新しい都市づくりを提案し、実現させることも首都機能移転の大きな意義と言えるのではないかと考えております。  次に、七ページですが、ソフト面での受け入れ体制について御説明いたします。  本地域は、日本の顔にふさわしい景観を有しているとともに、豊かな自然に恵まれ、自然環境との共生を実現できる大きな可能性を秘めた魅力ある地域ではないかと思います。このことについては、審議会において非常に高い評価を得ております。先ほども安定した地盤は金で買うことはできないという話をいたしましたが、景観や自然環境も同じであると思います。  那須地域は、那須連山、高原山などの日光国立公園を代表する山々を背景といたしまして、那珂川や那須疎水の清流が豊かな平地林や農地をはぐくむ広大な地域であり、その景観は四季折々に彩りを変えながら、見る者を魅了するものであります。  那須野ケ原は、那須疎水を初めとする開拓事業によって原野に水と緑の環境をつくり上げた代表的な事例であり、農林業によって保全されてきた自然であります。  この那須野ケ原の本格的な開発は、明治以降、大山巌、西郷従道、松方正義、青木周蔵、山県有朋ら、そうそうたる明治の元勲たちの大農場方式による入植、開拓からであり、この開拓を支えたのが那須疎水の開削でありました。那須疎水は、明治十八年に当時の国家的大プロジェクトとしてつくられました。その疎水も百年を経過し、今では周囲の風景に溶け込んでおります。  このように、那須地域は、日本が近代国家に生まれ変わった明治初期の新しい国づくりのロマンが今なお息づいている土地柄であり、那須野ケ原には人々が百年かけてはぐくんできたすぐれた自然がございます。  また、阿武隈地域は、中小の起伏を持って連なる里山と豊かな森が織りなす日本の原風景ともいうべき景観を持った地域であります。  私は、新しい都市づくり基本理念として「森にしずむ都市」を提唱しておりますが、この地域において、自然や風土を最大限に生かした都市づくりを行い、自然との共生を図ることによって、与える影響をごくわずかに抑え、人と自然に優しい、そして美しい空間を生み出すことができるものと考えております。「森にしずむ都市」とは、単に物理的に森に埋没するという意味ではなく、都市を自然と限りなく融和、一体化させようということであります。その中でこそ、人類が持続的な成長を遂げていくことが可能になると考えております。  本県において、この「森にしずむ都市」の理念を生かし、来年の七、八、九月の三カ月間、移転先候補地の北部に位置する須賀川市において、うつくしま未来博を開催することとしております。この博覧会は、「美しい空間 美しい時間」を開催テーマとして、里山の中で、森と共生するさまざまな知恵や新しいライフスタイルの創造を芽吹かせることを目指しております。  会場の基盤整備の基本方針としては、周辺の自然環境との調和を図り、地形や自然の記憶を残すような整備の仕方を心がけております。また、パビリオンの建設に当たっても省資源型の施行に努めております。  また、「森林との共生」を基本コンセプトとしたフォレストパークあだたらというオートキャンプ場と森林学習施設を平成十年にオープンさせたところでございます。このフォレストパークは、「森林に遊び、森林に学び、森林に働き、森林を守り、森林に暮らす」をテーマに、森林を次世代に残すべき人類共通の財産と位置づけ、ゆとりと潤いのある生活実現のため、積極的に森林空間を利用することを目指しております。  施設整備に当たっては、安達太良山ろくの景観を保全し、森林をより多く残すため、現地の地形に沿った施設レイアウトを行い、開発面積を最小限とすることなどを心がけました。また、森林空間の多様化を図るため、森林を面的に確保することのみならず、人の手をほどよく加えて、立体的な整備をすることに努めました。例えば、里山なども全くの自然に任せていると自然に荒れてきてしまいますが、少し人の手を加えることによって、豊かな里山を維持していくことが可能となります。フォレストパーク開発前の植生はアカマツのみの単層林でありましたが、間伐を適度に実施することによって、広葉樹や草本類の成長を促進させ、複層林に導くことで、多種多様な自然をつくり上げてまいりました。  このように、本地域における新都市像は、環境共生都市を目指すものであり、この地域の自然の持つ多様性を踏まえた上で、環境への影響に配慮した最善の方策を検討していくこととしております。そして、すばらしい自然と人とが共生した都市づくりを行うことこそが首都機能移転の大きな意義一つではないかと考えております。  最後になりましたが、北東五県では、栃木・福島地域こそ首都機能移転を実現する上で最も適した地域であり、美しい国土の創造を目指す二十一世紀国土づくりを先導していく地域であると確信をいたしております。今後とも、北東各県と密接な連携を図りながら、本地域への移転実現に向け、引き続きその受け入れ体制の整備等、誠心誠意取り組んでまいりたいと考えております。  委員の皆様におかれましては、国家百年の大計という視点から、首都機能移転の早期実現に向け、議論を深めていただきますようお願いを申し上げまして、私からの意見陳述とさせていただきます。ありがとうございます。(拍手
  151. 肥田美代子

