○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
本日の
最後の時間をいただきました。
質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたしたいと
思います。
私、専門外ではございますが、労働時間と豊かさといいますか、その辺について、ごく一般の人間と時々お話ししていていろいろ
議論になることがあるという、そういうような視点からちょっとお伺いをさせていただきたいと思っております。
いわゆる豊かさといいますか、戦後の
日本、これは本当にここにおいでになる皆さん方の御努力のたまものであると
思いますが、非常に豊かになったと言われているわけでございまして、実際に実質消費
水準なんかも物の本によりますと終戦直後から比べるともう十倍近く上がっていると。確かにそういう点では物的には非常に豊かになっているわけでございますが、また別の面から見ますと、先ほども
川橋先生の御
質問でございましたか、自殺者が最近ふえてきたと。これは本当に豊かになってこういうことが起こるのかなというような気がいたします。
とはいえ、豊かさをはかる指標というのはなかなかいろいろあって、労働時間だけに限ったことでない、いろいろな面があるでしょうし、これはまたデジタル表示といいますか、数字でこれだということを表示できない問題もあろうかと
思いますが、その点は十分心得ている次第ですが、労働時間ということで
質問させていただきます。
いわゆる豊かさの指標の
一つとして労働時間というのがあると
思います。これはもう皆さん多くの人がお認めになっている。短くなって、拘束されない自分の時間をたくさん持てるという方がはるかに豊かであるというようなことであろうと
思います。
何か余談みたいな話でございますが、物の本によりますと、未開人種というんですか、それは差別語になるかもしれませんが、いわゆる昔のままの農耕、狩猟、それから漁労、それから焼き畑農業なんかやっているそれらの人の今の生活時間なんかを分析すると、我々は、食糧を確保するために相当努力しているんじゃないか、それで時間の大半をつぶしているんじゃないかというふうに一般的に
考えてしまうんですけれども、実はそうでなくて、非常に自由時間が多いというような
研究者の報告があるわけでございます。それが
一つの豊かさと言い切れるものではございませんが、要するに、そうやって物の豊かさがなくてもそういう時間があれば幸せなのか、あるいは我々みたいに物の豊かさを持って時間に追われるのが本当の幸せなのか、それはまた別の
議論になると
思います。これからの
日本の豊かさを求めるための
一つの大きな
課題にはなるんじゃないかと
思います。
そのことは今さておき、私どもも、戦後豊かになるために、労働時間につきましても、我々の若いころといいますか、
仕事を一生懸命やっていたころは随分労働時間が多かったような印象を受けます。これは戦後の復興の時期ですからやむを得ないと
思いますし、そのときにやはり将来はもっと楽な生活、楽な労働時間にするんだ、そうなってもらいたいという願いからそういう努力をいたしたんだと
思いますが、どうも最近周囲を見てみますと必ずしもそうなっているのかなというような疑問を私自身持っているところでございまして、その辺、当然調べればいいのかもしれませんが、そういう視点からこれからいろいろと私も
研究といいますか調べていきたいと
思いますが、そのきっかけとして、まずきょうは
労働省にその点をお聞きしたいと思って
質問をいたすわけでございます。
そういう
意味で、
労働省の方も随分いろんな面で御努力されてきたと
思います。実際、労働時間も随分統計的には軽減されているんじゃないかというふうには思っておりますが、今までどういうような経過をたどっているのか。これは分析するのに非常に難しいと
思います。国内だけの経年
変化ばかりじゃなくて、国際的な比較もありましょうし、あるいは
女性の労働進出といいますか、それからパートの問題もあるでしょうし、非常に難しいかと
思いますが、
労働省としてはその辺どういうふうに把握されておられるか、まず御説明を願いたいと
思います。