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2000-02-23 第147回国会 両院 国家基本政策委員会合同審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年二月二十三日(水曜日)    午後三時開会     ─────────────  委員氏名   衆議院    委員長 小里 貞利君    理事 伊藤 公介君 理事 伊吹 文明君    理事 野呂田芳成君 理事 原田昇左右君    理事 小沢 鋭仁君 理事 肥田美代子君    理事 北側 一雄君 理事 江崎 鐵磨君       相沢 英之君    大原 一三君       亀井 静香君    熊代 昭彦君       小杉  隆君    古賀  誠君       高村 正彦君    関谷 勝嗣君       蓮実  進君    堀内 光雄君       森  喜朗君    岡田 克也君       菅  直人君    仙谷 由人君       鳩山由紀夫君    坂口  力君       冬柴 鐵三君    藤井 裕久君       佐々木憲昭君    不破 哲三君       土井たか子君   参議院    委員長 本岡 昭次君    理事 尾辻 秀久君 理事 三浦 一水君    理事 藁科 滿治君 理事 森本 晃司君       亀井 郁夫君    須藤良太郎君       野沢 太三君    日出 英輔君       松村 龍二君    山崎  力君       吉村剛太郎君    足立 良平君       今井  澄君    千葉 景子君       木庭健太郎君    橋本  敦君       筆坂 秀世君   日下部禧代子君       戸田 邦司君     ─────────────  出席委員   衆議院    委員長 小里 貞利君    理事 伊藤 公介君 理事 伊吹 文明君    理事 野呂田芳成君 理事 原田昇左右君    理事 小沢 鋭仁君 理事 肥田美代子君    理事 北側 一雄君 理事 江崎 鐵磨君       相沢 英之君    大原 一三君       亀井 静香君    熊代 昭彦君       小杉  隆君    高村 正彦君       関谷 勝嗣君    野田 聖子君       蓮実  進君    堀内 光雄君       森  喜朗君    岡田 克也君       菅  直人君    仙谷 由人君       鳩山由紀夫君    坂口  力君       冬柴 鐵三君    藤井 裕久君       佐々木憲昭君    不破 哲三君       土井たか子君   参議院    委員長 本岡 昭次君    理事 尾辻 秀久君 理事 三浦 一水君    理事 藁科 滿治君 理事 森本 晃司君       亀井 郁夫君    須藤良太郎君       野沢 太三君    日出 英輔君       松村 龍二君    山崎  力君       吉村剛太郎君    足立 良平君       今井  澄君    千葉 景子君       木庭健太郎君    橋本  敦君       筆坂 秀世君   日下部禧代子君       戸田 邦司君  出席国務大臣        内閣総理大臣   小渕 恵三君        法務大臣     臼井日出男君        外務大臣     河野 洋平君        大蔵大臣     宮澤 喜一君        文部大臣        国務大臣        (科学技術庁長        官)       中曽根弘文君        厚生大臣     丹羽 雄哉君        農林水産大臣   玉沢徳一郎君        通商産業大臣   深谷 隆司君        運輸大臣        国務大臣        (北海道開発庁        長官)      二階 俊博君        郵政大臣     八代 英太君        労働大臣     牧野 隆守君        建設大臣        国務大臣        (国土庁長官)  中山 正暉君        自治大臣        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    保利 耕輔君        国務大臣        (内閣官房長官)        (沖縄開発庁長        官)       青木 幹雄君        国務大臣        (金融再生委員        会委員長)    越智 通雄君        国務大臣        (総務庁長官)  続  訓弘君        国務大臣        (防衛庁長官)  瓦   力君        国務大臣        (経済企画庁長        官)       堺屋 太一君        国務大臣        (環境庁長官)  清水嘉与子君  出席内閣官房長官        内閣官房長官  額賀福志郎君  出席政府特別補佐人        内閣法制局長官  津野  修君  委員外出席者   参議院事務局         常任委員会専門         員       鈴木 威男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国家基本政策に関する件     ─────────────    〔小里貞利会長席に着く〕
  2. 小里貞利

    会長小里貞利君) これより国家基本政策委員会合審査会を開きます。  協議によりまして本日第一回目の合同審査会会長を務めることになりました衆議院国家基本政策委員長小里貞利でございます。よろしくお願い申し上げます。(拍手)  また、参議院国家基本政策委員長本岡昭次君でございます。(拍手)  私と交互に会長を務めることになっております。よろしくお願い申し上げます。  皆様承知のとおり、本合同審査会における総理野党党首との討議は、国会審議活性化等を目指す国会改革の重要な柱の一つとして今国会から新たに実施されるものであります。国民皆様方からの期待も大きいものと存じます。衆参両院委員各位を初め皆様方の御指導、御協力を賜りまして、本岡委員長とともに、制度の充実、発展に努めてまいりたいと存じます。  よろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  3. 小里貞利