    肥田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————
  152. 肥田美代子

    肥田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤勉君。
  153. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 私は、自由民主党の佐藤勉でございます。  本日は、参考人でございます福島県知事佐藤栄佐久様、また副知事であります齋藤清衛さん、本当に御苦労さまでございます。心から敬意を表したいと思います。また、陳述をいただきまして、しっかりアピールをしていただいたことに対しましても敬意を申し上げたいと思います。  早速でございますが、まず福島県知事さんにお伺いをしたいと思います。  先日、御承知のとおりだとは思いますが、御県でもいろいろ論議を醸し出したのではないかと思うのです。と申し上げますのは、扇国土庁長官が、外国特派員協会において、首都機能移転問題に触れまして、政治経済一体ではないと首都にふさわしい都市とは言えない、首都機能移転に使うお金を東京につぎ込み、国際都市東京にふさわしい都市整備を考える時期に来ているなどと述べ、国会移転に対する反対の旨の発言をしたことは御承知のとおりだと思います。  私も、いかに個人的な見解とはいえ、このよう発言は、これまでの国会等移転審議会や国会の審議経過、そして国家的見地から、首都機能移転意義に対する考慮を欠いたものだと言わざるを得ないと思っております。  そもそも、もう御承知のとおりでございますが、平成二年の国会決議、そして平成四年の国会等移転に関する法律の制定を経て、昨年十二月に国会等移転審議会の答申が出されて以来、国会等移転に関する論議の場は国会に移されておりますが、その中で、所管大臣のこの発言は極めて問題であると考えるわけであります。  さらに、長官の発言に呼応するように、我が連立与党からも、国会移転について中止、凍結論が目立ってきているというのは憂慮すべきだと思っております。  その論拠になっておりますのが、先ほど来からいろいろお話にございましたように、国と地方の合計で約六百四十五兆円に及ぶ公的債務を抱えるという財政事情であるような気がいたしますし、そのような財政事情を勘案して公共工事の見直しが進んでいる中で、かなりの額の財政支出を伴う国会等移転も見直しの対象に含めるべきという主張であるかと思います。  しかしながら、私は、我が国の現状を冷静に見たときに、政治行政経済等の分離や国土構造の変革は不可欠であると思います。先ほど知事の御発言にありますように、国家百年、二百年、三百年の大計であるという国会等移転は、このような一時的な経済情勢に左右されるものではないと私は考えております。  そこで、福島県の知事さんにお伺いをしたいわけでありますが、こうした経済財政状況からの中止、凍結論についてどのようにお考えをいただいているのか、まずお伺いをしたいと思います。
  154. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 お話にありまして、国家百年の大計の中でだと思います。そういう意味で、この国会における、あるいは法律もそうでございますが、その意義が、国政全般の改革、そしてその中に政経分離や規制緩和、規制緩和と政経分離は厳密には違うでしょうが、そういう新しい考え方が入っております。  また、百年来、あるいは千年来と申してよろしいか、自然と人間がどんどん離れてきておる、そのことの問題がいろいろ出ておりますが、それを、自然と人間をどう近づけるかというような、そういう問題も含めて国家百年を考えていく。  そしてまた、今各地で大変問題になっているいろいろな課題、例えば少子化の問題一つとっても、東京がいい悪いということではなくて、東京駅周辺三区における通勤者の通勤時間は、二時間、三時間。三時間以上が、記憶が間違いなければ四割だったかと思います。二時間以上がもちろん六、七割だったと思いますが、そういう状況の中で、二十一世紀の最大の課題は女性問題だと思っておりますが、それでは、二、三時間通勤して子供さんを産めるかどうかというようなことも含めて、やはり都市あり方等について真剣に今考える時期ではないか。  例えば、ブラジリアという都市がございます。ここは新首都でございますが、出生率はブラジルの中で一番高いというふうなことを、それはもう計画の段階から、生活圏というものをしっかりつくっていくという中で出てきたわけでございます。私どもは、ひとつ、新しい考え方を、先進国日本でございますので、世界に向けて発信するいい機会だと思っておるわけでございます。  経費、コストとの関係でございます。これは、国土庁さんの数字を見ますと四兆円、そして当面十年間で二兆四千億、一年で二千四百億ということが言われておりますが、この数字が高いか安いか、国家百年にとってコストが大きいかどうかということについては、国会で十分議論していただきたいと思います。
  155. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 いずれにいたしましても、いろいろこれから、私どもも論議をしながら、そういうことに対しましてしっかりとした大計をつくってまいりたいというふうにお約束を申し上げたいと思います。  次に、栃木の副知事さんにお伺いをしたいと思いますが、先ほどのお話にございましたように、知事選ということで副知事さんがおいでをいただいておるわけでありますが、私も、県議会の時代から、副知事さんとは、企画部長を歴任されておりまして、よく御存じな点は理解をしておりますので、質問に入らせていただきたいと思います。  過日、東京大学の大西教授という方を中心とするグループが、国会移転に関する国会議員のアンケートの結果を公表したということがございました。有効回答が二四・六%だったことを考えれば、国会等東京に残すべきとの回答が国会等移転すべきとの回答を上回ったという結果については、国会議員全体の意識をあらわした結果とは言えないものであると受けとめておる次第でございます。  しかし、この中で、大西教授は重大な主張を二点挙げております。一点は、国会はみずからの決議に対して責任を持つべきであるという主張であります。二点目でありますが、改めて国会等移転意義を考え、多様な移転形態の可能性を探るなど、根本問題に立ち返った論議を行うべきであるという主張でありました。私も、国会決議の重さを国会みずからが考える必要があるとともに、決議当時から国会等移転意義一つも失われていないと考えている一人でございます。  そこで、改めまして、国会等移転意義必要性について、審議会から最高の評価を受けた栃木県としてはどう考えているのか、お伺いをしたいと思います。
  156. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 栃木県副知事の齋藤でございます。  ただいまお話がありましてのとおり、私どもの渡辺知事が、明後日に投票日を控えました知事選のさなかでございますので、大変恐縮でございますが、代理で出席をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。  国会等移転意義についての御質問がございました。  私から今さら申し上げるまでもないことでございますが、いわゆる国会等移転法の前文に大きく三つのくくりで定義がされているというふうに理解しております。その一つが、東京一極集中の是正による多極分散型国土の形成、二つ目が、地震などの大規模災害に対する大都市の脆弱性の克服、そして三つ目が、行財政改革など新しい我が国社会づくりへの契機とする、そういうふうに理解しておるところでありますが、そのいずれもが、我が国の将来を左右する極めて大きな国家的な意義であるというふうに考えております。  ただ、その中でも、とりわけ国の危機管理能力の強化が最も緊要な課題ではないかというふうに考えているところでございまして、南関東地域におきます地震発生の可能性が高いということは、多くの地震学者の方が指摘をされているところでございます。万が一にでもこの東京に大きな地震が発生した場合の国の内外への影響等を考えますと、一日たりとも日本政治行政機能が麻痺することは避けなければなりません。  したがいまして、一刻も早く、この経済文化中心である東京同時被災をしない地域国会等移転させる必要があるというふうに考えております。口幅ったい申しようになりますけれども、これはまさに世界に対する日本の責務ではないかというふうにも思っているところでございます。  以上でございます。
  157. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 よろしく、その辺のところはしっかりと世論形成をしていただきたいというふうに思っております。  次に、また栃木県の副知事さんにお伺いをしたいわけでありますが、国会等移転は、大変長い年月をかけて徐々に行われ、我々の子や孫の世代に引き継いでいく国家の大事業である。何回も申し上げますが、百年の大計ということになるわけであります。  移転を受け入れる地域としては、将来を展望いたしまして、地域発展や生活の向上のプラス面もあるというのは非常に期待をされるところでありますが、一方、先ほどの意見陳述の中にもございましたように、ほとんど人が住んでいないところに急に人が増加をするわけでありますから、大きな関心事であります生活環境変化など、移転を受け入れることについては、地元市でも非常に、不安がないといったらうそなんだと思います。そういう面もいろいろ聞いているところであります。  また、昨今の国会移転に対する凍結発言東京知事の反対などの状況は、国民の機運の醸成に私どもから言わせていただければ大変水を差すものではないかというふうに考えざるを得ないところがあります。  しかしながら、我々としては、移転実現に向けて着実に審議を進めているところでありまして、国が取り組む責務として国民の合意形成が不可欠であるので、このところは国土庁にも私の方からも常に御指摘をさせていただいているところであります。  移転候補地を持つ県といたしまして、積極的に取り組むためにも、国民の合意形成が不可欠と考えておりますし、また、そういう努力をしておるのも理解をしているわけでありますが、県民の理解と協力を得るためにどのような取り組み方をしているのか、また今後どのような取り組み方をするのか。もう長年やっているわけでございますが、改めてお伺いをしたいと思います。
