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黄川田委員 次に、並行在来線に天然ガスパイプライン等を敷設する問題に移ります。
前回、
河野長官はパイプライン
調査に関し、民間企業が実施し、政府は
調査結果を見て必要な環境
整備を行うとお答えになりました。その際、私は、石油公団が主体の
調査会社が行っているので必ずしも民間主体で行っているのではないとコメントいたしました。
それはさておき、エネルギー
政策における国の役割と民間の役割をここで
考えてみたいと思います。
石油を初め多くのエネルギー資源が市場の
動向性を強めている昨今、エネルギー資源のすべてを海外に依存している我が国の立場は、逆に選択の自由度が増し、国際的にはより優位になっていくとも
考えられます。これは釈迦に説法かもしれませんが、エネルギー資源に係る国の国際戦略は今後ますます重要性を増すことになるでしょう。また、天然ガス資源の確保と輸送もしかりでしょう。
過去、サウジアラビアにおけるアラビア石油の利権延長の交渉に失敗した理由は、鉱山鉄道設置というサウジの過大な
要求にあるのではなく、それ以前に、交渉過程で、サウジ側から見て通産省という国とアラビア石油という民間の二つの役者が入り乱れていて、真の
日本の姿勢が理解できなかったことにあると言われております。将来重要性を増すことが明らかな天然ガス資源についても、国と民間のスタンスをはっきり見定めて対処していただきたいと思います。
九月に行われた森・プーチン会談で、ロシアの天然ガス開発は民間
ベースで行われるべきとの主張には疑問を感じております。国の基幹エネルギー戦略を決定し
推進するのは国の責任であります。パイプライン輸送の海底
方式か陸上
方式かを方向づけるのは国の重要な役割であると思っております。そのため、陸上
方式も公平に事前
調査を
政策の一環として行っていただきたいと思っております。
なぜこの問題にこだわるかといいますと、私は、岩手県で長年地方行政にかかわり、地域住民の目線で地域
活性化に努めてまいりました。また、この夏、地方行政
委員会の視察で、稚内を初め北海道の要望も聞いてまいりました。北海道、東北地方の寒冷地は、熱
需要度も高く、効率のよい地域分散型の小
規模発電が普及しやすい環境にあり、より安いガス燃料の供給が望まれるのであります。逆に海底
方式ですと、技術的に可能としても、首都圏は安いエネルギーを得られる反面、地方は今までと変わらない高いコストを強いられる可能性が強いのであります。
前置きが少しく長くなりましたが、ここで長官に、再度御
見解をお尋ねいたします。