    会長小里貞利君) この際、御報告申し上げます。  去る十六日の両院合同幹事会において、お手元に配付いたしておりますとおりの「国家基本政策委員会合審査会運営についての申合せ」を決定いたしました。今後の合同審査会は本申合せに基づき運営されることになりますので、よろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  4. 小里貞利

    会長小里貞利君) 国家基本政策に関する件について調査を進めます。  これより討議を行います。  発言の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。(拍手
  5. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 小渕総理質問申し上げます。  小渕総理、残念ながら今、日本政治不信の海の中にあります。あらしの中にあると言ってもいいんじゃないでしょうか。結局は、あなたは政治家なんですねと言われたときに、それは決して残念ながら評価ではなくて、侮べつであったり、さげすみであったりする。実に残念な現象だと言わざるを得ない。何でこのような不信の海の中に今、日本政治はなければならないのか、簡潔にお答え願いたいと思います。
  6. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 確かに、国民の中には、いろいろな政治家に対する不信、あるいは政治家を低く見る風潮があることは私も承知をいたしております。  しかし、我々は、国民に選ばれた者としてみずから自負を持ち、国と国民に対して責任を持つというしっかりとした精神を持ってその職務を遂行すれば、必ずや国民皆さんはそのことを理解していただける。あえてみずからさげすむ必要はないと私は思います。(拍手
  7. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 残念ながらまた後でこの議論はしなきゃならないぐらい答弁になっていないと私は思うんです。  予算委員会でも残念ながら総理はなかなかお出ましになれない。本来ならもっともっと総理自身考えをお聞きしたいのが、それは国民の当たり前の考えである。にもかかわらず、残念ながら国会状況の中で総理はなかなかお出ましになれない。  私は、むしろ、国民に対して正直な政治というものを行うことを、自分自身が謙虚になる、国民の一人なんだという思い、全然国民から回避されている政治じゃなくて、自分自身国民そのものなんだという、それこそ自負でもって仕事を行っていただかなきゃならないと思っています。  そこで、私は、やはり国民を代表して総理お尋ねをしなきゃならないことがある。それは、総理の個人的な問題でありますが、NTTドコモ関連株の話であります。どうしても国民にとってわからないことは、何で亡くなられた方から総理の右腕と言われている秘書官に株が譲渡されたのか、それがどうしても説明できないのであります。お答え願いたい。
  8. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) まず、本日、国家基本政策委員会が開かれることになりました。国会活性化という意味合いにおきまして、政府委員制度を廃止されたり、あるいはまた副大臣がこれから、来年の一月六日から新しい制度になります。その中でこうして野党党首皆さんと討論のできますことは、まことに意義深い、私も誠実にこの役割を果たしていきたいというふうに思っております。特に、ネクストプライムミニスターという鳩山さんでございまして、私の方から言うと、いつまでもネクストでいてもらいたいと思っておりますけれども、やはりそれぞれ政党を代表する党首として真剣にお話し合いをしたいというふうに思っております。  そこで、本件のお尋ねでありますが、私は、一つ雑誌一つ週刊誌、いろいろなところで取り上げられたことをこの貴重な時間の中ですべからく説明することはいささか気が引けるわけでございますけれども、せっかくのお尋ねでございますのでお答えをいたしますれば、私の秘書官がかつて株を取得し、昭和六十三年にそのことができたわけでありまして、その当時は今のドコモなどということは全く予想のできない時点でありました。しかも、その株についてはその当時の会社の役員からあえて引き受けていただきたいということで引き受けたわけでございまして、何らのやましい点もございませんし、しっかりとした手続も踏んでおるわけでございまして、これを疑惑というような名のもとにお話をされることは甚だ遺憾だと本人も思っておりまして、このことにつきましてはしっかりとした捜査当局で明らかにし、いずれこれが司法の場に出た場合にはその判断をいただくということでありまして、いやしくも一週刊誌がその本人に向かって株券を盗み取ったとかだまし取ったとか言われるゆえんのものは、まことに本人の名誉にかかわる重大なことであると同時に、私もそうした人間を長い間活用して協力していただいたということを考えますと、翻って言えば私にも及ぶことでございます。  私自身の名誉もいずれ回復いたしたいと思っておりますが、きょうは長い時間申し上げる機会がありませんが、重ねて申し上げれば、本人は何らの恥じるところはない、当然のことをやってこの株券を引き受けさせていただいて、そして持参をしてきた、こういうことでございますので、私は、この場面でこうしたことをお話し申し上げるよりも、しっかりとした捜査当局判断をいただいて、疑義を明らかにし、黒白をつけていただきたい、このように考えておる次第でございます。
  9. 小里貞利

