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不破哲三君 やっぱり
借金を言われるからには
自分の
借金の経歴ぐらいはちゃんと覚えておいてほしいと思うのですが、あなたが
総理に就任されたときには大体
国債五百四十四兆円で、それで国内総生産に対して一一〇%だったんですね。
つまり、国際基準は六〇%だと。八〇%を超えたときに
財政制度審議会は、これは大変だぞ、二十一世紀はえらいことになるぞというのでブレーキをかけろと言ったと。しかし、あなたが
総理に就任されたときは一一〇%までまた上がっていた。それで現在の数字は六百四十五兆円ですから、これは国内総生産に対して一二九%なんですね。世界でも本当に例がない、異例な事態です。
あなたは簡単に返済返済と言われますけれ
ども、今まで戦後
日本のずっと
財政を調べてみますと、
債務残高の国内総生産に対する比率が下がったことがあります。しかし、それはバブルの時期にどんどん
経済成長が高くなりますから、七%、八%、そのために率が下がるんであって、
借金を減らしたことは一度もないんですね。それぐらい難しいわけです。それで、国内総生産の
一三〇%近くまで行った。
大蔵省が出した、たしか仮定の計算ですけれ
ども、例えば
日本の
経済が今後三・五%成長になったときにどれぐらいになるか試算が出ています。それによりましても、三・五%成長といっても五年後の二〇〇五年度には、大体
地方債含めますと九百兆円ぐらいの
借金残高になるだろうという試算が、これは
地方債の分、私は計算したんですが、出ています。つまり、一五〇%前後まで、このまま
景気回復してもふえるだろうと言われているわけですね。
それで、それを返済して六〇%の段までやるとなると、これは
景気回復したとしても大事業ですよ。あなたは二兎追う者は一兎を得ずと言って、今一緒にやらないんだ、今、一兎を一生懸命追っているんだと。
百歩譲って、一兎を追って成功したとしましょうか。そのときに、残って今どんどん逃げていっている
財政再建のウサギ、これを捕らえるためにどういう手だてを持ちどういう見通しを持っているのか、それをちゃんと
国民に示さないまま、今の
一つのウサギだけやっているんだ。
これは言いわけにならないんですね。つまり、この道を行っていいのかどうかという
判断がつかないわけです。だから、少なくとも私は本会議で
質問したときに、そういう
議論であるならば、
景気回復した段階で、いつごろの段階から
財政再建に取り組んで、それに対してはどういう手だてとどういう見通しがあるぐらいは最小限示さないと、これは
責任を果たせないんじゃないかと
質問しましたが、あなたは、今一緒のことを
考えるのは大変なんだと言って答えられませんでした。
しかし、それは回避できないんですよ。あなたの言うとおり、
一つのウサギを捕まえて、
景気が安定した段階で、どういう段取りでどういう見通しでどれぐらいのスタンス、年次でこの問題を解決するつもりなのか、概略でもお示し願えませんか。