  158. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 県民の合意形成についての栃木県内の取り組みについてお答えを申し上げます。  平成七年の暮れに、調査会からの報告がございました。それを一つの契機にいたしまして、平成八年の四月に、栃木県におきましては、七十八の官民の団体で栃木県国会等移転促進県民会議を設置いたしました。そして、同時にまた、那須地域の地元の市町村におきましても、市町村レベルでの移転促進協議会が結成をされました。  その二つの促進会議等を中心といたしまして、いろいろな取り組みを続けているところでございますが、一つは、広域的な県民フォーラム、そしてさらには規模を小さくした市町村ごとのフォーラム、さらにはもっと規模を小さくいたしました自治会単位あるいは小規模な意見交換会、さらには講演会等々、自来、回数で延べ三百二十回、そして約五万人の県民の方の参加をいただいております。  同時に、県庁といたしましても、平成九年の四月に県庁内に情報センターを設置いたしまして、資料を配布し、相談に応じ、約一万二千人の方に訪れをいただいてございます。  また、委員から御指摘のありました地域住民の不安、懸念の点でございますが、こういう冊子に実はまとめてございますけれども、フォーラム等を通じましていろいろ出てまいりました県民の皆様からの不安や懸念、それを逐一、その対応策について研究し、まとめた冊子でございますが、これを追加、訂正をいたしながら適宜配布をしているところでございます。  これからも、いろいろな場を通じまして県民の皆様と直接意見を交換する機会を設け、情報を提供しながら御理解を進めてまいりたいというふうに思っております。
  159. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 大勢事でありますから、これは全部が全部賛成ということにはならないというのは十分理解をさせていただいておりますが、また、そういう反対の運動がないというのも考えられないことだとは思いますけれども、なるべくそういう方々に不安のないような御説明ができれば、より一層候補地に近づいていくのではないかなというふうに私は理解をさせていただいておりますので、努力方をお願いを申し上げたいと思います。  また、佐藤知事さんに、福島知事さんにお伺いをしたいと思いますが、ことし五月に本委員会におきましては、国会等移転審議会の答申を踏まえまして、移転先候補地の絞り込みを行い、二年後を目途にその結論を得ることができるよう早急に検討を進めるべきであるという委員会決議を行いました。今後、この決議に基づきまして、大局的な見地に立ちまして審議を進めることは、本委員会に課せられた使命であると考えております。今後、本委員会におきましては、移転候補地の三地域の中から移転先地を一つに絞り込んでいくという審議をしていくことになろうかと思います。  そこで、日本列島全体から三地域を見ますと、きょう意見陳述をいただきました岐阜・愛知地域及び三重畿央地域中央から西日本に位置しておりますが、東日本に位置するのは栃木・福島地域だけとなっております。我が国の人口、産業は、歴史的な経緯を見ると当然とも言えますが、西日本国土軸に集中しておると言っても過言ではないかと思うのです。さらに、我が国全体の人口重心と言われるのも岐阜県付近にあるとのことであります。  そこで、仮に、唯一東日本に位置する栃木・福島地域移転先に決定されるとした場合でありますが、西日本はもちろんのこと、全国的にどのようなメリットがあるかを皆さんにどういうふうな訴え方をしていく必要があると。メリットがあるということを訴えていく必要があると思うのでありますが、そこで、福島県の知事さんにお伺いをしたいと思うわけでありますけれども、栃木・福島地域移転による全国的なメリットについて、この地域としてどんな考え方をお持ちなのかをお伺いをしたいと思います。
  160. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 今一番便利なのは東京でありまして、東京に交通網も空路もすべて集中してきておるわけでございますので、そういう意味では東京が一番便利なわけなんですが、また、当然人口集積してきましたので便利なわけですが、しかし、福島空港というのを利用すれば各都道府県に短時間で行けるということでございますので、交通網の問題はそう問題でないと思います。  私ども、特に戦後五十五年間のこの国づくりを見ていまして、東京から始まって東海道メガロポリス、そして太平洋ベルト地帯というふうに大変すばらしい国土軸をつくり上げ、戦後の日本をリードして、牽引してきたのも確かでございます。  ただ、これからそれでは狭い国土で、狭隘なところで日本の国というのは国土づくりをやらなければならないわけでございますので、そういう意味では、私ども、平成三年から北東地域皆さんと各都道府県と北東銀河プランというのをつくって、新しい国土軸をこの未利用地、可住面積でいきますと、可住面積のその中心でいきますと、大体栃木、福島あたりが中心になるわけです。そういう意味で、ひとつこの北東地域の新しい国土軸に向けた計画をつくろうというので北東銀河プランというのをつくりました。  そして、私ども福島県と茨城と栃木は、FIT構想ということで、これはどういうものかは別にして、栃木の北部、茨城の北部そして福島県の南部でずっといろいろと首都機能構想を練ってきておりましたので、茨城、栃木さんも入って、この新しい国土軸こそ、これを利用することこそ二十一世紀あるいは将来にわたっての日本の非常にプラスになる展開ではないかというふうなことを考えておりましたので、そういう意味で必ずメリットありますし、また、先ほど御説明しましたように保険料が一番安い地域でございますので、緊急時に、万が一のことはないと思いますが、万が一のことがあっても一つ国家の司令塔として十分メリットのある地域であるというふうに考えております。
  161. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 ぜひとも、この地域だけが潤うということだけではないということをこれからも訴えていただきたいというふうに思っております。  最後になるかと思いますけれども東京との連携について栃木県の副知事さんにお伺いをしたいと思うわけでありますが、国会等移転は、一朝一夕に簡単にできるものではないと思います。十数年かけて段階的に進めていくというものであるということは、もう皆さん御承知のとおりだと思います。第一段階として、建設開始後約十年を目途に移転先地で国会を開催することとしておることは御承知のとおりだと思います。このように、国会都市を含めた新都市が建設されるまでの数十年間は、政治にしろ行政にしろ、東京との密接な連携が必要な状態となることは御承知のとおりだと思います。  また、国会等移転しても、長年にわたりまして築かれた東京経済的地位や文化的地位は変わることなく、今後ますます東京世界都市として発展していくことになると私は思うわけであります。そのために、新都市東京とのアクセスは容易であるということが必要であると私は考えておりまして、役割分担が図られていることが重要と考えております。  私は、毎日自宅から今新幹線を利用させていただいて国会に登院をさせていただいております。栃木からであります。私が通ってきましても、この国会まで来るのに一時間十五分ぐらいで来てしまいますし、そういう面で、栃木・福島地域、私の出身地で我田引水的な質問ばかりで大変恐縮なのでございますけれども、栃木・福島地域、特に那須地域の那須塩原駅からは、東京駅まで東北新幹線で所要、先ほどの説明にございましたように六十分足らずということであります。  皆さんも御承知かどうかわかりませんが、東京駅と大宮間というのは非常にゆっくり新幹線が走っておりまして、この辺の対策を講じれば、十分や十五分の短縮はまだまだできるというふうに私は思いますし、この辺の対策をすれば、例えば那須塩原まで四十五分ぐらいで行けることは間違いないことになるんだと思います。  また、例えばリニアという、今試験をしている交通形態がありますが、五百キロで走るということになりますと、那須まで十五分で行ってしまうという計算になります。とめることの方が難しいという話になります。  こうしたことから、栃木・福島地域であれば、東京との緊密な連携のもとで、新都市政治都市東京経済文化中心地というお話をさせていただきましたが、役割分担が図れまして、東京の活力は低下することなく、国会等移転がスムーズに行われると思うのです。それと、役人の方々も当座単身になりますから、やはり通えた方がいいのではないかなということからしても、そんな共存共栄が可能であるというふうに私は理解しておりますが、栃木県としてはどんなふうに考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  162. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 東京都との連携についてでございますが、先ほど佐藤知事の御説明の中、そして今の佐藤先生のお話の中にも十分触れていただいたところでありますけれども、栃木・福島地域は、東北新幹線と東北縦貫自動車道によって極めて短時間で結ばれております。そういった恵まれた交通条件があるわけでありまして、長期間にわたり、そしてなおかつ段階的に行われるでありましょうこの国会等移転に対しましては、柔軟に対処しやすい条件を備えているというふうに思っております。  特に、首都機能東京と新都市に分離して立地するいわゆる移転期間中、この間は、新しい都市政治都市として、そしてまた東京経済文化中心都市としての機能が円滑に発揮されますためには、東京との日常的な連携を確保されることが極めて決定的、重要な要素ではないかというふうに考えるわけであります。そしてまた、御案内のとおり、東北自動車道には、東京から栃木県内を抜けるまでトンネルがございません。このことは、災害時を想定いたしましても大変有効な要素になろうかと思います。したがいまして、新しい都市東京との間では、一定役割分担のもとに極めて緊密な連携と交流を行うことができるというふうに考えております。  したがいまして、建設中もそして建設後も、東京都と十分な連携を保ちながら、近からず遠からずという適度な位置関係にありますこの栃木・福島地域の優位性は極めて大きいものというふうに考え、なおかつ東京都と将来にわたっても共栄が十分図れるというふうに思っているところでございます。
  163. 佐藤勉

