○扇
千景君 きょうは、一月二十日にこの国会が始まって初めての
委員会でございます。やっと開かれたという感をぬぐえません。
私は、まず冒頭に
質問に立ちましたときには、東海村の核
燃料加工施設、いわゆるジェー・シー・オーのあの
事故によって、昨年十二月二十一日に、
事故から八十三日目に大内久さんという貴重な若者の命を奪うことになりました。三十五歳でございました。私は、初めての
委員会ですから
大臣が御
出席になって、御本人の冥福を祈るとともに、残された御家族に心から哀悼の意を申し上げたい、まず冒頭に申し上げておきます。
大臣が
委員会に御
出席になる、きのうの理事懇ではそういう
予定でございました。ですから、きょうの議題になっております
ロケット打ち上げの結果に対する
質疑ではございますけれども、この
ロケット打ち上げの
失敗も、
原因の
究明を含めて、私が今申し上げた、少なくともジェー・シー・オーの
原因も解明しなければ、
事故というものはどこにでもあるんですけれども、その
事故究明をいかにするかということが、すべての
科学技術も含めて、
政務次官が先ほど同僚
委員の
質問にトンネルの落下
事故の話もなさいましたけれども、欠落の話もなさいましたけれども、きょうは
ロケットに関する
質疑とはなっておりますけれども、私は基本的には
大臣の御
出席がなければならないものと思っております。
ところが、
大臣が御
出席になれば所信を聞くのは反対だという政党がございます。国会が開会して一カ月余になるのに
大臣の所信も聞かない。きょう聞こうと言ったら、いや、参議院の
予算委員会の総括が済んでからでないと
大臣の所信は聞かない。それまで国
会議員は
委員会を参議院は開かないんですか。しかも、
文教関係で著作権の参議院先議も二本来ることに、一生懸命衆議院と話し合っているんです。にもかかわらず、この
委員会は
大臣の所信を聞くまでは一切開かさないという。サボタージュでございます。
そういうことが
国民の前に公にされないで理事懇だけであやふやになってしまって、一カ月もたって
委員会も開かないし、しかも、HⅡ
ロケットというのは昨年の十一月十五日のことでございました。それが今初めてこうして
委員会の議題にのる。しかも死者まで出したこの
事故に関しても、やっと今私が残念ながら
委員会で哀悼の意を表さなきゃならないというような、国会が始まって一カ月間、私たち参議院は何をしていたんでしょうか。
そういう
意味から含めまして、少なくともきょうも本来であれば
大臣はお体があくはずでございます。また、今ごろもう終わっているかもしれません。それは、きのう
大臣が御
出席だと聞いておりましたけれども、きょう衆議院の
予算委員会が朝十時から夜六時まで行われます。けれども、きょうは
大臣を要求しているのは、ちょうど私どもがこの
委員会を一時から開くと決めたその後に、衆議院のきょう一時から三時間二十五分の民主党さんの
質問の中に
科学技術庁長官の
出席要求をしたんです。そうなれば、私たちは衆参でけんかしているわけじゃないんですから、衆議院で一時に民主党さんがお呼びになれば、民主党さん三人も
質問にお立ちになるんですから、少しずらしていただいて、この
委員会にたとえ一時間おくらせてでも
大臣は御
出席は可能だったはずでございます。
それほど私どもは、この参議院の
委員会の開催の事実というものを
国民の前にはっきりと申し上げたいと思うし、
大臣の所信は、参議院の
予算委員会の総括が終わるまでは聞きたくないし、
委員会も開くのは、
質疑するのは反対だみたいなことでは、私は参議院の前途は真っ暗で参議院無用論が出るのもむべなるかなという意見を言わざるを得ません。
きょうはそういう日でございますので、残念ながら
大臣が御
出席ではございませんけれども、私が先ほど申しましたようなジェー・シー・オーの
事故の
原因というものも
究明しなければ、すべてのHⅡ
ロケットであろうとか
ミューⅤの
事故の
原因というものも、これは時間がたたなければわからないことでございます。ですから、私はその
体制について今時間を割いて言う時間はございません。
けれども、少なくとも私は、
我が国の
科学技術政策の中の
宇宙開発というものに対する
世界の注目度、また、今
国民の意識が低いから
事故が起きるみたいなことは、そんなことは絶対ございませんで、私どもは
宇宙にかける夢というものは
国民すべからく持っていると思いますし、資源のない
日本が今度
宇宙ステーションも計画しております。そこで我々人間が想像できないようなものが
宇宙の中で新しい未来の第三の
世界というものの扉を開く、そういう
意味では、私は今後の
宇宙開発というものに大変まだ夢を持っていますし、
日本はそうせざるを得ない状況にあろうと思います。
ですから、少なくとも私が心配しておりますのは、今度のこういう
事故があるからということで
宇宙開発の
日本の腰が引けないか。それではいけないんだと。一つ
失敗したら次の
予算を削って、ここはだめよ、それでは第二の進歩、第二歩目は行けません。一歩出たからには次の二歩、三歩が出なければ
成功しない。
最初から
成功するんだったらどの国もやっています。そういう
成功しない部分があるからこそ、私どもは大事にしなければいけないと思いますので、どうぞそういう
意味では、私はぜひ
失敗にくじけることなく
世界に冠たる
宇宙開発の研究を進めるべきであるということを声を大にして申し上げたいと思いますし、私は、
日本の
ロケット開発によって、
日本の
ロケットで物を上げてくださいというような外国からのオファーもあるような、そういう
宇宙開発事業に邁進しなければならないということも第二点目として申し上げておきたいと思います。
それから、時間がきょうはございませんから一気に申し上げます。
先ほど同僚議員から新しい機構に関してお話ございました。きのう
科学技術庁長官、いわゆる文部
大臣が三
機関の共同の
機関を設置して
協議会でするというお話を伺いました。私は御注意申し上げておきたいと思います。それは、行政改革によって国のあり方、行政のあり方を全部改革しようといって通した法案によってこれからいろんな部署が新しくなります。けれども、これから例えば原子力一つとってみても、安全については新しい内閣府、経済産業省で所管することになります。
技術については文部科学省でございます。完全に分割の管轄になるわけでございます。また、内閣府の中で総合
科学技術会議、それができるんですね。これは内閣府でございます。そしてまた、総合
科学技術政策部門というのもできるんです。
私は、せっかく
科学技術庁と
文部省が統括されて一本になるから、これはむだがなくなるし、知恵も
二つを足せばもっと三倍にも四倍にも、四乗にもなる、三乗にもなるという期待を抱いているんですけれども、編成することによって新たに分散されてしまっては、きのう発表になったこの三
機関の
協議会というものも
意味をなさないんじゃないか。特に私は、この三
機関の
協議会ができることによっては、次の省庁再編に向けての大いなる勉強にしていただきたい、そのように申し上げておきたいと思います。
少なくとも、すべての監視機構というものの充実が最重要課題であるというのは当然のことなんです。きょうは時間がありませんから次回に譲りますけれども、今ある原子力
委員会のあり方、少なくとも私は、このジェー・シー・オーの責任問題に関しても、原子力
委員会の果たせる役割と、そして責任と、今後の
科学技術に関するあるいは原子力
関係に関する重要な課題をどう決定していくのかということも今後の時間に追及していきたいと思いますので、私が今申し上げたことにお答えがあってもなくても結構でございますけれども、もしもお答えがいただければ幸いです。