○水野誠一君 電子商取引が増大してきている。あるいは現在盛んに言われる音楽や動画コンテンツの流通が始まっている。あるいはインターネット人口がかつて想像もしなかったほどのスピードで急増している。こういった情報トラフィックの加速度的な増大が確実である以上、それを支える情報インフラの
整備は急務だと思います。
日本は光ファイバー関連
技術については極めて高いレベルを持っていると言われているわけでありますが、例えば一本のファイバーに複数の波を通すことによって情報量を飛躍的に高める波長多重というような
技術などは世界と比べても
日本はトップクラスだと聞いております。
技術革新のスピードに線の、言ってみれば光ファイバーの敷設が追いついていない状況とも言えるわけでありまして、ここでのスピードというのは極めて大事だと思います。
しかしながら、光ファイバーといっても、これは引けばいいというものではないわけであります。これは、例えば悪名高いスーパー農道あるいはスーパー林道という例があるわけですが、引いたはいいけれ
どもニーズがなくて一日数台の車しか通らない、こんな状態では全く
意味がないわけであります。しかし、金はかかっているからだれかがそのコスト負担をし続けなければならないというような例というのは過去の
公共事業の中にも随分あるわけでございまして、それによって、例えばこの光ファイバーなんかも、利用者がいないから価格が高くなる、高くなるからますます使わない、こういった悪循環に陥っては決してならない、そんなことが起きては
IT革命の
時代にかえってマイナスになってしまう、こんなことを危惧しているところもございます。
政府内でも、光ファイバーについては従来どおり民間主導でやるべきか、どの部分を
公共事業でやるのかといった整理もまだついていないと聞いております。だれがコストを負担するにしても、高価で不便な
ネットワークインフラが定着するということになってはユーザーにとって最悪な
事態になることだけは間違いないということは申し上げておきたいと思います。
例えば、そういうことからいきましても、末端の個人ユーザー、私自身もそのユーザーの一人でありますが、光ファイバーが
家庭まで届いてくる状況を待ち切れないということで、今CATVやDSLによるある程度の高速回線を既に手にし始めているわけであります。
御
承知のように、これは現在、
家庭用のISDNでございますと、六十四Kとか百二十八Kがせいぜいというところでありますが、これはやはり、私もアメリカなんかに行ってびっくりするのは、
家庭でも一・五メガ、これはまさに
日本と比較すると十倍から二十倍のスピード、こういうことがもう既に実現をしているということを
考えると、先ほど御答弁の中にもありましたが、三六%まで来ていると言われながらも最後のラストワンマイルが実現しないがために大変我々は不便な体験を、我慢を強いられている。こんなこともこれはあるわけでございます。
そんなことから、
一つここに、最近になりましてCATVとかDSLというような手法も実現し始めているわけでありますが、こういった
競争の中で、ややもすると
日本が今
考えている光ファイバー自体がもうみんなが競ってただただ光ファイバーを引くということになり過ぎても、余りにも光ファイバーの使い方、使い道というものが十分に
考えられないままにただただ引かれるということによってかえってインフラがだぶついてしまうような問題、これも出てくるんじゃないか。
例えば、今既に話題になっておりますが、
下水道内へ光ファイバーを建設省が引くことを
考えているというようなこともありますし、また電力各社、これもそれぞれ光ファイバーを引いている。あるいはJRを初めとする鉄道各社、これも光ファイバーを引いているというような状況の中でそういったそれぞれの
光ファイバー網ができるんだけれ
ども、それが最終的なところでお互いにつながり合って機能していかないような状況、こんなことも十分に
考えられるわけであります。
今、もちろんそれなりにさまざまな
分野でこういった
問題意識が持たれていると思うわけでありますが、この光ファイバーあるいは情報通信インフラの
整備について、本来ですとこれは郵政省あたりに伺った方がいいかもしれないんですが、そうではなくて、むしろユーザーサイドあるいはコンテンツサイドに立った
通産省としては今後方向性をどうお
考えなのか。この点について伺えればと思います。