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2000-08-04 第149回国会 衆議院 環境委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成十二年七月二十八日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。    委員長 小林  守君    理事 石原 伸晃君 理事 稲葉 大和君    理事 大木  浩君 理事 柳本 卓治君    理事 佐藤謙一郎君 理事 細川 律夫君    理事 武山百合子君       小渕 優子君    大野 松茂君       岡下 信子君    谷畑  孝君       鳩山 邦夫君    水野 賢一君       山本 公一君    山本 有二君       鎌田さゆり君    近藤 昭一君       鮫島 宗明君    永田 寿康君       河合 正智君    田端 正広君       藤木 洋子君    中川 智子君       増原 義剛平成十二年八月四日(金曜日)     午前九時三十分開議  出席委員    委員長 小林  守君    理事 石原 伸晃君 理事 稲葉 大和君    理事 大木  浩君 理事 柳本 卓治君    理事 佐藤謙一郎君 理事 細川 律夫君    理事 田端 正広君 理事 武山百合子君       小渕 優子君    大野 松茂君       岡下 信子君    谷畑  孝君       鳩山 邦夫君    水野 賢一君       山本 公一君    鎌田さゆり君       近藤 昭一君    鮫島 宗明君       永田 寿康君    河合 正智君       藤木 洋子君    中川 智子君       谷本 龍哉君     …………………………………    国務大臣    (環境庁長官)      川口 順子君    環境政務次官       河合 正智君    通商産業政務次官     坂本 剛二君    政府参考人    (警察庁交通局長)    坂東 自朗君    政府参考人    (防衛施設庁施設部長)  河尻  融君    政府参考人    (環境庁企画調整局地球環    境部長)         浜中 裕徳君    政府参考人    (環境庁大気保全局長)  廣瀬  省君    政府参考人    (環境庁水質保全局長)  遠藤 保雄君    政府参考人    (外務大臣官房審議官)  渋谷  實君    政府参考人    (厚生省生活衛生局水道環    境部長)         岡澤 和好君    政府参考人    (労働省労働基準局安全衛    生部長)         下田 智久君    政府参考人    (建設省道路局次長)   倉林 公夫君    政府参考人    (建設省道路局有料道路課    長)           近藤 秀明君    環境委員会専門員     鳥越 善弘君     ————————————— 委員異動 八月四日  辞任         補欠選任   増原 義剛君     谷本 龍哉君 同日  辞任         補欠選任   谷本 龍哉君     増原 義剛君 同日  理事若松謙維君七月二十六日委員辞任につき、その補欠として田端正広君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  国政調査承認要求に関する件  政府参考人出頭要求に関する件  環境保全基本施策に関する件     午前九時三十分開議      ————◇—————
  2. 小林守

    小林委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林守

    小林委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事田端正広君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 小林守

    小林委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  環境保全基本施策に関する事項  公害防止に関する事項  自然環境の保護及び整備に関する事項  快適環境の創造に関する事項  公害健康被害救済に関する事項  公害紛争の処理に関する事項 以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小林守

    小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。      ————◇—————
  6. 小林守

    小林委員長 環境保全基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、環境庁長官から所信を聴取いたします。川口環境庁長官
  7. 川口順子

    川口国務大臣 第百四十九回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ちまして、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたしたく存じます。  二十世紀の最後の年も既に半ばを過ぎております。今世紀におけるさまざまな教訓を糧とし、来るべき二十一世紀は、人類社会が健全に存続できる環境世紀としなければなりません。  このような歴史の流れの中、我が国では、来年一月に環境省発足いたします。環境省環境世紀の担い手となり、環境行政に真に責任を全うできるよう、組織、体制整備を含め、全力を挙げて取り組んでいく所存でございます。  さて、二十一世紀を迎えるに当たり、克服していかなければならない諸課題について、取り組みの方針を申し上げたいと存じます。  まず、地球温暖化問題は、人類生態系存続そのものに深刻な影響を及ぼすおそれのある地球規模の重大な問題となっております。  我が国は、気候変動枠組み条約第三回締約国会議において、議長国として京都議定書の取りまとめに貢献するなど、従来から地球温暖化問題について主導的役割を果たしてまいりました。本年四月のG8環境大臣会合において、我が国京都議定書を二〇〇二年までに発効させることを強く主張したところであり、その実現に向けて、本年十一月にオランダで開催される第六回締約国会議において、各国議定書締結の引き金となる合意が得られるよう、私は国際交渉全力を尽くす所存であります。同時に、我が国みずからも二〇〇二年までに議定書締結することが可能となるよう、目標遵守のための国内制度構築に向けて準備を進めてまいる所存でございます。  また、本年九月には、福岡県北九州市において、ESCAP環境大臣会議が開催されます。この会議の成果がアジア太平洋地域はもとより世界環境政策の飛躍に貢献するよう、リーダーシップを発揮してまいります。  国民に身近な国内環境問題に目を転じますと、大量の廃棄物の発生、最終処分場の逼迫、不法投棄増加等が社会問題化しており、廃棄物リサイクル対策推進が喫緊の課題となっています。  このような状況を踏まえ、さきの通常国会において、循環型社会形成推進基本法を初めとする循環型社会関連法を成立させていただいたところでありますが、環境庁としては、これからが正念場であると認識しております。循環型社会関連法の制定を踏まえ、環境庁リーダーシップをとり、政府一体となって、広範にわたる廃棄物リサイクル対策を総合的、計画的に推進し、循環型社会形成を確実に推進してまいります。  大都市部においては、自動車交通等に起因する大気汚染がなお深刻であります。特に、大気汚染への寄与度が高いディーゼル車からの排出ガスを削減することが焦眉の急となっております。  環境庁としては、平成十九年ごろをめどとして実施予定していたディーゼル車排ガス規制大幅強化を可能な限り前倒しするよう検討を進め、また、使用過程車対策についても、ディーゼル微粒子除去装置技術評価を踏まえ検討してまいります。さらに、大都市部において自動車から排出される窒素酸化物粒子状物質を削減する対策を拡充強化するため、自動車NOx法見直しを含め、総合的な自動車環境対策検討を進めてまいります。また、引き続き低公害車の普及を進めてまいります。  これらの課題のほかにも、昨年制定されたダイオキシン類対策特別措置法PRTR法等を踏まえたダイオキシン環境ホルモン等の化学物質問題への対応、カーエアコン等からのフロンの回収の促進、水環境土壌環境保全、健全な生態系の維持、回復、人間と自然との共生など、環境庁が取り組まなければならない課題は山積しております。  来年一月の環境省発足を前に、私は、このような課題を一つ一つ着実に解決し、環境世紀である二十一世紀に生きる我々の子孫へ、恵み豊かな環境を確実に引き継いでまいりたいと考えております。  小林委員長を初め委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  8. 小林守

  9. 小林守

    小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————
  10. 小林守

    小林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大木浩君。
  11. 大木浩

    大木委員 自由民主党の大木浩でございます。  ただいま、大臣から大変に格調の高い所信表明がございましたので、この表明を中心にして質問させていただきたいと思いますが、その前に、たまたま私の地元でございます愛知県におきましては、ただいま中部新国際空港建設、あるいはいわゆる愛知万博開催等についていろいろと準備中でございまして、これは当然ながらいろいろと環境問題との絡みもございます。ということで、まずその二つについてちょっと触れさせていただきたいと思います。  まず、空港の方は、おかげさまで環境庁の方からもいろいろと環境評価についての意見を出していただきまして、既に関係各省との協議も終わりまして、いよいよこの八月の一日から実際に現地において工事がスタートしております。  これは、単に愛知県の一都市が飛行場をつくるという話ではなくて、これから本当にアジアにおけるハブ空港として、名実とも日本を誇り得るような空港をつくるということは、やはり国家的目的であると思います。ということでございますので、この空港建設につきましては、どうぞ環境庁も、今後ともそういう立場からひとつまたいろいろと御指導をいただきたいということをまずお願いしておきます。  次に、愛知万博でございますが、これも、せっかく日本万博招致しようということで、当時大変に官民協力していただきまして、熱心な招致運動を展開していただいた、多くの国会議員先生方にも御協力いただいたということで、たしかカナダのカルガリー等競争相手だったと思いますけれども、愛知県の方へ招致が決まったという経緯があることは皆様方も御記憶のところだと思います。  ところが、その後、実際に具体的な万博計画を詰める過程におきまして、いろいろと地元から、あるいは地元ばかりじゃないのですけれども、環境団体からのいろいろな御意見表明もあった、あるいは博覧会国際事務局、BIEからもいろいろと意見表明もあったというようなことで、率直に申し上げまして、多少時間がかかっておるし、あるいは計画もかなり見直しが行われたというふうに理解をしております。  しかし、これも一つの産みの苦しみと申しますか、いろいろと時間はかかりましたけれども、たしか先月の二十四日だったと思いますけれども、地元におきまして、いろいろと計画見直しについてのグループ、委員会等々ありまして、一応基本計画なるものができ上がったわけでございます。  ということで、今この基本計画ができ上がった段階におきまして、環境庁の方でもこれをどういうふうに把握しておられるか。私どもとしては、ぜひとも今後とも環境庁の御指導、御協力をお願いしたいわけでございますが、今までの経緯、それからこれからの見通し等々について、環境庁としてはあるいは大臣としてはどういうふうにお考えになるか、そこら辺のところを、概略的で結構でございますけれども、ひとつ御意見を賜りたいと思います。
  12. 川口順子

    川口国務大臣 お話しの愛知万博のことでございますけれども、環境庁といたしましても、今までの経緯等についてはずっと関心を持ってきておりまして、委員御案内のように、昨年の十二月には、アセス手続の中で長官意見を述べさせていただいたところでございます。会場計画それから跡地利用の最近の検討状況についても、環境庁は、環境保全という立場から引き続きずっと関心を持っていきたいと思っております。  いろいろな経緯があって、愛知万博は、先生おっしゃられましたように、関係方々が、NGOの方も、その他学識経験者、大勢の方が、企業の方も集まられて、何か合計三十四人で会議をなさったというふうに聞いておりますけれども、議論議論を重ねた上に会場計画案合意されたということでございまして、このプロセスというのは、今後の進捗をスムーズに進めるという意味でも非常に有意義なものであったのではないかというふうに思っております。  以上でございます。
  13. 大木浩

    大木委員 ありがとうございました。またひとつ今後ともどうぞよろしくお願いしたいと思います。  そこで、これからのこの万博推進、そして最終的な成功というものは、やはり地元、狭い意味地元である愛知県ばかりではなくて、やはりできるだけ広域的な参加、いろいろな意味での参加、それからまた御協力ということが必要だと思っておりますが、幸いに政務次官河合先生はお隣の岐阜県御出身というふうに理解しておりますが、そういったお立場からも、近県の住民の一人としてあるいは政治家のお立場から、この愛知万博につきまして何か御所見がありましたらひとつ御表明をいただきたいと思います。
  14. 河合正智

    河合政務次官 大木先生におかれましては、愛知万博の当初より、また元環境庁長官として、そして地元選出国会議員として深くこの愛知万博に御尽力されていることに対しまして、私も常日ごろ敬意を払っているところでございます。  先生おっしゃいましたように、自然の叡智テーマとするこの愛知万博につきましては、世界に向かって日本環境への取り組みを発信できるチャンスであり、また幅広い参画を得て行うことが重要な課題となっておりますけれども、環境庁といたしましても、この考え方に沿って協力していく決心でございます。  愛知万博におきましては、政府参加事業予定されております。したがいまして、この自然の叡智というテーマに即したものとなりますように積極的に知恵を出してまいりたいと思っておりますし、先生の御尽力を心からまたお願い申し上げる次第でございます。
  15. 大木浩

    大木委員 どうもありがとうございました。どうぞひとつ政務次官として、また隣人としてよろしく御協力のほどをお願い申し上げたいと思います。  そこで、大臣所信表明に戻りまして、先ほどお聞きした所信表明でございますが、大変に格調の高い、これからの将来を見据えた所信表明をされたわけでございますが、具体的には、これから国内においても、また対外的にもいろいろと進めていただかなければならない問題が山積をしておるということで、とりあえず私も参加させていただきましたけれども、京都会議でいわゆる京都議定書、あのときのCOP3という会議議定書が採択されたというわけでございますけれども、これを現実に発効させるためのこれから手続を、手続といいますかいろいろと労力を、進めていただかなければならないというふうに思っております。  ことしはたしかCOP6で、オランダ会議があるということでございますので、そのために、京都議定書発効に向けていろいろと準備おさおさ怠りないということだとは思いますが、具体的にどういうふうにこれから今の議定書発効へ向けての作業を進めていかれるのか、まずは大臣から全体としての御予定をひとつ伺わせていただきたいと思います。
  16. 川口順子

    川口国務大臣 COP3のときは、私は一人の国民といたしまして、テレビ京都会議の模様を拝見させていただいておりまして、大木委員議長席に座って議長を務められている御様子も実はテレビで拝見をいたしておりました。  ですから、京都会議で決まったことあるいはその後必要なことについて、私よりもよく御存じ大木委員にこれが問題でありますということを申し上げるのは実におこがましいといいますか、非常に申し上げにくいということでございますけれども、私が今理解いたしておりますのは、先ほど申し上げましたように、京都議定書を二〇〇二年までに発効させるということは日本がずっと言ってきていることでございまして、そのために、幾つかの国際的に争点になっていることについて、今後のCOP6で国際的な合意がつくれるように努力をしていかなければいけないということでございます。  どういう点が問題かといいますと、まさに京都の名前を冠した京都メカニズムというのがございまして、これは各国が国際的に協調して、排出権等ございますけれども、その排出目標を守るためのメカニズムということでございますし、それから数値目標を守らない場合の遵守、どうするかという遵守制度というのもこれから合意に達していかなければいけない点でございます。それから吸収源、森林がCO2を吸収するということで、何を対象にしという議論もこれから詰めていかなければいけないことでございます。そういったような点について、各国京都議定書締結することができるように国際的に合意を確実に得るということが重要だということでございます。  それから、発展途上国との関係をどうするかということも非常に重要なポイントでございまして、COP6を成功させるためには、発展途上国に対しての技術移転ですとか人材の育成、能力の移転、そういったようなことについてあわせて合意をしていく必要があるというふうに考えております。  日本がどう思うかということですけれども、日本といたしましては、排出量取引などの京都メカニズムについては、これは透明で信頼性があって、費用対効果という意味ではすぐれた制度だというふうに思っております。  それから、遵守制度については、どれぐらい厳しくするかということについての議論がございますけれども、罰則的な措置を含まないということであっても、実効性があって、遵守を促進して、それから守らない不遵守という事態をできるだけ未然に回避するというような制度であるべきではないかと思っています。  それから、吸収源については、CO2をどういう木が吸収するかということについて、科学的な吸収源活動が幅広く認められる制度というものの構築を目指していきたいというふうに思っております。  発展途上国参加は、アメリカが非常に重大な事項と考えているということもございますし、日本にとっても非常にこれは大事なことでございまして、途上国進展を望んでいる事柄、事項については、途上国の具体的なニーズをしっかり聞きまして、先進国が行ってきたさまざまな支援措置の実績に基づいて、具体的に改善方策を考えていって合意につなげたいというふうに思っております。  これから十一月のCOP6の前に、九月にエコ・アジアESCAP環境大臣会合、それから、さらにその後、非公式の気候変動枠組み条約の閣僚の会合などがありますので、できる限りそれに参加をいたしまして、私としては、そういう機会を最大限に活用して、また各国交渉責任者方々にもお会いして交渉進展を積極的に進めていきたい、そのためにできる限りの貢献をいたしたいというふうに考えております。
  17. 大木浩

    大木委員 ありがとうございました。どうぞ引き続き御健闘をお祈り申し上げます。  そこで、今もお話がございましたけれども、各国に向かって、それぞれに京都議定書締結ができるようにということで、国内措置も進めろというのが日本立場だと思いますが、日本みずからもそのための措置を進めなきゃいかぬということでございまして、いろいろと国内措置を進められていると思いますけれども、どういう状況になっておるか。当然、またこれは国会での承認という話が出てくるわけでありますから、国会がわかったというような対策国内的にも進めておきませんと、言い出しっぺの日本がなかなかできないというようなことでは困るということです。  これは政府委員の方で結構でございますから、せっかく浜中部長、本当にミスター地球環境で数年にわたってこの問題をやってこられたわけですが、今国内措置がどこまで進んでおるのか、あるいはどういう問題があるのか、時間がありませんけれども、ひとつ概略を教えていただきたいと思います。
  18. 浜中裕徳

    浜中政府参考人 御説明を申し上げます。  ただいま大臣が申し上げましたとおり、京都議定書を二〇〇二年までに発効させる必要があるということを我が国はずっと主張してきたところでございまして、それを実現させるためには、何と申しましても、COP6において京都議定書締結可能なものとなるように国際交渉を進める、これはまず第一に必要なことでございます。それと同時に、我が国みずからもやはり二〇〇二年までに京都議定書締結することが可能となるように、目標遵守するための国内制度、これを構築することが必要であると考えておりまして、そのことに向けて準備を開始したところでございます。  もちろんその前に、京都会議の直後に、我が国としてまずとり得る対策をできる限りとっていこうということで、地球温暖化対策推進法国会でつくっていただきました。今、鋭意その施行に努めているところでございますし、また政府全体といたしましても、地球温暖化防止推進大綱を定めまして、その実施に努めているところでございます。  さらに、その先にさらに検討を進める必要がある、こういうことで、現在、環境庁におきましては、環境基本計画見直しの一環といたしまして、中央環境審議会において、地球温暖化対策のあり方につきましても精力的に御審議をいただいております。また、温暖化対策議論を一層深めていただく観点から、今月中にも、新たに地球温暖化防止対策の在り方に関する小委員会を設置いたしまして審議を開始していただく、こういう予定になってございます。  今後のスケジュールでございますが、明年一月、中央省庁の再編を控えまして、現在の審議会役割が終わります十二月までの間に、COP6の結論も踏まえながら、この小委員会において審議を行っていただくという段取りでございます。さらに、来年一月に発足をいたします環境省のもとでの新しい中央環境審議会におきまして、現在の審議会での議論を引き継いで審議をいただき、可能な限り速やかに結論が得られるように努力してまいりたい、このように考えております。  具体的な制度検討に当たりましては、自主的な取り組みでございますとか、税や排出量取引などの経済的手法、それから規制的手法など、有効な政策措置を有機的に組み合わせるいわばポリシーミックスと申しましょうか、そういうものの形成が重要、このように考えて検討を鋭意進めてまいりたい、このように考えております。
  19. 大木浩

    大木委員 ありがとうございました。  先ほど大臣お話がございまして、これから京都議定書の内容を日本としても実施しなきゃいかぬ、国内的にもちゃんとできるような体制をつくらなきゃいかぬということで、御存じのとおりに、例えば日本について言いますと、六%削減というような数字がある。数量的な目標も明示されておるわけですから、これに向かってこれから具体的にいろいろな措置を進めていかなければいかぬというふうに思いますが、この六%、先ほど大臣もいろいろなお話がございました。吸収の話とか、あるいは排出量の話とか、いろいろなポリシーミックスといいますか、あらゆるものを並べて、何とかして本当に六%を目標の年次までに達成したいということで努力しておられると思うのです。  浜中さん、今のお話で、いろいろと全体的な地球環境問題の話はわかったのですけれども、これからその六%に向けて、ちょっと税の話は後でまた大臣にもお聞きしたいと思いますが、数字について、どこまでどういうふうにこれから詰めていかれるのか。細かいことはまだ進行中ですからなかなか難しいと思いますが、それぞれについてちょっと追加していただければありがたいと思います。
  20. 浜中裕徳

    浜中政府参考人 御説明を申し上げます。  ただいままでのところ、政府の中におきましては、先ほど申し上げました地球温暖化対策推進大綱におきまして、まず、京都議定書の対象となっております六種類のガスのうち、二酸化炭素、メタン及び一酸化二窒素の三つのガスにつきまして、一九九〇年の排出量に対して二・五%の削減を目指そうということで、エネルギー需給両面にわたる対策を初めといたしまして、あらゆる努力を傾けて対策を講じていこう、こういうことでございます。  これに加えまして、残りの三つのガス、いわゆる代替フロン類などでございますけれども、これらにつきましては、オゾン層保護対策の観点から、現在使われておりますフロンからそれに切りかえていく必要がある、こういう事情もございますけれども、最大限排出抑制等に努めまして、この増加を食いとめようということでございます。その増加をできるだけ食いとめるわけでございますが、二%程度以下にそれを食いとめよう、こういうことでございます。  それは、マイナス二・五という、先ほどの三つのガスの削減に対しましてちょうど逆効果になりますので、この二つを差し引きいたしますと、ここでマイナス〇・五程度、こうなるわけでございます。  それに加えまして、吸収源はどうするか。これは今後の国際交渉という課題になるわけでございますけれども、現在のところ、京都議定書三条三項の対象になります一九九〇年以降の新規植林等によって、およそ我が国の場合〇・三%程度の吸収量が見込まれる。そしてさらに、三条四項の対象になります追加的な吸収源、これは今後の国際交渉でございますけれども、我が国の森林全体の吸収量は二〇一〇年ころにつきましてはおよそ三・七%程度と推計されるわけでございますので、そういった点も踏まえながら、今後の国際交渉におきまして必要な追加的吸収分を確保するように努める、こういうことでございます。  さらに、これで不足する分等も場合によってあるかもしれません。最大限努力するわけでございますが、そのような場合には、国際的な合意を踏まえながら、京都メカニズムというような制度も活用していくというようなところが現在の状況でございまして、それぞれいろいろ多くの難しい課題がございますが、関係省庁挙げまして、それぞれの目標の達成に向けて今最大限努力しているという状況でございます。
  21. 大木浩

    大木委員 なかなか大変なお仕事だと思いますが、どうぞひとつ頑張っていただきたいのですが、今のお話を聞いておりましても、例えば吸収の話というようなのは、これはとてもじゃないが環境庁ないしは環境省だけでやり切れる話ではございませんし、もちろんいろいろとほかにも関係各省協力を得なければ、これはとても、その六%本当にできますかという状況になりかねないというわけでありますので、また委員長にもお願いしておきますが、ほかの先生からの御質問についてまたそういったお話が出てくるかと思いますが、日本全体として、せっかくつくりました京都議定書でございますので、これが本当に日本としても実行できるようなものに仕上げていただきたいということで、ぜひとも委員会としてもひとつ御協力願いたいということを、この場をかりてお願いをしておきたいと思います。  そこで、先ほどもちょっと出ておりましたが、六%削減への達成の一つの手法として、いわゆる経済的手法というようなことでいろいろ言われていますが、その中心はやはり税の問題ということになろうかと思います。  税につきましては、一つは温暖化ガスを抑えるという方の抑止的なことを直接ねらった税というのも考えられますし、あるいは、新しいクリーンエネルギーの開発のために、もっとそういったものを促進するための税というようなことも考えられるわけでございます。  これは、実は自民党の中でも、私どもの方でもいろいろと勉強しておるようでございますし、各党もそれぞれのお立場で勉強しておられると思いますが、最近また税というものを正面から取り上げようというようなことで、いろいろな審議会等でも、少なくともひとつこれをまじめに重要な一項目として取り上げるという動きは非常にはっきりと出てきておるように思います。  そこで、私も今いろいろな勉強会に出ておるのですけれども、通産省の方では炭素税という言葉をよく使っておりますし、環境庁の方は環境税というようなことでやっておられますが、この税につきまして、今の段階で大臣としてはどういうふうにこれから取り組んでいくお考えか、なかなかこれも進行中の話ではございますけれども、ひとつ現在の状況を御説明願いたいと思います。
  22. 川口順子

    川口国務大臣 税のことでございますけれども、まず最初に、先ほど浜中部長が申し上げましたように、温室効果ガスに対応して六%の目標国内的に実施するための手段としてはいろいろな手段があって、税あるいは経済的手法、広く申しまして、経済的手法というのは、その一つとしてポリシーミックスの一端をなすという意味役割はあるというふうに思いますが、経済的な手法といっても、先生おっしゃられましたようにいろいろございまして、負担を課す措置ですとか、それからインセンティブ、優遇措置を与える政策ですとかございます。  それで、それぞれ果たす役割といいますか、得意とするところがありまして、負担を課すという意味でいいますと、価格メカニズムを活用して排出を削減していく、それを連続的にしていくという意味で非常に意味のある手法でございますし、それから、優遇措置というのは、委員おっしゃられましたように、あるものを導入してその導入を促進するというようなところには非常に有効であるというようなことだろうと思っております。  この間出ました政府の税調の中期答申におきましても、税制の活用の必要性について十分な議論が求められるというふうにされておりますけれども、環境庁では、これも先ほど浜中部長が申し上げましたように、京都議定書の削減目標を確実に達成するための国内制度構築ということで、地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会というのを設置して、検討を鋭意進めていく予定でございます。  それから、今後、政府税調等における検討状況、それから欧州の国でもいろいろな形での経済的手法の導入が行われておりまして、そういった国の状況等を勉強しつつ、環境政策全体の中で、税というのがあるいは経済的手法というのがどういう役割を果たすかということを明らかにして、その中で、目標達成のために税制がどういうふうに活用できるかということについて積極的に検討をしていきたいというふうに思っております。
  23. 大木浩

