運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2000-11-29 第150回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年十一月二十九日(水曜日)     午後三時四分開議  出席委員    委員長 赤城 徳彦君    理事 木村 隆秀君 理事 菅  義偉君    理事 橘 康太郎君 理事 中馬 弘毅君    理事 玉置 一弥君 理事 細川 律夫君    理事 赤羽 一嘉君       奥山 茂彦君    阪上 善秀君       実川 幸夫君    林田  彪君       堀内 光雄君    松宮  勲君       御法川英文君    米田 建三君       渡辺 具能君    赤松 広隆君       奥田  建君    今田 保典君       永井 英慈君    伴野  豊君       前原 誠司君    高木 陽介君       黄川田 徹君    大幡 基夫君       日森 文尋君    森田 健作君       西川太一郎君     …………………………………    運輸大臣         森田  一君    運輸政務次官       泉  信也君    運輸政務次官       実川 幸夫君    政府参考人    (大蔵省主計局次長)   津田 廣喜君    政府参考人    (資源エネルギー庁長官) 河野 博文君    政府参考人    (運輸省運輸政策局長)  岩村  敬君    政府参考人    (運輸省鉄道局長)    安富 正文君    政府参考人    (運輸省自動車交通局長) 縄野 克彦君    政府参考人    (運輸省航空局長)    深谷 憲一君    政府参考人    (労働省労働基準局賃金時    間部長)         佐田 通明君    政府参考人    (自治大臣官房総務審議官    )            林  省吾君    運輸委員会専門員     長尾 正和君     ————————————— 委員の異動 十一月二十九日  辞任         補欠選任   望月 義夫君     阪上 善秀君   工藤堅太郎君     黄川田 徹君   二階 俊博君     西川太一郎君 同日  辞任         補欠選任   阪上 善秀君     望月 義夫君   黄川田 徹君     工藤堅太郎君   西川太一郎君     二階 俊博君 同日  理事工藤堅太郎君同月十五日委員辞任につき、その補欠として工藤堅太郎君が理事に当選した。     ————————————— 十一月二十日  公共交通機関におけるてんかんを持つ人たちへの運賃割引制度拡充等に関する請願阿部知子紹介)(第一五五〇号)  同(瀬古由起子紹介)(第一六三〇号)  気象事業整備拡充に関する請願三村申吾紹介)(第一五八〇号)  同(北村誠吾紹介)(第一六二九号) 同月二十七日  気象事業整備拡充に関する請願赤嶺政賢君紹介)(第二一〇〇号)  同(石井郁子紹介)(第二一〇一号)  同(小沢和秋紹介)(第二一〇二号)  同(大幡基夫紹介)(第二一〇三号)  同(大森猛紹介)(第二一〇四号)  同(木島日出夫紹介)(第二一〇五号)  同(児玉健次紹介)(第二一〇六号)  同(穀田恵二紹介)(第二一〇七号)  同(佐々木憲昭紹介)(第二一〇八号)  同(志位和夫紹介)(第二一〇九号)  同(塩川鉄也紹介)(第二一一〇号)  同(瀬古由起子紹介)(第二一一一号)  同(中林よし子紹介)(第二一一二号)  同(春名直章紹介)(第二一一三号)  同(不破哲三紹介)(第二一一四号)  同(藤木洋子紹介)(第二一一五号)  同(松本善明紹介)(第二一一六号)  同(矢島恒夫紹介)(第二一一七号)  同(山口富男紹介)(第二一一八号)  同(吉井英勝紹介)(第二一一九号)  公共交通機関におけるてんかんを持つ人たちへの運賃割引制度拡充等に関する請願上川陽子紹介)(第二一二〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  政府参考人出頭要求に関する件  閉会中審査に関する件  陸運に関する件  航空に関する件  観光に関する件     午後三時四分開議      ————◇—————
  2. 赤城徳彦

    赤城委員長 これより会議を開きます。  陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として運輸省運輸政策局長岩村敬君、鉄道局長安富正文君、自動車交通局長縄野克彦君、航空局長深谷憲一君、大蔵省主計局次長津田廣喜君、資源エネルギー庁長官河野博文君、労働省労働基準局賃金時間部長佐田通明君及び自治大臣官房総務審議官林省吾君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 赤城徳彦

    赤城委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————
  4. 赤城徳彦

    赤城委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阪上善秀君。
  5. 阪上善秀

    阪上委員 私の選挙区は、大阪国際空港のあります兵庫県の伊丹、川西、宝塚、滋賀選挙区でございますが、きょうは、関西国際空港、あの一躍有名になられた方の選挙区でございます。  前回運輸委員会では、大蔵大臣大蔵次官関空の二期工事見直しを示唆するような発言を行われましたので、それを心配した多くの同僚議員が急遽質問に立っていただきました。私も同様に大変心配したわけでございますが、運輸大臣答弁で一応安心はいたしましたものの、重ねて確認の意味で質問をいたしてまいりたいと思います。  前回委員会では、政府答弁の要旨は、来年度の予算中長期問題検討とは別で、来年度予算要求どおり確保したいという運輸大臣見解であり、大蔵大臣とも意見が一致したこと、また主計局次長答弁も、来年度要求とは別に中長期の問題を勉強したいという見解を賜ったものと思っております。  その後、関空会社中間決算が発表されまして、前年度に比べて営業収益が増加して、金利負担が減少するなどで赤字幅が縮小したと伝えられておるところでございます。また、地元では、関西国際空港全体構想促進協議会に将来の地元負担あり方等検討するための検討会年内に発足させる旨の動きがございます。  そこで、まず一点目、中間決算の分析についてお伺いいたします。  その第一ですが、今期中間決算における黒字の背景はどういうことによるものと考えておられるのか、また、今後その傾向は引き続くものであるとお考えかどうか、運輸省見解をお伺いいたします。
  6. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  先生指摘関空会社中間決算でございますが、先般、会社の方から平成十二年度の中間決算についての発表がございました。この中間決算におきましては、国際線について、対前年同期比で、便数ベースで一〇%増、旅客ベースでございますと八%増、貨物量では二二%増ということで、いずれも前年同期の実績が大きく向上したということによります航空系収入増。  これに加えまして、非航空系収入も増加をいたしておりまして、一方で経営改善努力会社としてはいたしております。その推進によります運営経費の削減などがございまして、中間決算におきましては、営業損益で、前年中間期比で一八・四%増の百五十七億円ということになったところでございまして、中間期といたしましてはこれまでの最高の営業黒字を計上できたということでございます。  今回の中間決算では、いまだ五十六億円の損失が発生しておりますが、関空会社としましては、これまでの減価償却累計額が千九百七十億円でございますけれども累積損失千六百二十八億円を大きく上回っておるものですから、いわゆるキャッシュベースでの借入金返済には支障がなく、いい状態でございました。  三期ぶりの増収、二期ぶりの増益ということで、十二年度以降の数年間、これから年間四、五十億円の収支改善が可能ではないかというふうに見込んでおるところでございます。
  7. 阪上善秀

    阪上委員 第二でございますが、関空会社平成十一年度末累積赤字は千五百七十二億円に達しております。関空会社が十一月の九日に発表いたしました二期工事供用開始後の経営見通しについてでは、二〇一七年度に単年度黒字、二〇三〇年度に累積損失解消が可能であるとされておりますが、運輸省試算はどのようになっておりますのか、お伺いをいたします。
  8. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  関空会社につきましては、開港後、まだ日が浅いものですから、いわゆる創業赤字状態にございますけれども営業損益ベースで見ますと、開港以来黒字状態が続いております。一方で、借入金に係ります利払いも含めました経常損益、これは赤字となっておりますけれども償却損益黒字という状態でございますので、元本の一部償還については進められている状態、こういうことでございます。  先ほど御指摘のように、今月の九日に関空会社は、二期滑走路供用開始後の経営見通しというものを発表したところでございます。その試算によりますると、アジア経済危機影響あるいは我が国の経済状況の極めて厳しい時期を含めましても、平成七年から十一年度までの間の実績等を考慮して、会社としては、現実的かつ比較的かた目の需要想定をしたケースで、御指摘のように、二〇一七年度に単年度黒字、二〇三〇年度に累積損失解消というふうに試算をしておりました。さらに厳しいケース想定はしておりますけれども、そのケースでも、単年度黒字の達成と累積損失解消は可能であるというふうな見通しを立てております。  運輸省といたしましては、今回の関空会社経営見通しを尊重いたしますとともに、今後とも、会社経営状況等については、情報開示とともに適切な対応をしてもらえるよう引き続き指導してまいりたい、かように思っております。
  9. 阪上善秀

    阪上委員 第三ですが、御巫社長が、関空国際競争力を持たせるためには、今のスキームでは難しいのではないかと発言されておるのであります。現時点では、それにかわる方式等はどんなものがあるのでしょうか。成田空港のような公団方式に転換することが可能であるとは私は思いませんので、多分、会社による負担あり方等について限界があるという考えで述べられたと思うんですが、どのような政策考えられると思われますか、お伺いをいたします。
  10. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  先ほどの先生指摘関空会社社長発言につきましては、御指摘のように、一部新聞で報道されておりますけれども、私ども承知しておりますところでは、現在、平成十三年度予算要求国際競争力強化をするための要求を出しておりますけれども社長といたしましては、それ以上の国際競争力強化であれば、現在のスキームでできるかどうか、みんなで一緒に考えなきゃいけないという趣旨発言をされていると承知しております。  先生指摘のような、かわる方式、こういうことにつきましては、十三年度につきましては、我々、現在概算要求しているものを精いっぱい努力して、二期事業推進支障のないようにしたいというふうに考えておりますけれども、いわゆる将来の点につきましては、日本経済のいろいろな動向とかあるいは関空の長期的な需要見通しでございますとか、そういったことを踏まえましての経営見通しあるいは二期事業の進め方、こういうことを、検討会をつくりましたので、そこできちっと勉強してまいりたい、かように思っております。
  11. 阪上善秀

    阪上委員 先日、自民党、保守党そして公明党の三幹事長のところに地元経済界大阪府知事等々がお見えになりましたときに、今私が質問いたしましたような形で、関空の場合は進入道路約一兆円、そして、羽田、成田は警備保障関係国持ちでありますのに関空は自前、羽田空港護岸工事という形でされておるのに、すべて工事関空持ちというところに大きな差があるのではないかというのが地元府県の一致したところでございますので、これからも、その点についてはまた運輸省の方に引き続きお願いをしてまいりたいと思っております。  次に、二点目でございますが、地元自治体でつくられた関西国際空港全体構想促進協議会では、年内にも地元負担あり方等検討するための検討会を設置する考えであると聞いております。その準備状況運輸省は把握されておるのかどうか。国はどういう関与をしていくのか。  また、先日の答弁では、運輸省の中にも検討会を持ち、長期的な問題として十分検討していきたいという意向のようでございますが、大蔵省地元では、再来年の予算に反映していきたい意向を持っているやに聞いております。今後、運輸省における検討を急ぐ必要があると考えますが、検討スケジュールはどうなっておるのか、お伺いをいたします。
  12. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  先ほど先生指摘地元でのいろいろな検討会、これについては、関西国際空港の今後の状況について、現在、地元自治体あるいは経済団体、こういったところで、検討のための組織の設置について検討中であるというふうに私ども承知をしております。ただ、具体的な構成員でございますとか、具体的にどのような内容検討を行うかについては、現在進行中であるというふうに承知をしておりまして、まだ確定はしていないところではないかと思っております。  運輸省といたしましては、今後、その地元検討会状況を踏まえながら、先ほど申し上げましたように、運輸省におきましても、関西国際空港に関する検討委員会というのを十一月十四日に立ち上げたところでございますので、先ほどの地元でできるはずの検討会十分連携を図りながら、そごのないように検討をしてまいりたい、かように思っております。  なお、運輸省検討会を立ち上げたわけでございますけれども、今後のスケジュール等のお尋ねでございます。  先ほども少し触れさせていただきましたけれども、この検討事項につきましては中長期的な視点を持たなきゃいかぬと思っておりまして、今後の経済動向でございますとか航空需要見通し等々、かなり広範な検討内容にわたるかなというふうに思っておりまして、現時点では、具体的にいつまで何をということを申し上げることはできないのでございますけれども、時期を逸することなく、精力的に検討はしていきたいと思っています。ただ、当然のことながら、二〇〇二年度、平成十四年度の概算要求に間に合うように検討をすべきものもあろうかと思いますので、そういう点についても念頭に置いて進めてまいる、かように思っています。
  13. 阪上善秀

    阪上委員 三点目でございます。  地元負担の問題は避けて通れないものであると思いますが、予算当局からすれば、地元負担分だけ国の予算を削るという論理になりがちであると思います。それについては大蔵省はどう考えておられるのか。地元がなけなしの金を負担するのでありますから、そういった考えはとらないものと理解をいたしておりますが、お伺いをいたします。
  14. 津田廣喜

