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2000-03-13 第147回国会 参議院 行政監視委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年三月十三日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月六日     辞任         補欠選任      木村  仁君     岡野  裕君      脇  雅史君     上杉 光弘君  三月七日     辞任         補欠選任      阿南 一成君     木村  仁君      上杉 光弘君     脇  雅史君      益田 洋介君     松 あきら君  三月八日     辞任         補欠選任      岡野  裕君     阿南 一成君      松 あきら君     益田 洋介君      小泉 親司君     小池  晃君  三月九日     辞任         補欠選任      木村  仁君     岡野  裕君      小池  晃君     小泉 親司君  三月十日     辞任         補欠選任      阿南 一成君     森下 博之君      岡野  裕君     木村  仁君      益田 洋介君     魚住裕一郎君      岩佐 恵美君     池田 幹幸君  三月十三日     辞任         補欠選任      森下 博之君     阿南 一成君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         浜田卓二郎君     理 事                 岩井 國臣君                 太田 豊秋君                 田中 直紀君                 江田 五月君                 渡辺 秀央君     委 員                 阿南 一成君                 有馬 朗人君                 岩瀬 良三君                 海老原義彦君                 木村  仁君                 塩崎 恭久君                 武見 敬三君                 山内 俊夫君                 脇  雅史君                 岡崎トミ子君                 小林  元君                 小宮山洋子君                 角田 義一君                 長谷川 清君                 松前 達郎君                 魚住裕一郎君                 加藤 修一君                 池田 幹幸君                 小泉 親司君                 富樫 練三君                 梶原 敬義君                 田名部匡省君                 石井 一二君    国務大臣        文部大臣        国務大臣        (科学技術庁長        官)       中曽根弘文君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)    保利 耕輔君        国務大臣        (総務庁長官)  続  訓弘君    政務次官        通商産業政務次        官        細田 博之君        総務政務次官   持永 和見君         ─────        会計検査院長   金子  晃君         ─────    事務局側        常任委員会専門        員        田中 久雄君    政府参考人        警察庁長官    田中 節夫君        警察庁長官官房        長        石川 重明君         警察庁長官官房        審議官      岡田  薫君        警察庁生活安全        局長       黒澤 正和君        警察庁刑事局捜        査第一課長    井口  斉君        警察庁警備局長  金重 凱之君        科学技術庁研究        開発局長     池田  要君        文部省学術国際        局長       工藤 智規君        資源エネルギー        庁長官      河野 博文君     ─────────────   本日の会議に付した案件 〇政府参考人出席要求に関する件 ○行政監視行政監察及び行政に対する苦情に関  する調査  (最近の行政監察活動実績概要に関する件)  (警察行政に関する問題に関する件)     ─────────────
  2. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る三月十日、益田洋介君及び岩佐恵美君が委員辞任され、その補欠として魚住裕一郎君及び池田幹幸君が選任されました。     ─────────────
  3. 浜田卓二郎

  4. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 次に、行政監視行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。  本日は、最近の行政監察活動実績概要に関する件及び警察行政に関する問題に関する件について、前回に引き続いて質疑を行うことといたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 田中直紀

    田中直紀君 自由民主党の田中直紀でございます。  先週に引き続きまして、行政監察及び警察行政に関する問題について質問をさせていただくわけでありますが、私からは警察行政につきまして質問をさせていただきます。  このたびの新潟県の少女監禁事件に端を発しまして、警察一連不祥事につきましては一部の警察官使命感の欠如ということで大変残念に思うわけでございます。  この監禁事件そのものにつきましては、先般、警察庁報告書ということで報告を受けておるわけでございますけれども被害者女性が九年二カ月という長期にわたって自宅監禁をされた大変痛ましい事件でありますが、経過を振り返ってみますと、今から考えて被害者救出のチャンスはこの間あったのではないか、こういう反省の声も出てきておるところでございまして、この報告書を読ませていただきながら若干の質問をさせていただきたいと思います。  この二の三項に「被疑者手口資料等に関する問題」ということでございますが、本件被疑者が約一年半前に強制わいせつ罪逮捕されておった、しかし取り調べ担当者がその資料を作成していなかった、こういうことから捜査に大変大きな支障を来したという報告になっております。仄聞いたしますと、一つは、有罪判決を受け、執行猶予の身であったといいつつも、検察庁あるいは法務省にこの被疑者データというものは保存されておったんだ、そしてそれが残念ながら活用されないで捜査をしていたのではないか、こういうことが仄聞されます。  もう一つは、この強制わいせつ事件にかかわった警察官が数名いるわけでありますけれども、当時三条市で捜査には多くの人たち県下関係者が非常に頑張って捜査をしているにもかかわらず、この事件関係した警察官がなぜ申し出をしてこなかったか、一部データが登録をされておったというだけではどうも納得がいかない、警察官は常に類似事件というものが念頭にあるわけでありますから、三条市のかかわった方々からいいますと、なぜそのときに申し出がなかったか、これは非常に残念な思いだということでございます。  二点、まずお尋ねをいたしたいと思います。
  7. 井口斉

    政府参考人井口斉君) 初めの手口資料等々の関係でございますけれども新潟県におきましては、捜査の手法としまして手口資料を使いまして再犯を起こしそうな人間についての捜査をやっておりました。ただ、手口資料につきましては、そもそも本件の発生する前に起こった強制わいせつ事件を担当した者が手口資料をつくるべきであった、それをつくらなかったために手口システムに入らないために犯人として浮かばなかったということでございます。  御指摘のありましたそのほかにもいろんな犯罪者につきましては検挙のときに警察庁のコンピューターに入っているのではないかという点でございますけれども、おっしゃるとおり、手口資料以外にも別途犯歴システムがございまして、そちらの方には入ってございました。ただ、通常、私どもそういった手口捜査をする場合には手口システムを使って捜査をするのが通常でございまして、犯歴システム通常使わない、別途のものに使っておりましたので、今回の場合そういった犯歴システムを使わなかったことについては大変残念と考えております。  それからもう一点でございますけれども、実際に本件の起こる一年半前に被疑者捜査に当たった人間、なぜそれが対策本部に言わなかったかという点でございます。  本件が発生した当時、やはり一年半前に捜査に携わった者が柏崎署におりました。ただ、残念ながら、その当時柏崎署は、たしか元町長に係ります多額不正事件がございまして、その捜査本部を設置しておりまして、関係者のほとんどすべてと言って結構だと思いますけれども、がその本部の方に行っておりました。したがって、残留組でございまして、対策本部からこういった少女誘拐に関する情報を集めよと言われた残った部隊ですけれども、この残った部隊につきましては古い事件を知らない人間でございました。じゃ、知っている人間はどうかといいますと、さっき申しましたように、別の大きな捜査本部に入っていましたので、これについては署に残留している部隊の者がしかるべくやってくれるものと期待しておりまして、結果的にこの情報対策本部に流れなかったと思って大変残念に思っております。
  8. 田中直紀

    田中直紀君 捜査の手段というものはいろいろあろうかと思いますけれども、とかく県単位でまたがって起こるような事件について、あるいは今回のように新潟県下においても、本当に近い地域間でありますけれども地域が違うと情報が伝達されない、こういう大変初動捜査ミスといいますか、そういう形であらわれてくるわけでありますし、これから情報の非常に多い時代を迎えるわけでありますから、その最先端におきましてネットワークづくりというものも心がけていただきたいというふうに思います。  引き続きまして、二の五の「被疑者母親からの相談への対応」という報告がございます。  九五年から九七年までのものが存在しない、署員から事情聴取したが、記録簿の取り扱いについて記憶している者はいない、こういう結果で詳細は不明だ、こういう報告になっておるわけでありますけれども母親が今回の事件におきましても、同じ家におりながら九年二カ月の間、家庭内暴力というような形で署に相談をしたといいつつも、その内容については、被疑者逮捕された時点でこの母親逮捕について、事実か、報道の中でありますけれども、当然であると、こういうコメントをしていることからすれば、この母親息子誘拐あるいは監禁というものは薄々知っておったのではないか、こういうことも言われるわけでありますし、そういう状況下において署に相談に行っておるということは大変な状況下相談をしておるわけでありますが、この辺の対応、それから、やはり母親も何らかの形で関与をしておるということからして、無罪放免というのは余りにもこの事件の核心を、これから裁判になるのであろうかと思いますけれども、どうしてこういう問題が起きたかという原因追求のためにも何か手がかりをつかめないような印象を持つわけでありますが、いかがでしょうか。
  9. 黒澤正和

