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国務大臣(
中山正暉君) 私も
地方議会の出身でございまして、昭和三十八年と四十二年に
大阪市議会にいたことがあるのでございますが、私はそのころからもよく言っておりました。
財政
規模からいいますと、もちろん
東京都が一番で、二番目が
大阪市で、三番目が北海道、四番目が
大阪府という、よその都府県とは全く違った構造になっておりまして、そして
大阪市内、三百六十万人戦前おりましたが、今は二百六十万人しかおりませんで、
大阪へお越しになりますと、私のいつもの持論なんでございますが、地下鉄は
大阪市域から出ていかない、モノレールは伊丹の駅前で、伊丹の飛行場の前でとまったまま、モノレールは
大阪市内を避けて通っております。そういう府市の対立を見ておりますと、私、これが
本当の不幸せなんという冗談を言っているんです。
ですから、
大阪市民の負担で、よそから昼間百二十万人、和歌山一県ぐらいが
大阪市内に入ってくるわけです。横浜は、人口では
大阪より上でございますが、ほとんど
東京へ入ってこられる。石原慎太郎さんのそういうことをやると、
一体東京都の近郊はどんなことになるのか。
外形標準課税のときにも、私は拍手をしたいような慎太郎さんちょっと待ってくれと言いたいようなというのを記者会見でコメントしたことがあるのでございますが、あの外形標準課税にしても、外国の金融
機関がばっと出てくるのがとまってしまって、国際金融市場の中心にならなきゃいけないのに外国の銀行は、あれで慎太郎さんの真珠湾攻撃みたいになってしまって、これも問題だなと思います。
そうかといって、私は、数の少ない私
どもの
地元のことを言って恐縮でございますが、
大阪市民の負担で昼間百二十万人入ってくる人に同じ料金で乗せておいていいのかと。だから、この間の閣議でもこの話が出ましたので、私は法定外普通税というようなものを各
地方に許してあげたらどうかと。なかなか自治省がうんと言ってくれません。その
地域地域で特性のあるのをその
地域の首長が
責任を持って税制を確立するようなことを全体で考え直す。
それからまた、幕末には二百七十四人しか大名はおりませんでした。旗本とちょっとで三百ぐらいの自治体が幕末のスタイルだったと思いますので、今多過ぎるんじゃないかという形で、これはいろいろこれからの、私は、
先生が先ほどから
お話しの、来年の一月六日から一府二十一省が一府十二省になるというのをきっかけに
地方制度というのを大改革する必要があるんじゃないかなと。
東京都の場合は、国があって特別区があって都があるという三重構造になっておりますけれ
ども、三・六%の
東京の中に日本の人口の二六%が住んでいる。
それで、
東京の場合はまだ不交付団体でございますけれ
ども、もう
大阪まで交付団体になってしまいましたから、これをどうするか、それを
道路行政とどう結びつけていくかというのは、大変私は、
先生の御
指摘にありますように、
地方と
地域、さっきは
高知の知事さんがこの間のX
道路の
開通式で喜んでおられましたので
先生も喜んでいただけるかと思って余計なことを言いましたが、とにかく、そういう日本
国土全体の
道路のいわゆる進捗率というようなものでどう考えたらいいのか、これは今後の私は
課題ではないかと思います。
東京都が打ち出しましたロードプライシングの構想につきましては、
施策の合理性とか利用者の受容性とか、それから徴収技術とか課金の根拠とか
収入の使途、そういう面で大変
課題が私は多いと思っております。
建設省におきましても、
都市における
交通の
円滑化を図るためには、バイパスとか環状
道路等の
整備とあわせて、各
都市に実情に応じてパーク・アンド・ライドといいますか、時差通勤などの
道路の利用の仕方に工夫を求める各種の
施策の
実施とか、それから
都市内
交通を適切に誘導するTDM、いわゆる
交通需要マネジメントの
施策が私は重要だ、こう認識しておりますが、そのロードプライシングにつきましても、この
交通需要マネジメント
施策の中での検討
課題の
一つであると思います。
建設省といたしまして、諸外国でのいわゆるロードプライシングの導入事例の研究等を通じて
我が国への導入の可能性については検討を行っているところでございますが、今後とも、
関係機関や
地方自治体、
東京都とも連携しつつ、引き続きこれは
課題として研究をする、そして日本の
道路の物流とか情報の伝達とかそれから人の行き来とか、そんなものが
円滑化されることに役立つことでございましたら、早急に検討を要する問題だと思っております。