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2000-11-22 第150回国会 衆議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年十一月二十二日(水曜日)     正午開議  出席委員    委員長 井上 義久君    理事 岩屋  毅君 理事 古賀 正浩君    理事 竹本 直一君 理事 野田 聖子君    理事 田中 慶秋君 理事 樽床 伸二君    理事 山名 靖英君 理事 山田 正彦君       岩永 峯一君    植竹 繁雄君       木村 太郎君    阪上 善秀君       桜田 義孝君    田中 和徳君       中野  清君    西野あきら君       蓮実  進君    林田  彪君       菱田 嘉明君    阿久津幸彦君       今野  東君    平野 博文君       前原 誠司君    吉田 公一君       渡辺  周君    山岡 賢次君       塩川 鉄也君    東門美津子君       中西 績介君    野田  毅君     …………………………………    議員           山本 有二君    議員           石原 伸晃君    議員           原田 義昭君    議員           山名 靖英君    議員           西川太一郎君    国土政務次官       蓮実  進君    建設政務次官       植竹 繁雄君    政府参考人    (建設省建設経済局長)  風岡 典之君    政府参考人    (建設省住宅局長)    三沢  真君    建設委員会専門員     福田 秀文君     ————————————— 委員の異動 十一月二十二日  辞任         補欠選任   中西 績介君     東門美津子君 同日  辞任         補欠選任   東門美津子君     中西 績介君     ————————————— 十一月二十一日  マンション管理適正化推進に関する法律案山本有二君外七名提出衆法第一七号) 同月九日  不況打開国民本位公共事業建設産業民主的転換に関する請願岩國哲人紹介)(第一〇三八号)  同(重野安正紹介)(第一〇三九号)  同(辻元清美紹介)(第一〇四〇号)  同(土井たか子紹介)(第一〇四一号)  同(中村哲治紹介)(第一〇四二号)  同(鳩山由紀夫紹介)(第一〇四三号)  同(粟屋敏信紹介)(第一一三五号)  同(石井郁子紹介)(第一一三六号)  同(菅野哲雄紹介)(第一一三七号)  同(中川正春紹介)(第一一三八号)  同(原陽子紹介)(第一一三九号) 同月十三日  不況打開国民本位公共事業建設産業民主的転換に関する請願児玉健次紹介)(第一二一五号)  同(山元勉紹介)(第一二一六号)  川辺川ダム建設事業促進に関する請願園田博之紹介)(第一二八七号)  同(林田彪紹介)(第一二八八号) 同月十五日  都市公園の機能を阻害する目的外使用許可反対に関する請願塩川正十郎紹介)(第一三五〇号)  同(中馬弘毅紹介)(第一三八七号)  不況打開国民本位公共事業建設産業民主的転換に関する請願川内博史紹介)(第一三五一号)  同(川内博史紹介)(第一三八五号)  同(筒井信隆紹介)(第一三八六号)  同(東門美津子紹介)(第一四四一号)  川辺川ダム建設事業促進に関する請願金子恭之紹介)(第一三五二号)  公営住宅に関する請願塩川鉄也紹介)(第一四四〇号) 同月二十日  不況打開国民本位公共事業建設産業民主的転換に関する請願小沢和秋紹介)(第一四九六号)  同(釘宮磐紹介)(第一四九七号)  同(玄葉光一郎紹介)(第一四九八号)  同(筒井信隆紹介)(第一五五一号)  同(北村誠吾紹介)(第一六三二号)  同(山岡賢次紹介)(第一六三三号)  同(達増拓也紹介)(第一六六九号)  同(羽田孜紹介)(第一六七〇号)  同(小沢鋭仁君紹介)(第一七〇一号)  同(中川智子紹介)(第一七五一号)  同(中川智子紹介)(第一八六七号)  同(石井郁子紹介)(第一九二六号)  同(小沢和秋紹介)(第一九二七号)  同(大森猛紹介)(第一九二八号)  同(木島日出夫紹介)(第一九二九号)  同(児玉健次紹介)(第一九三〇号)  同(佐々木憲昭紹介)(第一九三一号)  同(中林よし子紹介)(第一九三二号)  同(春名直章紹介)(第一九三三号)  同(松本善明紹介)(第一九三四号)  同(矢島恒夫紹介)(第一九三五号)  同(山口富男紹介)(第一九三六号)  建設省中部地方建設局における男女平等な職場の実現に関する請願大島令子紹介)(第一五八二号)  同(北川れん子紹介)(第一五八三号)  同(辻元清美紹介)(第一五八四号)  同(東門美津子紹介)(第一五八五号)  同(山内惠子紹介)(第一五八六号)  同(石井郁子紹介)(第一七〇二号)  同(川田悦子紹介)(第一七〇三号)  同(中林よし子紹介)(第一七〇四号)  同(藤木洋子紹介)(第一七〇五号)  同(瀬古由起子紹介)(第一七五二号)  同(中川智子紹介)(第一七五三号)  同(原陽子紹介)(第一七五四号)  同(阿部知子紹介)(第一八六八号)  同(石毛えい子紹介)(第一八六九号)  同(鎌田さゆり紹介)(第一八七〇号)  同(土井たか子紹介)(第一八七一号)  公営住宅に関する請願近藤昭一紹介)(第一五八七号)  同(田中慶秋紹介)(第一五八八号)  同(近藤昭一紹介)(第一六三四号)  同(中西績介紹介)(第一六三五号)  同(山岡賢次紹介)(第一六三六号)  同(前原誠司紹介)(第一六七一号)  建設労働者の賃金と労働条件改善に関する請願石井紘基紹介)(第一六三一号)  同(田中慶秋紹介)(第一六七二号)  同(吉田公一紹介)(第一六七三号)  同(岩國哲人紹介)(第一七〇六号)  同(塩川鉄也紹介)(第一七〇七号)  同(不破哲三紹介)(第一七〇八号)  同(生方幸夫紹介)(第一七五五号)  同(原陽子紹介)(第一七五六号)  同(阿部知子紹介)(第一八七二号)  同(川田悦子紹介)(第一八七三号)  同(今野東紹介)(第一八七四号)  公共事業生活密着型への転換に関する請願赤嶺政賢君紹介)(第一八六四号)  同(中林よし子紹介)(第一八六五号)  同(松本善明紹介)(第一八六六号)  川辺川ダム建設事業促進に関する請願西川京子紹介)(第一九二五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  マンション管理適正化推進に関する法律案山本有二君外七名提出衆法第一七号)     正午開議      ————◇—————
  2. 井上義久

    井上委員長 これより会議を開きます。  山本有二君外七名提出マンション管理適正化推進に関する法律案を議題といたします。  提出者より趣旨説明を聴取いたします。山本有二君。     —————————————  マンション管理適正化推進に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 山本有二

    山本(有)議員 マンション管理適正化推進に関する法律案につきまして、その趣旨及び主な内容を御説明いたします。  土地利用高度化進展等に伴い、都市部における持ち家住宅として定着いたしました分譲マンションは、そのストックが約三百七十万戸に達し、約一千万人が居住するなど、国民住生活上、その重要性が増大しております。  マンションにおける快適な居住実現と良質な住宅ストックとしての維持保全に当たっては、その管理が適切に行われることが必要でありますが、マンション管理に当たるそれぞれの管理組合は必ずしも管理業務に精通していないこと、管理組合業務を委託している管理業者契約内容金銭処理等に関しトラブルを起こす例があること、マンション管理に関する専門知識を持った人材相談体制が不十分であること等、適切なマンション管理推進に当たっての課題が存在しております。  このような状況にかんがみ、本案は、マンション管理士資格を定め、マンション管理業者登録制度を実施する等マンション管理適正化推進するための措置を講ずることによりまして、マンションにおける良好な居住環境の確保を図り、もって国民生活安定向上国民経済の健全な発展に寄与することを目的として提案するものでございます。  次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、国土交通大臣管理組合によるマンション管理適正化に関する指針を定めることとするとともに、管理組合及び区分所有者マンションの適正な管理に努めなければならないものとし、国及び地方公共団体は必要な情報提供等に努めなければならないものとしております。  第二に、国土交通大臣登録を受けて、管理組合運営その他のマンション管理に関し、管理組合管理者等相談に応じ、助言、指導等業務として行うマンション管理士資格制度を創設するものとしております。  第三に、管理組合から委託を受けてマンション管理に関する事務を業とする者について、マンション管理業者としての国土交通大臣登録及び管理業務主任者制度を整備するとともに、その業務に関し必要な規制、監督を行うものとしております。  第四に、国土交通大臣は、管理組合によるマンション管理適正化推進を図ることを目的とする財団法人マンション管理適正化推進センター及びマンション管理業者業務改善向上を図る事業を行う社団法人指定することができることとしております。  第五に、宅地建物取引業者は、管理組合管理者等設計図書を交付しなければならないものとしております。  以上が、本案提出趣旨及び主な内容でございます。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようよろしくお願い申し上げます。
  4. 井上義久

    井上委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  5. 井上義久

    井上委員長 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として建設省建設経済局長風岡典之君、住宅局長三沢真君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 井上義久

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  7. 井上義久

    井上委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。樽床伸二君。
  8. 樽床伸二

    樽床委員 民主党の樽床でございます。ただいま趣旨説明がございました法案に対しまして質問させていただきます。  まず、今提出者の方からお話を聞かせていただきましたけれども、大体、聞きますと、マンションの住人が大変多い、そういう中で数々のトラブルがある、それを何とかしなきゃならぬ、ここのあたりでは、ほとんどの方、それはそうだ、このようにおっしゃるだろうというふうに思います。しかしながら、法律というのは、ただ単につくればすべてうまくいくというものでもないわけでありまして、また、そのつくった法律が当初予期せぬいろいろな弊害をもたらすということも当然考えられていくわけであります。  そういうような観点から、まず第一点目でありますけれどもマンション管理適正化推進センター指定につきまして質問をさせていただきたいと思うわけであります。  この第九十一条に、先ほどもお話がありましたように、民法上の財団法人指定する、たしかそのように明記をしてあると思いますが、既に指定対象となるような団体は存在しているんでしょうか。それとも、何か想定をされているんでしょうか。お伺いをいたします。
  9. 山名靖英