    津田政府参考人 関西空港経営のことでございますが、当初の見込みから見ますとかなり下回っていると思うんです、開港の前にいろいろ予測を立てておるわけですけれども。したがって、我々としては、経営がそう順調であるというふうには判断をしておりません。それから、二期工事の分につきましては、さらに採算が厳しくなると考えられます。そういった状況から見ますと、やはり事業を将来安定的に進めていくためには、いろいろな観点から見直しをしていく必要があるのではないかというふうに思っております。  現在は、事業見直しの具体的な方向につきまして申し上げる段階ではありませんけれども、あるいは今お申し入れのありました地元負担の件につきましても、特に具体的なところまでお話を伺っておりませんし、財政当局としての見解は今の段階ではちょっと申し上げかねるということをぜひ御理解賜りたいと思います。  ただ、少なくとも将来の国民負担の増大というのは避けなきゃならぬということは思っておりますし、あるいは国による会社の救済といったような批判も受けないような工夫が必要ではなかろうかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、この件につきましては、地元を含めた関係者の間でまずはいろいろな議論がなされることが先決ではないかというふうに考えます。
  15. 阪上善秀

    阪上委員 見込み違いは、ただ関空だけでなしに大蔵省もたくさんされておるわけでございますので、私は、その辺の大きな見方をぜひともお願いをしておきたいと思っております。  四点目でございますが、アジア各国では次から次へと新空港が計画され、着実に進行しております。特に、関空地理的関係の深い韓国では、来春に仁川国際空港完成をいたします。三千八百メートルクラスの滑走路が二本でき、全体的には四本となります。関西国際空港は、国際競争力上大変なことになると心配をいたしております。国際ハブ空港は、近隣地域における人口、経済、社会の規模などが大きく影響して、単に滑走路の数とか空港の大きさだけで成り立つものではないと思います。空港規模、使い勝手、料金等が大きい比重を占めることは確かであると思います。  そこで、第一といたしまして、日本—韓国間の現行における日韓両国航空会社による航空便状況及び仁川空港完成時における便数乗り入れ地点の増減の見通しについてお伺いをいたします。
  16. 深谷憲一

    深谷政府参考人 現在におきます日韓間におきます航空関係状況でございますが、両国航空会社によりまして、日本国内におきましては十九都市韓国内では四都市、これらを結びまして、週当たり合計で二百八十四便、これが現在運航されております。このうち、関西国際空港からソウルへは一日十便という状況でございます。  明年三月末と言われております韓国仁川空港完成時におきましては、その便数あるいは乗り入れ地点増便見通し、これらにつきましては、例えば関西—ソウル線につきましては、ことしの六月に日韓航空当局間協議がございまして、その合意によりさらに週十便程度増は可能、こういう状況でございますけれども、その路線におきます今後の増便あるいは日本国内の新たな乗り入れ地点、こういったことにつきましては、実は来月半ばに再度当局間協議を開催する予定にしております。そこで議論をさせていただきたいと思っております。
  17. 阪上善秀

    阪上委員 第二の質問ですが、仁川空港完成時で、日本各地空港から欧州への経由地としての利用がさらにふえるのではないだろうかと思います。それによってますます関空比重が下がらないでしょうか。その対策は、着陸料のある程度の値下げだけで十分であろうかと心配しておるのですが、いかがなものでしょうか。
  18. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  仁川空港完成によりましての御指摘の点でございますけれども状況を申し上げますと、九九年度と九八年度、これを比較してみた場合、日本各地空港から韓国を経由して第三国へ向かう旅客需要、これは総じて減少しております。これは、欧州等への渡航に際して、韓国を経由するよりも直行便利用比重が高まっている結果かなというふうに思っておりまして、仁川開港後も、この傾向は直ちに大きく変わるというふうなことではないのではないかなというふうに考えている状況でございます。  それから、仁川空港開港した場合についてのさらなるお話でございますけれども先生案内のとおり、周辺のアジア諸国におきましては、仁川空港を初めとしましての大規模国際空港整備が着々と進展しているわけでございます。この中で、関西国際空港国際競争力の確保、これは大事な話だなというふうに思っておりまして、この点については、地元関係者からもいろいろな要望が寄せられているところでございます。  これにつきまして、会社におきましては、ことしの三月から、二年間の時限措置ではございますけれども国際線着陸料につきまして、新規割引でございますとか増量割引でございますとか、そういったいわゆる営業割引的なことを実施しておりまして、乗り入れ促進を図る。あるいは、いわば空港についてのプロモーション活動でございますとか、いろいろな免税ブランドショップの開設でございますとか、そういったいろいろな努力はしております。また一方で、近々ユニバーサル・スタジオ・ジャパンというのがオープンする予定と伺っておりますけれども、こういったこととのタイアップ、こういった努力もされておるというふうに承知しております。  関空会社自身が、先ほどお話ししましたように、二期供用後の長期経営見通しという試算を発表しておりますけれども、明年三月の開港予定仁川国際空港開港等につきましても、その試算の中には加味して評価をしたというふうに伺っておるところでございます。
  19. 阪上善秀

    阪上委員 次に、五点目といたしまして、浮体工法で行うということについて、前回運輸委員会では、現段階では埋立工法浮体工法変更しなければならない要素はないという答弁でございましたが、どういう段階だと変更を考慮する事態になるのか、工事費工期比較はしておられるのか、部分的に浮体工法で行えるところはないのか、それによって全体の工期が圧縮できることになればいいのではないかと思います。そして、埋め立て等による環境問題等々踏まえて、この浮体工法について再度お伺いいたします。
  20. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  浮体工法につきましては、関空に関連しましては、二期事業工法について平成七年度の航空審議会でいろいろな御検討をいただきまして、その結論として、埋立工法が他の工法比較をして二期事業工法としては確実で適しているというふうなことで結論をいただいたところでございます。それを踏まえまして、二期事業埋立工法によりましていわゆる環境影響評価なんかも実施しまして免許を取得して、昨年七月に現地着工したというところでございます。これは御案内のとおりでございます。  先生指摘のように、仮に現時点でこれをいわゆる浮体工法等変更するとした場合、メリットもあるのではないかという趣旨の御指摘かと思いますが、現時点で他の工法へ転換するとした場合は、やはり環境影響評価等のいろいろな諸手続を再度し直す必要性があるのではないかとか、あるいは、埋立免許をいただいているわけですが、それについてのいろいろな変更必要性があるのではないか等々で手戻りが生じるのではないかということ、あるいは工期も、それによってかえっておくれるのではないかというふうに考えておりまして、現時点においてはなかなか難しい問題だと思っております。
  21. 阪上善秀

    阪上委員 横須賀沖で行われましたメガフロート実験が終了いたしました。  将来の問題でありますが、横風用滑走路整備について、浮体工法有力候補でありますし、今自民党亀井政調会長も、公害あるいは環境問題から横風はこれでやって、大阪関西の造船あるいは鉄鋼の、経済活性化も図るべきではないかとよく言われておるのですが、この横風用滑走路工法についてお伺いいたします。
  22. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  関西国際空港横風用滑走路でございますけれども、これは関西国際空港の全体構想におきますところの、将来の三本目の滑走路ということで、現在、構想中のものというふうな段階でございます。  横風用滑走路建設工法につきましては、将来的に当該滑走路事業化が決定される、そういうときに当たりまして、その時点におきますいろいろな実績でございますとか、技術的見地とかそういったことを踏まえて、メガフロートを初めとする、浮体工法あるいはその他桟橋工法とかいろいろあるかもしれませんが、そういった中から最適な工法が選択されるというふうなことかなと思っております。
  23. 阪上善秀

    阪上委員 運輸大臣、お帰りなさい。  二〇〇八年の大阪オリンピック招致活動が、我々議員連盟、超党派でできまして、関西国際空港に関して来年度の予算満額回答を得られるかどうかということが、五つの候補地から見て、世界から見て、日本政府が二〇〇八年の大阪オリンピックに対して積極的な姿勢であるかどうかというシグナルの発信だと私は思うのですね。これが一円でも欠けるようなことがあれば、日本はオリンピックに対する熱意がないという形で、オリンピックの候補地から外される。今度のオリンピックは、よいところから選ぶのでなしに、熱意のないところから削っていくのですね。  ですから、来年度のこの予算満額回答が出るかどうか、これは運輸大臣の双肩にかかっておるのですが、その決意のほどをお伺いいたしたいと思います。それと大蔵省の方も、そのオリンピックのシグナルを後援する大蔵省として全世界に発信する熱意があるかどうか、決意のほどを両方からお伺いいたします。
  24. 森田一

    森田国務大臣 きょうは高速鉄道国際会議がございまして、外国から大勢のお客さんが来ておりましたので、大変失礼いたしました。  ただいまのオリンピックの話でございますが、二〇〇八年のオリンピックをぜひともやりたいというのは、運輸大臣になる前からの願望でございまして、中馬先生を通じて、河野外務大臣にもお願いをしておるところでございます。  と申しますのは、従来は、招待をして現地を見てもらって、そして御理解をいただくという方法があったわけでございますが、そういうことができなくなりました。北京が強敵でございますが、北京の方は、江沢民あるいは朱鎔基が先頭に立ってやっておるわけでございます。日本の場合にも、我々政府の首脳が先頭に立ってこれをやっていかなければいかぬと思っておるわけでございます。  それから関西国際空港、もうおっしゃるとおりでございまして、私はきのうも、津田次長はいらっしゃいませんでしたが、主計局長にもよくお願いしたところでございますが、二〇〇一年度予算に関しましては、満額いただけるように頑張っていきたいと思っておるわけでございます。  そして、宮澤大蔵大臣発言がいろいろ新聞等で取り上げられたようでございますが、これはあくまで長期的な問題でございまして、二〇〇一年度予算とは切り離してやるということにつきまして、大蔵大臣も御同意をいただいておるところでございます。  そのようなことでございますので、私は全力を尽くして頑張っていきたいと思います。
  25. 津田廣喜

    津田政府参考人 財政当局の者としてはなかなかお答えしにくい御質問でございますが、二〇〇八年のオリンピックの招致につきまして、関係者の皆様方が大変熱心に努力をなさっているということはよく存じております。  ただ、空港事業と申しますのは、別に一過性のものではなくて、未来永劫にこれは使うものでございますから、将来の経営にやはり禍根のないようなものにするということはぜひ必要であると考えております。  いずれにしましても、まだ予算のことを決める段階ではございませんので、引き続き運輸省議論をさせていただきたいと思っております。
  26. 阪上善秀

    阪上委員 森田運輸大臣の熱意と誠意ある答弁をいただきましたので、今度の改造人事においては留任をしていただくように、私からも総理、野中幹事長にもよく言っておきます。  質問を終わります。
  27. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、玉置一弥君。
  28. 玉置一弥

    ○玉置委員 大臣、大変御苦労さまでございます。あっち行ったりこっち行ったり大変でございます。  きょうは、交通バリアフリー法案が十一月十五日に施行されましたので、これを中心にしてお話を伺っていきたいと思います。  その前に、後で赤羽先生が御質問されますけれども、JR東日本、西日本を初め一部民鉄の料金表示の誤りという問題ですね。  私たちが考えますには、三年数カ月でございますが、何でこういったものが放置されて、直ちに改正されなかったのか。取るときは一生懸命取るのですけれども、払い過ぎのときはなかなか返してくれないというその姿勢も不思議でございますし、少なくとも鉄道運賃につきましては、法律で規定をされて認可になっているわけですね、料金は違いますけれども。そういう大変重要な課題でありますから、またぜひ赤羽さんのときにはっきりとお答えをいただきたいし、場合によっては責任追及をぴしっとやっていただいて、何らかの措置というものも必要だと思いますので、ぜひお願い申し上げたい。  重なりますので、ちょっとそこだけ申し上げまして、質問を続けます。  十五日に施行されました交通バリアフリー法案。私たちの国にとりまして、初めてこういう法律ができたわけでありますが、運輸省を初め、国の方では建設省あるいは警察庁、自治省、それぞれが努力されていろいろな啓蒙を図ってこられたと思います。  決まるまでに私どもも、地元に帰って、バリアフリーという言葉をいかに広めていくかと。最初、片仮名でスタートしたら、片仮名はようわからぬという話がありまして、それだけでちょっと毛嫌いをされたことがあるのですが、最近ではようやく、バリアフリーという言葉自身が日本の中に根づいたように思います。しかしまだまだ、本当に行政の関係するところだけだというような感じがするわけです。  これから具体的に十年先を目指してスタートしたわけでありますけれども、このバリアフリーの法律ができてから施行までの間、いろいろなところで市町村への周知徹底をされてきたと思いますが、どういうふうなことをされてきたのか。  それともう一つは、衆議院で附帯決議をたくさんつけさせていただきました。この附帯決議がその後どのように織り込まれてきたのか、この辺についてお答えをいただきたいと思います。まず大臣。
  29. 森田一

    森田国務大臣 交通バリアフリー法につきましては、玉置先生にも大変お世話になりまして、本当にありがとうございます。  御指摘のように、今月十五日に施行されたところであります。運輸省といたしましても、この法律の施行によって体制が整ったというふうに認識をいたしております。  これにつきましては、ただいま御指摘のように、市町村が主体となってバリアフリー化を推進していく必要があると考えております。そのようなわけで、市町村への周知徹底というのは特に重要であると考えております。そのため、十一月一日から十三日にかけて、全国十ブロックにおきまして、三千人以上の参加を得まして、説明会を開催いたしたところでございます。これにつきましては、自治省、建設省、警察庁の御協力もいただいております。  地方自治体の反応につきましては、まだ現段階で法律が施行されたばかりでありますので、よくわからないところがありますが、これからの体制づくりを含めて十分に検討していきたい、協力していきたい、このような声が多かったわけでございます。  このようなわけで、今回の説明会だけではなくて、これからもさらにバリアフリーについて周知徹底を図って、市町村が果たす重要性につきましても理解を求めていきたい、このように考えております。
  30. 岩村敬

