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2000-08-04 第149回国会 衆議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成十二年七月二十八日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。    委員長 井上 義久君    理事 岩屋  毅君 理事 古賀 正浩君    理事 竹本 直一君 理事 野田 聖子君    理事 田中 慶秋君 理事 吉田 公一君    理事 山名 靖英君 理事 山田 正彦君       岩永 峯一君    植竹 繁雄君       木村 太郎君    阪上 善秀君       桜田 義孝君    田中 和徳君       中野  清君    西野あきら君       野中 広務君    蓮実  進君       林田  彪君    阿久津幸彦君       今野  東君    樽床 伸二君       平野 博文君    前原 誠司君       渡辺  周君    山岡 賢次君       塩川 鉄也君    中西 績介君       野田  毅君 平成十二年八月四日(金曜日)     午前十時三分開議  出席委員    委員長 井上 義久君    理事 岩屋  毅君 理事 古賀 正浩君    理事 竹本 直一君 理事 野田 聖子君    理事 田中 慶秋君 理事 吉田 公一君    理事 山名 靖英君 理事 山田 正彦君       岩永 峯一君    植竹 繁雄君       木村 太郎君    阪上 善秀君       桜田 義孝君    田中 和徳君       中野  清君    西野あきら君       蓮実  進君    林田  彪君       菱田 嘉明君    阿久津幸彦君       今野  東君    小泉 俊明君       樽床 伸二君    平野 博文君       前原 誠司君    渡辺  周君       山岡 賢次君    塩川 鉄也君       中西 績介君    野田  毅君     …………………………………    建設大臣    国務大臣    (国土庁長官)      扇  千景君    国土政務次官       蓮実  進君    建設政務次官       植竹 繁雄君    政府参考人    (建設事務次官)     小野 邦久君    政府参考人    (建設大臣官房長)    小川 忠男君    政府参考人    (建設省都市局長)    山本 正堯君    政府参考人    (建設省道路局長)    大石 久和君    政府参考人    (建設省住宅局長)    三沢  真君    参考人    (日本道路公団総裁)  村瀬 興一君    建設委員会専門員     福田 秀文君     ————————————— 委員の異動 七月二十八日  辞任         補欠選任   野中 広務君     菱田 嘉明君 八月四日  辞任         補欠選任   阿久津幸彦君     小泉 俊明君 同日  辞任         補欠選任   小泉 俊明君     阿久津幸彦君     ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  建設行政基本施策に関する件  国土行政基本施策に関する件     午前十時三分開議      ————◇—————
  2. 井上義久

    井上委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  建設行政基本施策に関する事項  都市計画に関する事項  河川に関する事項  道路に関する事項  住宅に関する事項  建築に関する事項  国土行政基本施策に関する事項 以上の各事項について、本会期中国政に関する調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 井上義久

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  4. 井上義久

    井上委員長 建設行政基本施策に関する件及び国土行政基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  両件調査のため、本日、政府参考人として建設事務次官小野邦久君、建設大臣官房長小川忠男君、建設省都市局長山本正堯君道路局長大石久和君及び住宅局長三沢真君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 井上義久

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁村瀬興一君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 井上義久

    井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  7. 井上義久

    井上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。
  8. 岩屋毅

    岩屋委員 おはようございます。自由民主党の岩屋毅でございます。  私は、さきの衆議院選挙で七年ぶりに国政に戻ってまいりましたが、きょうは、この建設委員会におきまして最初質問をさせていただく機会をいただきまして、大変ありがとうございました。心から御礼を申し上げたいと思います。  また、扇大臣、そして両政務次官におかれましては、就任以来、日々の御精励に心から敬意を表させていただきたいと思います。  きょうは、時間が余りありませんので、建設行政基本方針について、大臣並びに政務次官を中心にお尋ねをしてまいりたいというふうに思っております。  まず、扇大臣におかれましては、就任時、非常に大きく各マスコミにクローズアップをされました。大臣にとりましてはまさに青天のへきれきの人事でもなかったかなというふうに思います。  あのとき、報道によりますと、貧乏くじを引かされたというような趣旨の発言もございました。選挙が終わりましてすぐに中尾建設大臣収賄事件が明るみに出たというようなこともありまして、そういう政治状況の中でありましたから、当時の大臣の御発言もさもありなんかなというふうにも思ったわけであります。ただ、建設行政に関心を持ち、また期待を持っておられた国民皆さんからいたしますと、いささか大臣就任時の最初の御発言としてはいかがなものかなと思ったことも、正直申し上げて事実でございます。  しかし、就任をされてから約一カ月が経過をいたしました。この間、大臣におかれては、非常に精力的に建設行政全般の把握、掌握に努めてこられたというふうに承っております。一カ月たった今、改めて、今後の建設行政にかける御決意、御抱負をお聞かせいただければありがたいと思います。
  9. 扇千景

    扇国務大臣 今、岩屋委員からお話ございましたように、私、大臣就任いたしますときに、まず、正直なことを申し上げて、本当にびっくりいたしまして、まさかまさかという、コマーシャルではありませんけれども、本当にそういう気がしたのは事実でございます。特に、女性第一号というそれをもってしても、いかに私がまさかと言った意味がわかっていただけると思うのです。  残念ながら、私、就任いたします前にテレビを見ておりまして、きょう、私、この席に座って一番複雑な心境をしましたのは、このお部屋に私の真っ正面に永年勤続の額が飾ってございまして、その方が逮捕されたニュースを私テレビで見ておりまして、そのときは、まさかこういう職につくとは思っていませんでした。私も長年存じ上げている方でございますから、まさかそんなことはないだろう、まして大臣室で云々ということを言われまして、新聞報道を見、テレビを見ましたから、まさかという私は気持ちがございました。それがやはり逮捕する限りは何らかのきちんとしたものを持っていらしての逮捕であろうと思いましたけれども。  そういうことで、私は、建設業界というのは、今までにも、御存じのとおり、あらゆる言葉で、いい面も悪い面も言われておりました。ゼネコンという言葉で言われ、あるいは談合という言葉で言われ、そういうふうに言われておりますけれども、私自身の中には、建設業の大切さというのは、岩屋委員御存じのとおり、戦後今日まで五十五年たって、あれだけ復旧、復興した日本の現状を見ますときに、建設行政がいかに日本復旧、復興に努力し、また皆さん方のお力添えで今日の日本をつくった、そういう戦後の五十五年の歴史を見ますときに、私は、大事な行政である。  にもかかわらず、その行政と今度の逮捕事件とがどうかかわり合っているのか、その点に関して、私を選ばれた方は、そういう疑惑を明快にしろと。そして、もしも疑義が持たれているのであれば、いささかでもそれを調べることがまず私に課せられた任務であろうと思って私は就任したわけでございます。  正直申し上げて、私が素人ですと申し上げたのは、私、党首という立場保守党党首という立場もございますから、今まで出されます法案に関しての説明建設省からもよく聞いておりますけれども建設委員会に出たことがないということをもって私は申し上げたのであって、建設業界の、今まで建設省としての行政役割の重要さは、今申し上げましたとおり、大きな貢献をしてきたと思っております。  そして、例えば、例を挙げますと、私は神戸出身でございますので、阪神・淡路大震災というあの五年前の大事故のときにも、私はすぐ現地に参りましたときに、みんなが命拾いしたのは、あるいは公共事業における文化会館でありますとか大きな建物、そういう建物の中にいて助かったということを私は神戸皆さん方に聞きまして、そして現実を見まして、公共事業の中にもこういうことで皆さんの命を救う役に立った大事なこともあるんだと。けれども、今申しましたような、今回の元大臣逮捕という大変ショッキングな事件の後でございましたので、私は、そういうことによって建設省自体が何か行政上ゆがめられた点があったのかなしや、そういうことに関しては重大な責任を持って就任したと思っています。  もっとも、浅学非才でございますから、幾ら勉強しても限られた能力でございますから、足らざるはぜひ皆さん方委員会の審議によって、私も皆さんと一緒に建設行政の大事さというものを認識しながら前進できるように、私の知り得た情報はすべて情報開示をするということを就任のときに申し上げました。私はそのように一カ月努力してきたつもりでございますけれども、ぜひ当委員会におきましても建設的な御意見を賜って、私もともに歩ませていただければと思っております。
  10. 岩屋毅

    岩屋委員 初めての女性建設大臣ということでもありますし、ぜひ建設行政国民皆さんに対してわかりやすい、より身近な、より透明度の高いものになっていくために、今後一層御活躍をいただきたいというふうに思います。  そこで、本来は建設行政全般についてすぐお伺いしたいのですけれども、やはり今回の事件についても一点だけお聞きしておかなくちゃいけないなと思います。  今回の事件は、我が党の重鎮でもあり、今回も公認候補として戦われた元大臣に関するものでありますから、私ども自民党としても重大な反省をしなければいけないことだというふうに思っております。甚だ残念なことであり、遺憾なことであるというふうに思っております。特に今回、二回の言われております会合に建設省の幹部が受注業者の方と御一緒した、これは非常に国民皆さんから不信感を持たれているわけでございます。  報道等でいろいろなことが言われておりますが、私はきょうは時間もありませんし、報道、伝聞に基づいて細かく立ち入ることはいたしません。ただ、大事なことは、今回のことで建設行政国民に対する信頼を失う、これが一番困ることでありまして、一点だけお伺いをしたいのは、請託をされたといろいろ言われております、天下りの問題ですとかランクアップの問題、あるいは受注増加の問題、下請への参入の問題等々、いろいろな働きかけがあったのかなかったのか、それらは捜査の進展を待つ以外にありませんが、建設行政がそういうことで左右されたという事実があったのかどうか、この点だけはしっかりと正確に御説明をいただきたいというふうに思います。
  11. 扇千景

    扇国務大臣 今御質問のございましたことが大事なことでございまして、私は、今御質問にあった、建設行政逮捕された事件とどうかかわり合ったか、それを鮮明にすることが一番大事な役目であろう、第一歩であろうと思って、就任しましてから、役所の中に、皆さん方に、ぜひ全力を挙げて調べるようにということを申し上げました。  ただ、私は、一点疑問を持ちましたのは、これも就任前にテレビで見ておりまして、建設省に初めて検察の手が入り、八十箱に及ぶ段ボールを持っていかれたテレビを見ておりまして、私が調べろと言った書類が果たして建設省にありやなしやということすら私は心配しながら、皆さんに全容の解明を申し渡したわけでございます。  今岩屋先生がおっしゃいました、まず受注件数が、中尾建設大臣就任のときに、平成八年でございますけれども平成八年以後受注件数がふえたかどうかということも私は明快に資料を出すべきだというふうに申しまして、もしも後で資料を御要望でしたら、私お渡しいたしますけれども、私は一番わかるように表をもって皆さん方に示しました。文章だけで言うことではなくて、一番明快におわかりいただけるだろうと思いました。  御存じのとおり、受注件数がふえたかどうかということでございますけれども建設省は五年間の資料が保存してございます。ですから、大臣が嫌疑を持たれました平成八年の以前の平成七年から、建設省には資料がきちんと残っております。もしもこれを大きくしろとおっしゃれば、後で……(岩屋委員「後で」と呼ぶ)はい。  これを見ていただいたらわかりますように、平成七年度、入札参加件数は六十六件でございました。それが、言われております平成八年は五十九件、そして九年が四十四、十年が五十一、十一年が五十三、これはただ入札に参加した数字でございまして、大事なことは、その一番最後の、最終でございますけれども受注件数がどれだけかというのが大事なことでございます。  入札参加数は大したことございませんし、まあ大体でございますけれども、一番大事な受注件数は、平成七年が十二件、若築は受注しておりますけれども平成八年になりますと六件に下がっております。まして、平成九年は三件しかございません。そして、十年度は九件に少し上がりました。けれども、これは平成十年と申しますのは、御存じのとおり補正予算大枠が全部大きくなったものですから、これは件数が上がったように見えますけれども補正予算大枠をふやしたということでございます。それから、十一年はまた四件というふうに、若築建設中尾大臣請託があったと言われている時期と受注件数に関しては、建設省資料ではこれは見られません。これは皆さん方に私公表しておりますので、ぜひごらんいただきたいと思います。  それから、ランクでございますけれども、今もおっしゃいましたランクづけが上がったのではないかというお話でございましたけれどもランクづけも、これは見ていただいたらわかりますように、私もよくわからないので、最初からAランクなんですね。それで、御存じのとおり、これは関東の地建地方建設局でございますけれどもAランクというのは一から四十一までがAランクなんです。それで、若築建設、あとの会社名は伏せましたけれども、四十一件がAランクランクされていながら、若築は二十九番目なんです。  そして、このランクづけの出し方というのはきちんと方程式がございまして、これは業者に全部こういう方程式ランクを決めますよと公表してあるんですね。ですから、どの会社も、あなたのところはAランクですよということは、この方程式を全部公表しているものですから、業界全部が御存じなんです。  ですから、これが例えば四十五位ぐらいで、あるいは四十一位以内のAランクにしろと言われて上がったのならわかるんですけれども、もともとAランクにいまして、特Aというのはないわけでございますから、これはもともとランクを上げるって、これ以上上がりようがないのに、ランク上げをしただろうということも、私もこれ調べましたら全くないんですね。  ですから、そういう意味におきまして、元大臣大臣室で幾らかのお金を授受したと言われたことと、建設省に対して受注件数をふやせとかランクを上げろとか、そういうことに関しては一切今の私が調べた段階ではございませんでしたけれども、これから検察、司直の手によってまた何かありました場合は、私はだまされていない限りは今申し上げたとおりでございます。
  12. 岩屋毅

    岩屋委員 要は、今回のことで建設行政がいささかも左右されたことがなかった、そのことを私は信じたいと思いますが、とにかく建設行政信頼性の確保ということについては、大臣、今後とも、今後こそ重大な決意を持って臨んでいっていただきたいと思うし、今回のことについても早速に省内での処分をお済ませになったそうですけれども、今後どういう展開になるのか、この段階では予断を許しませんが、そのことについてはもうお聞きしませんが、ぜひとも厳正な対処をして綱紀粛正を図っていただきたい、これは要望にかえたいというふうに思います。  それから、時間がありませんので先を急ぎますけれども、ここ二、三日、新聞の第一面はこればかりですが、いわゆる公共事業見直しの問題についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。  私は、この問題はどうもこれまで象徴的な事例ばかりが取り上げられて、もちろんこれは建設省の問題だけではありませんが、長良川河口堰あるいは諫早湾の干拓、あるいは今度の中海の問題等々、環境問題などいろいろな事情があってのことだと思いますけれども、象徴的な事例ばかりが取り上げられて、公共事業不要論というか公共事業罪悪論というような風潮が出てきておることについてはいささか残念だなというふうに思っているところでございます。  また、一方で、財政上の理由から、やはり経費削減といいますか、支出を減らせ、公共事業を減らせ、こういう御議論も強くあることも事実でありますけれども、やはり特に地方経済における公共事業の持っている役割というのはいまだに非常に大きいものがありますし、日本経済の各種の指標も今ようやく上がってきているところで、構造改革の一方で財政出動で下支えをしていくということは、やはり私は必要なことではないかなと思っているところです。  そんな中で、我が党の中で公共事業を抜本的に見直そうという検討会が発足をしたところでございまして、これはまずは我が党の中で議論をすべきことかな、建設省に聞くよりも前に、そのことは私どもでしっかり努力をしたいというふうに思っておりますが、建設省考え方もまた伺っておきたいなというふうに思っているところでございます。  日本という国は複雑な地形、国土でございます。私の地元大分県は日本で一番トンネルが多い県であります。なぜならば、山、谷がたくさんあって、同じお金を使っても、平らなところで道をつくるのとはちょっとわけが違う、つぎ込んでもつぎ込んでもなかなか道ができていかないというようなところでもあります。また、そういうところでは、一本の車が離合できないような道が産業道路であり、あるいは医療道路であり、福祉道路であり、教育道路である、まさに命綱というかライフライン、たった一本の道がその村を支えている、集落を支えているというところは山ほどあるわけでありまして、私は、公共事業すべてが悪であって、何であっても減らせばいいんだという議論は、やはり地域実情を無視した乱暴な議論ではないかなと思っているところでもあります。  そういう中で、自民党は抜本的な見直しをやろうということで、もちろんむだを省いていくことは大事なことで大きな前進だとは思っておりますが、一律の基準でやめていくということになると、やはりこれまで行政に協力をして努力をしてきていただいた地域皆さんに大変な御迷惑をかけることになるんではないかなと思います。私の地元にも、ダムで大方環境が整ったというようなところもありますし、それから計画存在自体が村を二分させてしまっているというところもあるわけで、ある日突然十分な説明もなしにこれで終わりだよというわけには、なかなかいかないんではないかなと。ぜひ建設省として、そこら辺はよくよく地域実情も勘案をして対処をしていただきたいと思うし、仮に中止、凍結というふうになった場合でも、事後のフォローをこれはしっかりやってもらいたいなと思っておるところであります。  最終的な結論は与党三党の協議の中でも出されていくんだと思いますけれども建設省として、この段階公共事業見直しの問題についてどういうお考えをお持ちであるのか、これはできれば同じ自民党総括政務次官からお答えいただければありがたいと思います。
  13. 植竹繁雄

    植竹政務次官 ただいま岩屋先生からお話がいろいろございました。特に公共事業罪悪論とか見直し論につきましては、私は、今お話の中にありました長良川河口堰のことを考えれば、当時私は国土庁政務次官といたしまして現地をつぶさに見、また検討してまいりました。その結果、あれに反対意見もあったんですが、賛成の意見の中の方は、河口堰ができましてから漁業問題におきましても、かえって前よりも魚種がふえたり、それから潮が上がっていった場合の魚道の問題も全然関係なかった、むしろ効果があったということがあれば、それは罪悪どころかかえって有益であったということで、反対のための反対ではいけない、そういうふうに必要なものは必要であるというふうに考えていきたいと思います。  また、今日の景気の問題からしまして、地方経済は何といっても一番大きいのは公共事業でございまして、公共事業をやることによって地域経済が浮揚するという点からも、これは絶対必要かと考えておるところでございます。  特に道路の問題、今、大分県は山間部で大変なところだというお話でございますが、私は、道路は単に利便性ばかりじゃなくて、例えば中山間地過疎地帯という場合には、なぜ過疎かということを考えますときに、これは医療の問題が充実されていないからそのために村から外へ行くということであるわけです。その点につきましては、道路というものが整備されてまいりますと、医療の問題もいけるということで、過疎対策にもなるわけでございます。  または、一日三時間以内で移動できるということを考えれば、例えば私、地元の例で恐縮でございますが、日光が世界遺産になりました。しかし、これは端の方でございます。南部の方ではなかなか行けない。しかし、これだけの文化的な遺産というものが地元にあるということでは、そういった文化活動にも非常に影響することを考えれば、いわゆる今までのような道路利便性ということじゃなくて、これからは福祉文化、そういう意味でも必要であるということは感じるわけでございます。  したがいまして、私は、今自民党公共事業抜本見直し検討会というものがなされております。いろいろありますけれども、その経緯を踏まえまして、私どもでもって結果を、特に地方状況などをよく勘案しながら対策考えていきたいと考えておるところでございます。  なお、フォローにつきましては、またその都度よく検討してまいりたいと思います。
  14. 岩屋毅

    岩屋委員 ぜひそういうお考えでこの見直し問題には建設省全体としても臨んでいただきたい、大臣にもお願いをしておきたいというふうに思います。  一律基準をつくるというのは非常に格好いいようでありますけれども、ある意味では非常に乱暴なことであって、めり張りをつけるというのが大事なことだと思いますけれども、一番事情がわかっているのは建設省自体ですから、その辺はよく党の方とも、与党の三党ともいろいろ連絡をとって、しっかりと説明のできる整理をしていただきたいというふうに思います。  時間がなくなってきました。最後になりますけれども、いよいよ予算編成作業が始まっております。来年はいよいよ省庁再編で巨大な国土交通省という官庁が誕生するわけでありまして、建設省、運輸省、国土庁、それから北海道開発庁、この四つが一緒になって新しい役所になるわけで、そこへ向けての予算編成ということでもあろうかと思います。ぜひ、統合のメリットが生かされる予算編成であってほしいと思うし、それから統合へ向けての、統合することによって初めてできる新規事業を、建設省としてもぜひ打ち出していっていただきたいなと思っているところでございます。  私は、ぜひお考えいただきたいと思っているのは、運輸省と一緒になるわけですから、観光振興というものと建設行政、うまくタイアップしてほしいなというふうに思っております。観光地のIT化とかバリアフリー化、これはやはり高齢化社会になりますし、国際化はどんどん進んできますし、どこへ行っても本国といつでもインターネットで連絡をスピーディーにとることができる、お年寄りが行っても安心して歩ける、そういう観光地づくりのための施策を運輸省とぜひ相談していってほしいなというふうに思っております。  先般、建設省では大臣の記者会見で、IT関連のIT都市基盤戦略委員会ですか、そういうものをつくるということでありまして、大変結構なお取り組みだというふうに思っております。下水道に光ファイバーをはわせようというようなことも聞いておりますが、できればこれも、各省から全部で七百ぐらいのIT関連事業が出てきているというので、できるだけむだを省いて、一緒にやれることは一緒にやるようにしてもらいたいな。昔から、共同溝をつくって中に全部通せ、ガスから水道から電気から光ファイバーから、皆入れちゃえばいいじゃないかということもありまして、一応やっていただいているようですけれども、そういう、むだを省きながら、省庁再編だからこそできる新規プランをやっていってほしいな。どういうことをお考えなのか、プランがあればぜひお聞かせをいただきたいと思います。
  15. 扇千景

    扇国務大臣 今、岩屋委員のおっしゃっていましたように、私ども四省庁再編の重みというものを申し上げております。特に、今先生おっしゃいましたように、建設省と運輸省、四省庁で約六万九千人の膨大な省ができるわけでございますから、いつも私申し上げますのは、白書の話もそうですけれども、一つの省で出したことが四つになったら四倍になって重くなるのは、本当は実効性の中で重みがあればいいのですけれども、ただ巨大な体重だけが重くなったのでは意味がないということを私は重ねて申し上げております。  特に、今お話がございましたように、森内閣で森総理が日本新生プランということを打ち出されました。その日本新生プランの中の一つに、今おっしゃいました産業の都市基盤整備ということもございまして、私は、その四つおっしゃいました都市基盤整備の中での大事なことが、今るる岩屋先生お話しになりましたような電柱の地中化でございますとか、特にこの間の選挙で大都市の皆さん方は、税金を取られるだけで地方に行っているじゃないかというお話がございましたけれども、だったら狭い東京の大東京というようなところを、あるいは大都市の中では電柱の地中化も検討したらどうだ、もっと目に見えることをしたいなと言いました。  そしてまた、私は、来年の国土交通省ができますまでに国土庁日本の全国マップをつくってほしいということも申し上げております。それは、全国マップを見ますと、役所というのは今までは、さっきも私示しましたように余り表にすることをしませんで、文書でばかり書いておりましたけれども国民皆さんが、先ほどおっしゃった公共事業にしましても、全国のマップをつくりまして、例えば下水道五〇%以上できるところは色を変えてしますと、ぱっと見ると、ああ、うちの地元は下水道はこれだけいいんだな、でも緑が少ないなとかというのを、物によって全部全国マップを国民にお示しすることによって、私はおのずと公共事業の順序も国民全部が自覚するようになると思うのですね。  その中に特に、二十一世紀でございますから、森総理の新生プランの中にIT革命ということが明記されてございます。それが、今岩屋先生がおっしゃいました光ファイバーの家庭への直通、ファイバー・ツー・ザ・ホームということでございますけれども、ぜひ私は、私が多くの論を申し上げますまでもなく、今ちょうど東京ビッグサイトで、これは宣伝しちゃ悪いのですけれども、展覧会をしておりまして、本当に二十一世紀の光ファイバーを家庭までつないだらどうなるかという過程が全部できております。本当に恐るべき光ファイバーの技術なんですね。  ですから、インターネット等々はもう随分アメリカ等々が進んでおりますけれども、光ファイバー技術だけは日本が今世界に誇れる唯一のものであろうと私は思っていますので、ぜひそれを家庭までつないで、そして、これは非公共事業だとおっしゃいますけれども、今までの公共事業の中でそれをちょっと政府が後押しすることによって、私は、国民皆さんに新しい二十一世紀づくりが夢のあるものにできるというふうに確信しておりますので、そういう意味では、IT革命の中でも順序づけをし、より国民に広く、しかも世界に誇れる技術というものを持ちたいというふうに頑張っていきたいと思っております。
  16. 岩屋毅

    岩屋委員 では質問を終わりますが、ぜひ二十一世紀志向の、未来志向の仕事をたくさん打ち出していってもらいたいと思います。十年一日同じことをやっているなというのではなくて、やはり新しい省庁再編に向かって未来志向の、二十一世紀志向の仕事をいっぱい建設省は打ち出してきたな、こういうふうに思っていただけるようにこれから頑張っていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  17. 井上義久