    会長小里貞利君) 当席より申し上げますが、総理よりかなり詳しい御説明をいただいたようでございますが、皆様方に申し上げます。  当初申し上げましたように、当国家基本政策委員会審査のあり方については申合せ事項がございますから、よろしく御協力をお願い申し上げます。
  10. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 私は、ですから総理に簡潔に私の質問にだけお答えを願いたいと思っております。そうなれば極めて簡潔になります。お答えになっていないんです。  上場されていない企業が、当然の話、株式譲渡承認申請書というものを取締役会で承認されていなければ、株の譲渡ができないはずになっている。だから、これを一枚お示しになればすべて潔白だという証明になるんです。ところが、これをいつまでたってもお出しにならないものですから、何かあるなと、国民は、そして私ども不信感を大変募らせてしまう、それだけの話です。  ですから、この承認書を見せていただきたいということを申し上げている。
  11. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 民間の企業、既に今日はNTTから分離されてドコモになっておるんでしょうけれども、その企業体が私は持っておられるのだろうと思います。ただ、このことについては、当然捜査当局がこれをしっかりとした手続を経て要請されれば、例えば株主総会において譲渡についてきちんとした役員会を開いて出されておるということでございますので、私はこの捜査過程でそのことは明らかになる、このように考えております。
  12. 小里貞利

    会長小里貞利君) 再三申し上げて恐縮でございますが、いわゆる当該内閣基本政策、あるいは鳩山党首自身の党の基本政策等について議論をいただくよう、お願いを申し上げます。
  13. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 基本政策を申し上げる前に、政治家本人信義が疑われているわけですから、幾ら政策を述べようと思っても、信義というものが疑われていたらどうしようもない。そこで私は申し上げているだけであります。  私は、したがいまして、お互いにみずからの潔白を証明しようじゃないですかと申し上げたいんです。  私に対しても全くでっち上げの五千万円の献金事件なるものが誕生しているんですよ。これも一つ雑誌の手記によるものでありますけれども、このようなものに対して私も当然告訴をしました。ただ、これは法的な処理の話で、今問われているのは政治家の道義的な責任じゃありませんか。この問題に対してお互い黒白をつけようじゃありませんか、私はむしろそう言っているんです。  ですから、あなたやあなたの秘書官、私も私自身証人喚問を要求されたら出ますよ。そのようなことをして、公の場でしっかりと黒白をつけるということによって政治家信頼をされるんですよ。それが行われないから、あくまでも政治家は何か隠しているな、そんなふうに思われるだけじゃありませんか。
  14. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 鳩山党首自分のことを明白に明らかにするということは、それは私があえて申し上げることではありません。  しかし、私の秘書官について問題があるとすればいずれの点であることかということを明らかにされずに、私自身がそのことをすべからく承知をいたしておるということはありませんので、もし必要とあれば、何と何とを明らかにすべきということにつきましては、既に捜査当局告訴状をしっかりと受けとめてこれを受理しておるわけでございますから、その中で処理できるものと、こう思っております。
  15. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 この問題ばかりやっていても切りがないんです。私も本質的な問題を行いたい。ですから、きょうはこれぐらいにさせていただきますが、国民皆さん方にとってこれではわからないんです、解決されないんです。ですから、もし身の潔白というものをお互いに証明できるのならば、潔くその場に出て頑張りましょう、そう申し上げているだけの話でございます。  さて、私としてもむしろ財政議論をさせてもらいたいと思います。財政議論に移ります。  総理、今、国と地方借金、六百四十五兆円ですよね。大変な長期債務になってしまっている。国債発行残高だけでも三百六十四兆円でしょう。だから、あえて総理は豪語されたんですよね、世界一の借金王だと。どんなおつもりで世界一の借金王だと、どんなお気持ちでお述べになったんですか。(発言する者あり)
  16. 小里貞利