    山名議員 今回の法律作成に当たりまして、今、樽床委員がおっしゃいましたように、多くのマンションをめぐるトラブル、いわゆる区分所有者皆さんにとっては深刻な状況等がございます。今後の進展する居住空間としてのマンションの増加を推定いたしましても、今きちっとした対応が迫られているわけでございまして、マンション管理適正化を図る、そういう意味から、今御指摘のありましたマンション管理適正化センターというものを指定して、そして管理組合皆さん居住者皆さんのお役に立っていこう、こういう趣旨でございます。  この管理適正化センターというのは、当然、マンションに関する情報収集、あるいは苦情処理、あるいは調査研究、あるいは管理士に対する講習等々、非常に重要な役割を持っておりまして、このセンター重要性が極めて問われるわけでございます。  そこで、お尋ねの、既にこういった指定対象となり得る団体は存在するのかということでございますが、これは政府指定をするということになっておりますけれども、現在あります財団法人マンション管理センター、ここがその対象としてあり得るんではないか、こういうふうに考えているところでございます。  この現在の財団マンション管理センターという組織は、もう既に昭和六十年に設立された財団法人でございまして、現実業務の中で管理組合に対しましてその適切な指導あるいは相談業務を行っておりまして、一定の実績、業績というものをしっかり持っている、こういうふうに私ども考えておりまして、そういったところがその指定団体であろうか、こういうふうに考えております。
  10. 樽床伸二

    樽床委員 財団法人マンション管理センターというものを想定している、こういうことでありますが、この九十一条に「全国に一を限って、」このように書いてございます。要は、ここだけに任すんだ、こういう話であります。そうすると、私ども懸念といたしましては、特殊法人化していくのではないか、こういう懸念を大変強く持つわけであります。  特殊法人いろいろ話がありますが、特殊法人そのものをつくるときに、この特殊法人は悪いことをするんだといってつくる特殊法人は何一つないわけでありまして、こうこうこういうためにいいんですよといってつくるんですが、それが時とともにいろいろな弊害を生み、そして税金のむだ遣いにもつながる、そして社会の変化も妨げる、こういうことになっておりますものですから、与党の中からも、特殊法人は全廃すべきだ、今御答弁ありました山名先生のところでは、一たん全部全廃せい、このような主張をされておるやに伺っておるわけでありますが、そういうことにならないというお考えでございましょうか。そこはどうでございましょうか。大変大きな懸念を持っておりますが。
  11. 山名靖英

    山名議員 このマンション管理適正化センターが新たな特殊法人として、認知するというのは、いわば逆行じゃないかというお尋ねでございました。  現在存在するこの財団マン管センターといいますか、こういうところにつきましては、先ほど申しましたように、きちっとした業務体系を持っておりまして、それなりの信用を得ている、こういう団体だと思っております。  今回、本法においてそういったセンターを設けるということ自体が今の行革の中でどうかということでございますが、私ども、基本的には一定特殊法人見直しということを主張しておりますが、それは、要るものは要る、要らないものは要らないとして、きちっとした見直しをやろう、サンセット方式でやろうということであって、現実マンションをめぐるいろいろな幾多の課題考えたときに、私はこういったところできちっとした情報を提供し、あるいは苦情処理し、いろいろな情報を提供することについては、大きな、一千万にわたる居住者の役に立つという意味からも、決してむだな組織ではない、ある面では必要ではないか、こういうように思っておりまして、そういう認識、廃止の認識にはこの場合立っていないわけでございます。
  12. 樽床伸二

    樽床委員 財団法人マン管センターが、国がこれを指定するという、ここを想定しているということは、私はここの財団法人内容を細かくは知りませんが、恐らくほかのところよりは充実しているだろうという御判断に立ってされているだろうとは思いますけれども、これ以外のいろいろな、財団法人じゃなくても、自主的にいろいろなこういう活動を現在されておられるところもあるでしょうし、これからこういう問題がたくさん多発をしていきますと、NPOとかをつくって、こういうことに対して、自分たちも積極的に自分たちの意思でこういうことをやっていこう、こういう流れが出てくる可能性もある、このように私は思っているわけであります。  そういうこれから頑張ろうという人たちに対して、今の段階で最初に、マン管センターに任せます、どんともうここだけにやらせるんです、こう決めることによって、そういう新たな流れといいますか、出てくるであろう、実は、本当は期待しなければならないそういう諸団体に対するいろいろな制約ということになりませんか。どうでしょうか。
  13. 山名靖英

    山名議員 先ほど申しましたように、このマンション管理適正化推進センターというのは、マンションに関する多くのテーマについて取り組むわけでございまして、極めて重要な役割を果たさなきゃならない、本来、国土交通大臣の行うべき事務を分掌するという立場にあるわけでございまして、行政が行うべきものを一元的にかわって行うというわけでありますから、全国一に限る機関、こういうふうに位置づけているわけであります。したがって、適正かつ効率的な事務運営を図るというこの大事な一点を、一に限っての指定というふうにしたわけでございます。  それから、今御質問にありましたような、今現実の上で、管理組合含めて、ボランティアNPOあるいは弁護士皆さんマンションに対してのトラブルあるいはいろいろな課題に対して取り組んでいらっしゃる、そういう管理組合団体も当然いらっしゃるわけでございます。  このマンション管理適正化センターというのは、いわゆる業務独占ではありませんで、今まで活動していただいたNPOあるいは弁護士皆さん管理組合団体皆さんのそういった今までの業務規制するものではないわけでありまして、むしろ必要に応じて、それぞれの地域での連携が一層、私は必要になってくるんじゃないか。むしろ、そういった連携という意味では、大いにそれぞれがネットワークで結ばれることが必要ではないか、こういうふうに認識をいたしているところでございます。
  14. 樽床伸二

    樽床委員 連携が必要であるということで、そういうお考えはお聞きをいたしましたが、もし連携していくということであるならば、今現在、こういう方策をすれば連携できるんじゃないかというような方策を何かお考えでございましょうか。
  15. 山名靖英

    山名議員 具体的には、それぞれの団体皆さんからの御要望、それぞれあるでしょうけれども、想定できる連携というのは、例えば区分所有者皆さんに対する講習会、今現実にやっていらっしゃる団体があるわけでございますが、そういった講習会あるいはセミナー、こういったものも連携してできるのではないか。それから、共通した住み方に対するパンフレット、こういったものも、そういった意味では連係プレーの中で作成することも十分考えられるのではないか、こういうふうに思っているところでございます。
  16. 樽床伸二

    樽床委員 私もまだ大変懸念をいたしますのは、先ほどの御答弁にもありましたように、本来は行政がやるものを任せるんですよ、こういう御発言がございましたね。そこで、それに関連して、今の御答弁にも関連して、二点だけちょっと続けて質問します。  本来は行政がやるべきものをこういうところにお任せする、なぜ行政でやらないんですかというのが一つ。  それともう一つは、行政でやるところをここに任せる、そうすると、関連するほかの団体は、半分行政を見るような目で見るわけですね。そうすると、ただでさえ今いろいろな民間団体が、いかに霞が関の敷居が高いかということは、十二分に御認識されているだろうというふうに思います。中央の霞が関の方は、いや、我々、門戸をいつも開いているんですよ、いつでも言ってきてもらったらいつでも話をします、このようにおっしゃいます。  例えば、いろいろな地方自治体の意見を聞きましたか、民間意見を聞きましたか、こういうふうに質問しても、聞きました、こうおっしゃっているんですが、しかし、聞いても、例えば自治体であれば、都道府県が自治省からこれはどうですかと言われて、それは普通の現象は、自治省がこれは困るなというようなことは言わないわけであります。民間の人も、霞が関へ行って、通産省とか建設省に怒られるようなことはなかなか言いにくいというのが世の中の実態でありまして、そうすると、連携をとるといっても、結局は、そのほかのいろいろな熱意のあるところを逆に縛っていくというような傾向が出てきはしないかということは、いまだに私は疑念を感ずるわけであります。  以上二点、お答えいただきたいと思います。
  17. 山本有二

    山本(有)議員 先生指摘の、行革であり、規制緩和のこの時代に、いわば一見逆行するような、この団体の一に限ってという措置ではないか、さらに、NPOとかボランティアで一生懸命トラブル防止のために活躍されている人たちにとっては、自分たち活動がむしろ評価されずに、停滞の道をとる危険性はないかというような御指摘であります。  まことに先生の御指摘、さもありなん、こう思うわけでございますが、他方、我々が、このトラブルに対して、マンションに関連するトラブル、特に都市住民がますますふえようというこの時代に放置することはできないし、それを国の責任でやらなきゃならぬというその合意は、先生と私も共通なものがあると思います。  しかし、他方行政にこのゆえの窓口をつくり、人材を置き、また課をふやす、室をふやすというようなことになりますと、まさにこれこそが行革の姿勢に逆行するということになりますので、一種、ここの理念は、思い切ってアウトソーシングをした、ただし、しかしながら人材においては、マンションの問題というのは専門的な知識が必要でございます。また、技術的に特殊な面もございます。その意味におきましては、相当の練達の士を、マンパワーを養成しておく必要が他方にある、こういう分野でございます。  したがいまして、手なれた財団法人がありますし、また、そこに思い切ってかなりの責任を持ってもらう、そしてこの既存の団体を使うということにおいて、何か特殊法人をふやしていくとか、あるいはまたむだなものをつくるということが避けられるわけでございます。  特に、私どもが再三この面での議論をした、最終的にはどうしても国の責任があって、次に国のサービスがある。したがって、これは先生おっしゃるようにいろいろな団体に、届け出制登録制と同じように任せればいい、もしこういうことになりますと、それでは国の責任が逆に分散されて、議会等責任を怠っているという追及のときには、ほぼ自由に、NPO団体等おれば全部それは国が指定するということになりますと、逆に、議会やそのほか国民が国の責任を問うということにおいては非常に効率の悪いことになってしまうわけでありまして、その点において一に限った方が、すべての意味におきまして、国の方の責任を問うという意味におきましても非常にやりやすい、非常に効果的な、合理性のある仕組みになってくるだろうという点でございます。  責任を問い、かつアウトソーシング理念を全うし、さらに国のサービスを充実するという点においてこの方法がベストである、こういうことで御理解をちょうだいしたいと思います。
  18. 樽床伸二

