○中川(智)
委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
委員長におかれましては、閉会中のこの
薬害クロイツフェルト・ヤコブ病の集中審議に対しての御理解を賜り、努力をいただいたことに心からお礼をまず申し上げたいと思います。
委員の方々もありがとうございますと言いたいところですが、割と席があいていることが非常に残念です。
まず最初に、
大臣、ちょっと耳を傾けていただきたいと思いますけれ
ども、午前中からの
大臣の御答弁を伺っておりますと、言葉の中に、難病にかかられた方々、その方々が非常にお気の毒だという気持ちは共有していると。その難病にかかられた方々ということが、まず認識として少し、少しどころか大きく違うのです。これは、
孤発性というか自然発症的にかかられた
クロイツフェルト・ヤコブ病の方々を問題にしているのではなくて、
医原性クロイツフェルト・ヤコブ病、
脳外科手術を介して汚染された
乾燥硬膜を
移植されて発症された問題についてこの間ずっと議論がされているということをまず御認識ください。
そして、私は本当に一生懸命耳を傾けていましたが、いわゆるスモンのこと、サリドマイドのこと、繰り返された
薬害、
エイズの問題にしても、
厚生省は苦い思いをしてきたというような表現をなさいました。そのような表現をされる方を国民のトップとして、厚生行政のトップとしていただいているということに対して、私は悲しみよりも本当に残念です。
大臣、先ほ
ども本を読んでいらっしゃらないということを伺いました、これに対する報道もなされています、この医原性の
クロイツフェルト・ヤコブ病がなぜここまで被害を甚大にさせてきたか、多くの方々を苦しみの渦に巻き込んでいるかということをぜひともしっかりと勉強していただいて、そしてもう一度、改めての質疑を冒頭
大臣に本当に心からお願いいたします。
そしてまた、
大臣や政務次官の御答弁の中にも、裁判で係争中だ、そのことが何度も何度も繰り返されました。市民が裁判まで持っていくというのは並大抵のことではありません。一生懸命
厚生省にも
医療機関にも助けを求めていったでしょう。そしてまた国
会議員にも助けを求めていって、
福島政務次官の
質問が最初の
時点であったと思います。でも、行政の監督
責任があるこの立法府としての厚生
委員会でずっと問題にされることもなくどこも助けてくれなかったら、今はほかにどんな手段がありますか。裁判以外にはありません。ですから、裁判で
司法の
判断を仰ぐというのは一方ですればいいです。でも、この場では行政の監督
責任がある立法府として
責任を
大臣に求めているわけですから、それに対しての的確な御答弁をお願いしたいと思います。
薬害ヤコブ病の場合は、ほとんどの方が亡くなっていらっしゃいます。存命中の方も無言、無動ですから、この場に来てそのことを訴えることは一切できません。
患者、
家族、そして遺族、遺族という言葉もきっちりとつけ加えてください。
まず最初に
質問させていただきますが、これは端的に
お答えいただきたいのですけれ
ども、午前、午後の質疑で、
大臣の答弁の中で、
ライオデュラに関しては代替品がなかった、そして必ず新しいものはリスクが生じるというふうに繰り返しおっしゃられました。四十万枚から五十万枚使われていた硬膜の
有用性について
大臣は強調されてきましたが、いわゆる化学物質による副作用と病原体の汚染というのを完全に混同されているということを
指摘しておきます。薬の副作用についても最大限防がなければいけないのですけれ
ども、百歩譲ってリスクを伴うことも避けられない場合もあるかもしれませんが、この医原性のCJDは、承認時の
審査やドナーチェックで防ぎ得た問題だということをまず認識していただきたいと思います。
そして、
脳外科手術において補てん材料が必要となる病例は全体の一〇%にすぎない、これは
医療機関の先生がおっしゃっています。その補てん材料が必要な
手術の中で、約九割は
大腿筋膜を切り取らずに
手術が可能である。
大腿筋膜が必要となるのは全体の一%だ。
大臣、ここのところはしっかり調べてください。
そして、今回の
クロイツフェルト・ヤコブ病の脳外科学会の中心人物で、
厚生省の
ヤコブ病専門
委員会の
委員である札幌医大の教授は、
厚生省が承認していたので安全には問題がないと考えていた、
大腿筋膜を使う
手術は極めて簡単な
手術で、少なくとも一例でもこれが危険だということがわかっていれば絶対に使わなかった、そのようにおっしゃっています。そしてまた、
ライオデュラがなくても
脳外科手術は十分に可能だった、
ライオデュラは必要不可欠なものではなかったということを明確におっしゃっています。そこのところをきっちりと
指摘しておかなければいけないと私は思っています。
そして、特に
医療現場では、交通事故、三叉神経、脳腫瘍、さまざまな
病気で
手術したときに医師は本当に
手術がうまくいってよかったと成功を喜ぶ。
福島先生など特におわかりだと思いますが、喜ぶ。そして安全だと言われたものを使ったことによって、後年、長い潜伏期間を経てこれを発症することは、
医療機関としてはもう痛恨のきわみだということをおっしゃっています。そのことに対しての
大臣の御認識、勉強してくださいますね。それは
指摘しておきます。
それともう
一つ、
福島次官の御答弁の中に角膜
移植のことがございましたが、角膜
移植のところも事実と照らしてちょっと違うところがございます。今まで一例
報告されていると言われましたが、これは四例だと思います。このこともしっかりと調べて、後日必ず集中審議をしていただいて、これについて調べた後での御答弁を改めてお願いします。
それに関しましてお願いをした後で、
質問の第一番目は、まずロット番号、先ほど瀬古先生がこの問題で
質問されましたが、ここはとても大事な部分ですので改めて
質問をいたしますので、簡潔に答えてください。
これも事実をしっかり調べていただいて御答弁いただきたかったのですが、
大臣の答弁の中に、
特定の二千番台のものは
日本に輸入されていなかったと。これに似た答弁が以前の私の
質問に対してもありました。一九八七年にCDCが発
症例報告をしたのは、二一〇五のロット番号の
ライオデュラを
移植後
クロイツフェルト・ヤコブ病を発症したということなんですね。この二一〇五の二は一九八二年に製造のもので二です。一〇というのは十週目ということ。最後の五というのは金曜日を意味しているわけです。
昨年の十一月十六日の厚生
委員会で、当時の大野政務次官は「
特定のロットについて廃棄を勧告したにすぎないということで、
日本にはもちろんその連絡もありませんでしたし、そのロットの関係というものは全くなかった、」これは
日本に入ってなかった、先ほどの
大臣の答弁と同じです。そして、先月の厚生
委員会でも、
福島政務次官ですが、FDAは「
感染の
危険性ということでロット番号を
特定して廃棄を命じた。」そのように答弁されています。FDAが全米の
医療機関に廃棄勧告をしたのは、二千番台とロット番号が不明の
ライオデュラですね。
ただいま
委員の
皆様の席の方に資料を渡しました。これは先ほど
厚生省の局長が答弁されたのと同じ資料なんですけれ
ども、その数がその年代に入ってきています。毎年かなりの
ライオデュラが輸入されています。特に、八一年以降は一万箱以上が毎年輸入されています。これは一箱に二枚入っていたり五枚入っていたりというような形ですので、箱に一枚の
ライオデュラではないわけです。少なくとも二倍あるというふうに考えていただきたいと思います。
二千番台、つまり八二年製の
ライオデュラは
日本に輸入されていますね。これはもう一度
確認の意味で、局長、お願いします。