  18. 前原誠司

    前原委員 民主党の前原でございます。  小野次官、お越しでございますね。小野次官にまずお話をお伺いしたいと思います。  きのう予算委員会質問をさせていただきましたときに、道路公団の政策的な問題もかなりやったわけでありますけれども、それと同時に、藤井総裁にかかわる話を聞きたいと思って、理事皆さん方にお願いをして委員会で呼んでいただこうとしてもなかなか呼んでもらえないという中で、きょうはこの建設委員会では小野事務次官に来ていただけるということは、これは僕はある一定の評価をしたい。与党理事皆さんも、いろいろな問題についてやはり国民に対して明らかにしていくということに対して前向きであるということで、与党皆さん方のそういう姿勢については評価をしたいと思いますし、ぜひ、予算委員会でできなければ、参考人でも結構でございますので、藤井総裁の招致をこの建設委員会で行っていただければありがたいなというふうにお願いをさせていただきたいと思いますが、井上委員長、いかがでございましょうか。
  19. 井上義久

    井上委員長 理事皆さんで協議いただいて、また結論をお知らせしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  20. 前原誠司

    前原委員 よろしくお願いいたします。  それでは、小野次官にお伺いをしたいと思います。  まず、事前にお知らせをした個別の問題に入る前に、若築建設という、建設省だけではありませんけれども、国が発注をする公共事業受注業者主催の宴席に、今まで建設省が発表されている中では平成八年の五月それから七月と、二回少なくとも出ておられるということでございます。これについてのやはり倫理的な問題あるいは道義的な問題が私は問われるのだろうというふうに思いますけれども、実際、この二つの宴席が若築の主催であるということを御存じだったのか。あるいは御存じであるとすれば、それに出ていったことに対する御自身の倫理的または道義的な責務というものをどのようにお考えになっているのか。まず、その点についてお伺いしたいと思います。
  21. 小野邦久

    小野政府参考人 お答えを申し上げます。  平成八年の五月と七月でございますけれども、二回、いずれも中尾建設大臣の要請というかお話がございまして、私ども建設省の幹部が出席をいたしました。  ただ、いずれ二回とも、今先生のお話しのとおり、建設省と直接の利害関係と申しますか、特定の業界である若築建設株式会社の主催である、そういう意識は全くございませんでした。  最初の五月のものは、中尾建設大臣、これは私の記憶でございますので、再三大臣からもお話があったと思いますけれども、必ずしも出席全員のメンバーがそう記憶しているというわけではないのでございますが、私の記憶では、中尾建設大臣就任祝賀会を中尾大臣と親しい経済界の方々がおやりになる、そういうことで幹部も出席するように、こういうことだったと私は記憶しております。  私は、当時、総務審議官という立場におりまして、幹部の一人ということでもございましたので、当然、大臣お話と、また具体的にそういう特定業界の方が出席をしているという意識は全くなくて、私の記憶では、その宴会に出て初めてわかったということでございまして、七月の会合も、これは大臣みずからが、新旧事務次官及び新三役の就任のお祝いをしようということで、ぜひ出席をしなさい、こういうお話でございました。その七月の会合もやはり五月の会合と同じような、当初の、経済界あるいは民間の方々が出ていたわけでございます。  結果として、建設と申しますか、そういう特定業界の方がおられたということで、大変そういう点ではいろいろな議論があるし、また道義的あるいは本当の意味で倫理上の責任はどうかというお話でございますけれども、今のような時点で、例えば平成八年の十二月でございましたか、建設省の倫理規程も制定をされ、また現在は国家公務員倫理法も制定をされて、いろいろな基準もきちっと定めているわけでございます。今の時点で考えますと、もうちょっとやはりあのとき、より慎重に行動すべきではなかったか、より慎重な判断をするべきではなかったか、こういう感じは非常にいたします。  やはり大臣のお招きというかお話ということであっても、これは通常は、やはり大臣お話があれば出席するのが通常でございます。その場合には、やはりどういう方々がお出になるのか、あるいはどういう形でより主催が行われるのか、場所とかいうことも含めまして、やはりきっちり大臣お話をお伺いした上で判断をするということをすべきでなかったかという感じは、今の時点ではいたしますけれども、当時は、具体的な大臣お話ということもあり、特定業界の方が出ておられるという認識は全くなくて、まして若築建設株式会社の主催かどうかということは全くわからないわけでございまして、これは今でも私よくわかりません。そういう点での大変道義的と申しますか、より慎重にすべきではなかったか、こういう点については全く先生御指摘のとおりでございますし、そう思っております。  この点につきましては、扇建設大臣から、特に平成八年の五月と七月、二回にわたって出席した者について、大変不注意であったという厳しい御注意をいただきました。今後は、こういうことのないように十分勘案しながらやってまいりたいというふうに思っております。
  22. 前原誠司

    前原委員 若築の主催であるということは御存じなかったということ。それから、それについては、言葉じりをとらえるようで恐縮でありますけれども、公務員倫理規程ができたからいけないということではなくて、そういう問題が起きるからそういう規程をつくったわけであって、できた今となってはよくなかったという言い方は、私にはちょっとひっかかる。ですから、言葉じりでありますけれども、そういう道義的な責任はお感じになっているということですね。  さらに、今の話でございますけれども、一つは、この五月の方は建設省からもメンバーがかなり出ておられるのです。そのときの藤井次官、豊田技監、伴官房長、総務審議官であった小野現次官、小鷲建設経済局長、近藤都市局長、松田河川局長、橋本道路局長と、かなりの方が出ておられます。全体としてはどれぐらいの会、人数がおられたのか。つまり、建設省だけでもこれだけおられて、中尾大臣もおられるわけですね。そして、多分秘書官の方も一緒になったのかどうかわかりませんけれども、全体として何人ぐらいのこの一回目、五月の会合は、どうですか、覚えておられますか。
  23. 小野邦久

    小野政府参考人 五月の会合でございますけれども、恐らく建設省側と申しますか、それは秘書官が出ていたかどうか、ちょっと私も記憶はございませんけれども、十人ぐらいになると。民間の方々、相手方と申しますか、民間の方々も恐らく十人程度は出ておられたのではないかというふうに記憶をいたしております。合わせまして全体で二十人ちょっと、あるいは場合によっては二十人欠けるかもしれませんが、二十人ぐらいの方が出ておられたのではないかというふうに記憶しております。
  24. 前原誠司

    前原委員 そのときに、竹下元総理大臣、それから当時秘書をされていた竹下亘さんは出ておられましたですか。
  25. 小野邦久

    小野政府参考人 この問題は、具体的な、五月が、新聞報道等によりますと、恐らく中尾大臣とそれから若築建設の石橋さんという方との最初の出会いであるというようなことも推測をされるわけでございます。あるいは、具体的な確証はございませんけれども、その場でどういうようなことがあったのかということも大変重要な捜査上の課題だというふうに思います。  そういう点もございますので、捜査の今進展が、とり行われている中で、具体的なことについてお話をするということは、ちょっとこれはなかなか控えなければいけないというふうに思うわけでございますが、あえて申し上げれば、亡くなられました竹下元総理が出ておられたという記憶は私にはございます。
  26. 前原誠司

    前原委員 そのときに、若築建設の石橋浩会長、それから石橋産業の林雅三相談役も出ておられた、そしてまた逮捕された画商の福本邦雄さんも出ておられた、こういうことでありますけれども、事実ですか。
  27. 小野邦久

    小野政府参考人 竹下亘先生が出ておられたかどうかということは、ちょっと私は記憶はないのでございます。ただ、平成八年五月の会合では、私ども出席した者の中には、例えばこれは扇大臣からもお話がございますけれども、竹下総理が例えば中尾大臣のお祝いをしようといったような形で幹部も出るようにというふうに記憶している者もおりまして、そういう点から申し上げますと、私の記憶にも、竹下亡くなられた元総理がお出になっていたという記憶はあるわけでございますけれども、竹下亘さんが出ておられたのか、恐らく当時は竹下先生の秘書をやっておられたと思うのでございますけれども、私には明確な記憶はございません。  それから、画商の福本邦雄さん、これは既に逮捕されているというふうにお聞きしておりますけれども、この福本邦雄さんが出ておられた記憶は私にはございます。
  28. 前原誠司

    前原委員 若築建設の石橋浩会長と石橋産業の林雅三相談役はいかがですか。
  29. 小野邦久

    小野政府参考人 若築建設の石橋会長、それから林さんでございましょうか、明確な記憶はないのでございますけれども、その後のいろいろな情報等によると、恐らく出ていたのではないかというふうに思います。と申しますのは、平成八年五月の会合で私ども建設省側が相手の民間の方々で存じ上げている方というのは、本当に一人か二人ぐらいだったのではないかと思うのでございます。私自身もそうでございました。  そういう中で、明快にこういう方が出ておられた、恐らくは、例えば経済界の方としては、保険会社の方とかそれから航空会社の方とかあるいは自動車部品会社の方とか、いろいろな方々がおられたという記憶はその後いろいろ情報等によっても出てくるわけでございますけれども、恐らくは、石橋浩さんでございますか若築建設の会長さん、あるいは林さんという、どういう御関係の方かはっきりはいたしませんが、恐らくは出ておられたのではないかというふうに私は思います。
  30. 前原誠司

    前原委員 名刺交換をされたのか。そして、建設省以外のメンバーの方が十人ぐらいというお話でありますと、今数えていってもまだちょっと足りないんですね。つまりは、竹下元総理大臣、秘書官がおられたかどうかわからない。それから若築の石橋さんと、それから林さんと、それから福本さん。あと五人ぐらい足りない。どなたがほかに、福本さんですね、ほかに今次官がおっしゃった建設省以外では十人ぐらい出ておられたということでありますけれども、今私が実名で申し上げた以外にどういう方々が出ておられたのか、教えていただけますか。
  31. 小野邦久

    小野政府参考人 先ほどお話をいたしましたとおり、保険会社の方とか、それから、ちょっとこれは航空会社、全日空の方だったか日本航空の方だったかはっきりいたしませんけれども、航空会社の方とか、それから私の記憶では、たしか自動車部品関係の会社をやっておられるような方じゃなかったかと思いますけれども、それから、竹下先生はちょっと民間の方という感じではないと思うのでございますね、これは総理がおられるという、元総理が。ちょっとそういう数ではないという気はするのでございますけれども、画商の福本さんはこれは民間の方ということでその中に当然入っておられたのだというふうに思います。  それから、名刺交換の件でございますけれども、一般的にそういう会合で初めての方にお会いする場合には、宴席が始まる前に名刺交換するのが実態だと思います、私は。ただ、大変数も多いということもございまして、記憶によって、きちっと全員とみんなが名刺交換したという記憶はございませんで、自分の座っております近辺の方ととりあえず名刺を交換するとか、あるいは、中には名刺交換の記憶はないという者もおりまして、私は名刺交換した記憶はあるのでございます、ただ、それは全員だったかどうかわかりませんけれども。ただ、むしろやはりそういう形で宴席が始まるのが常識ではないかというふうに私は思います。
  32. 前原誠司

    前原委員 次官にはまたちょっと引き続き御質問しますが、扇大臣、おとといの予算委員会で我が党の菅政調会長が質問をしたときに、藤井道路公団総裁から何度かお話を聞かれたということでありますけれども、その際に、林雅三さんとは一回も会ったことがない、こういうお話大臣に対してされているということでございますね。それはイエスかノーかで結構です。
  33. 扇千景

    扇国務大臣 個人名を挙げての御説明は聞いておりません。上申書にも書いてございません。それは、建設省として、だれとだれとだれが出席したという上申書もいただきました。
  34. 前原誠司

    前原委員 ですから、事実関係だけでいいのですよ。林雅三さんと会ったということは聞いて——会っていない、そういうことですね。(扇国務大臣「会っていないというか知らない」と呼ぶ)知らないと。ちょっとおかしいわけです。ですから、今の扇大臣の話と次官の話が食い違う部分があるのですね。何かといいますと、いや、いいのですよ。大臣は伺われた話だけですから結構なんです。  つまり、藤井総裁のところに、平成八年の九月ごろに富士銀行の高田馬場支店に突然百五十万の振り込みが林雅三という人からあった、それについては、知らない人なので、どうしてこんな人が私に送金してきたのかということで、全く思い当たらずに困惑をしたということが述べられております。その後がちょっと私は不思議だったのですけれども、林雅三という人は記憶にありませんでしたが、中尾大臣に関連した人ではないかと思ったのでということがちょっとよくわからないのですけれども、北村秘書官に連絡をとって、林雅三からの入金について話をし、振り込まれた金をすぐ返金したいので、相手の口座番号を教えてくれと依頼をした、そして大臣に対しても、林雅三という人は知らない、こういう話なんですね。  会っているわけです、林雅三さんとは。つまりは、今の話ですと、大臣就任祝いの五月にはこれは会っている。だって、小野さんとそのときの次官藤井さんは同席をしていたわけですから。そして、そこに石橋、当然ながらそれは若築の主催であったわけですから、その政界担当をしていた林さんは当然いるし、そして若築の石橋浩会長もいるわけですね。食い違いが出てきているということで、これはおかしい。  それで、これをちょっと裏づけるためにもう一遍次官にお伺いしたいと思うんですが、七月、また会われましたね。これはどういう会合であったかというと、これは新旧事務次官交代に伴う祝宴ということで、このときは建設省の方は少ない。当時、藤井前次官、それから官房長であった伴さんが次官になられた、それから橋本さんが技監になられて小野さんが官房長になられたということで四名でありましたけれども、これは全体は何名の会議でありましたか。当然中尾さんは出ておられたのだと思いますし、建設省側、あるいはその以外にどれだけのメンバーだったのか。
  35. 小野邦久

    小野政府参考人 お答え申し上げます。  建設省側の出席者は四名だと思います。相手方、もちろん、当然中尾大臣は出ておられたと思いますし、それから竹下元総理、亡くなられた竹下総理も出ておられたのではないかというふうに思います、メンバーによっては明確な記憶がない者もございますけれども。  民間の方々、相手方と申しますか、これはほぼ平成八年の五月のメンバーと同じような方がおられたのではないかというふうに思うわけでございますけれども、ただ明確な記憶がメンバーによってもなかなか違いまして、同じようなことではないかとか、あるいは個別に十分覚えていないという者もおりますし、その辺、私の記憶では平成八年の五月の会合より若干少ない、建設省側がお招きをいただいた部分がそれだけ少ないということもあろうと思います。恐らくは二十人弱、十五人から二十人ぐらいの会合ではなかったかというふうに私は記憶をいたしております。  それから、若築建設の会長と林雅三さんという方でございますけれども、これはそのときに本当にそういう形で出席をしていたという明確なあれを持っている者は少ないと思います。と申しますのは、具体的にそこでお会いしたという、前に会っておられる方というのは本当に一人か二人しかおられないわけでございます、総理は別といたしまして。初めてお会いする方ですから、名刺交換から入るか、あるいは名刺交換もなしに入っているのか、いたしました上でも、やはり本当に今問題になっているというか、今こういう事件の渦中の人だといったような認識は全くないわけでございますから、本当にだれが出ていたのかという、覚えていないという者もおりますし、今から考えて、今のいろいろな情報がインプットされているという中で考えると、私も出ていたのだろうと思うわけでございますけれども、それは人によって記憶というのは大変違うというふうに私は思います。
  36. 前原誠司

    前原委員 しかしながら、事実として、少なくともこの平成八年の五月と七月に何時間かかけて一緒に飯を食っているわけです、林雅三さんと、そして藤井さんは。だけれども大臣に対しては知らないということをおっしゃっている。これは食い違っているのじゃないですか、大臣
  37. 扇千景

    扇国務大臣 私に対しまして、出席者、建設省関係九名、一人故人でございますので、八人が全部上申書を提出してくださいました。その上申書を拝見いたしまして、全部おっしゃっていることが一致しません。今小野次官が申しましたように、紹介は一人もなかった、竹下先生がごあいさつなすったのじゃないかなという記憶も書いてございます人もございます。  八人、上申書をいただきました中の内容が全部違うものですから、私にしたら不思議だなと思うのは当然でございますので、私は某月某日八人全員にお集まりをいただきまして、八人並んでいただきまして、もちろん小野次官もそこに入っていただきまして、みんなの記憶を初めてそこで、この事件になってから初めてその八人が会ったわけでございますけれども、私は上申書をいただいたけれども、まず竹下元総理がお祝いをしてくださるから来いと言われた人と、それから後援会がお祝いをしてくれるから出席しろと言われた人と、官房からおまえも出席しろよと言われた人と、まず最初に声をかけられたところから全部記憶が違うんですね。  ですから、今前原先生おっしゃいましたように、私も聞きました。紹介はなかったんですか、だれがあれしたんですか、何の紹介もございませんでしたから、一般の民間人に関しては、前にいる人とは話をしたけれども、もうたわいもない酒の話でございましたということで、お互いにだれとだれとだれ、何さんが出ていたという記憶が全部違うんです。ですから、今おかしいじゃないかとおっしゃいますけれども、私は、これは想像ですけれども、今おっしゃいました主賓で座った人は主賓同士で竹下元総理と向かい合われたのかどうかわかりませんけれども、例えば今おっしゃった林何がしというような人に関しては、紹介がなければ、八人全員が集まっていただいたその席でも、個人名がわからないと。今になってマスコミの情報で、ああ、そういえばあれが福本という人だったのかなという人もいるんですね。  ですから、今おっしゃいましたように、藤井道路公団総裁と林何がしという、林雅三さんという方ですけれども、まあ林何がしでしょう、そのときに全く名前を知らないというのは、きちんとした紹介で名刺交換していないと顔と名前と全く一致しないというのが現状で、そこに隠しているとかあるいはうそだろうとかそういうことは私は一切、私は現実に八人に聞きましたから、そういう意味ではお互いの認識の中でだれとだれとだれと明記できないというのが現実であったというふうに私は聞いております。
  38. 前原誠司

    前原委員 ちょっと皮肉っぽく言いますけれども、扇さんも立派な建設大臣になられたなと。つまりは、就任されたときの、一般の感覚でこの問題をどうとらえるかとおっしゃっていた雰囲気と全然違う。完全に守りに入っている。つまり、国民はどういう疑惑を持っているかという視点からこのことは考えなきゃいけないんですよ。  八人から聞いて、その中身についてこうこうこうだったから私は信じますということになったら、これは立派な建設大臣だ。自分の身内を守る側、国民立場に立ってこの問題について考えようとしていない、全然。そんなことで、あなたが所信表明のときに、怒りを持って、何で自分が建設大臣だということで記者会見されたときの雰囲気と全然違うじゃないですか。
  39. 扇千景

    扇国務大臣 私、検事でもございませんし、弁護士でもございません。私の範疇で調べられることは、建設省の現職であった人間がその宴会に出たということを調べるのが建設大臣としての役目でございまして、民間の人に対してどうこうという権利は私にはございませんから、私は守りに入ったなんて言っていません。全部情報公開する、そのために皆さん方に全部から聞いたことは全部情報公開しています。私は守りに入る必要、何もありません。  私は、そういう意味では、守りに入るんじゃなくて、中尾大臣の収賄という罪名に関して建設省がゆがめられたかどうかということを国民の前に明らかにすることがまず第一の役目だということでやっているわけでございまして、私は裁く権利はありません。けれども、職員としてそこに出たことは軽々であったであろうということで厳重注意をしたのは当然のことであって、私は守りに入る何物もないわけですから、今の守りに入るというお言葉は私に対しては当てはまらないと思っています。
  40. 前原誠司

    前原委員 十分当てはまると思うんですね。つまりは、あなたに対して守るものがあるかどうかじゃないんですよ。建設省に対して、政府に対しての問題、あなたの個人の話じゃない。個人の話で、こんな建設委員会という公のところで僕もこんな質問をしたくない、自分も政策問題をやりたい、しっかりと。公共事業の問題、個別の問題をやりたい。しかしながら、建設大臣におられた立場の人が、一企業から、しかも国から発注を受けている企業から何千万円ものお金をもらってその立場を利用していたんではないかと言われているし、今なぜ小野さんに僕はこの話を聞いているかというと、小野さんを疑っているんじゃない、藤井さんがなぜ、六百万円すぐ返したと言われているけれども、なぜ入金があったのか、不思議じゃないですか。なぜ絵をもらわれようとしたのか、不思議じゃないですか。  だけれども大臣に対しての説明では、林雅三という人は知らないと言っている。だけれども、二回会っている、今の話では。食い違っているじゃない。そういうところをなぜ国民の目線に立って明らかにしていこうとしないのか。  だれも裁いてくれなんて言っていない、建設大臣に。建設大臣というのはそういう立場じゃないから。それは司法がやる話だ。だから、建設大臣にそんなことをやってくれなんて一言も言っていない。  私が今申し上げているのは、今回小野さんに来てもらった。私は、さっき申し上げたように、この建設委員会理事皆さん方は与野党問わず偉い。つまりは、事務次官に出てもらって、当時のことを知っている人がちゃんと話をする中で話が、つじつまが合ってくるわけですよ、疑問の点が。その疑問の点を、みんな話が違うから、一般的に宴会はこうこうこうだからわからないんでしょうでは済まされない話なんだ。  つまりは、業者から接待を受けていた、知らなかったにしろ、それは軽々な話だとさっき小野さんもおっしゃった。そういうことをしっかりとすべて明らかにしていくというのがあなたの立場じゃないですか。それを、守りに入るということを私が言っているのは、あなた個人が守りに入っているんではなくて、建設省として、国民の知りたい、あるいはうさん臭いと思っているところに対してメスを当てようとしているところに守りに入っているんじゃないかと言っているんだ。
  41. 扇千景

    扇国務大臣 守りに入っているという言葉は当てはまらないと私申し上げましたのは、私が大臣就任した最初の仕事はその一点にあるということから出発しています。  守りに入ることではなくて、国民皆さん方にいかに情報開示をするか、私の知り得たことはすべて情報開示するというのが第一歩だと思っておりますから、今まで申し上げましたように先ほども申し上げました。  私は、菅さんの質問にも答えました。公共事業の受注があったのか、ランクを上げたのか、あるいは金額はふえたのか。そして、藤井道路公団総裁に関しましても、私は今まで三度会っています。それは、私は、一般に百五十万が四回に分けられて入って、なぜすぐ返さなかったんですか、絵はなぜもらったんですか、もらうときから大臣に小さい声で、これはいただけませんけれども皆さんの前で失礼ですから今は受け取りますけれども、すぐ返しますよと言って儀礼的にその場では受け取ったということも聞きました。  けれども、私、守りに入る必要がなくて、その事実を公表しているのがどうして守りに入るとおっしゃるのか、私には理解できませんけれども、私は、私の知り得たこと、これから、今後は司直の手によって国民皆さんにうんと明らかになってくることがあろうと思いますけれども、私は、自分で御本人に会って、例えば先生がこうやって質問してくださること自体も情報公開で、国民皆さんにそのときの状況というものがるる明らかになってくるということも情報公開の一つだと私は思いますから、私の知り得ていることを正直に御報告申し上げておりますので、ぜひこの委員会においても、そういうことで、私は、聞かれたことに関しては知っていることをすべて申し上げております。  ただ、それ以上のことは司直の手によって今後明らかになろうと思いますけれども、私がそういう意味で守りに入って、私が大臣就任するために、守るために入ったんではない、こういう手法をもって、国民皆さん情報開示をしていくという手法の一つであるということで、私は今後もそういうふうにしていきたいと思っていますし、これからも、知り得たことはすべからく情報公開するつもりでございます。
  42. 前原誠司

    前原委員 守りに入ったという言葉がいたく気に入らなかったようでありますけれども、そういう御姿勢であれば、大臣、ちょっと二つのことを藤井さんに聞いてもらって、また明らかにしてもらえませんか、藤井総裁に。  一つは、大臣に対しては林雅三さんという人とは面識がなかったと。大臣のおっしゃるように、席が離れていたかもしれないし、それはよくわからない。具体的に、積極的に知ろうと思ったのでなかったのかもしれない。それはそのとおりかもしれない。そうじゃないかもしれないけれども、そうかもしれない。  そういう中で、でも、実際二回会っているんですよ、小野さんの話からすると。会っていますよ、結果的に。会っているんだ。会っている中で、それを知らないというふうなことを言ってきた、その経過ですよ。そこら辺を確認してもらわないと、藤井さんは大臣に対しては結果的にうその報告をしていることになる。だって、会っていないと言って、知らないと言っているんだから。その点について一つ。それをまた国会の場で、あるいは大臣の記者会見でも結構ですよ、その場で明らかにしていただきたいということが一つ。  それから、さっきもちょっと申し上げたんですけれども、どうも上申書の内容の中で解せないのは、林雅三さんという知らない人から百五十万円入っていて、すぐに中尾関連だとぴんとくるというのがよくわからないんですよ。ここら辺がよくわからない。何でぴんときたのかよくわからない。今わかられますか。
  43. 扇千景