    樽床委員 ベストであるというお話でありましたが、ベストなのかベターなのかよくわかりませんけれども、いろいろ苦肉の策で考えて、考えた結果だ、こういう御趣旨だろうというふうには受けとめるわけでありますが、しかし、その疑念を私自身が一〇〇%払拭できたかというと、それは一〇〇%ではないということは、ぜひともこの場で私は確認をさせていただきたいと思うわけであります。  そういう観点からすると、余りこういう追及型モードは、私は本来性格に合いませんので言いたくはないんですが、例えば、そのマン管センターですか、そこに俗に言う天下り、建設省からそこに再就職をされておられる、そういう方々はおられるんでしょうか。大体どういうような状況にあるのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  19. 三沢真

    三沢政府参考人 マンション管理センターは、現在、理事長以下十二名の理事及び二名の監事がおりますけれども、その中でいわゆる天下りといいますか、国家公務員経験者、これは定義といたしまして、公益法人の指導監督基準で、いわゆる所管官庁の経験者というものに該当する者、これは三名おりまして、ただ、この三名のうち常勤職員は一名でございます。
  20. 樽床伸二

    樽床委員 恐らく常勤の方は専務理事とかそういう役職にあられるであろう、大体これはパターン化しておりまして、大体そのように想像できるわけであります。そうすると、それなりの給与体系もあるであろうと当然思います。常勤だからほとんどボランティアに近い、こういうことはあり得ないわけでありますので。  そうすると、今は一名再就職をされておられる、こういうふうに認識をいたしますが、これを一に限って国が指定することによってそういう方がふえるという可能性はないと言いたいところでしょうけれども、世間の人はそうはなかなか思わない、こういう実態があるわけでありまして、いかがでしょうか。
  21. 三沢真

    三沢政府参考人 現状は、先ほど申し上げたとおり、常勤職員一名が建設省出身者でございます。  今後のことでございますけれども、仮にマンション管理センターがこの法律に基づくセンターとして指定された場合におきましても、私どもとしては、これは国土交通大臣指定するわけでございますので、指定の条件としても、組織あるいは人員についてはできる限り効率的なものにするように、こういう基本的な条件のもとに指定をするということを考えておりまして、これを機に、いわゆる国家公務員経験者をふやすということは考えておりません。
  22. 樽床伸二

    樽床委員 今の答弁どおりに、こういう指定を受けたことによってどんどん拡大をしていくということがなく、しかも国の責任というものを明確化するために一つに限ったんだ、こういう御説明でありました。であるならば、その国の責任をしっかり果たしながらも、有意の、思いのある方々を妨げないで、きちっと連携をしていくという運営をぜひとも心がけていただかなければならぬというふうに思っておるわけでありまして、そういうところから外れていけば、当然、大臣が指定するわけでありますから、指定を取り下げる、取り消すこともできるんだろうと思います。  そういう取り消すときに、おかしなことがあればちゅうちょなく取り消していくということを、提出者、どうですか、御意見
  23. 山本有二

    山本(有)議員 まさに先生おっしゃられるとおりでございまして、何らか不適切な点がございましたら、直ちに措置をし、健全化するという覚悟で臨んでいきたいと思っております。
  24. 樽床伸二

    樽床委員 この話はこのあたりでやめさせていただきまして、ちょっと私が仄聞をしていることで恐縮でありますが、本来は資料をだあっと調べてやらないかぬかったのですが、なかなか政局がいろいろありますもので、準備ができておりませんで申しわけございませんが、マンション管理士ということでありますけれども、まだ、今この法律で初めてマンション管理士というものをつくるんだ、こういうことですよね。  にもかかわらず、私どもの筆頭理事がこの法案を勉強するためにいろいろ本屋に行けば、もう既にマンション管理士になるためにはみたいなハウツー本が売っておる、これは一体どういうことなんだ、こういうことでありまして、そういうところから派生をすると、私はいかにもマンション管理士マンションのことはわかっています、こういうことを言って人をだましている人がかなりおられるんではないか、こういうこともちらちら耳に入ってきたりしておるわけでありますが、その点、そういう実態があるのかどうか、そしてまた、法律で決まっていないにもかかわらず、そういう本が出ておるというこの実態をどのように理解すればいいのか、提出者、いかがですか。
  25. 山本有二

    山本(有)議員 資格詐欺という一般的な犯罪行為の態様がございます。その態様の中に、マンションに関する、あるいは集合住宅等についての何らかの資格を有する、しかもそれが国家資格やに聞こえるようなものも散見されておりまして、特に関西地区であるというように聞いておるわけでございます。したがいまして、これにつきましては、特にトラブルが増加しつつあるという現状認識のもとに、さらにこの被害がふえるであろう、こう考えております。  そこで、マンション管理士はこれの名称独占をさせていただきまして、これに類似する資格の称号は使えないというように考え措置をさせていただいたところでございまして、先生の御懸念のないように、このマンション管理士、名称独占として適正な推進を行うのがこの法案だ、そう考えていただきたいと思います。
  26. 樽床伸二

    樽床委員 関西で多いということでありますが、大変元気がよくてなかなかたくましいものですから、自分たちで勝手にいろいろ、まあよく考えればマンション住民の方に理解をしていただけるような名称を自分でつくって工夫をされているんだろうというふうには思いますが。しかし、それで人をだましちゃいかぬわけでありまして、そういうことからすると、名称独占をするということであるならばなおさら、法律をつくってやるのである以上は、このマンション管理士というものが社会の中で後ろ指を指されないように、立派な仕事をしていくというようにぜひともしていかなければならないし、そのような方向性に沿っているのかどうか、まあ沿っているという答えでしょうけれども、改めて決意をお聞かせいただきたいと思います。
  27. 山本有二

    山本(有)議員 そのように考えておりますので。
  28. 樽床伸二

    樽床委員 別に初めから打ち合わせたわけでも何でもございませんので。  最後に、時間がございませんので一点だけ。  非常に具体的ではありますが、個人にとっては大きな問題でありますけれども、数々のトラブルの中でやはり金銭に関するトラブルというのが一番深刻でありまして、この金銭に関するトラブルを防いでいくためには、口座名は管理組合とか、印鑑は管理業者がちゃんとするとかいう、きちっとはっきりさせないと、口座を勝手に使って勝手に金を持っていく、こういうことをいかにして防ぐかということについてはっきりとはこの法案の中に、具体的には読み取れない、私の国語力ではそういうふうになっておりまして、そのあたり、いかがお考えでございましょうか。
  29. 山名靖英

    山名議員 七十六条に「財産の分別管理」、こういうところがございまして、  マンション管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産については、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。 こういうふうに規定をさせていただきました。  おっしゃるように、こういったトラブルが多いわけでございまして、マンション管理業者管理を委託している修繕積立金、その預金口座が管理業者のものとなっているために、その管理業者が倒産をして結局銀行に差し押さえをされてしまった、これは裁判になりまして、結局は管理組合に帰属をするということが二審で決まったわけでございます。  こういったこともこれから当然予想もされますし、こうしたトラブルの発生につきましてやはりしっかりと防いでいかなきゃならない。こういう観点から、マンション管理業者の自己の財産と分別して管理をさせるということが重要であって、本規定を設けたところでございます。  お聞きしますと、管理業者名義となっているものがまだ一五%ほど存在をしているようでございまして、これはやはりきちっとやらぬといかぬなということでございます。  御指摘のとおり、口座は管理組合、印鑑は管理業者、こういうような形の分別はどうかということでございますが、当然そういうこと等も含めまして、分別管理を徹底するようにこれからもしっかり取り組んでいかなきゃいけない、こういうふうに考えているところです。
  30. 樽床伸二

    樽床委員 時間が参りましたので終了いたしますが、結局、マンションのことについて今一点だけ具体的に質問しましたけれども、恐らくこの一点だけじゃなくてほかにもいろいろなことがあるだろう、そうするとかなりやらなければいけない仕事も膨大になってくるということでありますから、なおさら、一に限ってマン管センターに任せるということに対して厳しい目をもって臨んでいただかなければならぬ、このようなことを重ねて申し上げまして、私の質問を終了いたします。
  31. 井上義久

    井上委員長 山田正彦君。
  32. 山田正彦

    ○山田(正)委員 自由党の山田正彦です。  マンション管理適正化推進に関する法律案なんですが、現在、行革行政改革の流れのもとに、各種審議会とか財団法人社団法人等も含めていわゆる官の天下り先あるいは無用な資格、そういったものについてはできるだけこれを整理して廃止していかなきゃならない、そういう流れの中で、うちの党としても随分、きょうも朝から大分部会でいろいろ討論したんですが、その点について、まずいろいろ疑念をお聞きしたい、そう思っております。  財団法人マンション管理センターについてと、もう一つ社団法人高層住宅管理業協会、いずれも今度の法案で、九十一条と九十五条、それぞれに一つ法律の中で指定する機関となるようですが、こういう財団法人社団法人はいつごろ何のために、そしてどのようにしてできてきたのか、その維持費、予算措置等についても、ひとつまずお答えいただければと思います。
  33. 石原伸晃