    大木委員 質問時間があと二分でございますので、最後にさせていただきますけれども、これからいよいよ十一月に、オランダのハーグで、COP6ですね、会議が行われるということで、COP6に向けて対外的ないろいろな準備、それからまた、先ほど浜中さんから話がありましたけれども、国内的にもきちっと準備を進めていくということで、全体として、これからひとつCOP6、内外での準備ということを進めていかれると思いますが、これについて大臣のまとめの所信表明をひとついただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  24. 川口順子

    川口国務大臣 私は、環境庁長官でもございますし、同時に地球環境問題を担当している大臣でもございまして、今後、国際的な合意を得るために、それから、国内的な枠組みの構築というのは、最後どういう形で国際的な合意がなされるかということにも依存して、両方、二つ考えていかなければいけないということでございますけれども、できる限りのことを一生懸命にやりたいと思っております。環境庁としても、そのために積極的な役割を果たしていく決意でおります。
  25. 大木浩

    大木委員 ありがとうございました。質問を終わります。
  26. 小林守

  27. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 環境庁長官所信に対する質問をさせていただきます、民主党の佐藤謙一郎でございます。  最初に、大臣、超低空飛行をしている森内閣の唯一の目玉、こう言われていて、あるいは一筋の光明、こう言われるわけでございますけれども、私も川口大臣に大変期待をするところ大であるわけでありますが、閣内に入られること、なかなか大変な決断が要ったのじゃないかなというふうに思います。  大臣は、国民大臣に一体何を期待されているとお感じ取りなのか、冒頭お聞かせいただければと思います。
  28. 川口順子

    川口国務大臣 お話をいただきましたときに、お受けすべきか、あるいは、ほかに選挙を通られた方の中であるいはそうでない方の中でも、私よりもはるかに適格な立派な方が大勢いらっしゃるわけでして、その中で、私のごとき者がそれをお受けしていいものだろうかということは、本当に正直悩みました。それから、私はそんなに大きな目をしておりませんので、そんな大きな目玉にもならないということもそういうことでございます。  やはり、私にもしわずかできることがあるとしましたならば、今までしてきたさまざまな経験を、特に過去七年間企業におりましたので、その経験を、普通の人の立場ということで、その発想をできるだけ仕事に反映していくことができればというふうに思ったわけでして、そういう意味で、最初の官邸での記者会見のときに、生活者の視点でというふうに申し上げたわけでございます。  そういうことで、本当に私が能力があるかどうかということは自信が全くございませんけれども、一生懸命にやらせていただきたいと思いますので、ぜひよろしく御指導、御鞭撻をいただければ幸いでございます。
  29. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 生活者の視点というのは、やはりこの環境行政にとって一番大事なことだろうと思いますし、とりわけ七年間の民間での御活動、普通の人の立場に立とう、そうした御見識というのは、私は大変すばらしいことだと思います。  ただ、残念ながら、今回の所信表明を拝見しますと、相も変わらず、僕は官僚の作文のような気がしてなりません。果たしてこの所信表明大臣は御自身のお気持ちで書かれたのか、あるいはこの中で何を特に訴えようとして川口大臣色をこの中に盛り込まれたのか、その辺についてお聞かせください。
  30. 川口順子

    川口国務大臣 所信表明で申し上げたこの内容につきましては、今、日本環境について、二十一世紀を、環境世紀を目前にして何を仕事として取り組まなければいけないかという意味では、私はここに書いてあることを考えております。そういう意味では、この中身というのは私が考えていることでございます。  ただ、一つ申し上げれば、実は若干私は読み間違ったところがあるんですけれども、日ごろ私が使う日本語では必ずしもなかったかもしれないというふうに思いますけれども、所信表明演説というのは、どの大臣も同じようなトーンというか、かたい言葉遣いでなさるものだろうと思いまして、あえてそこで普通の人の言葉を使うということも主張いたしませんでしたということでございます。
  31. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 国民が期待しているのは、実はその部分だったんじゃないかなと思うんですね。やはり、我々政治家も普通の人の言葉を使うことによって政治を身近にし、信頼を深めていくことができる。恐らく環境行政についても、国民は、そうしたスタイルだとか言葉遣いだとか、そういうところから、川口大臣は大きく変えようとしているんだなという、そうした意欲や決意を感じ取っていくのではないか。その部分は官僚に任せたということでは、国民大臣に対する期待が大きければ大きいほど、私は失望感が強まっていくのではないかなということが気になってなりません。各省庁の所信表明の中で、環境庁長官所信表明はちょっと違うぞというところから、二十一世紀の、まさに環境世紀と言われているわけですから、大臣は踏み出していただきたかったなというのが私の率直な意見です。  そこで、環境庁長官が、事あるたびに存在感のある環境庁ということを言っておられます。私は、これから地球温暖化の問題ですとかいろいろなことを質問したいと思うんですが、私自身がライフワークとしている公共事業の問題を冒頭、一、二、御質問をしたいと思います。  まさに公共事業の見直しが大変大きなテーマになってきているわけでありますが、特に、一九九七年に橋本総理が公共事業の再評価システムを導入しようということを言って、六省庁を中心として再評価の機運が高まって、一九九九年度では、ダムですとかそうした公共事業が二十一中止される、それから九十二の見直しが決まるというふうに、大きく行政自身が公共事業のむだというものを見直していこうという機運が高まったわけでありますが、残念ながら、例えばダム一つとってみると、過度の利水需要を見込んでしまったとか、あるいは地方自治体の財政の問題ですとか、そういう動機で中止あるいは見直しというのが進められていて、本来、環境保全とかそうしたところから環境庁が強く主張していかなければいけない、まさに存在感を出さなければいけないそうした問題が、どうもなおざりにされてしまっている。  私は、この間、総選挙が始まる一週間ぐらい前に、富山湾の刺し網漁の漁師の方々にぜひ来てくれと言われて、黒部川から富山湾に行ってまいりました。ヘドロの海、ヘドロの川です。これは、出し平ダムそれから宇奈月ダムから、連携排砂ということで、堆積した砂を一気に川と海に排出するために、あっという間にヘドロの海になっていて、その漁師の方々お話をしても、環境庁がもっと頑張ってほしかった、このヘドロを見てください、これが本当に日本の自然と言えるんでしょうかということを言われて、私は無念の思いで帰ってきたわけです。  非常に象徴的な公共事業で、長良川の河口堰の問題もあります。運用を開始してことしで丸五年、ゲートを上げてくれという多くの市民の期待をよそに、環境的なこうした影響は軽微である、そうした結論環境庁も追認してしまっている。まさに環境庁そのものが公共事業の見直しで主人公を演じなければいけないと私は思うんですけれども、川口大臣はこうした公共事業の見直しについてどういう御見識をお持ちなのか、お聞かせください。
  32. 川口順子

    川口国務大臣 まず、公共事業を一般的に私が思いますのは、多分、公共事業をしましょうというふうに決められた時点では、いろいろな方のいろいろな思いがあって、あるいはニーズに対する認識があってそれがスタートするということだろうと思います。ただ、時代が、時が流れ、ニーズが変わりという過程の中で、不断にそれは見直していかなければいけないものだろうというふうに私は思っております。  そのときに、環境をどういうふうにそこに入れていくか、環境庁がその側面についてどのような形でリーダーシップを発揮していくかということでございますけれども、これは私もいろいろ考えますけれども、思いますのは、一つとしては、環境というのは、日本全体、あるいはそういう意味では地球上の人全体が環境問題に取り組んでいく、それで行動していくということが必要な問題だろうと思っておりまして、確かに先生のおっしゃるように、環境庁が前面に出て、みずからアセスをして、これはいいとか、これはやめた方がいいとか、そういうやり方をするというのも一つのやり方ではあろうと思います。  ただ、私は、先ほど申し上げました、環境日本人全体、あるいは世界の人全部について考えられることが必要で、それから全員が、私も国民の一人としてはそういうことですけれども、行動することが大事だということに戻りまして考えますと、環境庁が教育ママのように前に出ていって、これはこうですよというふうに申し上げるやり方というのが必ずしもいいかどうか。それは余りよくないのではないだろうかというふうに思っておりまして、先生のおっしゃるやり方も一つのやり方として、あるいはそれをやっている国もあるのかもしれませんが、この点は、引き続き私は自分自身勉強が必要だと思っていますけれども、今は現在のアセス法の立て方でいいのではないかというふうに考えております。
  33. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 教育ママという表現を使われました。私が申し上げているのは、誤解があったら言い直さなければいけないんですが、すべての公共事業に口を出していけということを言っているんじゃないんですね。  今、日本に二千五百のダムがあります。さらに、三百のダムが今つくられ、計画され、調査されている。その二千五百だとか、例えばダムに限って言えば三百だとか、そういうところに全部何か文句を言えということを言っているんじゃなくて、私は、一握りでもいいから環境庁の存在感というものをあらわすこと、教育ママということを言っているんじゃなくて、ここはやはり自然環境を守っていくこと、あるいは生態系を守っていこうとする、そうした市民の気持ちというものを酌んで、一つでもいいからそうしたところを環境庁が見出して発言をしてくれないかという声が、私は全国七十カ所の公共事業の現場を歩いてみて感じることです。  ここで環境庁長官にお伺いしたいのは、それでは、一つでもそうした具体的な例をお持ちなのかどうか、お持ちであったらお示ししていただきたいと思います。
  34. 川口順子

    川口国務大臣 まず最初に、私、ちょっと教育ママという言葉を取り消したいと思っておりまして、私は教育ママという言葉は本来嫌いな言葉でございまして、私も母親の一人でございますので、何となくそういう意味では、ある意識を持った言葉であると日ごろ思っておりましたので、とりあえず使ってしまいましたけれども、余り使うべき言葉ではなかったというふうに思っております。  それから、それぞれが考える問題というふうに申し上げましたのは、その事業をやる事業者がアセスをみずから行うということが考え方の基本だということを申し上げたかったということでございまして、それに基づいて環境庁は御意見を申し上げるということができますし、それは万博の例とかもういろいろなケースでやっております。それから、実際に意見を申し上げたときに、それが尊重されてきているというふうに私は考えてきております。  そういう意味で、今後とも、公共事業の実施についてはしっかり現場についての勉強をしまして、事業者のなさった評価について、環境庁としては積極的に意見を申し上げていきたいというふうに思っております。
  35. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 教育ママを訂正していただいてほっとしました。やはり川口大臣もそうした官僚としてのおごりがあるのかな、公共事業で苦しむそうした市民を上から見渡すような考え方をお持ちなのかと思っていたわけですが、率直に訂正していただいて大変ありがたいと思います。  そこで、今、環境アセスについてお触れになられました。自主的に事業主体が環境アセスをやっていくんだから、そういう話でしたけれども、私は、二十一世紀に向かって、特に国際派の川口大臣世界各国を見てこられて、この自主性というものが野放しな自主性になってしまうのが日本の特徴ではないかなと思うのですね。  これは、唐突にこういうことをお話し申し上げるのは、過般の雪印乳業のああした大阪工場の問題、あれもHACCPという自主衛生管理システムというものが過って我が国に導入されて、実は、その自主衛生管理システムとまさに一緒にそうした食品検査のチェックシステムというのが別にきっちりと構築されているアメリカだからできるわけですけれども、日本は、その後段の部分が全くなしにして、自主ということ等がこうした国民の被害を大きくしていった。あるいは荏原製作所のダイオキシンの問題も、ISO14001という認証を取得していて、自主的にというその企業でありながらああした問題が起きてしまう。  そういうことを考えると、私は、環境アセス法というのは、やはり大変すばらしい面は持っているけれども、一歩進んで、これから単なる計画アセスではなくて事業アセスに踏み込んでいく、そういう段階に来ているのではないかなと思いますし、戦略アセスも含めて、そういう事業主体の自主性に何かとらわれるのではなくて、環境庁として、二十一世紀を視野に入れてもう少し前向きな議論をしていただけるものではないかな、こう期待していたわけですけれども、あくまでも今の環境アセスに、先ほどの御答弁のように拘泥されるのか、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。
  36. 川口順子

    川口国務大臣 どういう形のアセスがいいかということについては、日本では相当に長い間議論をされて今の形に今のところなっているということでございますけれども、これも、時の流れに応じ、あるいは日本社会のあり方の変化に応じて、そういう意味では、制度というのは、常に考えて、必要であれば直していかなければいけないというふうには、一般論としては思っております。  それで、アセスについて、私もまだ一カ月でございまして、まだ勉強が足りないということでございますけれども、そういう一般的な見地からいうと、常にこの制度でいいのかどうかということは念頭に置いて仕事はしていくべきものだろうというふうに思っておりますが、アセス法ができて施行になって一年ということでございますので、少しそれを動かして、その成果がどうかということを見る段階であろうかと今思っております。
  37. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 実は、環境アセス法が事業主体の免罪符、自作自演のものになっているケースを、一つここで申し上げたいと思います。  これはこの委員会でも二、三回質問をしております、和歌山の雑賀崎の下津港港湾計画についてでありますけれども、前の真鍋大臣も、一度現地に行ってくれる、そういうお約束をしていただきながらまだ実現していません。ぜひとも一度大臣にも見ていただければというふうに思うわけです。  ここで、環境庁として大変前向きな立場に立たれたという記事が出ておりますので、時間がないので簡潔に、この和歌山雑賀崎の問題、どういう計画かということをお示ししますと、和歌山市の南西部にあります雑賀崎、万葉集の歌で有名なところでありますけれども、多島空間を使った大変見事な景勝地であります。この沖合に埋め立てを含む和歌山の下津港港湾計画というものが計画をされて、これは九七年ですけれども、中央港湾審議会が、景観への配慮が不十分として一度異例の差し戻しをしたことがある、そうした計画であります。  ここで景観アセスメント、つまり景観アセスメントの問題、フォトモンタージュ事件というのが起きまして、これはどういうことかというと、和歌山県が中央港湾審議会に、下津港港湾計画資料その二という資料を提出しました。その中に、埋立予定地が実際よりも小さく見える不適切な資料写真を景観予測図として中央港湾審議会に提出をした、そうした事実が発覚したわけですけれども、情報公開をしないというのにさえ我々は大変な憤りを持ってこのプロジェクトを見守っていたのですけれども、情報公開どころか情報操作をしている。  こうしたことに対して、この中央港湾審議会計画部会というところで審議をしている。去年の七月十九日、百六十九回計画部会というところで審議されました。この中に環境庁の職員も入っておられるわけですけれども、実は、市民団体の指摘で、和歌山県はこうしたミスを認めました。先月二十八日に認めて、再審理を中央港湾審議会に求めることも含めて検討を開始したというふうに言われているわけですけれども、環境庁がなぜこれをチェックできなかったのか。そうしたことを考えて、なぜチェックできなかったのかというのが今地元で問題になっています。それに対する御見解。  それと、今月三日付の毎日新聞の和歌山県版に、環境庁の太田企画調整局長の新聞記事が出ていて、これは私は大変うれしい前向きの発言。どういう発言をされているかというと、このアセス法をやっていただかなければいけないということを明確に言われているのです。  これはどういうことかというと、この計画は埋立面積七十四ヘクタールということなんですけれども、どうも和歌山県はそれを二つに分割して、五十ヘクタール以下に分割をして、うまく環境アセスを逃れようとしているのではないかという疑念があるわけですけれども、それに対して、環境庁がぴしっと、七十四ヘクタールとしか聞いておらず、アセス法でやっていただきたい、分割という方法は聞いていない、アセス逃れのために分割するようなことは許されないというようなことを言われている。  私にとっては大変うれしい発言なんですけれども、これはそのとおりと理解してよろしいものでしょうか。
  38. 川口順子

    川口国務大臣 これのアセスにつきましては、今埋立面積が全体で七十四ヘクタールと先生おっしゃいましたけれども、この規模は環境アセスメントが必要である、太田局長、そこに座っておりますけれども、そういうふうに御理解いただいて結構でございます。
  39. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 それでは、分割しようとする、そういうこそくな手段に対しては厳しい考え方を持とうということでよろしいんですね。
  40. 川口順子

    川口国務大臣 分割自体がいけないということではないと思うんですね。もし規模を小さくするということであれば、あるいは当然小さくなるとか必要だということがあるかもしれませんけれども、この問題はそういう経緯がございますので、いずれにしても、環境庁としては、大変に関心を持ってこのアセスについてはかかわっていきたい、そういうことでございます。
  41. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 百数十ヘクタールを七十四ヘクタールにしたのは、やはり環境庁の手柄だったと僕は思うんです。分割というのは、話が変わりますけれども、ダイオキシンで問題になった埼玉県のくぬぎ山、ああいうところの焼却炉も、炉を二つに分ける、三つに分けることによって基準を逃れていく、そういう手法をこうかつにとっていった、それに法律が追いつかなかったというケースが随分あるわけですけれども、分割というものがアセス逃れのためであったらいけないというふうに私は考えておりますので、環境庁としては、これは厳しくこれからの推移を見守っていただきたいと思います。  ちょっと細部にわたって恐縮ですが、もう一つだけこの雑賀崎の問題。  公共事業は、長良川の河口堰、あるいは諫早、中海の本庄工区の干拓、川辺川、この四つぐらいが今大変大きな全国的な問題になっているわけですけれども、この雑賀崎というのは環境庁が存在感を示す一番大きな事例なんだろうと私は考えていて、ここで、実は、市民グループが違法公金支出差しとめ等請求事件というものを提起しています。和歌山県が環境調査の目的で七千二百万円を平成十二年度の予算に計上した、これは明らかに瀬戸内海環境保全特別措置法違反、地方自治法や地方財政法や港湾法の違反ということで市民グループはこの問題を提起したわけでありますけれども、この七千二百万円という環境調査の目的での予算計上が、一体何が法的根拠なのかと理解をされているか、それだけお聞かせいただきたいと思います。
  42. 川口順子

    川口国務大臣 御指摘の調査費でございますけれども、和歌山県が、大気ですとか潮流ですとか水質ですとか、そういった点について環境面の調査をする経費ということで、平成十二年度の県の予算に位置づけられたということは承知しております。  それで、今、中央港湾審議会の答申では、この件については、修景効果と関係者の合意について港湾管理者に要請をしているという段階でございますので、港湾管理者において、事業について理解を得るように努めていただくことが重要であるというふうに考えております。
  43. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 この七千二百万円というのは、細かくなりますので大臣にこれ以上質問を申し上げるのは失礼かと思いますので、この法的根拠を後でお示しいただきたいというふうにとどめさせていただきます。  細部にわたった質問で、就任一カ月余の大臣には大変失礼であったかと思いますが、それほど私もこの雑賀崎の問題にはちょっと入れ込んでおりますので、ぜひ現地を見ていただければ、大変すばらしい景観でありますし、これから景観論争というのが各地で行われると思います。そうしたマニュアル化ができていないために、こうかつな事業主体によって、そうした景観の予測図というのが市民の目をだますような形でアセスを素通りしていくようなことがあってはいけないと思いますので、その辺、留意をしていただければというふうに思います。  それで、これから大きな柱に入らせていただきたいと思いますが、環境庁の大きな法律の流れを申し上げると、一九九七年が今の環境アセス法あるいは河川法の改正、その翌年が地球温暖化の対策法であり、その次に、一九九九年にダイオキシン対策法あるいはPRTR法、二〇〇〇年に循環型社会形成推進基本法、そういう法律が一つずつ着実にでき上がってきたわけであります。  地球温暖化問題について御質問をさせていただきたいと思いますが、これは後ほど我が党の永田議員からも質問があろうかと思いますが、その中で気になっているのは森林吸収の問題なんです。  そこで、この森林吸収の問題は、ことしの五月にモントリオールで開かれたIPCCの総会で、まさに吸収源への過大な依存へ警告を発する内容が示されたというふうに聞いています。具体的には、これをちょっと読ませていただきますと、吸収源の特別報告書の中に、先進国全体が最大限に植林や土地の適正管理に努めた場合、吸収量は削減目標に匹敵するほどの量になることを示している、ですから、森林によるCO2吸収量を差し引くルールは厳格に適用する必要があると指摘しているわけであります。  私たちは、大木大臣が大変御苦労されたCOP3における我が国の温室効果ガス排出量六%削減について、森林吸収というものを過大に見積もっていたものの、三・七%というのは二〇一〇年ごろにおける我が国全体の森林等による総吸収量と推計されるものだ、実際に森林吸収と評価される部分は少ないのではないかということを理解しているわけです。この三・七%という数字を本当に国際的な社会で認められるものとお考えかどうか、そして、この三・七%という数字の計算方法や根拠というものは一体どういうものであったのか、まず、その辺についてお示しいただきたいと思います。
  44. 川口順子

    川口国務大臣 三・七%という数字でございますけれども、先ほど大木委員の御質問に対して浜中部長が御説明申し上げたようなことで入っておりますけれども、現在、吸収源の定義も含め、それからほかの、先ほど申し上げましたような京都メカニズムの使い方ですとか、その遵守ですとか、いろいろな点について、全部の点をテーブルの上にのせて国際交渉をしているという段階でございまして、どういう定義、気候変動枠組み条約関係で、最後どういうふうに落ちつくかというのは実はこれからの話でございます。  IPCCの会議というのは、私も昔出たことがございますけれども、それなりに専門家の方の集まりではございますけれども、それで決まるということでも必ずしもないというか、全部ひっくるめてどういう形の決着になるかというのが、これから国際的な場で議論されて最終的に決まっていくということでございます。  私どもは、先ほど申しましたように、科学的に適切な形で吸収源が認められるという形でCOP6での交渉にはかかわっていきたいというふうに思っておりまして、科学的に認められる範囲が何か、いろいろな、先ほど三条三項とか三条四項とか浜中が申し上げましたけれども、そういう議論過程で今議論をされているというふうに私は理解をいたしております。
  45. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 それはおかしいですね。この吸収量については、それぞれの各国が自国のデータを今月の一日までに条約事務局に提出することになっていると思うんですけれども、今の御答弁では、そんなことはもう全く無視しているかのような御答弁です。きのう現在、まだ日本政府は未提出だというふうに私は確認をしているんですけれども、なぜいまだに提出できないのか、それからまだ提出できていない数字が六%の削減計画に入っているのはどうしてなのか、その辺について御見解をお示しください。
  46. 川口順子

    川口国務大臣 提出することになっているのは、数字とそのベースになる考え方、どういう考え方、あるいはどういう定義をすればどういう数字であるということをまとめて提出するということになっているわけでございまして、この定義でどの数字ですかという設問のされ方ではないものですから、日本政府の中で、どういう定義をとるべきかということも含めて、あるいは複数の定義がまだ存在するのかもしれませんし、そういうことでただいま関係各省庁の間で議論をしているということでございまして、これが吸収源としての定義だということは、国際的には実はまだ決まっていないということでございます。
  47. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 これは、それではまだ未提出だということは確かですね。
  48. 川口順子

    川口国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
  49. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 それはいつごろ提出される予定ですか。
  50. 川口順子

    川口国務大臣 できるだけ早くというふうに思っておりまして、もうそんなに時間はかからないというふうに思っております。
  51. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 できるだけ早くというのはいつでも官僚から何度も聞かされる言葉で、普通の言葉を使う普通の人間であってほしい、やはりもう少し誠実にそうしたことに向き合っていただきたいなと思うんですけれども、では、そのときには、数字と定義とすべき考え方というものは、国民の前にきっちりと明らかにしていただけるんですね。
  52. 川口順子

    川口国務大臣 出しました後は、それは公表されるということでございます。
  53. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 やはりこれは国際信義の問題ですので、一刻も早く提出をしていただいて、国内での議論というもの、国民参加をして本当に真剣な二十一世紀の我々の未来について議論をする、そうした土俵を一刻も早くつくっていただきたいというふうに考えます。  それから、うわさを申し上げるのは大変失礼かと思うんですが、かつて容器包装リサイクル法を制定するときに、こんな逸話が今あちこちで聞かれるんです。厚生省と通産省が、その出だしにおいて大変激しいやりとりをした、そのときにたまたま厚生省の方がサントリーにおられる川口大臣意見をお伺いに行ったら、通産省がオーケーならいいわよ、そうした発言をされた、こういうわけで、これは誤解か単なるうわさにすぎないと思うわけであります。  また、大臣就任のときには、通産省の立場という御自身の出身官庁のことを離れてきちっと環境行政を進めていく、そうした決意を聞いておりますが、一つ温暖化対策の基本となる、我々は、一九九七年の京都会議のとき以来、常に国民がフレキシブルな議論をしようとしてネックになっていたのは、エネルギーの長期需給見通しなんだろうと思います。これは、国会承認というのは一切経ないで、一部の官僚と族議員とによって、あるいは一部の学者によって、我々二十一世紀のエネルギーの計画というものがつくられていくという極めて理不尽な制度であるというふうに考えております。  この需給見通しの決定に当たって、通産省だけの判断ではなくて、まさに環境と一体にこうした問題が考えられるとするならば、こうした地球温暖化対策に密接にかかわり合いのあるエネルギー政策については、国会での承認というものが必要だ、あるいは国民意見を聞くプロセスが必要だと考えておりますけれども、これは元通産官僚を離れた川口大臣として、普通の人間の言葉、生活者の立場で前向きの御見解をお示しいただければと思います。
  54. 川口順子