    政府参考人黒澤正和君) 委員指摘のとおり、被疑者母親が、被害者が発見保護されました後、三条警察署に設置されております捜査本部事情聴取に対しまして、息子が暴れることから平成八年に柏崎警察署相談したと、このように述べたわけでございます。  事実調査を行ったわけでございますけれども被疑者母親から相談を受けたという記録委員指摘のとおりございませんで、また、当時の警察署員からもいろいろ事情聴取を行ったわけでございますが、記憶しておる者は出てきていない状況でございまして、ただ母親の話の内容でありますとかその他の情報等から、柏崎警察署では被疑者母親から被疑者に関しての困り事相談を受けたものと認められると、こういう報告を受けておるわけでございます。  したがいまして、その際に事実関係をもう少し詳しく聞くなどの対応をしていればあるいはその時点被害者を発見救出できた可能性があったとも考えられるところでございまして、この点まことに残念でございます。  警察庁といたしましては、今後とも相談者の立場に立ちまして真摯に対応するということを組織全体に浸透させますとともに、先般、全国すべての警察署に困り事の専任相談員を配置するなど、相談受理体制を強化いたしますとともに、相談員の能力の向上を図ることなどによりまして適切な対応に当たるよう全国警察を指導していくことといたしております。  また、母親事件関係状況につきましては、捜査課長の方から申し述べたいと思います。
  10. 井口斉

    政府参考人井口斉君) 被疑者母親捜査状況でございますけれども本件につきましては事件認知後、被害者、そして被疑者、そしてもちろんその被疑者母親等から詳細な事情聴取を行っております。また、監禁場所につきましても、大変長期間、三日間にわたる現場検証等を行っておりますが、その中では本件犯行全容等を明らかにし、本件に関与する者を特定すべく詰めた捜査を行ったと聞いております。  結果といたしまして、新潟県警報告によりますと、現在までのところ既に起訴されている本件被告人以外の者を立件するには至らないと、そういうふうに承知しております。引き続き慎重に捜査を行っているものと承知しております。
  11. 田中直紀

    田中直紀君 もう一点だけ事件関係してお伺いをいたしたいと思います。  この女性救出をされ、そして病院入院をしたわけでありますが、一方、被疑者逮捕されました佐藤被告が当初柏崎病院入院をした、こういう状況下にあったわけでありますが、この前歴からいって精神病者ではないということが確認をされておるにもかかわらず実際に逮捕されたのは二週間後であったわけでありまして、その間救出された女性大変恐怖におののいて病院でも大変な状況であったということで非常に心を痛めておったわけであります。  病院入院をした以降、当然新潟県警も非常に幹部の問題があって大慌てのところもあったわけでありましょうけれども、しかし二週間もこの逮捕に至るに当たって時間がかかってしまっておるということは、京都でそういうことがありましたけれども、その加害者自殺をしてしまうというような事態があるわけでありますから、その逮捕を速やかにしていくという形の中で被疑者が何か問題を起こすことがないような対応が図られておったのかどうか、その点だけを確認いたしたいと思います。
  12. 井口斉

    政府参考人井口斉君) 発見時の経緯でございますけれども、一月二十八日、私ども事件を認知しまして病院に臨場した際、既にその被疑者は強制的に入院されていて病院に入っていた、入院済みでございました。この病院入院と申しますのは、いわゆる精神保健福祉法に基づきます強制的入院母親の同意を得まして強制的に入院させられていると、つまり病院管理者から、精神障害者であり、かつ医療及び保護のための入院の必要がある、そう認められまして入院されたものでございまして、私どもとしましてもそれをもって警察の留置に耐えるというのは難しかったと思っております。  もちろん、私ども担当医師と緊密な連携をとりながら被疑者の退院後直ちに逮捕すべく態勢をとりまして連携をとっておりました。したがいまして、二月十一日でございますけれども、複数の医師により入院継続の必要なしと判断された後は直ちに同人を逮捕しております。また、入院中の動静監視でございますけれども被疑者病院関係者におきましては入院当初から二十四時間体制監視措置がとられていたと聞いております。必要な自殺等防止措置も図られたものと聞いております。
  13. 田中直紀

    田中直紀君 地域におきましては大変な事件であったわけでございますし、新潟県の三条市におきましては約九年二カ月にわたって監禁されていた被害者を支援する、自治体としては募金活動を開始してできるだけの被害者の支援をやっていく、あるいは市民、県民がバックアップをしていこう、こういう姿勢で今臨んでおるところでありますが、この事件を糧にいたしましてなお一層の捜査の努力をお願いいたしたいと思っております。  引き続きまして、先般の神奈川県警不祥事というものが大変国会で議論されたわけでありますが、今回、警察庁といたしましては警察法の一部を改正する法律案を提出される予定になっておりまして、その内容につきまして若干の御説明をいただきたいと思います。  大きく分けて三点、公安委員会監察の権限を強化しよう、あるいは懲戒に該当する疑いのある場合には都道府県公安委員会への報告義務をしていこう、あるいは公安委員任期制限する、こういう項目で提案をされると伺っておりますが、その詳細について若干御説明をいただきたいと思います。
  14. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 委員指摘のとおり、神奈川県警察をめぐる昨年来の一連不祥事案反省に基づきまして私どもいろいろな対策を考え講じてきたところではございますが、それの一つの大きな柱といたしまして今国会警察法の一部改正をお願いしておるところでございます。  今お話のございました国家公安委員会警察庁に対して、また都道府県公安委員会都道府県警察に対して必要と認めるときには監察指示を個別具体的に行うことができるという旨の規定一つ置くと。これはこれまでの私ども解釈ではどこそこの部署に対してどういう問題について具体的にいつどういう形で監察をすべしといったような個別具体的な指示にわたるようなことは国家公安委員会として基本的に行うことはないという解釈だったわけでございますが、今回の一連神奈川の問題をめぐる不祥事案にかんがみて、そういったことについて公安委員会がリーダーシップをとってきちっと監察の個別具体的な指示を行うことができる、これによりまして何か予兆があるようなときにこういう指示がなされることによりまして私ども監察をきちっと実施する、そしてそれを御報告することによりまして、主として不祥事案未然防止機能というものがこれによって十全なものになるのではないかというふうな趣旨での改正案でございます。  それからもう一つ都道府県警察本部長が、所属の職員について懲戒事由があるという疑いがある場合においては、それを速やかに調査して、それが明らかになったときには所定の手続で都道府県公安委員会報告をする法的な義務づけを行うという規定でございまして、これによりまして公安委員会の御指導があるわけでありますから、不祥事案が発生した場合にその処理の適正が期せられる、こういうような効果が期待できる、こういうことでございます。  それから、公安委員任期制限の問題でございますが、ただいま国家公安委員は一期五年で再任を妨げない、また都道府県公安委員は一期三年で再任を妨げないということになっておるわけでございますが、やはり国家公安委員会警察を管理するという仕組みの中で国家公安委員会あるいは都道府県公安委員会警察との緊張関係、また新しい目で国民的な広い視野で警察を指導監督していただくという意味でも余り長期の在任はある意味で問題も生ずるであろう、また余り短くても警察の業務の中身というものについてお知りになるという期間が短いだろうということでそれぞれ、国家公安委員会につきましては二期十年、それから都道府県公安委員会委員さんにつきましては三期九年ということで再任制限をしよう、こういう趣旨でございます。  いずれも公安委員会管理機能充実強化に資するという観点からの改正案を御審議願うべく提出しているところでございます。
  15. 田中直紀