    ○石原議員 山田委員指摘のとおり、私どもも、本法律案を発議するに当たりまして、以上の点には大変留意していかなければならないという基本的な立場は同じでございます。そして、九十一条で御指摘されましたような点につきまして今私どもで一応調べてはまいりましたが、私ども答弁で不十分でありましたら行政の側が詳しくお答えになると思いますが、知り得る限り、現状につきまして、マン管センターと高層住宅管理業協会の実態について御報告をさせていただきたいと思うんです。  いわゆる財団マン管センターには、理事長さんのほかに、先ほども答弁ありましたように十二名の理事の方と二名の監事がいて、そのほかに学識経験者とか民間企業出身者のメンバーがたくさんいまして、常勤は、先ほども出ておりましたけれども専務理事の方が一名。  当センターの財務状況ですけれども、これは公表されているものを引いてきただけで恐縮なんでございますけれども、平成十一年度決算による当期収入というんですか、これは十一億八千七百万円、そして支出は十一億八千二百万円ということでございまして、その収入の内訳についてでございますけれども、そのセンターへの登録料収入ですか、そのほか基本財産がございましてこれの運用収入、そして今問題になっておりますようなKSDのように、所管官庁である建設省から補助金の交付はないと聞いております。不十分でございましたら、役所の方に尋ねていただければと思っております。  また、もう一点でございます高層住宅管理業協会につきましては、十一月現在でございますけれども、こちらは多くて、理事の数が二十四名。このうち、やはり建設省の出身の方が専務理事に一名いらっしゃる。常勤一名、非常勤二十三人。役員もちょっと御紹介させていただきますと、会長に住友不動産の安藤さん、あるいは理事長に株式会社東急コミュニティーの川崎さん、そのほかこういう住宅産業に関係あるところの方々が理事として入っていらっしゃる。  同じく財務状況につきましては、これは十一年度の決算でございますけれども、収入が二億八千万、支出が二億九千万で、収入は、こちらは会員組織でございますので、会員からの会費収入と、研修事業等を行っての収入と聞いております。以上です。
  34. 山田正彦

    ○山田(正)委員 今お聞きいたしましたが、私の手元にあるこのいただいた資料によれば、マンション管理センター、高層住宅管理業協会、このいずれも、その目的事業内容は違いがあるのか。この中でいきますと、いわば居住住宅の向上及び都市のスラム化の防止を図っていくんだ、いずれも目的はそういう内容、まあ表現は違いますが。その事業内容にしましても、マンションの適正な管理への指導相談とか、その管理技術等に対する調査研究とか、実質的に同じだと。そう思われますし、これは要らないのじゃないのか。要るとしたら、どっちか一つでいいのじゃないのか。  また、先ほど登録料と言いましたが、登録料収入が十億幾らあるのか幾らか知りませんが、これはどういう意味で、例えば、我々行政改革の中で一番問題なのは、やはりこういった登録料。登録をさせることによって民間からそれだけ無用なものを吸い上げていく、そういう行政のむだというか、いわば官の天下り先、そういった者たちがそれで食べていくと。  それで、石原議員にもう一度その点について、随分行革等では御活躍なさっていて、常日ごろから尊敬いたしておりますが、これについて、はっきりと石原先生の御意見としてお聞かせ願えればと。
  35. 石原伸晃

    ○石原議員 山田委員の御指摘は、調査室が出しました資料からお話をされていると思うのですが、私も見まして、事業のところを今御開陳されたと思うのですが、マンションの云々、マンションの云々とそのマン管センターの方は言っておりまして、高層住宅の方は、高層住宅の、高層住宅のと言って、後段の部分は非常に類似するものがあると私も思います。  会の設立の生い立ちというものがやはり財団法人社団法人ということで違うという点がございますし、また、どちらかと申しますと、高層住宅協会は、先ほどちょっと御紹介させていただきましたけれども、こういう高層住宅の事業に関連している会社が会員の方として、多く構成員として入っている、そういう若干の違いはあると思うのでございますが、委員の一番の御趣旨は、行政改革の趣旨に反しないか、こんなもの一つにしてしまえと。  この話は、きっとマン管センターの方や高層住宅協会の方も聞いていらっしゃいますから、一義的にはこの二つの法人の方がお考えになることだと思いますけれども、私は、やはりこのマン管センターの方は、どちらかといいますと、管理組合によるマンション管理適正化を図るために、目的として、管理組合管理者やマンション管理士に対する講習や、いわゆるマンションに住んでいらっしゃる方、区分所有者に対する、区分所有者といっても住んでいる方はそういう意識はなくて、自分はただマンションに住んでいるんだというような意識があるだけでございますので、そういう方々に対する啓蒙活動あるいは広報活動ということを、国の責務にかわって、今度、この財団の方がなる可能性が高いわけですね、マンション管理適正化センター指定される可能性があるのではないかという答弁がありましたけれども。そんなこともあるんだと思います。  そして、これから重要なことは、やはり行革というものは、これは与野党を超えて、むだなものを排していく、そして民間にかわれるところは民間にかわっていくということでございますので、委員の御指摘のとおり、長い目でいきますとさまざまな変化が起こってくる。私どもはやはりそういうものをしっかりと、この法律案をつくった、御賛成をいただくのであるならば、やはり注意深く、できるもの、指定されるものを見守っていかなければならないのではないかと今のところ考えております。
  36. 山本有二

    山本(有)議員 財団法人マンション管理センター社団法人の高層住宅管理業協会を一つにしたらという御提案でございますが、御承知のとおり、財団法人マンション管理センターの方は管理組合に対する支援団体でありまして、さらに社団法人の高管協の方は管理業者の方の研修、育成の機関でありまして、双方、管理組合管理業者は利益が相反する場面が大いにあるわけでございまして、これを一つのもので管理するということの方がむしろ不自然になってくるわけでございます。  その意味におきましては、別個の団体がそれぞれやっていくということの方が、事の次第、利益相反の実態からしまして適切であるというように思います。  そして、財団法人マンション管理センター登録料につきましてでございますが、一件、一つマンションにつき五千円でございます。これによりまして、マンション管理センター通信という月刊誌が来るわけでございますが、これが高いか安いかというようなことになりますと、人それぞれの考え方があると思いますけれども、この登録をすることによりまして、講座やセミナー等に参加もできるわけでございますし、また相談の受け入れもするわけでございますので、私といたしましては、これは極めて適切な料金であろうというように考えるところでございます。
  37. 山田正彦

    ○山田(正)委員 今の山本先生の御説明ですと、いわゆる業者と管理組合とは違うんだ、そういう見解でございましたが、いずれにしても、こういういろいろな助言とか指導とかというのは、当然のことながら、先ほど田中先生も、本屋に行ったらいろいろな本もあったとか、いろいろありますように、本来、よりよく競争で、民間でうまく管理していく、格安で管理していく、いわゆる登録料等を唯一の機関として取ったりせずにやっていくのが当然のことであり、押しつけみたいに雑誌を配ることによって、それが安いの高いのという問題じゃない、私はそう考えております。  ちょっと私の持ち時間もそんなにありませんで、次の質問に入らせていただきますが、まず、今回のこの法案そのものの必要性。  例えば、今度のマンション管理適正化推進に関する法律で、実際に、マン管センター財団法人とか先ほどの社団法人等が、そういった指導、いろいろな助言等を、あるいはいろいろな研修等を本当に機能して行っていれば、実際、このようなトラブルが発生して、新たに管理士をつくらなきゃいけない必要があるのか。どこにこの法案をつくる必要があるのか、管理士資格を設けなきゃいけない必要があるのか、それについて、大変基礎的なことでありますが、お答えいただければと思います。
  38. 石原伸晃

    ○石原議員 先ほど山名議員の方からも御説明があったと思うのですけれども、やはりさまざまなトラブルが出てまいりまして、既存の団体、あるいは住んでいらっしゃる方は地域に住んでおりますので、地方の行政の方に御相談に行かれることが多いと思うのですけれども、そんな中で、この問題の解決というもの、さまざまなトラブルがあると思いますけれども、なかなか解決をすることができない。そして、国の方としても、一元的にこの問題に対処するというような法律がないわけでございます。  そこで、この法律の第二章に「マンション管理士」と、第六条から四十三条まで詳しく書かせていただいておりますけれども、こういう方をしっかりとつくらせていただくことによって、区分所有者、いわゆるマンションに私はただ住んでいるだけなんだ、だけだけれどもトラブルが起こって困っていらっしゃるという人たちに対して適切なアドバイスをしていただく。  さらには、管理業というものが存在しておりまして、聞くところによりますと、管理業というものはかなり割と事業収益を上げているところもあるそうでございますが、安かろう悪かろうみたいな管理者もいるし、ただほうきで掃いているだけみたいな管理管理しているのだというようなところもある。こういうものをしっかりと一元的に国土交通大臣のもとに法律として体系づける。  そんな中で、さまざまな、私も東京都出身でございますけれども、実は東京都なんかで見ますと、昭和三十九年のオリンピックの後建ったかなりの、マンションと言われる集合住宅がこれから建てかえを迎えてくる。こういう問題の対処ということをやはり考えていきませんと、住んでいる方の高齢化も進んでいるし、それがまたスラム化していってしまう。そういうところまでにらんで、今回はマンション管理適正化推進に関する法律案としてマンション管理士マンション管理業についてしっかりと定めた、そのように御理解をいただければと存じます。
  39. 山田正彦

    ○山田(正)委員 今、石原議員は、法律がないからつくったと言っておられましたが、私の調べる限り、いわゆる宅建業法あるいは区分所有権の法律、民法の委任、委任状の規定、そういうところにおいて、今度の法律がなくても十二分に法律としては整備されている、そう思いますが、いかがですか。
  40. 原田義昭