    佐藤(勉)委員 大変ありがとうございました。  いずれにいたしましても、当委員会委員長中心といたしまして公平公正な立場でいろいろな論議をさせていただいて、国会移転を実現に向けて私どもも努力をしていきたいというふうに思っておりますので、参考人の皆様方にも、ぜひともコンセンサスを得られますよう、これからも頑張っていただくことを御祈念申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  164. 肥田美代子

  165. 永井英慈

    ○永井委員 発言をお許しいただきました、神奈川県の出身でございます、あえて強調させていただきますが、この首都機能移転先の候補地とは全く縁のないところから出ております議員でございまして、川崎出身の永井英慈と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、お二方に同じ質問をさせていただきますので、それぞれお答えを願いたいと思うのです。  まず、国会というところは一つの勉強の場でもあるのですね。観光の場でもあるのですね。ですから、一年じゅう参観のお客さんが国会を訪れていますね。ところが、予算編成時期になりますと、つい最近、いや、今月初めあたりからはどんどん来訪者がふえているのです。きのう、きょうになりますと、通路によっては人が通れないほど陳情団が大勢見えているのです。これは、一体なぜこの時期になるとこんなに陳情団がふえるのかなと思いながら、毎日会館に上っているのです。  そこで、佐藤知事さん、もう長いこと御経験でございまして、豊かな経験を持っておられるわけでございますが、年末になりますと、各自治体皆さんがすごい勢いで陳情合戦を繰り広げられていると思うのです。  例えばの話、きのうですけれども、全国の小中学校の給食担当者が、給食施設の補助金が欲しいということで私どものところへ陳情に来ているのです。そうかと思うと、川崎市の商工会議所、私、川崎市出身ですから、商工会議所の会頭以下偉い方々が、そろっていろいろ陳情に来られておる。  この陳情は、毎年これだけ行われるのですから、日本政治行政仕組みとして、自治体にとってかなり効果的なものである、いや、陳情しなければ地方自治体行政がうまく運営できないというところまで行っているのかもしれない、そんな気がしてならないのですが、お二方からその辺のところをまずお聞きしたいと思います。
  166. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 きのう青森で、北海道東北の知事会議がございまして、知事さんからいろいろな意見が出ましたけれども、例えば補助金の問題ですね。今地方分権、これだけ、少なくとも形だけは成りましたが、補助金行政ですと、今お話しのようにそうならざるを得ないわけでございます。  そういう意味では、ある知事さんは、今度の知事会議の要望としては政策提言を中心に、補助金、これになにをつけてくれなんということはやめようということを提言しておりました。これは非常にすばらしいのですが、しかし、現実には、これは先生方お願いせざるを得ないのですが、補助金をつけてくれということをお願いせざるを得ない今のシステム。これは、地方分権がこんなに早く通ると私は思いませんでしたが、税財源も含めて、国は外交と防衛と経済政策を間違いないようにやるとか、そういうふうにして、あと個々の生活に関連する問題は地方に任せていただくということ、そのようなシステムをつくっていただかないと困ると思います。  例えば、農道、林道、県道を村に任せる、あるいは県に任せれば、それは三本必要な場合は三本つくりますが、そうでない場合は、一本でいい場合、一本にできるのですね。ところが、今は農道はこちらにお願い、県道はこちら、林道はこちらですから、それぞれお願いして予算をつけていただくというのは、首長さんの仕事に、村長さん方の仕事になっております。  そういう意味で、税財源の問題、特に補助金の整理統合化等も含めてこれをぜひやって、国会の方で御議論いただきたい。国会が今のシステムである限り、省庁再編になって変わるかどうかわかりませんが、毎年予算のときにそうせざるを得ないということだと思います。
  167. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 お答えいたします。  基本的に、地方分権推進、そして地方の自立、そういう方向で私ども地方の人間は取り組んでいるところでございます。したがいまして、今御指摘のありましたいわゆる陳情行政、過度な陳情行政の、陳情行政と言うかどうかわかりませんが、存在あるいはその是非についてはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、昨今大分、一部に変わってきておりますけれども、いわゆる陳情という形式ではなくて、地方からの政策提言、そういう形で意見を交換する場を、例えば農林水産省でありますが、に切りかえていただいた、そういうこともあります。そのことまでも一概に否定はし得ないというふうに考えておりますので、全体として地方分権推進する中で、国と地方との間でお互いにその実情について十分理解し合う場、それは必要ではないかというふうに考えております。
  168. 永井英慈

    ○永井委員 確かに、齋藤副知事さんが申されたように、生活提言あるいは改良するためのいろいろな提言を中央省庁にされるということは、これは大事なことだと思うのです。  でも、佐藤知事さんがお話しされたように、現実としては陳情せざるを得ない、お願いせざるを得ない。それは何かというと、永田町、霞が関、中央省庁に余りにも巨大な予算と権限が過度に集中している弊害じゃないかと私は思うのです。みんな忙しいわけです。みんな要職にある人たち、その人たちがみんなかばんを提げて陳情に行っているのです。私はその光景を毎年眺めている。何とも情けない。地方からこれだけ来なければ補助金もらっていけないのか、仕事を許してもらえないのか。こんな集権国家が大体もつはずがないし、これは民主主義の国でないとまで私は断言しているところです。  話は変わります。もう時間がありませんので。  あと五十日もすると二十一世紀に入るわけですね。私自身の経験からしますと、一九八九年、一九八九年というのは何だっけなというぐらいなんですが、実は平成元年、昭和でいえば六十四年なんですね。この年から、がたがた音を立てて今日の変化が始まったと私は理解しているのです。  今、御承知のように一番大きな変化といえば、何たってデジタル技術とかバイオ技術等による経済社会等の変化はすごいものですね。  それからもう一点は、もう手がつけられないほど難しい問題は、私は少子高齢化社会だと思うのです。これは大変な問題です。  それにさらにつけ加えて言えば、これも難しい、外国人の労働者をどんどん入れろとか入ってくるとか、不法滞留者が多いとか、いろいろ言われておりますけれども、とめどもなく進むこれ、グローバリゼーションというのでしょうか、こういう変化。  これに最後、もう一つつけ加えるとすれば、御承知のように、地球環境の悪化でございまして、これはまさに取り返しのつかない現象ですね。  こういう現象が、いろいろ変化が起きているのです。  国会等移転に関する特別委員会、当委員会では、去年だったと思うのです、科学者であります、医学部を出たり工学部を出たりした石井威望さんをお呼びして参考人質疑をやりました。そのときに、その石井威望さんは、多分、そういったデジタルだとかバイオだとかITとかそういう、日本でも最高権威者だと私は思っております。その人が言うのには、私自身の記憶では、二十一世紀の初頭十年間の日本社会がどうなっているか、推測も想像もつかないぐらい大きな難しい変化が起きているだろうと言うのです。  そこで、さっきからの話、きょう一日じゅうの話、国家百年の大計、いや、二百年、三百年先の将来を、いや、すごい人は千年先を見通した首都あり方議論すべきだ、こう言っているのですね。  そこで、前置きが長くなりましたけれども、お二人にお伺いしますが、どういう国に日本がなり、どういう社会が出現をし、どういう行財政の仕組みが必要なのか。ぜひこの三点をできるだけ簡潔にお答えいただきたいと思います。  実は、私の大臣であります玄葉光一郎さん、玄葉議員が、連邦制について触れたらどうか、いい返事が返ってくるかなと言ったら、いや、わからないと言っておりましたけれども、連邦制についてもちょっと触れていただければと思います。  というのは、私たちの民主党は、分権連邦型国家の形成、とりわけ、さきの総選挙では、道州制の導入を十五の政権政策の第一に置いておりますので、例えば公共事業の問題、補助金の問題、あるいは重複行政、裁量行政、あるいは先ほどの補助金行政、いろいろな形で言われておりますけれども、そういうことの弊害を排除するためにも連邦型というか道州制の国家形成、この国の形、二十一世紀のこの国の形は必要じゃないか、そんなことも思いますので、あわせてお答えをいただければありがたいと思います。
  169. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 まず、二十一世紀環境の問題、大気汚染の問題あるいは少子高齢化の問題等御指摘がありました。私は、新しい都市を、そういうものを解決する一つのモデル都市としてつくるべきだと思っております。  東京は、多分、暑いときは十二時、一時、二時、三時ごろでも三十度を下がらないと思います。それは、クーラーをどんどんたいているわけですから、省エネの都市をどうしようかなんということは、もうそういうことをやっていて、省エネの都市をつくろうとか省エネの国をつくろうなんということは考えないことだと思いますね。  私は、環境問題、少子高齢化の問題は先ほどブラジリアのお話で言いましたけれども、女性問題、一番重要なんです。まず、日本の女子で社会的な活動をしていない方は非常に多いわけですから、外国から労働者を受けるとか、労働問題としてばかりでなく、やはりもっともっと活躍できる体制をどうつくるか。百万都市以上になったら少子化はどんどん一気に進むのですね。ですから、そういうことを新しい都市をつくることによって解決していこうということをやはり考えるべきではないかと思います。  それから、地方分権一括法ができまして、私どもは、意識の面では非常にやりやすくなりました。町村長も県も国もイコールパートナーだよ、住民もイコールパートナーだよということで、意識の面で非常に進めやすくなりました。ただ、税財源の問題はこれからでございますので、お願いしたいわけでございますが。  私、県知事として十二年間やってまいりまして、私どもに任せてくれた方がいい、例えば福島県、リゾート地域に指定されて、それじゃ、この地域のグランドデザインをどうしようかということで知事がグランドデザインをつくってやろうと思っても、森林法、農振法、都市計画法、自然公園法ということを、もうぼんぼん三十階建てぐらいのあれができる可能性があったので、私ども、無理無理、景観形成条例というのをつくってそれにブレーキをかけた。今はもうよかったと思っておりますが、そういうことが私、知事でさえできないということですね。  それから、産廃の問題も、これも産廃の排出者責任を、平成元年から私、テレビ等でも強く言っているのですが、こんなことで不法投棄がどんどんあったら産廃行政そのものができなくなりますよ。厚生省さんはすぐやるような、法律をつくるような話をしていましたけれども現実にはどこかからブレーキがかけられるのかどうかわかりませんが、七、八年かかりました。その間に不法投棄がどんどん進んで、もう産廃はだめだという、公的な関与、福島県も公的にひとつつくろうと思っていますが、非常に難しくなってしまいました。それも縦割りの問題でございまして、私ども地方分権一括法ができて、そういう意味では非常に動きやすくなりましたが、そういうことをぜひ解決していっていただきたい。  そして、連邦制の問題は、それはやはり、ここから決めるのでなくて、地方分権の最も基本的なことは住民が自分の運命を自分で決める、一人の運命を一人で決められないのが奴隷制ですから。そういうことで進んで、東京圏は、これはあるいは、東京皆さん東京圏は一つの圏域でいいだろうというのであれば、それはそれでやっていただいていいですが、あるいは九州は一つでいいというなら、それぞれやっていただいてよろしいですが、そういうことを住民の視点から動き出すということ、住民がそういうことを決めていくのだということをやはり基本に立ち返って考えないと、非常にいびつな制度になってしまうというふうに考えております。
  170. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 私には大変荷の重い御下問であります。  ただいま佐藤知事から高い御見識が示されましたので、いわゆる日本がどういう国になるか、あるいはどういう行財政システムになるかいかんにかかわらず、現在の首都機能移転必要性、この意義、これは失われるものではないというふうに理解しておりますので、よろしくお願いいたします。
  171. 永井英慈