    会長小里貞利君) 一言申し上げておきます。  傍聴者の諸君、御静粛にお願いいたします。
  17. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 今、我が国が抱えております債務は極めて大きいわけでございまして、六百四十五兆にもなんなんとする中央地方のこの赤字財政赤字を抱えておるわけでありまして、そのことにつきまして、私といたしましても一日も早くこれを解消しなければならない、常々その思いを持って毎日この仕事に専念しておるわけでございます。  ただ、しかしながら、いつも申し上げておりますように、私の内閣がまず与えられましたのは経済再生景気回復ということでございまして、そのためにとるべき手段としてやはり財政出動もなければならないということでありました。  したがって、この点については、かねて民主党でもそうでありましたけれども、やはり財政改革を進めていくための財革法も凍結してもこれをやらなきゃならない。したがって、財政改革を行って財政を健全化するということと現下の経済再生を行うということの二兎を追うことは極めて困難である、こう考えまして、私といたしましては、財政を再建することは後として経済を活性化するということがあるわけでございます。  そこで、お尋ねのように、借金王と申しましたのはたまたま党のパーティーで申し上げたのでありますが、私としては一日も早くこれを解消しなければならないということの気持ちと同時に、しばしばアジアに参りまして、日本がいわゆる宮澤構想も含めまして、財政が厳しい折でありますけれども日本としてはどうしてもアジアとともに歩まなければならないということでございまして、日本としてはこれだけの借金を負っておる、国民に負っておるということをそうした方々にもよく理解を求めるという意味で申し上げたわけでありまして、言葉として不適切であるということであればこれは取り消しをいたしますけれども、私の気持ちとしては今申し上げたような趣旨でそのことを申し上げた、こういうことであります。
  18. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 不適切だからこれは取り消すというお話がありました。それは素直に承りたいと思います。でも、総理のそのようなある意味では軽はずみの世界一の借金王という言葉で、日本信頼が売られてしまったり国債の格下げなんというようなことが事実になる可能性すら出てきてしまっているということじゃありませんか。やっぱり言葉は慎んでいただかなきゃならないということであります。  それで、私が伺いたいのは、総理になられて、それでは国債発行残高、どれだけふえたんですか。特にこの三年間でどのぐらいふえたのか、額をお示しいただきたい。
  19. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) たしか百兆円を超えておると思います。
  20. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 おっしゃるとおり、百九兆円ということで、それは今までの三百六十四兆円の三割ですよ。総理になられてから、わずかの間に三割の国債を発行された。残高がそれだけふえたんですよ。まさに世界一の借金王かもしれない。しかし、それは一体だれが返すんですか。総理、あなたが借金王とおっしゃるけれども、あなたが返すわけじゃないでしょう。だれがこの借金を返さなきゃいけないんですか。
  21. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 経済再生し、そして日本経済をより大きなものにし、そして税収を確保する。所得税法人税にいたしましても、これを獲得できるようなそういう経済運営を行うことによって、将来ともしっかりとした土俵を固めた上で返す努力をしていくということになるんだろうと私は思っております。  特に、先ほどお話し申し上げませんでしたが、財政赤字といいますか、国債を発行せざるを得なかった理由のことは幾つも申し上げるつもりはありませんけれども、例えば所得税あるいは法人税その他につきましても前年引き下げをいたしました。引き続いて本年も、十二年度も行いたいということでございまして、そういう意味では、歳入が少なくなるということを行いましても、いずれ将来はこれが還元されてくるだろうという政策の中で今厳しい財政状況に相なっておるということでございまして、いずれ将来に当たってこれは日本経済が活性化すれば必ず返済をできるという確信のもとにいたしておるわけでございます。
  22. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 総理総理が四年前、平成八年、総選挙のときのこれ公約ですよ、公約。きょうお持ちしました。  「私の目標」というところの中に、「思い切った行政改革の断行により、さびつき、ほこりをかぶった行政の仕組みを変え、巨額の累積赤字を抱え込んでしまった国家財政を立て直します。」とありますよ、ここに。立て直すどころじゃないじゃありませんか。累積赤字をお一人で百兆を超すほどふやしてしまったわけでしょう。今だれに返すんですかとはっきりとしたお答えなかったんですが。そして、子や孫に借金を残さずに来るべき高齢化社会にも安心できる福祉社会、全力で取り組んでまいりますとおっしゃっている。全然社会保障政策もでたらめの中で、国家財政立て直すどころじゃないじゃありませんか。これは理由はいかにせよ、公約違反であることはお認めになりますか。
  23. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) その選挙における公約を実行しようということでございますが、それは衆議院議員選挙でございますが、その後私はこの総理大臣という大役をお引き受けいたしました。したがって、衆議院議員選挙において公約したことを総理大臣として実現する努力をしておるその過程だと、こう御理解いただきたいと思います。
  24. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 全然その過程が逆の方向に向かっているというだけじゃありませんか。それでは国民納得しません。  ここにさらに書いてあるんですよ。混乱した現状を収拾するために「未来への明るい青写真を描き、」という、財政再建のための青写真を描くとおっしゃっている。何にも未来に対して、財政を立て直すためのメッセージ、青写真国民受け取っていないんですよ。それだから心配しているんです。もう一度お答え願いたい。
  25. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 先ほど申し上げましたように、日本経済を何としても大きくしていくという主張があると。しかし、そのためには、私が就任する以前に二年間にわたりまして日本経済マイナス成長をしてきたと。マイナス成長を続けていけばますますもって税収は不足してくるわけでございまして、そういう意味でそれを改善していく努力をし、おかげさまで九七年にマイナス〇・一、九八年にマイナス一・九がようやくことし〇・六になろうとしておるわけでございまして、この勢いをつけていくことが極めて重要だと私は考えておるわけでございます。  ちなみに、御質問ばかり受けておりましてお尋ねもしたいと思いますが、民主党財政健全化十カ年計画を策定すると言っておりますが、その中で財政赤字GDPの六〇%以内に縮小するとしておりますが、具体的にはどうするかも私にお話しいただければ、参考になれば多いに参考にさせていただきたい。
  26. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 まず、総理は私の質問に完全にはぐらかす話ばかりしかなさっていない。私は公約違反かどうかということをお尋ね申し上げている。確かに経済が厳しいということはわかります。だから、景気回復のために仕事をなさるということは、それはそれなりに私ども理解をします。でも、でもですよ、それで景気、それではよくなっているか。経済成長率は、実質でお話しされましたけれども、名目ではまだ一九九九年は減っているじゃありませんか。五十兆円、国と地方借金をふやして、それで二兆円マイナスじゃありませんか。全然景気これでトータルとしてよくなっているとは私どもは思えない。  さらに、二〇〇〇年度の予算でも四十兆円を費やして、それでたかだか四兆円GDPをふやすという話をしているんじゃありませんか。余りにもこれ非効率な景気対策だと。間違ったばらまきであり、癒着体質の中での景気対策をやろうとするからいつまでたっても景気がよくならないんじゃありませんか。  我々は、それこそ財政再建、まずはばらまき体質を、癒着体質を排除することから始めます。公共事業に対してまず当然のことながら質と量の大胆な見直しを行いながら、そして国と地方、この分権の社会の中で中央の権限を縮小することによって可能なんです。私どもは、もし政権を渡していただけるならばその十カ年計画で実現させていきますよ。
  27. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) お答えがないままでございますが、重ねてお尋ねすれば、日本経済が二%以上の自律的成長軌道に戻るまでは財政刺激策は継続しなければならないというのはそこにおられる菅さんが民主党の代表選で公約をいたしたことでございまして、やはり日本経済をきちっとした安定した成長に持っていくことがなければこの財政改革を行うこともできないんです。  ですから、まずは日本経済をプラス成長として安定化する努力を今いたしておるということでありますから、その努力をすることは、私は、私が選挙のときに公約したことと何ら違反するものではない、このように考えております。
  28. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 財政の中立命題という話があります。私は、その細かいことを今ここで申し上げるつもりはありません。  しかし、総理は二兎を追う者は一兎をも得ずとおっしゃった。そうではないんです。今こそ二兎を同時に追わなきゃならない。総理は、二匹のウサギが全然違う方向に走っていると思っておられる。そうではないんです。二匹のウサギは同じ方向に走っているんです。  財政赤字がこれだけ巨額になると、そのことによって将来への不安というものが増すんです。今、国民の大きな不安、三つあるじゃありませんか。リストラ、失業の不安でしょう。高齢化時代を迎えてまさに老後がわからない、老後の社会保障が見えない、この不安でしょう。そして、将来この巨額な財政赤字のために必ず増税があるんじゃないか。この三つの不安におびえているわけです。  だから、財政の構造改革こそ今そのメッセージをしっかりと、青写真を示さなきゃいけない。今すぐに緊縮財政をしろということを私たちは申し上げているわけじゃないんです。しっかりとした構造改革のメッセージを出していただきたい。
  29. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 財政構造改革等、それは現在も行っておるわけでございまして、私が二兎を追うと言うのは、景気回復させるというための財政支出と、財政改革を行って、そして今申し上げた累積したこの国債を減らしていくということを一挙に行うことはできないというのが私の考えでございまして、これは全く見解をある意味では異にするのかもしれませんが、私はそういうことで、一方に専心をしていくということが、結論的に言えば最終的には国民に対して責任を負い得るものだと、このように考えております。
  30. 小里貞利