    ○原田(義)議員 山田委員の御質問に、私どもこういうふうに考えております。  御承知のように、集合住宅については、例えば区分所有法等も整備されておりますが、これは基本的には民事法の枠内のものだと私は理解しておりまして、ただ、冒頭でも説明いたしましたように、もう既にいわゆるマンション、住宅専有のものがストックで三百七十万戸、一千万人に及ぶ。この大部分の住人は法律的な、また技術的な知識にも疎く、やはりここでマンションだけ、住宅部分だけに焦点を当てた行政的なアプローチが必要ではないかな。ですから、そういう意味では、民事法だけでは十分ではないので、行政的なアプローチということで今回の法律案を位置づけていただきたい、こういうふうに思っております。
  41. 山田正彦

    ○山田(正)委員 行政的な立場での法律と言いますが、宅建業法、この中には、まさに宅地建物取引主任に対して、重要事項の説明の中でそれこそきちんと、建物区分所有、いわゆるマンション等についても説明をしなければならない、いわゆる説明義務というのは書かれておりますね。  例えば、その中に、これは建設省令を定めるもの、区分所有についてはそれも入っているわけですが、建設省令を調べてみますと、いわば十六条の二に「当該一棟の建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額」とか、修繕等についても、すべて、言ってみれば宅建業者の方で説明義務がある。いわゆる行政的にいっても法律で十分にいわば担保されているのではないか。なぜ新たにこういう法律が必要なのか。山本議員に。
  42. 山本有二

    山本(有)議員 先生のおっしゃる意味は十分よくわかります。実際に、現在のマンション管理に関するトラブル、それは一番が区分所有法を知っていない。知っている人はアンケートでは約一割でございまして、法律があるからトラブルがない、というよりも、法律を知らないからトラブルが出てきた、こういう現状認識であります。  特に、建設省関係団体相談窓口に相談の数は年々ふえておりますし、地方公共団体における相談窓口も、衆議院調査局建設調査室がつくりました参考資料の五十六ページにも、両面にわたって、これほどの市町村が、あるいは都道府県が相談窓口を設置しなければならない状況になってきている。さらに、東京都におきましては、分譲マンション管理アドバイザー制度をことしから設けることになりました。  というように、法律での整備はできている。けれどもトラブルはひっきりなし、徐々にふえる。そのトラブルをどう未然に防止していくか、ここにこの法律の意義がございまして、そのための、どうしてもこの法律が急がれる、その必要性もこの実態にあるということを御理解いただきたいと思います。
  43. 山田正彦

    ○山田(正)委員 山本議員弁護士をなさっていてよく御承知だと思いますが、私も長い間弁護士をやってきますと、建物のトラブルは多い。特に多いのは、やはり建築に関するいろいろなトラブルが一番多い。マンションのこういうトラブルももちろんありますが。いろいろあるトラブルの中のごく一部のトラブルであって、それが、どの部分がいまだ法律規制されていないからこの新しい法律が必要だと。トラブルはどこでもある。それを未然に防ぐために宅建業法とかあるいは今回マンションの建物区分所有法というのは、よく読めば読むほど非常によくできている法律で、裁判所の救済の申し立てもできるようになっているし。それを知らないから、法律を知らないからトラブルが発生するという意味では、何でもトラブルはいろいろあるわけですから、だからそれは理由にならないのではないか。  まあちょっと待ってくださいよ。そういう意味で、私が本当に問いたいのは、石原議員が言ったように法律がないから、あるいは必要だというならば、どの部分がこの法律で。トラブルはいつでもあるのですよ。どんなトラブルでもあるのですよ、建築請負契約にしても何にしても。法律があるから相談窓口もあり、民事裁判もあるわけだし、弁護士もあるし、あるいは宅建業、今資格を持っている取引主任、これも当然区分所有権については、マンションについては当然いろいろなことを知り、そして図書も交付しなければいけないようになっている、図面も構造についても。そして、考えれば、何もこういう法律をつくる必要はないじゃないか、トラブルを未然に防止するために。法律がないのなら話はわかる。その点について、ひとつ明確にお答えいただきたいと思うのです。
  44. 山本有二

    山本(有)議員 まず、この法律のフォローをしよう、後見的な立場でトラブルを未然に防ごうという考え方は三分類ございます。  第一分類は、マンション管理士というものの設立によってトラブルを未然に防ぐわけでございます。  マンション管理士マンション居住のプロでありまして、高度な知識を持っております。例えば、マンションでペットを飼ってはならないか、ペットを飼ってもいいのかということがよくわからなかったので飼ってしまったというときに、宅建業者の方からの説明で、管理規約があるから見ればいいと言われた、しかし管理規約は現実になかったということになりますと、区分所有法がありましても、あるいは宅建業法で重要事項を説明いただきましても、管理規約がないことにまではこの皆さんの御努力は及ばないということになった場合に、このマンション管理士が、管理規約はこうやってつくられたらどうですかという管理組合へのアドバイスによってそれが整理整とんできて、未然に、小さな犬は飼っていいけれども牛は飼ってはいけないとかいうような、きちっとした形での規約ができるわけであります。  次の分類に行きましたら、例えば、これはやはり管理組合に対する情報提供、後見的役割になりますけれども、先ほどのマンション管理適正化推進センターであります。このセンターで、基本となる、例えば長期修繕計画はこのようなものが適切ですよという情報を得た、ここからの資料提供で情報を得た。私のマンション管理費が高いから、前のマンションから引っ越してきた、今は管理費が安い。しかし、このマンション管理適正化推進センターからの資料をよく読むと、長期修繕計画の積立金が今のマンションにはないことがわかったということになりますと、これは、三十年ぐらいしたら、修繕計画がないわけでありますし、管理費の中の修繕費への配分がゼロでありますから、安いに決まっている、安いけれども建てかえられないといったときにはもっと困ってしまうわけであります。そういうトラブルがこの段階で発生するわけでありまして、その意味での、長期修繕計画等はありますかありませんかの、例えば後見的な情報提供がある。  最後に、第三番目になりますが、これは管理業者のことでございます。  管理業者につきましては、御承知おきのとおり、家の管理あるいは居住区間の管理というのはバケツ一つ、ほうき一本で始められるといえば始められます。したがいまして、それは底辺は非常に広うございますが、しかし、これほど豊かな国になり、これほど快適性を要求する都市居住実態になってまいりますと、どうしても業者におきます不適格者というのが必ずいるわけでございます。しかも、業者の水準は資質が高くてさらに技術が高い、こういうことを求められるわけでありまして、これは国民的な大変なニーズだろうと私は思います。そのニーズに的確にこたえなければならない。  その意味におきましては、業者の育成、研修等々が絶対に必要でありまして、これは法律に任す以外にはないと私は考えておるところでございます。
  45. 山田正彦

    ○山田(正)委員 山本議員は、未然に防ぐために助言とか指導とかそういったものが必要だという趣旨だと今の説明考えられますが、私が質問したのは、いわば法律で、こういう法律がないから必要だということについてひとつ明確に言ってくれないかと。まあ結構です、私の持ち時間がなくなってきた。
  46. 山本有二

    山本(有)議員 一つだけ。例えば、最後の業者の育成のことだけ取り上げますと、例えば調理師法がございます。調理師という資格が国家試験の中にあります。この目的は、その調理師たる者の資質を向上させることにより調理技術の合理的な発達を図り、もって国民の食生活の向上に資することを目的とする、これだけでも、法律として、しかも資格として必要だ。こういう法律他方にあるわけでございまして、法律におきましては、この調理師法、だれでも料理はできます、だれでも料理はできますけれども、調理師という資格をもって国民の資質を高めよう、こういうわけでありまして、その法律も既にあるわけでございます。
  47. 山田正彦

    ○山田(正)委員 調理師の資格と今言ったように、ではどういう、フグは調理師しかできないかもしれないが、ではこのマンショントラブルについては、弁護士もいるし、建物土地家屋取引主任も十分な資格試験をもって登録されて、ちゃんとその相談にたえられるようになっている。それなのに、屋上屋を重ねるようにこういう資格というもの。ちょっと私が調べただけでも、国が法令に基づき設けている資格制度は既に二百八十もある。我々は政治家として、ここに議員立法されている先生方もみんな含めてですが、今そういったものを一つずつ整理して少なくしなければならない、これは大事な我々政治家の職務である。それでいながら、こうしてやっていく。  もう一つ、どうしても聞かなきゃならないのは、この法律の中で、マンション管理士、それともう一つマンション管理業務主任者、これは全く同じ仕事の内容なんじゃないのか。これを一方は財団法人マン管センター、一方はもう一つ社団法人、これでそれぞれ資格試験をしていく。そうなっていくと、いわば宅建業法の資格だけでも毎年三十万人もの人が多いときは受けている。その試験料、登録料その他の収入、これを二つの社団法人財団法人に分けて、しかも全く同じような仕事をいわば取引主任とマンション管理士と二つに分けてやっていく、どちらも試験をする。こんなばかなことをやっていく、そういうけしからぬことを私は許せない、そう思って、実は反対したいと思っております。  時間が来たので、本当は二時間ぐらいいただいて徹底的にやろうと思っていたんだけれども、きょうはこれで質問をやめます。
  48. 井上義久

  49. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。  分譲マンションが、都市型持ち家住宅の主流としてストックが既に三百六十八万戸に達して、居住者も一千万を超えております。この適切な管理維持そのものが、社会的にも重要な問題となっています。そういう中でトラブルも急増しており、この分譲マンションは、都市居住の利便性や職住接近を求める勤労者の要求を背景に、二十一世紀には都市勤労者の持ち家住宅としてさらに多数を占めていくと考えられます。この住宅ストックの良好な維持を図り、マンション居住を快適な都市型コミュニティーとして育成するためのしっかりとした対策が必要だと考えます。  その上で、今回のマンション管理に関するこの法案を考えたときに、主役であるマンション居住者の方の立場をはっきりしておくことが必要ではないかと考えます。そのためにも、マンション管理の主体が管理組合である、このことをこの法案の目的にきちんと明記をする、このことが必要ではないかと思いますが、提案者の方、いかがでしょうか。
  50. 原田義昭