    川口国務大臣 まず最初に、私がサントリーの役員をしておりましたときに、私は環境担当を、まあいろいろ担当は変わりましたけれども、ずっと環境は七年間担当いたしておりましたので、容器包装リサイクル法にはサントリーの立場から非常に関心を持ってフォローはしておりましたけれども、一民間企業の一常務のところに厚生省の方が御説明にいらして意見を求められるなどということは、常識からいってあり得ないことでございまして、そういうことはなかったということを申し上げておきたいと思います。  その上、サントリーは通産省の所管の企業でもございませんし、大蔵省あるいは農水省の所管の企業でございますので、別に通産省がいい悪いということは関係がない話であるということを申し上げたいと思います。  それから、お尋ねの長期エネルギー需給見通しの件でございますけれども、私も実は総合エネルギー対策推進閣僚会議の一員でございます。そういう意味で、環境保全という観点から需給見通しについては常に意見を述べ得る立場にございまして、そういう意味では積極的にかかわっていきたいというふうに思っております。  それから、長期エネルギー需給見通しについては、総合エネルギー調査会というのが通産省にありますけれども、そこでかなり幅広く、NGOも含めてメンバーを集めて議論をしているということでございますし、さらにその議論は公開で行われているというふうに聞いておりますので、それから取りまとめの前に外部の意見聴取も予定しているということでございますので、そういう意味で、通産省が自分の意思で決めるというやり方ではなくて、外部の意見を十分に取り入れていただいて決めるというプロセスができ上がっているというふうに思っております。
  55. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 気候変動枠組み条約の第三回締約国会議を契機にして、確かにこの長期エネルギー需給見通しの扱いについては、私は一歩前進してきている、こう思います。ただ、まだやはり審議会を中心とした、役所に都合のいい、そうしたところで審議をするのではなくて、国会承認というのは必要だと思うんですが、その辺について御見解をお示しください。
  56. 川口順子

    川口国務大臣 一般論としてですけれども、どういうものを国会承認が必要だということにするかということは、いろいろな考え方があると思いますけれども、例えば循環型社会形成推進基本法では、基本計画について国会に報告をするということになっておりまして、私の理解では、環境基本法については基本計画はそうはなっていない。そういう政府のやっているいろいろな見通しなりあるいは計画の位置づけというのは、全体としてそういう感じで動いているということでございますので、これはむしろ私がお答えすることではなくて、通産省の問題でありますので、どなたが来ていらっしゃるかどうか知りませんが、それは通産省にと思いますけれども、環境庁のやっている仕事でいえば、国会に何を御承認いただくあるいは御報告するかというのは、そういう物事の性格がそういうことになっているということでございます。
  57. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 一般論での御見識は伺いましたけれども、私、今非常に残念だと思うのは、この問題は通産省の問題だとこれはだれが決めたんですか。確かに所管は通産省です。だけれども、縦割り行政の弊害が叫ばれていて、エネルギーの需給見通しについては大変、各方面から、何でエネルギー政策を一元的に所管している通産省だけが決めることなんだ、環境というものもしっかりとその中に入り込む、そういう問題じゃないかということで、縦割り行政が批判されている世論に、まさに今はさお差すように、それは通産省の問題じゃないかと言われてしまったら、やはり普通の人間じゃなかったのかな、生活者の視点じゃなかったのかなというふうに言われてしまうかもしれない。  一般論の見識は私も伺いましたけれども、もう一度質問させていただきます。このエネルギーの長期需給見通し、国会承認についてどうお考えか、お願いします。
  58. 川口順子

    川口国務大臣 申し上げ方が十分でなかったかもしれませんけれども、先ほど申しましたように、長期エネルギー需給見通しについては、環境庁も、私もその推進本部の一員として、それからその議論自体がオープンな形で行われているわけですので、十分に意見を申し上げることはできますし、それはしていこうと思っております。  ただ、長期需給見通しは、それを国会承認にすべきかどうかというのは、恐らくまず一義的に国会の方でお決めいただくお話でもあろうかとも思いますし、役所の中では環境庁がそれをつくるという立場ではございませんので、環境庁は御意見を申し上げるということでございますので、それぞれつかさつかさがあって、私が通産大臣にかわって、そうしますとかそういたしませんとか申し上げる立場ではないということでございます。
  59. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 実はそのとおりの問題なんですね。ですから、普通の大臣であれば、これは国会が決めることとぽんと突っぱねてしまうところなんですけれども、今いろいろと大臣が御自身のお気持ちをお伝えいただいたことは、大変ありがたいと思っています。恐らく大臣立場で、こういう質問に対して、私も国会承認が必要だと思いますなんということは到底言えることとは思わない。だけれども、やはりそこに至る過程のいろいろな思いだとか葛藤だとかをこうやって御披瀝していただいたというのは、私は非常にうれしいことだと思っております。  どうかこれから、つかさつかさという言葉、私はもう国会審議で嫌というほど聞かされて、ぞっとする言葉なんですけれども、やはりそれを超えた川口大臣になっていただきたいというふうに考えております。  それで、時間が余りなくなってまいりましたので、次に、遺伝子組み換え作物について一つ質問をさせていただきたいと思います。  これは、日本が余りにも国家戦略といいますか、哲学というものがないなと国民の多くが感じている問題なんですけれども、さきのサミットでも、この遺伝子組み換え問題は三十分ぐらい激しい議論があったけれども、森総理はとうとう一言も発言をされなかったという大変寂しい事態があるわけです。  私は、今WTOと、それから、ことしの一月に生物多様性条約のカルタヘナ議定書のあのそれぞれのやりとりに、激しいアメリカとヨーロッパの戦略というもののぶつかり合いを見て、背筋が凍るような思いでずっとその交渉を見守ってきました。  例えば、この問題については、予防原則をとるEUと、この食品が人体あるいは生態系に影響があるならそれを証明しろというWTOの土俵に乗ったアメリカの戦略とが激しくぶつかってきているわけです。どうも日本は、こうしたメッセージというのか、そういうものがなかなか伝わってこない。それはそのはずで、どうしていいかわからないわけですから。  私は、これから二十一世紀日本というのは、予防原則というのは非常に大きなキーワードになろう。この予防原則という、おかしいと思ったら立ちどまるという姿勢が、私は、環境庁環境省に昇格したときの一つの背骨になるべきである、そういうふうに考えているわけでありますが、一例を挙げると、環境ホルモンのカンザス牛をめぐるアメリカとEUの闘い、これは結局、WTOに提訴されてアメリカが勝ったわけですけれども、それにもかかわらず、EUは課徴金を払ってでもそのカンザス牛の輸入を拒否している、そういう強固な意志のようなものをこれから私は川口大臣に随所でお見せいただければ、そういうふうに考えるわけです。  時間がないので一点だけ。遺伝子組み換え作物については、害虫抵抗性を持たせているわけですが、その遺伝子組み換え作物には毒素たんぱく質をつくる遺伝子が組み込まれているわけですね。実は、この毒素たんぱく質は、哺乳類には影響がないと今言われているわけですけれども、標的とされている害虫以外の昆虫に影響を与えて、絶滅のおそれのある貴重な生物に対する脅威となる、そういうことが指摘されて、去年の五月にネーチャー誌で発表された論文が瞬く間に世界各国を駆けめぐって、今や輸出国であるアメリカも作付面積を二割減じなければいけないという事態にまでなっているわけであります。  こうした数多くの危険性のある遺伝子組み換え作物に対する我が国の安全性確保のための対策は、今は法律による規制ではなくてガイドラインによっているわけですけれども、今後、法律によった規制というものを検討する用意があるんだろうか。これは環境庁の問題だけではもちろんありませんから、大臣の所管としてのお考えを超えてお答えをいただきたい。  また、生きている改変された生物、つまりLMOの国境を越えた移動等に係る、先ほど申し上げましたカルタヘナ議定書の批准に向けて国内措置整備がどういうふうになっているのか、その辺についてお答えをいただきたいと思います。
  60. 川口順子

    川口国務大臣 おっしゃるように、日本は、遺伝子組み換え作物の利用については、農水省の指針に基づいて安全性の確認を行っているということでして、環境庁立場はこれに協力をしていくということでございます。  それで、環境庁としては、そういう遺伝子組み換え作物の生態系への影響というのがどうなっているかということが環境庁が中心になってやるべき事柄でございまして、それについては今までも、十分ではございませんが、調査研究を進めてきまして、これはかなりの人員、期間あるいは費用がかかる話でもございますけれども、これからも極力知見を集めて勉強をしまして、環境への影響を未然に防ぐという立場で対応していきたいというふうに思っておるということでございます。  それから、カルタヘナ議定書に関しましては、各関係省庁の連絡会議というのがありまして、その批准に向けて、法規制の必要性等について今検討をしているところだということでございまして、先ほど申しました生態系への影響、生物多様性への影響という観点から、積極的にかかわっていきたいというふうに思っております。
  61. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 ぜひとも、こういうところで、日本の健康と安全を次の世代にバトンタッチするために、きっちりと環境庁が果たさなければいけない役割というのは大きいんだろうと思うんですね。前向きにという御答弁をいただきましたので、大臣にそうした取り組みにさらに積極的にかかわっていただけることを御期待申し上げたいと思います。  それで、最後に、去年は、ダイオキシン類対策特別措置法ですか、あるいはPRTR法、こういう法律が成立をして、ダイオキシンとか環境ホルモンだとか、化学物質に対して非常に国民関心が高まってきた。  これは、今の特別措置法だけではまだまだ不十分だというようなこと。あるいは、PRTR法が、いわゆる業所管官庁と企業、事業者との縦の関係、つまり、業所管官庁が補助金や許認可権でぐっと押さえ込む、そうした手法に対して、我々民主党は、そうじゃないんだ、リスクコミュニケーションを中心とした、事業者がすべての情報を公開して、住民と一緒になって有害な化学物質をどうやって減らしていったらいいかということを話し合いながら、信頼関係を結びながら、有害化学物質の問題に取り組んでいこうという姿勢をぶつけて、つまり垂直論と水平論がぶつかって、結果としては政府・与党が出した内閣法が通った、修正されましたけれども、通ったわけです。  今、私の地元横浜で大変大きな問題が起きております。これは、二〇〇二年にサッカーのワールドカップの決勝会場となる横浜国際総合競技場にまさに近接する、そこが含まれる遊水地で、その土壌から一グラム当たり二千三百ピコグラムという大変高濃度のダイオキシンが検出されました。昨年の三月のことでありますし、もう既に一年有余たっているわけでありますが、同様に、PCBあるいは水銀、鉛といったものが次々と検出をされた。  このために、横浜市と建設省は大慌てで、それは二〇〇二年のワールドカップが実現できなくなったら大変だということが優先をしていて、地域住民の健康被害ということよりも、何とか早く処理しようということで、建設省の関東地方建設局の京浜工事事務所が中心になって土壌汚染調査というのをやって、昨年の十一月に結果を公表した。大変深刻な状態になっているわけですけれども、その京浜工事事務所が鶴見川多目的遊水地土壌処理技術検討委員会というのをつくって、今適切な措置について検討している段階であります。  これを横浜市の環境保全局は、廃棄物であって土壌ではない、こう言っているわけですね。したがって、ダイオキシン類対策特別措置法に該当しないというようなことを言っているわけでありますけれども、これは紛れもなく、その近くで横浜市民が散策をしている、あるいはその中を通る用水路のすぐ下流で釣りをする人たちもいる。しかし、その危険性は一切表示されていない。また同時に、この多目的遊水地は完成をすると親水公園として計画されている。そうした場所であるにもかかわらず、建設省は、何とかこれをすべて無害化処理をする計画を立てているというような方向で進んできているわけであります。  これだけ環境問題が騒がれ、去年、ダイオキシン環境ホルモンだ、そうした議論があった中で、環境庁は沈黙を続けているとしか思えない。  その第一点として、なぜこの委員会に入ろうとしないのか、あるいは入ろうとしたけれども拒絶されたのかどうか、その辺の事実関係をお示しいただきたいと思っております。  それと同時に、去年の三月に、今申し上げましたように、高濃度のダイオキシン汚染というものがわかったわけでありますけれども、去年の三月から環境庁はこの問題に対してどういう対応、努力をしてこられたのか、その辺について御答弁をお願いいたします。
  62. 川口順子

    川口国務大臣 今の鶴見川の多目的遊水地の話でございますけれども、その問題の存在、その問題はよく承知をいたしております。  それで、先生おっしゃられましたように、建設省で検討委員会を設けて適切な処理方法の議論をしているというふうに聞いておりますし、現在、生態系や底質、底の部分の補完調査が必要だということで、十月にまた再検討が行われる予定になっているというふうにも聞いております。  環境庁が中になぜ入らないのかということでございますけれども、これは、神奈川県、横浜市、それから建設省の京浜工事事務所、要するに地域の問題でございまして、そこの検討会には環境庁は国の立場で入るということはしていないということでございます。  では、環境庁は何もしていないのかということでございますけれども、これは、今までも報告を受けて必要な技術的な助言はずっと行ってきておりますし、今後もそういう必要がございましたら、常にいつでも助言をしていく用意を持っております。
  63. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 そういう受け身の考え方が、国民環境庁に持っている期待をさらに遠ざけていってしまうのではないかな。  言われていることはもちろんわかります。それが精いっぱいのことなのかもしれませんけれども、なぜ一歩進んで、これは京浜事務所がやっている検討委員会なんだから県と市と建設省がやればいいんだじゃなくて、オブザーバーでもいいから、去年はダイオキシンだとか環境ホルモンだとか、そうした法律を我々はつくってきたんだ、どうかそうしたところに我々も入れるべきではないか、そういう提案がなぜできなかったのか。あるいは、これは廃棄物であって土壌じゃない、こう言い張っているのは一部の考え方であって、それは、ダイオキシン類対策特別措置法に該当させないためにそう強弁しているとしか思えないんですね。  ですから、もう少し前向きに、求めに応じて助言をするということから一歩進んだ環境庁が必要なんじゃないか。  時間がありませんので、最後に、先ほど、これはすべて無害化処理をする計画を立てているということでありますけれども、現在の技術では無害化できない、なかなかこれは難しい、ほとんど半永久的に現地に封じ込める、そういう考え方じゃないかというふうに思いますが、そういう考え方に対して、その方法論的な問題点に対して、環境庁は一体どういう見解をお持ちなのかをお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  64. 川口順子

    川口国務大臣 その点でございますけれども、技術の進歩というのは時に応じてしていくということもあると思います。  それで、無害化が完全にできる、できない、かなりその技術の検討は今進んでいるわけでございまして、そういう意味では、どういうことを神奈川県あるいは建設省でお考えになるかということをきちんと伺った上で環境庁検討させていただきますし、現時点で何かが永遠に不可能だということも言えないというふうに思っておりますので、検討をさせていただきたいと思います。
  65. 佐藤謙一郎

    ○佐藤(謙)委員 これで終わります。どうもありがとうございました。
  66. 小林守

  67. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 大臣の先ほどの所信表明に対しまして質問させていただきます、民主党の鎌田さゆりでございます。どうぞよろしくお願いします。  まずお伺いしたいのは、すぐれた企業人でもいらっしゃり、あるいはまた聡明な一人の女性でもあられる大臣としての覚悟のほどについて、まずお伺いをしたいと思うんです。  突き詰めれば、あらゆる命を守って、そして未来に継承するという私たちのこの仕事、そういうものに対して危うい姿勢を突きつけてくる、そういうところとは対峙をして、そして時として闘わなければいけないことがあろうかと思います。大量生産、大量消費からの転換、あるいは生命優先という言葉も、半ば美辞麗句のように躍っているかのような現実が私はあろうかと思います。  経済のプラス成長とは違うところに真の豊かさがあるのだ、そういうことを国民が実感できるシステムをつくり上げるためには、相当の覚悟がなければやり抜けないのではないかと思いますが、大臣の覚悟のほどについてお聞かせをいただきたいと思います。
  68. 川口順子

    川口国務大臣 二十一世紀環境世紀だというふうに言われておりまして、おっしゃられたように、今までの大量生産、大量消費、大量廃棄という生活の枠組みが変わっていかなければならないというふうに私も思っております。それで、循環型社会形成推進基本法という法律もできておりまして、実際にその社会の構築に向けての努力をこれからしていかなければいけないというふうに思っております。  私は、個人的なことをこの場で申し上げるのはふさわしくないと思いますけれども、環境問題は、ここ十年近く何らかの形で、いろいろ異なった立場ではありますけれども、かかわり合いを持ってまいりまして、非常に重要な問題だというふうに一個人として思っておりますし、そういう意味で、何らかの形でずっとかかわり合いを持っていきたい問題でございます。  私は非常に非力で、本当に力はない人間ではございますけれども、環境問題は重要でございますし、持続的開発ということも必要だと思っておりますので、そのために、非常に小さい力ではありますけれども、持っているものでベストを尽くして環境行政をやっていきたいと思っております。
  69. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 今お話しの中に、非力という言葉が使われて、非常に御謙遜なさっていらっしゃるようにお聞こえをいたしました。私は全然そんなふうには感じておりませんで、これから環境省にこの環境庁が変わる、その目前に大臣に就任をなされた企業人として、そしてまた大変すばらしい見識、経験を積んでこられた川口大臣に対して、私は心から御期待を申し上げております。  そして、特に、環境問題に現場で取り組んでいる方たちは相当の覚悟を持って臨んでいるということをぜひこの機会に改めて御認識をいただき、その覚悟というものを、この国の環境行政のトップにつかれた新大臣、ともに抱いていただけるように、お願いを再度申し上げたいと思います。  それをお聞きした上で、ちょっと細かくお聞きをしていきたいと思うんですけれども、関係なさるところでの御答弁をお願いいたします。  大臣所信の中にもこれからが正念場と位置づけられておりますように、循環型社会形成推進基本法、これに関連する法制度の着実な推進というものは不可欠である、そういうお考えは伝わってまいりました。ですけれども、細部に目を向けてみますと、いわゆる法の抜け道と称しても過言ではない部分が幾つかあるように思います。  そこで、二、三お伺いをいたします。  まず、改正になりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律を初めとして、この法改正において、処理施設についての生活環境影響調査、これを住民が縦覧をするシステムができ上がりました。ただ、縦覧をした結果、住民が事業者に対して意見を述べ、あるいは質問を突きつける、そういうことに対して、事業者の回答義務というものが設けられておらないと思うんですけれども、私は、この住民からの意見に対して、事業者としての責任ある回答義務、これを設けるべきではないかと思うんですが、御答弁をお願いいたします。
  70. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 廃棄物処理施設の生活環境影響調査に関するお尋ねでございますけれども、この仕組みは、ただいま御指摘のとおり、平成九年の廃棄物処理法の改正によりまして設けられたものでございまして、地域の生活環境保全への適正な配慮がなされているかについて審査する際の基礎ということで、許可申請書に生活環境影響調査調査書を添付させる、あるいは関係住民からの意見書の提出をすることができるというふうな規定を設けたところでございます。  このうち、廃棄物処理施設のうち、最終処分場と焼却施設の審査に当たりましては、告示縦覧を行うとともに、都道府県知事に対する利害関係者の生活環境保全上の見地からの意見を踏まえて、都道府県知事が審査するということになっているわけでございます。  生活環境影響調査という意味ですが、こうした一連の手続を通じまして、住民意見を踏まえ、地域の生活環境保全というものに配慮された施設でなければ許可しないというような枠組みを用意したものでございまして、今御指摘のように、個々の意見について事業者に回答の義務を課しているものではございませんけれども、そういう手続を通じて、住民の意見が反映された施設の許可がなされるということを期待しているものでございます。  これからも、廃棄物処理施設の安全性、信頼性の向上に向けて適正な審査が行われますように、引き続き地方公共団体に対する指導支援には努めてまいりたいと思っております。
  71. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 今、住民の意見が反映されるように、その審査の際にはその意見をよく体するようにするというお答えだったと思うんですけれども、そのことによって、意見を申し述べた地域住民の方々に私たちの意見が反映されていると感じてもらえる、厚生省の皆様はそういうふうなお考えがあって今のようなお答えになるんでしょうか。  私は、住民が事業主に対して抱いた意見、疑問というものに対して、別に事業者が回答義務を持たなくても、どちらかの公的な機関が、あるいは事業主が責任を持って住民に対して直接答えるということが大切なのではないのでしょうかということを再度申し上げた上で、ぜひそういうシステムを設けるべきじゃないかと思うんですが。
  72. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 今申し上げましたように、生活環境影響調査という仕組みというのは、関係機関、関係者からの意見を踏まえて適切な計画にするということを目的としたものでございます。  当然、関係住民の意見というものはその中に尊重されるべきだというふうに申し上げたわけでございますけれども、すべての意見に対して個々に回答して、そこでネゴシエーションを成立させてというようなことを考えているわけではございません。  といいますのは、いろいろな御意見がございますし、対立する意見というのもあるわけでして、そこは、いろいろな御意見に対して行政当局がそれなりに判断をして、総合的な考え方のもとで最終的な可否を決めるわけでございますので、それぞれの個別の意見を申し述べた人たちに対して意見を調整して、完全に了解するまでは施設を許可しないということではないわけでございます。  ただ、これは極めて常識的な話だと思いますけれども、意見が出されたところに対して、どういう考え方で許可あるいは不許可をしたかということについては当然情報が公開されるものだと考えておりますので、そうした形をもって個々の意見提出者に対する回答ということにはなるのではないかと思います。  また、そういうことを十分情報公開して、いろいろな御意見に対して答えるようにということについては、私どもとしても情報の提供なり指導なりというものを強化していきたいというように考えております。
  73. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 この点についてはここぐらいまででとどめたいと思うんですけれども、ただ、そこに関連をして、ぜひ申し添えた上でちょっと御提言をさせていただきたいのですが、今現在、事業者が生活環境影響調査をする際、事業者みずからが行うか、あるいは事業者が委託をした民間のそれなりのところがその調査を行うというこの仕組みの中で、住民が意見を出す、あるいは返ってくる答えに不満を持ったりするのは、私、当然だ思うのです。  なぜなら、全くの公平公正な第三者機関がそういう調査を行い、チェックをするのじゃなくて、そこの事業者みずからがやったり、事業者と何らかのつながりのあると思われる民間のところがそういう調査を行う、そして、それが審査の段階で調整されていくということ。こういう仕組みのところから、住民の方々が疑問を抱いたり不信を持ったりというところにつながっていくのではないかと私は思うのです。  ですから、今、こういう仕組みの中ででき上がってくる調査というもの、あるいはそういう流れ、事業主がみずからやる、あるいは事業者が選んだところが調査を行う、こういったところに対しての信頼性あるいは正当性といったものを容易に認めるべきではないと私は考えるのです。  そして、先ほど申し上げました第三者機関によるチェックというものが必要ではないでしょうかということを御提言申し上げ、この点につき、お答えいただきたいと思います。
  74. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 ただいまお話がありましたように、生活環境影響調査自体は事業主がやることになっておりますけれども、都道府県知事が施設の設置を許可するに当たりましては、生活環境影響調査等が周辺地域の生活環境保全について適正な配慮がなされたものであるかどうかということについて、専門的知識を有する者の客観的な意見を聞くという規定を設けているわけでございまして、その段階で、いわば中立の専門的な意見が反映されるというふうに考えております。  今の仕組みの中では、全く当事者の言い分だけを聞いているということではなくて、専門家の意見を聞いた上で都道府県知事が適正な判断をするという枠組みになっておりますので、私どもとして、現段階で第三者機関を設けるというふうな仕組みを新たに導入するということは必ずしも必要ではないのではないかというふうに考えております。
  75. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 わかりました。  ただ、現場では、国で考えているような現状ではないところが非常に多いということだけは申し添えて、この質問は区切りたいと思います。  次に、マニフェストについてお伺いをいたします。  大臣所信の中でもその深刻さというものを御認識されておられますけれども、不法投棄防止の解決策の一つとして、マニフェストの有効性をどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。  現実は、自社処分と、許可を持たない業者が不法投棄に及んでいるケースが大部分で、そして、前者の自社処分におけるところではマニフェストは発行しませんし、あるいは後者の許可のないところは、もちろん県に報告などはしておりません。よって、私は、このマニフェストによる有効性というものを、これから先考え直す必要性があるのではないか、その時期に来ているのではないかということを申し添えて、質問したいと思います。
  76. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 マニフェスト制度は、排出事業者が処理業者に委託した産業廃棄物が適切に処理されたことを管理票の返送を受けて確認するということによりまして、適正な委託処理を確保するということを目的とした制度でございます。  マニフェストの効果ということでございましたが、今までの例で申しますと、不法投棄の事例がいろいろございます。こうした不法投棄の事例につきまして、投棄関係者への立入調査を行った結果、マニフェストによって不法投棄ルートが解明されたというふうな事例もあるわけでございまして、私どもとして、不法投棄対策の有力な手段としてマニフェストを位置づけているということでございます。  また、さきの通常国会におきまして廃棄物処理法の改正を行ったわけでございますけれども、この改正によりまして、マニフェスト制度を強化いたしまして、最終処分されるまでの流れを確認する義務を排出事業者に追加したということ、それからマニフェストの不交付とか確認義務違反に対して罰則を強化した、それから措置命令の対象者として確認義務違反者を追加したというふうな措置を講じたわけでございまして、こうした措置によりまして、不法投棄防止対策という意味でのマニフェストの有効性がさらに高まったというふうに考えているわけでございます。  ただ、マニフェストだけで不法投棄防止対策ができるというふうに考えているわけではございませんで、ほかの手法も不法投棄防止対策の中には組み合わせてはおります。  例えば、マニフェストのほかにも、不法投棄を行った者に対する罰則とか、無許可業者に委託した場合の排出事業者に対する罰則というのが設けられております。この罰則は五年以下の懲役もしくは一千万円以下の罰金、法人両罰規定では産廃は罰金一億円というふうな非常に高額の罰金を規定しているわけでございまして、こうした罰金制度。それから、不法投棄が行われた場合に、不法投棄原因者に対して原状回復措置を命ずるというふうな規定もあるわけでございまして、こうした仕組みによりまして不法投棄防止が図られるというふうに考えているわけでございます。  それからさらに、不法投棄の監視ということももちろんあると思います。  先ほどのマニフェスト制度それから罰則あるいは措置命令というものに加えまして、不法投棄が行われないようにパトロールをして監視するというようなことも有力な方法だと考えております。現実に、都道府県等におきまして不法投棄パトロールとか、住民からの通報に対応するための不法投棄一一〇番とか、あるいは住民の方を不法投棄監視連絡員という形で委嘱して協力していただくというふうな仕組みを設けているわけでございまして、また国としてもこうした仕組みに対しては支援を行っているわけでございます。  今後とも、都道府県、警察等と連携を図りまして、こうしたさまざまなツールを活用いたしまして、不法投棄に対して厳正に対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  77. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 この不法投棄という問題については、半ばイタチごっこのようなところがあろうかと思います。でも、やはり考えられるべきことは、一つでも、少しずつでも始めていかないと、なかなか効果が上げられない。  大変申しわけないのですけれども、私は地域に戻って自分の環境のNPO活動をすると、いろいろな業界、電機業界の方、建設業界の方、いろいろな方とお話をすると、マニフェストで何か、表現が不適切かもしれませんが、足がついたような仲間がいれば、何どじをやっているんだというぐあいでしか見ておらない。  そして、今回厳しくなって、さらに抜け道を探し出そうとしている方が逆に後を絶たないという現状で、私の立場からはそういったものを助長するようなことはもちろん言えませんから、相対する立場意見になってしまいますけれども、現実には、地域の現状では、マニフェストというものを非常に甘く見くびるような目で見て、そしてこれをまた乗り切ろうという方々もたくさんいるんだということを踏まえた上で、ぜひまた違った考え方、視点というものを持っていただきたいなと思うのですが、今の視点については後ほど触れますので、そこでまたお願いします。  原状回復というのが今ございました。原状回復の費用負担についてなんですけれども、基本的には県が負担をして、そして産業界それから国がそれをサポートするというふうな仕組みになっていると思います。  私は、この費用の分担の割合について云々ということはお聞きをするつもりはないのですが、まず初めに県がありきというところ、地元の自治体としての都道府県の県、そういう考え方をここに示しているということについて、基本に流れている考えというものをお聞きしたいのです。
  78. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 廃棄物不法投棄が行われたような場合には、これの原状回復に対する責任は当然その不法投棄を行った者にあるわけでございまして、あくまで不法投棄を行った者を探し出してその人に費用負担をさせるということが、この仕組み、原状回復の基本的な考え方だというふうに考えております。  ただ、現実問題として、不法投棄を行った者がだれかよくわからないというようなことがあります。それからまた、不法投棄を行った業者が判明したとしても、その業者が倒産してしまって原状回復のための費用負担ができないというふうなこともありまして、そういう場合にそれを放置しておきますと、生活環境保全上の被害が拡大して地元の住民に影響を与えるということにもなりかねないわけでございます。  そうすると、だれがその対応をするかということになるわけでございますけれども、産業廃棄物の適正な処理が行われるように適切な措置を講ずるというふうな責任を都道府県知事が負っているわけでございますので、この場合には都道府県知事が原状回復を行うということが適切ではないかというふうに考えているわけでございます。  ただ、都道府県の費用で原状回復をするということは、もともと投棄者がだれかいるわけですから、それを税金ですべて賄うというようなことについては、これはおかしいだろうという話になるわけでございます。ただ、産業界の負担を求めるとしても、産業界の中でも特定の業者がそれに関与しているのに、すべての産業界が全体でそれを負担するというのもおかしいんじゃないかというようなこともございます。  しかし、そこのところはいろいろな議論があるわけでございますけれども、地元の感情の問題だとか県民感情の問題だとか、それから排出事業者である企業の自覚を促すとかいうようなことも、いろいろなことを考えまして、事業主体としては都道府県知事が行うけれども、都道府県の負担をできるだけ軽減するために、国も支援をいたしましょう、それから、当然今一端の責任を持っている産業界からも応分の負担、これは実際には半分になるわけですけれども、そういう負担をさせましょうということでこの仕組みを立ち上げたところでございます。  費用負担のあり方についてはいろいろな御議論もあろうかと思いますし、私どもの中でもいろいろな議論をしておりますけれども、様子を見ながら、その実態にそぐわないところがあれば、それは考え直していくというふうなことはやぶさかではないと思いますが、これは平成九年の法律改正によってでき上がったばかりの制度でございますので、まずはこの制度を適切に活用して、生活環境保全の支障が生じないように努めていきたいというふうに思っております。
  79. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 今、後段の方で、見直しを随時行う必要性があるというようなニュアンスの言葉がありましたので、ここでとどめますけれども、基本的に県が、基本的に地元の自治体がというところの考え方自体に私は異論を申し上げたいなというところで、どうしてそういう考えを持つのかということをお聞きしたんです。  というのは、結局は、そういう不法投棄の問題、あるいはそれによって原状回復をしなくちゃいけないときに、お金を出さなくちゃいけないところ、行政が何とかする、そこに住んでいる人たちみんなで出し合っている税金が源になっているとはいえ、やはり最後はお役所が何とかする、そういう考え方というものが、地域住民あるいは日本全体、一般国民方々の中に芽生えていってしまう。いや、逆にもう今芽生えているのではないかなと私は思うんですが、そういった考え方自体を今ここで改めていかなくちゃいけないのではないかという私の意見をもとにそういうことをお聞きしたということです。ここについても次の次でお聞きしますので、とどめます。  次に、一Rから三Rへの進展と具体的にきちんとうたっている資源の有効な利用の促進に関する法律は、私は、三Rへ進歩をしたというふうに率直に評価をして受けとめた上でお伺いしたいと思うんですけれども、やはり私は、リサイクル一辺倒ではなく、リデュース、リユース、こういったものが国民生活に浸透して、そして定着をしていくことが最も大切じゃないかと考えています。それには、日々の暮らしの中で消費者自身がリデュースの必要性を実感できる仕組みを私はつくらなければいけないと思っています。  それから、資源循環促進に向けた経済的な誘導策というものも、国が率先して国民にあるいは企業側に示していく必要性があるんじゃないかと思うんです。いい方策を考えて新しいアイデアを生み出していって、そして、資源循環に期そうとして、期するような仕組みを考えて動き出そうとした企業、そういう活動がなかなか利益につながらない、あるいは、正しい、まじめなことをやっても損ばかり見てしまう、そういう経済構造の仕組みの中では、やはりこういうすばらしい法律をつくった、では、これに対して経済界も協力してといっても、なかなかそこに追いついてこれない現状というものは、国としてきちんと理解をしなければいけないと思うんです。  そこで、このリデュース、あるいは、経済界もそこにきちんとそぐうような形で感じられるように、デポジットの法整備というものを具体的に実効性のあるものとして急ぎ進めなければいけないと考えるんですが、いかがお考えでしょうか。
  80. 遠藤保雄

