○入澤肇君 ぜひ、このマクロモデル、これを少しきめ細かくやって、地域ごとに公共投資の配分によってどのくらい景気浮揚効果があるかということを検証する新しいモデルをつくっていただきたいと思うんです。これがうまくいかないと、やたらにばらまきをやっているんじゃないかとか、公共事業は要らないんじゃないかというふうなことが言われますので、この点をぜひお願いしたいと思います。
第二点目は、長期計画のあり方についてちょっと御意見をお聞きしたいんですけれ
ども、今、政府全体では十六本の長期計画があります。大体五年とか七年でございます。建設省で八本、農林省でも六本ある。
法律に基づいてやっているものもあるし、閣議決定だけでやっているものもあります。大部分が
法律に基づいてやっています。ところが、実際の進捗
状況を見ますと、かなりこれは
予算の制約がありますから順調には進んでない。この長期計画をつくるに当たって、積算は地方の需要を全部掘り起こして積み重ねた上でつくっているんですね。
こういうことをやっていますと、きのうも申し上げましたけれ
ども、IT革命をにらんだ情報の基盤整備であるとか、あるいは急務である都市再開発、介護、福祉をにらんだ住宅開発、住宅の再編成、再整備、こういうものに公共投資が向かない。これは、今までのような手法じゃだめなんだということのあかしじゃないかと思うんです。
長官は前々から不断の構造改革が必要だということを主張されております。私も全くそのとおりだと思います。
そこで、現在あるこの十六本の長期計画を見直しまして、新しい視点からつくり直すべきじゃないか。それは、
一つは国家的な戦略プロジェクト、これについては民間のいろんな素材の生産会社が投資計画を立てるためには参考にもなりますし必要なので、国家的な戦略プロジェクト、あるいは国家が重大な関心を持って助成すべき地方自治体の事業、これを特定する。それから
三つ目には、新しいニーズとして環境とか福祉とかIT革命、そういうふうなことに
対応するプロジェクト、こういうものについても五年ないし七年の計画をつくるということに切りかえたらどうか。
従来の十六本、
法律に基づいて下からの積み重ねでこれに引きずられますと、それに従って
予算要求するものですからいつまでたってもシェアが変わらないんです。新しい視点から長期計画をつくり直してシェアを変えるというような決断をして実行すべきときに来ているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。