    会長小里貞利君) 申合せの時間がぼつぼつ迫っております。
  31. 鳩山由紀夫

    鳩山由紀夫君 私は、総理総理景気対策という一兎を追っているとおっしゃる。しかし、残念ながら、ウサギは別の方向に逃げているんですよ、これはもう。一兎をも追っていることにならないから問題だというふうに申し上げている。  二兎を同時に追うことによって二兎ともしっかりと先を見ることができると申し上げているのに、残念ながら総理は間違った方向に、相変わらずの従来型の公共事業重視、そういう方面ばかり追求しておられるから、残念ながら景気対策というウサギも追うことができていないんじゃありませんか。国民は、そのことに大変な不満を募らせているわけであります。  あえて申し上げれば、最後に、答弁は要りませんが、総理がねらっているウサギは、景気対策というウサギではなくて、単なる自民党中心の政権を維持するという政権維持のウサギじゃありませんか。そういうウサギを追うことが間違いだということを申し上げて、時間が参りましたから私の質問をおしまいにします。
  32. 小里貞利

    会長小里貞利君) 申合せの時間が参りました。  では、総理、一言。
  33. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 経済が悪い方向に行っておるという、そういうお尋ねですが、私の認識では緩やかな回復基調にあるというふうに思っておりまして、設備投資も、あるいはまた広告料の売り上げ等も相当今上向きになっております。また、アジアに対する輸出もふえておるわけでありますので、着実に私どものとっておる政策は進んでおるという認識をいたしております。  それから、公共事業について触れられましたけれども公共事業については代表も、現在の三分の二程度に減らすことが適正であると、こう言っておられますので、後ほどまたいつの日か聞きたいと思いますけれども、そういうこともあろうかと思います。  公共事業につきましても、全国でどう考えるかということも問題だと思うんですよね。例えば代表のお地元の北海道とかあるいは沖縄県とか、こういうところには、他の、全国に比べますと大体一三と八ぐらいの違いであるわけです。したがって、公共事業を行わなければ、それぞれの地域社会が破綻をするという問題もあるわけですから、一律にこれを引き下げるということはあり得ない、こういうふうに考えております。
  34. 小里貞利

