○
近藤(昭)
委員 多分、これはかなり多分だと思うんですけれ
ども、
理念的な部分ではまさしく
大臣と一致させていただけるのだと思うんです。
ただ、その中でどういうふうに、最低限という言い方がいいのかどうかわかりませんが、最低限とあえて申し上げますと、
ヒトクローンの
産生を
禁止する、しかし、その関連のところをではどういうふうに絞っていくかということなのだろうと思うわけであります。
先ほど来、
大島大臣からもちょっと話がありましたが、病気とか事故で片腕あるいは片足等々を失った、ちょっと
考えるのは嫌なんですが、例えば自分がそうなったとき、そういう欲求というか自分の欲望から逃れられるのかなと思ったりします。
ただ、
人間というものが、あたかも部品をかえていくように、手が悪くなったから手をかえていく、足がなくなったから足をつくってつける、あるいは胃が、肝臓がと、そういうふうにあたかも部品をかえていくようにかえる
社会というものが、本当に、こういうものは一人だったらいいという問題とは違うかもしれませんが、例えば自分だけだったらそれは
社会に
影響はないかもしれない。環境問題な
どもそういうところがあるかもしれません。自分だけがごみを捨てるのだったら大したことないかもしれないけれ
ども、何十万人、何百万人の人がごみ箱でないところにごみを捨てていけば、物すごい
影響が出てくる。
つまり、そういったことがどんどんと治療等々で認められていって、どんどん進んでいく、そういったことがどんどん
社会の中に大きくなってくることの与える
影響というのは、これは杞憂かもしれませんけれ
ども、僕は大変に心配をする。ですから、そういう
意味では、私は、やはり最初のところはなるべく厳しくしておいていいのではないか。
逆に言いますと、
科学技術の進歩というのは物すごいスピードであります。ですからこそ、私
どもは三年以内に見直しという期限を区切った。三年というのは割と短いのではないかなという感覚をしております。
逆に言うと、科学は、
先ほど来からもありましたように、予備的実験、さまざまな実験をやることが、
技術が進歩しているわけでありますから、いきなり人に適用しなくても、進歩しているがゆえにさまざまな実験が可能である。そして、そういうことをやることによって、かなりのことが知見できるといいましょうか確認できる。
だから、このことについては、もう完全に、私
どもの
法案でも合理性等々の言葉を使わせていただいたわけですが、つまりそういった確認をきちっととることができるのではないか。そういういわゆる測定の物差しとしても、科学の進歩というものが大きなことになるのではないかなというふうに
考えているわけであります。
ですから、私
どもは基本的には、
倫理的には大変に共通させていただいている。ところが、縛るところでいうと、もっと厳しく。そして、それについては、これだけ科学が発展しているのだから準備をしっかりやる。本当に安全なもので、さあ、人にというような
考え方の方がいいのではないか。この辺がちょっと違うのかなというふうに思います。
先ほど大臣も私
どもの
議員からの
質問に、
生命が始まるところ、なかなかお答えにくそうだった。それは多分、
大臣としてのお立場だけではなくて、なかなかこれは一人の
人間としても、私もさっき私の悩みを申し上げましたが、自分がこういう
技術の進展で何でも部品が取りかえられたら、やはり欲望としてという思いと、でも、では聞かれて、
生命がどこから始まるかと言われれば、早い
受精卵の時期かなとか、悩むわけであります。
ところで、何度も何度も出てきているわけでありますが、
生命の
尊厳に関しては、
科学技術庁からことし三月に出されました
生命倫理に関する
アンケート調査を見ますと、やはり多くの方が、そうやって聞かれると、
受精の瞬間から人として絶対に侵してはいけない存在であると
考えると
回答していらっしゃる。また、四割が、
ヒトの
受精卵の
研究利用は厳しい
条件下でと。だから、かなりの人が、まあ確かにそうだけれ
ども、
技術の進歩は大事だから、厳しい
条件下のもとだったら認めてもいいのではないかと、非常に常識的なことを
考えているのではないか。しかしながら、二割の
回答の方が、
受精卵の
研究利用は認めるべきではないという答えも出している。
ということは、本当に多くの方が、
ヒト胚も人の
生命の
萌芽として、明確な基準もないまま
研究に使われるというのは、やはり人の
生命の
尊厳を損ない、人の
生命の物化、また軽視につながるおそれがあるのだと
考えているのだと思うのです。
また、これはそういった
アンケートだけではなくて、
政府の
科学技術会議の
生命倫理委員会ヒト胚研究小委員会における
報告書にも、
ヒト胚は
生命の
萌芽としての
意味を持ち、
倫理的に尊重されるべきだとあったと思います。つまり、
受精卵の段階から侵してはならないものである、また
倫理的に尊重されなければならない。人の
生命の始まりについて、こういった
国民の
アンケートだけではなくて、
審議会の
考える
倫理観もかなり厳しかったと思うのですよ。
ところが、そういう
意味では、ちょっと手前みそかもしれませんが、私
どもの
法案の方がよりそういった感覚に近いのではないかと思うのです。どうも
政府がつくられた案には、こういったことが十分に取り入れられていないような気がいたすのですが、どのようにお
考えでしょうか。