○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
本日は
森田運輸大臣がお見えでございますが、私は交通・
情報通信
委員会に所属しておりますので
質問の機会はたくさんございますので、きょうは農林
大臣お見えですので、農林省に何点か
質問をさせていただきたいと思っております。
〔
委員長退席、理事鹿熊安正君着席〕
まず、米の問題でございますけれども、ことしは御存じのとおり大変災害の多い年でございました。災害が多いと農産物の被害というのは非常に多いわけですけれども、ことしはどういうわけか地震とか火山の爆発とか、そういう災害が非常に多いようで、天候の方はどちらかというと恵まれたと。それによって米も全国的に大変豊作が予想されるというふうに伺っているわけでございます。
米の豊作ということになれば、これは農家の方の
努力が報われたわけですから農家の方々も大変喜ばれる、我々自身も、稲作国家でございますので、
国民全体としても大いに喜ぶべきことであると私は思うのでありますが、しかし現実を見ますと、本当のところを見ますと、農家の気持ちを察するに非常に不安を感じているというのが正直なところではないのかな。ということは、豊作になれば米が余る。今まで米が余って困ったことが随分あるわけですよね。その米余りに対してどういう解決策が講じられるのか、どうなるのかというその先行きの不安があるのが実は正直なところだと思います。
政府が恐らく過剰米処理で何かいい方策を見つけてくれるのではないのかなというような期待もございますし、一方では、生産調整がさらに強化されるのではないのかなという不安もあるわけでございます。
〔理事鹿熊安正君退席、
委員長着席〕
農家の所得、先ほどの
質問もございましたけれども、例えば米に見ましても、入札
制度がとられた当初、北陸の私の方の米も一俵当たり二万三千円ぐらいに張りついたことがございます。それが今現実には一万六千円ですか、その程度になっているわけで、その差額といえば七千円なんですね。したがって、千俵生産している農家を見ますと七百万円の減額になるわけです。千俵といえば、これは一反歩十俵とるということになれば十ヘクタールの農家ですね、十ヘクタール経営の農家。これはかなり大規模かもしれませんけれども、極端に大規模な農家ではない。大型の農家であるというふうに受け取れるわけですけれども、そういう人たちがこれだけの収入減になっている。また、この先、さらに今までの経緯を見ますと、米の価格がどんどんどんどん減っていっちゃう。保証価格というんですか、三年間の平均をとって保証するような
制度があるようでございますけれども、それもどんどん下がっていってしまう。そういう不安が非常にあるわけでございまして、米の需給
対策というのは大変重要な問題ではないのかなと私思うわけです。
それと、先ほどの
質問で、ちょっと余談になりますけれども、私もかつて地方
行政で農業を担当したことがございますので、先ほどの議論の中で農家所得についていろいろ御議論がございました。平均値で一戸当たり百何十万とかという数字が御議論ございまして、あれもあれで大変大事かと思いますけれども、例えば一戸当たりの水田面積が一町歩だ、一ヘクタールだということをよく言われるわけですけれども、これは全体を農家で割ればそうなりますけれども、現実を見ますと、そういう農家というのは余りないんですよね。要するに、両極端に広がっているわけです。もっと少ない農家か、あるいはもう少し大きい農家かというふうに両極端に分かれているものですから。要するに正規分布していないんですね。正規分布していないものを平均値で議論すると、これは架空の議論になってしまうと私は思いますので、その辺は農林省の方も十分おわかりだと思いますけれども、
対策を講じられているときはその辺の多様性というものを十分認識していただきたいなというふうに思っております。
と同時に、そういう状態ですから、兼業農家もおりますしそうでない農家もおる、専業農家もおります。そういう方々を、専業農家は農業経済の面からやればいいんでしょうけれども、いわゆる兼業農家というのは、これは農業所得だけ見ていたら本当にささいなものでありますけれども、ある
意味では農業を通して国土保全なり貢献しているわけで、それであってそういう人たちが生活している、兼業で生活しているというのはほかのことをやっているわけですけれども、農家という単位で農林省はとらえていただきたいな、こういう希望を持っております。
そういうことで私も一度調べたことがあるんですけれども、最近はちょっとわかりませんが、農林省の統計で農家単位でとった統計というのは、数年前だったですけれども、ほとんどないんですね。そういう面で、これはそのときに私は農林省に御
要望したことがありますけれども、そういう面のとらえ方をぜひしていただきたいな、そんな思いでございます。これは余談なんですけれども。
先ほど来、農業は外国の攻勢が非常に強い、したがってだんだん農業が下向きになるという面もございますけれども、若い後継者の中には非常にやる気のある人もおるんですよ。そういう人に対して農林省も余り後手後手にならずに実態をしっかりと提示していただいて、農家の中から、自分自身で何かやり出す、自分自身で動き出す、そういう面を引き出していただきたいなと思う次第でございます。
そこで
質問をいたしますが、まず米についてです。
これは大体私もわかっているつもりですけれども、ことしの米作の作柄の見通しと、それと同時に、先ほど言いました米余りの問題になる期末在庫量、これのことしの見通しというものをまずちょっと教えていただきたいと思います。