    遠藤政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のデポジット制度でございますけれども、これはいわゆる経済負担を課す措置の一つでございまして、循環型社会形成を図る上で非常に重要な政策手段、こう認識しております。  さきに成立いたしました循環型社会形成推進基本法においてでございますけれども、その二十三条二項におきまして、国民負担を求めるものであるという点を踏まえまして、一つは、こうした措置の効果とかあるいは経済に与える影響を適切に調査研究する、二つ目には、このような措置を導入しようとするときは国民理解協力を得るよう努める、こういうふうに規定されたところでございます。  したがいまして、環境庁といたしましては、この規定の趣旨を踏まえまして、制度の効果に関する調査研究を早急に推進するということで、既に本年度、ミレニアムプロジェクト予算を用いまして、欧米のリサイクル先進国における経済的措置の導入状況調査するための作業に着手いたしました。  私どもとしましては、制度検討に当たりまして、このような調査研究の成果をまずは得るということに全力を挙げたいと思います。そして、これをベースに国民理解協力を得つつ、どんな対応、方策があるか検討を進めていきたい、こう思います。
  81. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 このデポジットという問題については、行政側だけあるいは学識経験者の方たちが世界からとる情報とか、そういったものだけではなく、やはり企業界の方々合意あるいは同じ認識というものも必要になってくると思いますので、このデポジットの法整備を進めるということについて、大臣御自身イメージを何かお持ちでしょうか、あるいはそういうことを検討しなくちゃいけないなというふうにお感じになったこと、以前の企業の立場にあったときでも結構です、お持ちになったことがあるかどうか、ぜひ大臣の御答弁を求めたいと思います。
  82. 川口順子

    川口国務大臣 循環型社会形成していくためにやるべきこと、やればいいことというのは一つだけではありませんで、たくさんあると思います。それから、企業の方も、今環境保全にきちんと対応していく企業が立派な企業であるという認識は非常に広く広まっていると私は思っておりまして、もちろん全部の企業がとは申しませんけれども、主要な、いわゆるいい企業とされている企業はみんなそういう立場で、環境報告書をつくったり、何を企業としてやるべきかということで検討をしていると思っております。  そういう中で、デポジットはそういうツールの一つとして、恐らく関係する業界でも、それがどういう役割を果たすのか、環境保全にどういうふうにそれがいいのかというようなさまざまな観点から勉強をしているというふうに私は思っております。そういう研究は企業の立場でもやるべきことであろうというふうに思っております。
  83. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 わかりました。その研究を、これからというところもあろうかと思いますけれども、ぜひ環境庁一丸となって世界からの情報を取り入れて進めていただきたいということを要望して、これは終わります。  時間がありませんので、一言一言で聞いていきたいと思います。  大臣、自動販売機をよく利用されますでしょうか。
  84. 川口順子

    川口国務大臣 たまに利用いたします。余りそういうものを私自身は飲んでおりませんので、それから、外を余り歩いていませんので、余りそういう時間がないんです。
  85. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 ここで伺いたかったんですが、意見だけを述べて、自動販売機について申し上げたいと思うんです。  この自動販売機、日本国内非常に多いということは、もうだれもが知るところだと思うんです。五百四十万台以上にも及ぶ自動販売機で、自動販売機一台があれば、それが一カ月動いていればそこに一軒のうちがあるのと同じくらいの消費電力量を使っているということ、この点については、やはり環境面あるいは地球温暖化防止というところからも、自動販売機が余りにもあふれているというこの国の現状をこれからぜひ考えていく。五年計画、十年計画でもってその台数を、はっきり申し上げれば減らしていくような努力というものを、環境庁として、いずれは環境省として企業側に求めていく必要性があるのではないでしょうかということをここで要望として申し上げるだけにしておきます。  最後に、環境教育についてお伺いをしたいと思います。  まず、既に委員会、庁内でもいろいろ議論が進められておるところのようですけれども、政務次官に伺いたいと思います。  幼児期あるいは初等教育における環境教育の重要性と、それとまた相反するところで、高等教育に進むにつれて、議論に基づく環境教育、非常に希薄になっていると思いますが、いかがお感じになっていらっしゃるでしょうか。
  86. 河合正智

    河合政務次官 鎌田委員が、市民運動のリーダーとして、また市議として御活動された中での御質問でございますので、私も、この問題につきましてまず結論から申し上げますと、環境庁としましても真剣に取り組んでまいりたいと思っております。  それは、すべての年齢層に対しまして環境教育、環境学習が行われるように努めてまいる決心でございますけれども、一つ例を申し上げますと、こどもエコクラブ事業、これは現在四千三百クラブ、七万一千人の事業でございますけれども、この卒業された方たち、クラブの卒業生がリーダーとしてクラブの活動の支援をしていただけるように考えているところでございます。
  87. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 済みません、時間が過ぎました、あと一つで終わりにします。  今政務次官おっしゃられたとおり、小学校教育においては非常に活発に進められていると私も認めたいと思います。  そこでなんですけれども、今進められている環境教育というものの重要性、今次官のお話にもありましたとおりだと思います。今度、環境庁環境省に変わるこの節目のときをもって、私は、ぜひこの環境教育というものを環境省がイニシアチブを持って進めていかれることを望みながら、そして特に、権限の集中や縦割りの最たる文部行政、ここに大きな一石を投じるものとして期待が寄せられているということを大臣みずからは実感なされているかどうかということ、そしてさらに、環境教育法の制定を目指した中で、教科書の策定や、あるいはカリキュラムを環境庁環境省がつくり上げていくんだという強い意気込みを大臣みずからがお持ちかどうかということを、最後にお聞きしたいと思います。  残念ながら、この所信表明の中には、環境教育という漢字四文字の言葉は一切出ておりません。ですから、私は、そのことも踏まえた上で、ぜひこの機会に改めて大臣環境教育に対する決意をお聞かせいただきながら、私の質問を終わりたいと思います。
  88. 川口順子

    川口国務大臣 結論を先に申し上げれば、環境教育は非常に重要なテーマだと思っておりまして、環境庁としましても一生懸命に取り組みたいと思っております。
  89. 鎌田さゆり

    ○鎌田委員 ありがとうございました。
  90. 小林守

  91. 永田寿康

    永田委員 まず、川口大臣におかれましては、御就任おめでとうございます。  私も大蔵省に在籍をしておりましたが、そのころからその名をとどろかせる方でおられましたので、こうして一緒に仕事ができることについて非常にうれしく思います。  そして、国民からの期待も非常に高いものであるということを、ここにひとつ申し述べたいと思います。今、環境行政、非常に期待が高まっておりまして、国民の潜在的な環境庁環境省に対する期待、そしてまた要望も非常に強くなってきています。ですから、しっかりとした意識を持って仕事をしていただきたいと思います。  しかし、今まで、各委員との質問のやりとりを見ておりますと、正直、私、がっかりしたところがございます。きのう、いわゆる質問取りに来られた環境庁その他のお役所の方々お話をしておりましたところ、やはり縦割りをはっきり意識して役人臭い、何というんですか、自分を守る話に終始していた。そのにおいを、残念ながら、きょう川口大臣お話からも少し感じたところでございまして、今後はそういうことがないように、しっかりとリーダーシップをとって国民の期待にこたえていく、そういうようなお仕事をしていただきたいと要望するものでございます。  さて、前置きは長くなりますが、もう少し続けたいと思います。  まず、大臣に対する初めての質問でございますので、失礼ながら、一つ確認をしておきたいと思います。  最近、政治の清潔さというものが非常に国民関心、あるいは政治の世界ではホットトピックになっておるわけでございますが、大臣はつい先日までサントリーの常務をなさっておられたということで、もちろん閣僚の兼職の禁止規定については御理解なさっていらっしゃると思いますが、大臣の現在のお立場について若干お伺いしたいと思います。  まず、現在、サントリーと何らかの関係をお持ちでしょうか。
  92. 川口順子

    川口国務大臣 サントリーの役員は七月四日で退任いたしました。
  93. 永田寿康

    永田委員 さらに、最後にサントリーから報酬を受け取った時期ですとか、あるいは、現在、ほかの企業との関係で、兼職禁止規定に抵触する事実の有無並びに大臣としての職務と密接に関連する企業からの献金その他利益供与の有無についても、申しわけないですけれども、確認をさせてください。
  94. 川口順子

    川口国務大臣 サントリーの給料日は毎月二十五日でございまして、七月二十五日に最後の給料を受け取ったということでございます。  それから、他の企業との関係で、兼職規定、何も兼ねておりません。それから、利益供与等は一切ございません。
  95. 永田寿康

    永田委員 大変安心をいたしました。  また、通告にちょっと漏れましたけれども、けさの新聞に大変気になるニュースが載っておりましたので、大臣のお口から直接お話をお伺いしたいと思います。  と申しますのは、自民党の内部におきまして、建設国債を従来の考え方の枠以外の事業にも充当できるように使っていこう、制度を改正しよう、財政法第四条を改正しようというニュースが載っておりました。もちろん、この話、実現するとなれば、当然閣議にかかって、政府提出法案で出てくるものと思いますが、その中で、大臣は内閣のメンバーの一人として、当然事実上の拒否権を発動し得るという立場にあるわけでございますが、大臣は、もしもこの法案が内閣の閣議にかけられたときに、賛成いたしますか、それとも反対なさいますか。
  96. 川口順子

    川口国務大臣 そういう事実が検討されているかとか、それからそれが閣議にかかるとか、私は一切存じておりませんので、そういうことが明らかになれば、それなりの自分の考え方はしたいと思いますけれども、全く聞いておりません。
  97. 永田寿康

    永田委員 申しわけないんですけれども、そういうことが官僚臭いというようなことでございまして、新聞各紙の一面に躍っている話なんですね。財政法第四条を改正して、建設国債を従来の枠以外のことにも充当していこう、特にIT革命に要する費用、IT革命の政策を推進するために必要な費用に充当させていきたいという考え方を自民党の幹部の方がお持ちだというお話でございます。  改めてお伺いしますが、済みません、仮にこのお話が閣議に上った場合、賛成の立場をとられますか、反対の立場をとられますか。
  98. 川口順子

    川口国務大臣 そういうことになったときにいろいろ勉強したいというふうに思っております。
  99. 永田寿康

    永田委員 なぜこのことをお伺いしているかと申しますと、建設国債を従来の枠以外のことにも使えるというようにルールを外すということになれば、当然これは、IT革命ということを今中心に自民党の幹部は考えておられるようですが、環境庁の進める各種の施策にも広げていきたいという気持ちが出てくるのではないかなということを危惧いたしたので、もう少し前向きな話をしろという話がありましたけれども、そういうような危惧を持って現在質問をした次第でございます。  では、本題に入りたいと思います。  長官が冒頭所信を述べられましたとおり、地球温暖化防止問題は喫緊の課題でございまして、諸外国と連携をとりながら、我が国のすぐれた技術力、環境保全のためのすぐれた技術力、そしてかたい決意と行動力をもって、みずから実績を示し、そして国際社会でリーダーシップを発揮することが求められていると考えています。  それでは、長官にお伺いしますが、先般つくられた京都議定書でございます。この批准と発効の見込みにつきましてお話をお伺いしたいと思います。
  100. 川口順子

    川口国務大臣 京都議定書発効する条件というのは、五十五カ国以上が締結をして、それから、議定書締結した先進締約国の一九九〇年の二酸化炭素排出量が、先進締約国全体の五五%を満たすということが必要でございます。今までに先進締約国で議定書締結したという国はまだございません。  ただ、多くの国が二〇〇二年までの京都議定書発効の必要性を表明いたしております。これから国際的に交渉をして合意の枠組みがつくられるということが、その発効のために非常に大事なことでございまして、そのために一生懸命努力をいたしたいと思っております。
  101. 永田寿康

    永田委員 各国がその批准及び発効の必要性について認識をしているということでございます。しかし、京都議定書は、その名の示すとおり、日本が主催をした京都会議で取りまとめられたものでございまして、議長国立場からして、やはり率先して批准をし、そして所信にもありましたが、国際的な交渉力を発揮して、リーダーシップをとって、今後も頑張っていただきたいというふうに思う次第でございまして、一刻も早く国内的にも批准できるように努力をしていただきたいと思います。  その中で、やはり今度COP6が目前に迫っておりますが、その成功に向けて日本はどのようなスタンスで取り組んでいくのか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  102. 川口順子

    川口国務大臣 先ほど申しましたように、幾つか残っている合意に達しなければいけない点、吸収源ですとか、遵守ですとか、京都メカニズムの排出権とか、共同実施ですとか、あと発展途上国向けのクリーン開発メカニズムというようなのがございまして、そういった点について国際的に合意が見られ、その結果として二〇〇二年までの発効が可能になるように、いろいろな点の国際的合意というのを図るために一生懸命努力したいと思っております。
  103. 永田寿康

    永田委員 それで、この京都議定書の中核をなす部分として、やはりいわゆる温室効果ガスの六%削減の話があるわけでございますが、森総理も所信で述べられておりましたこの六%削減、具体的にどのような手段で達成されるおつもりなのか、ひとつお伺いしたいと思います。
  104. 河合正智

    河合政務次官 委員御案内のように、昨年四月から、地球温暖化対策推進に関する法律が世界に先駆けて施行されました。それに基づきまして閣議決定されました地球温暖化対策に関する基本方針等に沿いまして、各種の国内的な施策を推進しているところでございます。  具体的には、ただいま長官申し上げられましたトップランナー方式に基づく自動車、家庭用電気製品、OA機器等に対する厳しい省エネ基準の設定、また税の軽減による燃費のよい自動車の普及促進を行ってきたところでございますが、中央環境審議会におきまして小委員会が設置される予定でございます。それは地球温暖化防止対策の在り方の検討に係る小委員会でございますけれども、この小委員会におきまして、自主的取り組み経済的手法規制的手法環境保全のためのインフラ投資等の政策手法を適宜に組み合わせるポリシーミックスの案を複数作成いたしますとともに、目標遵守制度の基盤となる仕組みについても検討を行っていただく予定でございます。
  105. 永田寿康

    永田委員 奇妙な発言であったことを皆さんお感じになったと思います。大臣が今話されましたと言って、トップランナー方式、OA機器の省エネ化、税の軽減というお話をなさいましたが、私、実は通告をした質問と順番を変えてしまいまして、先に本当は大臣に対して、このCOP6の、京都議定書の内容を実現するためにはどんな施策がありますかというお話をお伺いしてから、本来ならば、六%削減の着実な達成のためにはどうしたらいいのですかということをお伺いする順番だったのですが、ちょうど森総理の所信の中で六%の話があったので、私は質問の順番を変えた次第でございます。その結果、今政務次官からこのような奇妙な答弁になったのです。  ここでは非常に前向きな話をもう少し続けたいので、本当は切りたいのですけれども、やはり一言申し上げたいのは、政治改革というのは、政治がみずから自分の言葉で語ることによって政治を主導していくんだ、官僚を主導していくんだということを目標にしたものでございまして、私と長官がどのような議論をしたかをちゃんとお聞きになって、政務次官といたしまして、それでその内容に即した答弁をみずからの言葉で語っていただきたい、そのように思う次第でございます。  今手が挙がりましたので、どうぞ。
  106. 河合正智

    河合政務次官 ただいま長官が申し上げられましたと申し上げましたのは、トップランナー方式という部分のみでございます。
  107. 永田寿康

    永田委員 トップランナーというお話は、議事録をごらんになればわかると思いますが、ございませんでした、私はしっかり聞いておりましたので。それは別に構いませんが、今後はみずからのお言葉で、議論の流れに沿った御答弁をいただきたいと思う次第でございます。余り生産性がないので、次に進めたいと思います。  そして、本題でございますが、本来、長官に先にお伺いするべきでありました京都議定書の批准及びその実行のために必要な主要施策、ぜひここで国民に御説明をいただきたいと思います。
  108. 川口順子

    川口国務大臣 六%の目標を達成していくということのためには、さまざまな手法、対策を組み合わせていかなければいけないということがまず第一でございます。  手法でいきますと、例えば規制というのもございましょうし、経済的な手法というのもございましょうし、それから何らかの形の優遇措置というのもございましょうし、それからもっとインフラの整備といいますか、例えば交通についてモーダルシフトが可能であるような、いろいろなインフラの整備というのも必要であろうかと思います。そういったことを総合的に組み合わせて、できることは全部やっていくということでありませんとその達成ができませんから、それは政府が一丸となって対応していく必要があると思っております。
  109. 永田寿康

    永田委員 わかりました。  それで、先ほどちょっと気になったのですが、実はこれも通告外の質問なので、もしも答えられなかったらそれはそれで構いませんけれども、森林がCO2を吸収するという話、先ほどから佐藤先生以下お話がございましたが、どういうふうにして算定するんだ、あるいはそれにそんなに期待していいのかというお話がございました。  私は思いますに、森林というのは、確かに見た目はCO2を吸収するのですね。しかし、葉っぱに蓄積されたCO2は、落葉してそれが腐敗すれば当然CO2となって大気に再放出される。あるいは、木もそこで倒れて朽ち果てれば改めてCO2を排出するということを考えますと、木をどんどん植林してふやすのはいいのですけれども、それを伐採してどこかに半永久的に閉じ込めておくというようなことをしないと、森林というのは、プラスマイナスで考えると、結局CO2を吸収しないのではないかというような気もするのです。  参考人の方で、御出席の方がいらっしゃったらその方でも構わないので、ひとつこの考え方についてしっかりとした御説明をいただきたいと思います、昔から不思議に思っていたので。済みません。
  110. 川口順子