    会長小里貞利君) これにて鳩山君の発言は終わりました。  次は、不破哲三君。(拍手
  35. 不破哲三

    不破哲三君 小渕総理質問します。  先ほど日本国債の格付の問題が出ましたが、アメリカの格付会社ムーディーズが前に日本国債の格付の方針を発表したのはあなたが総理になられたその月でした。それまでずっと日本は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスとともに格付で最高級のところにいましたが、その後九八年七月に一段下げたいという方針を示して、十一月にこれ実行されました。そして、今カナダと一緒ですが、この間、そのカナダと一緒のランクからさらにもう一段下げることを検討していると。恐らくこれは早晩実行されるでしょうが、そうなると、サミット七カ国の中でも日本は下にはイタリアがあるだけという最低ランクに位置することになります。  なぜ国債のそういう格付が下がっているのか、どこを評価されているのか、どう考えていますか。
  36. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 先般、ムーディーズがそういう格付をされたと聞いておりますけれども、民間の格付機関についての評価を私がこの際申し上げることは差し控えますが、一方、S&Pという格付機関は依然としてAAA、三A格を維持しているということでございますので、それぞれ格付機関はいろいろな評価はあろうかと思いますが、我が国の国債というものは確固たる信頼を得ているものだというふうに考えております。
  37. 不破哲三

    不破哲三君 八一年に日本が最高級にランクされてから十数年続いた地位が次々と揺らいでいるというのは、これは重要な事実なんですよね。それで、報道によりますと、やはりその格下げの理由というのは、国内総生産に対する借金の比率が先進国の中で最も高い水準に落ち込んでいるというのが理由だとされています。  それで、やっぱりこの問題は国際的基準が問題になりますけれども、例えばヨーロッパ連合ができるときにヨーロッパ統合に参加するためには債務残高は大体どれぐらいでなければいけないという基準を条約で決めたことがあります。御存じだと思いますが、その上限はどうだったか、御存じですか。
  38. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) たしかユーロという新しい貨幣、お札を出すために、三%以内にとどめるべきだというふうな話し合いを進めてきたというふうに思っております。
  39. 不破哲三

    不破哲三君 三%と言われたのは毎年の財政赤字の基準ですね。それで、債務残高は国内総生産の六〇%以内というのが基準で、これを外れたらヨーロッパ統合に参加できない、もしヨーロッパにいれば、ということが極めて厳格に言われたものでした。  それで、日本が八〇%台になったときに政府が諮問した財政制度審議会が、これは大変だ、六〇%が国際基準になっているのに八〇%を超えたと。それで、どうしても今これを解決しないともう大変なことになるという警告を発したわけですが、その警告以後も日本は国内総生産に対する借金債務残高がどんどんふえつつあるわけですね。  あなたに伺いますが、一昨年七月あなたが総理に就任されたときに日本債務借金の額と国内総生産の割合、どういうところから出発したか覚えていますか。
  40. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) どういうところからといいますと、今六百四十五兆円でございまして、そのうち私の政権になりましてから、たしか百一億かと思いますけれども、兆円ですけれども、それを差し引きした数字から出発をしておると思います。
  41. 不破哲三

    不破哲三君 やっぱり借金を言われるからには自分借金の経歴ぐらいはちゃんと覚えておいてほしいと思うのですが、あなたが総理に就任されたときには大体国債五百四十四兆円で、それで国内総生産に対して一一〇%だったんですね。  つまり、国際基準は六〇%だと。八〇%を超えたときに財政制度審議会は、これは大変だぞ、二十一世紀はえらいことになるぞというのでブレーキをかけろと言ったと。しかし、あなたが総理に就任されたときは一一〇%までまた上がっていた。それで現在の数字は六百四十五兆円ですから、これは国内総生産に対して一二九%なんですね。世界でも本当に例がない、異例な事態です。  あなたは簡単に返済返済と言われますけれども、今まで戦後日本のずっと財政を調べてみますと、債務残高の国内総生産に対する比率が下がったことがあります。しかし、それはバブルの時期にどんどん経済成長が高くなりますから、七%、八%、そのために率が下がるんであって、借金を減らしたことは一度もないんですね。それぐらい難しいわけです。それで、国内総生産の一三〇%近くまで行った。  大蔵省が出した、たしか仮定の計算ですけれども、例えば日本経済が今後三・五%成長になったときにどれぐらいになるか試算が出ています。それによりましても、三・五%成長といっても五年後の二〇〇五年度には、大体地方債含めますと九百兆円ぐらいの借金残高になるだろうという試算が、これは地方債の分、私は計算したんですが、出ています。つまり、一五〇%前後まで、このまま景気回復してもふえるだろうと言われているわけですね。  それで、それを返済して六〇%の段までやるとなると、これは景気回復したとしても大事業ですよ。あなたは二兎追う者は一兎を得ずと言って、今一緒にやらないんだ、今、一兎を一生懸命追っているんだと。  百歩譲って、一兎を追って成功したとしましょうか。そのときに、残って今どんどん逃げていっている財政再建のウサギ、これを捕らえるためにどういう手だてを持ちどういう見通しを持っているのか、それをちゃんと国民に示さないまま、今の一つのウサギだけやっているんだ。  これは言いわけにならないんですね。つまり、この道を行っていいのかどうかという判断がつかないわけです。だから、少なくとも私は本会議で質問したときに、そういう議論であるならば、景気回復した段階で、いつごろの段階から財政再建に取り組んで、それに対してはどういう手だてとどういう見通しがあるぐらいは最小限示さないと、これは責任を果たせないんじゃないかと質問しましたが、あなたは、今一緒のことを考えるのは大変なんだと言って答えられませんでした。  しかし、それは回避できないんですよ。あなたの言うとおり、一つのウサギを捕まえて、景気が安定した段階で、どういう段取りでどういう見通しでどれぐらいのスタンス、年次でこの問題を解決するつもりなのか、概略でもお示し願えませんか。
  42. 小里貞利

