○大森礼子君 だから、要するに本人次第ということになってしまうわけですね。
それで、今そういうちゃんとした法
体制、法整備されていませんので、民間の通訳をお願いするときにはきちっとこの旨を、法的義務はないけれ
ども、こういうことから例えば
警察官とか検察官に守秘義務が課せられている、その理由はこういう理由です、プライバシーとか。やっぱりきちっとまず御説明して、それを聞いていただくことが大事なんだろうと思います。
それはそれとして、ほっといていいのかという問題があるんですね。この市民団体の方も
警察通訳人の、
警察に限定していますけれ
ども、これは検察庁段階でも一緒だと思います。「
警察通訳人の質、人数の十分な確保のためにも通訳人の資格
制度を導入し、
警察通訳の運用を改善するよう、貴党からも
警察庁に対し働きかけて下さいますよう
要望いたします。」。「貴党」は公明党ですので、
要望を受けてきょうここで、私もこの問題を扱ってきましたし、非常に大事な御
指摘だと思いますので取り上げさせていただくわけなんです。
ここでも、この方も、今守秘義務がないから実際に漏えいを行っても処罰できないという形になっている。これは私は何とかしなくてはいけないだろうと。この方は「刑法を改定し、」という提案をされているわけですけれ
ども、そもそもなぜこういうことが起きるかというと、やはり大事な司法通訳
制度というものが法整備がされていないからだと思うんですね。
それで、やはりアメリカのように司法通訳認定
試験というものできちっとした資格を与えて、そしてその人にはまず語学レベルの保証がされますし、それから刑事訴訟法等についても基礎知識をきちっと
勉強していただくと。それから、守秘義務ももちろん課する、こういう司法通訳
制度をつくるべきではないかと思います。
こういう言い方をしますと、みんなその資格がないと司法通訳ができないみたいに誤解されるんですけれ
ども、アメリカでもそうは
考えておりませんで、こういう資格を持った人はそれだけ通訳の正確性についての信用性が高いと合理的に推定されて、待遇が違うとか。こういう
制度を取り入れるべきではないか、こういうふうに思っています。
これはお答えは要りません。
警察だけでのものでもありませんで、司法通訳全体の問題として取り上げていかなきゃいけない問題だと思いますので、自分の
考えだけを申し上げます。
それから、もう時間になりましたので最後の質問になるのですが、薬物関係については午前中の
質疑で出ましたので質問をしません。
通信傍受法は八月から施行だと思います。いまだに
人権侵害とか言っておりますけれ
ども、私は薬物の使用者、これは
被害者だと思っております。そして非常に押収量もふえていると。
この前
新聞記事でどこかが
調査、推定したところ、年間大体十五トンから二十トンが国内で使用されている、末端価格で一兆円規模だと。これだけ蔓延しております。通信傍受法が施行になる前の駆け込み供給という面もあるかもしれませんけれ
ども、私は、覚せい剤を体に入れるとその人間というものを壊してしまうわけですから、こういう
犯罪、薬物、これが広がること自体
国民に対する大きな
人権侵害行為であると思うわけでありまして、こういうバランス感覚を持って
人権というものを論じてもらいたいなと思います。
いずれにしましても、非常に要件を絞りました通信傍受法、これによってやはり摘発をして、そして
国民の皆様に納得していただくしかない、理解していただくよう努力してもらいたい、こういうふうに思っております。
これを述べたらあと次の質問が時間切れになってしまうんですけれ
ども、あと一問だけ。
警察段階で聴取した通訳の正確性が問題となった場合、法廷で争われた場合、例えば
警察の調書も特に本人調書でしたら任意性さえあれば証拠能力が認められる場合、出る場合がございますね。特に通訳の正確性が争われた場合、通訳人を証人として呼んでもなかなかその当時どういう具体的な言葉で通訳したか再現することは不可能であります。
こういう場面が生ずるわけですが、このことについては
警察庁では何か対応策とか、そういうものはとっておられるのでしょうか、こういう場面に備えまして。簡単にお尋ねいたします。