○木俣佳丈君 私は、
民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となっております
平成十二年度
予算三案に反対の立場から討論を行います。
小渕内閣が発足して一年七カ月が経過しましたが、この間、
小渕内閣は、
政治の基本及び政策の一致もないまま、自自連立から自自公連立へと連立の枠組みを拡大してまいりました。しかし、単なる政権維持だけを
目的とした三党連立政権は、
国民の激しい拒絶反応を引き起こし、その矛盾と混乱はさまざまな形で噴き出し、
国民の
政治に対する失望と落胆はかつてないほどまでに高まっております。
すなわち、
平成十年十一月、
小渕内閣発足後わずか三カ月で額賀
防衛庁長官が
辞任に追い込まれたのに続きまして、昨年三月には中村法務
大臣が
辞任、また十月には西村
防衛政務次官が
辞任、さらに、ことしに入ってからも越智
金融再生委員長が
辞任を余儀なくされるなど、わずか一年半の間に四人もの閣僚、
政務次官が辞職に追い込まれたことは極めて異常な事態であり、これらの閣僚、
政務次官を任命した
小渕総理の
責任は極めて重いと言わざるを得ません。
さらに、
小渕政権下では、一連の警察不祥事、農林水産省構造改善局の汚職
疑惑など、行政の現場にまでその職責に背馳する行為がはびこっております。その上、
総理御
自身の迂回献金
疑惑、周辺者の
株取得疑惑など、
小渕総理御
自身のみならず、
内閣の傲慢さ、規律の緩みが官僚組織をも根底から麻痺させ、むしばんでおります。
また、経済面におきましても、実質経済成長率が二期連続のマイナスとなり、
小渕内閣の公約である〇・六%成長に赤信号がともるほか、完全失業者はいまだに三百万人を超え、失業者は四%台後半に張りつき、
国民の肌で感じる生活実感とはおよそかけ離れています。本
予算は、構造改革に逆行し、
予算のばらまきに終始した欠陥
予算にほかならず、到底認めることはできません。
以下、本
予算に反対する主な
理由を申し述べます。
反対の第一の
理由は、無軌道な放漫財政を繰り返すことにより財政赤字が大幅に拡大し、財政危機を招来していることであります。
本
予算におきましても、一般会計総額八十五兆円は概算
要求額を一兆五千億円近く上回るものであり、大蔵省の査定がほとんど機能しないばらまき
予算そのものであります。
とりわけ、
小渕内閣発足後の国債発行額は八十三兆円を超え、
一般会計予算一年分に相当する国債を発行し、世界一の借金王を自認する
小渕総理は、もはや現在の我が国が置かれている財政
状況を正確に判断する能力を欠いていると言わざるを得ません。選挙目当てに安易なばらまき
予算を続けたあげく、将来世代に膨大なツケを残す
小渕内閣の財政運営に対し、断固反対するものであります。
反対の第二の
理由は、喫緊の課題となっている社会保障関連の抜本的改革はいずれも先送りされ、その場しのぎの対応に終わっていることであります。
年金
制度については、国庫負担の問題など
制度の基本的見直しが先送りされ、医療
制度についても医療効率化などの改革には何ら手がつけられておらず、改革とはおよそほど遠い内容となっております。
十二年度から導入される介護保険におきましても、昨年末、急遽保険料の凍結、軽減が
決定され、導入に向けて日夜準備を進めてきた現場の努力を全く無視した措置が講じられております。
反対の第三の
理由は、財政構造改革が全くなされていない、特に公共事業の見直しが一向に進んでいないことであります。
平成十二年度
予算における公共事業
関係費の事業別シェアは、最大の道路整備でもわずか〇・八ポイントしか変化しておらず、農業農村整備、森林保全に至ってはわずか〇・〇三ポイントの変動にとどまるなど、シェアの見直しはほとんど進んでおりません。また、公共事業の再評価についても、中止、休止等の事業数は、十一年度の九十二から、十二年度はわずか二十三事業にとどまるなど、全く期待外れであります。
最後に一言申し上げます。
今や、
国民の
政治に対する不信、不満が頂点に達しておりますが、その原因は、
理由なき連立を組んだ
小渕内閣の政策運営が
国民の目線と意識から大きく遊離し、
国民不在の
政治を行っているからであります。
今や、
小渕内閣は一刻も早く退陣し、構造改革を断行できる真の政権を樹立すべきというのが大多数の
国民の声であります。政権の維持にのみきゅうきゅうとし、そしてまた民意を無視し続ける
小渕連立
内閣は即座に退陣し、速やかに
国民の審判を受けるべきであることを強く
要求して、反対討論を終わります。(拍手)