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速水参考人 ゼロ金利政策というのは、御
指摘ございましたように昨年の二月に採用いたしまして一年半近く続いておるわけですけれ
ども、私
ども、ここ十年金利をずっと下げてきておるわけで、一回も上げたことはないんですが、九五年から公定歩合も〇・五%でずっと来ております。その間に、基準レートにいたしております無担保コール翌日物というもののレートを、昨年の二月にゼロに近い、一番低いところへ持っていくようにということで、〇・〇二ということで、ほとんど横ばいをして今日まで来ておるわけでございます。
このゼロ金利政策の解除につきましては、
日本銀行はかねてから、ゼロ金利政策の解除要件として、デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢になるという基準を申し述べてきております。
このデフレ懸念の払拭が展望できるということの
意味は、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力が十分小さくなっていく。需給ギャップの需要というのがだんだん膨らんできて、需給ギャップがなくなってきて物価が余り下がらないようにしていくということでございまして、言いかえれば、
民間需要の自律的回復の展望が得られるというふうにも言えようかと思います。
前回の決定会合、七月十七日でございますが、先ほど申し上げましたような
民間需要の
動きを踏まえまして、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退したということをほとんどの
委員の方々が認められました。デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢に至りつつあるというのが
委員の大勢の判断であったわけでございます。ただ、最終的にゼロ金利政策を解除するためには、雇用・所得環境を含めて、情勢判断の最終的な詰めに誤りがないかどうかを期したいという
意見が出ました。
また、いわゆるそごう問題が、十七日はちょうど月曜日でしたけれ
ども、十四日の日にそごうの新しい民事再生法による
処理というのが発表されて、市場が最初に開かれたのが十四日、その日に株や円がかなり売られまして弱くなる。主として、外から見ていて、やはり、
日本は何をしているのかなというふうに思ったに違いないと私は推測しますが、そういう
事態で月曜日を迎えて、月曜日の朝からこの決定会合をやったわけでございます。
前から言っておりましたデフレ懸念の払拭を展望というところは、大体まあもういいところまで来ているというところで皆さん判断をされたわけですけれ
ども、新しく起こった
事態があることと、もう
一つ、最終的に消費、雇用の詰めをもう少しやろうじゃないかということで延ばしたわけでございます。
そういうことで、今、公には、七月十七日の決定会合の決定でそのときにステートメントを出しておりますが、それにもそのようなことが書かれておるわけでございまして、
日本銀行の公のステートメントとしては、それが今まだ生きておるわけでございます。
先ほどちょっとお触れになった件につきましては、副
総裁とは全く
意見は同じでございます。この間の講演も実に細かに、今起こりつつあること、それからデフレ、ゼロ金利政策の持つ不都合な面、そういうものを
一つ一つ拾い上げて丹念に
説明をしたわけでございます。
考え方は全く私と変わっておりません。マスコミその他が、違っているというふうにお書きになったところがあるのかもしれませんけれ
ども、中にいて
意見は違っておりません。
それから、けさの閣僚
会議で企画庁長官の現状の景気判断を伺いましたけれ
ども、それにつきましても、おっしゃっているように、我々の判断とそんなに大きく、ほとんど変わっていない、違っていないというふうに思っております。企画庁とも大蔵省ともそれぞれの段階で十分
意見の交換なり討議は進んでいるというふうに私は判断いたしております。
そういうことで、けさ私も市場の
説明をさせてもらったわけでございますが、その後でそういう感想が少し述べられたということでございます。