    岩村政府参考人 附帯決議で御指摘いただいた点でございますが、既に政省令の段階でいろいろ対応したものもございます。それから、障害者に対する配慮ということで、障害者団体とも個別にそれぞれお話伺い、意見交換をさせていただいているところもございます。  また、スペシャル・トランスポート・サービスについても、タクシーの活用等いろいろ検討を進めているところで、御指摘いただいた点は、それぞれ政省令の段階、そしてその後の運用に向けていろいろ関係者との協議をさせていただいているということでございます。
  31. 玉置一弥

    ○玉置委員 運輸省が、八月二十一日締め切りで、基本方針とかあるいは円滑化に対する政省令のパブリックコメントを求められたという中に、私たちも意見として出させていただいたのがございます。  これは、簡単に言いますと、プラットホームからの転落防止のさくをつけてほしいということと、プラットホームと車両との段差をなくしてほしい、それから基本構想、特定事業において、高齢者、障害者等の当事者参加を明記してほしい、こういうことを申し上げたんですが、これを実はちゃんと入れていただきまして、もう本当に心からお礼を申し上げたいと思います。  今までいろいろなときに申し入れをして余り聞いていただいたことがなかったんですが、パブリックコメントがいかに有効であり、また安くつくか、こういうことで、今度は非常に私どもも感銘をいたしておりまして、こういう調子でぜひこれからの行政全般も推進お願いしたいというふうに思います。  それで、実は、この当事者参加の全体の流れでございますが、基本構想と、一つの指針が運輸省を中心にしてつくられてまいりまして各自治体に出されていきます。この間から十カ所、各地域で説明会が行われました。そして、三千三百ある自治体の中で来られるところもあり、来られないところもありということでございますが、その徹底をどうするかということですね。来られないところに対してどういうことをするか。  それから、今度自治省さんがある程度主役にかわってなっていく部分もあるわけですね。これは、自治体が協議会をつくったり、当事者参加の形で事業者側も入り、管理者側も入りというような形で協議をしていくというので、早く立ち上がれば立ち上がるほど早く物ができる。そして遅くなると、みんなが立ち上がってきて、なかなか今度順番取りが難しいということになってくると思うんですが、その辺をどういうふうに進めていかれるのか。これを運輸省と自治省さんにお聞きをしたいと思います。
  32. 森田一

    森田国務大臣 交通バリアフリー法につきましては、先ほど申し上げましたように、運輸省、建設省、警察庁、自治省が共同して所管しておるわけでございます。したがって、これらが連携してその推進を図っていく必要があると思うわけでございます。  そして、地方自治体からの相談につきましては、四省庁のいずれも相談窓口を設けております。また、今はインターネットの時代でございますから、連絡先、ホームページアドレスも周知することにしておるわけでございます。  こういうわけで、私は当初、運輸省、建設省、警察庁、自治省との間で協議会のようなものをつくったらどうかと思っておったのでございますが、よく聞いてみますと、市町村に行きましたときに、これらが一体になっておりますので、市町村がその相談に乗ることによって、中央の方はいろいろ分かれておっても大丈夫だという感触を得たわけでございます。  そして、身近な相談先としましては、地方運輸局初め各省の地方出先機関においても積極的に相談に応ずることにいたしておるわけでございます。また、先ほど申し上げましたように、地方自治体への説明会におきまして、十分にその趣旨を徹底しておるわけでございます。  また、地方運輸局を通じまして、市町村が基本構想を作成することになっておるわけでございますが、それにつきましての予定等に関する調査を実施することになっております。  いずれにしても、市町村と緊密に連携をとっていくということが何よりも大事でございます。  このようなわけで、市町村におけるバリアフリー化を促進するために積極的に相談に応じていきたい、このように思っておるわけでございます。
  33. 林省吾

    ○林政府参考人 お答えを申し上げます。  法律が成立いたしましてから、私ども自治省といたしましても、住みよい町づくりによる地域の活性化を図っていくためには地方行財政制度の面でいろいろと御支援を申し上げていかなければならないということで強い関心を持っておりまして、関係省庁と一緒に、まず、法の内容であるとかあるいは趣旨につきまして地方団体に御説明をする中で、地方団体における積極的な対応をお願いしてまいっているところでございます。  法施行後間もないこともございまして、まだ基本構想までなかなかいっていないようでございますが、地方団体におきましては、法の趣旨を踏まえて、現地調査とかいろいろなものに取り組んでいるようでございまして、それがまとまりました暁には、私ども自治省としても、できるだけの支援を法律に基づき、またその他の制度もあわせまして御支援を申し上げていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  34. 玉置一弥

    ○玉置委員 地元関係する鉄道会社の駅へ行きまして、そこの管理職、経営者といいますか、その方にも一緒に来ていただいて、バリアフリーチェックを何カ所かやったんです。そのときのお話を聞きますと、まずやはり一番は、大幅な大改造を行うようなものではなかなか手がつけられないというのがありました。それから、市町村が一斉に同じ沿線で手を挙げたらどうするんですかというのがありました。というのは、一社に一つじゃないわけですね。一社に十も二十も出てくるというような形になるということになってしまいまして、集中してしまうというのがあります。  それから一番感じましたのは、鉄道の側から見ると自分たちの敷地内で何もかも済ませなければいけないということなんですが、私たちから見ると、例えば、駅の外側の広場があります、あるいは道路があります。その余った部分を使えば、十分安く対応できる。だから、例えば、二坪か三坪を買い足しすれば、それなりのエレベーターもつけられるし、エスカレーターもできるし、簡単にできるんですが、敷地内でやろうとすると、駅舎を大改造しなければいけないとか、そういう余計なお金がかかるんですね。  ですから、これから徹底されるときには、やはり市町村との協力ということが主体でございますから、必ず自分たちの周りを見渡して、外を使えば安く済むような形をまず探っていただきたい、そういうことが一つ。  それから、例えば、ほかの駅が改良するまでできませんというのもあるんですね。全体計画がありまして、その計画で向こうが先だと決められている、だから、自分たちがこれをやろうとすると、向こうの駅が終わって、ようやく私たちの順番が来るのですよというのがあるので、駅によって順番が大分後だというのがあります。しかし、必要度からいくと逆の場合もありますから、その辺をどうするかという問題点。  それから、中途半端に今便利な駅ですね。要するに、半分だけ掘って地下を通してやっているというような場合、バリアフリーにとっては一番マイナスなんですよね。本当に駅を全くつくりかえないとできないという大変な駅があります。  こういうふうに考えていきますと、何となく皆さん、余りにも大がかりに考え過ぎじゃないか。要するに、老人がすっと電車に乗れる、あるいは身体障害者の方が恐怖感を抱かずに自分一人で電車に乗れることを考えればいいわけです。だから、そんなに全く新しい機械で、駅舎をつくりかえてまでやるようなものではないということで、余計な投資をしないように、そういう意味で当事者参加をぜひやってほしいということなんです。  こういうお話を聞きましたので、ぜひ運輸省あるいは自治省さんに、これについてのお考え方をちょっと聞きたいと思います。
  35. 森田一

    森田国務大臣 私の方から総括的に話させていただいて、あと岩村局長の方から答弁させていただきます。  先ほども申し上げましたように、四省庁の間で連携をとっていく必要がありますし、また、先生がおっしゃるとおり、手近なところから手をつけていかなければいけないと思うわけでございます。そういうわけで、実施に当たりましては、市町村が基本構想を練るわけでございますが、そのときに、先生が言われるような点につきましても十分に配慮して、その構想を練らなければいかぬ、このように思っておるわけでございます。  具体的には岩村局長の方から答弁させていただきます。
  36. 岩村敬

    岩村政府参考人 大臣の御答弁で尽きておるわけでございますけれども、先ほど先生から御指摘ありましたように、施行後間もないということで、幾つか私も事例を耳にしておりますが、今先生の方から具体的に、余計な投資にならないようにとか、もっと素早くやるようにという幾つかの御指摘を受けました。  これから個々のケースでいろいろ問題が出てくると思いますが、先ほど大臣からの御答弁にありましたように、現在市町村がどういう構想を立てようとしているか、そういう調査を今しておりますので、そういう中で、今御指摘の点も頭に十分入れて、なるべく早く、そしてなるべくよりよいものができるように努力をしていきたい、そういう指導をしていきたいというふうに考えております。
  37. 玉置一弥

    ○玉置委員 次に、STS、スペシャル・トランスポート・サービスの今後についてということでお聞きをしたいと思います。  同じく附帯決議の中に、五項目めに入れさせていただいたのでございますが、スペシャル・トランスポート・サービスの導入について検討するようにということで書かせていただいたのでございますが、今現在、どういう状況にあるのか。  それから、このスペシャル・トランスポート・サービスの形態はいろいろありますが、逆に、自治体負担とか事業者の負担とか、あるいは利用者の負担とかいうものもあります。これも含めて、例えば身障者とかあるいは精神障害者とか、そういう人たち公共交通機関に対する運賃体系というものがある程度決まっていくのではないかなというふうに思います。  それから、介護保険でスペシャル・トランスポート・サービスというのはかなりなウエートを持ってくると思うのですが、移動中は介護をしないから介護保険の点数に入らないというようなこともあるそうでございます。  いずれ、かなりのところへこのSTSがかんでくるのですけれども、そういう流れの中でどういう検討をされておりますか、まずお聞きをしたいと思います。
  38. 縄野克彦

    縄野政府参考人 御説明申し上げます。  STSにつきましては、今先生指摘のように、民間運送事業者、タクシー事業者による福祉タクシーのような形から、あるいは自治体、あるいは福祉団体として提供されるようなサービスまで、いろいろな取り組みが行われております。  そういうことで、法律の改正の御審議のときに、先ほど先生がおっしゃられたような御指摘がありまして、その後、私どもとしましては、法改正の今後のいろいろな実施についての状況、基準づくり、そういう中で、STSにつきましても、これも含めまして今どんな具体的なサービスが各地において取り組まれているのか、それが今の道路運送法あるいは改正される道路運送法でどのような位置づけをされるべきか、それに対して皆様方の御認識はどうであるか、どのような支援というものが望まれているのか、どのような問題があるのか、そういうことを、今、運輸局を通じて、あるいは自治体に対して調査をしているところでございます。  そういう中で、私どもは今、概算要求の税制の中で、少なくともこのSTSにつきまして、福祉サービス事業に必要でございます、例えばリフトつき車両でありますとか、さらにはスロープつきタクシー、そういうものについて税制での減免措置などを要求しまして、とりあえずできることについての支援措置も要望しているところでございます。
  39. 玉置一弥

    ○玉置委員 どこが事業主体になるかとか、どの範囲までやるかというのは、いろいろあるわけでございまして、やれば切りがないし、これはヨーロッパの方で、それぞれの国に、どういうところに目標を置いていますかと聞くと、みんな、わからないと言うのですね。結局、やればやるほどに必要度を感じ、もっとやらなきゃいけないということになってしまうということだと思いますが、逆に言えば、人間の生活権、移動権といいますか、交通権という面から見ると、限りなく底の深い話ということで、その手段として一番有効なのがSTSだというふうに私は思っております。  このSTSを論じている間に、実はほかの話も出てまいりました。JRバスなんですね。  前回もちょっと言ったことがありますが、JRが民営化されるときに、JRに対して各自治体が補助金を出してはいけないという国会決議があります。これを根拠にして、従来から赤字路線と言われておりますJRの地方線、こういうところに対しても一切各自治体の補助金の支給がなかったのですが、これが実は赤字路線を廃止するという動きにまで、今なってきております。  きょういろいろな陳情書を見させていただいても、運輸省に対してはほとんどこのJRバスの事業存続ということで、公的助成の廃止撤廃といいますか、制限撤廃という意見書がたくさん出ております。これは今、私たちも、私たちのすぐ近くの町に行っているバスがなくなるからという話を何回も聞いておりまして、切実な問題でございます。  まずこの辺について、運輸省と自治省、もしわかればお答え願いたいと思います。
  40. 森田一

    森田国務大臣 私が総括的に答えさせていただいて、あとを局長の方から答弁させていただきます。  私は、運輸大臣に就任いたしまして感じましたのは、需給調整を緩和していくときに、どうやって安全の問題と生活確保の問題をやっていくか。これが非常に難しい問題ではあるが、どうしてもこの両者を求めていかなきゃいかぬ、こういうふうに考えたわけでございます。  JRバスの問題につきましても、国民生活に密接な関係がありますし、人々の生活、暮らしに非常に重大な影響がある問題でございますので、これらの問題につきましては十分に検討してまいらなきゃいかぬ、このように思っております。  あとは局長の方から答弁させていただきます。
  41. 縄野克彦

