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鈴木(淑)
委員 宮澤大臣おっしゃるとおり、この二年間いろいろありましたが、余り
思い出したくないとおっしゃいました、語りたくないとおっしゃいましたが、やはりこれは二年前の金融国会にさかのぼらなければ、なぜ今森内閣が引くも地獄進むも地獄みたいな状態に追い込まれたかというのはわからないと
思います。今お配りをいたしました。
国民の
皆さんには、このパネルで見ていただきたい。
最初に
総理に御確認しましたように、市場
経済の鉄則は、借金を返せぬ者は市場から退出するということです。これは金融機関についてもそうです。大企業はもちろんのこと、大銀行だってそうです。ですから、二年前の金融国会で民主党と公明党と私ども自由党が最初に出した
野党案というのは、破綻金融機関を市場から退出させるということを原則にした
法律を出した。退出させるのを原則にしています。受け皿銀行でも出てくれば別ですよ、そうはうまくいかない、なかなか。だから退出が基本です。
そのとき、二つの方法を言ったのですね。一つは、小さな銀行の場合は整理管財人による法的な整理を普通にやりましょう。もう一つは、非常に信用秩序なんかへの影響が大きい場合は国が管理しようという方式を出したんですね。このときの国の管理というのは、株だけ買って公的管理下に置くということです。それで、信用秩序に影響が出ないように、整々とその銀行を整理していくという考え方ですね。悪い部分は整理回収銀行へ持っていくということです。いい部分は買い手があれば出すということです。
それから、海外との取引が一番問題になったのですが、海外との取引については、打ち切りますと特約がいろいろついていて大変です。デリバティブズだけじゃなくて、海外との貸借関係も打ち切るわけにいかない。こういうのは、例えば一括して当時の輸出入銀行、今の国際協力銀行に移すとか、いずれにしても、私ども自由党は整理を原則とした
野党案を出していた。私は公明党さんも同じだったと思う。
それに対して
政府の方は、いわゆるブリッジバンク法案を出してこられた。これは破綻金融機関を生かしたまま、きれいにして市場に戻すのを原則とした法案。
それで、三カ月わいわいやったわけですよ、七月、八月、九月。もうくたびれ果てました。そして、私も自由党の代表としてやりましたから、くたびれ果てて、九月の終わりごろに
政府・
自民党さんが、
野党案を丸のみするとおっしゃったのですね。丸のみするとおっしゃったが、実際は何が起きたかというと、ここに書いてありますように、私どもの、国が管理する整理というのと、
政府・
自民党のブリッジバンクというのをがちゃんとくっつけまして、国営のブリッジバンクで、長銀のような生きた銀行を生きたまま入れてきて、こうやってきれいにして生きたまま出す、それを可能にする法案に変えちゃったんですね。これは、そのときの
自民党さんの担当者、表面にお立ちになった方が今
厚生大臣の津島さんでいらっしゃる。
ここに私は新聞の切り抜きを持ってきました。二年前の十月二日の新聞です。これはもう、各紙一斉に報道しましたよ。日経、読売、毎日、みんな報道した。何て報道したか。津島さんが
自民党の中の会合でおっしゃった。私どもは、
野党案丸のみといいながら、
野党案を換骨奪胎いたしまして、
野党の諸君を洗脳いたしまして、長期信用銀行を生きたまま入れて、生きたまま出す法案に変えました、どうぞ御心配なくと言ったと新聞各紙、全部出ている。
その中で特に誇らしげに言っておられるのは、私どもは破綻金融機関の株を取得して管理することしか考えていなかった、そうしたら、二つ入れたんですね。一つは資産取得を入れましたよ、ブリッジバンクですから資産を取得する。もう一つお入れになったのが、津島さんが誇らしげに言って新聞にでかでかと出ていることで、生きたまま出すときの受け皿銀行に資本注入する、資金援助するというのです。こういうのをまた入れてきた。
私どもはそれを見るに及んで、これは
法律の変質だ、破綻金融機関は原則として整理、それが私どもの考えなのに、それが、原則として生きたまま出す
法律に化けてしまった。これが、宮澤大臣がさっきおっしゃった党首会談で、化けたということを私どもの小沢
一郎党首が確認した上で、これは私どもの
経済政策の原理原則からいって違うと言って、それで私どもはここから、提案者から外れたのです。私も提案者だったけれども外れました。その結果、
最後の、現行の金融再生法というのは、
自民党、民主党、公明党の三党でできたんですね。私どもはこれに反対票を投じたわけであります。
総理、これは
経済政策の基本にかかわる問題なんですね。
自民党さんあるいは
自民党の
政府が九〇年代を通じてずっとやってきたことは、失礼ながら、問題先送り。住専処理のときからこの不良債権問題、できることなら先へ送る、そして、なし崩し的に解決しましょう、どんとやると
経済への影響が大き過ぎるから先送りしましょう。これはしかし、言葉をかえて言えば、
日本経済が慢性病になっていくということです。いつまでも不良債権問題を引きずるということです。
今度のこのそごう問題も、
総理、今会社更生法を適用している、さっき言ったライフとか第一ホテルとかあります、あれは二年ぐらいかかりますね。そごうだって、来年の初めに再生計画ができたって、それで再建できるかどうかというのは、あと何年かです。二十一世紀に入って数年間、今の
政府・
自民党さんのやり方だったら、不良債権問題、引きずっていきますよ。これは一種の慢性病ですから、
日本経済、なかなか元気が出ないという状態が続いていっちゃいます。
私どもは、自由党は、それはだめだ、そういう
経済政策の戦略はだめだと言っているのです。いわば手術しちゃえと言っているのです。不良債権問題は一挙に手術をしよう。つまり、破綻した金融機関は、中小企業と同じように原則は整理していこう。これは苦しいですよ。そのときに、
経済に対するマイナスのインパクトが来ますよ。だけれども、それをあえてやって、手術しちゃわなきゃ、二十一世紀に入って元気よく
日本経済は立ち直れませんよ。
幸いにして、今設備投資が立ち上がってきたでしょう。財政刺激しなくたって、何とか
プラス成長でいけるんですよ。ある
意味では、我々が言っている、少しきつい手術をして、根本的にメスを入れて解決して、それですっきりして二十一世紀の
日本経済を立て直そう。
我々は
選挙で日本一新と叫びましたけれども、日本一新に持っていくためには
思い切った切開手術が必要なのであって、薬飲ませて、何となく散らして、先送りしてなし崩しじゃだめです。いつまでたっても
日本経済、元気が出ない。
実は、このそごう問題の本質には、今申し上げたような
経済政策の戦略に関する基本の問題があるのですね。今こそ、私ども自由党が主張している、切開手術をしてでも不良債権問題を解決していこう、筋を通そう、市場
経済の鉄則の筋を通して解決していこう。ある
意味ではラストチャンスだと
思いますよ、設備投資が出てきているのだ。今これをやらないでいて、また来年以降設備投資が引っ込んだら大変です。財政で支えなきゃいけない。
ぜひ、
自民党さん、今この辺でいい意見だと言ってくださっていますが、真剣にお考えいただきたい。日本を立て直すのだったら、真剣に我々自由党のこの戦略をお考えいただきたい。
これで私の質問を終わります。ありがとうございました。