    ○永井委員 ありがとうございました。どうも失礼しました。
  172. 肥田美代子

  173. 石井啓一

    石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。私は北関東比例区の選出でございますが、特に茨城県を地盤としておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  国会等移転審議会の答申の中では、茨城地域につきましては、「自然災害に対する安全性に優れる等の特徴を有しており、「栃木・福島地域」と連携し、これを支援、補完する役割が期待される。」こういうふうに答申でうたわれておるのでありますが、では、実際にどういう役割が期待されるかという具体的な中身までは、実はこの審議会の答申の中では踏み込んで記述はされておりません。  したがいまして、ここで、候補地に挙がっている栃木・福島地域としては、茨城地域に対してどのような具体的な支援、補完の役割を期待されていらっしゃるのか、この点についてまず御見解を伺いたいと存じます。両地域代表しまして、福島県知事佐藤知事からお願いをしたいと思います。
  174. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 先ほども申し上げましたように、茨城、福島、栃木でFIT構想というのをつくって、平成四年から共同でいろいろ展開をしてきております。  そういう状況の中で、栃木・福島が候補地として、そして補完地域として茨城が候補地になったわけでございまして、私どもは、この中で、特に調査の中では、先ほども申し上げました三点のテーマで現在調査をして基本構想をつくろうということで進めておりますが、自然災害に対する安全性を生かした国土災害対応力の強化に資する役割、それから世界的な学術研究機能を持つ筑波研究学園都市、国際的な海上交通の拠点となる常陸那珂港などの支援、補完の役割を明らかにしていきたい。そしてまた、宇都宮—水戸の北関東自動車道がもう供用開始されている部分もございますので、そういうことも含めてインフラはかなり進んできておりますので、そういうことを前提にしながら調査を今進めているということで御理解いただきたいと思います。
  175. 石井啓一

    石井(啓)委員 私の地元の茨城県も、栃木・福島地域と連携をして、北東地域として国会等移転の努力をしっかりやっていきたいと思いますので、茨城に対する具体的な支援、補完というのもまたおいおい明らかにしていただきたいと存じます。  それでは次に、この栃木・福島地域につきましてお伺いをしたいのでありますが、この審議会の答申の中で、総合評価の点数を見ますと、栃木・福島地域は三百五十三点ということで、候補地の中では実は最高点でございまして、数字から申し上げると非常に可能性が高い地域でございますし、私も、我田引水になりますが、最適地であろう、こういうふうに考えています。  ちなみに、茨城県が三百三十三点でございまして、岐阜・愛知地域に非常に近い。三重畿央地域の三百二点より高いのでございますけれども、残念ながらそういう扱いになっていないので、非常に残念だなと個人的には思っておりますけれども、茨城も非常に高いのでございます。  ところで、この栃木・福島地域につきましては、答申の中で、火山の存在あるいは周辺に都市が少ないことが数少ない課題として指摘をされておりまして、この課題をクリアすることによりまして、私は、最終的な移転先になる条件がすべてそろうのではないか、こういうふうに考えております。  そこで、この課題に対してどういうふうに対応をなされるのか。これは栃木の副知事さんにお伺いをしたいと思います。
  176. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 お答えいたします。  まず、火山でございます。  研究機関の公的な資料をまず御披露いたしたいと思いますが、平成九年の三月に、通産省工業技術院の地質調査所が那須火山地質図というのを公表されました。その中で、いわゆる那須連山のうちの茶臼岳、これが噴火の経験があるわけでありますが、この茶臼岳の将来の大噴火の可能性は極めて低いというふうに報告を受けております。  それともう一点、実証的な経過を申し上げますと、過去一万五千年さかのぼって今日まで、本格的な噴火は一四一〇年、ですから今から六百年ほど前に一度あっただけでありまして、しかし、そのときの溶岩流の流下範囲、これも火口から最大四キロメートルというふうに記録をされております。御案内のとおり、那須の御用邸は七キロメートルほどのところに位置してございます。ですから、建設の際にもその辺十分留意されたのではないかというふうに推測するわけであります。  さらに、なおかつ、私どもが新しい都市中心地、中心といいますかクラスターの一つと予定している西那須野塩原インター周辺、そこまでは、その途中に大変深い谷を形成しております那珂川という川を挟んで二十五キロの距離にございます。  したがいまして、いわゆる火山自体が存在するということでその点の評価が低かったのでありますが、火山災害に対する安全性については問題ないのではないかというふうに私どもは理解をしております。  もう一点、都市機能集積が十分でないという点が若干の弱みということで御指摘を受けたわけでありますが、栃木・福島地域は、新幹線そして東北自動車道といった国土交通幹線に貫かれてございます。そして、その延長線上に、中規模な都市であります宇都宮市や郡山市、そして福島市もございます。  したがいまして、そういった都市が生活と業務面で新しい都市を支える機能を十分発揮できるというふうに考えておりますし、また、審議会の答申の中では、首都機能の運営に十全を期すために、東京を初めとする大都市との広域連携が求められているというふうに指摘をされておりますが、もちろん、先ほど申し上げましたよう東京都との連携は容易でありますし、ただいま申し上げました国土交通幹線上には拠点都市であります仙台市も存在しておりまして、十分な連携が可能であるというふうに考えております。
  177. 石井啓一

    石井(啓)委員 今申し上げましたよう対応策をもっとアピールしていただいて、お願いをいたしたいと存じます。  最後になりましたけれども、質問ではございませんが、一昨年、那珂川が大変な洪水がございました。那須地域で非常に雨が降りまして、下流の水戸で大雨が出たのでありますけれども、那須に雨が降ると水戸に牛が流れてくるということで、大変密接な関係がございますので、私ども茨城地域もしっかり、栃木・福島と連携をしながらこの国会等移転を進めていきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  以上でございます。
  178. 肥田美代子