    縄野政府参考人 御説明申し上げます。  JRバスにつきましては、先生指摘のように、国鉄の民営化のときに、JRに対する自治体の支出の制限に関する通達がございまして、現在もJRバスに対しては私どもからの補助金は出しておらないわけでございます。ということは、それの制度的な自治体からの補助金も出していないわけでございます。  今回、需給調整の廃止といいますか規制の見直しに当たりまして、生活交通の確保策を、新しい支援システムを自治省とともに検討しているわけでございます。  そういう中で、方向としましては、私どもは、国鉄が民営化したときの経緯はございますが、JRバスも含めて、事業主体がどういう形態であるのかとか、それから事業主体の経営状況がどんなことであるのかということよりは、当該路線が生活路線としてどのような機能を果たしているのか、そういうことをより今重視する方向ではないかというふうに考えております。具体的な関係自治体、あるいは当該JRバス、それの意向もよく聞きまして、新しい支援システムの中でこれをどういうふうに取り扱うかということについて自治省とともにさらに今相談をしておるところでございますが、結論を出したいというふうに思っております。
  42. 玉置一弥

    ○玉置委員 自治省さん、お見えでございますが、今の内容、もしある程度自治省さんでお話が進んでいればちょっとお答えいただきたいと思います。
  43. 林省吾

    ○林政府参考人 今の運輸省のお答えに、私ども、特に異論があるわけではございませんが、今後の問題としていろいろ勉強してしていかなければならない課題もあろうかと思っております。基本的には、国鉄改革関連法案成立の際の附帯決議の趣旨に沿って現在のところは対応せざるを得ないというのが基本方針でございますが、御意見を踏まえて、運輸省と一緒に勉強をさせていただきたいと思っております。
  44. 玉置一弥

    ○玉置委員 予算編成がもうぼちぼち終わるんですか。そういう時期でもありますし、それからJRバスの路線廃止が着々と進んでいるわけですね。だから、ある時期に早く方針を決めないと間に合わなくなるんですが、一回廃止してから新たにというのはまずあり得ないですよね。だから、今あるうちに、これは残す残さないというのを決めさせる。やはりレベルアップですね。ちょっと拡大しようと思えば、補助金か助成か、何らかの生活路線という形で決めざるを得ないと思うんですよね。ある時期に決めてしまわなければいけないと思うんですが、大臣、いかがですか。
  45. 森田一

    森田国務大臣 ただいまお話しのように、二〇〇一年度予算編成を目の前にしておるわけでございます。そして、この予算ですべて決めるというわけにはいかないと思いますが、基本的な内容だけは決めなきゃいかぬわけでございまして、そのようなことでしっかりと対応していきたい、このように思っております。
  46. 玉置一弥

    ○玉置委員 時間が余りありませんので、まとめて言います。今の話はそのくらいで終わります。  これからSTSに関しても、あるいはバスを導入されていきます今のバリアフリーの流れについても、ある程度の規格化、標準化というものが必要になってくるだろう。今、ノンステップバスが一・五倍から一・八倍しますというような状況の中では、新たに購入してそれをやろうというところはなかなか出てこないだろうというふうに思います。  それから、STS、特に中小型のマイクロバス程度の大きさ、あるいはワゴンといいますか、そういう車が欧米には低床式のいいのがあるんですが、日本にはないということでして、欧米のものを今購入して使っておられるところもございますが、こういうものをやはり日本で開発していかないとうまくいかないだろう、こういうふうに思います。  そういうふうに標準化とかある程度規格化というものをやっていけば、かなり値段が下がってくる。それから、低床式も、ある比率を超えれば低床式と普通のタイプと値段は変わらなくなるはずなんですね、自動車の技術からいいますと。その辺をやはりある程度明確にするということが非常に大事じゃないか、こういうふうに思います。ぜひそれをお願いしたい。  それから、最後に鉄道局にお聞きをしますが、これからの省エネ化とかあるいは公害対策とか、いろいろな意味で今低床式路面電車というものが世界的にかなり採用の方向にあるというふうにお聞きしますが、我が国においての低床式路面電車の制度といいますか車両導入についてどういうふうにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
  47. 森田一

    森田国務大臣 私が総括的に話させていただきます。  低床式路面電車につきましては私も大変に関心を持っておりまして、先般、広島電鉄へ見に行ったわけでございます。そして、このような路面電車が走っておるところは十九カ所あるわけでございますが、これらにつきまして、ぜひともその促進を図っていかなきゃいかぬ、このように思っております。  あとは局長の方から答えさせていただきます。
  48. 安富正文

    安富政府参考人 具体的に今のLRTの導入についてでございますが、平成十三年度の概算要求におきまして、公共交通移動円滑化補助ということで、LRTの導入に対する補助制度を現在要求しているところでございます。具体的には、先ほど大臣からもありました広島電鉄と岡山電気軌道がLRTの導入を計画しているところでございます。  それからもう一つ、現在、広島、岡山等で導入を計画しているものは外国の車両でございますので、日本はどうしても狭軌が多いものでございますから、一方では狭軌のLRTの技術開発ということも進めてその導入の促進を図っていきたいということで、現在、建設省との連携も深めながらその導入を進めているところでございます。
  49. 玉置一弥

    ○玉置委員 時間が来ましたので終わります。ぜひ、これからのバリアフリー立ち上がりについて、それぞれ自治体に対して、積極的に参加するように、また呼びかけの方もよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  50. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、赤羽一嘉君。
  51. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。  本日、限られた時間でございますが、まず、JR各社の運賃誤表示問題について問いただしたいと思います。  率直に言って、今のこの時代になぜこのようなばかげた話が、またかつ、これだけ長期間放置されていたのかということで、私は、新聞報道でしかわかってもおりませんけれども、大変釈然としない、こんなことが現実に起こるのかなというふうに思っております。現在の時点で運輸省が認識しているJR各社の運賃誤表示の現状について、まず御報告をいただきたいと思います。
  52. 森田一

    森田国務大臣 私の方から総括的に話させていただきます。  実は、このような事態が起こるとは全く予想しておりませんでした。予想ができない事態が起こったわけでございます。それだけに重大に受けとめております。  そして、本日、高速鉄道国際会議がございまして、そこで葛西社長、南谷社長もいらしておりましたので、このようなことがなぜ起こったかということについて聞いたわけでございますが、ミスであるということでございます。しかし、今後については絶対に起こらないようにするということを確約してくれたわけでございますが、細かいことにつきましては、局長の方から答弁させていただきます。
  53. 安富正文

    安富政府参考人 今大臣からありましたように、本来、鉄道事業者として運賃の誤表示といったようなことはあってはならないことでございまして、我々としても非常に驚いて、遺憾なことだというふうに考えております。  具体的には、十一月の十三日にJR東日本の方において利用者からの指摘を受けて間違いが一つ見つかった、これはいかぬということでJR東が直ちにほかの多数の駅についてもチェックをしてみたところ、多くの駅、区間において運賃表に誤りが発見されたということで、我々の方に報告があるとともに、記者発表を行ったという経緯でございます。  運輸省としては、大臣の指示もございまして、その日、JR東日本の報告を受けとめまして、同日付で直ちに全鉄道事業者に対して、駅における運賃・料金表の表示内容を総点検しろということで指示を出しました。その結果、本日までに、JR各社それから民鉄の一部につきまして、具体的には、二十二社千二百二十六駅においてそういう誤表示が見つかったということでございまして、現在、完全にそれで終わっているのかどうかということで、まだ精査中でございます。  そういう状況でございまして、これを受けまして、特にこの原因としましては、平成九年四月の消費税率の改正に伴う運賃改定といったようなときに、いわゆる運賃表の作成過程で、各事業者がそれぞれ原票のミスあるいは表示パネルのいわゆる表示ミス、作成ミスというようなことが重なったことでございまして、現在、十六日付で通達を出して、今後のチェック体制について、これから二度とこういうことがないように十分チェック体制の強化を図るように指導しているところでございます。
  54. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 今、JR、民鉄合わせての御報告がありましたが、JR各社と民間鉄道を分けると、どのような状況ですか。
  55. 安富正文

    安富政府参考人 具体的に申しますと、運賃表の誤表示について、JR六社で九百四十七駅でございます。それから、民鉄事業者は、大手民鉄、地下鉄等含めまして十六社ございますが、二百七十九駅で誤表示が見つかっております。
  56. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 そういった御説明を受けて、鉄道局として納得されていますか。平成九年の四月から消費税が上がった、そこから誤表示が始まったと。  しかし、今実感として、これだけ景気が悪い、よく地元であるのは、乗り継ぎ、二線乗り継ぎ、三線乗り継ぎのときに、ばらばらに買った場合と通しで買った場合に、十円とか二十円違いが出る、そういったことですら案外問題になるという状況の中で、三年半にわたって千数百の区間が放置されていた、こんなことは私は信じられないです。  だから、十一月十三日に利用者から初めて知らせがあったというような御報告がありましたけれども、本当にこの三年数カ月の間に、JR各社並びに民鉄でもいいんですけれども利用者から、おかしいんじゃないかといったことはなかったのかどうか。これは、私はもう全然納得がいかないんですね。まず、そのことについてちょっと御報告いただけますか。
  57. 安富正文

    安富政府参考人 先生おっしゃいますように、先ほど申しましたように、本来、運賃をちゃんと正確に表示するというのは、事業者のまず守らなきゃいけない義務だと思います。  そういう意味で、今回、どういう原因でこういうミスが重なったのか、現在、我々としてもいろいろ調査をしているところでございます。先ほどもちょっと申しましたが、一つは、運賃表を作成するための原票を各駅でやる、その際に、その担当者等のミスによって原票自体が間違っていたケース。それから、原票は正しかったけれども、いわゆるパネルの作成業者に渡して大きく書いてもらう、その際に転記ミスといいますか、そういうミスがあった。実は、それがまた納入されて駅に来て、再度原票とのチェックがないまま、そのまま出されていたということで、いわゆる二重、三重のミスが重なっているというふうに言わざるを得ない。  我々としては、こういうことは本当にあってはいけないということで、これから、ではこういうミスを完全になくすためにどうしたらいいのか、各事業者にも具体的にどういうチェックシステムをとっていくのかということを研究させていますけれども、我々も、その各事業者の報告を受けた上で、さらに今後二度とこういうことがないように対応していきたいというふうに考えております。
  58. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 ちょっと、質問に十分答えてもらってないんですけれども、この期間で、乗客からの訴えというのは、この十一月十三日が初めてだったんですか。それが私はよくわからない。
  59. 安富正文

    安富政府参考人 正直申しまして、この期間、一つは、JR西の方に、平成九年の四月に一度、誤表示についての指摘があって、実は我々の方にもその報告がございませんで、JR西がいわゆるその際にわかった誤表示について調べて直したという経緯があるようです。我々もそのことを十分承知していなかったものですから、今回の十一月十三日の件で初めて報告を受けてわかって、再度全事業者にチェックをお願いしたという状況でございます。
  60. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 運輸省にはそういうことはあれだったけれども、その鉄道事業者、JR西日本には少なくとも九七年にあった。そのことで、総点検したんでしょうね。そこだけが違っていたということじゃないと思うんですよ。運賃の問題というのは重大な問題ですから。総点検したんですか、しないんですか。また、したとしたら、どういう結果が出たんですか。
  61. 安富正文

    安富政府参考人 西日本のときには、我々は承知していませんので、その後について、正直申してどういう対応もしておりません。  ただ、今回の件につきましては、全事業者に総点検、それも運賃表の駅での表示パネル以外、先ほど新聞等でもありましたが、点字パネルであるとか、それから、JR東では時刻表でもあったということでございましたので、そういう点検をしております。
  62. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 運輸省の指示じゃなくて、JR西日本が、そういう乗客からのクレームを受けて、それに対してJR西日本の中で総点検はされたんですかということです。
  63. 森田一

    森田国務大臣 きょう、南谷社長にその点を確かめましたところ、全く申しわけない、この点につきましては申し開きができないことであるというふうに申しておりました。
  64. 安富正文

    安富政府参考人 私も具体的に詳細を十分承知していませんが、聞いたところによりますと、JR西は、とりあえずその時点で総点検をしている。その結果、多数の駅について見つかって、それについて直しているという状況でございます。  ただ、今回さらに総点検しますと、幾つかさらに出てきたということでございました。
  65. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 これも私は別に運輸省から説明を受けたわけじゃなくて、皮肉を言えば、質問通告して初めて、きのう御説明に来ていただいたので、正しいことはわかりませんけれども、新聞報道によれば、九八年の一月に、西日本は、調べたら九十二駅二百十二の区間の誤表示がわかった、そこで訂正した。しかし、その後、この十一月二十一日のJR西日本社長の会見で、そういったことは報告を受けていないと。それをまた後日の会見では、いや実は受けていたんだけれども、これは間違っていたらあれですけれども、隠そうとしたわけではないが、運賃表の誤りに対して重大性の認識が甘かった、こういった発言があったというふうに聞いております。  この辺の事実関係と、そういった発言に対して、運輸省としてどのような見解、認識があるのか、聞かせていただけますか。
  66. 安富正文

    安富政府参考人 先ほど先生の方から御指摘ありましたように、我々としてもそういう報告、現在の段階では受けておるわけでございますが、ある意味では事業者として非常に甘いといいますか、やはりどういう間違いがあったにせよ、運輸省にぜひ報告をしていただいて、単に自分のところだけの問題じゃなくて、ほかの各社の問題もございますから、そういう点で、ぜひ報告をしていただきたかったというように考えております。  現実に、JR西の方もこの点については非常に反省しておりまして、いわゆる前回の報告をしなかった、あるいは公表しなかったということについて、JR西として、社長以下、社内処分を行っているというふうに聞いております。
  67. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 社内処分の報道もきょう見ましたけれども社長の役員報酬を一月間一割カットですか、これがどれほど重大性を感じているのかどうか。私はやはり疑問を感じずにはいられないんですね。  かつ、運輸省からの指導で、鉄軌道事業者に対しては、申し出に応じて払い戻しを行う等、過払いのあった利用者に対して誠意を持って対応すること、こういうふうに出ておりますが、具体的にはどのようにしたら、過払いに対するあれができるんですか。  現実、ほとんどそういう払い戻しの請求が行われていないと思うんですが、現実としては非常に立証もしにくいですし、誠意を持って対応するということがどういうふうにできると考えているのか、逆にJR各社からどういうような対応をしようという報告が来ているのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。
  68. 森田一