    田中直紀君 この改正につきましては必要なものであるというふうに思っております。  先週の当委員会におきまして新たな監察制度の問題が提起をされたわけでありますけれども警察外部独立機関がやはり監察に当たるべきではないかということが主張されました。それの回答といたしまして警察庁長官が、警察内部事情捜査上の秘密性の問題がある、慎重に検討していかなければいけないという御答弁があったわけであります。  皆さん方意見からして、警察という特殊性はあるにしても、やはり第三者機関監察がこの際必要ではないかという話が強く出てきておるわけでありますが、警察庁としてどう御判断されるか、伺いたいと思います。
  16. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 警察内部による監察ではなくて外部第三者機関による監察を行うべきではないかという御意見がいろんなところでございますことは私どもも承知をしておるわけでございます。  この第三者機関による監察ということにつきましては、公正性と申しますか、そういうものについてすぐれたものであるということについては理解をするわけでございますけれども長官からも答弁を申し上げましたように、問題点を正しく、かつ速やかに評価するためには事務内容に精通をした者が行うことが効率的であるということが一つございますし、また実効ある監察を行うために新たにどのような体制が必要なのかといったような体制構築上の問題もあろうかと思います。また、非違行為あるいは不適切な事務執行ということはまず第一義的に警察内部で把握されることが多いわけでございます。  こうしたものについて、監察結果に応じて厳正な処分を行う、あるいは問題点改善を図るといった場合には、監察のみならず、人事あるいは教育との関係といったものも密接に連携をして考えなければならない問題でございまして、まず私どもとしては第一義的に私ども監察体制、あるいは監察機能というものを強化することが必要だというようなことを御答弁申し上げただろうと思います。  ただ、この問題について、先ほど来お話しのように、いろいろな御意見があるということでございますので、私どももそういうものも十分に参考にしながらいろいろな改善点というものを求めてまいりたい、このように考えております。
  17. 田中直紀

    田中直紀君 では、通告いたしました項目の中で一件だけちょっとお話をさせていただきたいと思います。  ことしに入りまして、島根県の港に接岸した漁船から二百五十キロの覚せい剤が押収された事件がございます。ここ二、三年前から相次ぐ覚せい剤密輸日本海沿岸、あるいは日本の各地域で摘発をされております。  今回の事件の実態を解明していくという中にありまして、明らかに北朝鮮からと見られる覚せい剤大量密輸が後を絶たないということが報道されております。九七年には宮崎県に入港した貨物船ハチみつ缶から六十キロ摘発された。これも在日米軍機の撮影で北朝鮮から来ておるということが確認をされておりますし、過去最大量の五百六十五キロの覚せい剤が外国船の密輸で摘発を昨年の十月にされておりますが、この逮捕された船員から、北朝鮮領海内で船と接触して覚せい剤を受け取ってきた、こういうことを供述いたしておるわけでありまして、大変な大量の覚せい剤がいわゆる北朝鮮ルートで我が国の海岸に揚げられておるということであります。  これが摘発をされればありがたいわけでありますが、その間を縫って入ってくるということになりますと、我が国の社会問題というのは重大な状況に立ち至るわけでありますし、捜査本部としましては全力を挙げて北朝鮮ルートの実態解明を進めていただく、こういうことをお話しいただいておりますが、この際その状況と、それからその対策についてお伺いをして終わらせていただきたいと思います。
  18. 黒澤正和

    政府参考人黒澤正和君) ただいま本年の事件についてもお話がございましたが、昨年の覚せい剤の押収量、覚せい剤でございますけれども、ほぼ二トンでございます。これは過去五年間の押収量を上回る数字でございます。このうち約半分近く、四七・七%に当たる覚せい剤が中国から、そして三三・六%に当たるものが北朝鮮からのものと思われます。  このようなことで我が国への覚せい剤密輸の二大ルートになっておりますのが中国ルートと北朝鮮ルートでございまして、その壊滅に重点を置いた取り締まりを強力に推進してまいる所存でございます。  かような観点から、国交のない北朝鮮からの密輸事件の取り締まりにつきましては、税関、海上保安庁等の関係機関と協力をいたしまして、不審な北朝鮮籍船舶等へのチェックの強化でありますとか、北朝鮮ルートの密輸容疑に関する情報収集の強化などとともに、日本海海域における港湾関係者等民間の協力も得まして密輸入事犯の水際検挙の徹底を期す所存でございます。
  19. 岩井國臣

    ○岩井國臣君 昨年からずっと警察不祥事が相次いでおります。警察の内部組織は全く腐敗し切っているし、国家公安委員会につきましても組織として全く陳腐化しておると思います。今通常国会でも大問題となっておるわけでございまして、いろんな問題点が浮き彫りになっておりますけれども、そのとおり多くの改善が必要なことは明白だと思います。それはそれでぜひ大いに改善を進めていただきたいと思っておるわけですけれども、私はそれらの問題の核心部分、とどのつまり、前回渡辺先生と田名部先生がお話しになった点に尽きるのではなかろうか、そんなふうに思っているわけでございます。ほとんどダブることになるかもしれませんけれども、私からも基本的な問題に焦点を絞りまして二、三、申し上げたいと思います。  まず、人事の問題でございます。警察の内部組織が腐っているのは人事が原因だと思いますけれども、その話に入る前にまず官房長にお聞きいたします。  我が国の警察組織は日本が余りにも平和で豊かになったために一九八〇年代から腐り始めたというふうに言われております。いつからそうなったのかはちょっと別にして、とにかく腐っていると思うんですね。現在、警察はもちろん全体がそうだというわけではございませんけれども、一部腐った部分があるということは、これはもう否めない事実だろうと思うんですね。  官房長は警察の組織が一部にしろ腐っているということをお認めになりますか。
  20. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 委員指摘のように、国民の信頼の回復というものを最大の課題として不祥事案の再発防止対策に全力を挙げて取り組んでいるさなかにこうした新潟の問題といったようなものも起きたわけでございまして、幹部職員、特に上級幹部に職責の自覚を著しく欠く不見識な行為というものがあったということは私どもも大変問題であるというふうな認識でございます。  人事ということでございますが、こういった組織管理者がどうあるべきか。組織の問題あるいは制度の面、運用の面、それから意識の面、こういった面についてさまざまに抜本的な検討を行わなければならない、こういう認識でございまして、先ほど申し上げましたように、改めるべき点は改めるというようなことで必要な手だてを講じる必要があるというふうに感じておるところでございます。
  21. 岩井國臣