    肥田委員長 中井洽君。
  179. 中井洽

    ○中井委員 自由党の中井洽でございます。  お忙しいところ、大変ありがとうございます。また、知事選挙の最中ということ、週末こういう日程をつくりまして、大変御迷惑をおかけいたしました。  また、この地域皆さん方には、候補地絞り込みの答申が出まして以来、大変熱心に御活動いただいておりますこと、私どもも心強く、感謝を申し上げているところでございます。  実は、きょうは私、三つの候補地皆さんに一人でお尋ねをいたしております。本来でしたら、私どもも、選挙区の山岡国対委員長が場合によっては出るかということであったのでありますが、先ほどから佐藤知事が、森に沈む首都機能、こういう大変すばらしい言葉をお使いいただきましたが、今山岡国対委員長は、森を沈める運動でなかなか大変な時期でございまして、出られませんので、私の方から質問をさせていただきます。  私どもは、これから二年、あと一年半ぐらいでありますが、かけて、三つの候補地一つに絞らせていただいて、その上で東京との比較対照をしていこう、こういうことで議論を始めたわけでございます。もちろん、その間、反対論もあれば、日本じゅう、首都機能移転が必要かどうかという論議も常にやっていかなければならないと考えております。  しかし、そういう傍らで、この審議会の資料だけでということじゃなしに、候補地が三カ所に絞られたわけでありますから、それぞれの候補地で、もう少し具体的に、国会は大体この辺だよとか、こういう感じ首都機能を考えていますよというのをおつくりいただけると、私どもは大変ありがたいがなという感じを抱いているところでございます。  そういう意味では、皆さん地域は本当に広大なところでございますから、かえっておやりにくいかなという感じもいたしますが、三重畿央の方は、かなり論議がある中で絞り込んで、各府県調整をしてスタートいたしました。やはり半年ほど時間がかかったわけでございます。愛知・岐阜の場合には、まだ全然絞っていない、こういうことでございます。  今石井議員の方から、茨城の補完というものをどう考えるかというお話がございました。そういう意味で、この答申はそれぞれ違った書き方をしてございますが、これを受けて、どういう絞り方をお考えになっていらっしゃるか、大体いつぐらいまでに地域としてまとまりを持って絞り込みというのができるのか、こんなところを率直にお聞かせをいただければありがたい。あるいは、逆に、国会がそっちでやってくれ、こういうことなのか、そこら辺もあわせてお願いをいたします。
  180. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 私どもは、三重畿央も岐阜・愛知もそうだろうと思いますが、クラスター型の都市ということで考えております。  そういう状況の中で、ここは候補地になるよということは、先ほどお話ししましたように、一平方キロメートルのメッシュで、母屋が何戸以下とか傾斜地が幾らというようなことで、福島県のことに限って言うと、四十二平方キロメートルですかの地域を選びました。クラスター型というのは、東京ように連担する都市が続くよう都市にならないということでありまして、二、三万の都市が点在するということでありますので、今どこにどうというようなことを決める必要もないと思います。  二、三万の都市ですと、自動車を使わなくて自転車で通勤できる都市であります、こう審議会の皆さんにもお話ししましたが、皆さん東京にいますと余りぴんとこないのです。二、三万の福島県の都市ですと、大体自転車で移動できる都市ですから、そういう都市が例えば五つできればいいわけであります。それがクラスター型でございますので、そういうことが二十一世紀都市づくりの基本であろうというふうに考えております。  そういう意味では、今度の調査でも、多分、どこに何々というよう調査結果にはならないのじゃないかと思います。
  181. 中井洽

    ○中井委員 そうしますと、ここにいただきました資料等を見ますと、三つの、茨城はまた別であろうかと思います、これは三カ所とも、どこでもいいよ、こういうことであるのか。この三カ所の中のここが国会で、こっちへちょっと役所とおっしゃるのか。そこら辺を少し絞り込んでいただいた方が、それは、それぞれおつらい立場だろうと思いますが、国会としては具体論でいける。  私は三重県出身でありますから、三重県知事やら事務に徹底してそれをお願いしまして、それは大変な議論でございました。しかし、それはそれで、こういうことでいこうという一致を見てもらって、ここへ臨んでいただいたわけでございます。  そこら辺を少し、いや、それは到底無理だ、国会でこっちと決めてよということなのか。それとも、広大な地域ですから、皆さんで一カ所に絞っていただけるのか。申しわけありません、こんなことをもう一度お尋ねいたします。
  182. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 広大な地域なものですから、そういう質問になるのだろうと思います。  例えば、この一つか二つで十分六十万都市以上の都市ができますよという地域でございます。候補地だけで、東京と神奈川を合わせた二千万の方が今住んでいる、そういう広さです。ですから、私どもの福島県の調査ですが、今は栃木と一緒にやっておりますが、福島県の構想では、この二つのところで、この一つの大きな丸が二千ヘクタール、小さいところで千ヘクタールですから、これだけの候補地適地があるということでございます。ここで六十万以上の都市ができますよということでございますので、そういう意味では、今ここだと絞るよう状況ではないというふうにお考えいただきたいと思います。
  183. 中井洽

    ○中井委員 それでは、栃木の副知事さんにお尋ねをいたします。  この候補地の那須一つとりましても大変広いというお話がございましたが、私どもからいくと、この三候補地とも、少し北へ寄っているじゃないか、北過ぎるのじゃないか、こういう議論関西あたりでは随分ある。こういうことに対して、率直にどうお答えになるかということが一つ。  それから、これは海抜で大体平均どのぐらいおありの地域なんだろう。  それからまた、すばらしい自然景観のところだということは承知をいたしております。こういう自然景観を守りながらの、先ほど森に沈むというイメージのお話がございましたけれども、どういうイメージ首都機能移転というのをお考えになっているのか。自然景観を守るといった観点からで結構ですから、お答えをいただきたいと思います。
  184. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 お答えいたします。  まず第一点の、日本の地図上北過ぎるのではないかということでございますが、地理的には、北海道から鹿児島までの中心が大体栃木県なんでございます。ですから、人口重心という発想になりますと……(中井委員「沖縄は抜くの」と呼ぶ)一応、地理的に。申しわけありませんが、一応そういう位置にございます。  あとは北ということ、したがって、人口重心は岐阜とかあの辺がなっておりますから、そういった意味で北とおっしゃるのかもしれませんけれども、いわゆる寒さ等々につきましても、北京、ロンドン、パリ、あの辺とちょうど栃木県の那須地域が大体拮抗するよう地域にございまして、そういった意味では、むしろこれからの日本国土づくり、これはこの北東国土軸上に整備をしていくことが日本のバランスのとれた国土形成になるという前提で、まさにこの辺がうってつけのところではないかというふうに思っております。  海抜につきましては、特にこの那須地域でありますが、私どもが提案している地域につきましては二百から四百メートルでございます。極めて平たんな、広大な、いわゆる那須野ケ原でございます。山の方は別でありますけれども、那須野ケ原は海抜二百から四百メートルの、極めて平たんな、広大な地域でございます。  あとは自然環境との調和による新しい都市づくりということかと思いますが、御指摘のとおり、この辺は大変景観のすばらしいところでありまして、なおかつ、この資料の、今先生がお手にとりました資料の八ページをお開きいただきますと、これがちょうど中心地、私どもが考えております西那須野塩原インターチェンジのあたりから那須連山を見渡した光景ということでございます。  このよう状況にございまして、なぜこういう状況がいまだにあるのかといいますと、十ページをちょっとお開きいただきますと、いわゆるこの那須野ケ原、ちょうど今写真のあたりは左の赤く塗ってあるところあたりでありますが、ごらんのとおり、先ほど福島県の佐藤知事さんがお触れになりましたように、明治の大規模開拓が展開された地域でございます。  したがいまして、アカマツ林と大規模な牧草地等々がモザイク状に点在してございまして、自然と十分折り合いのつけた新しい町づくりがここではできるというふうに思っておりますし、この国会移転の話が始まる以前から、平成二年から三年にかけまして、いわゆるバブルの時代に開発の波がこの那須野ケ原に及ぼうとしたときに、私どもの県といたしましては、この地域の良好な自然環境を守りたいということで、独自の街道景観条例なり建築誘導等を実施しておりまして、いまだにこういう状態が保っておられるということでございます。
  185. 中井洽

