○
水島裕君 私が恐れておりますのは、これは非常に
国民不信を招いているわけですね。こういう
国民不信がもちろんいい方向に働く場合もありますけれ
ども、これが悪循環して、もう
不信なものですからいろいろなことを言ったりなんかして、またそれが
病院の忙しさとか複雑さに反映したり、
信頼関係がなくなったことにおいて
事故がますます起きるということがあるわけですね。
それからもう
一つ、これからいろんなことを決められるのもいいんですけれ
ども、そうなりますと逆に
看護婦さんたちが多忙になり過ぎるということでこれもまたその悪循環の
一つになる
可能性があるので、ひとつ広い
意味でいろいろ考えてやっていただくということがぜひ必要だと思います。
それでは、少し具体的な例、それから具体的にどういう方策を立てるかというのでございます。
もちろん、
医療過誤に遭った人はたまったものではないわけでございますけれ
ども、やはり
点滴の
事故が多いんですね。
点滴しちゃいけないものが
注射の中に入っちゃうと。そういうことはその後、ごく最近ですが、
医薬品・
医療用具等関連医療事故防止対策検討会というのをなさっておられまして、それもさっと見せていただきましたけれ
ども、そういうところでもある程度取り上げられているわけですけれ
ども、やはりもっと色をちゃんと使うとか、それから例えば
消毒薬、私なんかがやっているときは
消毒薬は全然別のところに置くという習慣にしておりましたし、それから、今ちょっとおっしゃいましたけれ
ども、
点滴と口に使うものは
注射器の大きさを変えてもう入らないようにしておけばどんなにぼけていてもそういうことは起きないわけでございますから、そういうことをいろいろおやりいただく。ここにいらっしゃる方が余り
医療に関して
不信を持ってもいけないんですけれ
ども、本当にこの
注射というのは
日本は少しやり過ぎるものですからどうしても
ミスが多いんですね。
科学者というのは人の心は信用しますけれ
ども物事は余り信用しないというのが本質でございまして、私も入院したときに、
抗生物質の
点滴を受けるというのに本当に大丈夫かと。入れてあるものをこう見せまして、大丈夫だと。でも、どうも色が少し透明なんですよね。ですから、本当に入れたのかもう一回見てこいと言ったら、あっ入れ忘れましたと。つまり、私がそういう
注意をしなかったら私は単に水だけを
注射されていたと。
こういう話はしょっちゅうあるので、余りそんなことを言うとここにいらっしゃる方は嫌になっちゃいますけれ
ども、そういうことがあるんだけれ
ども、それをやはり
事故につながらせないようにということで
注射の問題が
一つ。
それからその次に、今ちょっとおっしゃいましたけれ
ども、薬も
薬局で一日量を例えば多く出すとこれはだめになるように
チェックがうまくいくんですね。ですけれ
ども、例えば一週間に一日だけ使うもの、一回だけ使うと非常にいい薬というのは結構あるんですね。それを月曜日に出すと
薬局は
オーケー、火曜日に出すとまたこれは
オーケーになってしまうわけですね。ですから、そこをちゃんとやっていない
病院は非常に多いので、これはすぐにでも通達を出された方がいいんじゃないかと。
それからもう
一つは薬の
アレルギー、これは
薬歴をちゃんと、
薬歴とは今までどういう薬でどういうことが起きたかというのを入れておけば、例えばひどい
アレルギーが起きるものを
処方するとビーと鳴るというような仕掛けだってできるわけですから、この辺はちょっとこの
対策に書いていないような気がしますので、ぜひつけ加えられたらいいんじゃないかと思います。
いろんなことでお金がかかるというのはわかりますけれ
ども、
医療事故とかこういう
ミスによってかかる
費用というのはアメリカなんかは物すごい、何兆円となっているぐらい
事故が起こるために使う
費用というのは非常に多いわけですので、少々の
費用でできることはどんどんおやりになった方がいいというので、これは薬の問題ですね。
先ほどお話ししたのは
癌研のシスプラチンで、こういうところでこんなことを申し上げていいかどうかわからないけれ
ども、
癌研は手術の技術は割合とうまいんですけれ
ども、どうもあそこは古い
病院で中のお
医者さんが新しいこととか世間のことを、私もこの間行って少し驚いたんですけれ
ども、
癌研の
附属病院はちょっと教育した方がいいところがあるような気がしますので、あそこでこういうことが起きてもっともかななんて思って、なおかつあの
院長をよく知っておりますけれ
ども、
院長がこれは
警察に届ける必要はないと思っていたというのはちょっと、普通の
大学病院なんかだったらこれは届けなくちゃいけないということになるので、
病院によって認識の差が随分ありますのでその辺もひとつ御
検討をいただきたいと思います。
〔
委員長退席、
理事田中直紀君着席〕
それから第三番目は、やはり薬の
事故が多いんですけれ
ども、薬の
事故は
一言患者さんに言っておくと防げるものがすごくあるんですね。
例えば、私は
専門の
一つとして
リューマチをしておりますけれ
ども、
リューマチに非常によく効く薬、メソトレキセート、この間
厚生省でようやっと認可していただいたものは、致命的な
副作用としては
肺臓炎があるんです。それはまず一〇〇%
空せきが起きてくる。ですから、
患者さんに
空せきが起きたらすぐやめてお
医者さんに受診しなさいと言えばいいんですけれ
ども、そういうのを
医者は、
専門医は苦労してやっておりますけれ
ども、やはり
製薬会社がもっとやっていただくといい。ところが、
製薬会社は、そういうことをやれというと、いや
厚生省から能書以外のことはそう
患者さんとかに伝えちゃいけないことになっている、これだけ伝えたらほかのものはいいということになるのでそういうことはいけないことになっているというので、
厚生省もひとつ本当に必要な
情報、全部やらなくちゃいけないといったらこれはかえって散漫になってしまいますので、本当に必要な
情報が行くような
体制をもう少しいろいろ考えていただきたいというふうに思います。
じゃ、今の
注射のことと薬の一日量のことと
情報のこと、その辺をまとめて御答弁いただければと思います。