    ○岩井國臣君 ちょっと感覚的に合わないですね。  佐々淳行さんが「ボイス」の三月号でこう言っておられます。お読みになった方も多いと思いますけれども、まだお読みでない方もおられますので紹介しておきたいと思います。こう言っておられるんですね。   私が警察を指揮した東大安田講堂事件、連合赤軍浅間山荘事件、よど号ハイジャック事件などで、機動隊員たちは、敵に囲まれながらなぜ、あそこまで戦えたのだろうかと考えることがある。彼らは、民主主義のために安田講堂に突入したのだろうか。自由と平和のために浅間山荘を取り囲んだのだろうか。   けっしてそうではなかったと断言できる。彼らは、自分の同僚の機動隊員がやられそうになっていたから助けに行ったのだ。あるいは、信頼し運命をともにしようと思える直属の中隊長をもったから戦ったのだ。 と、こうおっしゃっているんですね。私もそう思うんですよ、実際問題としては。だから、信頼し運命をともにできる仲間や直属の上司がいるのかどうかというところがポイントではありませんか。  佐々淳行さんはさらにこう言っておられます。人気取りには部下が命がけでついてこない、人間は尊敬と愛情を抱ける人にだけついていける、そういう指揮官が先頭に立ったとき、そういう指揮官を死なせてなるものか、そういうふうになっていくと言うんですね。この指揮官に地獄まで一緒についていこう、そう思える上官でないとだめなんですね。全く私もそう思うんですよ。今の警察の人事でそういう人望のある人を登用しておるのかどうかというところが一番の問題だと思うんですね。人気取りの連中じゃだめなんですよ。それから、現場の経験がない人もだめなんですよ。どんな苦しいことでも、どんな嫌なことでもちゃんと部下がついていくという、そういう人事をやっぱりやらないとだめだと思うんですね。  質問でございますけれども、管理職には必ず直属の部下というものがおりますね。何人かおりますよ。長官にも何人かおられますね、直属の部下というのが。官房長にも直属の部下が何人かおられますね。それぞれの部署部署で直属の部下というのがおるんですよ。どのレベルでも同じなんですけれども、直属の部下が上司に対して畏敬の念を持って接することができるかどうかというところがポイントだと思うんですね。現場の経験がなければだめですよ。現場の経験もあって立派な人が管理職になっているのかどうか、そういう人事が警察の中で行われているのかどうかということです。  官房長はそういうことをどのようにお考えになっているのか、警察の中で行われているのかどうか、どう認識しておられるのか。私が問題にしておるのはキャリア、ノンキャリアの問題だけではありません。キャリア制度の問題もいろいろ言われていますけれども、そのことだけを言っておるんじゃないんです。人事全般ですよ。私は警察の中の人事がちょっとおかしいと思っておるんですよ。そういったことについていかがでしょうか。
  22. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今、委員指摘のとおりでありまして、人格識見にすぐれて人望がある、また現場経験に裏打ちされた的確な判断を行える、こういうような資質と申しますか、経験を備えた、リーダーシップを持った管理者というものが大事だということは私どもも共通の認識でございます。  ただ、先ほど申しましたように、今回の一連の事案を見ますと、幹部職員等に極めて不適切かつ不見識な行動が出る、これもまた事実であったわけでございます。そういう意味で、また部下職員から上司に対して諫言と申しますか、これはこうですよといったようなことを率直に意見を具申するといったようなことについても大事なことだろうと思っております。  そういうようなことが大きな問題でございまして、現在警察庁といたしましては、先ほど申しましたように、幹部職員の資質をどういう形で見きわめていくか、あるいは幹部として育成と申しますか教育をする、その教育のあり方をどうすべきか、あるいは都道府県警察採用の警察官をどういう形で登用していくかといったようなことにつきまして、人事教育制度全般にわたりまして、これは組織の根幹をなすものでございますので庁内にチームをつくりまして今検討をしておる、そしてなるべく早く結論を得て実施に移したい、こういうふうに考えているところでございます。
  23. 岩井國臣

    ○岩井國臣君 まだちょっと感覚が違いますね。  教育だとかそんな問題じゃないんですよ。そんなことをせぬでも、しっかり責任感を持って、部下がついてくるような上司がどういう人間か、そんなことわかりませんか、警察。そういう教育とかそんな問題じゃない。僕はそういうことではないと思うんです。  警察の権威といいますか威信というものが昨年からの一連不祥事でもう丸つぶれになっておるんですよ。だから、よほど思い切った内部改革をやらないといけない。私は、その核心はやっぱり人事だと思います。外部監察制度、それはそれで僕はやったらいいと思いますけれども、そんなものをやっても内部の人事がうまくいかなかったら結局だめですよ。私も建設省の中で人事をやった期間が長かったんですけれども、それがよかったとは思いません。そういうことを言っておるんじゃないんだけれども、やっぱり人事は大事なんですよ。現場のわからぬような者を上へ登用したらだめですよ。核心は私は人事だと思っておるんですね。  警察内部の人事について私はいろいろと申し上げたい点があるんですけれども、どうも官房長のお話を聞いておるとちょっとピントが外れておるので焦点を絞りましょう。県警本部長です。県警本部長の人事がどうなっておりますか。これは研修とか教育とかいう問題ですか。ちゃんと県警本部長にはそれぞれ物すごい部下がおるわけですけれども、その部下がついていくような人事ができていますか。県警本部長の人事を考えてくださいよ、県警本部長の。  佐々淳行さんも言っておられることですけれども警察組織の幹部は国民を命がけで守るという崇高な意識と責任感がなければならないと。そのとおりでしょうね。それは官房長もそうお考えになっておると思いますよ。あなた、ありませんか。そういう国民を命がけで守るという、そういう崇高な気持ちをお持ちですか。持っておられると思うんですよね。そういう前提でお話ししますけれども、じゃ県警本部長が皆持っていますでしょうか。警察幹部というものはやっぱり国民の味方でなければならない。弱い者を守り、悪とはもう断固戦うんだと、そういう正義感がなければいけませんよ。正義感の強い人でなければいけませんよ。そう思うんです。  そういう観点から、県警本部長の人事、これは国家公安委員長のマターだと思いますけれども国家公安委員長がおられませんので、かわりに官房長の認識をお聞きしたいと思いますけれども、お答えください。
  24. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 警察本部長としてどういう者が登用されるべきか、こういうことにつきましての問題でございますけれども、先ほど私が教育と申しましたのは、本部長になるまでに第一線でどういうような現場経験を踏むか、あるいは本部長になるまでの間にいろいろな研修あるいは教育を受けるわけでありますが、そういうところで本部長たるものとして備えるべき見識なり判断能力というものを備えさせるためにどういう教育を行うか、そういったものを経て警察庁における勤務あるいは都道府県における勤務を経て警察本部長になるわけでございますけれども、その際、都道府県警察の最高責任者であるということで他の職員を引っ張っていく高い倫理観あるいは的確な指導能力、あるいは先ほど来の人事管理能力といったようなことが本部長としての仕事には要求されるわけでございます。  ただ、一連の今回の事案を見ますと、残念ながらそうした職責を自覚しない行動をとる最高幹部がおったということがあったわけでございまして、警察本部長としての適格性の見きわめにつきましては、平素の仕事における評価あるいは人物の評価といったようなものを十分検討を加えまして、そして国家公安委員会において警察本部長として任命をいただく、こういう形に今後さらに適格性の見きわめという点について改善をしていく必要があるんじゃないかなと、こういうふうに私としては考えておるところでございます。
  25. 岩井國臣