    ○中井委員 時間ですので、終わります。
  186. 肥田美代子

    肥田委員長 矢島恒夫君。
  187. 矢島恒夫

    ○矢島委員 日本共産党の矢島恒夫でございます。お二人の参考人の方には、本当に御苦労さまでございます。  そういう状況の中で、委員長に最初にちょっと言っておきたいのですが、せっかく重要な案件をやりながら、しかも参考人皆さん方に失礼な状況が、委員会委員出席という状況がある。ぜひひとつ手を打っていただきたい。  それではまず、私の方のお聞きしたいことを申し上げたいと思います。  御案内のとおり、私たちは国会等移転には反対であります。もちろん、反対と賛成の意見を闘わせながらよりよい方向というものをつくり出していくのが国会であるし、首都機能移転の問題であろうと思っております。私は、ここで反対の理由をいろいろと申し上げるつもりは毛頭ありません。  九〇年の国会移転決議がなされてから十年が経過しています。この間いろいろと論議されてまいりました。その理由、いわゆるなぜ移転かという問題、こういう問題についてもいろいろ論議されてきたわけです。理由としても、一極集中をなくしていくんだとか、災害対策だとか、最後には人心一新だとか、いろいろありました。そういう中で、その理由というのが、なるほどなと納得するようなものであるかどうか。私は納得しないのですが、国民的な合意を得るという点では、やはりそこの点にも問題があるのではないかと思っております。  ただ、九八年一月に国会等移転審議会ができました。この審議会で答申が行われて、そして第一次の候補地が決まる。で、昨年の十二月に三地域というのが出てきた。結局残ったのは、県で言えば十一県、三地域ですが、結局のところ、この答申は、引き続きそれぞれの地域に期待を残す措置をとったのかなと私は思わざるを得ないのです。特に、この三地域皆さん方にとっては、この十年間、いろいろな論議の中で、議論に振り回されたと言っては申しわけございませんけれども、そういう事態がなかったわけではないと思うのです。その都度、対応や、あるいは内容の検討等に追われてきたのではないかと思うのです。  私はまず、すべて、きょう午前中から午後にかけて、三地域に関連する参考人皆さん方に同じ質問をしてきたのですが、その一つは、九二年以降、候補地となって、実際に誘致しようというために、それぞれの県がどれくらいの費用を使ってきたか、このことについてお答えいただきたい。
  188. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 十一年度までのトータル、これは先ほど誘致というお話がございましたが、私どもは、国会で決められてこれからつくろうという、その国会に、適地がこういうふうにありますよということを全国にやはりアピールしていこうということでございます。  また、都市づくりの福島県の考え方をひとつ、福島県のイメージも含めて、全国にPRしようというふうな広報の費用、あるいは土地調整課の、土地が上がらないような施策を進めておりますので、それにもかかっておりますので、そういうものをトータルで四億六千六百五十六万五千円ということでございます。
  189. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 私どもの県は、法律が四年にできまして、五年から事務的な取り組みを、勉強を始めましたけれども、明確な形で国会移転に関する予算づけを行いましたのは、県民会議をつくりました平成八年度からでございます。八年度から今年度まで、当初予算ベースでありますけれども、五カ年、年平均約六千万でありまして、三億円余の予算を計上しております。その大半が県民会議の活動のための負担金ということでございます。
  190. 矢島恒夫

    ○矢島委員 先ほども私、国民的な合意の問題について午前中からお聞きしているのですが、やはり各県で言わせれば、住民の合意といいますか、県民の合意といいますか、そういうものが図られなければならないというふうに思っております。  私、住まいは埼玉県ですが、北関東ブロックです。ここまで通うのに一時間半かかりますので、新幹線の方が早いなと聞いておりました。実は私も、そういう意味で、栃木県の各地、それぞれお邪魔したり、あるいは実際にきょう資料を渡していただきましたが、その地域状況も見てまいりました。あの西那須野町の地域からずっと行きますと、先ほどのお話にもありましたように、非常に自然の豊かなところであるということ。  そこで、合意の問題に移るわけですが、自然を残しながらどういうふうにやるか、いわゆる環境をきちんと守っていくという面での県民との合意というのはどういうように進んでいるか、そのあたりをお知らせください。
  191. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 基本的に私どもは、都市が膨張しないよう政策、七つの生活圏構想というのをつくっております。三十万から五十万どまりということで考えておりまして、今度の新しい首都機能移転候補地になりますれば、私どもは八つ目の生活圏として考えていきたいと思っております。  その中で、この七つの生活圏もそうでございますが、自然環境をどう保全していくか、あるいは今度の場合、新しい都市をつくるに当たっては、福島県の基本目標は美しい福島の創造ということで、森林やあれはどこにでもあるわけですが、それを、景観も含めてどうつくっていくか。  そして、御承知のように、明治神宮が百年前後であれだけの森ができたわけでございます。そういうことも含めた、自然をつくっていく、今のもちろん生物の多様性等も十分考慮しながら、そういうことを前提に考えているということを申し上げたいと思います。それが「森にしずむ都市」ということの一つコンセプトでございます。
  192. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 御指摘のとおり、自然の大変豊かな地域でございますので、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、県独自でこれまでもその良好な自然を守るための対策を講じてきております。その前提に立ちまして、審議会の答申自体が、環境共生型の都市のモデルを目指すということになっておりますので、その実現のために全くふさわしいフィールドではないかというふうに思っております。  住民の方々の中には確かに自然環境に対する影響について懸念の声がございますけれども、その辺については、これからも十分対話を重ねて、理解を深めていきたいというふうに思っております。
  193. 矢島恒夫

    ○矢島委員 三つの候補地から一つに絞っていくということは、二つの地域は実は実現できない、こういう結果になるわけです。  福島空港の拡張が行われております。これは首都機能移転前提にしたものだということならば、誘致ができなかったらむだになるのか、こういう心配があるわけですが、その点と、時間がありませんので、二点、知事にお聞きしたいと思います。  阿武隈総合開発の一つの柱であった、あぶくま新都市づくりというのがありますけれども、それが国会移転との関係で見合わせる、中断しているというようなことをちょっと聞いたのですが、その辺のいきさつについて、二点お聞かせください。
  194. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 空港は二千五百メートルになりました。これは決して首都機能移転との関係ではございません。三千メートルに七次空整で入っておりますが、これも、この二千五百メートルの利用状況というような需要等も含めて考えていくと考えております。  それから、阿武隈開発につきましては、平成二年から総合的な開発を進めてきております。その一環として新しい都市づくりということを考えてきたわけでございますが、首都機能との関係ということは別にしまして、今、首都機能構想をつくったり、いろいろ進めておりますので、中断しているということでございます。
  195. 矢島恒夫

    ○矢島委員 自然環境を守ること、あるいは財政的にもそれぞれ各県逼迫しているところですから、そういう面での配慮も、長い間のことになりますが、今後ずっと必要になると思います。  私たち、賛成、反対の議論をこの中でやりながら、よりよい方向を目指していきたいと思います。きょうはどうもありがとうございました。  終わります。
  196. 肥田美代子