    扇国務大臣 今の件に関しましても、私は藤井総裁に聞きました。なぜあなたが中尾大臣の秘書に、こういう名前の方を知っていますか、林雅三という人を御存じですかとなぜ聞けたんですかと私はそのことを聞きました。  そうしましたら、なぜ自分の口座番号を自分の知らない人が知っているのかというのが自分にはわからなかったと。それで、怖いから、そのお金をさわらなくて、だれなんだろうと。それで、片仮名で銀行口座にハヤシマサミと書いてあったのかということで、自分では解せなかったそうです、自分の口座番号を知っている人というのはだれなんだろうと。  それで、私もどうなすったんですかと聞きましたら、それは、自分がかつて、ある朝食会とおっしゃいましたか講演をしたときに、講演のお金、お車代だったか講演料かはわかりませんけれども、その謝礼を振り込みたいので口座番号を教えてくれませんかと中尾先生の秘書に、大臣の秘書に聞かれたんだそうです。そのときに、勉強会の謝礼金か車代かよくわかりませんけれども、そのお礼を出す口座を教えてくださいと言われて、大臣の秘書官に口座番号を教えたことがある。それで、ひょっとしたら自分の口座番号を教えたのはあの人しかいないなということで、中尾大臣の秘書官に、この方を御存じですかというふうに林さんの名前を言ったそうです。  そうしたら、ああ、僕だよということで、初めてこれはもらっちゃいけないお金だということで、振り込まれた口座番号の経緯を私も聞いたものですから、それをまた信じているのはおかしい、おまえはばかだと言われれば仕方ありませんけれども、私はそのことに関しては藤井総裁に事実は確認しております。
  44. 前原誠司

    前原委員 そこまで意地悪は言いませんから。  では、後半の件についてはそういうところでぴんときたという御説明を受けられたということで、では、前者の件についてはもう一度確認をしていただきたいと思います。そして、何らかの形で世間に発表していただきたい。  それで、次官、済みません。一般国民のレベルに立てば、もう二つ、三つ聞きたいことがどうしてもあるわけです。  つまりは、若築だけじゃないんだろうと。つまりいろいろな、中尾大臣あるいは竹下元総理が一緒におられたからということで行かれたという、それは上司ですから、上司の命令は聞かなきゃいけないということはわからないでもない。けれども、そういった会が今まで、これは小野さんがずっと建設省に入られて長い御経験の中で結構ですけれども、結果的に後でわかってしまったと思った部分でも結構ですけれども国民全般としては、しょっちゅう建設省の役人と業界というのは飯を食っているのじゃないか。いやいや、これは単純な国民の発想ですよ。そういう感覚を僕は持っていると思いますし、私も一般の国民ですからそう思っちゃうんですよね。だから、そこら辺で、実態はどうなんですか。
  45. 小野邦久

    小野政府参考人 建設省と、あるいは建設行政と特定業界と申しますか、その関係でございますけれども、確かに過去、私も三十数年たまたま建設省に奉職をしているわけでございますが、かつていろいろな立場にもなったわけでございますけれども大臣の御就任ということによって例えばお祝いのパーティーがあるとか、後援会の方とかいろいろ支援の方々が、あるいは地元の方々が主催されるようなものとか、そういうようなものもないわけではございませんけれども、結果的に考えるということになるかもしれませんけれども、本件のような形で平成八年の五月、それから七月、そこへ民間の方が入っておられる、しかもその中に、一社だけだと思いますが、建設省と大変密接な関連のある特定業界の方が入っておられる、そういうケースは普通はないのでございます。  これは中山前大臣がおっしゃいましたけれども、そういうところへそういう特定業界の方をお呼びする、結局我々にとっては、大臣から、こういうことだから出るようにというお話だったわけですから出たわけでございますが、そういう相手方のメンバーというか主催者側というか、そういう中に特定企業の方がいるというのは大変非常識だというふうにおっしゃいましたけれども、普通は私はそういうことは避けるべきことだというふうに思いますし、歴代の大臣も、そういうことをやられるという方は大変少ないと思います。  ただ、本件については、たまたまいろいろな経緯、今に至って考えますと、やはり大変大きな詐欺事件と申しますか、何となく、これはその後のいろいろな情報を総合的に分析した推測でございますけれども、そういう大変大きな中の一角に組み込まれていたのかなという感じはするのでございます。  現在のそういう特定業界とのおつき合いでございますが、これは朝食会を中心にやっておりまして、役所側は会費で出て、相手方は団体の方、特定の企業の方というのではなくて、例えば建設業団体とか不動産業団体とか、あるいはコンサルタント団体であるとか、建設省の仕事上関係のある産業活動をする、そういう団体の方とお会いをする。これは大臣が出られる場合もございますし、総括政務次官がお出になる場合もございます。あるいは役所側だけでやる場合もございます。そういうことが通常であること。  それから、もう一つの側面は、団体活動の中で、そういう団体が年に何回か総会を開かれます。あるいは、いろいろな勉強会をやられる場合もあるわけでございます。そういう中へ役所側がパーティーならパーティーに参加をするということは多々あるわけでございます。  ざっと感じでございますけれども、特定の会社の方といいますか、そういう方が大臣との関係でそういうことが行われることがどの程度の頻度かというと、私は非常に珍しいケースだというふうに思います、まあ結果論かもしれませんけれども
  46. 前原誠司

    前原委員 今のはちょっと幾つか前提の話がついていたと思うんですけれども、別に大臣が御一緒じゃなくてもいいんですよ。  それから、さっき昔はよくあったというお話をされましたけれども、いつぐらいからそういうことが自粛をされ始めたのか。つまりは、大臣が一緒じゃなくてもいいですけれども建設省の少なくとも幹部の方が、さっきの業界団体の朝食会、会費制のものは別ですよ、それは別ですよ、それとは違って、要は会うことが、今回のケースがレアケース、レアケースということは唯一ではないということなのか。そこら辺も含めて、もうちょっと、あるのかないのか。珍しいとかそういう言い方ではなくて、特定の業界団体とそういう接点が、大臣が仮におられなくても業界団体の特定の業者建設省の幹部の方々が会われるということはあるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
  47. 小野邦久

    小野政府参考人 例えばいろいろな会合、パーティーでございますとか勉強会のような会合とか、あるいはこれは政治家の方が御主催の研究会等もあろうと思いますけれども、そういう場で特定の業界の方とお会いをしたり、産業活動であれ、あるいは特定のグループであれ、そういうことはあり得ないわけではないと思いますけれども平成八年の五月のこの会合のような形で、特に特定の企業が何か一社入ってきてというようなことはまず非常に少ない、全くないというふうに断言は私もできませんけれども、極めて少ないということだと思います。
  48. 前原誠司

    前原委員 今、政治家の勉強会の話が出てきましたけれども、亀鑑会、亀のかがみ、かねへんに監督の監、この亀鑑会、御存じですね。
  49. 小野邦久

    小野政府参考人 具体的な亀鑑会というもの自身はよくわかりません。ただ、恐らく亀井元建設大臣の支援者の方々のお集まりではないかという感じはいたします。
  50. 前原誠司

    前原委員 そのメンバーでいらっしゃいますよね、小野次官は。そして、その主宰者は福本さんですね。福本邦雄さんですね。
  51. 小野邦久

    小野政府参考人 亀鑑会の存在自身、明確な意識は私はございません。メンバーかどうかもよく、そういう亀井先生を囲んでの支援者のお集まりに出たことはございますけれども、それが亀鑑会かどうかという意識はございませんし、また、亀鑑会自身が、福本邦雄さんが主宰しておられるということは私は全く存じ上げておりません。
  52. 前原誠司

    前原委員 この件についてはもうそろそろ最後にしたいと思いますが、この問題で、中尾建設大臣から若築建設という特定の企業に対して現次官、小野次官、もしくは平成八年の五月に集まられたほかのメンバー、あるいは七月に集まられたメンバーの中で、若築に対して便宜を図ってやってくれ、こういうような話を直接次官は受けられたことがあるのか、あるいは、その同じような集まられた皆さん方がそういう話を受けたということを聞かれたことが、どちらかありますか。
  53. 小野邦久

    小野政府参考人 これは大変捜査上のことに関することでもございますのであれでございますけれども、私は、中尾大臣から起訴事実の四点についての何か具体的な御指示とか、あるいは御依頼というものを受けた記憶は全くございません。  それから、当時の建設省の幹部で、具体的に五月と七月の会合に出た者も含めまして、当時の幹部が何か具体的に中尾大臣からお話を受けたという記憶を持っている者は大変少ないと思います。
  54. 前原誠司

    前原委員 少ないということはどういうことですかね。
  55. 小野邦久

    小野政府参考人 それは、私もすべてに当たったわけではございませんので何とも言えませんけれども、はっきり申し上げると、中尾建設大臣は大変お話の仕方もアバウトな面もございまして、具体的にこれをこうでああだということをなかなか、私は十カ月ばかりお仕えをいたしました。七カ月は総務審議官で、三カ月は官房長でお仕えいたしましたけれども、明確なそういう形で指示を出されるとかお話をされるということは大変少ないというふうに印象を持っておりまして、今件について何か具体的なお話を得たという記憶は私にはございませんし、私の推測でございますけれども、恐らく、当時の幹部の方もそういう印象を持っている者はいないというふうに思います。
  56. 前原誠司

    前原委員 これからいろいろな捜査で明らかになっていく部分もあるわけでありますし、発表されているように、若築建設が受注がふえたのかどうかについての客観的な精査というものもあるでありましょうし、その点について、ぜひ司法の点も含めて、また、我々としてできることについてはしっかりと聞いていかなくてはいけないと思うわけでありますが、やはり隔靴掻痒の感がある。  というのは、小野次官が出てきていただいて御説明いただいたのも結構であったのでありますけれども、やはり藤井さんに聞きたいというのが私の今の率直な思いでございまして、ぜひとも、先ほどの件、委員長含め理事皆さん方には前向きに御検討いただきたいということを重ねてお願いをして、この件についてはとりあえず終わりにさせていただきたいと思います。  まともな質問に入らせていただきます。(発言する者あり)では、まともな政策論ということで政策論に入らせていただきたい。  扇大臣、きのう、私は予算委員会で主に日本道路公団質問をいたしました。その中でちょっと漏れたことがありましたので、二、三お伺いをしておきたいなと思うわけでありますが、今のようないろいろな疑惑事件、汚職事件にもかかわることでありますけれども、一つの大きなポイントとしては、やはり公共事業の発注の主体である例えば国とかあるいはその外郭団体、特殊法人、そういったところと業者の問題というのが、常に、これはもう今までの過去の歴史あるいは未来永劫をとってもなかなか難しい話だろうというふうに思うわけですね。  その中で私は、少なくとも政府の外郭団体について、かなり建設省の、それは天下りと言うのかどうかは別にして、天下りという言葉を使わせていただければ、かなりそういう状況が私は強いんじゃないかなと思うわけです。  きのう、日本道路公団の話をしましたように、純粋な経営的には完全に破綻をしています。つまりは、国が金を入れる、あるいは問題の先送り。つまりは、計画を先送り、先送りする中で何とか今の計画を保っている。しかもその前提が、交通量見込みもむちゃくちゃ、そしてまた需要見込みもむちゃくちゃ。つまりは、きのう申し上げたように、二〇〇七年以降について、人口が減るのにもかかわらず、一四%ぐらいの需要が伸びるなんという前提に立って返済計画を立てている。これは私は、全く純粋な民間の経営、独立採算という観点に立った場合は、完全にもう破綻をしちゃっているというふうに思わざるを得ないわけです。  そういうことも含めて、私は、こういう特殊法人、特に道路公団のように採算性が強く求められるところには、何も役所の人が経営感覚がないとかあるいはセンスがないということを申し上げるわけではありませんけれども、また、藤井さんのように、土木屋さんですよね、技術屋さんですよね、だからその人が経営感覚がないと言うつもりはありませんけれども、やはり私は、外部からこういったポストには本当に経営のすぐれたような著名な人でも持ってきて、だって数十兆円というこれは負債と資産ですよ。だから、そういうところの経営というのは、これは相当責任がのしかかってくるわけで、私は天下りのポストで順送りにやるような問題じゃないと思うんですね。少なくとも、日本道路公団のこの総裁ポストについてこれから見直していくという観点が私は必要だと思うのでありますが、その点について御答弁をいただきたいと思います。
  57. 扇千景

    扇国務大臣 私も、前原先生のお話で、過去の例えば道路公団等々にどういう人間がついたのかを設立当時から全部洗い出させていただきました。  それで、各関連の、今まず第一におっしゃいました日本道路公団、これも私も調べさせていただきまして、設立当時、昭和三十一年に設立されておりますけれども最初はやはり民間人を総裁にいたしております。昭和天然ガスというところの方をこれは総裁に持ってきたんですね。  それから、首都高速道路公団、これも私も調べさせていただきましたけれども、これも昭和三十四年の設立当時は、一番最初は民間人で、同和海上火災の監査役を持っていらっしゃいました。  あるいは、阪神高速道路公団に関しましても、これも一代、二代続きまして民間人を登用しております。  その後は、今前原先生がおっしゃいますように、例えば道路公団一つとってみましても、天下りと言うべきなのか天上がりと言うなのかはこれは見解の違うところでございましょうけれども、要するに天下りと言われていることを言いますと、警察庁の国家公安委員、これが警察庁、建設省建設省建設省建設省建設省、自治省、建設省とこうなっていますから、確かに今おっしゃいましたように、それぞれの道路公団一つとってみましても、道路公団の担う重要性から考えますと、それぞれの専門家、また他に類を見ない手腕を持っている、道路公団に欠くべからざる人間と判断される人間が行くということも、これは私は道路公団の本来の趣旨からしても大事なことだろうと思いますけれども、今おっしゃいましたように、これが民間会社であればとうに破綻しているじゃないかと言われることに対しても、私は同じ意見を持っております。  けれども、他方、皆さん方の、国民要望で、足りているところはいいけれども、もっとしてほしいという、全国から今の私の立場に御要望もございます。その辺をどうするのか。あるいは、御要望にこたえれば、やはり採算性のとれないところは赤字になるんだろうなという予測もございます。  もちろん、今前原先生がおっしゃいましたように、通行量の誤差、最初計画したときは、例えばアクアライン一つとってみましても、最初に通行量がこれだけだったのに減っているということもありますけれども、その辺の整合性はどうなるのかということから考えますと、私は、日本列島、戦後五十五年たちまして、まだまだ道路のアクセスということ、道路公団の役割ということをとってみましても、まだ全国国民に、平等に、すべからく供用できるような状況に達していない。今、現段階ではまだ、赤字でも、国民皆さんに平等の供用ができるようにせざるを得ない部分もあろうかと思いますので、これは拳々服膺しながら、道路公団の姿勢、または国民要望にいかにこたえるかというのはひとえに政策問題でございますので、今後もこの整合性を考えながら、道路行政日本道路公団の話にしましても、私は今後大きな課題が残ろうと思いますので、前向きに検討していきたいと思っています。
  58. 前原誠司

    前原委員 これは国土交通省になって、大臣が引き続きやられるのかどうかは知りませんけれども、この道路公団の天下りを、総裁のポストを民間にかえると言われただけで、歴史に名前が残りますよ。それぐらい僕は大きな変化だと実は思っておる。  きのう申し上げたように、道路公団だけ目のかたきにしているわけじゃないんです。これは重要な仕事ではあるけれども、いわゆる不良資産というものがかなり大きいし、要は、これからの需要の前提というものもおかしいし、そしてまた借金の先送り、先送りでしょう。そういう中で、きのう申し上げたように、今の前提に立てば、平成五十六年をめどに、少なくとも二十兆から三十兆円の、それぐらいの不良資産というものを抱えてバンザイをする可能性があるわけです。  そこで、今大臣がおっしゃったように、国がある程度支えるということも一つの手だけれども、今はしかし、前提としては独立採算で財投から金を借りて経営をしているわけですよ。私はここは天下りのポストにすべきじゃない。もし道路公団の組織を変えるなら別ですよ。今のようなことを前提とするのであれば、これはもう思い切りメスを入れて、きのうも申し上げたように企業会計を導入して、情報公開を徹底して、民間の手法を入れていかないと、ここは本当にこれからもっと国会で論戦になるぐらい大変なことになりますよ、お荷物に。もう一度このポストのことについて、大臣としてのお言葉を聞かせていただきたいと思います。
  59. 扇千景

    扇国務大臣 今おっしゃいますように、私も、それも心配している一つで、先ほど申しましたとおりでございます。  ですから、私は、この人を持ってこなければならないという枠にはまらないで、今おっしゃったように本来の日本道路公団の業務が果たせるように、有能な方であれば民間も含めて今後も考えるというのは、私、任命権者でございますので、その辺のところはすべからく幅を広げて、そして適材適所の人を選んで、そして今御懸念のあるような日本道路公団の本来の業務が少しでも国民皆さんに、ああ、あそこのやっていることは間違いないな、これは五十年かかって償還するというのも、あの人がなったために三十年になったなと言われるような姿にしていくように、私は幅広く検討していきたいと思っております。
  60. 前原誠司

    前原委員 時間が参りましたので、最後に一点だけ、総括政務次官に、質問というか、さっき岩屋先生の質疑を聞いていて、一つだけかなり気になることがありますので、ちょっとそれだけ私指摘して、もしお考えがあれば御答弁いただきたいと思います。  長良川の認識は全く私と百八十度異なります。つまりは、できて、逆に環境面でも、いわゆる魚の種類の面でもふえてよかったんだ、こういう話がありますけれども野田先生が、地元の先生おられますけれども、多分、これはかなり地元意見と異なる。  総括政務次官は見に行かれましたか。私もこの間、同僚の議員と行きました。そして、川に船を出してもらって、また上流まで行って、サツキマスとかあるいはヤマトシジミとか、あるいはヘドロの状況、あそこは木曽三川、揖斐川、長良川そして木曽川と流れていて、その川底をすべて出していただいて、どういう状況か、あるいはシジミがどのぐらいとれるかということを調べてもらいましたけれども、もう長良川はほぼ死にかけている、それぐらいひどいような状況だと私は思いますよ。  そういう意味で、私、さっきのお話というのは、質問項目にありませんけれども、絶対に看過できない話であって、ぜひ、ちょっと現状認識を持って、そこは視察に行かれるなりして、先ほどの話は僕は取り消してもらいたいというふうに思います。
  61. 植竹繁雄

    植竹政務次官 今お話しの点でございますが、上流の開発とか、そういうことになりますと、今のヘドロの問題なんかは新たな問題としまして、これは長良川ばかりじゃなくて、全国の河川でいろいろあるわけです、湖沼の問題とか何か。それはまた新たに対応していかなくちゃならない問題と思って、ぜひ、そういう点を参考にしまして、いろいろ見せていただいて、それは対処していきたいと思います。  特に私は環境問題というものは、昔からこれは非常に関心を持っておりまして、そういう新たなる状況の変化によってそういうことが起きれば、これは長良川ということじゃなくて、日本全体の問題としましても大変重要なことだと思いますので、よく検討してまいりたいと思います。
  62. 前原誠司

    前原委員 お願いします。  もう一つだけ。扇大臣、吉野川なんですけれども、前任者の中山建設大臣が、徳島に行って吉野川可動堰の住民投票を行った方々とお話をされるというお約束をされておりました。徳島に行って吉野川の住民投票をされる方々とお話をされるということで、多分、大臣としては初めてじゃないですか、そういう運動をされた方々を大臣室に何十人も入れられてお話をされておりまして、私も目の当たりにさせていただきましたけれども。  ただ、選挙がありまして、そして大臣がかわられて、そして、吉野川の問題も細かく聞きたかったんですけれども、きょうは時間がありませんので、今の植竹総括政務次官の話じゃありませんけれども、少なくともすべて問題になる場所は見ていただいて、地元の方とも、賛成派、反対派、両方ともから話を聞いていただいて、私は、現地、現場主義で個別の大きな公共事業というのは御判断をいただきたい。その前提で、ぜひ徳島の吉野川の住民投票をされた方々とは、中山前大臣の引き継ぎで御議論をいただきたいと思いますが、その点だけちょっとお聞かせいただけますか。
  63. 扇千景

    扇国務大臣 私は、就任のときにも申し上げて、記者会見しておりますから、お聞きいただいたと思いますけれども、私は現段階現地に行くということは明言しておりません。  それはなぜかと申しますと、吉野川というのは、御存じのとおり、川の両域あるわけでございます。二市六町がその川両岸を占めておりまして、その一市だけの住民投票で反対だからその声を聞けということではなくて、私はもっと、今、両方の意見とおっしゃいまして、私、おっしゃるとおりだと思うんですよ。二市六町あるんですから、二市六町の意見を聞いて、片側の一市が反対投票を、住民投票で反対が多かった、片側は全部地方自治体も賛成だということであれば、両方を公平にしなければいけないので、今おっしゃったように、地元の公平な意見を聞いてくださいということに関しては大いに賛成でございますけれども反対の住民投票をした人たちに会ってくださいというのは、私はそれは偏ったことであって、私はもっと高度な判断をさせていただきたいと思います。  これは吉野川だけじゃなくて、全般の公共事業に関して、今、自由民主党の中でもこれに関しての現地調査もするとおっしゃっていますし、私もそのことに関しては、ちょっと失礼ですけれども与党三党の党首としても、これは三党としてきちんと両方の御意見を、私は地元意見を一番尊重すると言っているんですから、今行くということよりも、まず両方の御意見を、ゼロの出発点から私は正確な判断をしていきたいというふうに思っております。
  64. 前原誠司

    前原委員 もうこれで終わりますけれども、事実認識がかなり間違っています。つまり、反対運動をされた人じゃないんです、あの人たちは。住民運動を進めていかれた方々なんです。  それで、もう一つ言うと、徳島市も、市議会、あるいは徳島県全体も賛成の決議をやっているんです。しかし、市民の住民投票では、五五%の投票率で九割以上の人が反対されている。つまりは、議会が市民の意見を鏡のように照らしていないというところに住民投票の発端があって、そして、むしろ一番水がつかるところの人たちの意見を聞かれた方がいいと思いますよ。その人たちが賛成をされているかというと、必ずしもそうじゃない。その点もっともっと勉強されて、その点ぐらい、少しぐらい引き継がれた方が私はいいと思います。議論できませんけれども、もう時間がありませんので。そこら辺を私は、守りに入っていると言うとまた怒られるけれども、まだまだ勉強不足ですし、この点についてはしっかり議論をさせていただきたいと思います。  終わります。
  65. 井上義久

  66. 田中慶秋

    田中(慶)委員 私は、民主党の立場で、大臣の所信表明あるいはまた関連する建設行政全般にわたっての御質問をさせていただきたいと思います。  まず一つは、この建設行政の中で、やはり今の経済が非常に厳しい社会環境にある中で、特にそれに対応するために必ず出てくるのは、公共事業、公共工事ということがよく言われるわけであります。公共工事もその一つであろうかと思いますけれども、もう少しソフトランディングにあらゆる面で建設省としてのこの経済に対する対応というものを考える必要があるだろう。  その一つには、大臣就任のときに、例えば一般住宅の問題について住宅ローンの問題、触れました。この住宅ローンは、御承知のように時限立法でありますから、当然のごとく、この時限立法というものがそういう点ではもうすぐ迫られているわけでありますから、これらに対する対応の仕方としてやはりもっと、今経済を支えているのはこの住宅の部分が非常に多いと言われているわけですから、そういう点ではこれらについてさらに延長をする必要があるだろう、私はそう思っておりますので、まずこの辺についての大臣に対する見解をお伺いしたい、一つ。  もう一つは、大臣も相続税問題やこれらについて経験もされていると思いますけれども、特に生前贈与の問題等々含めながら、大変少ないわけでありますけれども、例えばこの相続税問題等について、生前贈与、その見直しというものが、税制問題ですから大蔵省の問題もあろうと思いますけれども、現実にこの土地という問題を考えたときに、やはり建設省としての見解も当然あってしかるべきじゃないか、こういうふうに考えますけれども最初にこの二点についてお伺いします。
  67. 扇千景