    ○岩井國臣君 まだちょっと感覚が違うんですね。  県警本部長、警察の本当に地方組織の最高責任者ですよね。立派な人になってもらわなければいかぬのは当たり前ですけれども、そのためにいかに研修するかとか人を育てるか、そんな話をしておるんじゃないんですよ。いい人はいっぱいおりますよ。現場でキャリア、ノンキャリア区別なく見たときに、本当にこの人を県警本部長にしたらいいなという人がおりますよ。そういう人を県警本部長に据えたらいいんですよ。現場の経験もないような人を、あるいは人気取りとか何かサラリーマン警察みたいな人をぽんと県警本部長にやったら、やっぱり部下との間に完全に溝ができるんじゃないですか。そこをよっぽど考えてもらいたいと思うんです。  こういうときこそ警察の威信回復のために私は政府として全力を挙げてかからなければならないのではないか、まことに大事なときであると思います。言うなれば非常事態でございますので、国家公安委員長は、警察庁長官はもちろんのことですけれども、例えば佐々淳行さんというふうな外部の人の意見も聞かれて、外部といったって佐々淳行さんはOBですけれども、いろんな人の意見を聞いて、県警本部長人事のどこがおかしいのか、私はおかしいと思っておるんですよ、ちょっと官房長は言いにくいかもわかりませんが、今ここで言わなくても結構ですから、ちょっと検討してもらいたいんです。そして、どこがおかしかったのかということを国民に対して──おかしいところがあるんですよ。今、官房長は言えないけどお感じになっているところはあると思いますよ、具体的に。もし何なら私が言ってもいいですよ、どこがおかしいか。言ってもいいですけれども、きょうはやめます。そういう外部の人の意見も聞いて、どういうことがおかしいのかと。それがやっぱり警察内部の人事全般に悪影響を与えているんだ、士気の低下を与えているんだ、倫理の低下を与えているんだということだと私は思っていますので、その辺じっくり検討してもらいたいと思うんですよ。  後日で結構ですから、それを国民にわかりやすいように自己反省という形で報告していただけませんか。発表していただけませんか。官房長に言ってもあれですけれども、ぜひ長官あるいは国家公安委員長と御相談いただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  26. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今回の問題をめぐり、また警察本部長のあり方等も含めまして、識者の方々からいろいろな御批判なり御意見というものがあるのは私どもも承知をしておるわけでございます。  国家公安委員会でございますけれども、各分野における有識者の意見、あるいは広範な国民の声を反映させて警察組織がどうあるべきかという意味で刷新、改革の方策について多角的に意見交換を行う場として警察組織刷新会議、これはまだ開かれておりませんから仮称でございますが、これを発足させるということになったわけでございます。  こうした委員の方々から、本当に真に国民の方々が警察に対してどういうお考えをお持ちか、また委員の方がどういう警察に対する改善方策というものをお持ちか、そういったことを公安委員会に対して御意見が承れる、こういうことでございますので、そうしたものを私どもは受けまして、いろいろ改善すべき点を、今、委員指摘のような点も含めまして改善すべき点を真剣に改善に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  27. 岩井國臣

    ○岩井國臣君 それはそれでいいんですけれども、それは国家公安委員会意見を聞いたり、外部監察の組織ができたらそういう意見を聞くのはいいんですよ。それはそれでやればいいんだけれども、そうではなくて、それだけでなくて、警察の内部みずからやるべきことがあるじゃないですか。それをどんどんやったらいいじゃないですか。僕は人事はそうだと思いますよ。人事については外の人はわかりませんよ。僕らにはわからないと思う。それはみずからがやらなきゃだめですよ。  ちょっと時間がなくなりました。あと二分しかない。  もう一つの問題、これはちょっと時間がないので問題提起に終わるかもわかりませんが、わずか二十二万人の警察官で一億二千万人の国民の命と安寧を守る、要するに国の治安ということですけれども、国の治安を守る、これは警察の威信をかけてやらなければならないこと、これは言うまでもないことだと思いますけれども、それにはやっぱり国民の協力というのが要りますね。これは考えていけば地域の協力ということですね。地域コミュニティーの協力と言ってもいいのかもわかりませんね。地域の協力というのがなければいかぬ。  新潟女性監禁事件について、なぜあれだけ長期間にわたって発見できなかったのか。十年近いんですよね、九年何カ月。私は警察地域との間にある種の断絶というものが起こっているように思います。そのことによりまして警察行政地域の協力が得られなくなってきておるというところが、巡回だけの問題じゃないですよ、巡回の回数が減っておるとかそんな問題だけじゃなくて、私はその辺が根本原因じゃないかと。  実は、消防関係ですね、消防団というのがあるんですけれども、阪神・淡路大震災の問題で自主防災なんていろいろ言われたんですけれども、自治省、消防庁と自主防災ということについて私は見解が違うんです。要するに、ああいう消防団のような組織じゃなくて、向こう三軒両隣というか、もっと地域に密着した、地域に溶け込んだ消防組織というのが私は要るんだろうと思うんですけれども、それと同様に警察についても地域ともっと密着した、密接に関連した自主警察というかそんなのが要るんじゃないかと。自警団ということになるのかどうかわかりませんけれども、そういうことを考えなきゃいかぬ。  警察行政におきましては、全国的に現在地域の協力を得るためにどのようなことをやっておられるのか、あるいは新潟女性監禁事件においてどういうふうに具体的にやられたのか、自警団の必要性、そういったものをどのようにお考えになっているのか、要するに国民警察というものはいかにあるべきかということで、今お答えいただく必要はないんですけれども、ひとつ御検討いただいてこの委員会に提出というか、やっぱりこの際国民にかくかくしかじかこう考えているということを言っていただく必要があると思うんですけれども、もう返事はいいです、時間ですからお願いだけ申し上げまして終わりたいと思います。
  28. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) ただいまの岩井理事からの御提案等につきましては、また後刻理事会でも検討させていただきたいと思います。
  29. 江田五月

    ○江田五月君 国家公安委員長、そして警察庁長官、綱渡り的な委員会のはしご出席をさせまして申しわけありません。間に合って本当にありがとうございます。  私は、先週の金曜日に実は参議院で民主党・新緑風会、それから日本共産党、社会民主党、三会派で警察問題追及野党連絡協議会というものをつくりまして、その座長をやれということでお引き受けをいたしました。そんな立場もありまして、本日は国家公安委員長と警察庁長官質問をいたします。  先週の月曜日に同僚の小宮山委員から総括的、網羅的に質問をしていただいておりまして、きょうはそのうちの幾つかのところだけを取り上げて、ちょっと細かな質問にあるいはなるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。  まず最初に、本日の私の質問通告に対して警察庁から国家公安委員長は参議院の予算委員会出席でこちらの行政監視委員会には出席できないという連絡があって、いろいろ調整をしまして出席していただいたんですが、公安委員長はこの間のてんまつは御存じですか。
  30. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 私は、きょうは予算委員会にずっと出席をしておりましたので、委員が予算委員会の部屋においでになっているのは遠くの方から見ておりましたけれども、どういうお話がされたかということについては承知をいたしておりません。
  31. 江田五月

    ○江田五月君 私どもの方のてんまつは、それはおわかりになっていないのは当たり前。ですが、警察庁あるいは国家公安委員会サイドで大分やりとりをされた経過があるんだと思うんですね。  つまり、私が言いたいのは国家公安委員会というものを代表して国会で国民に説明をする人は国家公安委員長一人だけだと。しかし、現実には警察法の中に代理がいるわけですよね。ですから、公安委員長が来られないときには代理がやってきて国民に説明国会でしてくれればいいじゃないかというのに、それはできないんだと。では、他の国家公安委員の方に来てもらったらどうなんだと、それもできないんだと。しかも、それを警察庁国会に対して答える、このシステムはどんなものか、こういう話なんですが、いかがですか。
  32. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 私は国務大臣として、政治の場と申しますか、議会あるいは政府と国家公安委員会との連絡役を持っていると思います。そういう意味におきまして、私が代表して議会には対応しなければならない、このように考えております。
  33. 江田五月

    ○江田五月君 国家公安委員長が国家公安委員会を代表するんだと、それはそのとおりでもちろんよろしい。しかし、国家公安委員長に故障があるときにはその代理を決めておけとなっていて、決めているんですね。その代理の人がなぜ一体国会に来られないのか。  公安委員長が来られることは、それはそれでもちろんいいんです。しかし、今ここで私、いろいろ調整をして国家公安委員長に来ていただいています。そのかわりに予算委員会の方には国家公安委員会を代表する者はだれも今いないんですね。そういう体制でいいんですかということを聞いているんです。
  34. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) そこはできるだけ議会の中で御調整をいただいて、私が両方に出られるように、きょうのような御配慮をいただきますと大変ありがたいわけでありますが、国家公安委員会が議会の場に参りましていろいろお話を申し上げる、審議に加えていただくということについては私は適切でないと思っておりますので、私が代表して答弁をさせていただくというのが私の考えであります。  ただ、公安委員出席すべきであるかどうか、これは議会対独立した公安委員の皆様との関係でありますから、各党各会派でよく御相談をいただきたいなと、このように思います。
  35. 江田五月

