○畑野君枝君 私は、
日本共産党を代表して、
特定放射性廃棄物の
最終処分に関する
法律案について、
関係大臣に
質問いたします。
まず最初に、私は、
国民が唖然とした
森総理の神の
国発言について、
総理の責任を厳しく問うものであります。
総理が今月十五日、集会のあいさつで、
日本の国はまさに
天皇を
中心にしている神の国であるぞということを
国民の皆さんにしっかりと承知していただく、その思いで我々が
活動して三十年になったと公然と述べたことは全く誤解の余地のないことであります。まさに、現在の
憲法の
もとで
憲法擁護の責任を負う
総理にあるまじき
発言であり、
総理がここまで戦前の神国思想に凝り固まっているのかと、驚きを禁じ得ません。
総理、
日本を神の国とするような神国思想こそ、軍国主義、侵略主義の精神的推進力となったのではありませんか。それはまた、戦後の
日本が新
憲法の
もとで永久に絶縁したはずのものではありませんか。明確な
答弁を求めます。
さらに、
天皇を神の国と結びつけて国の
中心に置くというのも論外の
議論であります。このような
議論は、
国民主権を宣言した
日本国憲法の立場を乱暴に投げ捨てるものであることは余りにも明白ではありませんか。
総理の
答弁を求めるものです。
このような立場を公式の場で明言して恥じない
総理は、
憲法に基づく民主主義の
政治の
もとで首相の座に着く資格がないことは明らかではありませんか。私は、
総理に対して、
国民の審判を待つまでもなく、直ちに退陣することを強く求めるものであります。
次に、
特定放射性廃棄物の
最終処分に関する
法律案について伺います。
第一に、昨年九月のジェー・シー・オー
臨界事故の教訓が
原子力政策にどのように生かされたのかという問題です。
日本共産党は、
臨界事故で浮き彫りになった
日本の
原子力行政の根本的な欠陥を改めるため、安全神話の一掃、
規制と推進の分離、プルトニウム循環方式からの撤退という三つの
課題を提起してまいりました。新聞の世論
調査でも、七割の人が
原子力からの転換や開発ストップを選択したように、これは
国民多数の願いでもあります。
科学技術庁長官に
お尋ねします。
臨界事故に対する政府の責任をどのようにお
考えですか。
臨界事故調査委員会最終報告は、「
原子力の「安全神話」や観念的な「絶対安全」という標語は捨てられなければならない。」と
指摘しました。
事故の直接の原因は事業者にあるとしても、政府が安全神話にしがみついてきたことが、ジェー・シー・オーのような
状況を放置し、二人の方の命を奪う
我が国初の
臨界事故を引き起こしたのではありませんか。責任ある
答弁を求めます。
臨界事故の重要な教訓として、
原子力の
規制行政を推進
行政から分離、独立させるべきだという声も大きく広がり、昨年の臨時国会では当時の野党
共通の主張となりました。
原子力安全委員会の事務局は増員されましたが、
規制権限を持たない諮問
機関のままであり、
規制権限は推進
機関である通産省と科技庁が持ったままです。
規制と推進の分離は、国際
原子力機関の安全基準で、
規制機関は
原子力の推進に対して責任を負ってはならないと定めているように、国際的な原則であり、
原子力安全条約にある義務であります。
臨界事故の教訓を踏まえ、
原子力利用の推進
機関から独立した、十分な権限と体制を持った
規制機関を確立すべきではありませんか。
通産大臣、
科学技術庁長官に
答弁を求めます。
通産大臣に
お尋ねします。
今回提出された
特定放射性廃棄物最終処分法案では、
最終処分業務に関する
安全規制は別の
法律で定めるとしています。
安全確保のための基準すら定められない
段階で、
地層処分の
実施を決めることは安全神話そのものではありませんか。安全神話に対する反省は一体どこにあるのですか。
答弁を求めます。
第二に、高
レベル放射性廃棄物の処分問題です。
法案では、原発から出る
使用済み燃料を再
処理し、その後に残る高
レベル放射性廃棄物をガラス固化して一定期間冷却貯蔵した後に
地層処分するとしています。
科学技術庁長官に
お尋ねします。
高
レベル放射性廃棄物は、その放射能レベルが天然ウラン程度に下がるまでに数万年もかかります。
地層処分するのであれば、数万年間にわたる安全性が保障されなければなりません。そのような地層が
日本にあるのですか。もしあると言うなら、どこにあるのか、具体的かつ明確に
お答えください。
そもそも、
地層処分の安全性は実証されているのでしょうか。
世界のどこかで実証されているという事実があるのかないのか、具体的で明確な
答弁を求めます。
数万年にわたり安定した地層が
日本にあるのか、専門家からも疑問視されている
もとで、将来十万年程度にわたって十分に安定した地層が
我が国にも広く存在するなどと決めつけ、
地層処分を
実施しようというのは新たなる安全神話とも言うべきものです。
核燃料サイクル開発
機構の第二次取りまとめでも、高レベル
廃棄物の放射能存続期間を
考えると、このような期間にわたり有効であり続けた
社会制度の例もないと
指摘しています。このような
処理困難な
廃棄物をつくるべきではありません。
使用済み燃料の再
処理をやめ、既にある
使用済み燃料や高
レベル放射性廃棄物を安全に
処理する方法の研究を進めること、その
努力こそが今求められているのではないでしょうか。
答弁を求めます。
次に、処分地選定に当たっての地元合意の問題です。
今年二月の芦浜原発の例に見るように、現代では住民合意と自治体の同意なしには
原子力施設を立地しないというのが当然のルールです。何万年もの将来まで影響を与える処分地選定ではなおさらです。ところが、本
法案ではこの当然のルールが無視されています。
通産大臣に
お尋ねします。
原子力発電環境整備機構が処分候補地等を選定する際に、住民合意と自治体の同意を条件としないのはなぜですか。場合によっては、住民、自治体の
意見を無視することもあり得るということですか。明確な
答弁を求めます。
第三に、プルトニウム循環方式の問題です。
プルトニウムの持つ極度の有毒性、
技術的困難や核兵器への転用を含め、プルトニウム循環方式の危険性は国際的にも実証されています。高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい・火災
事故、再
処理施設の火災爆発
事故、核燃料工場の
臨界事故、いずれもプルトニウム循環の中で起こった
事故です。
通産大臣、
我が国の二十一世紀の
エネルギーを
考えるなら、
世界が撤退し、破綻が明らかなプルトニウム循環方式にかけるというやり方を改め、
再生可能エネルギーの利用促進など二十一世紀にふさわしい
エネルギー政策を
国民の英知を集めて探求すべきではありませんか。
答弁を求めます。
最後に、
日本共産党は、
国民の安全を守るために、また新たな
エネルギー政策確立のために、
国民の皆さんとともに奮闘する決意を表明して、私の
質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣森喜朗君
登壇、
拍手〕