    森田国務大臣 具体的には局長の方からお答え申し上げますが、私はこの報告を受けたときに、直ちに、各社とも足並みをそろえて申し出のとおり払い戻すように指導をしたところでございます。この点につきましては、いろいろと本当に御迷惑をおかけしたわけでございますが、誠意を示すようにということを指示したわけでございます。
  69. 安富正文

    安富政府参考人 具体的なJR等の鉄道事業者の対応でございますが、誤表示を発見次第、ホームページであるとかプレス発表で具体的な駅及び区間について直ちに情報提供を行うとともに、実際に駅等に来まして過払いについて請求した場合については、各社とも当分の間、利用者の氏名とか勤務先とか本人を確認できるという事項を確かめた上で、申し出に応じて払い戻しを行うという措置をとっているところでございます。  全社まだ具体的に調べたわけでございませんが、現在のところ、例えばJR東で三十四件、約二十八万程度の払い戻し、それからJR西では、具体的にまだ三件でございますが、十二万ほどの払い戻しという形で対応しているところでございます。
  70. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 ですから、三年半こういう誤表示をしていて、払い戻しの請求件数がJR東で三十四件、西でまだ三件。これはほとんどされていないということだし、三件で計十二万というと、一人当たり四万円、これは本当に過払いの請求に応じていると大変な金額になる可能性があるわけですね。  ですから、とかく運賃問題について規制緩和がありまして、認可制じゃなくてということをやりました。各国会でもいろいろな陳情が出てきますけれども、障害者に対する運賃の値下げ云々ということについては、これは民間会社に対する運賃については政治の力でどうのこうのということじゃないということで、一線を引いてきた。その大前提には、正しい料金を取っているというのが大前提であるわけで、その規制緩和をしたら、こんなでたらめな区間の料金設定をしているというようなこと。それに対してみずからの処分が、私は、これは非常に甘い身内の処分であって、もうちょっと事の重大さを自覚させる必要があると思います。  JR各社、私は民営化するべきだというふうに思っておりますが、その大前提の基本的な条件だと思って、非常に私自身は残念だというふうに思いますが、今後についてもしっかり大臣からも御指導していただくべきだというふうに思いますが、最後にその御決意だけ聞かせてください。
  71. 森田一

    森田国務大臣 先生が御指摘のとおり、あり得べからざることが起こったわけでございまして、そのような点につきまして、深く考えておるところでございます。  自己処分をしたわけでございますが、先生のおっしゃるとおり、十分なものではないかと思いますが、きょうは非常に強く南谷社長に対して私の方から申したわけでございます。  そして、今後につきましては、きょうは東日本の方はいませんでしたが、葛西社長、南谷社長とも、もう絶対にこういうことは起こらないということを強く約束しておったような状況でございます。
  72. 赤羽一嘉

    ○赤羽委員 ありがとうございました。  終わります。
  73. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、黄川田徹君。
  74. 黄川田徹

    黄川田委員 自由党の黄川田徹であります。  前回、十一月十五日のこの委員会では、鉄道、港湾、観光の三分野について、幅広く貴重な御意見をいただくことができました。また、東北新幹線の盛岡—八戸間の開通に伴う並行在来線の経営分離問題についても伺いましたが、時間の関係上、詳しい質疑ができませんでした。  この問題は、国の基本政策であるとともに、地域住民の生活に密着した重要な課題でありますので、今回は、国と地方の役割及び国と民間の役割の基本的な視点を踏まえつつ、さらに議論を深めさせていただきたいと思います。  この並行在来線は、北海道、東北を貫く幹線動脈であり、かつ貨物輸送が主体でありますが、第三セクターが担う盛岡—八戸間には、貨物の取扱駅が一つもありません。貨物列車は、ただ通過するのみであります。  このような状況のもと、幹線貨物輸送と地域旅客輸送とが共存できる抜本的対策は、JRと第三セクターの民間同士に任せず、国が運輸政策として積極的に対応すべきものではないでしょうか。また、発想を逆転し、JR貨物を主体的分離会社とし、それを第三セクターの地域旅客会社利用させてもらう方式、まさに親ガメ子ガメ論が自然な姿ではないでしょうか。  まず最初に、この二点について、運輸大臣にお伺いします。
  75. 森田一

    森田国務大臣 ただいまお話がありました盛岡—八戸間につきましては、JRからの経営分離後は、旅客優等列車の廃止等によりまして、貨物列車の占める比率がふえてくるわけでございます。  そこで、JR貨物の負担する線路使用料につきまして、これをどういうふうに設定していくかということは非常に重要な問題でございます。今、その調整を行っておる最中でございますが、JR貨物、御存じのような経営状況でございますので、負担増となるということにつきましては大変な問題でございます。  そのようなわけでございますので、整備新幹線の整備に伴いましてJRがこうむる負担の一部について何らかの措置が必要である、このように思っております。それで、近くワーキングチームに対して、運輸省として何らかの提案をいたしたい、このように思っておるわけでございます。
  76. 黄川田徹

    黄川田委員 また、前回質問と多少重複しますが、JR貨物が第三セクターの路線を通過するときの使用料の算定で、両者間に四倍もの開きがあります。私は、運営の基本ルールとして、通過したトン数に比例したフルコスト方式が妥当であると思っております。  前回安富局長から、適切な線路使用料が決まるよう指導していただけること、並びにJR貨物がこうむる損失補てんまたは類似の措置を講じる旨のありがたい御返事をいただきました。ぜひフルコスト方式が採用されるよう望むところでありますけれども、再度、鉄道局長の御見解をお伺いいたします。
  77. 安富正文

    安富政府参考人 先生指摘のように、JR貨物と青森、岩手両県の線路使用料の考え方については、大きな隔たりがあるわけでございます。そういうことで、先ほど大臣からも話しましたように、現在、運輸省の方で、線路使用実態を反映した合理的な線路使用料のあり方について調整を行っているところでございます。  この新しい合理的な線路使用料の中身につきましては、今までのアボイダブルコストと違って、JR貨物の負担する対象経費についても幅広くとらえるという形でやるとともに、従来の、旅客と貨物が、どちらかというと旅客が多いというところの実態と、今回は貨物が半々ぐらいになるわけでございますので、そういう貨物列車の重量や走行キロといったようなことも適正に反映されるような、合理的な負担関係になるような線路使用料ということで、現在調整を図りつつあるところでございます。
  78. 黄川田徹

    黄川田委員 地元では、第三セクターの設立に向けて鋭意努力しておるところでございますので、国の適切な措置をよろしくお願い申し上げます。  次に、運輸省は、鉄道事業法をこの三月に改正し、経営効率の悪い支線等の廃止に係る手続を許可制から届け出制にするなど規制緩和を行っていることについては、地域住民の足の確保問題が残るものの、一定の理解はできるものであります。  一方、今国会で可決された原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法では、周辺地域の公共用施設に対し補助率のかさ上げや、地方債の元利償還への交付税措置等が図られるとしております。並行在来線の民営化に係る支援は鉄道事業法等によるものでありまして、公共事業とはみなしにくく、原子力施設周辺並みには扱いにくいと聞いております。  しかしながら、運輸省も、このような並行在来線や重要なローカル線に対し、運輸政策審議会に諮るなどして類似の財政措置を新たに図り、地域活性化を積極的に進めるべきではないでしょうか。また、近代化補助等による、第三セクター発足後の新駅設置等への助成策の可能性はないか、あわせて政務次官にお伺いいたします。
  79. 実川幸夫

    実川政務次官 先生承知のように、整備新幹線を建設する区間の並行在来線につきましては、JRの経営に過重な負担を避けまして、第二の国鉄をつくらないという観点から、これまで、政府・与党合意におきまして、開業時にはJRの経営から分離することとし、着工に際しましても沿線の地方公共団体から経営分離についての同意を得ることとされております。したがいまして、着工に当たりましては沿線の地方公共団体から経営分離についての同意を得ているところでもございます。したがいまして、並行在来線のJRからの経営分離後においては、基本的には地域の力で維持していただくことが必要と考えております。  なお、国といたしましても、第三セクター鉄道の安定的な経営を図るために、JRから譲渡されます鉄道資産につきましては税制上の優遇措置を講じることといたしまして、JRに対しましても要員派遣あるいは運行面での協力等を行うよう指導しているところでもございます。  また、先生指摘の新駅設置に対しましての助成措置でありますけれども、これにつきましては、地方鉄道の安全性の確保また利便性の向上等を図るために、地方鉄道の近代化に対します財政上の支援措置及び税制上の特例措置を講じているところでもありまして、引き続き、これらの助成措置を活用しながら、並行在来線を経営する第三セクターを含めた地方鉄道の経常収支の改善を図っていきたいと考えております。
  80. 黄川田徹

    黄川田委員 次に、並行在来線に天然ガスパイプライン等を敷設する問題に移ります。  前回河野長官はパイプライン調査に関し、民間企業が実施し、政府は調査結果を見て必要な環境整備を行うとお答えになりました。その際、私は、石油公団が主体の調査会社が行っているので必ずしも民間主体で行っているのではないとコメントいたしました。  それはさておき、エネルギー政策における国の役割と民間の役割をここで考えてみたいと思います。  石油を初め多くのエネルギー資源が市場の動向性を強めている昨今、エネルギー資源のすべてを海外に依存している我が国の立場は、逆に選択の自由度が増し、国際的にはより優位になっていくとも考えられます。これは釈迦に説法かもしれませんが、エネルギー資源に係る国の国際戦略は今後ますます重要性を増すことになるでしょう。また、天然ガス資源の確保と輸送もしかりでしょう。  過去、サウジアラビアにおけるアラビア石油の利権延長の交渉に失敗した理由は、鉱山鉄道設置というサウジの過大な要求にあるのではなく、それ以前に、交渉過程で、サウジ側から見て通産省という国とアラビア石油という民間の二つの役者が入り乱れていて、真の日本の姿勢が理解できなかったことにあると言われております。将来重要性を増すことが明らかな天然ガス資源についても、国と民間のスタンスをはっきり見定めて対処していただきたいと思います。  九月に行われた森・プーチン会談で、ロシアの天然ガス開発は民間ベースで行われるべきとの主張には疑問を感じております。国の基幹エネルギー戦略を決定し推進するのは国の責任であります。パイプライン輸送の海底方式か陸上方式かを方向づけるのは国の重要な役割であると思っております。そのため、陸上方式も公平に事前調査政策の一環として行っていただきたいと思っております。  なぜこの問題にこだわるかといいますと、私は、岩手県で長年地方行政にかかわり、地域住民の目線で地域活性化に努めてまいりました。また、この夏、地方行政委員会の視察で、稚内を初め北海道の要望も聞いてまいりました。北海道、東北地方の寒冷地は、熱需要度も高く、効率のよい地域分散型の小規模発電が普及しやすい環境にあり、より安いガス燃料の供給が望まれるのであります。逆に海底方式ですと、技術的に可能としても、首都圏は安いエネルギーを得られる反面、地方は今までと変わらない高いコストを強いられる可能性が強いのであります。  前置きが少しく長くなりましたが、ここで長官に、再度御見解をお尋ねいたします。
  81. 河野博文

    河野政府参考人 先生が御指摘になりました天然ガスの重要性は、私どもも全く同じように考えさせていただいております。  御承知のように、インドネシア、オーストラリアあるいは御指摘のサハリン、アジア太平洋地域は相当の埋蔵量が期待されておりますので、この導入は、石油依存度が高い我が国にとりましてその低減に資しますし、また中東依存度の高い我が国にとりましてその低減にも資するということでございます。加えて、天然ガスの活用は、地球環境問題への対応という面でも優位性があるというふうに考えられておりますので、これを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  また、御指摘のように、近年サハリンで大規模な天然ガス田が発見されておりますので、これをどういうふうに開発、輸送してくるかということは、経済性を確保しながら、例えばパイプラインで行われるということであれば我が国にとっては供給手段の多角化などの観点から望ましいというふうに考えているところでございます。ただ、パイプラインによります天然ガスの供給が実現いたしますためには需要の確保が前提条件になるわけでございまして、需要家の皆さんに対して供給の安定性と価格面の優位性をどういうふうに示せるかということが必要条件になっているのでございます。  こうした観点から、現在、我が国の企業が主体となっております、先生指摘調査会社事業化調査を行っているところでありまして、その結果などを踏まえまして、ルートのみならずパイプラインによる輸送方式をとるのかどうかについても総合的に判断されていくというふうになるのだろうと思っております。こうした民間企業の活動自身、私ども実は歓迎をいたしております。  御指摘のとおり、当該調査会社の株主のうちの一社は石油公団が株主ということではございますけれども調査自体は、いわゆるサハリン1の開発に関与しております民間の事業者が集まりまして、将来彼らが開発いたしますガスの実際の輸送手段の検討の一環として民間資金をもって実施している事業でございます。そこで、事業の実施の有無あるいはルートをどうするかといったことにつきましては、こうした民間事業者によって決定されることが適当ではないかというふうに私ども考えておりますので、この点は御理解をいただきたいと思います。
  82. 黄川田徹

