○国務大臣(丹羽雄哉君)
先生御案内のように、今後の少子
高齢化社会の
進展に伴いまして、社会保障そのものが大変ふえていくわけでございます。これは、当然のことながら社会保障
制度とそれから経済との調和、これも全く無視するわけにいかないわけでございまして、将来の現役世代の皆さん方の過重な負担にならないように
考えていかなければいけない、こういう観点から
年金、医療、こういうような
取り組みに取り組んでいるところでございます。
小手先とおっしゃいますが、率直に申し上げて私はいわゆる抜本改革に向けて第一歩を踏み出すことができた。それは、例えば薬価差の問題でも長年大幅なR幅というのが認められていたわけでございますが、この縮小をすることができた。それから、例えば診療報酬の
部分におきましては、出来高払いかあるいは包括払いかという問題でございますけれ
ども、いわゆる慢性的なものにつきましては包括払いにしていこうじゃないかという一定の線を打ち出すことができた。大変大きな進歩だと思います。それからあと、長年の懸案でございますお年寄りの定率制の
導入というものも踏み出すことができた。
そういう意味において、これは昭和三十六年にスタートいたしまして以来非常に国民の間に定着していて、しかもどちらかというと、医療については皆保険、
年金についても皆
年金、こういう意味において国民の大方の
理解を得ながら進めていく、しかしそういう中においてこれからますますふえていくのにどうやっていくんだと。この問題を今後私たちは十分に
検討しなければならない、こう
考えておるような次第であります。
ちなみに、社会保障の
給付費は現在六十九兆円でございますが、二〇二五年には何と二百三十兆円になるわけであります。これをどうするかという問題でありますが、全体として、
一つは公費をどこまでやるか。これは国も都道府県も、市町村を含めてどういうふうに負担をするか。それから、
保険料の問題と自己負担の問題、この三つの財源論をどうやって組み合わせていくかという問題。それからもう
一つは、率直に申し上げて、これまでの保険で見られる
水準の問題、それから範囲の問題、これも国民の皆さん方に率直に打ち明けて御
議論をいただかなければならない、こう
考えているような次第であります。
もうちょっとお時間をいただければ、例えば医療であるとか福祉であるとかこういうものは、これまでお年寄りというと、お年寄りは要するに社会的弱者である、私も社会的弱者だと思います。社会的弱者であるから、一律的に経済的弱者だというようなことで、例えば国民
年金三万円、四万円しかもらっていない方も、あるいは一千万円、二千万円もらっているような方、きょう実は経済閣僚会議があったから申し上げるわけじゃありませんが、どこかの総裁は四千百万円の収入をいただいているんです。これは公だから言えるんです。こういう方も要するに一回五百三十円だと、こういうことが果たしてできるのかどうか。こういうことを含めて、要するにこれからの新しい
高齢者像というものを私たちは国民の皆さん方の
理解を得ながら進めていかなければならない。大変難しい問題です。
実際問題として、要するに本音の
部分においては若年世代の公平とかなんとか言いますが、いざとなると、何かあるとこれはもう
高齢者へのしわ寄せだとか、こういうことがありますから、こういうものは私は率直に申し上げて、いわゆる政争の具として扱うのではなく、国民全体としてこれからの社会保障をどう
考えていくかということを冷静に真剣に
考えていく。そういう中で、お隣に入澤
先生いらっしゃいますが、税方式の問題等いろんな問題も含まれているのではないかと、こう
考えているような次第であります。