    会長小里貞利君) 申合せの時間が参ったようでございますが、内閣総理大臣、簡潔にお願いいたします。
  43. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 今、何年度に何をすべきかということは、残念ながら申し上げられません。  なぜなれば、十二年度もそれから十三年度も一つの目標を立てておりますけれども、これを実行するということは甚だもって困難であります。したがって、願わくは我々としては、ことしそして来年度に一・〇%、そしてその次の年さらにそれを倍加できるような経済成長を求めてあらゆる手段を講じていくというところの中で解消していかなければならないわけでございまして、しからば、私どもは今申し上げたとおりでありますが、共産党におきましても財政再建計画を提案されるということを聞いておりますから、機会を見てまた共産党の御意見も聞きたいと思いますが、いずれにいたしましても、共産党が、公共事業も半減せよ、あるいは自衛隊の費用も半分にしろというようなことを言っておられますが、こういうことも含めて……
  44. 小里貞利

    会長小里貞利君) 時間が参っております。どうぞ……
  45. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 歳出についてもどのように考えていくかということもあわせてお互い検討していかなければこれは目標を直ちに進むことは困難でありますが、いずれにしても、我々としては、経済成長をなし遂げることによりまして、でき得るべくんば現在のアメリカのような形に一日も早く持っていきたいと、こういう形で努力をさせていただいているところであります。(拍手
  46. 小里貞利

    会長小里貞利君) これにて不破君の発言は終了いたします。申合せの時間を二分間経過いたしておりますから御了承を願います。
  47. 不破哲三

    不破哲三君 あなた方がこの計画を示せないのは、それは計画を持っていないからだと思います。
  48. 小里貞利

    会長小里貞利君) 不破議員、不破議員さん、お座りを願います。
  49. 不破哲三

    不破哲三君 私どもが計算したところだと、あなた方の公共事業五十兆円というやり方では百年たっても問題解決しません。
  50. 小里貞利

    会長小里貞利君) 申合せの時間が参っておりますから、申合せに従いまして、これで発言を終了いたします。  次は、土井たか子君。(拍手
  51. 土井たか子

    土井たか子君 小渕総理は、民主主義は数の論理だというふうに思っていらっしゃるようです。実は十一月十七日のクエスチョンタイムのときに、私の意見は国会では少数意見ということをおっしゃった。それはそういう面もあるでしょう。  では、議会にいる少数派は何のためにいるというふうにお考えですか。
  52. 小里貞利

    会長小里貞利君) どうぞお座りください。
  53. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 少数といえども、それぞれの議員が立派なお考えを持ち、そのことを国会で……
  54. 小里貞利

    会長小里貞利君) 土井議員、お座りいただいてもよろしゅうございますが。
  55. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 御発言されることによりましてそうした意見を酌み取ることを国民のサイドからも御判断をされることだろうと思いますけれども、与党としても少数意見を尊重するということがなければならないというふうに考えております。
  56. 土井たか子

    土井たか子君 最後に言われたところ、大事ですね。与党として少数意見を尊重する。そうでないと議会制民主主義は成り立たぬと私は思っております。  小渕総理にとっては自民党の先輩、私にとっては議長としての先輩、数々の名言を残しておられますけれども、河野謙三、ここは参議院ですから参議院議長、当時は、少数派に六分、多数派に四分と、こう言われたんです。これは議会運営の上のコツですよ、大事な。それから、衆議院では前尾衆議院議長が、多数党は常に少数党を説得できる理論を持っていなければならないと言われた。これも大事なことだと思いますよ。  さあ、そこで、多数党は少数党を常に尊重しなきゃならないと今総理おっしゃいました。それを伺った上で、総理、ドイツで一九三三年につくられた授権法を御存じですか。
  57. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 大変申しわけありません。内容のすべてを承知しておりません。
  58. 土井たか子