    黄川田委員 LNG船で運ぶにしろ、パイプラインを敷設するにせよ、天然ガスの輸送問題は選択肢が多く、技術的に、経済的に大変難しいものであります。特に、我が国のような島国では一層でありますが、サハリンの場合、輸送方式はかなり絞られてこようかと思います。例えばパイプライン輸送を想定すると、陸上方式で、まず北海道へ、次に東北へ、そして首都圏へとガス需要を開拓しながら順に実施していく考え方がリスクミニマムで、実効性が高いと私は思うのであります。その点について、長官にお伺いいたします。
  83. 河野博文

    河野政府参考人 先ほどお答えさせていただきましたように、サハリンからのパイプライン事業につきましては、現在、非常に関係の深い民間の企業が調査会社を組みまして、事業化調査を実施しているところでございます。この企業の判断といたしましては、現時点では、工事期間あるいはコストなどを勘案して、一部は陸上もあるようでございますけれども、基本的には海底ルートを検討しているというふうに聞いております。  私どもといたしましては、この調査を見守りたいというふうに考えております。
  84. 黄川田徹

    黄川田委員 それでは終わりに、要望であります。  サハリン石油ガス開発プロジェクトのうち、サハリン1鉱区の事業主体は、エクソン三〇%、我が国のサハリン石油ガス開発株式会社、SODECOが三〇%、残り四〇%がロシア系企業であります。  御承知のとおり、エクソンは年間売上高が我が国の国家予算の約四分の一にも及ぶスーパーメジャーであり、同鉱区でオペレーターとしてリーダーシップを発揮しております。我がSODECOもエクソンと同等の出資をしており、エクソンに振り回されることなく、国益を重視した確固たるエネルギー戦略のもとに開発に当たってほしいわけであります。  また、為替問題で、過去、ルービン財務長官時代、円相場で米国にうまくやられたことは記憶に新しいことであります。我が国の現在の天然ガス価格は、欧米の二倍から三倍であります。せっかく貴重なプロジェクトですので、我が国のエネルギーのコスト低下に十分貢献できるよう大いに期待したいと思います。  以上で質問を終わります。
  85. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、大幡基夫君。
  86. 大幡基夫

    ○大幡委員 日本共産党の大幡基夫です。  ことし、道路運送法が変わり、来年度中にはバス事業者の生活路線からの撤退が地元合意がなくてもできるようになりました。この法律は、地方の公共輸送機関であるバスの生活路線の切り捨てを招くとして、日本共産党は同法案に反対しました。  まず質問したいのは、この法を根拠にして、地方自治体に対してJR西日本バスと中国JRバスが廃止の意向を表明している路線、系統がどれだけあるのか、その数字をお示しいただきたい。
  87. 縄野克彦

    縄野政府参考人 今お尋ねのありました西日本JRバスと、同じくJR西日本の子会社でございます中国JRバスにつきましては、それぞれの会社に確認しておりますところでは、西日本JRバスは全系統百九十一系統のうち百二十六系統、それから中国JRバスにつきましては、二百四十三系統のうち七十一系統につきまして、現在の、つまり支援措置のないままで事業継続が困難であるという意向自治体等に表明しているところでございます。
  88. 大幡基夫

    ○大幡委員 つまり、JR西日本バスでいいますと、百九十一のうち百二十六、実に七割近くの路線が廃止するという意向を表明している。  例えば、滋賀県の水口営業所というところがあるんですが、この管内で、土山町大河原というところから草津線の貴生川、三雲駅を結ぶ路線バスを廃止するというんです。土山町というところを走る唯一の交通機関で、この土山町にある例えば土山中学校には、三百七十五人の生徒のうち百七十八人がこのバスで通学している。水口町、甲賀町、信楽町を含む周辺四町でJRバスを使って通学している小中学生が四百三人もいるんです。これらの子供たちの通学の足がなくなる。そして、お年寄りにも深刻な影響を与える。つまり、事態は子供たちの教育権、あるいは勤労権だとか生存権そのものにかかわる大問題だ。  そこで、私聞きたいんですが、この法案が通って二カ月後にこういう事態が生まれている。運輸省はこうなることを事前に知っていたのかどうか、イエス、ノーでお答えいただきたい。
  89. 縄野克彦

    縄野政府参考人 御説明を申し上げます。  私どもとしましては、道路運送法の正式な手続にはまだ入っておりませんで、JRバス会社の方が自治体に支援なしでは事業継続が困難ということを意思表明している段階だというふうに承知をしております。
  90. 大幡基夫

    ○大幡委員 だから、無責任だと思うんですよ。JR各社は他の民鉄とは違うわけです。法律で、事業計画も毎年運輸大臣の認可が必要だ。こういうところで、そういう会社が法案が通るや否やこれだけの廃止を言い出している。私は、運輸省の監督責任が問われていると思います。しかも、バス問題というのは分割・民営化の際から危惧されていた問題です。  日本共産党は、当時、分割・民営化を進めれば、このレールを進めば、ローカル鉄道とともに不採算のバス路線の廃止を招くと厳しく警鐘を鳴らしました。そして、私、当時の議事録を調べましたら、橋本運輸大臣は、当時、バス事業は原則分離独立させるという国鉄改革法十条の具体化にかかわって、西日本などの本州は分社化しても経営は大丈夫、しかし、北海道、四国、九州の場合は一体経営する方が適当だ、こういうふうに言明をしています。  今、大丈夫だとしたJR西日本バスが、分社化によって経営破綻が起こっている。にもかかわらずに運輸省は、一体経営が適当だというふうにやっていたJR北海道の分社化をことしの三月に認可しています。これは明らかに当時の国会答弁に異なります。JR九州も分社化を検討しているというふうに聞いています。  どういう根拠でことし三月、このJR北海道の分社化を認可したのか、お聞きしたい。
  91. 縄野克彦

    縄野政府参考人 お答え申し上げます。  JR北海道につきましては、バス部門につきまして、営業所の廃止でありますとか経営の効率化に努めてきたところでございますけれども需要の減少ということも続きまして、収支改善に至らなかったことから、将来の経営の安定を図るために抜本的な経営形態の変更を行うことが事業の適切な遂行にプラスという判断をJR北海道としてしたものでございまして、このような理由から、道路運送法の手続でいいますと譲渡譲受という形で新しい会社に路線を譲渡するということで、私ども三月七日に認可を行いまして、四月一日に新会社として運行を開始したものでございます。
  92. 大幡基夫

    ○大幡委員 要するに、許可した理由は、JR北海道のバス部門の経営が悪化しているから、これは「理由」という文書の中にも明記されているんです。だとすれば非常におかしい。かつての特別委員会で、当時橋本運輸大臣が、北海道、九州、四国を分社化しないのは、バスブロックの収支採算が非常に悪いから、つまり、バス部門の経営が悪いから分離しないというふうに言明しているんです。ところが、今回の北海道は、バス部門の経営が悪いから分離させる、これは百八十度立場が違うんです。  私、同時に調べて驚いたんですが、分社化していないJR九州の場合、分社化以前に、分割・民営化前後十四の旧国鉄ローカル鉄道路線が廃止された。そのかわりに代替したバス系列が七十七あったんです。これはたしか五年間補助を受けてスタートしたと思うんです。この七十七の路線のうち四十六路線が既に廃止されているんです。つまり、九州の場合は七十七のうち四十六が廃止されている。もしこの上九州でJRバスの分社化を行うならば、九州の生活交通は完全に破壊される。  私、大臣にお聞きしたいんですが、今後、JR九州、JR四国の分社化に対しては、バスを含む事業計画を十分に検討して、安易な認可は絶対にしない、こういう姿勢で対応することが必要だと思うんですが、いかがですか。
  93. 森田一

    森田国務大臣 これは各地域においていろいろ事情があろうかと思いますが、JR四国、JR九州のバス部門の分社化に関しましては、このような話が出てまいりましたら、地域に密着した本当に細かな輸送サービスが確保されるように今後とも適切に指導していかなきゃいかぬ、このように思っております。
  94. 大幡基夫

    ○大幡委員 旅客鉄道株式会社等に関する法律の中で、毎営業年度の開始前に事業計画については運輸大臣の認可が必要、しかも、変更する場合にも運輸大臣の認可が必要。したがって、運輸省運輸大臣事業計画に基づく指導をきちんとやれば、これは対応できる問題だと思うんです。  運輸省も、国鉄の鉄道とバスは補完関係にあると言ってきた。そういう意味では、JRバスは全国的公共交通、とりわけ生活交通のかなめの一つになって、これが危機に瀕していると思うんです。私は、このことは、国鉄の分割・民営化路線の完全な破綻を示すものだというふうに思うんです。いずれにしても、このJRバスの路線廃止問題の根本にやはり国の政策があります。それを県と関係自治体による協議会の対応に任すことは許されないと思うんです。国の責任ある対応が強く求められているというふうに思います。  かつて橋本運輸大臣は、民営化されたJRバスについては、欠損補助の性格を持つ現行の地方バス補助制度に基づく生活路線維持に係る補助というものを受ける事態というものは考えておりません、つまりバスの破綻など考えていないという答弁をやっているんですね。にもかかわらずに、分社化を推し進めてこういう事態をつくり出している。ところが、その一方で、例えばJR西日本の場合は、バスの赤字は十億円ですが、西日本本社の九九年度経常利益は四百二十三億円もある。これは、東日本も東海も一緒なんです。つまり、このJR本社にバス路線の維持のための対策を求める、このことは当然政府、運輸省が指導すべきことだと思うんです。  同時に、今こういう原因と責任を全く横に置いて、バス路線を廃止するのか、それともJRバスへの補助金の仕組みをつくるのか、どちらにするのかという議論があります。九州の経験でも、補助金を出してきた代替バス路線の大半が廃止になっている。だから、単純に補助金の問題じゃないと思う。僕は全面的な検討が要ると思うんです。  既に廃止をした路線も含めて、JRと関連バス会社経営内容の情報の公開、そして全面的に検討して、例えば、あるブロックでは仮にJRに経営能力がないとするならば、JR各社の経常利益の一部を拠出させて、バス路線を維持するため、国が監督責任を果たす新たな対応なども検討すべきだと思うんです。時間が過ぎて申しわけないんですが、この点での大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  95. 森田一

    森田国務大臣 私が大臣に就任いたしまして一番心配をいたしましたのは、需給調整を緩和いたしまして、そのときに、安全の問題それから生活の足の問題、これがどのようになるかということであったわけでございます。  先生が御指摘になりました点、十分に念頭に置いて、今後ともきめ細かな輸送サービスが確保されるように十分に指導してまいりたい、このように思っております。
  96. 大幡基夫

    ○大幡委員 私、関西空港の問題も、需要予測は最大に見込んで、沈下予測は最小に見込む、つまり、採算優先、この根本にも、本来国の責任でやるべき第一種国際空港をいわば株式会社に任せるという自民党のやり方があると思うんです。ぜひ、二十一世紀の運輸行政、交通行政という点でこの根本的な転換を求めて、質問を終わります。
  97. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、日森文尋君。
  98. 日森文尋

    日森委員 私の方も時間が限られておりますので、ハイ・タク労働者に関係する事項だけ質問をさせていただきたいと思います。  最初に、基本的な問題なんですが、ハイ・タク労働者の実態についてお聞きをしたいと思うんです。  昨年の資料によりますと、この十年間で輸送人員が三二・二%減っている。その背景には、二〇〇〇年度の各運輸局の需給動向判断、これによっても、バブルのときの増車がそのまま維持をされているという状況があって、その後恐らくふえているんじゃないかという話もあるんですが、全国で三万一千八百四十四両、今でも過剰状態にあるということが背景にあるようなんです。  こういう中で、ハイ・タク労働者の実態でいいますと、賃金が、昨年度平均が三百四十三万と言われているんです。これは全産業、男性の平均からマイナス二百十八万円、こんなに低い賃金実態になっていますし、労働時間も若干多いようです。しかも、年収四百万円以上を超えているのは東京地区だけだ、こんなふうにも言われています。実は、私、長崎でタクシーに乗ったら、五十八歳のタクシー運転手さん、月収が十五万だというんです。自分のうちでちょっと畑をやっているから何とか食ってはいけるけれども、とても息子や仲間に勧められない仕事だ、こんなふうにおっしゃっていました。  こういうかなり劣悪な労働条件の中で働かされているということがあって、実は事故も非常にふえているということになっているんじゃないでしょうか。これは九三年との比較で、実は三〇%以上も事故がふえている、こんな状況があるわけです。  こういうことについて、恐らく、労働省、運輸省、それぞれ調査をされて実態を把握されていると思いますので、改めてお聞きをしたいと思います。
  99. 縄野克彦