    扇国務大臣 私、記者会見でも申し上げたことを今取り上げていただきましたけれども、私は基本的な姿勢として、今御存じのとおり、東京の地価評価というものが発表されました。その地価評価というものの発表を見ておりますと、田中先生も御存じだと思いますけれども、例えば東京の銀座並木通りあるいは原宿の表参道、それから骨とう通り等々に、もうあらゆる外資系のすばらしい企業が今全部集中的に入っております。そして、今度も世界一の店舗を出すというものもまた原宿にあります。外資系が日本に入ってくるということは、今の地価評価というものを見定めて入ってくるんですね。そうしますと、大体今が底に近いんだなというのを外資系が一番リサーチしているわけです。ですから、これだけ外資系が、もう銀座の並木通りなんというのはヨーロッパのような雰囲気でございます、ヨーロッパの店が全部ずらっと並んでいる。  それは、外資系が入ってくるというのは、今申しましたように、大体地価がこの辺で下げどまりじゃないかなということを見ておりましても、じゃ、国民皆さん方が、ちょうどいい時期だ、今からうちを建てようとせっかくこの気になっていただいても、今先生がおっしゃいましたように、住宅ローンの減税というものが時限立法だとおっしゃいまして、来年の六月で切れるわけでございます。しかも、切れるときに、今の法案では六月に入居していなければそれに適用されないと。そうしますと、今からおうちを建てようという気になってくだすっても、来年の六月まで、今からでは間に合わないわけでございますね。  ですから、私は、せっかくこの地価評価というものを国民皆さんがすべからく頭の中に入れられて、そろそろ今からおうちを建てようという気持ちを何としても喚起したい、それが経済の下支えになるという原点から、これをぜひ少なくとも二年ぐらい延長させていただきたいというのが、私、大臣就任したときの記者会見でございます。  まして、私は、今のままで延長しろとは言いません、大蔵省ももうすごい抵抗していますから。けれども、その内容に関しては、収入とか、段階的に何年にするかということも見直しながらも、ぜひこの制度が、今の住宅を建てたいという気持ちになってくだすった方に、喚起できるような面に利用していただいて、日本経済の下支えをしたい、その基本的なことで二年延長を申し上げているわけでございまして、きのうも予算委員会で私そのことを申し上げましたときに、ここに宮澤大蔵大臣が座っていらっしゃいました。大蔵大臣の前で私気になったんですけれども申しましたら、後、終わりましても、大蔵大臣、嫌な顔をなさっていませんでしたので、田中先生も野党第一党の政党でいらっしゃいますので、ぜひこれは延長ということに御協力、与野党を超えてこの延長問題に御協力いただければ、私、大変ありがたいというのが一点でございます。  あと、残り一点は、これは少なくとも私は、今の住宅ローン減税の適用が六月まで入居という条件が、もう一つありますのは、この法案では新築でないといけないんですね。けれども、私は、今、戦後五十五年たって家族構成も変わってきて、建てかえたいと思っている方が大勢いらっしゃるんです。ですから、今度もし先生も御協力いただいてこれを推進してくださるのであれば、新築のみならず、中古あるいは建てかえの人にも、この法案を今回延長していただけるのであれば、適用できるようにということをひとつ私からもお願いさせていただきたいというのが住宅ローン減税に関しての意見でございます。  また、御存じのとおり、住宅金融公庫の貸し出し、これも私は大変大きな問題だと思っていますし、今までこの住宅金融公庫の貸し出しがこの住宅行政に対しても大きな貢献をしてきたと私は思っております。これは残念なことに、これも来年の、二〇〇一年の三月で切れるわけでございます。ですから、これも両々相まちまして、私は、これからの住宅というものを考えている皆さん方、これに関しては、来年の三月で切れるということも少なくとも大きな問題の一つであろうと私は思いますので、これも御一緒にお考えいただければ、私も極力努力いたしますけれども、ぜひ一緒にセットで考えていただきたいと思います。  それから最後に、先ほど申されました相続税の問題でございますけれども、先生も御存じのとおり、今の世の中、本当に殺伐としておりまして、親子のきずな、家庭の心のきずなというものが果たして那辺にあるのかということが大変問題になっております。それは、私は、みんなおうちの中で一緒に団らんの場もないし、あるいはそれぞれが世代別で一緒にならないということも含めておりますので、私は、今、六十五歳以上の方が一番お金を持っていらっしゃいますので、少なくともこれは老後の不安のためにお金を使わないという現実がございますので、二世帯同居、一緒に住んで、遺産相続税を前倒しにして生前贈与することによって、このお金で建てて息子と一緒に住めるということになれば、私は、もっと安心してお金を使っていただけるんじゃないかと思いますので、これも、生前贈与ということも含めまして贈与税の拡大をしていただければ、私はもっと今の経済の下支えができる、個人消費が伸びる大きな要因の一つだと思っていますので、それも私の意見として申し上げました。     〔委員長退席、山名委員長代理着席〕
  68. 田中慶秋

    田中(慶)委員 限られた時間でございますので、大臣の答弁も非常に丁寧でありますけれども、いま少し簡素に、行革と同じようにやっていただきたい、このように思います。  いずれにしても、景気対策が基本とするものは、与党、野党関係ありませんで、我々は政治家としてこのことに取り組んでいかなければいけない問題でありますので問題提起をしているわけでありますから、そのことを含めて努力をしていただきたいと思います。  さて、先ほど来問題になっております公共事業の問題について若干触れさせていただきたいと思います。  公共事業という問題を含めて、戦後大きく貢献されてきておりますし、また、経済の一つの柱かもわかりません。しかし、公共事業のあり方そのものが時代とともに変わってきていることも事実であります。ところが、私も今現実にびっくりしているわけでありますけれども公共事業基本法たるものがこの国にはない。私は、はっきり申し上げて、あるとばかり思っていた。年間九兆円も十兆円もそれぞれ使う予算、こういう問題。  それから、建設行政を含めて都市計画決定をされて、その都市計画決定が現実には着工しているものがたった四割程度、六割が着工していない。しかし、その工事件名というものは依然としてずっと尾を引いているわけであります。こういう一連のこと。そこには必ず調査費もいろいろな形でついたり、いろいろなことをする、こういうこともあるわけであります。  この一連の中で、少なくともこういう基本法をつくって、その中に、例えば計画決定をして、計画決定をしたけれども現実に着工できない。そのためにはそれを見直しをするとか、取り消しをするとか、こういう問題も今明確になっていない、これが現実であります。  ですから、この公共事業のあり方そのもの、これも私は、具体的に事業としての見直しをするために、建設省だけではなくして関連する特殊法人と言われている今のような道路公団も、あるいは都市基盤整備公団も同じでありますけれども、そういうものが明確になっていないところにいろいろな問題が出てくる。これがありますので、この考え方について、大臣としてはっきりと私は、大臣が幾ら優秀であっても、今度新しく来年から組織が変わるわけでありますから、せめて今やっておかないと、マンモスになったときに余計おかしくなってできなくなってくる、私はそう思っているのです。今でさえもおかしい。戦後、私はずっとあるものだと思っていたものがない。  ですから私は、少なくとも、あと五カ月の命と言っては大変失礼ですけれども建設省の命は五カ月なのですから、その間に私は明確にやっていく必要があるだろう、その辺について、まず考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
  69. 扇千景

    扇国務大臣 これも田中先生、私が記者会見で言ったことを聞いていただいたのかもしれませんけれども、私自身も、あるものと思っていたものがなかったということで、大変ショックでございまして、何とか私は、国土交通省の巨大省庁になる前にこれをしたいということを早々に申し上げました。そして私は、もしも時間がかかるようであれば、議員立法で出していただいてもいいなと思ったのですけれども、今先生御説のように、建設省だけではなくて国全体の公共事業のあり方というふうに私もとらえたものですから、何とかこれは政府提案で閣法にできないかということで、私はすぐ、外国の例を今調べてもらいました。  御存じのとおり、フランスには公共契約法典、そしてまたイタリアには公共工事基本法というものがございます。私はどうしてもこれをつくりたいと思って、建設省もこれができるかどうかというので、大変悩ましいところでございます。それは、今、御存じのとおり日本の場合は、国について会計法、あるいは自治法によって今の公共事業というものが、形としては二つに分かれているわけで、両方とも大蔵省と自治省との縄張り争いと言うと、大変私が言うとおこがましくて失礼かもしれませんけれども、世間に言われているような体系の中での基本法づくりというものは大変難しいと思っております。私は、今先生がおっしゃいますように、あと五カ月の命というよりも、サミットまでだよと言われたのがきょうもこうして答弁に立っているわけでございますから、あと五カ月もあるという感覚で頑張っていきたいと思っております。余り長くなりますといけませんので、この程度にさせていただきます。
  70. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひ歴史に残るような仕事をしていただきたい、このように思っているわけであります。  そこで、まず今の公共事業、公共工事、計画性を含めて、ある面では裁量行政なのです。はっきり申し上げて、建設省のトップがかわるとその仕事の内容も変わる、だからいろいろな問題が、例えば疑惑の問題もそういう関連の中で出てくるわけでありますから、あらゆることを含めて、私は、今回のような事件の問題も、その防止をするためには基本法がなければできない。今、基本法がないこと自体がおかしかったわけです。  例えば、基本法の中に、一つは発注のあり方も私は当然そこにあるべきだと思います。ところが、今発注に対する考え方もある面では裁量です。こういうことが長い間現実に行われている。ない方がやりやすい、それは現実だと思います。ですから、いろいろな公共事業の問題等々を含めて、都市とあるいは地方とのこの格差も出てくる、こういうことでありますから、まず、この基本法をつくる段階で発注のあり方もその中に考慮してほしい、入札制度の問題等々も含めてやってほしいと思いますけれども大臣考え方をお聞かせください。
  71. 扇千景

    扇国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。私も田中先生と同じ気持ちを持っております。  基本法の中にも、今おっしゃいましたように、発注者責任というものが日本の場合はどの法律もないわけでございます。ですから、世間に言われております丸投げということもあるわけでございます。また、談合というものも世間で通常の言葉として、何があっても談合しているのだろうと言われますけれども、これも何かの刑事事件がない限りは実態がつかめません。  ですから、そういう意味では、今おっしゃいました基本法というものも大事でございますけれども入札ということに関しましても、皆さん方の野党であっせん利得罪もお出しになっておりますし、また、今与党三党の中でも、私は保守党でございますので、かつて先生も御記憶のとおりに、入札干渉罪というものを出したこともございます。私は、入札干渉罪プラス公共事業の契約法というものを今与党三党で秋の臨時国会を目指してやっておりますので、野党がお出しになっているあっせん利得罪と入札干渉罪プラス公共事業契約法も含めた、よりよいものをつくって、私はぜひ、まずできることからでもそれを進めていくべきだろうと思っていますので、ぜひ前向きで私も最大限の努力をさせていただきたいと思っております。
  72. 田中慶秋

    田中(慶)委員 まず、私もかつてこのあっせん利得、あるいは今の問題や公共事業の問題等々を含めて、座長でその仕事をさせていただきましたが、法案がまとまらなかったわけでありますけれども、ぜひこのことも含めながら、今公共事業の評価というものがされていないわけでありまして、これもやはり基本法の中にはしっかりと位置づけていく必要があるだろう、このように思いますので、これらの問題を含めて、計画性の問題、入札制度問題、あるいはまた評価の問題等々を含めて、ぜひ今回の、五カ月もあるのですから、ぜひやってほしい、このように思っております。  恐らく、建設省は時間がないというふうに必ず言ってきます。目に見えております。ですけれども、私は、五カ月ある、あなたが命をかけてやれば必ずできると思っておりますので、大臣がぜひ頑張っていただきたい、このように思っているわけであります。  特に皆さん、国会というものが、ある面では今公共事業の中で軽視されているわけであります。地方自治法には、少なくとも予算額に応じて議会の承認を得なければいけない。国会は、残念ながら予算の議論はしますけれども、それぞれの個々の発注に対して具体的に承認案件はない。これが現実であります。ですから、何も小さいものまでそんなことをしろと言っているわけではありません。例えば、十億、二十億、五十億、百億、こういうことを含めて大きい事業なのですから、そういうことは当然国会の承認案件として行うべきではないか。余りにも、下部機関と言っては大変失礼ですけれども、都道府県については自治法上明確にしておきながら、自分たちのやることについては非常に緩やかといいますか、やりやすいようにできている。ですから、裁量行政の最たるものだと言われている。ですから、その辺も私は考慮してほしいと思いますが、大臣、どうですか。
  73. 扇千景

    扇国務大臣 今先生がおっしゃいますように、地方自治体、都道府県におきましては、御存じのとおり、五億円以上の工事については議会の承認あるいは仮契約した後の論議というのが行われておりますけれども、残念ながら、国会においては今先生御指摘のとおりの状況でございます。  少なくとも今、例えば平成十一年度、昨年でございますけれども平成十一年度だけをとってみましても、建設省の工事契約が二万三千件あるわけでございますから、その全部についてどうこうということを、これも私は大事なことだと思いますけれども、その二万三千件ある膨大なものを国会の中でどのように処理していこうとなさるかというのは、これは私はひとえに国会の中での御論議だろうと思いますけれども、ぜひ先生が今おっしゃった趣旨が国会の中で整理されますことを私も見守っていきたい、また、私にできることがあれば、私も御協力させていただきたいと思っております。
  74. 田中慶秋

    田中(慶)委員 そこで、大臣、後ほど今回の中尾大臣の問題に触れさせていただきますけれども、こういう基本法がないために、今、建設省を中心として、別なグループでOBの人たちが活躍する場所がたくさんあるのです、何とか会とか何とか会といって。ですから、建設省が知らないところで、来年の工事はこうしましょうと話されているのですよ。  ですから、基本法たるもの、長期計画、そういうことも含めて、あらゆることを排除する意味で、もう二十一世紀ですから、今までのしがらみはしようがない、しかし、今やらなければこのしがらみがまた二十一世紀もずっとつながっていくのですから、建設省の優秀な幹部の人たちも含めて、私はそのことに本当に命をかけてやってほしい。  OBの人たち、たくさん優秀な人もいる、その人たちを別に排除するとかなんとかじゃなくして、余りにもその人たちがある面では外野としての圧力団体になり、外野としての声が、大臣は知らないのです、はっきり申し上げて。現実にもう一つの建設省があると同じなんです。それがOBで全部つくっている。先ほどの特殊法人の人事の問題もそうでしょう。あなたは判こを押すだけなんです、はっきり申し上げて。  そういうことが現実にあるのですから、基本法を明確にすることによって、ある面ではもっとそういう外部からの声や、あるいはまたそういうものについて、やりやすいように、そして透明度、簡素でわかりやすい、そんな公共事業のあり方を私はぜひ検討してほしい。
  75. 扇千景

    扇国務大臣 私の知らないところであるということは、あるやもしれないと私も思っております。でなければ、これだけ世間の中で公共事業に対する非難があるということは、何かがあるのであろう。先ほど私はちらっと談合という言葉を使いましたけれども、そういうことがなきにしもあらずであろうと私も想像できます、これはわかりませんけれども。  けれども、私は、少なくとも建設行政というもののあり方、そして、私は国土庁長官もさせていただいておりますので、二十一世紀の国土づくり、あるいは公共事業を含めた国土づくりはどうすべきかということを、全国マップで国民皆さんに納得してもらうようなことを、私は国土交通省の前にそれを示したいということを、今、調整官庁として能力があります国土庁にそのことも申し渡してあります。今もつくりつつあります。  けれども、今おっしゃったような基本法に関しましては、これは全省庁にまたがることでございますので、ぜひ他の委員会にも出てそのことを申し上げていただいて、全省庁にまたがる公共事業でございますので、建設省はもとより努力いたしますけれども、ぜひ全省庁に喚起していただいて、私も、一つでも後世に残ることができれば大臣就任したかいがあったなと今思っておりますので、ぜひ御協力賜りたいと思います。
  76. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひあなたが大臣のうちに発進をして、そして各省庁がそれに右倣えするような形を、我々もそのことを含めてさせてはいただきますけれども、現実にそういうことをやっていかなければいけないんだろうと思っております。  特に、例えば先ほどの発注入札制度のあり方を見てください。まさしく旧態依然として変わっていない。議員の人たちはみんなそう思っていると思いますよ。仕事をできる、そうすると、もう既にここにはゼネコンが入っていく。東京だったらともかくも、地方だってみんな同じです。そして、そこには地方の人たちが、幾らこれだけ厳しい経済状態であっても参入できないんです。  ところが、地方自治体では、知恵を出しながら方法を出しているのですよ。ゼネコンさんなりサブゼネコンなりあるいは地元業者を入れて、ランク制をとって、そして共同企業体というものをつくっているわけですよ。建設省に幾ら言ったって、そのことをやろうとしない、はっきり申し上げて。共同企業体をつくったと思うと、先ほど大臣も言われているようにランクの中で、ゼネコンのランクの中で共同企業体を幾らつくったってだめなんですよ。ゼネコンが仕事をとる、少しは地元に回ってくるのかな、そうじゃない。東京から下請、孫請まで連れていく、これが実態なんです。  ですから、今度の基本法をつくるときには、そんなところまで配慮をしてぜひやってほしいな、そんなふうに思っているんです。直接事務方として事務次官はやるでしょうから、事務次官、少し退屈のようですから、今私が言っていることをぜひサポートして、大臣を助けて、あなたは現場でこのことをぜひやってほしいと思いますが、どうですか。     〔山名委員長代理退席、委員長着席〕
  77. 小野邦久

    小野政府参考人 別に退屈しているわけではございませんので。  公共工事につきましては、御案内のとおり、大臣からお話がございました、大臣は公共工事契約法というお話をされておられます。既に私ども事務方に、これをきちっと検討するように、いろいろ諸外国の例も参考として検討するようにという御指示が下っております。今現在それをやっております。  それと同時に、公共工事基本法のお話がございました。これは、公共工事契約法的な部分、入札・契約制度についての基本の部分プラス、いろいろな各党各派のお考えがあろうかと思いますけれども、公共工事全般についての例えば情報公開でございますとか、あるいは基本原則的なものをうたうような法制度ができないか、こういう御提案だと思うわけでございます。  公共工事全体についての基本的な考え方をはっきりと国会の場で明確にしていただくということは、それなりに私は大変意味のあることだというふうに思うわけでございます。ただ、具体的な内容、これは行政府の具体的な事業の執行にかかわる部分もございますので、また、現在の制度では、例えば公共工事につきましては、国の予算の中で計画をつくって、非常に時間もかかるということもございますので、長期的な観点から執行していく、こういう観点もあろうと思うわけでございます。この辺をどういうふうに構成をしていくのかということは大変大きな課題でございますので、そういう点も大臣の御指示をいただきながら検討してまいりたいというふうに思います。  ただ、一つだけ申し上げますけれども、公共工事契約基本法的なものにつきましては、現在、国の契約につきましては会計法で処理をされております。それから、数多くの公共団体、これは実際の公共工事の中でも地方で発注される部分がはるかに多いわけでございます。この部分につきましては地方自治法で規制をされているわけでございまして、この二つの法律はいずれも建設省の所管ではございません。  それぞれ私どもは、国の場合には会計法の原則にのっとって、所管の財政当局とも御相談をしながら運用をしてまいりました。また、地方関係につきましては、中央建設業審議会でいろいろ御議論をいただいて、それを建議という形で地方公共団体にお示しをして参考にしていただくというやり方で、地方自治法と接点を持ってやってきたわけでございます。  これをどういうふうに建設省あるいは建設行政、あるいは当委員会等でいろいろ御論議をいただくのかというのは、大変大きな課題があるというふうに私は思いますので、この点については慎重な判断が必要だというふうに思っております。そのことは大臣にも申し上げてございます。
  78. 田中慶秋

    田中(慶)委員 いずれにしても、省庁再編のこともあるわけでありますから、ですから私は申し上げているわけであって、二十一世紀を目前にしてあらゆるものを見直しをする、そういう前提で申し上げているわけですから、ぜひそのことを含めて、事務方がその気にならないとなかなかできないわけでありまして、例えば、十年経過しても何にも進んでいない、こういう問題も現実にはあるわけでありますから、こういうことをぜひやってほしい。  それから、もう一つの問題は、今の予算の一つの使い方、単年度方式ですよね。そのために、例えば今回の予備費についても、皆さん御承知のように、ある面では、使ってしまわなきゃいけないみたいな形で消化をするためにいろいろな問題が出てくる。だから、ばらまきじゃないかという話も出てくるわけでありますから、そうではなくして、やはり、こういう時代ですから、財政が厳しいんですから、執行できないものは繰り越しもできるような制度をとっていくとか、あらゆることを含めて、今そういう時代を、これからしっかりと検討していく時代ではないかな、私はこんなふうに考えているわけであります。  例えば、言葉ではバリアフリーと言って、見てください、本当に車いすが歩道を通れるんだろうか。これは建設省の仕事ですよ、はっきり申し上げて。具体的にいろいろな通達をしている。今の歩道、本当に車いすが通れるような歩道というのは一割ぐらいしかありません。私はずっと見て回った。途中に電柱があってみたり、あるいはでこぼこが多かったり、電柱のトラワイヤーが張ってあったり、こんなことを含めて、歩道とは名ばかりのもので、約九割方ぐらいが本当の意味の車いすが利用できるような歩道ではないんです。  こういうことを含めてあらゆることを、私は、これからバリアフリーと言われる問題がいろいろな形で、バリアフリー法が通りました。ですから、そういう点で、このバリアフリーの問題もしっかりしていかなければいけない。これは建設行政だと私は思いますよ。こういうことを含めて、いろいろな問題が、今、私は見直しの時期に来ているだろう。  例えば交通渋滞の問題一つとっても、大臣、ぜひ、自分のエリアであります道路公団や首都高速道路公団も、通ってはおられると思いますけれども、見てください、朝の交通情報を聞くだけで、どの部分が交通渋滞しているかわかるわけですから。そうでしょう。あの交通渋滞のロス時間を経済に換算すると、年間十二兆、十三兆と言われているわけでしょう。それだけもうはっきりして、それだけの経済がある面で損失しているわけでありまして、そして環境に及ぼし、エネルギーのむだ遣い。やはりこの三セットをしっかりとするために、確かに、大臣公共事業のあり方の問題で皆さんからいろいろな要望がある、地方からもある。地方の前に、日本は少なくとも三大首都圏、特に東京を中心とする首都圏でどれだけの経済効果を出しているか。  そのことを含めて、ある面では車が何台も通らないところを整備することも全体的には必要かもわからないけれども、それはそれこそ長期計画の中で先送りをしながら、今やらなければいけないこと、これは、例えば私はいつも例示として申し上げております横浜新道なんというのは、後ほど申し上げますけれども、本当に三百六十五日交通渋滞ですよ。朝、たった三十分ぐらいのところが、二時間、一時間、こんなことが毎日ざらなんです。  そして、そのことが何回言っても、今やっと重い腰を上げているようでありますけれども道路公団とあるいはまた首都高速道路公団、あの料金所の縄張りによって、現実にはその改善策がとられていない。こういうことも、今までも申し上げてまいりましたので、多くは申し上げませんけれども、こういう問題もあるわけであります。  あるいはまた、全体的な高速道路を含めて考えても、発想を変えていけば、いろいろな形のものができると思うんです。東名を中心として東京に来て、東京から中央道を行ってみたり、あるいは東北道。確かに今その計画がありますけれども計画だけではなくして、しっかりと早く進める、重点的に進める、こういうことじゃないかな、こんなふうに思っているわけであります。環境問題がこれだけ騒がれていても、私は、もっともっと積極的にその取り組みが必要じゃないかな、こんなふうに考えております。そのルートの問題も含めながら積極的にさせていただく、こんな姿勢がもっと前面に出ていいんだろうと思っております。  国土交通省になってくると、私は、そういう問題が逆に前進できるのか、あるいはまた今よりも後退するのか、大変不安に思っておりますので、その辺を含めて考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  79. 扇千景

    扇国務大臣 今おっしゃったとおりでございまして、私、就任しまして一番最初建設省皆さんに聞いたことは、なぜ年度末になると道路工事で何回も道をひっくり返すんですかと。それによる住民の迷惑と、ああ年度末だから、また予算を使ってしまうために道路をひっくり返しているんだなという声があるんですよということをまず申し上げました。  今、田中先生がおっしゃいましたのと同じように、国の大事なもの、その順序づけは、地域皆さん、国会の先生方にもお知恵をかりなきゃいけませんけれども、私は、事業別予算というものを組むべきだと前から言っております。それは単年度予算だから、毎年ちびちび予算のとり合いをしているから一番大事なところが工事が進捗しないということも含めて、私は事業別予算というものを、国のグランドデザインをつくって、大規模工事に関しては事業別予算というものを別途考えるべきではないかというのを、私はこういう位置につきますまでにも考えていたことでございますので、今田中先生がおっしゃったことに関しては、私も本当に同じ考えを持っていていただいてありがたいし、ぜひ御協力も賜りたいと思います。  今、道路交通、高速道路のこともおっしゃいました。少なくとも私は、今の現状で、来年度予算を、今概算要求時期でございますけれども、都市基盤整備ということも、今、森内閣の日本新生プランの中の一つでございます。その都市基盤整備ということの中にも、今の私ども建設省としましては、交通網のさらなる促進をしていこうということも含めて考えておりまして、私は、幾つかの例があるんですけれども、これはまた時間が長くなると申しわけないので、簡単に一つ言わせていただきます。  今先生がおっしゃいました高速道路の話でございますけれども、私は、これを前倒しにしようと言いましたものは、ETCでございます。これは今千葉県でも試験的にやっておりますけれども、今先生がおっしゃいました、私も横浜を通っておりますので知っておりますけれども、ETCを使って、高速道路が今、高速道路じゃなくて低速道路なんですね。お金を払いながら、遅々として進まない。そのことを私はETCの導入を、十四年と言っておりましたけれども、二〇〇二年ですか、二〇〇二年にETCを導入するということを前倒しにできないかということで、これも来年度の概算要求段階ではございますけれども、早急に導入できるようにということで、現状では料金の委託費が千二百億かかっているわけでございます。  こういうものも全部むだじゃないかということで、これをすれば全部、それだけ分、道路の交通料金も安くなるんじゃないか。しかも、なおかつ高速道路らしくなるんじゃないかということも含めて、これも渋滞の緩和あるいは環状線の他府県との流通に期するところが大きい。それによって経済効果も上がってくるということで、すべて今、田中先生のおっしゃったことに関しましても、来年度の予算に関しましても重点的に投入できるように、なおかつ年数を少しでもスピードアップしてできるように、国土交通省が出発するまでにも私はある一定の道筋をつけたいというふうに頑張っていきたいと思っています。
  80. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひそういうことを含めて、一つの大きな軌道修正をしてやっていただきたい、このように思っております。  せっかく道路公団からお見えいただいているわけでありますので、実はアクアラインの問題を含めて申し上げたいと思うのですけれども、あなたの方は、昨日も予算委員会でいろいろな形で公共事業の問題、アクアラインの問題も含めて担当されていると思いますけれども、アクアラインというものが、この当初計画から少なくとも現実に今利用が三分の一ぐらいになっているわけですね。ですから、こういう一連のことを含めて、計画そのものがずさんである。  これから先将来にわたって利用者が、これだけ今安くして、現実にことしだってまだ一万足らず、一日の利用者が。それが、あなたの方の推定交通量では年々ふえていっているわけですけれども、今一万足らずのものが、やがてさらに料金を値上げをしても、二万、三万、最終的に四万、こんなふうな計画をされておりますけれども、現実にそんなことできるのだろうか。余りにも机上のプランにすぎない。そうじゃないですか。  そして、プール制を導入する。こんなことをしながら、私はむしろ思い切って、かかった費用はもう約一兆五千、一兆四千幾らとかかっているわけですから、そしてそこを利用していく人たちが多ければ多いほど償還期限というか、早いのじゃないのですか。経済の原則というのはそんなものだと思うのです。何も高くして利用者が来ないのをずっと待っているよりは、今の半値にして倍の利用、三倍の利用をさせるとか、極端なことを言って、千円にして五倍の利用をしてもらった方が経済効果というのは、素人ですけれどもそのぐらいわかると思うのです。  ところが、道路公団が考えているのは、やがてあと五年もするとまた四千円、五千円にする。しかし、数値を見てみますと、その後で今よりも四倍も交通量がふえるような計算が出ているわけです。こんなばかなことを平気で出すこと自体おかしいのじゃないですか。そのことをまずお聞きしたいと思います。
  81. 村瀬興一