    ○江田五月君 余りくどくど言ってもしようがないんですが、警察法の六条というものがあって、そこには国家公安委員長が国家公安委員会を代表する、故障がある場合にはその職務を代理する者、これをあらかじめ決めておけと。現に決めている。この規定だけ見ると、公安委員長一人で対応できないときには代理が対応するということは当然あり得べしと思うんです。  ところが、保利さん、運営規則というのがありまして、その運営規則の六条では故障がある場合とは次々のことであるということが書いてあって、そして国家公安委員会の会議を国家公安委員長が自分で主宰できないときというような規定になっているんですね。つまり、法律で書いてあることを運営規則で狭めてしまって、それがあるからというので国家公安委員長代理は国会に出るという職務は行わないんだというようなことを言われているので、これは本末転倒じゃないかと。後でまたゆっくり議論したいと思います。  いずれにしても、国家公安委員会というのは、これはもう委員長に申し上げるのは釈迦に説法で、国民主権のもとで警察庁警察運営を民主的にコントロールする国民にとって極めて重要な任務を担っているわけです。この国家公安委員会が職務を十分果たしているかどうかというのは国民の重大関心事。国家公安委員長は当然ですが、五名の国家公安委員の皆さんも国民に対して重大な説明責任を負っている。当たり前ですね。国家公安委員の皆さんも国民に対して説明責任は負っているんです。その説明責任を果たす、果たすということで記者会見やテレビ出演などいろいろ行われているんじゃないかと思うんです。それは大変結構ですが、テレビに出られる、記者会見もやられる。それなのに国会には出ない。  それで、委員長、今、出ない方がいいんだというお答えをされましたが、本当にそれでいいんですか。
  36. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 私が申し上げたいのは、国家公安委員はそれぞれ独立して御判断になる、そういう立場の方だと思っております。その方々はいろいろな御意見等もあるということはお耳にはされるんでしょうけれども、御自身の良心に基づいて御判断をされるという方々であります。  委員御承知のとおり、昭和二十三年に施行された旧警察法では国務大臣は入っておりませんでした。二十九年の改正で初めて、これは大改正でありますが、国務大臣が政府の治安責任というのを果たすという、そういう連絡役で入ったというふうに理解をいたしております。  そういう観点から申し上げますれば、委員の中立性、独立性というのはやはりきちんと守る必要が私はあると思うのであります。政治の場との連絡役は私が全責任を持って国家公安委員会を代表してお話を申し上げるという立場にいるものだと、このように思っておりますものですから先ほどのような答弁をさせていただいたわけであります。  そういう意味で、国家公安委員が個々にお答えをするというのではなくて、やはり私が代表してお答えをさせていただき、またそういう御意見があったということについては私からまた国家公安委員の皆様方にお話を申し上げる、そういう形をとるべきだと私は思っております。独立性を尊重したいと思っておるのであります。
  37. 江田五月

    ○江田五月君 警察が政治のしもべになっちゃいけない、それはもう戦前の大変苦しんだ歴史の教訓として我々は戦後警察が政治のしもべになることのないようにという制度をつくった。それはそのとおりで、これは私も今のようなこういう事態があって、そして警察制度を改革しようというときに角を矯めて牛を殺すようなことがあっては、これは絶対いけない、そう思っております。  しかし、警察といえども国民に対して説明義務というものはあるんですよ。一人一人の公安委員が独立して政治的中立で職務を行う。ただ、政治的中立といってもこれはちょっと、同じ政党に何人属したらどうするこうするという規定がありますよね。つまり、公安委員というのはそういう意味では政党に属するようなこともある、そういう任命なので、公安委員会という合議体、会議体でいろんなことを決していく、そういう仕組みになっているわけですね。  ここは行政監視委員会です。大変申しわけありませんが、行政のやっていることを監視させていただく委員会、別に我々が偉いから行政の皆さんを監視しているんじゃないんです。偉いことはありません。私どもだっていろんな失敗もしますし、そんなに人間的にすぐれているかどうかわかりません。それでも国民からそういう任務を負託されて我々は行政の皆さんを監視している。その行政監視委員会公安委員の皆さんがテレビや新聞に出ていろんなことをおっしゃるのに来られない、そんなばかなことはないと思いますね。  もう一度。
  38. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 法律の専門家の江田委員お話でありますから私は真摯に拝聴させていただいております。ただ私は、やはり独立して判断をなさる国家公安委員の方はできるだけ外では物を言わないようにお願いをしたいと思っているのでありますが、そういう独立性を私は尊重したいと考えておりますがゆえにそのような御答弁をさせていただいたわけであります。  先ほどもお話を申し上げましたとおり、国家公安委員をこの権威ある行政監視委員会にお呼びいただくかどうか、そういうことについてはぜひ委員会の中で、あるいは国会として御論議をいただいて御結論をいただきたいものと思っております。
  39. 江田五月

    ○江田五月君 権威あると言っていただいて大変恐縮ですが、我々個人に別に権威があるわけじゃないので、制度としてそういうことになっているんだということ、これを繰り返して言っておきたいと思います。  委員長国家公安委員会に独立した事務局もない、あるいは国家公安委員の皆さんが国家公安委員会へ行ってもそれぞれの部屋もない。どんなものですかね。常勤扱いでしょう、年収二千六百何十万という事務次官待遇でしたか、それでまさか忙しいから国会へ一々行って何かできないなんて、そんなことはないと思いますよね。これはこの程度にして、次の問題。  今回の警察問題、新潟のことを特に考えておるわけですが、この焦点の一つは二月二十五日の国家公安委員会の持ち回り方式の議決、これが適法、適切だったのか、その内容は適切だったのかという点にあると思います。  国家公安委員長、保利さん、二月二十五日の持ち回り議決は自分の責任で行ったんだ、この判断が間違っているということであれば任命権者の判断に従う、こう再三にわたって国会答弁をされていますね。非常にまじめな真摯な態度だと、私が日ごろ尊敬をしておる保利さんらしい態度で、まことに敬服をします。しかし、議論することはしなきゃいけない。  任命権者である総理大臣というのは別に公安委員長の判断が間違っていようが間違っていまいが、ほかのどのような理由であれ、あなたを罷免するということはできるわけです、いつでも。ですから、国家公安委員長の答弁意味というのは、判断が間違っているということになればみずから責任とって辞職するという、こういう意味だと思いますが、いかがですか。
  40. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) ちょっとお許しをいただきまして、国家公安委員会のあり方について先ほどちょっと江田委員からお話がございましたので、私が思っていることをまず申し上げさせていただいてその後の御答弁をさせていただきます。非常に重要なことだと思っております。  私、国家公安委員長に任命されました十月五日以来、警察庁に入ってみて大変不思議だなと思ったことがあります。それは、国家公安委員長室というのはございます。しかし、委員の部屋というのは会議場があるだけでありまして、そして事務体制も必ずしもきちんとした事務体制ではなかったように思います。つまり、その意味は独立した事務体制ではないということであります。そこで、私はお願いをいたしまして事務体制として専任の審議官を置いていただいた。この審議官国家公安委員会のことだけを仕事としてやっているというのが現在の状況でございます。  それで満足かといえば、私はまだ満足をいたしておりません。少なくとも、国家公安委員会という非常に重要な委員会は独立した部屋を持ち、独立した事務体制を持って、そして一般から言われております警察の言いなりになっているではないかというような国家公安委員会であってはならぬ、こう思っておるわけであります。  先ほどの御答弁の中で私ちょっと間違えましたが、審議官ではなく監察官でございます。謹んでおわびをして訂正を申し上げますが、監察官が国家公安委員会の専任の仕事を現在はやっております。  しかし、それでも十分ではないと思っております。やがて新しい庁舎ができますので、その場では、どうぞおいでいただいてごらんいただきたいと思うのでありますが、国家公安委員会としての大きな看板を掲げ、そこには事務局があり、そして各委員が、個別の部屋というのはなかなかこの時節難しいと思いますけれども、少なくとも常駐できる自分の机を持つ、そういう形の姿にしていきたいと、こう思っております。余計なことでございましたけれども、大事なことでございますからつけ加えさせていただきました。  その上で、二十五日の判断につきましては、再三申し上げておりますとおり、警察庁長官からこれで持って回っていいかというお話がございました。そこで、これを持ち回りで処理しろと指示をしたのは私でございますから、その責任は私にあります。  余りくどくなるので申し上げたくありませんけれども、任命権者から特段のお言葉がない限り私はこの仕事を続けて日本の治安の維持と、そしてまた警察の秩序立て直しのために懸命の努力をしていきたいと思っておるのであります。
  41. 江田五月

