○岩井
國臣君 駐車違反の取り締まりをやめろと言っておるんじゃないんですよ。それはそれでいいんですけれども、やり方が余りにも中央集権的過ぎるんじゃないかということなんです。
行政改革で、御案内のとおり、機関委任事務というものがなくなりました。自治事務と法定受託事務に変わりましたね。このことについて、機関委任事務でもあり自治事務でもあるという
中間領域みたいなものもあるんじゃないかと私は思っておりまして、その点で私は今の地方分権の問題はちょっと中途半端じゃないかと思っておるんです。
それにしても、もう
一つ私がちょっと中途半端だと思う点は、その一番大きい点ですけれども、今までの機関委任事務というのは、国がやれないことをまず都道府県におろします、都道府県でやれないものを市町村におろします、こういうことなんです。それが機関委任事務論なんです。それを百八十度変えまして、まず自己責任だと、自分でやれるものは自分でやりますよと、自分でやれないものは地域で取り組みますよと、地域でやれないものは市町村でやりますよと、市町村でやれないものは都道府県でやるし、都道府県でやれないものは国でやりますと。これは政府信託論というんですけれども、そういう
立場に立って
考えたときに、今の地方分権、ちょっと中途半端になっておるというのはそこなんです。
そういう徹底的な地方分権論、政府信託論という
立場になったときに、駐車違反みたいな話はもっと地域に任せられないのかという問題があるんです。今ここでお答えいただく必要はありませんけれども、ちょっとそういう
視点で御検討いただきたいと思うんです。
それで、私は実は一昨日、有珠山の噴火災害の現場、伊達町と虻田町へ行ってまいりました。今のところ食料や医療品などの救援物資に問題はなさそうでございますけれども、避難生活が長期化しそうな
状況の中で、ぼちぼちいろんな不満が噴出しそうなんです。マグマが噴出しそうな
状況があるんです。
いろんな不満、心配事があるようですけれども、私が一番問題だなと思ったのは、やっぱり警察の対応が悪いということなんです。警察の交通規制が余りにもしゃくし定規であると一部の避難住民から痛烈な
苦情が私たちに投げかけられました。
私なんかをつかまえて、こう言われるんですよね。あなたたちは伊達の方からこっちへ、虻田町まで来たんでしょうと。私たち一般人は親が危篤、伊達におられるんですけれども、親が危篤状態であってもそこへ行けないんですよということなんです。これは何とかならぬのですか。それから、虻田町の対策本部がありますね。隣の豊浦に避難地があるわけで、町の対策本部の人がそこへ連絡に行く、それも交通規制で行けない。こんなことはちょっと行き過ぎではないかと虻田町の災害対策本部の関係者が言っておられるんです。
私は、交通規制のマニュアルがやっぱり荒っぽ過ぎるのじゃないかと思うんです。火山の噴火
活動も我々が息をするように息をしているんです。激しくばっと爆発するときもあるし、静かに噴煙を上げておるときもあるんです。それから、風向きによってはそれほど危険でないときもあるんです。現実に私らなんかは伊達から虻田町、それから豊浦へ行ったんですから、通ったんですから、緊急車両ですけれども。
今の話は一昨日の話で、昨日は比較的穏やかな時間が多かったようでございまして、私の申し入れを警察の方で考慮されたのかどうかわかりませんけれども、避難住民は一時家に帰った人もおられたようです。それは結構でした、よかったと。
いずれにしろ、交通規制はもう少し弾力的なやり方でやるべきで、私は工夫の余地があるように思います。私は、現地の
状況に応じて、例えば警察の緊急輸送車を出してはと、そんなことも
考えたりするのでございます。具体的な方法はともかくとして、地域の人が納得できるもっときめの細かい交通規制というものを
考えるべきではないかと思います。
それから、ニューヨークの治安は町内会と交番という日本のやり方を採用することによって画期的によくなったというふうに言われておりますね。ジュリアーニ市長は日本のやり方を採用してニューヨーク警察の威信を回復したというふうに言われております。
それが逆に、本家本元の日本の警察がお上意識丸出しであるために地域から遊離してきておるのではなかろうか、そのために警察の威信というものが喪失しかかっておるのではなかろうかと。やっぱり、地域から遊離した警察
行政というものは即刻私は改められなければならないというふうに思うんです。ひとつ御検討をいただきたいと思います。
それから、スピード違反の話を先ほどいたしましたけれども、スピード違反の取り締まりにおきましても、ネズミ取りをやっておられるんですけれども、あれはちょっとおかしいんじゃないかと。運、不運があるんですね。だから、捕まったら運が悪い、こういうことなんですね。悪質なスピード違反はすべての道路でやっぱり取り締まるべきじゃないかと。そのための自動監視システムというのは今の
技術でやればできるんじゃないかと思うんです。虫の目、鳥の目、宇宙の目なんというような言葉がございますけれども、衛星からというわけにいかぬかもしれないけれども、もう少し高いところから監視カメラでウオッチするだとか、最新の科学
技術を使えばそういうことも可能じゃないかと思うんです。そうでないと、何か運、不運で捕まったり捕まらなかったりするようなやり方では地域の信頼感というのが出てこないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。