    村瀬参考人 今先生おっしゃるように、現在の交通量、当初予定いたしましたものよりも大幅に減少しているわけでございます。  これはいろいろな理由があると考えておりますけれども、一つには、関連する道路の整備がまだ進んでいないということが一つございます。それから、供用いたしました時点がちょうど景気の低迷と重なった時期になりましたものでございますから、例えば京葉道路とか、そういった代替する道路が若干すいてまいりました。したがって、わざわざアクアラインの方に移るという車が予定したものより少なかったということもございます。  それから、千葉地域での開発がいろいろ予定されておりますし、また進捗もしているわけでございますが、それが、私どもが当初想定したものに比べますと著しくおくれているというようなことはございます。  そういったもろもろの原因があるわけでございますが、そういったことについては、例えば関連する道路につきましては、私どもだけではございません、首都高もございますけれども、逐次整備が進んでくるというようなことがございます。それから景気も現在のような、ひところに比べますと若干上向きな傾向があるわけでございますので、そういったことによる交通量の増が見込まれる、それから開発も逐次進んでくるだろうというようなことを考えておるわけでございます。  そういうことでございますが、一方で、そういったことだけでは必ずしも対処するのに不十分でございますので、先生おっしゃっていただきましたプール制を拡充して、適用して対処したいというふうに考えておるわけでございます。  一つは、資金コストを三%にしていただく、それから償還期間も五十年に延長をしていただくということで、それから今申し上げましたプールの形成でございますけれども、京葉道路それから千葉東金道路、東京湾横断・木更津東金道路といったようなプールを形成いたしまして、その中でやっていく。  プールを形成することによって、例えば京葉道路につきましてはそれ自体非常に重交通があるわけでございますので、それに対しましては、さらに五百億の投資をいたしまして、サービスの向上をするというようなことを考えております。
  82. 田中慶秋

    田中(慶)委員 質問にちゃんと答えてください。そんなこと聞いているのじゃない。そんなこと全部調べているのです。  私は、安くした方がいいだろうと言っているわけですよ。少なくともかかった費用は同じなのですから。これからかかるのじゃないのですから。そういうことを含めて、あなたたちがそういうへ理屈ばかり言っているから。  確かに景気が悪い、開発がおくれている、そんなことじゃない、現実にそうなんですから。プール制なんていうのはとんでもないこと、約束違反なんですよ。横浜新道、見てください。プール制導入されたでしょう。初め五十円、百円にするときには、少なくともこれは全体的な交通量の整備をするから百円に、こうなんです。あそこは本当はもうとっくに無料で開放になってもいいのですよ。そうじゃない、一日七万台も通るから、ある面ではドル箱みたいなものなんですよ。ところが、今度第三も入れて、そして今度横横という横須賀までの道路をつくっている、これをプール制にしちゃったんだ。そして、この今まで開放、ただになると思っていた人たちが、そうじゃない、百円が今度二百円に値上がりされるのですよ、されちゃったんですよ。  あなたたちはプール制と勝手に言う。しかし、そうじゃない、そのプール制はみんな利用者に全部ツケを回しているんだ。これは少なくとも経営感覚からして、道路公団の経営政策なりあるいは道路政策の失敗だったのです。そういうことを明確にしないで、プール制を導入して、少しでも一方の赤字を削減すればいい、そんなの小細工なんですよ。本来ならば基本的に一つ一つの道路で採算制を導入している、それが基本だったのです。いつの間にか自分たちの責任を回避するためにプール制を導入した。赤字がこれだけになる、そのことを恐れてそうしちゃったんじゃないですか。  そんなことじゃないのです。私の聞いているのは、アクアラインの約一兆五千億のお金を投入しているわけですから、当初の計画より三分の一も四分の一も少ない、プール制もそれはその一つの手法かもしれないけれども、値下げをしてたくさん利用してもらった方が、現実には減価償却が早いのですよ。それを全然、見てください、そうじゃなく、一時的に値下げをしてまたもとに戻して、そして今度は四万台を確保できる。今高くて一万しかできないものが、何で四万できるのよ。数字のマジックです、遊びですよ、そんなことは。そんなごまかしをしないでください。  答弁あったら、言ってください。
  83. 村瀬興一

    村瀬参考人 先生おっしゃいますように、値段をなるべく下げれば交通量もふえて償還が早くできるのではないかという御趣旨であると思いますけれども、いろいろ私どもも試算をしてみております。  ただ、その値下げをするということになりますと、交通量は確かにふえると思いますが、そのふえたことによってかかった費用を償還するというようなことは非常に困難であるというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたような、先生御承知の、プール制を導入するということも含めて、あるいは資金コストを三%にしていただくというようなこと、あるいは償還期間を五十年にしていただくという総合的な施策を講ずることによりまして、アクアラインにかかった費用、それから関連の道路の整備を進めるということによって全体としてのネットワークとして有効に働くようにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  84. 田中慶秋

    田中(慶)委員 経営感覚がゼロ、はっきり申し上げて。アクセスみたいなことばかり言うけれども、現実には、例えば道路であっても機械であっても、それだけの利用回数があり、利用者がいて、当然のごとく減価償却していくんですよ。高くて、そういうものが、あなたはそういうことを数字で並べているかもわかりませんけれども、それは数字のマジックであって、今の景気対策と同じですよ。日本の景気はプラス成長〇・五%台。しかし、現場はどうですか。みんな閑古鳥が鳴いているじゃないですか。数字のマジックですよ。同じですよ。実態とは合っていないから、そのことを申し上げているわけです。ぜひそのことを含めてもう一度考え直しした方がいいと思いますよ。  そこで、せっかく小野さんに来ていただいておりますから、若干、中尾大臣のことについてさらに詰めたいと思っているわけであります。  今までのいろいろな議論はありましたけれども、ここでぜひ今回の不祥事の問題を含めて、三宝会というのをあなた、存じ上げていますでしょう。竹下さんを中心として、そしてそこに事務局長にいたのが福本さん、それぞれ政官財業、マスコミまで含めて三宝会というのがあったのです、会費を納めていたでしょうけれども。そういうところが、先ほどの竹下さんが、そこに入っているメンバーが大臣になるとお祝いをしてやったり呼んでやったり、そういうことをしていたのですよ。そこには業界の人もいれば現職の官僚の人もいる、マスコミまでいたのですから。だから、中尾さんもそのメンバーだったのです。はっきり申し上げて官房長官、今やめた官房長官もその前の官房長官もそういうメンバーだったのです、竹下さんが中心となってつくっていたから。ですから、こういうことが平気で行われるんです。  それだけではなくして、やはり一般の常識としてこの問題が、例えば建設行政について、先ほど大臣から言われましたけれども、それじゃ関連する道路公団について若築さんは、仕事はどうですか、ふえているでしょう。小野さん、あなたが答弁できるというから。
  85. 小野邦久

    小野政府参考人 まず三宝会なるもののあれでございますけれども、私は全く存じ上げておりません。また、出席したことは一度もございません。どういう形のどういう組織なのか、新聞報道等によって、三宝会なるものがあると。ただ、先生御指摘のとおり、経済界あるいは政治家の方とかマスコミの方、そういう方々が入っているという情報は私も読みましたけれども、私自身、メンバーでもございませんし、出席は一度もございません。  それから、道路公団と若築建設の関係でございますけれども、例えば道路公団自身の若築建設への受注がふえているのではないか、こういうお話がございますけれども、少なくも、私ども調査によりますと、平成七年、それから平成八年、これは中尾建設大臣建設省に在職をしておられたときでございますけれども、それから八年、九年、十年、過去五年間の若築建設道路公団からの受注の経緯を調べましたけれども、これはその年によっていろいろ変動がございまして、私ども調査では、平成八年に中尾大臣建設大臣就任されたから道路公団の例えば受注がふえたというような、そういう傾向は全く見られません。  平成十年に、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、大型の補正予算等がございまして、一般競争等でのいろいろな努力があったのかわかりませんが、平成十年と十一年に若干ふえている傾向がございますけれども、これは恐らくは、別に肩を持つわけじゃございませんけれども若築建設株式会社の営業のいろいろな御努力によるものじゃないか。あるいは、全体のパイはふえている。大臣もおっしゃいましたけれども、確かに、大型の補正予算を認めていただきましたのでそういう部分もあろうと思います。現状ではそういう状況でございます。
  86. 田中慶秋

    田中(慶)委員 公共事業もあるいは経済も、バブルが崩壊して、そしてこの三、四年、特に全体的には下がっているんですよね、はっきり申し上げて。だから、今までと同じように、その回数も受注量もある面では若干下がっていても、それはむしろ全体的に下がっているわけですから、そういう点では、単なるその数字だけで私は評価できない、こんなふうに思っております。  ですから、極端なことを言えば、その額なりあるいはそういうことを含めて、しっかりとしていかなければいけないのだろうと私は思っております。  それから、ごく常識的に、普通は考えられることは、先ほど来いろいろな質疑がありますけれども、人間の記憶は確かに定かではありません。しかし、定かではないけれども、普通、我々の感覚で、同席した人、二百人だったらともかくも、二十人ぐらいだったら大体記憶にあるものですよね。そういうことを含めて、いろいろな問題が、私は今回の質疑を聞かせていただきながら、あるいはまた予算委員会でのいろいろな話を聞かせていただきながら、ある面では世の中の常識ということからすると、逆にその常識というものが今回の質疑の中では十分発揮されていないのじゃないかな、こんなふうに思っております。ですから、一般の常識が永田町の非常識みたいに言われるのはそういうところだと思います。  私は、個人について恨みつらみも何もありませんから、ただ、やはり明確にそういうものは、幾ら司直の問題があるにしても、それだったら調査権もあり、いろいろなこともあるわけですから、明確に、前向きに、この問題の解決をやはり大臣もしてもらいたいし、あるいはまた、お互いにかばうのじゃなくして、再発防止のためにも、問題点は明確にする必要があるだろう。ファミリーですから、OBをかばう気持ちもわかりますし、いろいろなことを含めてふたをする気持ちもわかりますけれども、そうじゃない、やはりこの際本当に大きく世の中変わらなきゃいけない。今までのしがらみというものを捨てて、そういうことを含めてしっかりと取り組んでいただきたい、このように思っているわけであります。  若干、時間の配分が悪いものですから、もう既に時間が参りましたのでこの辺で終わりますけれども、それぞれ小野次官、あるいはまた大臣から、その辺の決意を聞かせていただいて、私の質問を終わります。
  87. 扇千景

    扇国務大臣 私も同じ思いでこのポストについたわけでございます。まして私、正直申し上げて、何のしがらみもないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、私はそういう後援会も持っておりませんし、金銭の授受もないということだけは一〇〇%自分自身でも言えますので。  私は、今おっしゃいましたように、この際、世間で言われておりますような、建設行政には必ず裏がついて回るとか、何かつまみ食いしているとか、あるいはどこかに何かがあると言われているような、多くの国民皆さんが通常的にお考えになっている疑惑というものを、私は、国土交通省が、巨大省庁ができるまでに、今世紀のことは今世紀で結末をつけていきたいというのが私の決意でございますけれども、何しろ非力でございますので、ぜひこういう委員会の場を通じまして、いけないものはいけないというふうに、きちんと私は明快にしていきたい。  そういう意味では、情報公開をすべて含めて、私は姿勢を正していくべきだ、それが私の大きな役目の一つだと認識して頑張っていきたいと思いますので、ぜひこういう委員会でもるるお説を聞きながら勉強していきたいと思っております。
  88. 小野邦久

    小野政府参考人 結果的にこういう形でいろいろな多方面に話題を呼んでしまっているという、あるいは疑惑を生んでいるということは、大変私は申しわけないというふうに思っております。  ただ、建設省といたしましては、平成五年のゼネコンスキャンダル以後、いろいろな改革を進めてまいりました。これは先生御案内のとおりだと思います。当委員会においていろいろ御議論もいただきましたし、一般競争の入札の導入に始まるいろいろな歴史的な改革もやったわけでございます。それから三年後にこういう事件が起こったわけでございます。  ただ、私は、いろいろな意味でのそういう改革を進めても、どんな制度を持っておりましても、白昼堂々と大臣室で何がしというようなことになれば、これはもう全くどんなシステムを持っておられても、これはもうどうにもならないことでございます。そこに写真がございまして、こちらを見ておられますけれども、私はそういう点では大変残念だというふうに思っております。心ある建設省の職員は腹の底から怒っております。  そうは言いながらも、事実関係はどうかはっきりいたしませんので、私は大変これ以上申し上げることはできないわけでございますけれども、ただ、やはりこういうようなシステムが、そういうようなことによって、例えば改革の方向とかあるいはより以上に透明性を持った制度というようなことが方向として後ろ向きにならないような、本当の意味での改革ができるようなことになればというふうに思いますので、大臣の御指導もいただきながら、そういうような方向での努力を力いっぱいやってまいりたいというふうに思います。
  89. 田中慶秋

    田中(慶)委員 時間で、終わりますけれども、ただ、いろいろな、例えば大臣情報公開と言っても、特殊法人はまだ情報公開に踏み切っていないわけでありますから、そういうことも必ずそこを詰めていくとそういう問題が出てくるでしょうし、先ほど、大臣は余り好きじゃないでしょうけれども、天下りの問題もそうであります。  自然と建設省なら建設省の中に、当然のごとくそれぞれお世話する人たちも役職もあるわけでありますし、そんなことを含めながら、ファミリーとしての動きは結構ですけれども、ただ、もうこれもぼつぼつ、新しい時代が来るわけですから、そういう点で、天下りはありませんよなんて言ったってこれは通用しないわけでありまして、この八十二の特殊法人、二万五千の認可法人、ここには隅々までその影響力を行使できるような形でOBの皆さん方が活躍をしているわけですから、そういう点は、きれいごとではなくして、本当にこのことを含めてちゃんとしていかないと、やはりこの国の将来というのが非常に、世界に冠たる日本という立場で活躍をしなきゃいけないときに、そういう問題が障害になってはいけないと思いますので、思い切ってその改革をしていただくことを要望して終わります。  ありがとうございました。
  90. 井上義久

    井上委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四十三分休憩      ————◇—————     午後一時三十四分開議
  91. 井上義久

    井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山名靖英君。
  92. 山名靖英

    山名委員 公明党の山名靖英でございます。  私も、今回幸いにして当選させていただきました。三年八カ月ぶりの復帰でございまして、また今回は建設委員会に所属いたしまして、本日は初質問となるわけでございます。端的に質問させていただきますので、端的にまた明快に御答弁をまずお願いしたいと思います。  その前に、扇大臣初め植竹政務次官、御就任まことにおめでとうございます。  さて、先ほど来よりお話がございました、いわゆるあっせん利得の問題でございます。  これは国民の目から見ても大変ゆゆしき問題でありまして、こういった政治家と金銭にまつわる問題が後を絶たない。まして現職の大臣であったその当時の大臣が、また、そのときの背景にゼネコン汚職という問題が大きな社会問題になっているそのさなかにこういった問題を引き起こし、そして逮捕される、こういうまさに言語道断、断じて許せない事件だと私は思っております。  私たちも、当然、選挙民に対していわゆるお世話活動、市民相談を通じていろいろな御要望をお受けするわけでありますけれども、そういった御相談の結果によって金銭を授受する、こういったことはあってはならないわけでございます。  当然、建設省初め公務員の皆さんにとっては、この問題は大変ある面で、疑惑を持たれたという点でそれなりの反省もしなければいけない部分もあろうかと思いますが、公務員に対しては、公務員倫理法あるいは行政手続法あるいは情報公開法等によってその透明性が担保されている、こういうことでこの国会内でも一定の改革があったところでございます。しかしながら、今回またそういった網の目をくぐるがごとく問題が発生した、こういう事態でございます。そうなれば、当然法を犯せば法で裁くしかないわけでありまして、政治家自身の持つ大きなテーマ、課題として、当然、法でもって規制をしよう、こういうことに相なるわけでございます。  ところで、今野党からも出されておりますし、私たち与党も真剣に論議をしております、あっせん利得収賄処罰法なるもの、これについてまず扇大臣の、どういった内容のものにすべきであるか、御見解をお聞きしたいと思います。
  93. 扇千景

    扇国務大臣 今山名委員から御質問ございましたように、私がこの任につきましたときにも皆さん方にも申し上げましたように、こういういささかなりとも疑惑を持たれるようなことが、しかも現職の大臣室で行われたということに関しましては、私も本当にまさかという感慨を持ちましたし、ひょっとしたらこれは間違いじゃないのかとさえ思ったことでございました。  けれども、現実の問題として逮捕というものを現実的に見せられまして、本当に私ども政治家一人一人が厳粛に考えなきゃいけないなと思いましたけれども、やはりそれをもってして国会議員全部がおかしい、あるいは同じようだと思われることに関しては、私は、毅然とした態度でおのおのの姿勢というものを明示していかなければならないと存じております。  また、今山名先生お話しのように、国家公務員としていかがかという話もございましたけれども、大変私は、これも先ほどからも小野事務次官もここへ出席してお答えしておりましたけれども建設省自体行政には直接関係がないということは私も今調べた段階では申し上げましたけれども、先ほどからもここで、宴席に出席したということをおっしゃいました。  当時の綱紀粛正通達等には、相手がだれか知らないで出たことですから、直接は違反しているとは考えておりませんけれども出席したということ自体に対しては、あるいは不適切であったということで、私も慎重に行動しなきゃいけないというところで、二回とも出席した、しかも幹部に対しては厳重注意ということをいたしました。  基本的には、私どもは、これを何かの形でという今の山名先生のお話でございますけれども、あっせん利得罪と言われているものを野党で共同でお出しになりましたけれども御存じのとおり、私も山名先生と一時は御一緒していたこともございますので、私たちは入札干渉罪というもので、国だけではなくて地方も含めた入札干渉罪というのを考えておりましたけれども、これも残念ながら俎上に上らなかったわけでございます。  今回は、皆さん方がお出しになっているあっせん利得罪、そして今、与党三党でもこの入札干渉罪を含めまして、公明党さんも今までと違った、もっと幅広く、そして二度とこういうことが起こらないような法案も与党三党として次の臨時国会に提出できるようにと努力している最中でございます。  私は、何としても、こういうことが二度と起こらないように、そういう法案、法でもってきちんと明示するということが大事だということも自覚しておりますので、ぜひ、私も、今ここへ立ちましたのは与党党首としての立場もあるということで御質問でございましょうと思いますので、ぜひそういう意味では、与党三党で頑張って次の国会に法案提出できるように、プロジェクトチームで頑張って法案の提出にしていただきたいということを私は申し上げておきます。
  94. 山名靖英

    山名委員 扇大臣大臣就任されてから、非常に的確に対応されてきている。上申書をとったり、それなりの省内に対する指示をされてきたことに評価をするわけでございますが、この建設省幹部がどのように宴席で請託を受けたのかどうか。そのときのやりとりがあり、またその後に一定の金額の振り込みがあった、こういった事実関係については司直の手でこれからさらに徹底した捜査が行われる、こう思いますし、私はこの場でそういった問題を取り上げる気はございません。  先ほど申しましたように、やはりこれは政治家の資質の問題として、これは単に建設省のみならず、こういったあっせんの問題については、大きな立場でこれから野党の皆さんとも協議をしながら、きちっとした対応で、失われた国民信頼を、また政治に対する信用というのを取り戻していかなければならない。私どももそういう意味でもきちっとした対応をさせていただきたいと思っていますことをまず申し上げたいと存じます。  ところで、特に建設省関係で、これからのこういった問題に対する改革として、あっせん利得収賄罪、こういった法律は法律、制定は制定としまして、いわゆるこの入札制度のあり方、より公正で透明度を高めていく、こういう制度改革、これについて何かお考えがあるのか、お聞きしたいと思います。
  95. 扇千景

    扇国務大臣 今私が申しましたように、いわゆる入札・契約制度の透明性というものが本当に私は、今回ほど切実に、世間にも話題にされ、またこれが基本であるということが世間に発表されて、みんながその透明性を期待し、またこれを機に建設省あるいは公共事業入札制度の改革もされるのではないかというふうに国民が期待していらっしゃる部分もあろうかと存じます。  そういう意味におきましても、正直申し上げると、先ほどもございましたけれども平成五年、例のゼネコン事件、先生も御記憶であろうと思いますけれども、要するにあのゼネコン汚職というものを契機にいたしまして、どうしても一連の改革で私どもは競争性あるいは透明性の高いものにしていこうということで、入札制度というものに関しましても、それ自体の運用には間違いなかったけれども公共事業に対する皆さん方のより厳しい目、また現実というものがあろうと思いますので、そういう公共事業の執行に関しましても、私は、ぜひ今回を契機にして、入札制の契約の手続の透明性、そういうものをさらに向上させなきゃいけないと、先ほどの田中先生の御意見の中にもございましたけれども、私ども、すべからくそれを国民の前に明らかにできるように頑張っていかなければならないと思っております。  少なくとも、現段階では、入札制度に関しましての契約手続にかかわりますことの情報の公開、そして監視の強化等につきましても、今後は一層の改善をしていかなければならないというふうに思っておりますし、少なくとも、私どもは、国も地方公共団体も通じた入札あるいは契約制度に関する法律の制度に関しましても検討していきたいということで、先ほども、午前中も、法案に関する諸外国の例も今研究させていただいて、でき得れば来年の省庁再編までにそれを実現できれば、また実現するように努力したい、今努力している最中でございます。
  96. 山名靖英

    山名委員 入札制度の問題についてはまた次の機会に取り上げたいと思いますが、今も大臣がおっしゃったように、私は、この入札制度等についてのあり方は、きちっとした情報公開という形で、入札の本来持つ性格ともいうべき密室性といいますか、何か閉鎖性というか、こういったものを取り去っていかなければならない。  今は、もうまさに総理もおっしゃったIT革命の時代ですから、そういう点では、コンピューターを駆使していろいろな情報を網羅しながら、極力参入の機会を均等に与えていくという公正性、そして透明性というのがこれからの時代の入札制度の根本的なあり方じゃないか、私はこういうふうに思っております。そういう点では、ぜひ今後とも改革の取り組みをお願いしたいと思います。  次に、先ほどもお話が出ましたが、公共事業の問題について質問したいと思います。  さきに行われました与党財政首脳会議におきまして、平成十三年度予算の概算要求に当たっての基本的指針というのが明らかになりました。特に、来年一月からは中央省庁の再編、こういう絶好のチャンスでもあるわけでありまして、財政の効率化あるいは質的な改善、行財政改革、こういった実行が大きな柱となるわけでございます。  特に、その中でも公共事業のあり方につきましては、その抜本的な見直しを行おう、そして、さきの閣議でも了解されたように、公共投資全般にわたりまして、所管を超えた事業間の連携を強化していこう、公共工事のコストを縮減していこう、費用対効果の分析による客観的な評価、再評価による継続事業の見直し、また事後評価を通じた既存ストックの有効活用の徹底、事業の効率的、効果的な実施を図りその透明性を確保する、こういうふうにうたっております。さらに、国と地方役割分担を明確化する観点から、引き続き直轄事業及び補助事業の見直しを行う、このようにしております。  私は、こういった流れ、こういった公共事業のあり方に対する基本的な考え方に大いに期待をしている一人でありますが、とかく公共工事、公共事業につきましては、果たして景気対策としての効果があるのかという疑問が出されたり、あるいは、選挙のたびごとにゼネコン優先の大型公共事業はけしからぬとか、税金のむだ遣い、環境破壊、こういった批判もあるところでございます。  特に補助事業につきましては、省庁の権益の象徴として、地方をいわば、口は悪いですけれども、支配する、そういった中央集権の最たるものという指摘もされてきたところであります。  確かに、事業内容によっては、時に、時宜に合わないといいますか、有効性の薄い、効果の薄い、そういった事業もありますし、それから、ある面で環境破壊につながるようなこういった事業も存在することは否めないと思っております。  そういう意味から、先ほど申しましたように、公共事業見直し等が打ち出されたことについては大いなる期待をかけているわけでございますが、特に省庁再編、来年の一月から、これはいわば従来の縦割り行政の弊害というものを打ち破って、予算の硬直性というものを打破するまたとないチャンスではないか、こういう認識を持っております。建設省におかれましても、当然運輸省や国土庁等々と今も話し合い等、検討をされているかと思いますけれども、思い切ったそういう意味での公共事業見直しを、このチャンスを生かして大いに断行していただきたい、私はこのように思っておりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  97. 扇千景