    ○江田五月君 今、監察官のお話がございまして、そうすると監察官はあるいは他の政府参考人のような扱いができるのかなという感じがしますが、ちょっとそれはおいておいて。  私どもは、国家公安委員会の持ち回り会議というものは、これは違法なのではないかと思っております。違法じゃないんだという見解もあるようなんですが、保利国家公安委員長が二十五日の会議について持ち回りでやってよろしいと警察庁長官指示をされたと。  その指示が違法であったら、これは保利さん、どうされますか。
  42. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 法律の専門家の江田委員とこういう議論をするのは私は非常につろうございますけれども、私は特段の違法はなかったと、そのように判断をいたしております。  なぜならば、基本的な合意というのは既にその時点で五人の委員がつくり上げておりますし、それに基づいて処分案が作成され、それを持ち回ったということでありますので、手続に完全かと言われますと完全じゃない部分もあるかもしれませんけれども、私は委員会の決裁をいただきますその形というのはとれておったと。したがって、私は違法性はないと考えております。この判断についても私は任命権者におゆだねをしたいと思っております。
  43. 江田五月

    ○江田五月君 今の御答弁はかなり核心部分なんですが、まず基本的合意は形成されていたんだとおっしゃいました。これはよく言われる二十五日の午前中に警察育英会で、四人の公安委員出席をしておられて、そして警察庁、だれでしょうか、長官自身ですか、ずっとお話をされたと、これで基本的合意はできておると、さらにもう一人の公安委員委員長委員長は今、二十五日に持ち回り決裁の決裁書を見て、これでよろしいということで合意をしておると、そういう形の基本的合意ということをおっしゃるわけですか。
  44. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 基本的合意の問題につきましては田中長官からお話を私は受けております。また、処分案についても田中長官から示されております。私は、この処分案でいいという判断をするものは、まず最初が各委員の皆様方の御判断があって、その上で代表し総理する立場から最終的にはいいと判断をしなきゃならぬと、私はそう考えました。  したがいまして、各委員の先生方がこれで異存がなければよろしいよと言ったのはその意味でございまして、そういう意味指示をいたしましたのは私であります。
  45. 江田五月

    ○江田五月君 確認といいますか、はっきりしないんですが、二十五日の午前中の育英会でのことをちょっと伺いますが、このときは四人の国家公安委員の方はこのテーマで話し合いというものはされたんですか、されていないんですか。
  46. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 私はその会議に出ておりませんので田中長官をして答弁させます。
  47. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 一連の経緯を申し上げますと、二十四日の午後に中田……
  48. 江田五月

    ○江田五月君 二十五日だけでいいです。
  49. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 二十五日の午前中に中田前関東管区警察局長から二度目の事情を聴取いたしました、また小林前新潟県警本部長につきましては電話で事情を聴取いたしまして事実の全体が把握できたということでございます。  前日、大臣から各公安委員にも報告すべしというお話がございましたので、警察育英会の会合が終了した時点におきまして、私がそこに出席しておられました四名の方に直接遊興等の事実を中心とする小林前本部長、中田前局長の行動を報告いたしました。そして、小林前本部長の処分及び人事措置に関する基本的方針、すなわち更迭と小林本部長につきましては厳しい処分をなすべしという御判断をいただきました。  このときの厳しい処分というのは、私どもといたしましては、懲戒処分には、委員御承知のとおり、懲戒免職、停職、減給、戒告とございますが、停職ということについては考えられませんでしたので、私どもといたしましては委員の御判断はこれは減給の最高のところだというふうな理解をいたしました。  そこで、委員の方にお話を申し上げました……
  50. 江田五月

    ○江田五月君 もういいです。時間の関係があって、大変恐縮なんですが、私がここを聞きたいというところを答えていただければ、そのほか、それだけ答えたんじゃ意が伝わらないという思いはあるでしょうけれども、また聞きます。  私が聞いているのは、四人の方は育英会のそのときに話し合いをされたんですかということを聞いているんです。
  51. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 四人の方が一緒に部屋に集まったということはございませんで、一部の方はお集まりになる、それからまたお座りになって、そこを踏まえてこういうことでありますけれどもということで御説明をするということで、全体がこれでこうなりますけれどもよろしいですかと言ったら、そうしてほしいと、こういう御意見で基本的合意はあったということでございます。
  52. 江田五月

    ○江田五月君 大変恐縮ですが、あなた方はやっぱり会議というものの大切さというものがわかっていないのではないかと思うんですね。会議というのは、みんなが集まってそれぞれ意見を言い合って、そして人の意見も聞いて、自分の意見がそこで変わるかもしれない変わらないかもしれない、人を説得するということもあるかもしれない説得されるということもあるかもしれない、そういうことがあって、いろんな意見が闘わされた上で合議体の結論が出る、これが会議なんですよ。  私は前に裁判官をやっていました。三人の合議というのはどうやるか。もちろん、判決ですから担当者が起案します。しかし、その起案されたものがくるくるっと回っただけ、だれも話も何もしない、そんなことではそれはだめなので、やはりそういう意見をみんなで寄せ合って、ここはこうしましょうという、裁判官の場合には三人の判事室があっていつも顔を合わせていますから、そこでしょっちゅういろんな議論をしているということがあって合議で結論が決まるということが認められているので、顔を合わせて話し合いをするということは会議の本質なんですよ。  田中長官がお一人お一人ずっと説明をされた、それでいいですと皆お答えになった、それでは国家公安委員会というものが戦前の反省を踏まえて警察を民主的にコントロールする、そんなことはできないんですよ、そういうやり方では。やっぱり警察庁の方が全部国家公安委員会を動かしているということになるんじゃないですか。
  53. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) この場合は二十六日に処分をするという方針が決まっておりましたから、二十五日中にこの決裁をしなければならないという緊急性がございましてそういう形がとられたのであります。ただ、私はそれが全く正当であったというふうに言い張るつもりはありません。しかし、やむを得なかったと申し上げたいと思います。
  54. 江田五月

    ○江田五月君 もっともっと詰めなきゃならぬところですが、また別の機会にもいろいろ質問させていただきたいと思うんですけれども、育英会のときに田中長官がずっと説明をされた、それで基本的合意ができたというその基本的合意自体が私はおかしいと思います。  次に、保利さん、二十五日に臨時会議を開くという、そのことは全く思い及ばなかったですか。臨時会議を開くということは脳裏に浮かばなかったですか。
  55. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) この処分案が最後に示されましたのは夕方のことでありました。私は、予算委員会分科会、これは衆議院の方でございましたけれども、そういうところに出席をしておりまして、これは委員の先生方の御意思はほぼ決まっているという判断から、持ち回りで委員の先生方が文句なく、問題なくサインをされるようであればそれでいいというふうに指示をいたしました。その責任は私にあります。
  56. 江田五月