    川口国務大臣 何がCO2を吸収するか、森林がどういう状況で、例えば植えられて何年ぐらいがその能力が非常にたくさんあって、ある期間を過ぎるとその能力が落ちていくとか、今までいろいろな調査、勉強、研究がなされているというふうに聞いております。そういうことを、IPCCといいまして、学者ですとか中立的ないろいろ知識のある専門家が集まって、地球温暖化の問題、そもそも温暖化したら何が起こるかとか、それから温暖化したことについてどういう対応が可能だとかということをずっと数年間、十年近くでしょうか、勉強してきているグループがありまして、そこでも吸収源というのはいろいろ勉強してきているというふうに聞いています。  ただ、私は、そのIPCCの森林の吸収源についての報告書は、多分かなり詳しいものがあるんだと思いますけれども、就任一カ月でちょっとまだ読んでおりませんで、そこに具体的にどういうことが書かれているかということは、まだ申しわけございませんが不勉強でございます。
  111. 永田寿康

    永田委員 通告外の質問でしたから別にあれですけれども、環境庁の事務方の方いらっしゃると思うので、どうして森林というのはCO2の吸収源とカウントできるのかということをちょっと後ほど教えていただければいいと思います。  それとは別に、今度は、京都議定書の六%削減目標の中で、特に自動車の燃費基準の強化という政策について、私関心があるので、質問をしたいと思います。  アメリカのカリフォルニア州では、主にこれはスモッグの大気汚染を抑制するための政策ではございますが、事実上、スモッグのもととなるようなガスを全く排出しない、あるいは極めてその量が少ないような自動車の販売を各自動車メーカーに今後義務づける、全販売数量の一〇%以上をそのような事実上ゼロエミッションの車にしていかなければならないというようなことを義務づけようという規制がございますが、一方で、日本ではトップランナー方式というものを考えておるわけでございます。  カリフォルニア州の規制を聞くと、非常に意欲的な、環境対策頑張っているなというような印象を受けるんですが、今後、このような現行よりも極めて強い規制を導入し、実現に向けて努力していくお気持ちがあるのか。これは恐らく通産省に対する御質問になると思いますが、お答えいただきたいと思います。
  112. 坂本剛二

    ○坂本政務次官 通産総括政務次官の坂本剛二でございます。きょうは、お呼びいただきましてありがとうございました。  ただいまの永田先生の御質問にお答えしたいと思います。  COP3で合意しました二酸化炭素排出削減の目標達成に向けまして、二〇一〇年時点での炭素換算で約三百二十万トンの二酸化炭素排出削減ということでございます。  このため、当省では、エネルギーの使用の合理化に関する法律を改正いたしまして、平成十一年の四月に、トップランナー方式の導入によって自動車の燃費規制を強化いたしました。これによって二〇一〇年時点で三百二十万トンは二酸化炭素排出が削減される効果がある、こんなふうに見込まれております。  さらに、こうした規制的措置に加えまして、クリーンエネルギー自動車、電気自動車とか天然ガス自動車、これらの普及や技術の開発支援、あるいはまたハイブリッドカーもそれに該当するかと思いますが、そして燃料電池、カリフォルニアなんかでは、先生おっしゃった中にありましたような燃料電池自動車の普及に向けて、これは、二〇〇三年から四年ごろに我が国でも具体化してくるだろうと思われますけれども、こういった基盤整備などさまざまな施策を講じているところでありまして、引き続き二酸化炭素排出削減に向け積極的に通産省としても努力をしてまいりたいと思っております。  また、先生おっしゃったカリフォルニア州の規制に関しまして一言つけ加えさせていただきますと、各メーカーに対してその販売数量の一定割合を義務づけるわけですね、CO2を出さない自動車を。この有害排ガスの出ない自動車の販売を義務づけるというこれよりも、我が国の場合は、自動車単体、一つ一つに個々の自動車の燃費の向上、これを実現しまして、全体として二酸化炭素の排出量の削減を目指す、この我が国の規制手法の方が目標を着実に達成できるのではないか、こんなふうに考えております。
  113. 永田寿康

    永田委員 本来ならば、このカリフォルニア州の規制というのは、二酸化炭素の排出を抑制するためのものではなくて、スモッグなどの有害廃棄物を出さないような車をふやしましょうという観点から出されたもので、規制の趣旨が違うので比べるのは極めて難しいんですが、しかし、私は、カリフォルニア州のこの規制には一つ学ぶべき点があると思います。  それはすなわち、トップランナー方式というのは、今ここで改めて申し上げる必要もございませんが、要するに、全自動車メーカーがマーケットに対して販売をしている車、この中で最も燃費基準の高い、最も燃費のいい車を基準にして、そこに全体の燃費基準を合わせていく、ほかのメーカーも、ほかの車種も全部そこに合わせていってください、こういう考え方に立っているわけです。  しかし、その裏には、マーケットで既に自動車メーカーが販売をしているということは、そのトップランナーの車種であっても、採算はとれているということを示しているわけですね。採算がとれていて燃費基準もいいものに基準を合わせなさい。しかし、カリフォルニア州でやっている話というのは、採算がとれていないかもしれないんです、トップランナーは。もうゼロエミッションの車なんて多分コストもむちゃくちゃかかりますから、マーケットに出したって、およそ買い手がつかないぐらいのとんでもない値段になるでしょう。しかし、それを血を流して販売していくということは、これは、トップランナーは採算が割れていても仕方がないでしょうという考え方を政府があらわしたものだというふうに私は理解しています。  ですから、個々の車種については、トップランナーについては、これは採算が割れていてもひとつ我慢してください、全体の経営が傾くようなことがあってはいけないけれども、自動車メーカーさん、それはあなたの責任です。なぜなら、排気ガスの問題というのは、これは経済の教科書にも出てくるフリーライダーのお手本です。ということは、自動車メーカーというのは、いわば日本一の、世界一のフリーライダーと言っても過言ではないわけですね。ですから、その責務として、一部の車種は、これは採算ベースに乗らないかもしれないけれども、一生懸命頑張って、より一層速いトップランナーをマーケットに出してくださいというようなお願いをするというのは、僕は政策として非常にいい考え方だなというふうに思っておるんですが、そのような考え方をお持ちになるつもりはございませんか。
  114. 坂本剛二

    ○坂本政務次官 今、カリフォルニアのトップランナー方式のお話を承りました。私どもがちょっと調査しましたところでは、カリフォルニア方式とでもいいましょうか、これは、一九九八年から二〇〇〇年までは二%という数字を義務づけたという、それから二〇〇一年から二〇〇二年までは五%という、現行、そういうペースで行こうとしたんでありましょうけれども、なかなか市場との兼ね合いでこれはうまく売れない、そんなことも聞いております。  したがって、今おっしゃった我が国におけるトップランナー、その無公害車の問題も、市場との兼ね合いというものが出てくるんじゃないかと思いますが、十分検討していきたいと考えております。
  115. 永田寿康

    永田委員 特に温暖化の効果を有するガスの処理については、排出権取引という考え方がございます。これは、一部の人が一生懸命頑張って排出量を減らしたら、そうしたらほかの人は、何とかその基準に合わなくても、トータルとして、全体で排出量が減っていれば、基準に達していればいいでしょう、そういう考え方ですよね。  実はこのトップランナー方式で、赤字覚悟ですばらしいトップランナーをマーケットに出してくださいという考え方は、企業内排出権取引とでもいうべき先進的な考え方ではないかと私は思います。つまり、トヨタの例えばクラウンはいっぱい排気ガスを出すけれども、赤字覚悟で出しているプリウスはいい仕事をしているんだ、だから、企業の中で全体としてトヨタはオーケーなんだ。このような考え方を導入することは非常に合理的だなというふうに私は思いますし、また、やはり最大のフリーライダーたる自動車メーカーといたしましては、そのような方向に向けて努力をしていただきたいなと指摘をいたしまして、最後、三分だけ使って次の質問をしたいと思います。通産政務次官、ありがとうございました。  次の質問は、申しわけないんですが、建設省になります。  建設省、高速道路の渋滞緩和につきまして御質問申し上げます。手短にいたします。  今、高速道路、特に都市部の高速道路の渋滞緩和は、二酸化炭素の排出量の抑制に非常に大きな期待を寄せているところでございますが、なぜ混雑が起こっているのか。私が思いますところ、例えば、週末に遊びに行く家族が高速道路を利用できる料金といえば、やはり首都高七百円、なかなか妥当な値段だと思います。しかし、同じ値段を払って、金もうけするために物を運ぶ人がトラックを高速道路に入れることができるとなれば、これは、高速道路がトラックであふれてしまう、トラックの流入が過大になるのは明らかではないかなというふうに考えるわけでございます。  ですから、高速道路を使って金もうけをする人と、そうでない、レジャーや単なる移動に使う人は別料金を設けるべきではないか。あるいは昼と夜、皆さん、人間は昼の方が活動しやすいのは当たり前です。しかし、昼と夜、高速道路の通行料金が同じであれば、それはやはりみんな昼に走りたいのは当たり前じゃないでしょうか。よって昼と夜の交通量の差があんなに激しくなって、昼は過大な混雑が起こるということを考えますと、やはりロードプライシングの考え方に従って、自家用車と商用車、ないしは昼と夜で通行料金に差を設けるということは合理的ではないかなと思うのですが、そこについてのお考えをお伺いしたいと思います。
  116. 近藤秀明

    近藤政府参考人 御説明申し上げます。  首都高速道路等の都市高速道路におきましては、大量の交通を迅速かつ円滑に処理する必要がありますので、車種区分につきましては大型、普通車の二車種の区分を使うなど簡素化しておるわけでございます。車種間の料金の比率なんかにつきましても、個々の車両についての受益や占有面積、維持管理に要する費用等を総合的に勘案して、一対二の比率としているところでございます。  御指摘ありましたような商用、自家用車の利用目的に応じた料金の設定につきましては、料金徴取実務上も極めて難しい問題がございます。さらに、負担の公平の観点から見ましても問題が大きいものと考えておる次第でございます。  しかしながら、大都市における有料道路におきまして、環境対策や渋滞対策の観点から、料金を活用いたしまして交通需要の調整を行うことは非常に重要なことであるというふうに考えております。そのためには、現在試行中でありますETC、ノンストップで自動料金を収受するシステムでございますが、これを活用いたしますと、時間帯や路線区間ごとの特性に応じたきめ細かい料金設定も可能になりますので、今後はそのような料金施策のあり方について、ETCの普及状況を見きわめながら、一般道路への影響もございますので、その辺も含めまして、また公団の採算性に与える影響等を総合的に検討していく所存でございます。
  117. 永田寿康

    永田委員 ETCの導入が実現すれば、必ずやこのような考え方に従ったプライシングが実現できるものと、私も運輸省におりましたので、期待をしておるところでございますが、その際には、ぜひ環境庁の方からも、恐らくは省になっていることとは思いますが、こういうふうなプライシングにしないと、環境の観点から見て十分な渋滞緩和策にはならないよというような提言をばんばん出していただいて、せっかくの横割り官庁で、しかも国民の期待は非常に強いものでございます。  きょうは厳しいことを私幾つか申しましたが、しかし、それは国民の期待のあらわれであるというふうに御理解をいただいて、一生懸命仕事をしていただきたいと思います。御協力ありがとうございました。
  118. 小林守

    小林委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ————◇—————     午後一時三分開議
  119. 小林守

    小林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。田端正広君。
  120. 田端正広

    田端委員 公明党の田端でございます。  川口長官河合政務次官、大変に御苦労さまでございます。二十一世紀日本のために、ひとつぜひ頑張っていただきたいと思うわけでございます。  私は、最初に、循環型社会形成推進基本法の問題についてお尋ねしたいと思います。  来年一月から環境省発足ということで、環境省の新しい一つの大きな柱として、この循環型社会形成に向けて、ぜひ環境庁リーダーシップをとって頑張っていただきたい、こう思うわけでありますが、私もこの基本法の立法化の作業の中でいろいろな勉強をさせていただきまして、二十一世紀日本、まさに循環型でなければ成り立たないということを痛切に感じている一人でございます。  そういう意味で、これからこの基本法に基づいて作業が始まっていくんだと思いますが、同時に、個別の法整備、改正とかあるいは新規立法等々を含めて、いろいろなことが必要になってくるだろうとも思います。そういった意味で、まず、環境庁長官がこの問題に対してどういうふうにリーダーシップを発揮されるか。特に、全省庁あるいはまた全国地方自治体、あるいは企業、民間、あるいは国民一人一人と絡み合った中での大きな仕事になると思いますので、その御決意からまずお伺いしたいと思います。
  121. 川口順子

    川口国務大臣 所信でも申しましたように、大量の廃棄物の発生ですとか、それから不法投棄が多いとか、それから最終処分場が逼迫しているとか、そういう問題が今ありまして、廃棄物・リサイクル問題の対策、それに対応するということは非常に重要なことだと思っております。  それで、それに対応するために循環型社会形成推進基本法を成立させていただきまして、これから、環境世紀である二十一世紀に向けて循環型社会をつくっていかなければいけないというふうに強く思っております。所信表明のときにも申しましたように、これからが環境庁環境省にとって正念場であるというふうに思っております。  どういうことをやっていくかということですけれども、まず、基本法に基づいて基本計画というものをつくっていかなければいけないということと、それから幾つかの法律の施行をやっていくことが課題としてあるわけでございます。今後、関係省庁連絡会議というものを設置いたしまして、関係省庁と密接に連携をとりながら、政府全体として、その中で環境庁リーダーシップをとって課題に対応していきたいというふうに思っております。
  122. 田端正広

    田端委員 循環型社会というのは、例えば一年とか二年で実現できる話ではなくて、十年とか二十年とか三十年とか、そういう大きな長い時間の中でのテーマである、こう思うわけでありますが、そういう非常に大きな仕事であるだけに、それぞれの計画あるいはそれぞれの協力関係、そういったことが非常に大事になっていくのだろうと思います。  そういう意味で、環境省が来年からそういう中核になって引っ張っていく。そういう中で、私は、国民の側からすると、なかなか見えてこない部分があるのではないかなということを心配しているわけです。それは、例えば一年とか二年とかという目標設定ならはっきりするわけですが、十年、二十年とかという長い単位になりますと、なかなか焦点がはっきりしてこない、そういうことであります。  そういう中で、この法律の中にもそういうタイムスケジュール的なことが明記されております。二〇〇一年一月六日、環境省発足して、二〇〇二年四月一日、中央環境審議会環境大臣に具体的な指針を述べる。そして二〇〇三年十月一日に計画案を策定して閣議で決定され、それから施行される、こういうことになっていくわけであります。そして二〇〇八年、実施から五年ごとに見直しを行う、こういうことにもなっております。  したがって、私は、最短二〇〇八年が流れの大きな一つの山である、こう思うわけでありますが、そういう意味で、例えば二〇〇八年までとかあるいはこれから十年とか、そういう形で一つの目標というもの、ビジョンというものを環境省が示していただいたらどうか、こういうふうに思います。  特に、私、実感として感じることは、環境政策というのは、地球環境を守りますとか、環境がよくなりますとかということだけではなかなか説得力というものも弱いわけでありまして、そういう意味では、こういう政策を実行することによって、日本の国の将来のビジョン、経済成長はこうなりますとか、あるいは雇用がこういうふうになりますとか、新しい技術がこういうふうに広がりますとか、こういうことをしっかりと訴えない限り、なかなか国民理解というものは進んでいかないのじゃないかなということを危惧しております。  そういう意味で、五月でしたか、環境庁環境白書を発表されたときに、例えば今後十年、これから三・七%の成長でいくとして、エコビジネスが十年後に三十九兆円産業になるだろう、あるいは雇用が八十六万人広がるだろうというようなことを付記されておりましたが、例えばそういうことを明確に打ち出して、循環型を国民協力のもとにやっていこう、そういう方向を、ビジョンを示していただきたい、こう思いますが、この問題については河合政務次官がお詳しいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  123. 河合正智

    河合政務次官 循環型社会形成の基本法につきましては、田端先生が大変な御苦労をされたということも、よく私わきで存じ上げておりますし、おっしゃいますように、少なくとも十年単位のビジョンというものは今後必要になってくると考えております。  その問題につきましては、まず基本計画の中で明らかにされていかなければいけない最大の問題であると考えておりますが、ただ、計画の策定までに一定の期間が必要であることから、計画に織り込むべき施策の調査検討を進める中で、対策のスケジュール、見通し等について広く公表するなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
  124. 田端正広

    田端委員 そういう意味で、数字をやはり出していただいた方が私はいいだろうと思いますので、今直ちには無理としても、例えば十年後、循環型がこういう程度で進んでいけば、こういう経済成長になって、こういう雇用が広がってというふうなことを数字の上で試算できるならば、ぜひ御提示願いたい、御研究いただきたいと思います。  それで、こういうことというのは、国民の皆さんに対しての理解またPRということ、あるいは環境教育ということも大変大事になっていくと思いますが、そういう意味で、環境省が一月にスタートするのにあわせて、ぜひ省内に、循環型社会推進対策室とか、何かそういうセンターみたいなものをつくられてはどうか。そして、そこでいよいよ本格的作業が始まっていく準備段階の仕事を初め、国民、企業あるいは自治体からの問い合わせとか相談とかそういったことを、我々の時点でもたくさんの今相談があったりするわけですから、環境省の中でぜひそういう窓口を明確にされて、企画立案あるいは相談等々、そういうことを引き受ける拠点といいますか、そういう中心の窓口をつくっていただいたらどうか、そうしてやっていただきたいと思います。  例えば、これは、新年度予算、これから概算要求のときにもかかわってくると思いますが、昨年の平成十二年予算の中でも、循環型社会構築に関する予算が全省庁合わせると三兆円を超すという金額になっておるわけであります。私も資料を集めたときにびっくりしましたが、三センチぐらいの資料になるわけでありまして、各省庁が既に先取りした形で、いろいろな形で事業を進められているわけでありますから、今度環境省が軸になって、それらのことについても一つの取りまとめといいますか、そういう推進方をしていかなきゃならないわけですから、ぜひ対策推進室のようなものをつくっていただいて大きく実効性を持たせていただきたい、こう思うわけですが、長官、どうでしょうか。
  125. 川口順子

    川口国務大臣 環境対応をやっていくために一番大事なのは、日本人一人一人が行動することでございまして、行動をしていただくためには、やはりそれなりに、何をしたらいいのか、どういうことをすることが必要なのかということを、情報を提供して御理解いただくということが非常に大事なことだと思っております。  私も、今まで官の外におりまして見ておりまして、その辺の情報が必ずしも十分にあるかというと、これは受けとめない方が悪かったのかもしれませんけれども、伝わってこないという感じは私も持っておりまして、先生のおっしゃる情報の提供なりあるいは相談の窓口なりという仕事を役所がやっていくということは、非常に大事なことだというふうに思っております。  そういう意味で、環境教育も、先生ちょっとおっしゃられましたけれども、特に小さいときからそういう意識を子供に持ってもらって、生涯を通じてそういう行動をずっととっていき、それを自分の家族に伝えていくということにつながるわけですから、とても大事なことだと思っております。  それで、窓口、対策室ということでございますけれども、そういう仕事をしていくということのために対策室が設置できれば一番いいんでしょうけれども、対策室の存在の有無にかかわらず、そういった業務を進めていくことは必要ですし、それをやりたいというふうに思っております。  何分にも、先生もお書きになられた御本の中でおっしゃっていらっしゃいましたけれども、必ずしも世帯の大きな官庁ではございませんので、いろいろやりくりしながら今やっているということでございますけれども、いろいろ御支援をいただいて、できるだけ窓口、あるいは実質的にそういった対策室の役割を果たすことができるファンクション、機能を中に持っていきたいと思っております。
  126. 田端正広

    田端委員 名称とか機構のことについては、それはもちろんお任せするわけでありますが、実質的に国民にわかるような窓口をぜひつくって、そしてPR、情報提供等を進めていただきたい、こう思うわけです。  それで、この問題でこれから非常に大事になっていくのは、廃棄物行政、あるいは廃棄物対策といいますか、廃棄物の問題が非常に大きな問題になっていくと思いますが、ちょうど廃棄物行政が厚生省から環境庁に移ってくることでもありますから、ここでぜひ考えていただきたいことは、午前中にも御議論がありましたが、不法投棄の問題を、日本として、国家として明確にきちっとした方向を出さなきゃならない、私はそういうふうに思います。  それで、例えば産業廃棄物業者というのが、実態の数というのはよくわかりませんが、八万とも十二万とも、あるいは一説によると二十万とも言われていて、トラック一台あればそれで成り立つんだ、こういうことでもありますから、廃棄物にかかわって仕事をしている業者というのが一体どういう実態になっているのかというところを一度しっかり調べる必要があるのではないか、こう思います。  つまり、モラルの問題ではあるわけですが、業者の姿勢いかんによって不法投棄というのが行われるわけでありますから、循環型社会形成と同時にこの問題の解決をやっていかない限り循環型というのは成り立たない、こう思うわけでありますので、ぜひ産業廃棄物業者の実態というものを、全国の市町村等と連携をとりながらお調べいただきたい、こう思います。  同時に、例えば不法投棄の現場の実態調査ということもできないだろうか。例えば、銚子なら銚子の先が、もうあそこは不法投棄銀座だ、こう言われています。そういう意味で、全国至るところにある不法投棄の現場を一回きちっと把握する必要がある。そういう意味で、ぜひ環境庁がそういうことの音頭をとっていただければ、こう思います。  先日、三重県の知事が、三重県が産廃の埋め立てで新しい税を導入する、こういうことが新聞にも出ておりましたが、これは非常に難しいことだと思いますが、そういう業者の実態、特に例えば、県をまたいでこれは仕事をすると思いますから、三重県一県だけでどういうふうにできるのだろうということも思うわけでありまして、そういう意味では、側面から応援する意味でも、ぜひきちっとした実態調査というのは必要ではないか、こう思います。  もう一つは、今IT関連の予算をどうするかという議論の中で、いろいろな議論が行われていますが、例えば、そういう実態が把握されれば、きちっとインターネットを通して国民に公表できるということにもなるわけでありますから、そういう意味でも、産業廃棄物業者の実態並びに不法投棄現場の実情調査、こういうことはぜひやっていただきたい、こう思うわけでありますが、大臣、いかがでございましょうか。
  127. 川口順子

    川口国務大臣 不法投棄がふえていることは非常に大きな問題であるということは前に申し上げたとおりでございまして、来年一月から環境省に所管が移りますけれども、現在のところは厚生省でございますので、厚生省からお答えをいたします。
  128. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 産廃処理業者に対するお尋ねでございますけれども、産廃処理業者、これは許可制度になっております。私ども、毎年、都道府県、保健所設置市に対しまして、産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業の許可を受けた業者の件数については調査しております。平成十年四月現在で、全国でダブっておるものもありますけれども、延べ約十二万五千件という数字がございます。  こういう形で、全体としては数は把握しておりますけれども、この中には遊休の業者というものもございまして、それぞれの処理業者の実態が必ずしも明らかにされていないというのは御指摘のとおりでございます。  今私どもとしては、産業廃棄物の排出事業者がその処理を委託する際に、どういう業者に委託したらいいのかということがわからないというような御意見もございますので、それぞれの産業廃棄物処理業者がどういうような業務を行っているのか、例えば、処理施設の処理能力だとか、取り扱い可能な廃棄物の種類だとか、資本金だとか、年間売上高、あるいは処理料金というふうな情報につきまして、これを取りまとめて、インターネットによって閲覧できるシステムを、ことしの十月になりますけれども、運用開始するように今準備しているところでございます。こうした仕組みができ上がれば、それぞれの業者についてのある程度詳細な情報が国民の目に触れるというふうなことになろうかと思います。  それから同時に、不法投棄お話がございましたけれども、不法投棄につきましても、この不法投棄の実態を正確に把握するのは、まさに廃棄物行政を適切に推進する上では不可欠な情報だと思います。以前は必ずしもそうした情報が十分我々の手元になかったわけですけれども、平成五年度以降につきましては、不法投棄の実態につきまして、都道府県、保健所設置市を通じて調査を行っておりまして、少なくとも、件数、場所等につきましては把握しているつもりでございます。  あわせまして、不法投棄を早期に発見するために、警察当局と連携した不法投棄監視連絡員の設置とか不法投棄一一〇番というふうな仕組みも用意しておるわけでございまして、こうした不法投棄の早期発見の仕組み、あるいは実態把握のための調査というもので、私どもとしては、不法投棄の概況というものを把握しておるつもりでございますけれども、来年の一月に省庁再編で、私ども廃棄物行政も環境省に行くということになって、他の環境行政との連携もできるようになりますので、そうした機会を積極的に活用しまして、こうした不法投棄の監視あるいは把握のための体制の強化というものを図っていけたらというふうに考えておるところでございます。
  129. 田端正広

    田端委員 今業者が十二万五千件というお話がございました。しかし、これは登録されていないのはもっといるのだろうと思いますから、本当の数とすればすごいことになるのだろうと思いますが、ぜひ、これは十月からインターネットで公表するということですから、国民に対してできるだけわかるようなことをしていただきたいと思いますし、そして、一月から環境省になるわけですから、今は厚生省かもわかりませんが、環境庁として、その心の準備といいますか、その準備を今から始めていただきたい、こう思います。  それで、もう一つ御提案したいことは、例えば不法投棄を取り締まるといいますか、チェックするに際して、やはり環境Gメンのようなものがなければこれはどうにもならないだろう。実態がわかっても、それをどうするかということになれば、そういうチェックをする人が必要になってくると思いますから、各自治体あるいはNGOの人とか、あるいは警察の力も必要かもわかりませんが、これもぜひ研究していただいて、できたら来年、環境省廃棄物行政が移ってきた段階からそういう方向がスタートできる、そういう検討も開始していただきたい。  そして、不法投棄に対してはあくまでも厳しくやっていくということを、法整備はもちろんですが、実態面においてもしっかりとやって、そうして、例えば分別収集とか、そういうことも含めて循環型ということに持っていかないと、川下の部分で放置したままでは、幾ら循環型社会といっても進まないのではないか、こう思うわけですが、長官の御所見をお伺いしたいと思います。
  130. 川口順子