    扇国務大臣 皆さん方からも御質問がございましたけれども公共事業というと、むだな公共事業、そしてばらまき、余りいい代名詞のつかない表現をされておりますけれども、私は、今回を契機といたしまして、より二十一世紀、今山名委員がおっしゃいましたように、四省庁が一つになるわけでございますから、少なくとも私は、四省庁が統合したゆえにスピードアップをする、そしてまた経費が削減され、より効率的なものができるというメリットがなければ、省庁再編の意味がないと思っております。  そういう意味では、私は今、先ほども午前中どなたかおっしゃいました、あと五カ月かもしれないけれどもとおっしゃいましたけれども、まだ五カ月があると思って、少なくとも今から年度内までに、何としても省庁再編による実が上がる公共事業のあり方等々考えていく道筋をつけたいと私は思っております。  そういう意味におきまして、今お話ございましたけれども、私どもは、少なくとも公共事業の重要性というのはわかっておりますけれども、何とか国民皆さん方に透明性を示さなければいけない。そういう点につきましては、私は、新しい新規の事業につきましては、少なくとも新規事業を行いますときには評価をする、また、実施しているものに対しましても途中評価というものもまた行われるであろう、そしてまた工事が終わりました後も事後評価、これも私は、これは公共事業だけに限ったことではございませんで、国の政策というもの全般にもこの評価制度の導入というのは今後二十一世紀の大きな課題であろうと私は思っておりますので、公共事業のみならずではございますけれども、少なくとも、建設省でございますので、公共事業の大半を担っているというこの立場上も、ぜひそれは進めてその道筋をつけていきたい、私はそのように考えております。  そういう意味におきましても、与党の公明党さんにも、森内閣が日本新生ということで打ち出しております政策の中で、ぜひそういうことも含めたすべてのことに対する、新しい二十一世紀を踏み出しますまでに何ができるか、また、何をしなければならないかということに関してのお知恵を賜りたいというふうに考えておりまして、私は、まだ五カ月あるということで頑張っていきたいと思っております。
  98. 山名靖英

    山名委員 建設省関連で、公共事業のいわゆる再評価については、既に二年前からやっているわけですよね。平成十年から一定の、公共事業の再評価実施要領、こういったものをもとにしまして、従来の評価対象というのを大幅に拡大しながら透明度の高まりに寄与をされている、このように伺っておりますが、少なくともこの二年間どのような取り組みをされ、どういった実績を上げられたのか、これについてお伺いをいたします。
  99. 扇千景

    扇国務大臣 今お話しになりましたように、建設省としましても大変力を入れて、そして評価制度というものを取り入れながら判断しようということで、今、実績いかんということでございましたけれども、これは少なくとも十一年度予算、実施しましたのは十年度でございますけれども、十一年度予算に関しましては、中止しましたのが十の事業でございます。また、十二年度、要するに実施は十一年度でございますけれども、十二年度予算におきましては、三事業を中止いたしました。中止は合計で十三事業でございます。  また、休止、休んだ方でございますけれども、これは十年度実施しました中から、十一年度には二十九の事業に関しまして休止いたしました。休みました。そして十二年度、要するに十一年度実施、十二年度予算にしましては、九つの事業に関しましてこれは休止いたしました。  中止した方が十三事業、休止いたしました方が合計三十八事業ということで、既に評価を、十年、十一年、二年にわたって実績を重ねておりますので、これもまだまだ評価はできないとおっしゃるかもしれませんけれども、でき得る中ではそれだけの評価実績を、今申し上げたとおりでございます。
  100. 山名靖英

    山名委員 この事業の見直し、再評価、見直し率でいいますと〇・一から〇・六%程度なんですよね。これで果たして見直しかということに当然なるかと思います。しかし、一方で、一たん決めた計画、事業を途中で中止、休止するという、これについてはかなりの痛みも伴うことも事実であります。  その見直しの、あるいは中止、休止の大半が補助事業であるわけですね。私は、この補助事業について、やはり一定の改革をしていかなきゃならないんではないかと。どうしても本庁の裁量権が地方に及びまして、必ずしも地方のニーズとマッチしない、こういった部分もあろうかと思います。この補助事業のあり方については、またこれも、きょうは時間がありませんのでこれ以上申し上げませんけれども、やはり今後の課題としてぜひお考えをいただきたい、こういうように思います。  とともに、統合補助金制度ということでございますが、これも二年前から中央省庁の改革基本法だとかあるいは地方分権推進法に基づいて、いわゆるまちづくり事業に対して一括パッケージで補助をしよう、こういうことで、できるだけ地方の裁量権というものを担保しよう、こういう意味を持ってこの制度がスタートしておるわけであります。  これはもう二十一世紀、まさに地方分権、地方主権をさらに一層進めるためにも、それから住民本位の施策を実現するためにも、この施策についてはさらに拡充をする必要があるんじゃないか、メニューをさらに多角化しながら、また、その補助金の採択基準額についても引き上げる必要があるんではないか、こういうふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
  101. 山本正堯

    山本政府参考人 お答えさせていただきます。  ただいま先生おっしゃいましたまちづくり総合支援事業は、御存じのとおり地域主体で、地域の創意工夫を生かした地域が主体のまちづくりというものを強力かつ総合的に推進するという目的のために、まちづくりに必要な市町村事業をパッケージで一括助成する統合補助金の制度でございまして、十二年度から新しく創設させていただいた制度でございます。  御案内のとおり、本事業は、区画整理事業でありますとか街路事業、公園事業等々さまざまな施設整備とまちづくりの活動を支援するためのソフト事業等々が補助対象として盛り込まれておるわけでございまして、本年度は、約百六十地区、国費三百五十億をもって今事業を実施しているところでございます。  この制度は今年度から始められて今現在スタートしたばかりでございますので、この制度の運用等を踏まえながら、今後、制度の拡充について検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
  102. 山名靖英

    山名委員 公共事業のあり方について総括的にまとめを込めまして申し上げたいと思いますが、一つには、先ほど申しました補助金制度、これは五年ぐらいかけて廃止の方向で見直してはどうか、むしろ、その財源は地方に移譲して地方の単独事業に切りかえていく、こういった施策、思い切った取り組みが必要ではないかと私は思っております。  それから二つ目には、先ほど大臣もおっしゃいましたように、事前あるいは実施途中、事後、こういう時点での事業評価を数量的に行って、そしてそれをオープンにする、公表する、そして当初の目的に適合しなかった事業については事業の途中でも中止をする、こういった思い切った行政評価を徹底しなければならない。  三点目として、今後の公共事業のあり方のコンセプトとしては、やはり国民生活にどう密着しているか、このことが大事な、二十一世紀のまさに公共事業のあり方だと私は思います。道路の渋滞解消だとか防災対策だとか、あるいは子供たちやお年寄りや障害者、こういった皆さんにいかに優しい公共事業になるのか、そういう視点、角度というものをさらに一層変えていく必要がある、このように考えております。  これは、むしろそういった形の要望として私は申し上げたいと思いますので、ぜひお考えをいただきたいと思います。  それから、まだまだ質疑通告をたくさんしておりますが、もう時間がありませんのでちょっとはしょっていきますが、特に住環境の整備というのも、国民の豊かな生活のまさにバロメーターとして私はこれからも高めていかなければならない、繁栄の中の成熟した社会から、むしろ家庭、個人、そして一人の命という部分を大切にしなければならない、こういう時代が二十一世紀だろうと認識をしております。  そこで、もう最後の質問にしたいと思いますが、特に建設省として、私ども公明党が従来申し上げておりました少子高齢社会に対応した住宅づくり、良好なストックの形成、こういった都市形成も含めまして、バリアフリーだとか、あるいは公営住宅等におけるエレベーター設置とか、こういったことを申し上げてまいりました。このことにつきましても、徐々ではありますけれども進められているようでありますが、まだまだその進捗率はおくれている、こう言っても過言ではありません。  特にその中で、高齢者向けのいわゆる優良賃貸住宅制度、高齢社会のまさに進展の中で、格安で、そして安心、安全な居住空間の提供というのも私たちにとっては高齢社会の中で非常に有効な施策ではないか、こういうふうに思っております。  そういう意味で、従来、いわゆる予算措置としてこの高齢者向けの特優賃については十二年度で七千戸ぐらいですか、行われていたようでありますが、これはいつまでも予算措置ということでは限界もあるでしょうし、こういった高齢者向けの優良賃貸住宅についてのきちっとした施策の担保として法制化をむしろ進めていくべきではないか、こういうふうに私は考えておりますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
  103. 三沢真

    三沢政府参考人 高齢者向けの賃貸住宅についてのお尋ねでございます。  先生御指摘のとおり、平成十年度にいわゆる高齢者向け優良賃貸住宅制度というのが予算措置として創設されたわけでございます。これは、いわば民間の力をかりながら、新築だけではなくて既存ストックも活用しながら、高齢者向けに賃貸住宅供給を図っていくというものでございます。  ただ、やはり今後高齢化がますます進展していく、それから高齢者の方のニーズも非常にまた高まってきているということで、去る六月に住宅宅地審議会の方でも答申をいただいておりまして、その中でも高齢者対策として、これからこういう賃貸住宅制度について一層の制度の充実を図るようにという御指摘をいただいております。  この点につきましては、現在の供給状況等も踏まえながら、制度の充実について、場合によっては法制化ということも含めまして検討していきたいというふうに考えております。
  104. 山名靖英

    山名委員 以上、終わります。ありがとうございました。
  105. 井上義久

  106. 山田正彦

    山田(正)委員 自由党の山田正彦です。  私も、山名先生同様三年八カ月ぶりに戻ってまいりまして、扇大臣には新進党時代大変いろいろ御指導いただきまして、ありがとうございました。今回、大臣就任おめでとうございます。  さて、私ども建設委員会として、また建設委員として、今回の中尾元建設相の不祥事、この件に関しては、私ども、どうしてももう一度きちんと襟を正さなきゃいけない問題ではないか。考えてみますと、私も前のゼネコン汚職のときに予算委員会でこの問題を質問したことがございました。そのときに、大変建設省も、天下りの凍結とか、いろいろな形で襟をきちんと正すとはっきりとした姿勢を示したと思っておりましたが、今回、このようなことになって大変残念に思っております。  大臣にはまたいろいろお聞きするとして、初めに小野事務次官に一つお伺いしたいと思います。  実は、中尾建設大臣に言われたということですが、向島の料亭「波むら」に誘われたのはどういうきっかけでございましたか。
  107. 小野邦久

    小野政府参考人 お答えを申し上げます。  平成八年の五月と七月、二回、大臣からのお誘いがございまして、私は二回とも出席をいたしました。  平成八年五月でございますけれども、これは大臣から、私の記憶では、民間の方々を中心とする御自分の後援会が自分の大臣就任の祝いをしてくれるということなので、幹部もいい機会だからぜひ出てほしい、こういうお話がございまして、建設省の幹部がそのときに合わせて九人出席をいたしました。  それから平成八年七月の方でございますけれども、これは七月の二日にその年の人事異動がございまして、新旧の事務次官等が交代をいたしました。その新旧の事務次官の交代及び新しい三役を含めてお祝いを自分がする、こういうことで、ぜひ出るようにということで出たというのがその懇談の経緯でございます。
  108. 山田正彦

    山田(正)委員 小野事務次官にもう一度お聞きいたしますが、その際、いわゆる業者が来ているかいないか、それについては、いわゆる後援会の人たちが来るんだということで、もしかして建設大臣のもと業者が来ているかとか、そういうおそれ、あるいは、そういうことについての問い合わせ等はしませんでしたか。
  109. 小野邦久

    小野政府参考人 そのときのお話は、私の記憶では、経済界、経済関係の方々のお集まりというようなことで、そういう方々が自分の就任祝いをしてくれるので出てほしいというお話があったということだと私は記憶をいたしております。  ただ、九人の者の中には、これは先ほど申し上げましたけれども、竹下元総理が自分の、中尾大臣就任祝いをしていただけるということだから君たちも出てほしいというお話があって出た、それで自分たちも呼ばれたのだ、そういうふうに考えている者もございます。いろいろな記憶でございますので。
  110. 山田正彦

    山田(正)委員 それでは、その会合に……
  111. 井上義久

    井上委員長 指名をした後発言をするように、よろしくお願いします。  山田正彦君。
  112. 山田正彦

    山田(正)委員 では、再度質問いたしますが、その会合で、若築の会長、業者がいるとわかったとき、それでは失礼しようとか、そういう気持ちにはなりませんでしたか。端的に答えてもらえばいいですから。
  113. 小野邦久

    小野政府参考人 確かに、特定の企業がおられたということはあったわけでございますけれども、一たんその席に入りまして、そういう方が一人おられるからといって、すぐその場で、大臣を前に私ども幹部が退席をするというのはこれはいかがなものかという判断で、私どもは当然その場に残ったということだと思います。
  114. 山田正彦

    山田(正)委員 同じく小野事務次官にお聞きします。  平成七年の十二月十三日付で、建設大臣官房長がいわゆる綱紀粛正について文書をそれぞれに出しております。その中によりますと、その際、関係業者との接触及び官公庁の接待について、特に御留意をお願いします、そういう通達を出しております。  御自身、官房長を当時やっておられましたと思うのですが、そういう通達を出しておきながらそういう会合に出席することについて、何ら後ろめたいことはありませんでしたか。
  115. 小野邦久

    小野政府参考人 結果として同席をしたということになるわけでございますけれども、通達の趣旨は、国民の方々の疑惑を招くような、そういう行為を厳に慎む、こういうことで各方面に要請をしたものでございます。結果的に、もちろん出たということになってしまうわけでございますが、今から考えますと、大変、より以上に慎重な行動をすべきだったという感じはするわけでございますけれども、当時の平成八年の五月及び七月は、いずれも大臣からのお話ということもございまして、若干そういう点についてのきちっとしたチェックと申しますか配慮というものが欠けた、あるいは行き届かなかった、こういうことはあろうと思っております。これについては率直に反省をするわけでございます。  いずれにいたしましても、そういう意味での会合というものがあって、そこに出たということは事実でございますので、これは、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、厳重に注意を受けたということでございます。
  116. 山田正彦

    山田(正)委員 その前に、閣議決定でもってかなり厳しい通達が出されております。私ここに持っております。  これによりますと、「日常の行動については常に公私の別を明らかにし、特に、職務上利害関係のある業者等との接触に当たっては、国民の疑惑を招くような行為は厳に慎しむこと。」そうあります。さらに、「三 管理・監督の地位にある者は、監督責任を十分自覚し部下職員に対する指導監督を強化すること。」さらに、これは大事なことなんですが、「違法行為又は服務紀律違反の行為があった場合においては、直ちに実情調査し、厳正な措置をとること。」そうなっております。  官房長として、この閣議決定事項に対してどのような措置をとられ、そのときにどのように考えておられたか、その責任について明確にお答え願いたい。
  117. 小野邦久

    小野政府参考人 昭和六十三年の閣議決定で、今先生お話しのとおりのことがございます。六十三年十二月の十六日閣議決定、これを受けて通達も当然省内に出しているわけでございます。  私も、平成八年五月と七月にそういう会合に出て、結果的に特定の業者の方と申しますか、「職務上利害関係のある業者等との接触」ということに該当したということだと思いますけれども、一つはやはり大臣からのお話であったということと、当日そこに行くまで、そういう方がおられるということを全く私は知りませんでした。これは、当時出た九人あるいは四人の私どもの幹部も全く同じ気持ちだと思います。  そういう特定の方がその席におられる、そういう席だということで認識をして出たわけではございませんで、それ以外の方々はそういう特定の利害関係のある方々ではないということでございまして、たまたまそういう方が一人おられた。これは結果論でございますけれども、それが大変大きな事件の引き金に実はなっていく、あるいはなっていくような形で仕組まれていたということかもしれませんが、そういうようなことだと思うわけでございます。  ただ、そういういろいろな事情考えますと、この六十三年の閣議決定で、日常の行動について常に公私の別を明らかにし、特に、職務上利害関係のある業者との接触に当たっては、国民の方々の疑惑を招くような行為は厳に慎しむということを考えますと、大変、そういう点ではより以上に慎重な行動をとるべきだったという感じは強くいたしますが、当時といたしまして、この決定に違反をしている、あるいは、この決定自身に明確に違反をして何らかの処分を受けるべきだというようなことではないというふうに思っております。
  118. 山田正彦

    山田(正)委員 小野次官の話でいきますと、いわゆる服務紀律違反の行為はなかった、直ちに実情調査し厳正な措置をとる必要はなかった、そういうことになりますか。
  119. 小野邦久

    小野政府参考人 具体的に、そういう会合が持たれたことの経緯とか、あるいは、そういう会合を実際にどういう形で、なぜ参加をしたのか、そういういろいろな経緯とか、あるいはそういうことを考えますと、例えば建設省の幹部が特定の企業とだけで会合したとか、あるいは大臣の下命ではないとかいうことではございませんので、結果として同席をしたという事実はございますけれども、通達が、あるいは閣議決定が禁じているような、意図的に特定の企業と会食をとる、あるいは席を同じくするということが行われたということではございませんので、その時点では、そういう意味調査をすべきだというふうには考えませんでした。
  120. 山田正彦

    山田(正)委員 大臣にお聞きいたします。  今お話を聞いていまして、どうもこの閣議決定に対する、いわゆる服務紀律違反、すなわち職務上利害関係のある業者との接触に当たってはならないということに違反していないと、はっきりと今事務次官は申しておりますが、大臣はどうお考えですか。
  121. 扇千景

    扇国務大臣 その件に関しましては、先ほども私申し上げたところでございますけれども、少なくとも当時通達が行われておりまして、私はみんな認識していたのだろうと思っております。  ところが、私も、九人のうちの一人が亡くなっていますから八名から上申書をいただきましたけれども、先ほど事務次官がここで申しましたように、八人とも全部書いてあることが違うのですね。  ですから、同席した人間が全部意見がばらばらだというのも、これも私もとても不思議な気がいたしましたので、八人にお集まりいただきましたけれども、今事務次官が申しましたように、私には、竹下登元総理が自分のためにお祝いをしてくれると言っているから来いと言われた人もありますし、大臣が自分の後援者がお祝いをしてくれるからと行った人もありますし、また、官房から大臣の祝賀会があるから出ろよと言われて、上司からの命令で行った人もあります。  ですから、相手の、接待されたと称されている人たちが、特定の利害関係のある業者ばかりではなくて、最初にみんなの認識に入ったところには、元総理大臣とか現職大臣のお祝いということで出かけていったということでございますので、通達に違反しているのは、最初から特定の利害関係のある業者に直接接待されたのではないという判断を私はさせていただいて、これは通達違反ではないと。  けれども、少なくとも、今先生もお聞きになっていておわかりのように、役の交代があって、事務次官に昇格、事務次官がやめられた、あるいは官房長になったという二度目の平成八年七月の四人、これに関しては、私、少なくとも前回の例があるのだから、同じ場所、今も先ほど山田先生がおっしゃいましたけれども、向島の「波むら」というお話でございますが、二度も同じ場所に集まれと言われたら、あれっと思わざるを得ないと思うのですね。  例えば、これがホテルとかなんとかというのならともかくも、同じ料亭でというのならという意識がなかったのかなということも含めて、少なくとも、当時の通達には違反していないけれども、みずからの軽率さは免れないということで、二度とも出席いたしました四人に対しまして厳重注意の対象としたというのが実情でございまして、私は、最初から特定の利害関係のある業者からの直接の呼びかけの宴会とみなさないという点を、違反していないというふうに判断したわけでございます。
  122. 山田正彦

    山田(正)委員 大臣、大変厳しい、そしてこれまでにない新しい考え方で処せられると思っておりましたが、今お話を聞いておりますと、どうやら、この場合においては服務紀律に違反しないのではないか、二度目においても同じ「波むら」で、しかも同じ大臣から同じようなお誘いを受けながら、それでも特定の業者との接触になった、そう思われない。  しかも、大事なことは、その費用の負担をしなかったということ。これはひとつ事務次官にお聞きいたしますが、なぜ、その会合の費用、いわば「波むら」での二回にわたって、その費用を業者にさせたのか。これは、ここまで至れば明らかに通達に違反してくるのじゃないのか。それを御回答願いたい。
  123. 小野邦久

    小野政府参考人 お答えをいたします。  出席をいたしました私ども幹部の共通の意識と申しますか、一部いろいろな違いもございますけれども大臣お話でございますので、大臣がそういう意味でのあれをやっていただくというふうに考えた者もおりますし、大臣にお任せをするということで、この場は、いろいろ御議論もあると思いますし、当時もあるいはいろいろな議論をしたのかもしれませんが、大臣にお任せをするということで、その処理についてはお任せをしたということで、それでよかろうという結論になったんだと思います。  結果的には、それがどういう形で、この費用をどういう方々が持っておられるのか、必ずしもはっきりいたしませんけれども、これは捜査の過程の問題もあって、いろいろ明らかになってくるんだと思いますけれども、私どもの認識としてはそういうことでございました。
  124. 山田正彦

    山田(正)委員 一度その会合で大臣に費用をお任せしたということであれば、これは実際には若築側で払ったようですが、それについて、その費用について釈明したのかどうか、自分で明らかにしたのかどうか、後でその分をみんなで負担したのかどうか。それすらしようとしなかった。ただ大臣にお任せすればいい、そう思った。二度にわたってそういう接待を受けたということは、これに請託を受ければ、供応を受けたということになるのではないですか。大臣、御回答願いたい。
  125. 扇千景

    扇国務大臣 私は、その判断は、司直の手で今後明らかになるであろうと思われますし、また、現在それが進行中であるということでございますので、私は、それが明らかになることまで待たせていただきたいと思います。
  126. 山田正彦

    山田(正)委員 そうして、建設省の大幹部それぞれ、業者と、いわゆる若築の建築関係の業者と接触した後、そして実際に中尾建設大臣を通じて請託を受けた、請託を受けたおそれがある。その中身について、これは建設省にとってゆゆしきことがあるんじゃないか、そう思われますが、まず、天下りの人事をぜひ欲しいという請託を受けたことについて、事務次官はどのようにそれをお聞きしておったか。
  127. 小野邦久

    小野政府参考人 お答えをいたします。  私は午前中も申し上げましたけれども中尾建設大臣から、具体的に天下りの件について何か御指示とかあるいは御依頼とかあるいは調査の下命みたいなものは一切ございません。  具体的な請託の内容は四点ということになっておりますけれども、これは当時の建設省の幹部、全部私も聞いたわけじゃございませんが、明確なそういう指示を受けた者はだれもいないのでございます。  ただ、この点につきましては、まさにどういう場でどういう請託があったのかという、これは捜査そのものの問題でございます。いずれいろいろな場で、例えば法廷における冒頭陳述の開陳等で、どういう場でどういう請託中尾大臣に対して若築建設の会長が行ったのか、あるいは関係者が依頼をしたのかということがいずれ明らかになってくるものというふうに思っておりますが、私ども建設省の幹部が、この件について何か具体的なお話中尾大臣から具体的な指示、下命といったようなものを得て動いたということはないと思います。
  128. 山田正彦

    山田(正)委員 当時技監の橋本氏が大臣官房技術調査室に具体的に命じて、そして天下りのあっせん、調整に入った、これはなかったというのですか、あったというのですか、わからないというのですか、三つのうち一つで回答願いたい。
  129. 小野邦久

    小野政府参考人 具体的にそういう形の新聞報道が一部出ておりましたけれども、真相はわかりません。
  130. 山田正彦

    山田(正)委員 わからないということは、あったかもしれない。これはいずれ司直の手で明らかになる。もしあったとすれば、建設省としては大変なことになるということですね。  となってきますと、天下りが一つ。さらに、いわば建設省としては、若築という業者に対して特定の便宜を図ったことはないのか。そのことについて、これは一部新聞報道ですが、若築受注額が倍増、九六年度二十二億七千万円、九七年度二十五億二千万円、九八年度五十四億五千万円、そういう報道もなされております。これを考えますと、いわゆる建設省そのものも、そういった一つの便宜を図ったことはないのか、あったのか、知らないのか、三つのうち一つで。
  131. 小野邦久

    小野政府参考人 真相はわかりませんけれども、そういう特定の便宜を図ったということはないと思います。  私どものシステムは、例えばAランク企業、ある一定の工事につきましては一般競争を原則といたしております。また、二億円までの工事につきましては公募型指名競争という、これも平成五年の入札制度改革の一環でございますけれども、そういったような制度によって運用いたしておりますし、よく請託の内容と言われているランクの問題、これも、先ほど大臣から御答弁ございましたように、客観的な要素につきましてはすべてコンピューターによる点数制度で運用いたしておりまして、何か特定の方がいろいろなことについてお話があったとしても、そういうことにこたえられるようなシステムにはなっていないということでございます。  いろいろ新聞報道等によって、私も、一部新聞報道、もちろん読んでおりますけれども、何か特定の便宜を建設省中尾大臣からの指示によってやっただろうということはないというふうに確信をいたしております。
  132. 山田正彦