    ○原田(義)議員 お答えをいたします。  マンション管理区分所有者責任と権限で行われるということは当然でございます。先ほどの山田委員に対しても多少お答えをいたしましたけれども、区分所有法においても、これは全員で管理組合を構成する、こういうふうな規定にもなっておるわけでありますが、この区分所有法は、基本的には民事法の枠内の規制といいますか調整をした法律と私ども理解しておりまして、あの中には、例えば事務所とか店舗とか、本来民事上の規制でたえられる方々が混住しておる、それをこの区分所有法が規定しておるのではないか。  今回のマンション適正化法につきましては、それに対して、多くのマンション住民がいろいろな観点から新しい時代において重要な位置づけになっておるわけでありまして、そういうことで、今回のマンション管理主体がこの管理組合であることを当然の前提として、なお、第四条において、マンションの適切な管理に関する管理組合等の努力義務を規定しておるわけでございます。ですから、目的の中には規定をしておりませんけれども管理組合重要性認識して本法律案は構成されているということを理解していただきたいと思います。
  51. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 ぜひその趣旨でお願いしたいと思います。  次に、国及び地方公共団体責任を明確にする上で「国及び地方公共団体措置」、この部分については、ぜひ責務規定として、いわば努力義務ではなく義務とする、こういう対応が必要ではないかと思うんですが、提案者の方、いかがでしょうか。
  52. 原田義昭

    ○原田(義)議員 法律案の五条に「国及び地方公共団体措置」ということで、国及び地方公共団体は、マンション管理適正化に資するため、管理組合またはマンション区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるように努める、こういうような努力義務が課されておるわけでございます。  マンションの実態からいたしますと、大都市圏に偏在しておる。公共団体によって、非常にこの問題が多いために、知識、いろいろ対応策が集積されておるところですね、地方には押しなべてこういう問題が少ないわけでございますけれども。そういう観点から、全国的な施策の水準を底上げするというようなことで、国がマンション管理適正化のための全国統一的な制度的枠組みをつくる、その推進を図ることとしているわけでございます。三条にも、管理適正化指針というものを国土交通大臣がつくるということにもなっておりますけれども、そういう観点から理解をしていただきたいと思います。  地方公共団体においては、これらの制度的な枠組みを活用いたしまして、マンション管理組合等に対する情報やら資料の提供、相談窓口の開設、専門的ないろいろな支援体制、これを行うということが望まれておりまして、いずれできるであろう適正化指針にも、地方自治体のそういう役割相談窓口をつくれとか、どういう要領でやるべきだというようなことも当然この中に入ってくるんではないか、こう思っておるわけでございます。
  53. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 マンションそのものは、もともと共有部分が実際にありますので、大きなマンションですと公園もありますし、当然その中には道路もあるわけです。その点で、やはり地方公共団体、自治体の具体的な施策が欠かせないというふうに思うんです。自治体の基本的な役割は、消費者保護またはまちづくりの立場からも、個別のマンション建設に対する具体的な指導や入居後の管理組合の支援を行うことにあると考えます。地域内のマンションの現状をよく把握して、建物の維持や更新への適切な指導と援助を行うこと、管理組合を住民組織としてきちんと位置づけてその活動を支援することが必要だと思うんです。  私が心配をするのは、今回、マンション管理士、このようなものがつくられることで、このマンション管理士にいわば行政の肩がわりをさせるようなおそれがないだろうか。行政相談に来たらマンション管理士の方を紹介して、これで事足れりとする、こういうことでは問題であるわけですから、この点で、この問題の指摘はいかがでしょうか。
  54. 山本有二

    山本(有)議員 決して行政の肩がわりではございません。管理士管理組合にできることは、指導、助言その他の援助と法文にも書いてありまして、その条文の範囲の中でしか活動ができないということが一つと、もう一つは、管理士は、知識の足らざるところ、あるいは適切な知識の運用というような意味での存在でございます。  先ほど先生が御指摘になられました、いわば町内会には市町村が支援をするけれどもマンション管理組合には町内会的な、人数はあっても、支援がないではないか、あるいは、道づくりとか公園等については、マンションの敷地の外の公園には補助事業でいろいろなものができてくるけれども、そういったものがマンションの中の公園には何もないのではないかというような御指摘については、管理士ができるという域を超えております。  すなわち、これから先生方と御一緒にそういった問題に我々も取り組んでまいりたいと思うことでございまして、まだまだ、これからこの法案ができたといたしましても、さらに取り組まなきゃならぬ課題という認識でございます。
  55. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 行政が大きな役割を果たしていく上で、私は、国や都道府県及び指定都市のレベルではマンション管理支援を担当する専門部門を設置する、また、市町村においては多数のマンションが立地しているところもありますから、こういうところも含めて専門部門をきちんと行政の中に置くということが必要なんじゃないか、その際、マンション管理組合の意見がきちんと行政に反映される、こういった仕組みをつくるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  56. 原田義昭

    ○原田(義)議員 それぞれ自治体、さらにはその地域の実情、マンションの多さとかそういうことも含めて、委員がおっしゃるように、行政も必要に応じてそういうことになろうかと思います。もちろん住民の意見が、また管理組合意見がそのまま行政に反映されるかどうか、これははっきりわかりませんけれども、少なくとも行政の側も、先ほどの条文にもありますように、そういうような努力をしなければならない、こういうように思っております。
  57. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 次に、マンション管理士についてでありますが、本来管理組合の立場に立つべきマンション管理士が、管理業者の従業員として区分所有法上の管理者となることも考えられるわけです。その場合、管理業者の従業員の立場から、例えば大規模修繕の際などに、利益誘導的な、業者のサイドの立場に立つような、そういう問題の起こるおそれはないのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
  58. 原田義昭

    ○原田(義)議員 まず、整理しなきゃいけないのは、区分所有法上の管理者は、当然、住人というか区分所有権者の代表として活動するわけでございます。管理士役割というのは、先ほどから出ておりますように一定の専門的な知識、知見を有する資格者でございます。  ですから、法律上は当然にそれを排除するということにはなっておりませんけれども、しかし、今委員指摘いただきましたように、あるときにはその管理者、管理者というのはこれは組合の管理者ないしは区分所有権者、マンションの住人と、業者に特に関係の深い管理士が任命されるということによって、よく双方代理の禁止というのが民法にございますけれども、利益、利害が反する場合もあり得ると思いますから、法律上はそれを禁止するわけではありませんけれども、余り望ましいことではないな、また、仮にそれがそういう活動をしまして万が一違法と思われるようなことになれば、後の規定に出てきますように、資格の剥奪とかそういう監督、規制を受けるわけでありますから、今の委員へのお答えとしては、余り望ましいことではないというふうに私ども認識しておるわけであります。
  59. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 マンション管理管理組合が主体でありますし、マンション管理士資格を持った管理会社の従業員が管理者となることは、組合員にとって不利益となるわけです。今お話がありましたように、望ましいことではない、この立場での慎重な対応が必要だというふうに考えます。  次に、マンション管理士指定試験機関、そして指定登録機関、ここはどこを想定しているのかということです。あわせて、この管理業の業界と明確に区分される必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  60. 原田義昭

    ○原田(義)議員 マンション管理士の試験の試験機関、登録機関として、今のところ財団法人マンション管理センター指定法人として申請をしてくるのではないかなというふうに想定されております。  当該センターが本法律案に基づく指定法人として申請してきた場合、この法律案には詳しくその要件、監督等々が規定されておりますけれども、十分にこれを審査した上で指定するか否かが検討されるのではないか、こういうふうに思っております。
  61. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 そのマンション管理センターの問題ですけれども、この運営の現状についてはいろいろな問題もある。このことについては、私どもの緒方靖夫参議院議員が、ことし四月の国土・環境委員会指摘も行いました。リフォームローン利用のための保証料の問題ですとか、登録料の問題もありますし、天下り中心の役員構成などの問題点を指摘し、当時の中山建設大臣が検討を約束されましたけれども、この指摘を受けてどのような検討を行ってきたのか、建設省にお聞きしたいと思います。
  62. 三沢真