    縄野政府参考人 お答え申し上げます。  今先生指摘のタクシー運転者の年間の収入、それから事故の実態、先生がおっしゃった数字、間違いないというふうに思っております。  それから、タクシーの車両と需要との関係でございますが、数字を申し上げますと、ちょっと古いんですが、平成十年度末、二十五万七千七百八十台、約二十六万台ございます。バブル期の増加を含めた四年度末が二十六万百四十六台ということでございまして、微減でございますが、ほとんど変わってございません。その間の需要が減ったことを考えれば、需要に比して台数があるという事実は、つまり台数が減っていない割には需要が減少している事実はおっしゃるとおりだと思います。
  100. 佐田通明

    佐田政府参考人 労働省からは賃金の問題を御説明申し上げたいと思いますが、平成十一年に労働省が調査いたしました賃金構造基本統計調査で見ますと、タクシーの運転者、男性でありますが、一カ月の決まって支給する給与は二十五万四百円でございます。調査産業全体、男性では三十六万七千二百円となっております。
  101. 日森文尋

    日森委員 大体、数字上、今、ハイ・タク労働者がどれほど厳しい実態にあるかということは明らかになっているんだと思います。  そこで、ちょっと総括的な意味で聞きたいんです。  確かに過剰状況にある、したがって、それが背景になって大変な賃金、労働の実態になっている。平均年齢は五十二歳ぐらいですから、若手が食えないから仕事に入ってこない、こういう状況が実際に起きているんですね。そういう中でさらに規制緩和、増車をしてもいいですという話になっているんですね。こういうことに今なっているわけですけれども、これについて、これから規制緩和をやって、ハイ・タク労働者の実態というのは将来どうなるんでしょうか、ちょっとそれだけお聞きをしたいと思うんです。
  102. 縄野克彦

    縄野政府参考人 補足させていただきます。  先ほど御説明しましたように、需要が減少している中で台数は減らない、このことは、需給調整をしておりますと、一たん減車をいたしますとなかなか増車ができないという気持ちに企業の経営者がなるということから見まして、今後その需給調整を廃止しまして、今のトラックのように減車も増車も事業者の判断ということになった場合に、需要に見合って台数がどのようになっていくかということについてはよく見きわめる必要があるのかなというふうに考えております。
  103. 日森文尋

    日森委員 景気がよくなるまでタクシー運転者は我慢しろということであるのだとしたら大変なことなんです。私は、今ですら緊急調整措置が必要じゃないかというぐらい緊迫した状況になっているということだけ申し上げておきたいと思うんです。  時間がないですから次に進みたいと思います。  アルバイト的な運転者とか、それから日雇い的な運転者、これが非常に増加しているという話に今なっています。こうなると、これは運転者の選任、運輸規則の中で、こういうことについては禁止をされているわけですね。運輸規則の三十五条だと、事業用自動車の運転者を常時選任しておかなければならないとなっていますし、日々雇い入れる者、二カ月以内に期限を定めて使用される者等々はだめだというふうに決められているのですが、実際にはこういう企業が大変ふえているのではないかという話を聞いているのです。これについて、運輸省がどの程度実態を把握しているのか。  同時に、今度は省令見直しになるわけですけれども、こうした問題についてきちんと明確に定めて、これをやらせないという格好にしなきゃいけないのではないかと思っているのですが、その辺の見解についてお聞きしたいと思います。
  104. 縄野克彦

    縄野政府参考人 お答え申し上げます。  今おっしゃられましたように、アルバイト、日雇いあるいは短期的な雇用というものにつきましては、身分が不安定であることから、運転者に対する指導監督が十分行き届かないのではないかということで、現在でも運輸省令によりまして運転者に選任することを禁止しております。  ただ、御指摘のように、アルバイト的な雇用といってもさまざまな形態を現出させておるようでありまして、この要件には、直ちに禁止には当たらないけれども、どうも乗務割がはっきりしていないというような形態もあるやに私ども承知をしております。  現在の運輸省令上どこが問題であるかということについて、それぞれの地域の企業の実情を私どもも把握しておるところでございますが、さらにそれを徹底しまして、必要な措置を労働省と相談しながらやってまいりたいというふうに思っております。
  105. 日森文尋

    日森委員 まず第一点は、調査は各事業主に対して徹底して行うということを確認してよろしいですね。その上で、省令の見直しについてもきちんと検討していきたいと。  ちょっとここで聞くのは失礼かもしれませんが、具体的にどんな方向で検討されるのか、腹案があったらお聞かせいただきたいと思います。
  106. 縄野克彦

    縄野政府参考人 ここで腹案を御披露するところまでは検討がいっておりませんが、少なくとも現在の安全規則、運輸省令で禁止している趣旨は、安全に関する事業者の運転者に対する指導監督が徹底されないおそれがある。そういう観点から、今禁止している形態以外でも、そういうことがあるのであれば、同じように禁止をすべきではないかという観点で検討してまいりたいというふうに思っております。
  107. 日森文尋

    日森委員 ぜひ強烈にお願いしたいと思います。  次にいきたいと思いますが、ノルマについても運輸規則の中で明確に禁止をしていますね。二十三条で運転者にノルマを課することは禁止をしているのですが、しかし実際には、累進歩合制度というような制度がありまして、ノルマそのものを課すわけではないけれども、実際にノルマを課したと同じような条件下で運転者に仕事をさせるということも実は蔓延している、こう言われているのです。  それで、当時バブルのときなんかは、ノルマを課せられても、それなりに需要があって売り上げが伸びたわけですから、運転者の賃金はふえたのです。しかし今、この累進歩合制、これは労働省の基準か何かで明確に禁止をしていますね。この禁止をされている累進歩合制が使われていると、実は、売り上げが落ちれば落ちるほど会社の方は安定した収入が確保できるけれども運転者の方はますます賃金が下がる。さっき私が言いましたように、十五万円なんという賃金になることが当然あるわけです。  こういう現状、累進歩合制が蔓延している実態、これはとても許しがたい事実と言わなければならないし、タクシー運転者の生活をますます低めてしまうということになっていくのだと思うのです。  これについても、省令改正の時点で具体的な措置というのが必要になるし、同時に、悪質というか問題な事業者に対する点数制の導入なんかも検討されているようですけれども、この辺との関連で、実態を把握しているとすれば、どうお考えなのかお聞きをしたいと思います。
  108. 佐田通明

    佐田政府参考人 累進歩合制については、労働省の通達で禁止しているわけでありますが、労働省から毎年、労働基準監督署が計画的に調査的監督というのを全国で行っております。平成十年度の結果で申し上げますと、その対象になりましたタクシー、ハイヤーの事業所約九百六十社でございますけれども、そのうち三%について累進歩合制があるということで、是正指導をいたしております。
  109. 日森文尋

    日森委員 それはわかりました。これはもう是正をされているということですね。  ということは、これは恐らくアトランダムに調査をする。そうすると、それ以外、調査されないところではもっとあるかもしれないわけですね。それについては実態はなかなか把握できないと。これについてもぜひ徹底した調査をしていただきたいということ。  それから、運輸省について、省令が変わる時点でどんな措置をとられようとしているのか。今検討している事項があれば、お聞きをしておきたいと思います。
  110. 縄野克彦

    縄野政府参考人 累進歩合そのものにつきましては、賃金体系の問題でございますので、道路運送法の体系の中でどのような規制ができるかということについては難しい面もございます。労働省との間でよく相談をさせていただきまして、運輸省と労働省が連携をとって、この問題について取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  111. 日森文尋

    日森委員 ともかく、こうした問題について、規制緩和といいながらも、きちんと指導しないと、ハイ・タク労働者の暮らしがもうめちゃめちゃになるということは明らかですから、ぜひ心してやっていただきたいと思っています。  時間が余りなくなりましたので、一点だけ。  規制緩和はとられますけれども、その中で緊急調整措置というのが発動可能だというふうになりました。これは私どもの他の委員質問しているのですが、運輸省はこの緊急調整措置について、実車率とか稼働率、運収、これらを経年化して見て、総合的に判断して発動したい、こんなふうにおっしゃったと思うのですよ。しかし、実車率、稼働率、運収などの問題について、今恐らく最低の基準ぐらいにあるのじゃないかと思うのです。これを基準にして少し経年化して見たときに、若干指数が上がったからもう緊急調整措置は発動しないということになると大変問題だというふうに言わざるを得ないと思っているのです。  恐らく、今後どういう条件のもとで緊急調整措置を発動するのかというのは検討中だと思いますが、私の側からいうと、運輸省自体が適正な水準をしっかりつくって、それを下回るようなことがあったら直ちに緊急調整措置を発動する。この措置についても、減車の関係は強制力がないですから非常に厳しい面もあるのですが、そういう適正な水準をぜひつくっていただきたい、検討していただきたい、それを聞きたいのです。
  112. 縄野克彦

    縄野政府参考人 御説明申し上げます。  今おっしゃられました緊急調整措置の発動要件につきまして、一つは、今先生が列挙されました実車率等の稼働状況についての指標がございます。それから、その経年変化もございます。もう一つは、それは供給過剰かどうかという判定の基準でございます。もう一点は、その結果として、輸送の安全や利用者の利便の確保が困難となっているかどうかということについての、例えば事故件数、法令違反件数、利用者からの苦情件数、そういうものを判断する必要があるというふうに思っております。  私どもとしましては、一つは、それぞれの地域ごとの供給過剰についての指標の現在の値、それから経年変化、それと、これまでの、後で申し上げましたトラブル、そういうものの発生件数、それの実際の値とその相関関係、つまり、どのような経営の指標になるとトラブルが発生するかということを、それぞれの地域によってまた値も相関も違うと思いますので、その値をきちんと把握した上で、その発動要件としての最終的な判断要件を決めたいというふうに考えておるところでございます。
  113. 日森文尋

    日森委員 時間がなくなりました。大臣の決意も聞きたかったのですが、ぜひ適正な水準はつくっていただきたい。その際、今言われたようなこともそうなんですが、それ以上に、血の通った、そういう暖かみのある基準といいますか、つまり運転者の賃金実態であるとか、あるいは実車率であるとかということをきちんと根底に加味した水準、これをつくっていただきたいということを要望して、もう時間が過ぎましたので、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  114. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、森田健作君。
  115. 森田健作

    森田(健)委員 21世紀クラブ、森田健作でございます。大臣、きょうはまた御苦労さまでございます。  消費者にとって価格が安くなる、これは大変いいことだと思いますし、大変歓迎するところでございます。しかし、安くなるのはいいのですが、余り安くなると、何となく不安に思ったり、不信感を持ったりすることもあるのではないかなと私は思うのですよ。  例えば、私の友人、A君にしましょう。このA君は、あるレストランで千円の定食をよく食べていたんです。そうしたら、ある日、そのレストランはその千円の定食を昼間ランチにして、ランチで食べると八百円なんです。いいな。よく見たら、サービスも、それから料理の質も量も変わらない。これはいいことだ。そして、そのA君もたびたび利用したのでございますが、そのうちに、何と金曜日になりましたら、夜の五時から七時までこの千円の定食は五百円になるというのです。これはすごいな。待てよ、質はどうかな、量はどうかな、サービスはどうかなと思ったら、全く同じだ。いいことだ。もう少したちましたら、今度、木曜日、五時から六時半まで何と千円の定食が三百五十円になった。ええっと思いました。何でこんなに安くなるんだろうと思う気持ちと同時に、これはいいことだと思いながらも、待てよ、大体おれはいつも千円の定食を食っているんだよ。幾ら安くなったからといって、幾ら曜日も指定され、時間も指定され、そういう条件があるからといっても、三百五十円はちょっとひどいんじゃないかなと思い始めた。  そして、そのレストランに行って店主を呼び、おかしいだろう、三百五十円、どう見たってこれは赤字じゃないか。私なんかはいつも千円の定食を食べているんだ。私たちのことを思うならば、千円の定食を何とか一割、九百円にするなり八百円にした方が私たちはうれしいんだ。何とかならないだろうか。そうA君はおっしゃったわけですね。私、その気持ち、何となくわかるんですよ。そういう気持ちを持ってもおかしくない。  そう思っているところ、実は先日、新聞の広告に出ていまして、JALの前売り21、例えば東京—札幌六五%オフ。言うなれば六五%割引です。片道九千九百円。これはすごいですよね。東京—札幌間、通常料金は五万六千円ですよ。日時だとかいろいろ条件はございますよ。それでもこれは往復で一万九千八百円ですよね。余りにも、ちょっと差があるのじゃないか。例えば、大臣、同じ飛行機で、大臣がお座りになって、泉総括政務次官がお座りになって、実川政務次官がお座りになって、この二人は一万九千八百円で乗っているんですよ。大臣は五万六千円払っているんですよ。同じサービスだし、同じ時間に着くし、何となく不満というか嫌な気持ちを持つこともあると思うんですね。  ですから、私、では実際に通常料金で乗っている人はどのぐらいいるんだろうと思って、それを調べたところ、何とお客さんの三%から五%だというんです。言うならば百人のうち三人から五人なんですよ、まともな料金を払っているのは。だったら、この五万六千円を四万六千円にしたっていいじゃないかなと私は思うんですよ。  ですから、この通常料金、昔テレビの二重価格だのなんだのかんだの、秋葉原に行ったら安いだのとかいろいろ問題になったこともありますが、この通常料金五万六千円というのは、何を根拠に、どのように算出されているのかなと私は疑問に思ったのでございますが、その辺、ちょっとお聞かせ願えますか。
  116. 森田一

