○
椎名素夫君 きょうの
委嘱審査の範囲からちょっと外れておるかと思うんですが、いわゆる思いやり
予算についての質問をさせていただきたいと思います。
私は昭和五十四年に初めて国
会議員になったんですが、五十五年に
大蔵大臣が官房長官をやっておられたとき、それから中曽根内閣で
大蔵大臣をなさった、そういうことをずっと通じて、いろいろと日米の安保協力について端っこの方で仕事をさせていただいて随分御指導いただいたわけです。おかげさまで、あの当時、
最初はいろいろ問題がありましたけれども、日米間でつまらない摩擦というのは大体起こさないで済んだというふうに思っております。
最近ちょっと気になりますのは、私の感じでは、小さなお金の話で思いやり
予算を削ろうかとかいうようなことで、下の方のレベルでやっているならいいんですが、これが
大臣の話になったり、大統領までがあれはそのままにしろとか、そういう物事の実質に応じ比例のとれないような騒ぎにどうも時々なる。まだなり続け、特別協定が改定されるときにまた問題になるだろうと思うんですが、これは非常に愚かな話であろうと実は見ているわけであります。
それまで日米同盟
関係というのはある意味では自動的にどんと流れていたわけですが、冷戦が終わってしまうと少し国際
関係というのは昔に戻って、それぞれがそれぞれを選んだり、あるいはどこと組もうかというようなことを
考えたり、むしろ少し複雑になってきて、日米同盟というのはあの冷戦のときよりもっと大事に大切に扱わなきゃいかぬということになってきているんだろうと私は思っております。
そういう中で、決してこの周りはずっと平和であり続けるだろうという気もいたしませんし、いろいろ火種というのが相当顕在的にもあるいは潜在的にもあるという中で、今のようなことが起こりますと大変につまらない話なので、この日米同盟
関係のマネジメントというのは相当丁寧にやっていかなきゃいけない。そういうときに、確かに
財政状況は厳しいということでありますけれども、こういうことで一文惜しみの銭失いみたいな話になったんじゃばかばかしいという気が実にしているわけです。
きょうこれを伺おうと思ってちょっと探してみましたら、実は去年の四月十三日に
衆議院のガイドラインに関する特別
委員会で、伊藤茂さんの質問に対して、
大蔵大臣の大変に我が意を得たりというような御答弁がありまして、これを読みましたらもう伺う必要もないかと思いましたけれども、せっかくでございますので。
いろいろなことを言っておいでになって、最後に、「
財政は確かに厳しゅうございますけれども、
日本の安全に関することであったら、やはり削減するのはそれは一番最後だ、ほかに削るところがあったら削らなきゃならないぐらいに私は
考えております。」、伊藤さんが聞いたものですから、「お言葉に逆らって申しわけありません。」と、こういうことになっておりますが、今もそういうふうにお
考えだろうと思います。
それだけでなしに、こういうことが、何かまた
日本からけちなことを言ってきたというような話が、うまくやれば実際は少しけちでもいいんですが、
アメリカの新聞に載ったりして、何だ、
日本人はまたけちなことを言いやがってと、殊に向こうの議会なんかはうるさいのがたくさんおりますし。そういうことにならないようなマネジメントを、むしろ
大蔵大臣のお仕事の範囲じゃなくて、外務
大臣か何かがやるんでしょうけれども、少し御指導いただいて、お金の交渉もお金の交渉ですが、そういう全般的なマネジメントに少し目を配っていただけないものかというお願いをいたしまして、質問のような妙な話ですが、これだけお聞きすればきょうは終わりにいたします。