    川口国務大臣 今厚生省からお話し申し上げましたように、不法投棄対策を徹底していくということは非常に重要な課題だと思っております。そのために幾つかのことが、廃棄物処理法の改正もございましたわけで、マニフェスト制度の拡充とかいろいろあったわけですけれども、警察庁におきましても、昨年の四月に環境犯罪対策推進計画を策定していただきまして、特に産業廃棄物不法投棄の取り締まりの強化を重点課題としていただいたわけでございます。  おっしゃるように、来年の一月からの省庁再編成で廃棄物行政が環境省に一元化されるということになりますので、今ある制度の徹底ということももちろんでございますが、警察当局とさらに連携を図っていって、地方自治体や国民の皆様との協力を図りながら、不法投棄対策の強化に一生懸命やっていきたいと思います。
  131. 田端正広

    田端委員 次の問題に移りますが、PCBの対策ですけれども、これは過去三十年間にわたって対策がそのまま放置されてきた、そういう経緯があります。そして先般、厚生省がようやく実態を掌握されて、これは数字でいきますと、全国で約三十六万台のトランスやコンデンサーなどが今残っているということであります。保管されているのが、平成四年で十二万、平成十年で二十二万、不明、紛失が五千、未報告が一万五千、トータルしますと三十六万になりますが、これは大変な数だと思います。  しかし、これはこのままほっておいては非常に大変なことになりますから、どうこれを処理していくかということになりますが、お金のかかることになると思います。それで、今の技術でいきますと一台当たり五十万円かかるとすると、これで千八百億も金がかかる、こういうことになりますから、この技術的な研究もさることながら、いかにして官民が力を合わせて処理資金を積み立てるか、こういうことにもなるんだろうと思います。  私は、これはこれから非常に頭の痛いことになっていくと思います。しかし、厚生省がここまで腹を決め、通産省もようやく重い腰を上げ始めたわけですから、一気にぜひPCBの解決に、環境庁、しっかりと応援していただき、あるいは逆にリーダシップをとっていただきたい、こう思っております。できたら、我々も、立法化も含めた検討をしなきゃならない、こういう思いをしておりますが、長官の御所見を伺いたいと思います。
  132. 川口順子

    川口国務大臣 おっしゃるように、PCB廃棄物の問題というのは大きな問題でございまして、やはり早急にその無害化を図るということが大事だと思っております。  昨年の暮れ以来、幾つかの企業では無害化処理が開始をされたということでございますが、それらは大手でございまして、それの進展を私どもとして大いに期待しているところでありますけれども、同時に、中小企業者が保管をしているPCBの処理という問題も残っておりまして、対応が必要であるというふうに思っております。  厚生省で、中小事業者のPCB処理対策として、安全かつ適切にPCB廃棄物を処理できる優良事業者に対して、財政上それから技術上の支援を行うゼロPCB支援プロジェクトというのを本年度から開始していただいたわけでございまして、環境庁としても、来年の一月から省庁再編成になりますので、このプロジェクトは引き継いで実施をしていきたいというふうに思っております。  おっしゃるように、費用の点その他さまざまな問題がございますので、厚生省とも十分に連絡をとって取り組んでいきたいというふうに思っております。
  133. 田端正広

    田端委員 もう一点。石原京都知事が一石を投じたことから、ディーゼル車環境汚染問題というのは非常に大きな話題になりました。そして、ようやく環境庁も、ディーゼル排気微粒子というところにも注目して、このDEPは発がん性物質の疑いがあるということを認める方向だと聞いておりますが、そういう意味で、ぜひ積極的に対策をとっていただきたい、私はこう思います。  私は、五年前から、この問題はアレルギー対策としてやるべきだということを申し上げてきました。そして、環境庁、厚生省、林野庁等関係五省庁が連絡会議を持って、研究を始めていただいているわけですが、この際、一気に、アレルギー対策として、ぜんそく、がん、アトピー、花粉症等々の大きな要因になっているディーゼル排気微粒子というものについて医学的な解明もしていただき、そして車の方の技術革新もしていただいて、こういった問題が国民の健康に支障のないように、環境庁としてぜひリーダシップを発揮していただきたい、こう思っておりますが、最後に大臣の御所見を伺いたいと思います。
  134. 川口順子

    川口国務大臣 おっしゃるように、ディーゼルからの排気微粒子というのがアレルギー性あるいは発がん性を持つということの懸念がございまして、これも早急に対応をとるべき問題だというふうに認識いたしております。  ディーゼル車対策ですけれども、最新規制適合車への代替を促進していくということでやってきたわけでございますけれども、さらに、今、中央環境審議会で、自動車NOx法見直しですとか、今後の自動車排出ガスの総合対策ですとか、それから自動車一台ごとの排出ガス規制、そういったことについて、十九年から十七年に前倒しをするということで御検討いただいていますので、積極的にディーゼル車対策というのは進めていきたいと思っております。
  135. 田端正広

    田端委員 以上で終わります。
  136. 小林守

  137. 武山百合子

    ○武山委員 武山百合子でございます。  早速質問の中身に入りたいと思います。  二十一世紀を前にして、あと半年足らずというわけですけれども、一月から環境省となるわけで、国民の期待は今本当に、小さいころから過ごしてきた地域の川の水は濁り、そして、私、関東、埼玉の出身ですけれども、関東でもどんどん田んぼや畑が少なくなり、森が造成されて、そして空も濁り、空気も濁りという。そして、今環境に対して女性が一番関心を持っているのは、そういうものの影響から、食の安全とかアレルギーの問題とか、女性ならではの視点の部分で大変関心も高く、そして心配もしているわけです。  このたび、川口環境庁長官が民間から登用されたということで、私自身も、同性として、大変新しい、みずみずしい発想で、環境省立ち上げの前の環境庁長官として期待をしております。  このたび、環境庁長官として民間から登用されたという国民の期待は何だと思いますか。環境庁長官に対する国民の期待は何だと思いますか。
  138. 川口順子

    川口国務大臣 今先生がおっしゃられましたように、日本人は今、自分の生活の安全ですとか、それから生活の周りの環境について非常に心配をしているというふうに思います。昨日も、子ども国会で子供たちの環境についての意見を聞きましたけれども、循環型リサイクルですとかごみを捨てないとか、子供たちもいろいろな問題意識を持って生活をしているということが感動的でございました。  私、就任のときの記者会見で生活者の視点というふうに申し上げましたけれども、今までそれがなかったということを申し上げているわけではないのですけれども、多分、より民にいたという経験で、それを大きく意識をしているのではないかというふうに思っていてくださるのかなとは思っております。  これも先ほど申しましたように、私としてできるベストは尽くしたいと思いますけれども、その点についていろいろ御指導を賜りたいというふうに思っております。
  139. 武山百合子

    ○武山委員 生活者の視点でベストを尽くしたいということをおっしゃられた大臣というのは、今までほとんどいなかったと思うのです。それは私も今から大変期待したいと思います。  それでは、大臣として、どんなところに生活者の視点を生かしていきたいと思っておりますか。
  140. 川口順子

    川口国務大臣 先ほど申し上げたこととちょっと関係するのですけれども、私は、やはりわかりやすさということだと思っております。  いろいろやるべきことがたくさんあって、やらなければいけないんだけれども、何をどういうふうにやるのか。それを非常にわかりやすく、そしてなぜやるのかということもわかりやすく情報の提供をし、それから国民の皆さんがお考えのことも十分に聞いてやっていくというのが生活者の視点として一番大事なことだというふうに思っております。  やはり、環境というのは、先ほども申しましたように、一人一人の人間が情報を持って、理解を持って行動していくことができるということが大事だというふうに思っておりますので、そのために何をするかということだと思っております。
  141. 武山百合子

    ○武山委員 それでは、環境庁長官として、今後生活者の視点を中心に、もちろん内閣の一員でもありますので、その中でも発言をされていくわけですけれども、その中できちっとした記者発表などをこれから大いに取り入れていっていただきたいと思うのです。環境庁長官として顔を見せる、顔を見せるその顔が生活者の視点であるというところに国民は期待をしていると思うのです。ぜひ、記者発表、新しいニュースを環境庁として発表するときに、数多く発表していただき、そして生活者の視点で、そして国民にわかりやすい情報発信という形で、今までの環境庁長官とは違った、回数も多く、自分の言葉でぜひ語っていただきたいことを私は期待したいと思います。  環境省の組織編成ということで、中身についてちょっと伺いたいと思いますけれども、そういう生活者の視点という意味で、今度一官房四局三部四審議官二十七課一参事官ということに再編されるわけです。私は、国政に入りまして七年たつわけですけれども、ここのところずっと環境問題をやってきましたので、この省庁再編の中身は大体わかりますけれども、例えば言葉一つ、局の名前一つ、これは国民にわかりやすい言葉になっていると思いますか。
  142. 川口順子

    川口国務大臣 役所の使う言葉というのは、私は確かに非常に難しい言葉であるというふうには思っております。できるだけ易しく言うことが大事だというふうに思っております。  ただ、よく企業なんかでも、何とか一部、何とか二部、何とか三部というふうになっているところもありまして、それだとそれぞれの部が何をやるのかよくわからないということもございますけれども、名前を読んでその内容がわかりやすいということが一つ条件としてあって、それから同時に、できるだけそれが短い言葉で言いあらわせるということももう一つの条件として入ってくるのかなというふうに思います。  前に、ある町で、ある市で、何でもやる課というのがございまして、それは非常にわかりやすいということでございますけれども、それぞれやはり同じ庁の中でも仕事が分かれて、しかもそれが法律に書かれて存在するわけでございまして、そういった法律に書くという前提と、それからわかりやすさということの二つの要件ということから多分こういう名前に落ちついたんだと思いますけれども、廃棄物リサイクル対策部などというのは、ちょっと名前は長いと思いますけれども、それなりにわかりやすいという意味ではわかるんではないかというふうに思っております。
  143. 武山百合子

    ○武山委員 今お話しのように、わかりやすい言葉で語る、それからこういう部署の名称もつくる、一番国民が思っている部分なんですね。それで、省庁再編になりまして、環境省だけではなく、他の省庁にも同じことが言えると思うのです。民間から登用されたということですので、国民の期待は、私自身も期待しておりますので、ぜひそういう視点で頑張っていただきたいと思います。  それでは、次に移りまして、厚木の基地の問題に対して、きょう、防衛庁それから外務省、厚生省から来ていただいておると思います。  私は、政治改革ということで、政治主導、政治が今最も欠けている部分はリーダーシップということで、政治家議論して政治家が決めるというところを最も大事に思って行動もしてき、そういう哲学のもとに発言もしてきたわけですけれども、きょうは残念ながら、会期が短いということで、他の委員会大臣政務次官がとられてしまっていたということで、部長さんという形で来ていただきました。その発言の内容に期待したいと思います。  厚木の基地の問題で、いろいろセンセーショナルな報道もあったと思いますけれども、でも現実的には、本当に長い期間日米の間で議論されてきたというわけですけれども、平成四年から、防衛庁も、もちろん外務省も厚生省も、そして環境庁も知っていながら、今まで八年間も過ぎてしまったわけです。  それで、我々実際にそういう実態を聞かないとわからないものですから、情報公開もされていないということの一語に尽きると思いますけれども、なぜこの八年間、縦割りの行政の中で横のつながりがなかったのかなと思うんですけれども、防衛庁、その辺はなぜ八年間横のつながりがなかったんでしょうか。
  144. 河尻融

    河尻政府参考人 お答えを申し上げます。  昭和六十二年以降、神環保株式会社が焼却施設を継承して以来、米側はこの排煙につきまして、綾瀬市あるいは神奈川県に対し、被害の早期解決を要請してきておることをまず承知しております。  それで、平成四年、本件はアメリカ側から日米合同委員会の下部機構でございます環境分科委員会に上げられ、主に環境行政面での対応ということを中心に協議されてきたものであると承知いたしております。  その後、平成九年に至りまして、本問題の環境行政面以外の解決策を探るべく、当庁にも環境庁の方からの協力が要請されまして、その後、関係各省庁の調整を経て、平成十年九月に、御案内の厚木海軍飛行場内の家族住宅地区の大気環境保全に関する措置についての閣議了解がなされた、このような経緯であると承知いたしております。
  145. 武山百合子

    ○武山委員 そうしますと、横のつながりというのは実際にいつからあったんでしょうか。環境庁それから厚生省そして外務省、防衛庁ですね、横のつながりはいつからあったんでしょうか。防衛庁にちょっとお聞きしたいと思います。
  146. 河尻融

    河尻政府参考人 横のつながりと申しまして、実態面、事実面での担当者間の話し合いとか、そういったことは当然あっただろうと思いますけれども、いわゆる公式なといいますか、そういった形でなされるようになったのは、先ほど申し上げました平成十年九月のこの閣議了解からではないかというふうに理解しております。
  147. 武山百合子

    ○武山委員 平成四年から何回も交渉を持ってきたけれども、らちが明かなかったということで、民事訴訟という形で訴訟に入って初めてこれがクローズアップされたわけです。そういう意味で、行政の対応は怠慢だったと言わざるを得ないし、その反省のもとに立たなきゃいけないと思うんですね。  その反省のもとに立って動き始めたんだと思いますけれども、昨年夏に行われました日米の共同モニタリングの結果について、その辺の評価をちょっと伺いたいと思います。これは環境庁ですね。
  148. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 昨年の夏の日米共同モニタリングですが、七月から九月まで行っておりますが、厚木海軍飛行場の一地点でダイオキシン類の濃度は、最大で五十四ピコ、調査期間中の平均値で六・六ピコグラムございました。これは、ダイオキシン類の大気環境基準である〇・六ピコグラムを大幅に上回っておりまして、環境保全上極めて大きな問題である水準と考えております。
  149. 武山百合子

    ○武山委員 大変高い数値だということで大騒ぎになったわけですけれども、そうしますと、施設の改善ということですけれども、そこの施設を持っているエンバイロテックというのですか、ここの会社の対応状況は今どんな状況でしょうか。
  150. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 ただいま環境庁の方から御説明いたしました昨年夏の環境モニタリングの結果、周辺に非常に高いダイオキシン濃度が検出されたということで、焼却施設が周辺の生活環境を汚染していて、廃棄物処理法に違反しているということから、昨年の十月に、神奈川県から同社に対しまして、バグフィルターの設置等を内容とする施設の改善の勧告というものを出したところでございます。  この勧告に基づきまして、エンバイロテックでは、ここは焼却炉を三炉持っているわけでございますけれども、その三炉のうち二炉につきましては、ことしの三月末までにバグフィルターの設置工事を行っておりますし、残る一炉につきましても五月末までに設置が完了しております。  三月末までにバグフィルターを設置された二炉につきましては、神奈川県が排出ガス中のダイオキシン濃度の測定を実施しまして、排出基準より十分下回る濃度であるということが確認されておりますし、また残る一炉につきましても同様の確認が近く行われるという予定になっております。  今の段階では、バグフィルターの設置によって排出ガス中のダイオキシン濃度は、かなりといいますか、大幅に低減されるということがあるというふうに考えておりますけれども、今後ともモニタリングを行いまして、その数値を見て、処理法の違反というふうな状況が認められれば、さらに必要な追加的措置をとっていくというふうに考えております。
  151. 武山百合子

    ○武山委員 そうしますと、大気の環境に対して大幅にダイオキシンが削減できるということですけれども、全体の量のどのくらい減ったという、わかりやすい言葉で、何分の一とか、五〇%とか、そういう形でどのくらいということでしょうか。国民にとっては、その数値がわかりやすい数値であることがまた理解するのにわかりやすいということですけれども、どのくらい減ったということなんでしょうか。
  152. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 バグフィルターをつけた後の環境濃度のことについてですが、現在、三月から日米で共同モニタリングをしております。そして、フィルターがついたのが五月でございますから、その後のデータと比較するという形のものでございますが、現在そのデータについては米国側と共同で精査をして取りまとめをしております。そして、これについては、日米共同で評価を行った上で発表してまいりたいというふうに考えております。  なお、昨年の七月から九月までのデータもございますから、それと比較するということになると、もっと後になる可能性はあるかと思っております。そういう意味では、アメリカ側との具体的にしっかりした考え方をもとにしてデータを分析して発表しませんと、お互いにそこの間にそごが出てきますと次の解決策に進みませんので、その辺のところはなるべく早くしたいと考えておりますが、また大臣からもわかりやすくはっきりとということをいつも言われているものですから、したいわけですが、あくまでもアメリカ側との調整の上できちっと発表してまいりたいというふうに思っております。  それから、ちなみにこれは調査地点のずれがございますが、神奈川県が行ったものがございます。この発表によりますと、一号炉、二号炉との関係で見ますと、十一年の二月の検査結果でございますが、四・九が〇・七〇、それから二号炉が四・〇が〇・六九ということのデータが出ております。  そして、環境濃度についてもある程度発表されてございますが、現在アメリカ側と環境庁が一緒にしております調査地点は、神奈川県がした地点とずれてございますので、一概にそのまま評価をすることはできないというふうに思っております。  と申しますのは、このところは地形が大変変わっておりまして、直接吹きつけるというような状況がある特殊な場所ということになっております。ですから、そういうことでは、風向きの状況、風の強さ等も全部評価した上でどうであるかということをしませんと、具体的には米軍側にも納得を得られないということになりますから、その辺のところを慎重にきちっと評価してまいりたいというふうに思っております。  とりあえず、きちっとした評価をした上で発表をしたい。できる限り早くと申しておりますが、その辺のところは現在精査中でございますので、もう少しお待ちいただきたいと思います。
  153. 武山百合子

    ○武山委員 もう少しというのは、どのぐらいでしょうか。半年先なのか、もう一、二カ月で出るのか、その時期をちょっと知りたいと思います。
  154. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 早ければ、三月から始まっていますので、四月、五月のデータがそろっておりますので、その発表ができるかと思いますが、バグフィルターがついたのは五月ですから、六月のデータを合わせませんと評価ができません。  そして、アメリカ側から申せば、先ほど申したとおり、七月、八月、九月のデータも一緒に比較しないと比較対照にならないということになりますと、そこまでデータを待つということになります。  そういうことですので、その辺のところは、どう評価をするかというのが日米で合意に至った上での発表ですが、先ほど先生からも申されているとおり、なるべく早く発表をしたいという気持ちを持って交渉に当たっておりますが、あくまでも合意の上での発表ということになります。  遅くなる場合は、恐らく九月、十月の時点まで行ってしまうのではないだろうか。その調査結果を待って評価ですから、九月のデータをもとにしますと、その九月のデータを評価するのに大体一カ月かかりますので、十月になってしまうのではないか。  ですから、早いうちのデータをどうするかということで、なおアメリカ側と具体的に話を詰めております。
  155. 武山百合子

    ○武山委員 大体秋以降になるという予測だけはつきました。結果を待ちたいと思います。  それから、施設の高煙突化という形で、煙突を建てるという話し合いがたしか進んでいたと思いますけれども、その方面はどんなぐあいに進んでおるでしょうか、防衛庁。
  156. 河尻融

    河尻政府参考人 ただいま御答弁ありましたように、当該焼却炉と米軍家族住宅との間には高低差がございます。したがいまして、焼却炉からの排煙が、風向きによっては米軍家族住宅に直接吹きつけるという事態があり得るということから、高煙突化に取り組むことといたしまして、平成十二年度予算に、予算約十一億円を計上しておりまして、現在防衛施設庁と株式会社エンバイロテックとの間で高煙突化について交渉しているところでございます。  この交渉に当たりましては、外務、厚生あるいは環境、各省庁の協力を仰ぎまして、政府全体として対応するべく取り組んでいることを申し上げたいと思います。  この交渉でございますけれども、昨年十月、エンバイロテック社は、防衛施設庁に対しまして、高煙突化の計画は受け入れられない旨通知してまいりました。しかしながら、その後話し合いを再開いたしまして、現在話し合いを行っている状況でございます。これまでに三回直接交渉を行っております。平成十二年五月二十五日、六月八日、七月二十一日であります。  厳しい交渉でありまして、容易ではないと考えておりますけれども、粘り強く交渉を行ってまいりたいと考えております。
  157. 武山百合子

    ○武山委員 これは、米軍の基地だったために、このように粘り強く時間をかけて交渉してきた結果がこういうふうになったわけですけれども、この廃棄物の問題は、ダイオキシン問題ですけれども、日本全国津々浦々にあるわけです。これはまさに大きな問題だったから取り上げられたということであって、いわゆる津々浦々にある、本当に国民が一番心配している、自分のところは大丈夫かというところがたくさんあると思うんです。そういうものに対して、厚生省、環境庁、今後これを教訓としてどのように対応していくのでしょうか。
  158. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 私どもは、神奈川県を通じてエンバイロテックに改善勧告を出しましたのは、エンバイロテックの焼却施設が廃棄物処理法の基準に違反するというふうに認定しましたのでそういう措置を行ったわけでございまして、同じように、ほかの焼却施設であっても法律違反の事例があれば、それは今までも厳正に対処してまいっておりますし、これからも厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。
  159. 武山百合子

    ○武山委員 環境庁からも所見を聞きたいと思います。
  160. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 この神環保の問題については、環境庁は、先ほど防衛庁が申されているとおり、閣議了解に基づいたものについて環境庁としてしっかりした形でデータをとって監視を続けて、問題点は関係省庁と協議をした上で対処するということは厚生省と変わりません。  そして、それ以外の問題を含めて、周辺住民に影響を与える汚染問題ということについて、どのようなことを考えて実施していくのかということでございますが、廃棄物焼却施設からの排出ガスによって周辺住民の生活環境に影響を与えるような汚染問題ということに関しては、関係自治体を通じて、早期に実態の把握ということ、そして、大気汚染防止法、ダイオキシン類対策特別措置法など、関係法令に基づいて問題の解決に具体的に当たってまいるという気持ちでございます。  なお、今回のようなケースというのは本当に特別なケースでございまして、煙の拡散という方式が通じていないところがございます。そういうことを含めて、今回得られた知識ももとにしながら、より具体的に地方自治体と協力をして積極的に考えてまいりたい。  なお、所沢、能勢、茨城の問題とございましたが、健康問題のことはいつも注意していかなきゃいけないと思っておりますので、ダイオキシン類対策特別措置法ができましたので、この法律を十分に駆使した上で対応をしてまいりたいというふうに考えております。
  161. 武山百合子

    ○武山委員 対応に大変時間がかかり、そして遅くなった結果、また国民の税金を使ってこのように高煙突化せざるを得ない、それからまたバグフィルターをつけなきゃいけない。対応が憲法に違反しているかどうかまで、本当に検討、科学的知見、そういうものをやっている暇に、どんどん時間はかかってしまうわけです。  それで、環境庁もそれから厚生省も防衛庁も、もちろんあらゆる省庁が、では、今までのやり方でいいのかという、それは今までのやり方だと思うんですよね。それをいつまでも続けていましたら、全部国民にツケが回って、そして税金で高煙突化、そしてまたバグフィルターのように税金を使って対応しなければいけない。  そういう点で、今後、これを教訓にして、やはり税金をなるべく使わないで早期にそういうものに対応するということが一番叫ばれていることですし、そういうことに対して、せっかく防衛庁、厚生省、それから外務省からも来ていただきましたので、まず防衛庁、そして厚生省、それから環境庁、それで最後に外務省から、今後こういう日米関係の連絡をどのようにとっていって対応していくのか、お答え願いたいと思います。
  162. 渋谷實