    森田国務大臣 総括的に私の方から答えさせていただきます。  確かに、認可運賃の場合には、コストを算定いたしましてこれを認可しておったわけでございますが、届け出制になりまして、運賃が多様化いたしまして、先生がおっしゃるような矛盾点が出ておることも事実でございます。  私が大臣に就任したときに、需給緩和と、それからこういう問題をどうやって合理的に皆さん方が納得するような運賃にできるかということについて真剣に考えておるわけでございますが、これからも、その辺の問題につきましては十分に問題意識を持って対処してまいりたい、このように思っております。
  117. 深谷憲一

    深谷政府参考人 補足して御説明をさせていただきますけれども先生案内のとおり、航空法の抜本改正がございまして、ことしの二月から施行になりました。今大臣から御答弁申し上げましたように、事前届け出制という仕組みに相なりました。この事前届け出制の仕組みの中での運賃の設定でございます。  いわゆる民間企業でございます航空会社が、自分の経営判断で、その路線の需要だとかそれぞれの地域の状況だとか、そういったものを総合的に考慮された上で設定されているということでございまして、利用者の多様なニーズや各地域の状況などに対応すべく、いろいろな割引運賃も設定しながら柔軟な運賃設定を各経営判断の中でやっていくという仕組みになっているということで御理解いただきたいと思います。
  118. 森田健作

    森田(健)委員 私はそのこともわかっておりますが、私が言っているのは、要するに、通常料金五万六千円というのを実際に払っている人は三%から五%だ。ならば、余りにも格差が広過ぎるから、例えばこれは四万六千円ぐらいでもいいんではないか、私はそのように思うのでございます。  それと、私のみならず諸先生方もこういうビラはよく御存じかと思います。例えば、沖縄・那覇、往復航空運賃六万九千円でございます。これはツアーで、沖縄あったかリゾートというのですが、三日間で、宿泊ももちろん込みでございます。それから観光つきでございます。二万九千八百円から。六万六千八百円はわかります。二万九千八百円、飛行機に乗るんです、これは。泊まるんです。それから大臣、観光までついているんですよ。だから、私はわからないんです。本当に素人なのかもしれません。だってまともに行ったら六万九千円ですよ。二万九千八百円の中に、どのように航空運賃というのは含まれるのかなと思うんですが、どうなんでしょうか。
  119. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  先ほども御説明申し上げましたように、各企業が自由に設定する世界の中に今いるわけですけれども、行政といたしましては、法律の仕組みの中で、これが、極めて例えば不当な差別的取り扱いの運賃であるとか、あるいは著しく不適切で利用を困難にするようなおそれがあるとか、あるいは不当な競争を引き起こすような運賃であるとか、こういったケースについてはいわば変更是正の措置がとり得るのですけれども、それ以外の中では各企業がそれぞれの、割引運賃ですと利用にいろいろな制約がございますし、普通運賃ですと、これはいつ行っても買えて、乗れて、エンドースも可能というふうなことでございますので、その中ではおのずからいろいろな幅が出てまいりますが、これは一つの自由化による運賃の多様化かなというふうに認識しておるところでございます。
  120. 森田健作

    森田(健)委員 わかります。それと同時に、安いのにこしたことはないのですから、くちくち言わないで、安いのが出たらそれを利用すればいいというのはわかるのです。  私は通常料金、どちらかというと三%、五%組なのですよ。いつも通常料金を払っているのですよ。ですから、例えばこういうことはどうでしょう。そういう通常料金を払っている人は、ちょっとサービス内容を差別化してあげるとか、席をちょっと変えてあげるとか、そういうふうにしたらより一層お客さんも納得するのではないかな、大臣、そのように私は思うのでございます。
  121. 森田一

    森田国務大臣 需給調整の緩和の中でどのように皆さん方に納得していただけるかということは本当に難しい問題で、しかも重要な問題だと思っております。  先生の御提案のようなことが実際にできるかどうか、十分に検討してまいりたいと思っております。
  122. 森田健作

    森田(健)委員 これは通告していないので、もし無理でしたら結構でございますが、泉総括政務次官並びに実川政務次官、個人的な見解でも結構でございますが、何か御意見がございましたら、ぜひとも賜りたいと思います。
  123. 泉信也

    ○泉政務次官 大臣がお答え申し上げましたように、自由な競争をさせるという現在の航空行政の中でございますので、いろいろな料金設定をしてこようと思います。空気を運ぶよりも、いわゆるシーズンオフのときには何らかの形でお客さんを乗せようというような割引料金の設定なども、知恵の出しどころだと思います。  ただ、先生指摘のような余りにも差があるということについては、一考を要することだと思います。
  124. 実川幸夫

    実川政務次官 先生先ほどレストランのお話を具体的に出されましたけれども、私も地元でそういう経験がございます。また、今航空運賃のお話が出ましたけれども、けさ、新聞広告で九千九百円、私も見ましてびっくりしたのですけれども、今大臣また総括政務次官からお話がありましたように、それぞれ各企業での値段の設定というのがありますけれども、私も森田先生と同じように、少し理解に苦しむ点も確かにございます。
  125. 森田健作

    森田(健)委員 明快な御答弁を賜りまして、ありがとうございます。  ただ、私は思うのでございますが、確かに安いことは結構でございます。それと同時に、先ほど申し述べましたように、余りにも格差があったりすると、消費者といいますか国民の皆さんに何となく変な不信感を持たれたりすることは余りよくないのではないかなと私は思います。どうぞその点を十分にお考え願いまして、航空行政をおやり願いたいと心から思います。  ありがとうございました。
  126. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、西川太一郎君。
  127. 西川太一郎

    ○西川(太)委員 私は、きょうは小笠原島の飛行場に限って、大臣、局長にお尋ねをさせていただきたいと存じます。  平成十二年二月二十七日、前の日から硫黄島経由で小笠原島の飛行場建設予定地を視察された当時の二階俊博運輸大臣は、悪天候のために東京に帰ってくる経路に非常に御苦労されたことを、当時閣僚懇談会でお話をされたわけであります。私も直接そのお話伺いまして、特に二十七日には、当時私は防衛政務次官でございましたが、病気になられた方が小笠原島でおられまして、東京に緊急輸送しなければならない、しかし、大変悪天候で防衛庁の水上飛行機が使えないということから、硫黄島に巡視船のヘリコプターで運んでいただいて、そして海上保安庁の小型ジェットで東京に運び、事なきを得たというようなお話を承りました。  東京から一千キロ離れたこの地区に飛行場をぜひ建設してほしい、全国が高速交通体系でネットワークされているにもかかわりませず、昭和四十三年復帰以来、三十年以上が経過し、非常に不便をかこっておられるわけであります。  ぜひ、小笠原が自立、発展するために欠くことのできない基幹施設でございます。小笠原住民にとって返還以来の悲願になっているわけでございまして、こうしたことから、小笠原村長は、かねてより島民生活のための空港整備が不可欠であると強く訴えてきているわけでございますが、この必要性につきまして、まず森田運輸大臣の御見解を承りたいと存じます。
  128. 森田一

    森田国務大臣 実は、おととい二階前運輸大臣と懇談をする機会がありまして、そのときに直接にお伺いしたわけでございます。そして、先生の御指摘のように、本年二月に前大臣が小笠原を訪問した際に、現地で急病人が発生いたしまして、急遽大臣一行のヘリコプターで東京に移送されるという出来事があったそうでございます。そのときに、二階前運輸大臣は、小笠原諸島の置かれておる厳しい状況ということを非常に強く感じられたようでございます。私も、その話を聞きまして、全く同感でございます。  こうした状況のもとで、運輸省といたしましては、小笠原空港必要性ということを十分に認識しておるわけでございますので、適切に対処してまいりたい、このように思っております。
  129. 西川太一郎

    ○西川(太)委員 空港必要性を十分に認識していただいているという大臣の御答弁をいただきまして、大変ありがたいと思っております。  小笠原空港への取り組みをさかのぼりますと、復帰直後の昭和四十四年には、小笠原諸島復興計画の策定に向け、父島、母島、兄島等にかかわる空港適地調査が実施をされ、長い年月を経た後に、平成二年には、環境庁長官をお務めになった梶木又三先生委員長お願い申し上げまして、そうそうたるメンバーで小笠原諸島二十一世紀ビジョン懇談会というものをつくりまして、これへの取り組みを提言していただいてきたところでございます。そうしたこともあって、国の第六次空港整備五カ年計画に取り上げられたのでございますけれども、それ以来、小笠原空港整備が進捗を見ておりません。  このことについて運輸省御当局はどのようにお考えになるか、担当の局長に承りたいと思います。
  130. 深谷憲一

    深谷政府参考人 御説明申し上げます。  小笠原空港の経緯につきましては、その端緒から、今先生指摘のとおりでございますが、一九九一年度、平成三年度から第六次空港整備計画というものがスタートをしたわけですが、その際に、小笠原空港予定事業という形で位置づけをさせていただいたわけです。その後、東京都は、一九九五年、候補地を兄島というところにお決めになったんですけれども環境問題等によりまして、さらなる具体化に至らずに議論が一度出発地点に戻ったというふうな経緯がございます。  その後、兄島にかわる候補地ということで東京都の方で御検討されてこられまして、一九九八年の五月に父島の時雨山というところに御決定をされました。以来、去年の一月から、その場所における自然環境保全対策のための専門家による検討会が続けられて今日に至っているというふうに承知しています。  運輸省といたしましては、今若干触れさせていただきましたような経緯から時間が経過しておりますけれども、先ほど大臣の御答弁がございましたけれども、小笠原の方々の置かれております状況を踏まえますと、関係者間で速やかなコンセンサスが得られて具体化への道筋ができればなと期待しているところでございます。
  131. 西川太一郎

    ○西川(太)委員 ただいまのお話のような経緯を踏まえますと、一刻も早く小笠原住民のために具体的な道筋をつけていただきたい、こういうふうに思うわけでありますが、そのためには、候補地が兄島、父島というふうに変わって何年も時間的なロスがあったということの経験にかんがみて、しっかりとひとつ方向を見定めて進まなければいけないな、こんなふうに思うわけでございます。  実は、そうした中で、私手元に、これは毎日新聞の本年十月十四日の朝刊でございますが、「「都の姿勢に不信感」 小笠原空港建設問題 宮澤村長が抗議文」と、石原知事は時雨山案に否定的な御発言があったようにこの報道では伝えられております。真意が那辺にあるか私は存じませんけれども、こうした東京都知事の御発言があったわけでございます。  それを踏まえて、この問題につきまして、何か運輸省として姿勢の変更があるのか、恐縮でございますが、その辺を大臣にお尋ねしたいと存じます。
  132. 森田一

    森田国務大臣 確かに、私もその新聞を読ませていただきました。最近小笠原を訪れられた石原都知事が時雨山案について後ろ向きともされる発言をされたように聞いておりますが、その内容について、まだ真意を確かめるところまで至っておりません。  しかし、いずれにいたしましても、小笠原諸島における空港必要性ということは強く認識をしておるわけでございます。そして、この空港の設置者は都でございますので、都も含めて関係者の間でコンセンサスが得られますように、早期に具体化へ道筋がつくことが望ましいと考えております。
  133. 西川太一郎

    ○西川(太)委員 私、十五分の時間をちょうだいしましたけれども、最後の質問になります。だから、十分ちょっとで議事進行に協力をしたい、こう思います。  最後の質問は、冒頭の第一問と同じ趣旨でございますが、一千キロ離れた地域、そして冒頭にも二階大臣の御経験をお伝えしたように、同じ都民でありながら、アクセスにおいて不便をかこっている、そして命にかかわる場合もある、こういうことを考えますと、将来のリゾート地としての開発も大いに考えられるし、いろいろな意味で島嶼の生活というのは、三宅島の方々の御不便、御不幸もこれあり、私、何とか島嶼地域の方々に明るい展望を示すという意味でも、森田大臣の御決意を重ねて伺って、質問を終わりたいというふうに思います。
  134. 森田一

    森田国務大臣 先ほど申し上げましたように、おととい二階前運輸大臣にお会いしましたときに、切々と訴えられたわけでございます。私もそれに非常に感動いたしまして、小笠原における空港が一日も早く実現しなきゃいかぬ、このような決意を固めた次第でございます。
  135. 西川太一郎

    ○西川(太)委員 ありがとうございました。      ————◇—————
  136. 赤城徳彦

    赤城委員長 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 赤城徳彦

    赤城委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  それでは、理事工藤堅太郎君を指名いたします。      ————◇—————
  138. 赤城徳彦

    赤城委員長 この際、申し上げます。  今会期中、本委員会に付託になりました請願は七十件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会において慎重に協議いたしましたが、採否の決定はいずれも保留することになりましたので、御了承願います。  なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり、高速鉄道網の整備促進に関する陳情書外五件であります。  また、地方自治法第九十九条の規定に基づき、本委員会に参考送付されました意見書は、お手元に配付してありますとおり、JRバス事業者に対する公的補助の制限撤廃に関する意見書外三十五件であります。念のため御報告いたします。      ————◇—————
  139. 赤城徳彦

    赤城委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  港湾に関する件  海上保安に関する件  観光に関する件  気象に関する件 以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 赤城徳彦

    赤城委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件につきましてお諮りいたします。  まず、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、派遣の目的、派遣委員、派遣期間、派遣地並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 赤城徳彦

    赤城委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  次に、閉会中、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 赤城徳彦

    赤城委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十八分散会