    山田(正)委員 いずれこの点に関しては司直の手で明らかにされることかと思いますが、そのときに、今言った次官の答弁と矛盾するようなことがないように私も期待しております。  今、これは産経新聞の七月十一日の調査ですが、政治家が公共事業で利益を上げていると思うかとの設問に、そのように思わないと答えた人はわずか二・一%。公共事業が政治家の利益を生み出す温床に使われているとの疑惑を七割以上の有権者が抱いている、このような調査結果が出ております。  その中で、いわば役所としては、建設省としては、公共事業の大半を扱う主体として、大変重い責任がある。特に次官においては、当時官房長でもあり、大変責任があると思うのですが、刑事訴訟法の第二百三十九条に「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」とあります。御存じだったでしょうか。いわゆる告発は、これは義務づけになっております。義務としてしなければならない、役所の役人は。  実際に、それに関して次官は、いわば建設省の公務員として、このようないわば公共事業等に対する疑惑、殊に今回の若築の事件を踏まえて、どう考えておられるか。今回、閣議通達にしても、厳重に調査して報告しなければならない、私はその義務にも違反し、かつ刑事訴訟法にも反している、そう思われますが、それについてはどう思われるか。
  133. 小野邦久

    小野政府参考人 刑事訴訟法二百三十九条の告発の問題がございましたけれども、少なくも、当時の、平成八年の五月の状況あるいは七月の状況でございますけれども、具体的に何かそういうような犯罪がある、あるいは犯罪があると思慮されるようなことは、全く我々の頭の中にはございませんでした。  いろいろな、結果として今、中尾建設大臣逮捕また起訴、さらに再逮捕、こういうような状況になっておりまして、これは検察当局のそういう一つの公訴の提起によって事態が展開をしてきているわけでございますけれども、当時の状況で、何かそういうような疑い、あるいは何かおかしいのじゃないかなというような、そういう状況と申しますか、あるいは具体的な行為といいますか、そういうものは残念ながらちょっと、それは見過ごしているのだろうとか、あるいはもっと注意して見るべきじゃなかったかとか、いろいろな御批判はあろうかと思いますけれども、私ども、何人かはもちろん出たわけでございますので、私一人ではございませんし、そういうような者のあれといたしましても、そのときの状況で、何かそういったようなことがある、あるいは思慮されるというようなことは、全くなかったのでございます。  これは、胸を張るわけではございませんけれども、当時の状況としてはそういうことでございまして、ただ、残念ながらそれがわからなかったということでございまして、私ども中尾建設大臣に仕える身でございまして、私も幹部の一人として仕えていたわけでございますけれども、そういう点を見抜けなかった、あるいはこういうことを防げなかったというのは、本当にざんきにたえないわけでございます。当時の状況は、客観的に、私の記憶ではそういうことでございます。  もし、これが何か具体的な行為を伴って、何かおかしいというようなことがあれば、あるいはきちっと大臣にも申し上げ、あるいは場合によっては、幹部とも相談をしてしかるべき行動をとるということもあり得たと思いますけれども、当時の状況として、そういうことは全く感じられなかったということでございます。
  134. 山田正彦

    山田(正)委員 当時、いわゆる大臣官房技術調査室において天下りのいわば調整をしておったという事実が、仮に司直の調査によって明らかになったとすれば、当時、次官としては官房長という大事な職責にあって、そのことを知らないはずはなかったと考えていけば、いわば「波むら」で皆さん会食をし、ごちそうを受けている、いわゆるお金は払っていない等々を考えますと、非常に刑事犯罪に当たる可能性が十分あると考えられる場合であり、本来ならば当然次官としては、当時の官房長としては、それを刑事訴訟法に基づいて告発する義務があった。こう具体的な形になるかと思いますが、そういうことにはならないと、確信を持ってそう言えますか。
  135. 小野邦久

    小野政府参考人 一般的に、公務員が退職をいたします場合には、退職前五年間当該職務と密接な関係にあった企業に、退職をいたしまして二年間以内に就職をいたします場合には、人事院の承認という制度がございまして、この人事院の承認をとって、再就職を許されればする、こういうことでございます。  これは、職業選択の自由と公務員制度との関係の調整をする措置でございますけれども、こういう場合に、やはり私ども、退職管理の一環として、職員を退職させる場合には、やはりどちらかというと五十一、二歳といったような若年勧奨が多いものでございますから、何らかの形で再就職のあっせんをするということはもう当然ございます。二年たった後は、これは自由に本来は行けるわけでございますけれども、さはさりながら、やはりいろいろ、ぜひ技術的な能力を生かしてもらいたい、あるいはいろいろな経験を生かしてもらいたいといって、会社の方からぜひそういう人を来てくれないかというようなお話もあることも事実でございまして、具体的な情報の開示とかあるいはあっせん等はやることはあるわけでございますけれども、それは従来から、中尾大臣が何かおっしゃったからやっているとかやめているとかということではございませんで、一般的なやはり退職管理の一環として、そういうことを役所としてはやってきております。  それの窓口が人事課であり技術調査室だということがあるわけでございますけれども、この具体的な中尾大臣の件について、具体的なお話があった、それによって何か私どもが、そういう制度を例えば逸脱してとか、その制度の範囲の外で何かやったとか、あるいは具体的な行為をそういうこととして要請をしたとかいうことはないのでございます。  そこのところは、一般的な制度の中でのいろいろなやり方と、この具体的な中尾個人自身の請託の内容にかかわることとは、やはり分けて考えていかなければいけないと私は思います。
  136. 山田正彦

    山田(正)委員 時間も参りまして、これ以上質問できませんが、大臣にぜひ、ゼネコン疑惑、今度、そして天下りの凍結、閣議通達といろいろありながらこうして不祥事がなされ、このままではまた同じようなことがなされていくのではないか。大臣もそう心配されているかと思いますが、その中で大臣が大変斬新的に、新しく公共事業のあり方について、いろいろとこれから取り組んでいきたい。イタリアの公共工事基本法とかフランスの公共契約法典、フランスの公共契約法について、今こうして私も資料をいただきましたが、フランス語で、何が書いてあるかわかりません。  こういった形で、ひとつぜひとも本当に、国民の七〇%の人が疑惑を抱いている、建設委員会にとって大変大事なことでありますが、ぜひともひとつそういう趣旨で、歴史に残るような大改革をひとつ期待いたしまして、大臣に最後のお話をお願いします。
  137. 扇千景

    扇国務大臣 大変そういう意味では、私は逆に、この委員会が始まりました冒頭に申し上げましたように、女性で初めてこの職につかせていただいたということを勘案いたしましても、やはり二度と女性建設大臣が回ってこないということがないようにするためには、何らかの形を残さなければ、やはり女は建設大臣はだめだな、この委員会皆さん方にもそういうことを思われないためにも、私は今後、二十一世紀、女性が改めて国土交通省の大臣にもおつきいただけるような実績を、皆さんのお力をかりながら、私は二十一世紀の国土づくり、建設行政のあり方を真剣にやっていきたいと思っております。
  138. 井上義久

  139. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 日本共産党の塩川鉄也です。初質問です。どうぞよろしくお願いいたします。  きょう私がお聞きしたいことは簡単なことなんです。中尾建設大臣の収賄汚職事件に関して、建設省の内部調査とそれに基づく処分についてであります。  今回の事件は、一九九六年に起きました。九三年のあのゼネコン汚職の深刻な反省、これを政府・自民党がしきりに強調している最中に、問題の建設業界との関係でこの収賄事件が起きたこと、しかも、わいろの受け渡しに建設省大臣室まで使われていること、若築建設との宴席には建設省の高級官僚などがしばしば同席していることなど、報じられてきただけでもこの汚職疑惑は極めて深刻で重大な内容を持っています。特に、九六年の五月と七月の二度の宴席に建設官僚が出席したことが請託のきっかけをつくり、行政をゆがめるものとなったのではないか。この問題での真相を明らかにして誤りを正すことなしには、国民建設行政に対する不信感を取り除くことはできないと思います。  このことにかかわり、以下質問したいと思います。  この問題での大臣説明は、私も、予算委員会ですとか、この場でも伺いました。私がお聞きしたいのは、上申書とともに厳重注意処分の根拠となりました、八人の官僚への聞き取り調査、これはいつ、どういう調査項目で行ったのか。一時間半お聞きしたわけですから、何らかの項目を立ててお聞きしたと思うんですけれども。そして、その内容が記録をされているのかどうか、この点をお聞かせください。大臣、お願いします。
  140. 扇千景

    扇国務大臣 この件に関しましては、私は、何月何日どこでということは公表するに当たらないと思います。  これは、私個人として、大臣の職を離れて私は、皆さん方それぞれ、もう今立場が違うわけでございます。あるいは、御存じのとおり、道路公団の総裁でもいらしたり、あるいは都市基盤整備公団の副総裁でいらしたり、それぞれ違う職務についていらっしゃいます方を、私は皆さんに、お時間をとってください、上申書だけでは私は納得できません、みんな違うわけですから。ですから、私は、ぜひ一堂に会していただきたいということで、私が個人的な立場でも含めてお集まりいただくということでなければ、大臣大臣の権限で調べるとか、あるいは、そういう意味では道路公団は私が任命権者でございます。けれども、少なくとも今の、都市基盤整備公団の副総裁というような方は私の範疇でないものですから、そういう方も含めて、私は、この事件の重大性にかんがみておいでいただいたので、それを、今おっしゃいますように、記録しているかとか、あるいは内容を、どういうことを質問したとか、そういうことは一切私は公表いたしたくありませんし、また、そういう意味で、御協力いただいただけでも私は大変なことだろうと思います。なぜなれば、おいでいただいた中には、何度も何度も検察に呼ばれて事情を聴取されている方もいらっしゃいます。そういう方たちは、現に捜査中であることに対して口外するなというふうに現に忠告を受けている方もいらっしゃいます。けれども、私が申し上げたために、御同道いただいて、私の申し上げることに正直にお答えいただき、上申書の内容の違うという点も私はたださせていただいたというのが現状でございますから、日にちとか設問内容とか、どういうあれがあったという個人的なことは、私は現段階では申し上げません。
  141. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 いつ聞き取り調査をしたのかということもおっしゃらない。私は、先ほどの大臣の答弁にも、知り得た情報はすべて開示をするという決意にもそぐわないものではないかなと思うんです。  そもそも、今回の聞き取り調査を含めて処分の根拠になったと考えます。そうであるならば、その処分の根拠を明らかにするということが当然の責任ではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
  142. 扇千景

    扇国務大臣 今の、私が厳重注意を出します前に皆さん方の御意見を聞いたというのが現実でございます。それでなければ、私は、ただ上申書を八枚もらっただけで選別ができません。けれども、八人の方にお集まりいただいて、大臣から声をかけられたという人、あるいは竹下元総理がおいでになるから、ああこれはぜひ行かなくちゃと思った人、あるいは官房からおまえも出ろよと言われたという、全部の上申書の中身が違うものですから、まして、世間に言われておりますように、だれが出席していたのか、名刺交換したのか、あるいは紹介し合ったのか、だれがごあいさつしたのか、私自身が正直に疑問に思う点をみんなお聞きしたわけでございます。  その上で、二度にわたって出席した人間、そして同じ料亭に呼ばれたという軽率さ、そういうことも含めて、私はきちんと厳重処分に値するというふうに考えたわけでございますし、この厳重注意をする前に、それら建設省の当時の幹部が中尾大臣と同席をして、大臣就任祝賀の席に同道したために、建設行政に何らかの疑惑を持たれるような行為があったかなかったか、それが私のまず第一の目的でございまして、それぞれが出たことに対してのことよりも、今冒頭におっしゃったように、それらによってどういうことが建設省の中で、あるいは天下りを、OBをよこせとおっしゃったのか、先ほど塩川さんおっしゃいましたように、ランクを上げろと言われたのか、受注金額をふやせと言われたのか、そういうことの何かあったんですかと、あらゆることを私は聞かせていただきました。  それによって、私は、その中の四人にはこれは厳重注意をしようという判断をしたわけでございますから、何らかのことを、私はそれも全部記者会見で発表してございますし、まして、受注金額あるいは受注件数ランクの上げ、そういうことに関してはすべて公表しております。何でしたらもう一度ここで申し上げます。
  143. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 先ほどの答弁でも、私は中尾問題を明快にするために就任したというふうにおっしゃっています。そういう意味でも、この聞き取り調査の中身というのがそこに深くかかわっているわけですから、これはぜひとも明らかにしていくことが今必要ではないかというふうに思っておりますし、その点での大臣の答弁は大変残念に思います。  それで、具体的に、宴席に二度にわたって出席をされました事務次官にお聞きしたいと思います。  九六年五月と七月の二回にわたる宴席の会費については、出席したいずれの官僚も支払っていないということが明らかになっています。五月の大臣就任祝いの宴席についても、伴さんなども、料金は招待した側の中尾さんが全額持ったと思っていたと。ただいま事務次官の方からも、大臣にお任せした、大臣の方で費用については扱ったというふうにおっしゃっていました。  私、ここで思うんですが、素朴な疑問として、大臣就任される、大臣就任祝い、この席に、祝う側の人がお金を払わずに、祝われる側の大臣お金を払うというのは、これは世間の常識では考えられないことだと思うんですが、これが建設省の常識なんでしょうか。
  144. 小野邦久

    小野政府参考人 建設省の常識ということではないと思いますけれども大臣からのお話と申しますか、大臣からそういうお声がかかっての会合ということでございますので、大臣とその御招待の方とはどういう関係があるのかというのを余り根掘り葉掘りお聞きしたり、その費用負担がどうなっているのかということをお尋ねするのは、大臣に対してはやはり、余り、どちらかというと、そこまでお尋ねをしてあれするのは失礼だというのが我々の感じでございまして、大臣からのお話で、大臣にお任せをしたと。中には、確かに、竹下総理からのお招きで大臣が出られる、それに陪席をせよ、それは、総理があれをしていただくということだと理解している者ももちろんおるんでございますけれども、総じて言えば、やはりお任せをしたというのが当時の幹部の一般的な考え方だというふうに思います。
  145. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 五月の宴席について、先ほど事務次官の方が、大臣から声をかけられた、そこで後援会の方が就任祝いをしてくれるので出てほしい、その後援会という言葉を言いかえて、経済関係の方というふうにおっしゃいました。この点で、実際、七月の宴席の費用については、若築建設が支払ったとみずから記者会見をしています。二回にわたっていわばおごってもらったわけですね。そのときに、業者出席している宴席なら業者の接待かもしれないというのを疑うのが、責任ある行政にいる立場の人間の姿勢じゃないでしょうか。この点はいかがですか。
  146. 小野邦久

    小野政府参考人 私は、今でも五月と七月の費用をどういう方々が負担したのかつまびらかにはなっていないということでございます、私自身は。七月について、若築の方でそういう発表をされたということがあるのかもしれませんけれども。  当時のあれとしては、やはり大臣がそういう形で、部下職員を連れてお祝いという形でそれを受けられたということですから、私どもの感じとしては、やはり大臣にお任せをしていいのではないかという判断をした、当時としては。今となって考えますと、それはより以上にやはり慎重な行動をすべきでなかったかということは私も考えておりまして、例えば、どういう方々がそもそも出るのか、どういう御関係にあるのか、まさに費用の点につきましても、どういう処理がなされることになるのかということをお尋ねした上で出ていくというのが、より慎重な対応ではなかったかという気は今はいたしております。
  147. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 やはり業者との癒着が指摘されてもやむを得ないような、そういう事態というのが現にあったというふうに思えるわけです。  その点で重ねて事務次官にお聞きしたいのですが、九六年七月のこの宴席、会合に若築建設出席するということを事前に御存じだったんじゃないですか、いかがですか。
  148. 小野邦久

    小野政府参考人 平成八年の七月は、大臣お話——私の記憶では、七月の二日に新旧事務次官の交代がございました、定期の異動があったわけでございます。それで、これは七月の四日ではないか、これ正確な記憶かどうかは私も自信がないのでございますけれども、その後のいろいろな関係者の手帳の突き合わせとか、いろいろなそういうあれを情報としてあれしますと、どうも七月四日らしいということでございます。  大臣お話は、事務次官が、当然大臣から辞令を私どもいただいたわけでございますから、もちろんそれ以外にもたくさん人事異動あった者はございますけれども、新旧の事務次官の交代というのは大変大きなあれでございますし、三役の任命というのも大変大きな人事の一つでございますので、とりあえず四名を自分がお祝いをしたいというふうにおっしゃったというのが我々の記憶でございます。  したがいまして、そのお祝いの席にそういう例えば特定の利害関係者と申しますか、特定の企業の方がおられるということは全く我々の想像の中にはありませんでした。
  149. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 この点で、我々としての独自の調査も行いました。これをちょっと大臣と事務次官に渡してもらえますか。九六年七月四日、この宴席についての「会合のご案内」という資料であります。これを関係者から入手いたしました。  九六年七月の宴席ということで「会合のご案内」という文書を関係者から入手をいたしました。これによりますと、七月の宴席の日時と場所と出席者の名簿があります。読み上げますと、日時として平成八年七月四日午後六時三十分、場所「波むら」、住所があって、出席者名簿で全部で十八名の名前が取り上げられていて、上の方に、中尾栄一建設大臣、藤井治芳前事務次官、伴襄事務次官、橋本鋼太郎技監、小野邦久官房長、これらの官僚、前事務次官の名前があるのと、政治家として竹下登衆議院議員、竹下亘竹下登秘書。その後、いわゆる経済関係の方ということで、最後に石橋産業、それから若築建設社長ということで出されている資料であります。  これは、ここにありますように、この文書、「会合のご案内」ということですから、事前に配付をされていたわけですけれども。私ども、実際関係者に聞いたところ、この関係業者の同席について、これでも事前に知らなかったということなんでしょうか。
  150. 小野邦久

    小野政府参考人 この資料は私、全く見たことはございません。これは平成八年の七月だけじゃなくて、五月についても一切の会合の文書による御案内はございませんでした。これは大臣が直接、これはどういうあれか私も当時の審議官の立場ではわからないのです。五月の場合には、当時の恐らく次官か技監か官房長に大臣からお話があって、それが電話連絡等で各局長とか、当然私のところにももちろん連絡があって出席をしたという記憶でございますけれども、何かその会合に絡んで御案内状があったというようなことは私の記憶には全くございません。これは、他のメンバーにも私は同じだと思います。
  151. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 この問題については、関係者にお話も伺って、事前に参加対象者に出席確認をした上で会合の前に通知をされた、そういう性格の資料であります。  その上で大臣にお伺いしますが、七月の宴席については、藤井氏の絵画の贈呈の問題があります。この藤井氏の絵画の問題についての調査の結果はいかがでしょうか。
  152. 扇千景

    扇国務大臣 お答えに入ります前に、私は、塩川先生が初めての質問だとおっしゃいましたので、なるべく時間配分を考えて、調査内容を既に公表している部分は省いたわけでございます。けれども、八人集まっていただいた日にちと内容を教えないことだけで情報公開していないという姿勢を批判されましたけれども、私は八人の集まっていただいた内容を今ここで申し上げました。しかも、私は今まで調査したことに関してマスコミにも全部公表しているから、あえて私は初めての質問にお時間をとっちゃ悪いと思って言いませんでしたけれども、それをもって私が知り得た情報を公開していないとおっしゃるのであれば、私は、今まで知り得たことを全部マスコミに公表しておりますから、今おっしゃったことでお時間をとっては悪いと思って遠慮したわけでございますので、今の平成八年五月の出席者あるいは八年の七月の出席者等々、全部ここで公表させていただかなければ情報公開したとお認めにならないのであれば、公表させていただきます。  まず、平成八年五月に開かれました大臣就任祝いには、建設省からは……(塩川(鉄)委員質問の趣旨と異なります。委員長」と呼ぶ)
  153. 井上義久

    井上委員長 発言中ですから。
  154. 扇千景

    扇国務大臣 当時の藤井次官、豊田技監、伴官房長、小野総務審議官、小鷲建設経済局長、近藤都市局長、松田河川局長、橋本道路局長及び梅野住宅局長、故人でございます、これが五月に開かれた大臣就任祝いに出席した者です。これは既にマスコミに公表しております。続きまして、平成八年七月の建設省幹部の交代の際の会合には、建設省から、当時の藤井顧問、伴次官、橋本技監及び小野官房長が参加しておりまして、以上の出席者、故人を除いた人からは、全部私に上申書が届いております。その上申書に基づいて私どもは全部調査をして、そして厳重注意の処分をしたということで、情報公開しておりますので、これはぜひ皆さん方、特に塩川先生の御認識の中で、情報公開していないという御認識は改めていただきたいと思います。  私は、今この資料を拝見いたしまして、この今の「会合のご案内」と書いてございます。これも私、今初めて目にさせていただきましたので、これがあったやなしやということは、改めて調査するのであれば、これは調査したいと思います。それであれば、塩川先生もだれからこれを聞いたかということを言っていただきますと、私も大変早く調査ができると思いますので、よろしくお願いいたします。
  155. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 私は、聞き取り調査した内容についてその記録を公表したくないというお話をされましたから、そのことについての御質問だったわけです。  その点で、この資料は、いわばこれを入手する、手に入れる立場にある方からいただいたものですから、その旨を踏まえた上で、この資料にもありますように、ごらんいただいておわかりのように、右側には、「当日、このたび事務次官を退官された藤井治芳氏に、下記絵画を記念品としてお贈り申し上げます。」というふうに書いてあります。「記念品」として、「作家 土井邦晃」さんというんでしょうか、「画題 花と桃のある静物 サイズ 十号」というふうに書かれています。  つまり、事前に配付されたこの御案内の資料に、絵画をお贈りしますよということが書かれていた。ですから、そういうことについて藤井氏から説明はありませんでしたか。
  156. 扇千景

    扇国務大臣 そのことも御本人にちゃんと伺っております。それは、本人がその場へ行くまで、自分に絵画をいただくことは知らなかったと。ですから、私は、聞いたところでは、この御案内は藤井さんには行っていなかったなと、今直観的に思っております。  そして、藤井さんは、私に対して、皆さんの前で大臣がその絵をお渡しになったそうです。それで、受け取りますときに大臣に小さな声で、私はこの絵はいただきたくありません、受け取れませんけれども皆さんの前ですので、追ってこれは返却させていただきますと大臣に申し上げながら、一たん預かりましたということでございました。
  157. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 この新しい資料に基づいて、若築建設という関係業者と同席することも事前に知っていたことになる。また、みずから費用を負担せずに接待されることも知っていたことになる。さらに、前事務次官に対して絵画を贈られることも知っていたことになる。  そういう場に、当時の建設省の三役などが出かけていったことになるわけですから、この資料に基づいて改めて調査していただけますでしょうか。
  158. 扇千景

    扇国務大臣 塩川先生がどこから入手したということをおっしゃいませんけれども、今の現職の小野事務次官もここにおりますし、藤井さんからも私はこの話を聞きましたけれども、本人は絵を渡されることも知らなかったんですから。これはひょっとしたらこの民間の皆さん方、きっと塩川先生、民間のどなたかから入手なさったんだろうと思いますので、私は役所に関係ないと今の段階では思っています。私が聞いた段階ではみんな知りませんから、こんな御案内をいただいたとだれも言いませんから。  ですから、もしもそれであれば、民間の皆さんなので、民間の皆さんに対しては大臣としての権限はございませんから、司直の手で私は明らかにされると思っています。
  159. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 予算委員会大臣の答弁でも、関係者の、官僚の皆さんが私に言っていることが違うというようなことがあったときには、再度私としてはするべきことはいたしたいというふうにおっしゃっておられました。その点で、改めて関係者から聞き取りをして、真相究明を行うべきだと考えます。実際、七月の宴席の費用は若築が負担をしている。一方で、聞き取り調査では、大臣が払ったというふうに言っている。このような食い違いも甚だしいところがあります。  その点では、官僚の皆さんにお聞きしたということであれば、監督官庁としての関係業者を問いただせる立場にある建設大臣として、この接待側の若築建設に対し独自に調査を行う必要があるのではないでしょうか。若築について、この問題を問いただす気はございますか。
  160. 扇千景

    扇国務大臣 今、私は役所として若築建設に対して指名停止の処分もいたしておりますし、私は検事でもございません、弁護士でもございませんと冒頭に申し上げましたけれども、私自身が民間の皆さん方調査したり、あるいは何かするということは越権行為であり、少なくとも、今、司直の手で国民の前に明快にされるときが必ず来ると私は思っております。  私も大変、こういうことで、大臣の職にあった人が、私が今入っています大臣室でそういう受け取りがあったと思うだけでも、本当に嫌なところへ入っているなという気はいたしています。本当にいい気持ちのものじゃありません。ですから、そういう意味では、民間の皆さん方に、若築のだれそれにどうこうしたんですかということは、私は聞くつもりはありません。
  161. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 大臣のその思いと同じように、国民皆さんもこれについては気持ちの悪い思いをされているわけですから、国民立場でやはり真相究明に当たるべきではないかと思います。若築側は公訴時効が成立しているわけですから、捜査に関する事項だから差し控えたいというふうには言えないわけです。身内だけ集めて、わかりませんとか、建設省にかかわりがないということでは、国民は納得できないと思います。  それで、今回の宴席への官僚の出席については、当時出されていた一連の綱紀粛正の通達にも違反をしている問題です。例えば、昭和五十四年十一月三十日の建設事務次官名の文書で、「綱紀の粛正について」では、関係業者との接触に当たっては、国民の疑惑を招くような行為は厳に慎み、特に接待、遊技などには出席しないこと、接待には出席しない、また、関係業界などからのせんべつ、贈答品などは受けないこと、また送付されたものは返却することと書かれています。  この意味するところは、業者との接触そのものが大問題ということでありますし、その上に、業者が費用を負担したなら極めて重大だということを明らかにしています。絵画をもらえる宴席にいわば堂々と出ていくようなことができないのも、当然ではないでしょうか。ゼネコン汚職の問題もさめやらぬこの時期に、一度ならず二度までも関係業者と接触をする、これは許されない行為だと思います。  改めて厳しい処分を行うおつもりはございませんか、大臣
  162. 扇千景

