○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
まずもって今回の中毒
事故につきまして、
被害者の皆さん、そしてまた大きな
影響を受けました
生産者、そしてまた
販売店の皆さんの御心労、心からお
見舞いを申し上げたいと思います。
今回の事件でございますけれども、ただいま
中川委員からも鋭い御質問がございました。私も、今回の事件につきましての
原因等、同じ考えでございます。直接的な
原因というんでしょうか、それは例えば、もう二十日間も
洗浄していなかった、あるいはそういうマニュアルどおりに行っていないこともあった、あるいは
HACCPの
承認も受けていないような設備というものがあったと。そういうものが明らかになっているわけで、先ほども
厚生省から御
報告がいただけましたが、もう少し明快に、
大阪市あるいは府警が判断をするということも正式にはそうだと思いますけれども、
厚生省としてただいまの時点で一体何なのかということをはっきり言っていいんじゃないか。それは断定をするという意味ではなくて、もう九九%固まっているわけですから、だれが何をしたという部分についてはいろいろあるでしょうけれども、どういう
原因かということは明らかだと思います。
そしてまた、これは農林省にも
厚生省にも全く同じ質問で恐縮でございますが、先ほど来やっぱりこの事件の背景というものをいろいろ
中川委員からも
指摘がありました。私も全く同感でございまして、
雪印乳業の創業者の中心メンバー、先ほど来黒沢酉蔵さんのお話が出ました。黒沢酉蔵さんは茨城県の出身でございまして、一九〇五年に
北海道に、常陸太田の出身、梶山さんの御出身でございますけれども、そこから
北海道に渡りまして一九二五年にこの
雪印の
組合を創立したということでございまして、その考え方といいますか、まさに先ほどもお話がございましたが、健全なる精神、健全なる体をつくるためには、最も身近にできることは
牛乳・
乳製品の豊富、低廉な
生産をすることだと。そして、健土健民といいますか、健康な国土、健康な国民というような姿勢でもってこの事業をスタートしたというふうに、我々地元でも、
北海道開拓史に残る人物でございましょうけれども、我々県人としても大変誇りにしているというような人でございます。その精神を踏みにじった、泥を塗ったというような大変な事件だというふうに私どもは受けとめております。ですから、やはり原点に立ち返ってこの問題を厳しく対処する必要があるんではないか。
そういう意味で、社長の記者会見の際に、これは社長が言っているわけでございます、マスコミでも効率第一主義だあるいは利益優先だというような大胆な
指摘があるわけでございますが、これは何も独断と偏見でそう言ったわけではなくて、この効率優先、従業員のモラルが変化をしたと。これは社長発言として我々は信じがたい発言でありますけれども、やっぱり従業員のモラルが変化したんではなくて、
経営者の考え方がまさに利益優先というようなことで
会社の運営をしてきたんではないか。
聞くところによりますと、
雪印乳業は大変な優良企業で借金も、借金といいますか借入金も五十億円しかないと。大
会社にしては本当に無借金
経営というにも等しい財務のいい企業であったわけでございますが、それが今、当世不景気のさなかでどの
会社もリストラだ合理化だ、それが悪いことでは決してないと思いますし、そうしなければ企業競争には生きていけないということがありますから、それがすべて悪いということではありませんが、やっぱりそういうものに何とか生き
残りを図るということが高じて、そういう考えの中で従業員の意識、
経営陣の意識、そういう中でこういう問題が起きたんではないかというふうに、これは行政の皆さんは評論家でもありませんしマスコミでもありませんから、そのような大胆な断定というものを避けて通りたいというふうに考えるかもしれませんが、その辺について大胆な、これまでの事件
発生からもう一月以上たっているわけでございますから、どのように受けとめておられるのか。いわゆるこの問題の背景というのでしょうか、そういうことについて、先ほどの
中川委員に対する答弁ではどうも何かもやもやとしてわかりかねるんですけれども、その辺、
厚生省並びに農水
大臣から御答弁を
お願いしたいと思います。