    三沢政府参考人 マンション管理センター業務運営改善の件でございますけれども、これにつきましては、マンション管理センターの方に、大学の先生とか弁護士の方等にも入っていただきました、有識者から成ります検討委員会を設置いたしまして、今まで業務の検討を行ってきたところでございます。  それで、この結論が八月に出ておりまして、基本的には、今回の検討の観点は、やはりセンターの本来の目的である管理組合の支援、そういう観点から、より地域の実情に即したきめ細かいサービスをやっていく、そういうことから、どういうことを体制整備していったらいいか、そういうことも含めましての検討でございます。  例えば、いろいろな相談体制あるいはセミナーの体制につきましては、今までどちらかといいますと大都市中心の体制であった。これは、やはりいろいろなセミナー、相談会を開催するような都市については、県庁所在都市等やはり地方都市まで拡充していくとか、それから、多少細かい話でございますけれども、やはり参加しやすい曜日、そうすると、今、できるだけ例えば土曜日なんかにもきちっと開催するとか、そういうことでありますとか、それから、やはり地方都市へのサービスの拡充を図っていくためには、できる限り効率的な姿ということが前提でございますけれども、やはり段階的にいろいろな支部を設置していくとか、そういうようなことが提言されております。  それから、債務保証事業のあり方でございますけれども一つは債務保証事業の拡充ということで、債務保証の対象機関とか対象地域、これは従来、沖縄の振興開発金融公庫が沖縄で融資する場合については債務保証を行っていなかったわけでございますが、これについても拡大していこうというような御議論。  それから、保証料率のお話がございましたけれども、保証料率についてはいろいろ御議論をいただきましたけれども、これについては、マンションの建物の耐用年数から判断すると、今後その保証の対象となるようなマンションというのはだんだん築後の経過年数がふえていくというようなこととか、それから、マンションはやはり大都市圏に現在集中しているという立地特性、そうしますと、やはり地震等の都市型災害への対応というものも、そういうリスクについても十分考えていかなければいけないということで、保証料率そのものについては当面据え置くことが適当であるというような御提言も受けております。  それから、登録料につきましては、今まで一棟ごとに登録する、一棟当たり五千円ということでございましたけれども、これを一組合当たり一登録ということにすることによって、実質的に登録料の引き下げにつながるような措置を講じていこう、こういうような御提言もいただいておりまして、そういうことも含めまして、センターとしてはこれから業務改善を図っていくというふうに聞いております。私どもも、センターへ対しましては、その業務運営につきまして常に必要な点検は怠らないようにきちんと指導していきたいというふうに考えております。
  63. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 登録料についての前向きな検討をぜひお願いしたいと思います。  あわせて、保証料の問題ですが、このリフォームローン利用の際の保証料、十四年間集め続けて代位弁済の件数がゼロということを見ても、もともとこの仕組みそのものが、返済を滞らせるような管理組合には貸し付けない、こういう定めがあるわけですから、実態として問題の起こるような管理組合に貸していない、だからこそ代位弁済はないというような状況もありますから、今お話しのような保証料率を見直さないということについても、やはりこれについて改めて検討を行うべきだと考えます。  それから、マンション管理士制度ができることにより、提案者が意図していないような事態も生まれるんじゃないかというふうに思うんですが、マンション関連の幅広い業界に不利益が生じないような対応というのをぜひ進めるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  64. 原田義昭

    ○原田(義)議員 マンション管理士は、もう既に説明があっておりますように、管理組合によるマンション共用部分の管理等につきまして、管理組合やら区分所有者に対して必要な助言を行う、駐車場の問題とかペット問題、居住者間の相互の関係、マナー、いろいろトラブルというのは無限にあるわけでございますから、そういうものに十分対応できる人格、識見も含めて、知見、専門的な知識がある方が任命されるわけでございます。また、それを維持するために、名称独占という非常に権威の高い役割が与えられておるわけでございます。  翻って、もう既にしていろいろなこういう役割をやっているいわゆる業者といいますか、そういう方もたくさんおられるし、また、民間資格でもってやっておられる方もあるいはおられるのではないかと思いますけれども、これはその人との間を、これをやっちゃいかぬという、業務を独占しているわけじゃありません。ただ、事実上、その仕事がラップする部分があるのも事実だろうと思います。そこは、この管理士制度が実施に移されて普及される過程でおのずから調整が図られていくのではないか。また、必要ならその方々が管理士の勉強をしてその資格を取るというような形での解決も図られるのではないかな、こう思っております。
  65. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 この管理士制度をつくることによって、それぞれの管理業にかかわる業界の皆さんにとってもきちんとしたルールにつながるような、そういう制度的な保証につながることを望むものです。  次に、マンション管理適正化指針についてでありますが、これは具体的にどういう中身になるのか。ぜひその際に、内容を肉づけするときに、管理組合ども参加をした検討委員会のようなものをつくるのはどうなのか。管理組合意見をしっかりと反映させるような仕組みにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  66. 原田義昭

    ○原田(義)議員 このマンション管理適正化指針、これは第三条に規定されておるわけでございます。国が全国マンション管理について、自治体によってでこぼこがございますから、恐らくその必要最小限度のきちっとした水準をこの規定の中でつくって、そしてそれを公表する、その公表された指針に基づいてそれぞれの自治体が、また各関係者がそれに準拠していろいろな対策を講じていくということだろうと思います。  具体的な中身は、いろいろありますけれども、例えば、管理組合運営方法、建物の劣化状況、また区分所有者の意向などを踏まえた適切な長期修繕計画や管理規約をどういうふうにするか、本当にさまざまな問題についてこの指針は内容を出されるはずでございますけれども、今委員指摘のように、それが最終的に出されるには、当然各般の委員会とか専門家の意見を聴取することが必要ではないかな、こう思います。  また、冒頭に委員お話しになったように、自治体の役割といいますか、例えば相談所を設けるべきとかそういうたぐいの話も、この指針の中に盛り込まれるべきだと私ども考えております。
  67. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 管理組合の方の意見をきちんと反映させるという点、例えば検討委員会をつくってそこに参加してもらう、こういう点などはいかがでしょうか。
  68. 原田義昭

    ○原田(義)議員 管理組合意見をどういう形で掌握できるかということも含めまして、これは今後の検討事項だろうと思っております。
  69. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 指針をつくる際に、最後にこういうものができましたと差し出されるような格好ではなくて、検討の途中での中間報告を行うようなこと、この点ぜひお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  70. 山本有二

    山本(有)議員 委員会への正式な形での報告にはなじまない問題ではあろうと思いますが、これは、国土交通大臣が指針を策定してこれを発表するわけでありまして、建設省当局に、委員への連絡については、発表、公表の事前に何らかの形で基本的な骨子等はお見せすることができるだろうというように思います。  そして、さらに委員指摘の、管理組合のニーズをこの指針の中に盛り込めという御指摘に対しては、大いにその方向で考えているところでございます。
  71. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 マンション管理業についてでありますけれども、主任者制度の試験機関、指定機関はどこを想定されているのでしょうか。
  72. 原田義昭

    ○原田(義)議員 これにつきましては、現在、マンション管理業者団体として社団法人の高層住宅管理業協会がございまして、当該協会が今のところ指定法人として申請をしてくるのではないかな、こういうふうに予想しております。  したがって、当該協会が本法律案に基づく指定法人としてその申請をしてきた場合には、この法律案には、その選任、指定の厳密な要件、これが掲げられております。それに照らしてこの申請が是か非かということを判断されるというふうに思っております。
  73. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 その場合、管理業協会に加入されている方もいらっしゃいますし、未加入の方というのも現にいるわけですから、その未加入の管理会社が不利益とならないような、そういう公正な対応をお願いしたいと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
  74. 原田義昭

    ○原田(義)議員 委員の言われることは、もう当然の前提だろうと思います。この指定試験機関となれば、これは社団法人とはまた別物でございますので、そういう意味指定される要件が非常に厳しく、また監督も厳しくなっておりますが、それに照らしてこの指定が行われるわけでございます。  万が一、それが例えば違反するようなことがあれば、その取り消しも含めて厳重な監督が行われるわけでありまして、万が一にもそういうことがないと思いますし、また監督もそれを厳しく行わなければならないと思っております。
  75. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 マンション管理業については、健全で適正な管理業の育成という観点が大事だと思います。大手が市場を独占して、居住者の立場に立つようなまじめな管理会社、管理業者の方が不利益をこうむらないような、こういう対応をぜひお願いしたいと思います。  次に、設計図書の交付のことですけれども、実際、竣工図面など、将来の建てかえ、修繕に必要な図書を引き渡すということでいいのでしょうか。実際、完成図面というのが本当にあるのかどうかという問題もあるように、この点での設計図書の交付、その中身についてお聞きしたいと思います。
  76. 原田義昭

    ○原田(義)議員 法百三条にございますように「当該建物又はその附属施設の設計に関する図書」でございますから、長期修繕に必要なものに限られたものではなくて、もっと広い概念であるというように御理解ください。
  77. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 そういう意味では、分譲マンションの基礎資料である建築確認申請書の副本ですとか設計図書、竣工図書、これを管理組合に引き渡すということでよろしいのでしょうか。
  78. 山本有二

    山本(有)議員 申請書の写しまでは要求されておりません。したがいまして、あくまで建設に当たったときの設計図面ということでございます。先生懸念のように、建設の実態は当然、現場現場で変更等がございましたりします。ですから、できるだけ現状の建設に即した図書というように考えるところでございます。
  79. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 居住者管理組合の立場にしっかりと立った運用をぜひとも求めて、質問を終わります。
  80. 井上義久

  81. 中西績介

    中西委員 私、三十分の時間を与えられておりますけれども、事情によりまして二十分でやりますので、答弁者、簡単にお答えをいただきたいと思います。  まず、参考人である建設省の方に幾つかお聞きをしておきたいと思います。  昭和五十四年に高層住宅管理業協会が設立をされて以降、この協会は法制定を要請されたと私は先般お聞きをしておるところです。ところが、これまで約二十年間にわたって、あれほど、この当時はですよ、規制を大変好んでおられる建設省がこの種問題について見落としておったのか、なぜやらなかったのか、この点についてお答えください。
  82. 風岡典之

    風岡政府参考人 マンション管理業の法制化についてでございますが、これは、昭和五十七年に住宅宅地審議会から答申が出まして、今後そういった法的規制についても検討する必要がある、こういう御指摘をいただきました。また、業界団体の方からもそういった指摘があったわけでございまして、当時、私どももいろいろ検討したわけでございますが、管理業についての法的な規制の必要性については、今ほどマンションがライフスタイルとして定着もしていなかったというようなこともありましたし、それからトラブルの件数その他も今ほどではなかったというようなことでありまして、直ちに法的な規制をするというのはいかがかということで、とりあえず、昭和六十年に大臣告示で任意の登録制度というのを始めました。  それはそれなりに相当成果を上げてきたところでありますけれども、しかし、任意の登録制度でありますから、登録するかしないかは自由でありますし、管理業者も全体の半分ぐらいしか登録されていないということで、いろいろな意味で限界もあるということであります。  いろいろなトラブルも発生をしておりますし、今後のマンション居住というのが非常に定着をしてくるということになると、管理業についてもこの際改めてそういった法的な対応ということが必要である、こういうような背景があったというふうに理解をしております。
  83. 中西績介