    渋谷政府参考人 外務省といたしましても、この問題は、厚木基地内に居住する米軍関係者それのみならず、この基地周辺の市民の方々にとって非常に重大な問題であるというふうに深刻に受けとめております。  米側とは、この問題については、日米合同委員会、これは原則二週間に一度開いておりますけれども、日米合同委員会の場、あるいはその他日常の接触の場を通じて密接に連絡をとり合ってきております。それと並んで、昨年五月の日米首脳会談を初め、昨年十一月の日米外相会談、それからことし三月のコーエン国防長官の訪日の際等、首脳レベル、閣僚レベルでも取り上げられてきております。  今後の方針でございますけれども、ことし三月にコーエン国防長官が当時の瓦防衛庁長官と会談された際に、瓦長官から、日本政府としてはこの問題を深く憂慮しており、政府全体として神環保がバグフィルター設置を守るよう厳しく監視、督促すること、そして、共同モニタリング、高煙突化等の措置を講ずることとする旨を伝えまして、コーエン長官からは、日本政府協力に感謝するとともに、これらの措置実施されることを期待しているという発言がございました。  したがいまして、バグフィルターは既に設置が終わっておりますので、今後は共同モニタリング、それから先ほど防衛庁から説明がございました高煙突化等を鋭意進めていくということでございます。
  163. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 この問題について、バグフィルターの設置の部分と高煙突化の部分という二つの対策のメニューがあるわけですけれども、この二つはちょっと性格が違うということで、ちょっと御説明させていただきたいと思います。  バグフィルターは、あくまで排ガスの基準をクリアできないということから、これは法律違反の事例に対応するために設置されているものでございまして、費用はエンバイロテックそのものでございます。これは税金が入っておりません。基準に適合した施設の運転をするというのは処理業者自身の責任でございますので、その責任においてこれは対応させているということでございます。  高煙突化の問題は、これは日米間での合意に基づいて、米軍住宅の生活環境保全するために、日本と米国の政府間で調整した問題でございまして、これについては関係省庁が協力しながら対応しているということで、基準に違反しているから高煙突化するということよりも、これは地形の条件もございますけれども、米軍住宅側の環境条件が必ずしもふさわしくない、そういう点を勘案しましてそういう対策を講じようとしているものでございます。これはエンバイロテックの責任というよりは、日米間の問題として対応しているということでございますので、こちらの方は税金を使って対応しようというふうに考えておるわけでございますが、その二つにつきましてはちょっと性格が異なりますので、そういう整理をさせていただいております。
  164. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 この問題の解決のためには、一にかかって、関係省庁がきちっとしたことで絶えず話し合いをしながら、データを交換し合って対策を立てていくというのが基本だと思っております。  そういう意味では、環境庁は、そのデータを基礎的に提出し、議論ができる場面をつくっていく大きな役割をしているものというふうに思っておりますので、日米共同モニタリングを継続して行っていき、この効果について、それから炉の管理の仕方について、厳しく見てまいりたい。その中で、絶えず関係省庁と連携の上、それから、米軍との関係も含めて、具体的な話し合いの場を持ちながら解決へ向けて努力してまいりたいというふうに思っております。
  165. 武山百合子

    ○武山委員 国民の目から見ますと、省益、省、縦割り行政の弊害だと思うわけです。それで八年間も放置されてきた。このたび、やっと横のつながりで関係省庁とも検討して早急に対応を始めたということでございます。  これからは、本当に縦割りの行政ではなく、国民が何を期待しているか、もう常に、皆さんの今の言葉を聞いても、本当に役人独特の言葉でしゃべるわけです。やはり役人、すなわち国家公務員というのは国民の公僕なわけですね。ですから、役人の立場ではなく、国民にわかりやすく説明するというのが基本原則だと思いますので、ぜひそれでやっていただきたいと思います。国民の信頼を今大変失っております。本当に一人一人に聞きますと、大変失っておりますので、その辺をきちっと肝に銘じて対応せざるを得ないと思います。  あと五分という質問で、早急に二つ質問したいと思います。  PCBの処理、先ほど田端さんも質問されておりましたけれども、これはまさに有害化学物質で大変毒素の強いものであるということは、恐らくほとんどの皆さんがもう御存じだと思いますけれども、この処理で今問題になっているわけですけれども、焼却するかあるいは化学処理か。しかし、大手が三社化学処理を始めたということで、保管されている状態も、どのくらい保管されているのか、紛失がどのくらいかというのは、ようやくその数値が出てきたわけですけれども、この問題に対して、焼却の方が安く、いわゆるコストが安くできるわけですね。なぜ安くできる焼却に進まないのだと思いますか、政務次官
  166. 河合正智

    河合政務次官 お尋ねの点は、安くできないかどうかという一点でよろしゅうございますか。(武山委員「いえ、焼却という形の処理がなぜできないか」と呼ぶ)  武山委員御案内のように、地元の周辺住民の合意が得られなかったということが一番大きな原因と聞いているところでございます。  しかし、平成九年十二月の廃棄物処理法施行令の改正等によりまして、化学処理、超臨界処理といった新たな技術を導入しましたところ、このような処理技術を用いたPCB処理施設が全国で三件設置されたところでございます。地元住民の皆様の御理解というものも、徐々にではありますけれども得られつつあるのではないかと考えております。  また、十二年度の総理特別枠に示されておりますミレニアムプロジェクトにおきまして、PCB処理のモデル事業を実施しようとしておるところでございます。このような処理が、技術的にも安全かつ信頼できるものであることを国民にお示ししていくことができるのではないかと考えております。
  167. 武山百合子

    ○武山委員 何というのですか、みんな義務と権利というものを非常に履き違えていまして、この問題も、本来ならば、焼却した方がコストは安く済むわけですね。化学的処理というのは大変コストが要るわけです。民間の大企業が三社化学的処理を始めた。税金でコストを払わなければいけないということになれば、やはり焼却の方が高温で焼却できるわけですね。  しかし、それは住民の賛同が得られなかった。それは、住民の賛同が得られないという、やはり行政の、国の、地域の説明不足だと思うのです。それで、民間がやる部分、コストがかかっても、それはもうちゃんと収支バランスが合うからやるのだと思いますけれども、いわゆる有害化学物質、もう紛失も物すごく多いのですね。それから三十年も時間がたっている。これも本当に問題なのです。  余りセンセーショナルにクローズアップされないから、一般の人は何だろうという感じでいるかもしれませんけれども、しかし、大変有害な物質で、それで、どこに行ったかもわからない。それも三十年間も放置されて、どんな状態で保管されているかもわからない。これはもう本当に対策を早くしなければいけない。これは、廃棄物処理で環境省に来年来るわけですけれども、もう本当に現実的な問題として、国民の安全と、それから税金をどのように使うかということで対応していただきたいと思うのです。  それは、やはり住民をきちっと説得して、賛同を得られないといいましても、どこかで焼却しなければいけないわけですよね。化学的処理だけではコストが高くて間に合わないわけです。それで、ゼロよりはいいですけれども、三カ所で、それでこれだけ膨大にあるものを処理しなければいけない。  それから、海外に輸出もされているのですね。日本と同じことが本当に海外でも、特にアジアの国に行っているのであれば、それはまた問題、同じことが繰り返されるわけですね。ですから、その辺を本当に危機意識で対応していただきたいと思います。  時間でございますので、これで終わりにいたします。どうもありがとうございました。
  168. 小林守

  169. 藤木洋子

    藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。  まず最初に、きょうは大臣所信にもございましたように、国道四十三号等での道路交通環境対策推進についてお伺いをしたいというふうに思います。  ことしの一月、尼崎公害訴訟の神戸地裁判決に基づいて、関係五省庁が、道路交通環境対策関係省庁連絡会議というのを開きまして、去る六月六日、大気汚染の改善のための当面の取り組みをまとめました。  そこで、改めてこの判決の重要性についてですけれども、その一つは、道路沿道に形成された浮遊粒子状物質中のディーゼル排気微粒子、DEPによる局所的な大気汚染と気管支ぜんそく、ないしその前駆症状であるぜんそく性気管支炎との発症、憎悪の一般的な因果関係を認めたこと。  その二つは、公健法の暴露要件を充足する程度の沿道汚染、これは沿道五十メーター以内でありますけれども、ここに暴露された気管支ぜんそく患者原告の発症、憎悪との個別的因果関係を認めたこと。  さらに三つ目には、差しとめを求める患者原告の請求権を、生命身体を脅かされない人格的利益に基づく人格的請求権である、このようにとらえて、幹線道路の公共性、公益性よりも、患者原告並びに沿道住民の身体権の保護を優先すべきとする明確な考え方を示したことなどでございました。  そこで、この判決の重要性について、新大臣としての認識をお伺いさせていただきたいと思いますので、お述べください。
  170. 川口順子

    川口国務大臣 先日の尼崎公害訴訟の神戸地裁の判決では、SPMと通常呼ばれている浮遊粒子状物質の排出が人の健康に影響があるとして、賠償金や差しとめ請求を認める旨の判決が出されたというのは、今委員がおっしゃられたとおりでございます。この判決に対しては、国といたしましては、因果関係の認定等について問題があるとして控訴をしているところでございます。  それから、裁判への対応いかんにかかわらず、尼崎地域を初め沿道環境の厳しい地域においては、その改善に向けて最大限の対策をとる必要があるという認識を持っております。  このために、ディーゼル車排出ガス規制の強化、それから自動車NOx法見直し等の対策推進全力を尽くすつもりでおります。  それからさらに、関係五省庁において、これは、環境庁のほかに警察庁、通産省、運輸省、建設省でございますが、国道四十三号線等における大気汚染の改善のための当面の取り組みについて取りまとめたところでございまして、政府の中での密接な連携のもとに対策を具体化してまいりたいと考えております。
  171. 藤木洋子

    藤木委員 「当面の取組」では、交通流対策それから道路構造対策といたしまして、高速道路三号神戸線から阪神高速五号湾岸線へ自動車交通を誘導する、湾岸線の料金について神戸線に対して格差を設ける環境ロードプライシングについて、早期導入に向け検討を進め、早急に方針を取りまとめる、このようになっています。また、交通量のデータ収集、推計などを行い、物流に対する影響も考慮しつつ、国道四十三号等の大型車の交通規制の可否について検討を行うとしております。  しかし、改善に向けて最大限の対策を講じる必要があるとしながら、実際の取り組み検討事項ばかりで、具体性に欠けております。一向に改善の実効性が見えてまいりません。  そこで、環境ロードプライシングの導入については建設省に、それから大型車の交通規制については警察庁に、それぞれいつまでに方針を取りまとめるおつもりなのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
  172. 倉林公夫

    倉林政府参考人 お答え申し上げます。  阪神高速道路における三号神戸線から五号湾岸線への交通の転換を促進するために、神戸線と湾岸線の料金に格差を設ける、いわゆる環境ロードプライシングにつきましては、現在、一般道路への影響も含め、その効果や公団の採算性に与える影響など、総合的観点から検討を行っているところでございます。  できる限り早急にその方針を取りまとめたいと考えているところでございます。
  173. 坂東自朗

    坂東政府参考人 かねてより、兵庫県警察におきましては、建設省などの関係機関とも連携をとりながら、国道四十三号線などの道路交通環境に精力的に取り組んでいるところでございます。  そこで、本年の六月に、関係五省庁局長会議によって取りまとめました「当面の取組」に掲げております大型車の交通規制の可否につきましては、兵庫県警察におきましてさまざまな課題について現在検討を継続しているところでございまして、現時点においてその検討結果を出す時期について申し上げかねる段階ではございますけれども、警察庁といたしましては、可及的速やかにその検討結果を出すように兵庫県警察を指導してまいる所存でございます。  なお、あわせて、警察庁といたしましては、交通流の円滑化による大気汚染物質の排出量を減少させるための交通安全施設の整備等、実現可能なものから速やかに対策を進めるよう兵庫県警察を指導しているところでございます。
  174. 藤木洋子

    藤木委員 いずれも、できるだけ早くとか可及的速やかにと言われましたけれども、それは、国民の言葉に翻訳いたしますと、今年度の前半期にやるというような受けとめでいいのかどうか。その辺は一向に明らかになりません。  阪神地域では、大型車由来の環境負荷が圧倒的に大きいのです。ですから、公害健康被害を予防するという観点からも、大型車の交通量の削減は緊急課題になっております。警察庁は、道路交通騒音対策でも大型車の交通規制の検討というのを続けてきたわけですよ、これまでも既に。ですから、もうそろそろ方針をまとめてお出しになるのは当然のことだと思います。  大気汚染の改善のための新たな取り組みといたしまして注目されている施策は、大型車の交通規制とともに、使用過程ディーゼル車排出ガス対策推進がございます。  このたびの判決を受けまして、ことし五月、京都、大阪、兵庫の知事、市長が連名で、環境庁長官あてに、ディーゼル自動車対策推進に関する要望書というのを出しておりますけれども、そこにも、使用過程にあるディーゼル車についても技術開発の促進などにより排出ガスの低減措置を講じられたい旨の要望がされております。  さらに、東京都や兵庫県の場合は、排出ガス低減装置、DPFの装着の義務づけも検討しているところです。  しかし、ディーゼル車対策技術評価検討会の中間取りまとめでは、現時点においては全ての使用過程ディーゼル車に装着可能な状況にはないことから一律の義務づけは不可能であるとしております。これでは、深刻な大気汚染を引き起こしている使用過程ディーゼル車排出ガス対策推進されないということになるのではないかというふうに思います。  ですから、DPFの一層の技術開発を進める、それからDPF装着の可能性を拡大するというようなことを行って、DPF装着を促進する施策こそ強調すべきであろうと思うのですが、環境庁、いかがですか。
  175. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 具体的に、東京都の動き、それから各地方自治体からの動きというのは先生のおっしゃるとおりでございまして、その形の中で環境庁、通産省、運輸省で合同のDPFの技術にかかわる検討会を開きまして、中間取りまとめを行いました。この中には東京都の技術の担当も入ってございますが、その中で技術的にまとめた考え方でございます。現在の持たれているDPFの力というのが、今回発表されたような形でのところがございます。  まず装着のスペースの問題、それから走行条件の問題ということを頭に置いて、DPFそのものが効果がないわけではないんですが、一定の効果が見られる、しかし、先ほど申した装着のスペース、走行条件ということで、車の種類によって一律に義務づけることは不可能ということを言われているわけでございまして、代替の促進とか、DPF装着促進を含む対策、技術開発の促進ということは、当然今後の課題とされているわけでございます。  そして環境庁は、本中間取りまとめに示された施策について、今後、十三年度予算要求、及び、現在中央環境審議会審議されております自動車NOx法、先ほどから大臣が申されておりますが、改正の中でこの問題を具体化していくという形で示してまいりたい。  なお、通産省それから運輸省もそれぞれこの問題に携わっておりますので、それぞれの省の立場の中で考え方を出して、そしてそれが、三省庁がまとまった形で具体的な効果へ進むというふうに思っております。  それから、DPFの力というのは、今後の大気汚染問題を含めたときの大きな問題になってくる部分というふうに思っておりますので、この技術をもっと進めていくということは、当然の仕事として今後義務的にかかってくる問題というふうに思っております。そのために、具体的に予算要求も十分してまいりたいというふうに考えております。
  176. 藤木洋子

    藤木委員 しかし、東京都は、その中間報告につきまして、粒子状物質除去装置を義務づけるということによって新しい規制対応車への買いかえを促進することになる、このように反論しております。検討している規制のスケジュールに変更はないとしているではありませんか。  そこで、今環境庁は、来年の自動車NOx削減法の改正で、これらDPF装着など、ディーゼル車からの粒子状物質対策を含め、規制を大幅に強化することを検討していると聞いております。しかし、そもそも九二年の現行法制定の際に、私たち日本共産党は、現行法の仕組みだけでは二〇〇〇年までにはおおむね環境基準の達成の保証はないといたしまして、修正案を提出してまいりました。  その一つは、特定事業所への自動車排出窒素酸化物の総量規制、二つ目は、ステッカー方式による運行規制、三つ目には、地方自治体の権限の強化、こういったことを主な内容としたものでございました。二〇〇〇年度達成ができなかった今こそ、これらの実効ある規制措置が必要であろうというふうに思うわけです。  ですから、現行法と同じように環境基準の達成がまたできなかったということにならないように、大臣の不退転の決意と規制の大幅強化を求めたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
  177. 川口順子

    川口国務大臣 自動車NOx法に基づいて、平成十二年度末までに二酸化窒素に係る環境基準のおおむねの達成ということを目標にしまして各種の施策に取り組んでまいったわけでございますけれども、現状では、目標達成は厳しい状況にございます。  この理由でございますけれども、車種規制による代替は着実に進んだわけですが、自動車交通量の伸び、車両の大型化それからディーゼル化等がございまして、低公害車の普及ですとか物流対策、交通流対策、そういった施策が必ずしも所期の効果を上げなかったということかと思います。  現在、中央環境審議会におきまして、現行自動車NOx法に基づく施策の効果等も評価した上で、自動車NOx法見直しを含めた今後の自動車排出ガス総合対策のあり方について御審議いただいているところでございます。  環境庁としまして、その結論を踏まえて、実効ある新たな対策の策定、推進に向けて、関係省庁と地方公共団体、事業者の方々、住民の方々協力をしつつ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  178. 藤木洋子

    藤木委員 具体的な施策をきちんと盛り込むという改正を行わない限りだめだというふうに思いますね。それは十分力を入れてやっていただきたいというふうに思います。  次に、私は昨年七月の当委員会でも質問をしたところでございますけれども、豊能郡美化センターと類似した炉頂型の労働者への健康調査を行って、これまでの暴露防止対策を見直すこと、同時に、焼却炉解体や無害化処理に伴う作業環境のマニュアルを策定して、労働者の安全対策を図ることなどを求めてまいりました。  これに対しまして、労働省は、一層の暴露防止対策の徹底を図ること、焼却施設の解体事業者等に対し、所轄労働基準局を通じて適切な指導に努めるなどと答弁をされました。しかし、先月十二日の労働省の「豊能郡美化センター解体工事関係労働者の血液中ダイオキシン類について」という発表によりますと、三十五名の血液中ダイオキシン類の濃度というのは平均で六百八十・五ピコグラムです。最大値は五千三百八十・六ピコグラムを検出したとされております。このことは労働省が解体工事に伴う何らの暴露防止対策も見直さず、作業環境のマニュアルも策定してこなかったということではないのでしょうか。  ですから、今になって、これから解体作業マニュアルを作成すると言っておられますけれども、このような高濃度ダイオキシン類汚染物処理を所轄の労働基準局だけの指導に任せてこられた、その労働省の責任は極めて重いと思いますが、労働省、どうですか。
  179. 下田智久

    下田政府参考人 廃棄物焼却施設におきます解体工事につきましては労働基準監督署等に計画を届け出る法的義務は現在のところないわけでございますが、豊能郡美化センターにおきましては、過去に例を見ない高濃度のダイオキシン類に汚染された焼却施設であるといったことから、その解体工事を行うに当たりまして、所轄の淀川労働基準監督署に事前に工事計画の届けを求めたものでございます。  この計画によりますと、淀川労働基準監督署は種々の観点から審査を行ったわけでございますが、労働者保護といった面から、マスク着用状況の監視体制の一層の強化、あるいはエアシャワー使用の徹底、防護眼鏡の使用といった部分につきまして指導を行ったものでございます。
  180. 藤木洋子

    藤木委員 指導を行ったとおっしゃいますけれども、そうじゃないでしょう。  労働省は、日立造船の解体工事計画の届け出に対して、昨年の四月の「ごみ焼却施設におけるダイオキシン対策の徹底について」の通達に基づいて、エアラインマスクの監視体制、エアシャワー室での汚染除去、それから保護具の適正な使用などを指導したということになっているわけですが、しかし日立造船が、解体実施で、今問題になっているクリーンスペースが新たに盛り込まれていたということがあるにもかかわらず、解体工事中の指導は一切実施してこなかったではありませんか。  これは大阪府も同じであります。大阪府のダイオキシン類に関する環境対策検討委員会の高濃度汚染物除去対策技術専門部会が日立造船案が望ましいと評価を下しまして、日立造船の技術を選定しておきながら、十一年八月に労働省、厚生省の担当官も参加をした専門部会の委員が視察をしただけです。何ら責任のある指導も行ってはおりません。これは高濃度ダイオキシン類汚染物処理に対する労働者の安全衛生と健康に対して十分な対策ではなかったと言われても仕方がない、私はこのように思いますけれども、労働省、どうですか。
  181. 下田智久

    下田政府参考人 ただいま御指摘のように、今回の解体工事につきましては、先ほども言いましたように、非常に高濃度のダイオキシン類に汚染された焼却施設といったことで、法的規制はないにもかかわらず、所轄の基準監督署による指導を幾つか行ったわけでございます。さらに、労働本省におきましても、こういった工事にかんがみまして、解体工事の事業の前後におきます血中ダイオキシン類濃度の測定を指導してきたところでございます。  こうした指導にもかかわらず、今回の事案が発生したことは大変残念なことでございまして、工事計画そのものに問題があったのか、あるいは作業の進め方に問題があったのか、現在、専門の検討委員会をつくっておりまして、この中で、そういった問題を検討調査をしていただいているところでございます。
  182. 藤木洋子

    藤木委員 調査をされていることは重々存じ上げております。  そこで、今回、その三十三名の労働者は、実際、焼却炉や湿式洗煙塔など高濃度の場所の解体に従事していたということを日立造船も認めているところなんですね。労働省の大阪労働局もこれは確認をしております。さらに、労働局は作業労働時間の長さと血中濃度の高さが相関関係にあることもおおむね認めておられます。この汚染物除去と格納は、当初の計画では十一年の六月半ばから九月にかけての三カ月間という計画だったわけですね。ところが、実際に作業を始めてみますと、ドラム缶にして二千本の予定であったものが実はその倍の四千三百二十本ということになりまして、結局、工期、事業の期間は六カ月もかかってしまった。三カ月延びたわけですね。ですから、当然、作業総労働時間が長くなればなるほどダイオキシンの蓄積濃度というのも高くなるわけです。  しかし、この汚染物除去、格納期間が三カ月延長して作業をしているにもかかわらず、労働省からも大阪府からも指導は全くなかったというのは、無責任以外の何物でもないのではないでしょうか。その点はいかがですか。
  183. 下田智久

    下田政府参考人 御指摘のように、解体工事が当初三カ月の予定であったものが六カ月に延びたということでございますが、このことにつきましては、当初考えておりました実際の作業が予想以上に困難であった、例えば時期的に夏にかかったといったようなことで、作業環境が悪いといったことが一つございました。また、ドラム缶に詰めていくわけでございますが、このドラム缶を作業現場の外に出すことができないといった条件がつけられたことから、作業期間が大幅に延びたというふうなことを日立造船から聞いているところでございます。  また、御指摘のように、工事作業とダイオキシン濃度との因果関係といったことでございますが、この部分については、現在、解体作業の労働者についてはまだ調査中ということでございます。ただし、豊能郡美化センターにかつて勤めておられました労働者につきまして、平成十年に調査を行っておりますが、このときは、確かに作業の状況に応じてダイオキシン濃度が高いといった結果は得られているところでございます。
  184. 藤木洋子

    藤木委員 私の聞いていることにちゃんと答えていただくように、委員長からも御注意を喚起していただきたいと思います。  私が伺ったのは、経過などの説明ではないのです。労働省の責任はどうかということを問うているわけですが、いかがですか。
  185. 下田智久

    下田政府参考人 先ほども申し上げましたように、解体工事そのものにつきましては、現在のところ何ら法的届け出の基準がないというふうに申し上げたところでございます。  しかしながら、非常に高濃度の汚染された施設の解体であることから、地元の局あるいは労働本省が一体となりまして指導を行ったといったことでございまして、そういった意味では十分に指導したのではないかというふうに考えております。
  186. 藤木洋子

    藤木委員 法的根拠がなければ、労働者がどんなに危険であっても、安全が損なわれていても、また健康が損なわれても構わないというようなことではありません。労働省の役割はそうではないということを、もう一度改めて認識をし直していただきたいと思います。  労働省は七月十四日に、再発防止をするため、その発生原因の調査と解体作業における緊急対策を策定するとして、その緊急対策が策定されるまで解体作業の実施を自粛するよう関係団体に通知をされました。  そこで、環境庁調査によりますと、焼却施設に対するダイオキシン規制が強化されたのを受けて、昨年一月以降、全国の焼却施設の約一七%に当たる、これは約四千六百施設が休廃止をしているわけですね、その中で、一時間に五十ないしは百キログラムのごみ焼却能力を持つ小型焼却炉が全体の約三割に当たる、これは約三千百七十施設になっております。産廃処理に使われることの多い百ないしは二百キログラムの能力の施設というのは約一割で、これは九百六十五施設。それ以上の能力のものが二百九十施設となっております。  今後さらに休廃止する施設がふえる見通しですし、これの解体作業というのが行われていくでしょう。  豊能郡美化センター焼却施設解体工事での汚染状況の資料というのは、労働者のプライバシー保護に配慮をしつつも、全面的に情報公開をして、今後の同種の解体工事での汚染の再発防止対策とすべきだというふうに考えますが、労働省、どうですか。
  187. 下田智久

    下田政府参考人 豊能郡美化センターの解体工事、このような状況でございましたので、そういった観点で、現在、施工中あるいは進行中の解体工事の自粛につきまして、労働大臣から自粛の要請をいたしたところでございます。  現在、調査委員会等を設けまして原因等解明をいたしておりますが、これらの結果につきましては、まとまり次第、労働者のプライバシーを尊重することは当然でございますが、公表をし、同種工事に従事しております労働者の安全衛生確保に十分努めてまいりたいと思っております。
  188. 藤木洋子

    藤木委員 また、このような解体作業に従事する労働者というのは、日立造船も認めているところですけれども、大手プラントメーカーの下請労働者として全国を渡り歩きながら、専らこれらの作業に専門的に従事をしているというふうに伺いました。  このような焼却施設などの解体、オーバーホールなどに専門的に従事する労働者の実態調査と、労働者のダイオキシン汚染蓄積の健康調査をする必要があると私は思うのですが、労働省、どうですか。
  189. 下田智久