    扇国務大臣 私は、冒頭に申し上げましたように、私が大臣についたということは、私が建設省をカバーしなきゃならない何物もないからこの位置についたんです。ですから、私は、一番第三者的な、あるいは国民立場になって建設省を見る、そういう意味で私が任命されたと思っています。  ですから、今、塩川先生がおっしゃいますように、私も同じ目線で関係者の話も聞きました。ただ、私は検事ではありませんから、今冒頭にあなたがおっしゃったように、設問を全部、どんなことを聞いたんですか、そういう失礼なことではなくて、私自身が国民立場に立って、こういうことをなさったんじゃないですか、これはどうだったんですかというふうに聞いたので、それが記録がないからどうのこうのということではなくて、少なくとも私の頭の中にはインプットされておりますから、厳重処分という対処をしたわけでございます。
  163. 塩川鉄也

    塩川(鉄)委員 私は、やはり国民皆さんの目から見て、こういう調査では納得いかないというのが実際だと思うんです。そういう意味でも、いわば身内の方の言い分を聞いただけに終わるような、そういうことではなくて、関係者に広く問いただして真相を明らかにするということが求められていると思います。  そもそも、今回のこういう宴席の場に高級官僚が出席したということが、中尾元建設相をめぐる、今の段階で明らかとなっている金額でも六千万円に上る収賄事件の道を切り開く結果となったわけです。これほどのことなのに、厳重注意などという処分でいいのかということが問われていると思います。  毎日新聞では、「政治家が地下金脈に通じたフィクサーから実業家を紹介され、金銭の授受を行う。請託の実行には官僚が加担する。」「政治家の黒い癒着に気づいていたはずの官僚の責任も重い。」と指摘をしています。こういうことにこたえるような解明の努力が求められていると思います。  今、年間五十兆円にも上る公共事業、これを扱う主務官庁の一つとして、建設省が、公共事業に対する国民不信感を払拭することが求められていると思います。こういうような事態を繰り返さないためにも、建設省としてのこの問題での徹底調査若築建設にこの問題を問いただすことや、特に九六年七月のこの宴席の案内をめぐる問題についての真相究明を求めるとともに、厳正な処分を求めて、質問を終わるものであります。
  164. 井上義久

  165. 中西績介

    中西委員 私は、扇建設大臣に対しまして二、三の質問をしたいと思っています。  それは、ぶしつけになると思いますけれども大臣就任するに当たって、いろいろ取りざたされた報道がなされております。特に、建設相には就任したくなかったとか、あるいは、どう言っていいのか、脳天から殴られたような、なぜ私がというような表現等も出たように、この時期においてこうした言葉が出たということは、どのようにお考えになっておられたのか、この点についてお答えください。
  166. 扇千景

    扇国務大臣 中西先生、今お話しになりましたけれども、私は、自分の感じたままを率直に申し上げたというのが実情でございます。  現状の、今の先生の質問に対しても、私、こうしてお立ちしている。また、きょうの朝からの御質問を先ほどから中西先生はずっと座って聞いてくださいましたけれども、こういう質問に対して答えなければならないということ自体が、私は、こういうところへ来るのがおかしい。むしろ、貧乏くじかなと記者に言われましたから、そういうところもあるでしょうと言わざるを得なかったというのが現実でございます、正直申し上げて。  ただ、少なくとも、私自身がまさか回ってくると思わなくても、ついた以上は、先ほども国民の目線に立ってとおっしゃいましたけれども、私、全くそういうつもりで役所の中に入ってまいりました。  ですから、私、先ほどから申しましたように、私に報告のあったことがすべて私をだましていることであるならば、それは国民が味方についてくだすって、何らかの再処分があるであろうということを申し上げたとおりでございますので、私はそういう気持ちで今はおります。
  167. 中西績介

    中西委員 今お答えいただいたように、なられるときの心境としてはいろいろ複雑なものがあったと思うし、率直に言われたように、なぜ女性に、そしてまた参議院にこういう職が回ってきたかという、だのに自民党の諸君がなぜ逃げ回っておるかということをそのとき感じておったんじゃないかと思うのですけれども、率直に申し上げて。  こうしたことを考えますと、今までは、それでは申し上げますけれども、取り合いをしてまでやるようなこの職を、なぜみんな逃げ回るのか。これがどうしても私たちにはわからないのですね。ですから、中尾建設大臣のこうした事態が発覚をしたということのショックは相当激震であったと私は思うのですね。そのことがこれから行政にとって大変大きな問題を残すわけでありますから、この点について二、三お聞きしたいと思います。  特に、私、感じますのは、一九九三年にゼネコン事件、金丸あるいは仙台市長あるいは宮城県知事等、次々に連続してこうした事件が出てまいります。それに対しまして、大臣官房長名で通達等が出されております。  それに引き続いて、その時期と同じ時期に、今度は一九九二年には、中村元建設大臣が、まだ建設大臣になる前でありましたけれども、一月十三日の日に一千万円、会館で受け取ったという事件が発生をし、そして九四年には、衆議院で逮捕許諾の決議がなされました。そして、九七年十月一日、地裁一年六カ月実刑判決、一千万の追徴という、こういう連続してある中の九六年にこうした事件が起こったというところに、私は、この種事件については本当に麻痺してしまっておるのではないかという気がしてなりません。  こうしたことを考えますと、私は、これに対するもう一度、今まで何回かお答えいただきましたけれども、この中尾栄一元建設相の汚職事件というのは日本の政治史の中においても大変大きな汚点になるわけでありますけれども、この点について、大臣の所見をお伺いします。
  168. 扇千景

    扇国務大臣 私も、今中西先生がおっしゃいましたように、先ほども塩川先生からもお話ございましたけれども、歴代の大臣の中でも、大臣室で金銭の授受があるというようなことはかつて聞いたことがございません。今おっしゃいました中村喜四郎先生のときでも、大臣就任前の話でありますとかあるいは路上の車から車ですとか、そういうことはかつて聞いたことはございます。けれども、いやしくも大臣室で関係業者からの金品の授受をするというようなことは、私も、国会に出てきまして、一九七七年から国会にいるわけでございますけれども、初めてのことでございます。  ただ、私、中西先生にぜひ御理解いただきたいと思いますことは、今は建設大臣という中尾先生の金銭の授受と、そして建設行政との一体としてのお話がございましたけれども、今私が大臣という立場に、それこそ図らずもでございますから、就任した以上は明快にしようということで、私はまず対処したわけでございます。  中尾現職大臣大臣室で金銭を授受したという、これは個人、先輩ですから失礼ですけれども中尾先生個人の政治家、大臣としての資質の問題であって、それが建設省ぐるみであるということに関しては、現段階で、私が大臣早々調べたこととの関連はほとんどないと現段階では申し上げられることでございます。その辺のところは、ぜひ、中尾先生が大臣室で金銭の授受をしたことがすべからく建設省ぐるみで、建設省の職員がみんな同じ感覚であるということ自体は、今の段階では私には申し上げられません。
  169. 中西績介

    中西委員 それで、私、ぜひ、今大臣が答弁ありましたように、建設行政と次々に起こってくるこうした問題が一体的なものでないという、これを明らかにするためにも、私、先ほどからいろいろお聞きしておりますけれども、先ほど問題になっておりましたように、通知が出されたり通達が出されたり、いろいろなことはやられましたけれども、こうしたことを依然として大臣そのものがやるというところに、今個人ということで処理されておるようでございますけれども、私は、やはりこうしたことを断ち切るために、今こそ建設省挙げて、これらの問題について、大臣を先頭にしてこれからこれに対処していく必要があろうと思います。  そういうためにも、いろいろな面を、先ほどからたびたび言っておられるように、情報公開を初めとする多くのそうした国民の疑惑を招かないための措置ということをやろうとしておるわけであります。  特に小野事務次官にちょっとお聞きしますけれども、先ほどからお聞きしておると、こうした関係については知らなかったし、たまたま二回にわたって行かれたということに対して反省はいたしておるようでありますけれども、そういう疑惑を持たれておるだけに、こうした事態を、これから後どのように建設行政を立て直していくおつもりなのか。この点についての決意をひとつお聞かせください。
  170. 小野邦久

    小野政府参考人 先ほど扇大臣からお話がございましたとおり、中尾建設大臣の個人の資質の問題というお話がございました。どんな制度を持っておりましても、大臣室で具体的な金銭の授受が特定業界からあっては、これはどうにもならないわけでございます。  ただ、これは事実かどうかわかりませんので軽々に判断はできませんし、お話をすることはできないわけでございますけれども、ただ、私どもの職員の感情と申しますか意識として、これは大変ふんまんやる方ないというのが正直なところでございます。  ただ、さはさりながら、建設行政といろいろな関係で、いろいろな大臣お話も出ましたけれども、そういう方で幾つかの事件があったわけでございます。また今回も、平成八年の事件でございますけれども中尾大臣建設行政の、建設行政における大臣の行為としてこういうことがあったわけでございます。  私どもは、私も幹部の一人でございますので、こういう事件が防げなかったということを本当に残念に思いますし、残念でならないわけでございますけれども、こういうことが起こらないような、もちろん、システム自身に何か問題があったというふうに、私も、より以上の透明性のある、またそういうことを防ぐに足るようなシステムをつくるということは大変大事なことだと思いますので、そのためにはやはり万全を期さなければいけないというふうに思うわけでございますけれども建設行政の基本の部分で何か大きな欠陥とかそういうものがあってこういう事件が起こるというようなことではないという御理解はいただかないといけないのではないかというふうに思います。  やはり、こういう事件を契機として、より以上に透明性のある、あるいは合理的なシステムというもの、これは不断の努力を私どもいたしております。  平成五年のゼネコンスキャンダル以後、歴史的な改革も入札・契約制度について行ってまいりました。また、平成十年には中建審の答申もいただきまして、入札・契約制度につきましてもいろいろな改善をしております。恐らく、当時と今と比べますと、情報の開示の量は圧倒的に違うというふうに思うわけでございますけれども、なおそういう点につきましてもメスを入れまして、大臣の御指示も、既に幾つか具体的な点についてございます。  そういう点を十分勘案した上で、全力を挙げて、二度とこういうことが起こらないようなことになればという観点から対処してまいりたいというふうに思っております。
  171. 中西績介

    中西委員 私があえてこうした問題について触れますのは、今度の選挙に際して、出てこられた自民党の要人が恫喝的、これはあえて言います、恫喝的利益誘導型の選挙を大衆の前で堂々とやっているわけですよ。私は、このことは実際に我々の耳に入ってくるわけでありますし、こうしたことを考え合わせていきますと、その根っこは深いということを感じるものですから、しかもいろいろそういう関係の人が来てやるものですから、私はそのことをあえてここで言っておるわけであります。  したがって、これらの問題についてはまた時間があれば、もう時間が余りなくなってきましたからやめにしますけれども、具体的に言えというならまたやらなくちゃなりませんけれども、いずれにしても、本当に民主主義の未成熟さというんですか、そういうものをさらけ出すようなことを平気で言っているわけですから、こうしたことがなくなるためにも、ぜひこれから後の建設行政というものはあってほしい、今言われたようなことがあってほしいと思うわけであります。  そこで、次に、前国会の七月六日の建設常任委員会におきまして、大臣があいさつの中でずっと述べられておりますけれども建設行政国土行政の基本姿勢について触れられておりました。  その中で、「限られた国土をバランスよく適正に整備、管理し、さらに豊かな国民生活、活力ある経済社会を実現することにあると思います。」と。ここまでで切ってしまうと、従来型の建設行政がその後また残っていくのではないかということを私は恐れるわけでありますけれども、その後に、「我が国が、少子高齢化、地球規模での環境問題の深刻化など、歴史的な転換期を迎える中、多様化する国民のニーズに一層的確にこたえ、なお、次世代が夢と誇りを持てる国土づくり、地域づくりを進めてまいりたいと思っております。」、こういうように述べられております。  ここを私は読みまして、ここに示されてある豊かな国民生活、そして活力ある経済社会を実現するためには、こうしたものをやはり十分取り入れた中でこれをつくり上げていくということを申されたのではないかと私は思ったんですね。そこは大臣御本人でなければわかりませんので、この点についてのイメージを、もしあるならお答えいただければと思います。
  172. 扇千景

    扇国務大臣 私が申し上げましたのは、私ども大臣であるとか国会議員であるとか以前にいたしましても、少なくとも今世紀最後の年を迎えました。来年から二十一世紀を迎えるというときに当たって、私どもは今日までの日本考えたときに何か今足らなくなったものはないのか、また、来世紀、少子高齢化社会を迎える子供や孫たちに今我々は何をしていかなきゃいけないのかという観点に立っての私の説明でございました。  その中身に関しましては、御存じのとおり、これだけ建設行政も含めまして、戦後五十五年、あの焦土と化した日本が今日まで復興し、あるいは先進国の仲間入りをしたということに関しましては、私は、建設行政の果たしてきた役割、今我々の住まいもおかげさまで、狭いのはありますけれども、一応みんな安心して衣食住が暮らせるようになりました。こういうことも含めて、それでは今から何が足りないのか。  それは御存じのとおり、豊かにはなったけれども、心の寂しさは別として、住まいの中が、はっきり申しまして、私言いたくなかったんですけれども、例えば初期の公団住宅なんか考えましても、おふろが真四角で、子供を母親が一人抱いて入ったらもうだれも入れないようなおふろのサイズなんですね。私、あれは初期は初期で公団住宅も仕方がなかったと思いますけれども、少なくともこれからの住宅建設ということも考えましても、私は、もう少しゆとりのある、あるいは外国並みとは言いませんけれども、少しはゆとりの持てるような住宅建設ということも考えていかなければならないし、あるいは、私が今計画しております、国土庁に指命しております全国のマップづくり、あるいは下水道を色分けして、五〇%以上できているところはどこなんだとぱっと一目瞭然の国土のマップづくりを今いたしております。これも今年度中に皆さん方に、白書にかわるものとして、私は新しいやり方をやりたいというふうに考えております。  まして、私は、お体の不自由な皆さん方がこれからはどうするかということを考えましても、皆さん方とともに、少なくとも、きょうも私は役所で申しましたけれども、来年の予算の重点配分の中にもバリアフリーを入れるときには、例えば、エスカレーターがついていても、これからは高齢化社会になるんだから、上りだけではなくて、お年寄りは下りもひざに来るんだから上り下りもつけるようにということも高齢社会に対しては対処するようにということも申しました。そして、先ほども委員お話ございました、車いすで道を歩いてごらんなさい、段差があって通れないでしょうというふうに田中先生の御質問もありました。そういうまちづくりも私は必要だと思います。  そういう意味で、私ども建設省として、少なくとも我々のこれから二十一世紀にかけてしなければいけないこと、そして、今の森内閣でIT革命という言葉を使っております。けれども、IT革命の中で、家庭とIT革命がどう直結するのかということが国民の中にはまだ認識が至っておりませんけれども、私は、少なくとも光ファイバーというものは今世界一の技術を持っておりますので、これは公的な部分ではある一定のところまで来ますけれども、それも、新しいビルあるいは新しいマンションに光ファイバーをつないでほしい、そうでなければこれから新しくできたビルは国際の業界には通用しないビルになってしまう。立ち上がってからでは光ファイバーを引くということはできなくなる。だから、ファイバー・ツー・ザ・ホームというものは次の公共事業の中にもぜひ入れて考えていきたい。  あらゆることが、日本が今日まで復興しましたけれども、生活基盤から考えても、世界の水準に果たしてすべてが達しているだろうか。全国の道路網を私もマップにいたしますけれども、これだけ有料道路、高速道路の料金が高いときょうも御発言がございました。けれども、それでは料金を高くしないためには今ひかれていないところはもうひかなくてもいいのかと。けれども、全国からは、皆さん方は、来年の予算にかけても、生活基盤のあるいは経済の発展のためにも、何としてもこの道路交通網を整備してくださいという御要望もございます。  ですから、そういう意味で、日本じゅうが均衡のとれた国民の生活供与、利益供与ができるように、少なくとも私は配慮しながら、苦しい予算の中ではございますけれども、少なくとも二十一世紀、国民の中に不公平さがないような、そういう世の中というものをつくっていくために努力していきたいと思っております。  以上でございます。
  173. 中西績介

    中西委員 今お聞きしていて、私、やはり一番我々が豊かさを感じるというその豊かさの判断なんですけれども、あるいは実際に考えてみますと、例えば環境一つ整っていないのに生活レベルがアップしたから豊かさがある、こういう間違った感覚でとらえたのでは大変なものですから、そこら辺がやはりちゃんと整理をされた上で、今申されたような事柄について、これから建設行政の中で本格的に、少子高齢化社会がどうあるべきか、地球規模の環境問題をどうするかというようなこと等を含めて実際にこれからやはり長期計画を立てないと、今のままでいってその都度変更するようなことがあったのでは私は大変だと思いますから、ぜひその点は慎重に、そして長期にわたる計画をできるだけいち早く、そして国民の理解を得た上でこれを実行するという、こうした先ほど何回か大臣言われておりましたような情報公開をしていただいて、すべての皆さんでつくり上げていくという体制をとっていただければと思っています。  最後になりますが、八月一日報道されました、公共事業の抜本的見直し検討会において、公共事業見直し基準設置などの方針を固めたなどということが報道されておりました。いろいろ見ていきますと、たくさんの問題が出され、きょうもちょっと出ておりましたけれども公共事業評価システムによって幾つかのものを整理するとか、いろいろなことをこれからやっていくようでありますけれども、この点について、現状、建設省からも資料等が出されたようでありますから、これを論議するに当たって、どのようになっておられるのか、建設省側として植竹建設政務次官の方から御説明いただければと思います。
  174. 植竹繁雄

    植竹政務次官 今中西先生からお話ございました、公共事業見直しについてのお尋ねでございますが、これは自民党でも、先般、公共事業抜本見直し検討会ということで今検討しております。  建設省におきましても、これまでも公共事業のあり方についてどうあるかといろいろ検討してまいりました。例えば、新規事業採択後未着工の分については、五年間たったらこれを検討する、あるいは事業採択後の問題につきましても、十年たってこれは継続中のものであっても、これを見直し検討するというようなことで、今までもやってまいりました。さらには、事業採択に当たりまして、新規のときにはこれを事前にいろいろと評価いたしますし、また、その後の進捗状況を見ましてもこれを再評価していく、そして最終的には事後評価というようなことも、評価システムを構築しながら、二十一世紀がどうあるかということを考えていきたいと思っているわけです。  特に、二十一世紀は、先ほど大臣も言われましたように、環境問題も含めました、ばら色の国土の建設ということで、総合的にやっていこうということでございます。したがいまして、私どもは、今現在党でもって検討している、こういう見直し検討会調査も含めまして、これを十分に検討し、対応してまいる所存でございます。  最後、繰り返しになりましたけれども、本当に二十一世紀というのは、IT革命というものを踏まえました、そして都市基盤の整備というものを図りながら、バリアフリーを考えた、そういった高齢化、少子化対策に向かって種々検討してまいる所存でございます。
  175. 中西績介

    中西委員 私は、こうした論議が出てきた真意が何かということをやはりぴしっと整理をしていただかないと、いろいろきょうの新聞も見ると、財政問題等について、整理よりも見直しよりも、こっちの方に力が移っていったみたいな報道の仕方ですね。「さらなる借金へ道 自民の公共事業見直し論議 検討会 党主導結果は拡大案」こういうように報道されておるように。  これを見ますと、「三日午後九時すぎ、自民党本部。亀井氏側近の谷津義男・自民党公共事業抜本見直し検討会座長が、満面の笑みで」云々ということが書き出されて出ていますけれども、一転、公共事業を拡大するための財政措置、特に、問題になっている財政法第四条の改正をしなきゃならぬというようなことまで含んで出てきておるということになりますと、さっき言われる、なぜ公共事業というものを、この前からずっと、きょうも論議されてきましたけれども、なぜこのことが再検討されなくちゃならぬか、このことの一番基本的なものがちゃんと踏まえられておらないと、わき道にそれるおそれがあるのですよ。そこら辺がきょうは本当は聞きたかったのです。  時間がもう来たようでありますけれども、いずれにしても、なぜこのようなことをこの時期に、公共事業見直しをし、基準設置、このことは我々が従来からずっと言い続けてきたことでしょう。それを今までやらずに、今度は急にこれがまた急発進するというようなことで、検討委員会を設置されて、こうしてやっています。  ところが、その中身については、確かに五年経過したものを云々だとかいろいろ経過が、未完のものについては廃止するとか中止するとか、いろいろなことがずっと書かれていますけれども、私は、やはりこうしたこの中身が今本当に必要なのかどうかということを本格的な論議をされておるかどうかということを、きょうのこの新聞を見て、もう唖然としたのですね。こっちの方に論議が移ったんだというような感じになって、肝心の、五千七百事業検討対象とするとか、なぜそれをやるかということ等について、これが我々には全くわからないです。そして、出てきたのはこっちの方が先に出てきたというような格好になっているものですから、私は非常に疑問視しておるところです。  したがって、ぜひこの点については再考していただいて、本当に今国民が期待をし、そして私たちが今までずっと主張し続けてきたことを、ぜひこの点追求をしていただければと思っています。もう回答はいいです。  それと、もう一つだけは大臣にお願いをしたいんですけれども、先ほどからの論議の過程の中でいろいろ問題になりました汚職問題等について、国会議員の口きき防止のための四野党が提出しているあっせん利得罪法案に対して、早急にこれを可決、成立していただきたいというのが私たちの願いです。  ですから、いよいよ衆議院では、これが終わりますと、大体秋になって、そして議員立法であれば月曜からでも本格的論議が十分できる体制にあるわけでありますから、こうした点についていち早く私は論議をすべきだと思っています。  ところが、なかなか自民党皆さんがここいらについては抵抗しておるようでございまして、本格的な論議になかなかなり得ない、第一、つるしたままこれを付託しないという状況にあるわけでありますから、こうしたことこそいち早く手がけていただいて、先ほど大臣が言われました入札制度等を含む問題等についても、次々にこれを提出していただくということが非常に大事なものですから、今残る期間わずか、延長すればいいですよ、会期の延長をしない中で九日までだということであるならば、少なくとも時間のかかる問題じゃありませんから、これは。  私は、公選特にずっと籍を置いて論議をしてきた経験を持っておりますだけに、全党が一致すればさっと論議もなしに上がるところですから、ぜひこれを上げていただいてやるということを私は提唱したいと思うんですけれども、この点について何か感想ございますか。
  176. 扇千景

    扇国務大臣 私は、こういう時期なればこそ、野党の皆さんがあっせん利得罪法案をお出しになったことは、私は、時期を得た本当にいいことだ、むしろそう思っております。  ただし、私どもも、私が今この場所に立って言うことが正しいかどうかわかりませんけれども、私は、かつて平成十年に入札干渉罪というものをつくってお出ししたこともございます。まして、入札干渉罪をつくったそのときのメンバーの一人が今の保守党の野田幹事長でございまして、私は、党首として、少なくとも入札干渉罪をもとにして、与党三党の中でもぜひこれを早くするようにということを党首としては申し上げております。  ましてきょうは、委員長のことを言ったらいけないのかもしれませんけれども、公明党の政策責任者でもいらっしゃいまして、私は、三党そろって何としても、公明党さんは公明党さんでもっと厳しいことをおっしゃっていますけれども、私ども入札干渉罪というのも、国だけではなくて地方まで含んだ案でございますので、ぜひ、皆さん方がお出しになっているあっせん利得罪と、そして与党三党が今チームをつくって検討しております、どういう名前になるかわかりませんけれども、私自身としては、入札干渉罪プラスアルファというような意味考えを持っています。プラスアルファは発注者責任という意味でございまして、これを入れますと丸投げなんということはできなくなります。  ですから、そういう意味で、私は、与党三党でよりよい案をつくって、せっかくここまで来たんですから、よりいいものをつくるために、どうか先生、次の臨時国会までお待ちいただいて、両案をセットにして、一番いいものを将来のために残していきたいという意欲だけは持っておりますので、よろしく御指導賜りたいと思います。
  177. 中西績介

    中西委員 それはもう技術的に、もし今出ておるものについて、直ちにこれを上げていただいて、後に出てくるものについていろいろまた修正する部分があるなら次々に加えていただけば結構なんですから、これを手がけていただくように特に主張いたしまして、きょうは終わります。
  178. 井上義久

    井上委員長 次回は、来る九日水曜日に委員会を開会することとし、開会時間は、追って公報をもってお知らせいたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十四分散会