    中西委員 行政の側はそういう言い方をしておりますけれども、これまで分譲段階の消費者保護については主として宅地建物取引業法が、管理段階では一般原則、主として建物の区分所有等に関する法律が適用されてきたわけでありますけれども、今、改めて適正な管理に関する規定あるいは法律を策定するこの理由、簡単にお答えください。
  84. 山本有二

    山本(有)議員 確かに、先生指摘のとおり分譲段階では宅建業法がございます。しかし、宅建業の皆さん管理に関してまで十分な配慮あるいは知識あるいはアドバイスがその時点でできるかどうかについては、少し疑問なしとしないところがあると思います。  そして、管理段階においては区分所有法でございますが、アンケート調査に見られるように、実際にマンション居住者の一割しか区分所有法の存在を知らないというところでございまして、その意味におきましては、なおトラブルが多発する。それこそこの法律がよって立つ、必要となるゆえんであろうというように思っております。
  85. 中西績介

    中西委員 そこで、既存のマンション管理センターマンション管理適正化センターとの業務等についての違いがあるのかどうか、お答えください。
  86. 山本有二

    山本(有)議員 既存のマンション管理センターは、昭和六十年八月に設立されました民法上の財団法人でございまして、マンション管理組合に対し管理についての適切な指導相談を行うとともに、情報提供に係る事業等を行うことにより、マンション居住性の向上及び都市のスラム化の防止等を図り、もって国民生活の向上に寄与することを目的としております。  次に、マンション管理適正化推進センターは、本法律案第九十一条の規定によりまして国土交通大臣指定する法人で、管理組合によるマンション管理適正化推進に寄与することを目的として、管理組合管理者等に対して、マンション管理に関する情報、資料の収集、提供、技術的な支援、講習、啓発活動、広報活動等、国土交通大臣が行うべき事務を行うものでございます。  既存のマンション管理センターが本法律案に基づくマンション管理適正化推進センターとして指定されることもあり得ると考えております。違いと申しますのは、大臣にかわって行う業務があるということでございます。
  87. 中西績介

    中西委員 そこで、全国マンションの約四分の三を管理している民間の高層住宅管理業協会が手がけている、いろいろ説明されておる諸事業がございますね。そうした諸事業とこの法律とのかかわり、どういうところで違いがあるのか。  私は、なぜこのようなことをお聞きするかと申しますと、公営住宅は別途責任ある者が明確でありますから、ここいらがちゃんとやる可能性はあるのですけれども、少なくとも、やはり民間企業は今モラルが物すごく低下しています。こういうときであるだけに、むしろ今度は、国なり行政側がある程度それに手を染め、やるということになってまいりますと、こうした状況、今企業の一番の欠陥は、何か問題があると、政治なりあるいは行政責任があるというように転嫁しながら逃げ込んでいく、こういう状況があるときだけに、むしろ逃げ道をふさがなくちゃならぬときじゃないかと思うのです。そして企業責任を持たせることが極めて重要だということを考えるわけでありますから、もしあるとするならば、国なりあるいは行政側はそうした点についての指導なり宣伝なりを強めていく、こうしたことが必要なのであって、ここいらについてどうお考えでしょうか。
  88. 山本有二

    山本(有)議員 企業の社会的責任、そしてまた企業の今日的な責任追及において、国民が、まだまだ十分でないという意見が大いにあるということは承知しております。  しかし、この高層住宅管理業協会は、会員相互の協力により、会員である管理業者業務改善向上を図り、もって高層住宅における良好な居住環境の確保を図るものでございます。これは先生御承知のとおりでございます。  この法案におきまして、マンション管理を業とするすべての者に対し、委託契約に際しての重要事項の説明、契約の成立時の書面の交付、財産の分別管理などの業務規制を課すものでございます。特定の者で構成される団体の行う事業及びその範囲とは基本的に内容が異になっております。  つまり、この協会で足りるというところかもしれませんけれども、全部までは網羅できていないし、さらに、権利義務に関するある程度強制力、すなわち、権利義務に関する事項が含まれているということにおいては法律事項でやらざるを得ない。しかも、不適切な業者については刑事罰則まで科しているということになりますと、どうしてもここに法律の必要性をうたわざるを得ないということでございます。
  89. 中西績介

    中西委員 細かい点をお聞きしますけれどもマンション管理士と、高層住宅管理業協会の業務の中でやられておられる管理業務主任者資格試験等がございますね、あるいはまた区分所有管理士という資格。そして、やはり数万人の人がそこにおるということが言われておるわけでありますけれども、こうしたものとこのマンション管理士との違いは、先ほどからいろいろ言われておりますけれども、こういうところあたりをちゃんと整理し、かかっていきさえすれば、むしろ提供する側、ここがやはりそれだけの責任を持ってこれからやっていくということになることが望ましい体制ではないかと私は考えております。  したがって、そうした点で、この違いがどういうところにあって、その点が埋められないかどうかということをお答えいただければと思います。
  90. 山本有二

    山本(有)議員 まず三者、すなわち、マンション管理士管理業務主任者及び既存の区分所有管理士、この三者でございますが、管理業務主任者と区分所有管理士、この二つは、管理業者の社員あるいは職員、従業員、こういった人たちが獲得するべき資格でございます。マンション管理士は、それに限らず、広く一般人が管理士になることを予定しております。  次に、個々の具体的な違いでございますが、マンション管理士は名称独占資格でございます。名称独占資格というものは、マンション管理士というような意味合いでの紛らわしい資格は許さない、この者だけでございます、国家資格でございます。これは、マンション管理組合に対する指導、助言その他の援助に限られた行動をすることが予定されております。  次に、管理業務主任者は、これはこの法案で与えられる国家資格でございますが、管理業者のいわば社員、従業員でございます。この方々が第一線の現場で働くにおいて必要な資格でございます。  次に、区分所有管理士というものは、この第一線の実務者でございます管理業務主任者がある程度の年限経験を積みますと、経営者あるいは指導者というような立場に立ちます。そのときにおいて、より上位の資格として位置づけられておりまして、これは国家資格ではなくて、今なお、この法案が成立しました後にも、社団法人高層住宅管理業協会が与える資格として存するわけでございまして、いわば業者の中での技術のさらに向上を図っての資格制度という認識をしております。  マンション管理士の数は、現在はございませんが、およそ千人とかそういう規模だろうと思います。次に、管理業務主任者は既に一万人を超えております。そして、区分所有管理士制度は、現在一千七百十二名でございます。  以上です。
  91. 中西績介

    中西委員 したがって私は、本来なら、十分な時間をとって、やはりこの種問題については、二週間前にならないぐらいにこの法律案については我々手に入れたわけでありますから、勉強する十分な時間等が、こういう国会の情勢の中でありましただけに、できなかった、大変不勉強なのですが、こういう状況を私はやはり、先ほど申し上げた協会あたりを含めて、参考人なりそういう討論をしながらつくり出していくというのが私はあり方だと思っておるのですけれども、それができないことを大変に不幸だと思うし、残念に思っています。  それはなぜかというと、このことを、きのうはこの衆法と他に二本衆法あわせて、今までかつてないようなことをやったのです。こういう問題をやったことはないのですけれども、議運で委員長職権で強行していった、付託をした、こういう状況があるから、私はこのことを特に申し上げておるわけであります。  本来ならば、そうでなしに、やはり反対の理由なり、中身なり、そういうものを十分積み上げていくということが一番大事でありますから、そうした参考人聴取なり、いろいろな形でやっておれば、まだまだ深まった内容を私たちが知った上で賛否に参加できる、こういう状況が出てくる。このことが言えるわけでありますけれども、甚だ残念ながら、きょうのところでは、採決するけれどもそれを本会議にかけることだけを延ばす、今、運営はこういう中身になってきているのです。  ですから、こうしたことを考えあわせていきますと、今申し上げたような事柄とあわせまして、これから少なくともやはり衆法が多くなるわけでありますから、御提出いただける方々に対しては、それくらいの余裕と寛容さを持ってやらないと、これは法律ですから、しかも、先ほど言ったように、今度刑罰的なものを含めて処分ということはあり得るわけですから、こういう問題をこのような短期間に無理をしてやるというところに私は非常に大きな不満を持っておるわけであります。  もうちょっと時間がありますから、もう一点だけお聞きしようと思うのですが、先ほど、全国に一を限ってという問題についてはお答えをいただきましたけれども、まだこの点についてもちょっと私は意見があるのです。  それから、マンション管理は基本的には民事に属する行為であったのですけれども管理組合等に対して行政が積極的に関与する法的枠組みが今まではなかったのですね。今ここで国、地方公共団体管理適正化のためにと言って措置をするのはなぜなのか、この点についてお答えをいただきたい。
  92. 山本有二

    山本(有)議員 マンション管理は、多数の区分所有者間の合意を要し、法律、技術上の専門的知識が必要となることから、こうした知識、ノウハウを十分に有しない区分所有者には適切な対応が難しい現状にございます。  このため、管理組合活動の停滞、管理規約の未整備、長期修繕計画の未整備等の問題が生じておりまして、行政による支援等を求める声がマンション居住者等から寄せられております。  マンション管理について生ずるトラブルは、各当事者間の問題でございまして、民事上の問題に該当しますけれども、さきに述べましたように、区分所有者等のみでは適切な対応が既に困難である現状にございます。区分所有法、民法では、このような問題に対応するには限界がございます。本法律案によりまして、行政として必要な支援体制等を整備する必要があると認識しております。  このため、本法律案におきましては、国、地方公共団体は、管理組合またはマンション区分所有者等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならないというようにしておるところでございます。
  93. 中西績介

    中西委員 残念ですけれども、以上で終わらせていただきます。
  94. 井上義久

    井上委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  95. 井上義久

    井上委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  山本有二君外七名提出マンション管理適正化推進に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  96. 井上義久

    井上委員長 起立多数。よって、本案は可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 井上義久

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  98. 井上義久

    井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十五分散会