  197. 阿部知子

    阿部委員 社会民主党の阿部と申します。  きょうは、長時間、そして私の質問で最後でございます、本当に御苦労さまでございます。  私は実は子供の医者をしておりまして、きょうの福島県知事のお話、大変に、おもしろくと言うと変ですが、興味深く拝聴いたしました。私はまだ六月の当選でございますので、国会に日が浅い者でございますが、きょうの佐藤知事ようなお立場から国の未来を考える知事がおありだということを大変に心強く伺いました。  そのお立場はよく了解いたしました上で、私、阿部知子の個人的な見解、実は、社会民主党全体といたしましては、この首都機能移転に関しまして党としてまとまった見解をまだ出しておりません。私が本日御質問いたしますのは、まとまった見解というよりも私の個人的見解としてお聞き届けいただきたく、またそれを党に持ち帰りたく思っております。  私は、たまたまでございますが、東京生まれ、東京育ち、ただし選挙区は神奈川から出ております。そうした中で、きょうのお話を伺っておりまして、私は、やはり今日本は未曾有の一極集中、都市化の波に見舞われて、とりわけ東京はその一番の、一千万以上の都市になって、その問題の解決と申しますのは、実は場所移転ではなくて、やはり都市機能がこういうふうに集中した中での問題として解決すべきという立場をとっております。  そうした中で、お伺いいたしますが、まず、もう最後ですので、皆さんお聞きになりましたので、私の質問通知してあるもの以外でお願いいたします。  先ほど、福島県の知事も栃木県の副知事も、この数年にわたって、主に市民の論議を呼ぶための予算編成をしていらしたという旨の御発言がございましたが、はてさて、この数年でおのおのの県にIターン、Uターンなさる方たちの数はふえてございましょうか。お一方ずつお願いいたします。
  198. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 正確な数字は持っておりません。  ただ、一人の県職員が、山都町という町に東京からお呼びしよう、そして、農業をやっても何でもいいのですがということで、二、三年非常に努力をいたしました。そのかわり、来てもすぐ住む家もなし、働く場所もなしという状況ですから、Iターン、Uターン、言うのはやすいのですが、非常に難しいのですが、彼は熱心にボランティアとしてやりまして、二十五家族の皆さん東京からいらっしゃいましたね。  それから、県内の各地でそういう運動を若い連中が展開して、お呼びしている。かなりの数になっておると思いますが、その数についてはちょっとつかんでいない。特に、農業者の場合も意外に多い。こっちで農協なり近隣の皆さんがお手伝いするということになりますと、意外に多いということを申し上げておきたいと思います。
  199. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 申しわけございませんが、現時点で手元に資料がございませんけれども、ターンではなくて、移住の方がふえております。  といいますのも、那須塩原駅から相当数の方が東京に通勤されておりまして、今まで東京近郊にお住まいの方が那須に住宅地を求められて、そこから東京に通勤される。結構いろいろな、俳優の方もいらっしゃいますし、東京の大企業におられる方もおられます。  そういう意味で、栃木県の人口は、東北自動車道並びに東北新幹線沿線、着実に毎年人口が増加している状況にございます。
  200. 阿部知子

    阿部委員 ただいまのような御質問をいたしましたのは、実は、この間アメリカで、この十年ほどベビーブーマー、いわゆる私ども世代の各州への移住が始まっていて、それがまた新しいアメリカの形をつくっているということがございましたので、重ねて申しますが、首都機能移転ということ以外にも、各地区がおのおのの特色を出しながら今の一極集中を解決させていく手だてもありかなと私は考えます。  もう一点でございますが、実は、子供のことに移らせていただきます。  私は、先ほど東京に育ったと申しましたが、仕事も東京でございまして、東京大学という、東京の真ん中、上野のあたりの大学でございます。ここには、実は福島県から大変に患者さんが、子供がたくさん来てくださいます。特に郡山でございます。郡山の子供たちは本当に素朴でかわいくて、何ていい子というかな、好きだなと思う子供たちなんですが、どういう環境で子供を育てれば子供たちが伸びやかに育つかという観点で、逆に私は、例えば学園都市とか首都行政都市とか、モノカルチャーになりますと、公務員のお子さんばかりが集まったりいたしまして、必ずしも子供のいい生育環境ではない。いろいろなものが雑多、ごったにある方が、子供は、もちろん自然も要素ですけれども、大切と思います。  その意味で、この新しい都市構想は、私から見れば、むしろちょっと子供の生育環境には、余りにも親の職業とか背景が、官公庁職員が多うございますから、そういう中で子供が育つということに危惧を抱きます。  先ほどブラジリアの例を挙げてお教えくださいましたが、そのあたりは、佐藤知事はいかがお考えでしょうか。
  201. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 おっしゃるように、郡山の子供は素直なんですけれども、私の孫は東京のマンションに住んでおりまして、帰ってきたら、靴に土がちょっとついていたら履かないというので、私の子供ともめているんですね。すなわち、東京の子供さんというのは土を汚いと思っているんですね。そういう生活あるいはそういう状況の中で生活しているわけですから、これは私は最初に申し上げましたように、自然との関係をもう一回近づける、それが今後百年の日本役割でないか、私どもはそういうことで一生懸命政策を進めております。  お話の点は非常に重要なことでございまして、新しい町をつくると、幼稚園が必要だった、十年後、二十年後、三十年までいかなくても、高齢者対策が必要だったというような、キャンベラにおいてもそういう問題がございます。そういう先例をやはり、ただキャンベラのよさは、四十歳ぐらいから上は、新宿のようなわい雑な町がないから嫌いだ、しかし四十から以下の人たちは、子供さんと家庭で一緒に行動できる、これはすばらしい町だと外務省の皆さん意見が完全に分かれるんですが、二十一世紀は私はそういう時代になると思います。  そして、そのときどういうふうな住宅地をつくるかというのをこれからの一つの、例えばこの計画をつくるのであればそういうことが問題であるということを問題意識を持って、生活圏を、ブラジリアのブロックという三千人単位のあれがたくさんあるんですが、そういう問題意識を持って計画をつくるということで、先例が幾つもあるわけですから、そういうことでいい町づくりができるのではないかと私は思います。
  202. 阿部知子

    阿部委員 では、最後一つだけ。  私は医者でございますので、よい町づくりの基本には、やはり生命を預かる医療整備の問題が大きく関係していると思います。先ほど郡山から東京までお越しですという例を挙げましたが、それはある意味で、やはりこの地区、非常に広大な自然の中に市町村が分散しておりますので、必ずしも医療施設の充実度合いがよろしくない。そうなりますと、少子高齢化時代、これはやはりもろに大変になってこようかなと思います。その辺の現状と御計画につきまして、佐藤知事でも栃木の齋藤副知事でも結構でございます、最後にお答えをお願いします。
  203. 佐藤栄佐久

    佐藤参考人 栃木の副知事もお答えしますが、おっしゃるように、一極集中というのはすべてのものが全部集まってくる、その弊害が、今おっしゃるよう部分がございます。ただ、県は県として、医療水準の向上のため、特に乳幼児、私が就任したとき、死亡率が四十七番目でありました。今、五番目に少なくなりました。それから、周産期医療等もまだまだでございますが、これは三、四年声をからして言っていまして、ようやく来年度予算から周産期医療について展開することになっておりますが、そういう面での余りに東京一極集中というものの弊害が今の日本の現状ではないかと思っております。
  204. 齋藤清衛

    ○齋藤参考人 現状と計画について申し上げますけれども、子供に関する医療につきましては、周産期医療センター、県が現在、宇都宮の近辺の二つの医科大学に委託をする形で運営をしております。そして、これからさらにその周産期医療センターを核にいたしまして、小児の高度な病気に対応する小児専門総合医療センター、これを整備しようというふうに考えておるわけでありますが、特に、この国会都市候補地として私どもが提案しております県北部地域につきましては、国際医療福祉大学が人材育成をしておりまして、その地元に日本赤十字社の総合病院、県の医師会が運営いたしますリハビリ専門の温泉病院等がございまして、そういった医療施設を核にいたしまして、今後この県北部地域の医療資源の充実を図っていきたいという計画を持ってございます。
  205. 阿部知子

    阿部委員 ありがとうございました。  私が気がつきました幾つかの点について、両知事、副知事のお考えを伺いました。また引き続き検討させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  206. 肥田美代子

    肥田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言御礼申し上げます。  齋藤参考人佐藤参考人におかれましては、貴重な御意見をちょうだいいたしまして、まことにありがとうございました。委員会代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  なお、政局が極度に緊張している中とはいいながら、きょう、委員会に空席が大変多くございました。このことを委員長からも深くおわび申し上げたいと思います。失礼いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十五分散会