    土井たか子君 詳細にわたるということは不必要だと思います、ただいまは。  どういうことを私は言いたいかというと、このときは過半数によって法律の議会の審議を必要としないと、議会に諮ることなく決める権限を政府に与えるというこれは実は法律なんです。これがナチの独裁の体制をつくることになったんですよ、その後。  議会制民主主義を議会みずから否定するという決定をしたということになりますが、こういう決定を議会はできると総理はお思いですか、どうですか。
  59. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 現在は日本国憲法のもとに国会はその責務を果たしておるわけでございまして、今ドイツの例を引かれましたけれども、今の日本と全くその事情が異なっておるんだろうと思いまして、御引用いただきましても、そういうことは今の日本であり得ると考えること自体が私は少し時代錯誤じゃないかと思います。
  60. 土井たか子

    土井たか子君 それは総理、現実の問題としてあり得るかあり得ないか。これは今、この一月以来、国会が始まってからの様子を国民皆さんがごらんになっていて、日本国会はこれじゃ危ない、あの一九三三年の授権法に似たような形になっていっているじゃないかというふうに大変心配されている向きは強いですよ。数によって何を決めてもよいということじゃないんです、実は。多数があったら何をしてもよいということじゃないんですね、議会制民主主義というのは。中には、最近は、審議も抜きで、国会では与党だけで採決を急いで強行採決なさるじゃないですか。  総理お尋ねしますけれども、たとえ多数であっても議会で決めてはならない、多数だけで決めてはならない、こういうことを少数党の存在を尊重すると言われる総理お尋ねしますが、今回の定数削減はどうですか。あれは与党だけで決めていいとお思いですか、どうですか、お尋ねしたい。
  61. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 私は与党だけで決めたのではないと思います。昨年来話し合いを進めてまいりまして、たび重なる論議を与野党で進めてまいりました結果、議員立法としてこれが国会を通過したものでありまして、その間、多数は何でもできるとおっしゃられますが、よもや憲法学者であります土井委員長はそのようなお考えがないと思いますけれども、私も同じことでございまして、少数意見を聞くということは、あくまでも聞いて、十分意見の開陳をし、最終的には多数決で決めるというのが民主国家のあり方でございまして、それ以上でもそれ以下でもないというふうに思います。
  62. 小里貞利

    会長小里貞利君) 恐縮でございますが、申合せの時間が参っておりますから、よろしくお願い申し上げます。
  63. 土井たか子

    土井たか子君 演説をなさる分にはいろいろとおっしゃるでしょうが、事実はそうじゃないから、それが問題なんですよ。  それじゃ申し上げます、最後に。  恐らく総理は尊敬しておられるに違いない田中角栄元首相時代です。一九七三年、第七十一回国会参議院予算委員会で田中総理は、公職選挙法を改正して小選挙区を導入したいということをこの国会でやりますと言明されたんです。ところがその後、野党側がこれに対して反発をして、そういう法案の国会に対しての提出を阻止するという動きに出て、国会が不正常になりました。そして、審議拒否を野党がやったために不正常になりました。全く今回と同じですよ。  そのときどうなったかというと、それから先が問題なんです。衆議院は当時は中村議長……
  64. 小里貞利

    会長小里貞利君) 恐縮でございますが、申合せの時間が相当経過いたしております。
  65. 土井たか子

    土井たか子君 参議院は河野議長。田中総理を呼ばれて、法案を国会に提出することは取りやめなさいということを言われたら、その日のうちに田中総理は閣議に諮って断念されたんです。そうして、つくっておられた選挙区割りの小委員会、これは私的諮問機関だったんですが、これも解散をされた。私はこれは同じ総理であっても大分違うと思いました。恐らくは小渕総理は尊敬をされている田中元総理であろうと思いますけれども、このときの取り扱いはただいまと違うということをはっきり申し上げたい。
  66. 小里貞利

    会長小里貞利君) では時間が参っております。  では一言、内閣総理大臣
  67. 土井たか子

    土井たか子君 いいです、その選挙制度のあり方についてはまた次にやりますから。
  68. 小里貞利

  69. 小渕恵三

    内閣総理大臣小渕恵三君) 田中総理時代に小選挙区を国会に出そうとして、そうした経過を私も当時も国会議員でありましたから承知をいたしております。それは本格的な、日本選挙制度を抜本的に変えようということでございました。  今回は、もとより選挙制度の重要な部分でありますが、二十人の定数を比例区において削減するということでございまして、このこと自体はやはり世の中の大きな賛成を得ておることでございますし、現下の状況の中でやはり定数削減ということは極めて重要なことだということにおきまして論議を重ねた結果でございまして、私はそういう意味では、これは国会として御判断したものだと解釈をいたしておる次第でございます。(拍手
  70. 小里貞利

    会長小里貞利君) これにて土井君の発言は終了いたしました。  以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたします。  次回は、衆議院参議院、それぞれの公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十分散会