    下田政府参考人 労働者の実態調査といった御指摘でございますが、平成十年に、豊能郡美化センターが非常に汚染されておるといった事実を踏まえまして、そこで働いております労働者の方々につきまして調査をし、非常に高濃度の血中ダイオキシンが検出されたといった問題が明らかになったところでございます。  これを受けまして、労働省では、平成十一年から、全国十二の廃棄物焼却施設の労働者につきまして、血液中のダイオキシン類濃度測定あるいは健康調査、職業歴、そういった総合的な調査を始めたところでございます。  また、平成十二年度におきましても同様の調査を継続することといたしておりまして、今回の解体工事の原因調査とあわせまして、こうした結果の中で、労働者の実態についても明らかにしてまいりたいと考えております。
  190. 藤木洋子

    藤木委員 解体を専門にやっている労働者についての御答弁は極めてあいまいだったわけですけれども、今まで焼却炉で働いている、作業していらっしゃる方については行ってこられたわけですから、それをさらに前進させる立場で取り組んでいただきたいということを重ねて要請しておきます。  厚生省も、昨年七月の私の質問に対しまして、解体廃棄物の処理の状況について調査をし、その調査結果を踏まえながら都道府県を通じて市町村等に適切な指導を行っていくと答弁をし、その後、昨年十二月に、高濃度ダイオキシン類汚染物分解処理技術マニュアルというのをまとめられました。このマニュアルは、豊能郡美化センターに残留する汚染物を適切に処理する際の参考になるというものでした。このマニュアルに即した汚染物処理技術で評価をされ、ことし三月に処理業者が選定されたわけです。  しかし、そもそも厚生省は、この解体処理事業では、その費用の十五億四千八百万円の半分を補助しているわけですから、当然、再び高濃度汚染を引き起こさないように、大阪府を通じて施設組合それから日立造船をしっかり指導する責任があったというふうに思います。  ですから、今回の原因究明の結果を見て、高濃度ダイオキシン類汚染物分解処理技術マニュアルなどの見直しを行うべきだということを強く要望しておきたいと思います。  さらに、現在の最高水準の技術で行われている今回の除去解体事業が、高濃度の二次汚染を引き起こしてしまいました。これは、高濃度のダイオキシン汚染物に対する認識の甘さと監督官庁の対応の無責任さがある、私はこのように思います。  解体作業に従事した労働者や周辺住民に、大変な不安と不信を与えてまいりました。こうした時期に、厚生省の補助金で今回の除去された高濃度汚染物を処理する施設を豊能町内に建設するという計画が進められております。近隣住民は、十分な情報が公開されず、住民の合意のないまま、住民の健康と安全を脅かす施設の建設計画が進められているとして、この建設計画の白紙撤回を求めておられます。  そこで、高濃度のダイオキシン汚染物を処理した実績がなく、処理技術の安全性と監督官庁の対応が住民の不安と不信を招いている現在、この高濃度汚染物処理施設建設計画というのは抜本的に見直しを行うべきだと思うのですが、厚生省、どうですか。
  191. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 御指摘のとおり、豊能郡の美化センターの高濃度ダイオキシン汚染物につきましては、溶融法という方法で処理することになっています。これは、今先生がおっしゃったように、厚生省のマニュアルにその一つの方法として示した上で、大阪府の技術専門部会でその技術検討をした結果、そういう処理方法を選定したということでございます。  この処理方法自体につきましては、専門家から評価を受けて、これで適切だというふうに言われたわけですから、この計画を見直す必要があるというふうには考えておりませんけれども、御指摘のように、ほかのいろいろな状況が重なりまして、地域住民に不安を与えているとか理解が十分でないというようなことがあるとすれば、そこのところにつきましては、地域住民に対する十分な理解が得られるように、どういう方法が可能か都道府県ともよく相談していきたいというふうに思っております。  それから、施設の整備につきましては、御指摘のように厚生省としても二分の一の補助を出すことにしているわけですが、先般の解体作業の従事者の血液中に高濃度ダイオキシンが検出されたというふうなこと、今お話があったようなことがありました。これは、労働省の方で廃棄物処理施設の解体工事における緊急対策というのを検討中でございまして、近いうちに出るというふうに聞いておりますけれども、緊急対策というものが出て解体工事がオープンになるまでは、少なくとも今の解体廃棄物の処理のスタートというのは見合わせた方が適当だろうというふうに考えております。
  192. 藤木洋子

    藤木委員 重々、住民の合意なしにスタートするというようなことがないように強く申し上げておきたいと思います。  それでは、労働省は昨年十二月、廃棄物焼却施設で作業する労働者がダイオキシン等に暴露することを防止するため、事業者が講ずべき措置についてまとめた「ダイオキシン類による健康障害防止のための対策要綱」というのを策定されました。さらに、今回、専門委員会を設置し、原因調査と焼却施設の解体作業マニュアルの作成を行うことになった、こうなっております。しかし、これらの対策要綱、緊急対策あるいはマニュアルというのは、先ほどからお話も出ておりますけれども、何ら法的根拠のない指導にすぎない範疇のものですね。  そこで、労働安全衛生法などでダイオキシン類を規制対象物質にして労働者の安全衛生と健康を守るべきだ、このように私は思いますけれども、どうですか。
  193. 下田智久

    下田政府参考人 今回の豊能郡美化センターの事案につきましては、行政指導として種々の手を打ったにもかかわらず、こういった結果を招いたということは大変残念なことだと考えております。  現在、委員会をつくりましてその原因調査等々を行っておりますので、その結果を踏まえまして、今後、労働者の安全衛生を確保するための必要な対策検討してまいりたいと考えております。
  194. 藤木洋子

    藤木委員 もう時間になりましたけれども、今回の労働省の指導というのも、結局、足場の設置だとか煙突の解体に伴う安全面での届け出義務にひっかけて、ダイオキシンの衛生面での指導というのをなさったにすぎないわけです。こういうやりにくいやり方で労働者の安全が守れるはずはありません。  やはり、現行のダイオキシン類対策特別措置法の制定時にも問題となって議論をされたところですけれども、このダイオキシン類汚染に対する労働者の安全衛生と健康を保護する法的な規制が必要になっていることです。  当時、私たち日本共産党が提案をいたしましたダイオキシン類に係る発生の未然防止、排出の規制及び汚染の除去等に関する緊急措置法の雑則の第五十三条にはこのように定めております。「国は、ダイオキシン類が発生する事業場等における労働者の健康を確保するため、事業者によりダイオキシン類に係る労働者の作業環境の測定及びその評価並びにその評価の結果に基づく必要な措置が適切に行われるよう、必要な法制上の措置を講ずるものとする。」このように規定をしておりました。  そこで、この豊能郡美化センター焼却施設解体工事に伴う労働者への高濃度汚染を機会に、今こそ労働者保護のための法規制が必要であろう、このように思いますけれども、環境大臣としてこの点はどのようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。
  195. 川口順子

    川口国務大臣 環境庁といたしましても、ダイオキシン類問題の重要性を踏まえまして、国民の安全、安心のためにダイオキシン類の排出削減対策や、健康及び環境への影響の実態把握等をより一層推進してまいりたいと考えております。
  196. 藤木洋子

    藤木委員 そのお考えがすべての省庁に貫かれるように御努力をいただきたいということを申し上げて、私の発言を終わらせていただきます。
  197. 小林守

  198. 中川智子

    中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。  まず最初に、川口長官、そして河合政務次官の御活躍を心からお祈りいたしまして、御就任おめでとうございます。  まず最初の質問ですが、七月二十五日、環境庁は運輸省と一緒に、尼崎のいわゆる新幹線の振動公害に係る問題で現地の調査に行っていただきました。心から感謝申し上げます。  あの日、七月二十五日、終わった後、住民の皆様にお話を伺いますと、何かいつもより揺れが少なくて静かでがっかりしたということだったんですが、特にそんな裏工作ではなくて、たまたま何か、コンクリートの剥落とかいろいろ新幹線での問題があって、そういう工事の最中だったらしいです。  そんなことで六十デシベル以下で静かだったので、やはり日常的には七十デシベル以上の振動で、寝ていても早朝、深夜、目が覚めてしまう。震度三近くの揺れで、本当に住民の皆さんの健康被害、そして、さまざまな形での要望というのが相変わらずございます。  環境庁にまず伺いたいんですが、この間行かれて、ただ体感しました、皆様のお話を伺いましたで終わるのではなく、家屋内での測定を、一定のルールを決めて継続的にしていただきたいと思います。そして、行く行くは家屋内の振動基準の見直しまで含めて、そのおつもりがあるかどうか、そしてこの間の感想などを伺えれば幸いです。お願いします。
  199. 廣瀬省

    廣瀬政府参考人 お答えいたします。  七月の二十五日の一時半からの環境庁それから運輸省の視察、そして実態についての報告は受けてございます。そして、このときの報告だけという問題ではなくて、先生のおっしゃられるように、一つの考え方で仕事を進めていかなければいけないと考えております。  まず、平成八年度から平成十年度にかけて、兵庫県に委託しまして、新幹線鉄道による振動の家屋増幅量を把握する目的での振動測定を行いました。そういうデータがあることを踏まえながら、家屋内での振動の測定は幾つかのデータが出ております。しかし、今回も視察しておりますので、その辺を頭に置きながら、より必要なデータを集めることも頭に置きながら、振動の実態とメカニズム、そして振動の影響等の検討を進めるというふうにしてまいりたいと思っております。  それは、なぜそうするのかということになるわけでございますが、現在、昭和五十一年の基準というものを使っております。そして、その中には測定方法等も含めて細かく書いてございまして、達成のための施策についても書いてございます。そういうことを含めてこの問題をどう考えていくか、今の実態と合わせたときにどうあるのかというところを含めて仕事を進めることが重要というふうに思っております。  そういうことで、振動の現在の実態とメカニズム、そして振動の影響というのを今後の環境状況の中でどう持っていくのか、どう考えていくのかという点で検討してまいりたい。そして、一つの目的が達成されたからそれでよいというのではなくて、よりよい環境を求めるための努力を続けることが環境庁の仕事というふうに考えておりますので、仕事を進めてまいりたいというふうに思っております。
  200. 中川智子

    中川(智)委員 ありがとうございます。  沿線住民の方は、毎日、朝早くから夜眠った後もこの振動でさまざまな苦しみを訴えられていらして、一日も早くその方たちが安心して暮らせるような環境整備をぜひともお願いいたします。  続きまして、きょうは大臣所信に対する質問ということで総花的になりますが、昨年、鳥獣保護法の改正が行われました。いろいろな思いがございましたが、やはり本日の所信の中にもありますように、森というのは本当に水が生まれるところだと私自身思っております。  しかし近年、やはり自然環境の破壊、動物たちも森の中でえさがなくなって、どんどん人々が暮らしているところまでえさを求めていって、結局、動物がもう住めないような森林がふえていること、そのこと自身を今私たちがしっかりと見据えて、自然環境を守り、野生動物も守っていかなければ、自然環境というのは人間だけで手を入れてお金をつぎ込めばいいのでは決してなくて、さまざまな動植物と人間が共生していく、そのような謙虚な立場で地球を守っていくということがとても今大事だと私自身思っております。  森を守る知恵は人間が出し、そして森を守る存在として野生動物をいかに大事にしていくかということで質問をしたいのです。昨年のいわゆる鳥獣保護法の改正と並んで、そのときに、特定鳥獣保護管理計画を各都道府県に作成するようにということで、環境庁がその作業を進めていらっしゃると思いますが、現在、保護管理計画、全国で何県きっちりとつくられているのかどうか、そしてその後の他府県の進捗状況についてまず伺います。政務次官、よろしくお願いします。
  201. 河合正智

    河合政務次官 ただいまお触れになりました鳥獣保護法の改正でございますけれども、これは中川委員も深くかかわられた改正であったと思われます。ここで、野生鳥獣の個体群を安定して維持しながら、人とのあつれきをできるだけ少なくするための特定鳥獣保護管理計画制度を創設したところでございます。  ただいまお尋ねの特定鳥獣保護管理計画の策定状況いかんということでございますが、昨年九月の法施行を受けまして、現在、各都道府県におきまして積極的に本制度に基づく計画の策定が進められております。既に岡山県、静岡県で計画が策定されております。さらに、平成十二年度中に約二十県で、シカ、カモシカ、猿、クマを対象にした計画が策定される見込みとなっております。
  202. 中川智子

    中川(智)委員 先日もクマが大阪の方に出まして、大阪では有害鳥獣として射殺していいということになっておりまして、クマは、新聞も読めないし何もできないのでしょうけれども、兵庫県の方に移動しまして、兵庫県はクマは守るということで、兵庫県の方では助かった。私の暮らしております宝塚の方で、住民の方が何人か見たということなんです。  そんなふうに、野生動物というのは移動するのですが、府県によって、自治体に任されるということで、地方分権の一つの流れとしてそういう問題もあったのですけれども、守るという形での環境庁の施策をできれば進めていっていただきたいという要望と同時に、附帯決議で、野生動物保護法をつくるというお約束がございました。その進捗状況について伺いたいと思います。
  203. 川口順子

    川口国務大臣 委員おっしゃられますように、人間と自然の、自然の大きな部分、動植物であるわけですけれども、共生というのは所信表明でも述べさせていただきましたように、二十一世紀に向けての大きな課題であるというふうに思っております。  この関連で、昨年、鳥獣保護法が改正になったというふうに理解しております。その附帯決議に、施行三年後を目途に見直しということが求められておりまして、それでどういうことを考えているかということでございますけれども、先ほど総括政務次官から申し上げました特定鳥獣保護管理計画、その制度、法改正を受けた諸施策の施行状況、それから、その効果というものを勘案しつつ対応を検討していきたいというふうに思っております。
  204. 中川智子

    中川(智)委員 大変申しわけないのですが、野生動物保護法の見通しというのを伺いたかったのですが、大体いつごろをめどにと、今の大臣の御答弁では余り進んでいない印象を受けましたが、いかがでしょう。
  205. 川口順子

    川口国務大臣 先ほど申しましたように、附帯決議に書いてございますのは、「本法施行三年後を目途」にということでございます。これは昨年改正されたということでございますので、それから三年ということでございまして、それを目途に、今いろいろな、行われた保護管理計画の策定の状況ですとか、その効果ですとか、そういうことを見ながら対応を検討していきたい、そういうことでございます。
  206. 中川智子

    中川(智)委員 ありがとうございます。  何となく、日々、猿とかシカとかいろいろ少なくなっていっていますので、三年後というのは私もよく承知しておりますが、できるだけ早くという思いを込めて、お願いをいたしたいと思います。  続きまして、先ほど藤木委員からも御質問がございましたが、豊能郡美化センターの高濃度に汚染された土壌、そして、焼却炉の解体にかかわるさまざまな汚染物の問題について質問をさせていただきます。  先般、長官は大阪の方に行かれまして、西淀川のあおぞら財団の方を視察されました。そして大気汚染で大変苦しんで、大きな犠牲を払って一定の解決を見たわけですけれども、あそこも未来に向けての町づくりを積極的に行おうと取り組みを始めています。また、今回のダイオキシンの問題でも、大阪府の能勢の住民たちは、ダイオキシンに勝った町というふうにしたいということで、一生懸命取り組みもしているのです。  長官はその視察の後に府庁の方にいらっしゃって、太田知事ともお会いになられたということを報道で知りましたが、能勢のダイオキシン問題の解決に向けて太田知事と御意見を交わされたやに伺っておりますが、そのお話を少し伺いたいと思います。
  207. 川口順子

    川口国務大臣 七月十九日に私は大阪に参りまして、委員がおっしゃられたようなあおぞら財団を訪問させていただき、そのほかにUNEPの国際環境技術センター等を見てまいりました。新しい仕事についたときには、やはりその現場感覚を自分で持つことが大事だと私は常々思っておりまして、そういう意味で、十九日に大阪に伺ったわけでございます。  それで、委員おっしゃられたように、大阪府の太田府知事ともお目にかからせていただきました。そこで大阪府の太田府知事からお話がございましたのは、ダイオキシン等で汚染された土壌の処理問題についてよろしくということでございました。私からは、汚染された土壌というのはやはりできるだけ早く浄化をすることが大切であるというふうに考えるということでして、今そこに実証調査をするプラントを建てるというお話を実はさせていただいているわけですけれども、まだ現実化するには至っておりません。そういう意味で、技術について住民の方に疑問がおありになるのであれば、幾らでも人を派遣して御説明をさせていただきますということを申し上げさせていただきました。そういうお話を府知事とさせていただきました。
  208. 中川智子

    中川(智)委員 今、長官が太田知事とお話されたように、公害調停も、三井造船との話し合いも、住民の方と調印されたのが七月の十四日のことでした。しかし、その二日前に、解体作業に従事した労働者の方たちの血中濃度が本当に異常に高かった。  それを引き受けた日立造船は、最初、従事する前にちゃんと従事される方たちの血中濃度をはかって、終わった後も、ほらごらんなさい、全然血中濃度は大丈夫でしたよと言うつもりだったわけですね。そういう技術だということで、でもしかし、はかってみたら高レベルのそれが出たということで、公害調停はスムーズにいった後、土壌の無害化に向けてのプラントも、私も、本当に早く能勢の汚染された土壌が無害化に向けて浄化されるように進んでほしい、ああ、よかったと思っていたところが、その労働者の方たちのが出て、何かまた一から振り出しに戻ってしまったという状況が今あります。  そこで、住民の方たちともいろいろお話をしたのですけれども、この処理技術も、我が国初めての技術で、今後の実施に当たっては慎重にしてほしいというのが住民の方たちの考えです。  私もこれまで何度か質問しておりますが、住民の方々合意を得るためには、まず二つ問題があるのです。一つには、実証プラントを建設しようとしているところは、大阪府の府立能勢農業高等学校の真横で、背中合わせの場所にあります。これはもう行政の方がここだというふうに決めて、そこということが了解されたような形で進んでいるのが現状ですが、高校生が授業を受けるその横でこの浄化のプラントが稼働するということで、場所に対していまだに強い不安を持っていらっしゃいますので、この場所について長官がどのようにお考えかということと、もう一つは、処理技術も日本初ということで慎重にすべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
  209. 川口順子

    川口国務大臣 実証調査実施予定地が委員おっしゃられましたように、能勢農業高校の実習農場の隣接地であるということは、そういうことでございます。これはまた同時に、汚染土壌の保管場所の近くであるということでもございます。  この技術の安全性についてでございますけれども、小規模の実験で確認は行っております。それから、アメリカ等で教会ですとか一般住宅の周辺で同じ技術を使って浄化事業が実施されたという実績がございまして、その場合に周辺地域への汚染を生ずることがなかったということで、私どもといたしましては十分に安全性が確保できる技術であるというふうに考えております。  環境庁といたしましては、能勢農業高等学校、農業高校が隣接をしているということで地元の皆様に御不安の声があるということは承知いたしておりますが、先ほども申し上げましたように、その実施に際しては、不安をお持ちの方に対しては、技術の安全性については、人を派遣していつでも御説明を申し上げたいというふうに思っておりまして、そういう方針で対応しております。
  210. 中川智子

    中川(智)委員 今の長官のお返事の中で、不安を解消するのは、技術がオーケーならばということではないと思います。場所がそこで本当にいいのかどうか。今回のダイオキシン措置法でも、焼却場などは学校や病院や幼稚園とかそういう施設のそばにはつくらないことというようなことで進められているわけです。これは二次災害のことを考えますと、同じように取り扱うべきだと思っておりますので、場所について再び考えていただきたいということに対しての御答弁をお願いします。  それと、もう一つは、ジオメルト方式はアメリカでの実証実験があるというふうに長官はお答えになりましたが、これは九六年から中止しております。そして、近所に教会とか民家とかというのは、実際は、写真では見えていたので、私も現場に行っていないので、写真を見たりいろいろ情報をいただきました。そうしたら、全部もう無人なんですね。人は住んでいない、建物だけある、そういうところで実施をしたのです。  ですから、近所に全部あって、人が住んでいて、そして安全だということが確認されたというふうにお考えになるのは、ちょっと言葉が悪いかもわかりませんが、向こうの言うことばかり聞いていて、実際に初めての日本でのことですから、もっと緻密な調査をして、何回かもっと実証を積んでやるべきだ。でないと、住民の方たちの不安に対してはこたえることはできないと思いますが、再度御答弁をお願いします。
  211. 川口順子

    川口国務大臣 委員おっしゃいますように、技術的に安全であっても、地元方々の心の中に不安が残り得るということはあり得ることだというふうには思っております。  それで、環境庁は、その場所の件については、大阪府と地元方々お話し合いになられて場所を決められるという形になっておりますので、大阪府に対しましては他の場所での実施などにつきまして配慮を求めてきております。これは大阪府で現在、対応中であるというふうに聞いております。
  212. 中川智子

    中川(智)委員 大阪府が対応ということはあるのですが、とても大きな問題になってきましたので、自治体に任せるのではなく、環境庁はこの間ずっと何度も能勢に実際にちゃんと担当課の課長さんを派遣していただいて、話し合いを積み重ねていらしています。ですから、住民の方たちとの話し合いというのを今後もきっちりやっていただいて、今度課長さんもかわられたので、ぜひとも早い時期に一度行っていただいて、今までのようにお話し合いを重ねてやっていただきたい。  こんなことを言いたくないのですが、言ってしまいますと、施設組合への、自治体への不信感というのがまだまだぬぐえなくて、自治体の施設組合の方たちとのいろいろな話し合いで、今言ったことが、舌の根が乾かないのに、また話がひっくり返っているというのがたくさんある。  これは豊能の方なんですが、溶融、今度の技術ですね、ドラム缶は密閉して行うのでダイオキシン飛散の心配はないから安全と行政は答えたんですよね。そして、住民の質問で、ドラム缶は爆発するので危険ではないですかという質問をしたら、今度の答弁は、ドラム缶はふたをあけているので爆発しないので安全ですと。そういう話し合いになっていて、自治体の方たちに任せて、そしてますます、もうこれは私の演説だけにいたしますので、ぜひとも、今までのように環境庁地元になるべく出向いていただいて、やっていただきたい。では、それに対してのお答えを担当課の方でお願いします。
  213. 川口順子

    川口国務大臣 お話の趣旨はよくわかっておりますので、対応いたします。
  214. 中川智子

    中川(智)委員 ありがとうございます。お願いいたします。  次に、労働省に伺います。  先ほどの藤木委員も、労働者の健康ということで何度か、私も重複いたしますが、再度確認したいんです。焼却炉の解体や改修で、労働者の安全を考え、慎重にしなければならないということでの気持ちは一致すると思いますが、先月二十七日に検討会を立ち上げて、原因究明に乗り出したわけですね。また、焼却炉の解体等の作業は自粛ということを通知しましたが、自粛ということが何かあいまいです。原因究明がなされて対策マニュアルが整備できるまで、それをストップするというふうなお考えなのかどうか、労働者の健康をないがしろにしてはいけないということでの質問をさせていただきます。
  215. 下田智久

    下田政府参考人 今回の能勢町の美化センターの汚染事案にかんがみまして、とりあえず、原因がはっきりするまでの間、焼却施設の解体工事を自粛していただくということでお願いをいたしたところでございます。  これはいつまで自粛をお願いするのかということでございますが、美化センターの原因調査を今急いでやっておるところでございまして、この結果を待ちまして、緊急対策として、こうすれば工事を再開してもいいのではないかという専門家の御結論が出れば、その時点で、大臣からお願いをしました自粛の要請は取り下げたいというふうに思っております。  しかしながら、恒久的な解体の安全のマニュアルは、もう少し時間をかけまして、専門家の御意見を伺いながらつくっていきたい、こういう二段構えで考えているところでございます。
  216. 中川智子

    中川(智)委員 答弁が一緒になると思いますので省きますが、ともかく労働者の方の健康ということ第一でお願いしたいというのを重ねて申し上げます。  それで、労働省の方は、九八年の七月二十一日付の通達で、「ゴミ焼却施設における当面のダイオキシン対策について」ということで、労働衛生対策として、ダイオキシンが粉じんに吸着していることから、粉じん対策等の湿式化ということを挙げていますが、今回の日立造船の技術は、それと相反する乾いた方の方法で、乾式でやっているんですが、それに対しての指導というのはなかったんでしょうか。ちょっとこれは短く答弁をお願いいたします。
  217. 下田智久

    下田政府参考人 平成十年の通知によりますと、湿潤化、湿してごみがたたないようにしてやるようにというふうな指導をいたしておりますが、そういったことができない場合は作業マスク等を十分にやればよいといった形を指導しておりました。  今回、日立造船は、呼吸用保護具を十分に用いる、そういった計画で、乾式で実施したというふうに聞いておるところでございます。
  218. 中川智子

    中川(智)委員 済みません、もう一つ。  厚生省さんに伺いたいんですけれども、厚生省は、厚生省が処理マニュアルを選定するまでに、ダイオキシンの高濃度汚染物の実験は何回したことになっていますか。それに対する答えをお願いします。
  219. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 これは、各社から処理技術につきましてヒアリングをして、各社から実績データを提供していただいて、専門家の意見を聞いてまとめたものでございまして、厚生省の直営で実験事業をやったというわけではございません。各社がやっているものを取りまとめたものでございます。
  220. 中川智子

    中川(智)委員 では、各社の資料は全部いただけますか。(発言する者あり)企業秘密はだめですよ。下さい。委員長、またお願いします、今の。
  221. 岡澤和好

    岡澤政府参考人 相談させてください。
  222. 中川智子

    中川(智)委員 では、終わります。
  223. 小林守

    小林委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十六分散会