○国務大臣(丹羽雄哉君) デンマークのイエスパーセン社会担当大臣が訪日をなさった際、実は私も
厚生省でお目にかかりまして、かなりの時間お話をお聞きいたしました。そして、実は私、この一月でございますけれ
ども、お許しをいただきまして、介護保険がこの四月から導入されるということを念頭に置きながら、五年前に既にスタートしておりますドイツの実情、五年たってどういうふうになっているのか。そしてまた、デンマークの方へ行ってまいりました。そして、イエスパーセン氏のお話、またデンマークで実際に私が感じましたことも、まさに今、
委員が御
指摘になりましたような思いを改めて強くしたような次第でございます。
いずれにいたしましても、今後
国民の
皆さん方が真に豊かな老後というものを確保するためには、まず
高齢者の
皆さん方が自立をして、そしてこれからは社会に参画をしていく、こういうようなことが極めて私は重要ではないか、こう考えているような次第であります。
それと、みずからの
収入、資産や、将来にわたって安定した、先ほどから申し上げております公的
年金制度による社会保障、
所得保障とともに、御
指摘のような家族あるいは地域の中で支え合っていくということが何よりも大切である、こう痛感をいたしたような次第でございます。
例えば、介護が必要になった場合、家族の肉体的、精神的、また経済的な介護
負担を軽減するために介護保険
制度の導入というのをお願いしておるわけでございます。必要なサービスの基盤整備と充実を図っていかなければならず、こうしたいわゆる公的な
制度。それから、もうどうしても限界があるわけでございます、家族であるとかそれから地域、特にボランティアの方々。いわゆるお年寄り全体を考えますと、例えば自立と判定されたけれ
ども、ちょっとやっぱり話を聞いていただきたいとか、ひとりぼっちで生活していらっしゃる、こういう方々に対しまして、みんなで支え合っていこう、こういうようなことがなされなければ、真の
意味での私は豊かな老後を過ごすことができないのではないか、こう思っておるような次第であります。
いずれにいたしましても、
委員が御
指摘のような
高齢者と若い
世代のいわゆる社会的な連帯、このことなくしては私は我が国の社会保障というのは成り立たない、こう考えておるような次第でございます。
特に、
年金の場合は御案内のように、現在
年金をいただいている方々は若い方の
保険料によって賄われている賦課方式というものを採用しておるわけでございますので、こういったような
観点からも、要するに人生というのは七十年間、あるいは人によっては八十年間生きる方もいろいろあると思いますけれ
ども、とにかくやっぱりお互いにやがて老いて病んで消えていく運命であります。そういう中において、老いも若きもお互いに助け合って支え合っていく、このことがなければ我が国の社会保障というものは成り立たない。まさにイエスパーセン氏も同じことを申し上げていたような次第でございます。