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政務次官(持永和見君) 厚生年金、
国民年金
制度の
改正法をきのう参議院を通過させていただいて、御
指摘のとおり、賃金スライド制をなくすると、こういうことになりました。
しかし、この賃金スライド制というのは、
先生も御案内と思いますけれども、原則として五年ごとの厚生年金なり
国民年金改定のときに、従来の賃金の伸びなりなんなりに応じて年
金額を改定していくと、こういうことでありまして、毎年の改定とはちょっと違っております。
毎年の改定は、厚生年金、
国民年金については物価スライド、それを組み込んでおりますから物価スライドでやっておりますけれども、
恩給の方は、今も
委員から御
指摘ありましたとおり、
総合勘案方式という形で、国家
公務員の
給与の改定そして物価、そういうものを両方見ながら改定をしておりますし、また
制度がそれぞれ違います。
恩給は国家補償的な性格、いわば国家が償うという性格のものでありますし、また
公的年金というのは、これはお互いの社会保険によって相互扶助の形で運営がなされているものでありますから、基本的に性格が異なっておりますから、厚生年金、
国民年金の賃金スライドが仮にやめになったとしても、
恩給は
恩給として、公的なそういう国家補償という性格を見ながら、私どもとしては
改善すべきところは
改善していかなければならないというふうに思っております。
ただ、ちょっと申し上げさせていただきますと、来年
平成十二年度の厚生年金、
国民年金の中で、後でいずれこれは法案を
国会にお願いすることになるかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、物価スライドが、実は
平成十一年度の物価がマイナス〇・三%でありまして、これでいきますと厚生年金、
国民年金はマイナス〇・三%の年
金額の改定と、自動的にそうなるわけでありますけれども、現下の経済情勢なり高齢者の
方々の生活
実態を
考えて、これは据え置こう、とどめ置こうということで、そのための必要な
法律改正を
国会にお願いする、こういうことになっております。
そういう
状況でありましたので、今回の
恩給の改定においてもそれを見ながら、
総合勘案方式ということで今回の〇・二五%の改定をお願いしているということで、その中では物価の〇・三%は、厚生年金、
国民年金とのにらみを見ながら捨象した形でやっております。
いずれにしても、両方とも年金的な性格を有する点では共通なものがありますから、そういう意味で
国民のそれぞれの
受給者の人たちの生活を維持する、そういう点ではお互いある
程度重なり合う面がありますけれども、しかし基本的な性格は違いますので、改定なり
改善のやり方については、
恩給は
恩給で従来どおりの改定の仕方で私ども今後とも
推進し、その
改善に努めてまいりたいというふうに
考えております。