    ○江田五月君 従来そういう運営をされているのでそれほど問題だというふうにお感じにならなかったということなんだろうと思うけれども、それならばより根は深いということも言えると。警察法の第十一条第一項、そして国家公安委員会運営規則の第二条、そういうものに照らせば、それは定足数や何かのことも書いてあるわけですね、ちゃんと。持ち回りでということでいいんだったら定足数なんかないですよね。  そうすると、二十五日は持ち回り会議じゃなくて、持ち回りで最後の決裁の判こだけもらったんだと、実は合意形成はその前にあったんだというような説明、しかしその前にあった合意形成というのは会議だったのかというとその会議もないというわけですから、やはり相当に瑕疵ある議決だと言わなきゃならぬと思うんですが、二十五日の議決決裁書類を資料として提出していただけますか、公安委員長。
  57. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) それは私自身最終的にはサインをしておりますから当然存在いたします。ただ、これを従来お出ししていたのかどうかについては、一般的に懲戒処分等に係る決裁文書につきましては職員の身分取り扱いという個人のプライバシーにかかわるものでございますから、公表するということは現在しておりません。
  58. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) ただいまの江田五月君の資料要求に関しましては、理事会において協議をさせていただきます。
  59. 江田五月

    ○江田五月君 これはぜひ委員長、理事会で十分な協議をして、ひとつ出させるようにしていただきたい。  どこにプライバシーがあるんですか。すべてもうわかってしまっている。  二十五日の持ち回り議決については内容も非常におかしいと思いますね。二十四日の夜に中田局長から申告があったんだと、そして翌二十五日の午前中に中田局長、小林本部長、双方に聞いて二人の言うことが一致した、そこで遊興の事実が判明したんだと、こういう警察庁長官の繰り返しの答弁ですが、二十五日の午前中の時点でこの二人が行ったのはかけマージャンではないから賭博罪には当たらないんだ、ホテルの支払いは私費で払ったので公金横領には当たらないんだと、そもそもこの官官接待は公務員倫理法などそういうものには抵触しないんだ、あるいは贈収賄にも当たらないんだと、こういうことをちゃんと裏をとって事実を確定したんですか。警察庁長官、どうですか。
  60. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 当日の私どもの判断でございますけれども、二十四日の夕刻、それから二十五日の午前中に両名から聞いた事実は、マージャン等の事実もこれは把握してございます。かけているかかけていないかということにつきましては、これはかけていない、それから宿泊につきましては私費で負担しておるというようなことにつきましては確認をしております。  それから、これが倫理規定といいますかいろんな規定に違反しているかどうかにつきましては、これは私どもといたしましては、今回両名の行為につきまして、国家公務員法第八十二条に言うところのいろんな規定に違反しているという事実は確認をしておるわけでございますのであのような処分案を国家公安委員会に御提出し、また私どもの中田前局長の処分につきましても、違反はしている、しかしながらこのような措置をするという判断をしたものでございます。
  61. 江田五月

    ○江田五月君 どうも国会で余り細かく聞くのも本当に恥ずかしいようなことなんですが、二十三日の終わるまでの間に、二十四日になる前に警察庁の特別調査班の調査というのは終わっていますよね。その段階では今のことはすべてわかっていたんですか。
  62. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 委員指摘のとおり、二十日に新潟県警察に調査チームを派遣しております。その結果につきましては地方行政委員会でも御報告申し上げておりますけれども、その段階におきましてはこの遊興の事実は把握しておりませんでした。したがいまして、二十四日、中田前関東管区警察局長が私のところに申告するまでは両名の遊興の事実、マージャンの事実、むろん把握しておらなかったということでございます。
  63. 江田五月

    ○江田五月君 遊興の事実、マージャンの事実、特別調査班の皆さんがいろいろ調べて発覚していなくて、そして翌二十四日夜、申告があって二十五日の午前中に二人に聞いて一致したのでこれが事実と判明したと。非常に甘いんじゃありませんか。仲間内の口裏合わせで事実を認定してしまっている。  何をどういうふうにかけたか、かけなかったか。図書券というのは、私、たまたま今ここに持っているんですが、図書券をだれかが提供して、それが商品になっているから、したがって財物の得喪という関係にないから賭博に当たらない、そういう持って回った大変ややこしい理屈ですが、国民は信用しないんですよ、それでは。しかも、二人の口裏合わせだけで事実と判明したというんじゃ。  ちょっと聞きますが、通常のマージャンですか、これ。半チャンごとにずっと切っていく、二回回って半チャン終わってそこで一遍精算してと。精算のときには点棒というものはあるんですか、ないんですか。
  64. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 満貫賞を図書券で出したと、そして順位がございますので恐らく点をつけた通常のマージャンのルールだと、こういうふうに認識をしております。
  65. 江田五月

    ○江田五月君 また後でどこかで詳しく聞きます。どうもここでは恥ずかし過ぎる。  だけれども、満貫賞ですから満貫が出たときにはこれが、図書券が動く。だけれども、もしそれだけであとは何もないんだったら点棒なんか要らないですよね。あるいは、半チャンでちゃんと切って精算しながらというならそういうことも要らないですよね。もっともっと聞きたいことはあるんですよ。例えば、チートイツのときはどういうふうに数えるかとか、赤ウーはあるのかどうかとか、いろいろ私も知らぬわけじゃないので。恐れ多くもといいますか、かけマージャンはやったことがあるので、別にそれがいけないというんじゃなくて、そういうことについてはっきりと国民が信頼できない、そこを問題にしているんです。  これは、しかも二人の口裏が合ったから、二人の話が一致していたから事実と判明したんだという、そういうことで、やっぱりそれは幾ら何だって甘いですよね。  一つ、二十五日は、これは国家公安委員会の会議はあったという位置づけなんですか、それともなかったという位置づけなんですか。どっちなんですか。──公安委員長じゃないんですか、公安委員会のことですから。
  66. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 二十五日は金曜日でございまして、定例日ではございません。したがいまして、公安委員会が開かれたという記録はございません。
  67. 江田五月

    ○江田五月君 二十八日は臨時会ですね。これは会議はあったんですね。
  68. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) そのとおりであります。私が招集をいたしました。
  69. 江田五月

    ○江田五月君 なぜ二十八日に招集されたのか。それは二十五日の持ち回り議決がどうもぐあいが悪いと、そこで追認ということなんじゃないんですか。そこでさらに追加の処分ということをお考えになったのかどうか、そういうこともあるかもしれませんが、二十五日のものがどうも据わりが悪いので二十八日にもう一遍ちゃんとという、そういうことじゃないんですか。
  70. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) 二十八日は、二十六日に処分を田中長官が記者発表しております、これは夕刻だったと思います、それに対していろいろな世論等がございました、それをどういうふうに国家公安委員会としては受けとめようかということで小林本部長に対する処分、さらにまた中田局長に対する処分について論議をさせていただきました。  その結果、小林本部長に対する減給百分の二十については全員が一致して全く問題なし、こういうことでありました。それから、中田局長のことにつきましては、警察庁長官からあわせて再び事情聴取をいたしまして、五人の委員の方々が一致してこの裁決を了とするという旨の御意思の表明がありまして、それを取りまとめて私は外へ向かって話をいたしましたけれども、それは追認という形式のものではありません。
  71. 江田五月

    ○江田五月君 二十五日に持ち回りで議決をした、それは緊急の必要があったからだと、新潟県議会との関係でどうしてもとかいう話ですね。新潟県議会が、三月一日からでしたか、何か本会議場を使ってみんなで委員会全部一緒になって議論する、そこへ小林本部長を出すわけにいかないからという、そんなことのようですが、そうすると、それもどうもおかしいと思うんですがね。それもどうもおかしいと思うんですが、もう時間がない。  もう一人の中田局長を緊急に処分の決定、処分なしと決めたということなんですが、緊急に決める必要というのはどこにもないですね。  中田局長については処分なしという決定をされたんですか。
  72. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 中田前関東管区警察局長に対しましては、懲戒権を持っておりますのは私でございますので私から答弁いたしますが、処分なしというふうに言われておりますのは、国家公務員法上言うところの懲戒処分の規定につきましては違反はしているけれども、本人の申告等をもってこれは処分をしないという判断をいたしました。  ただ、これは何回も申し上げておりますけれども、職を辞すべきであるというようなことを申し向け、本人も職を辞しますということも考慮に入れながら、大変悩みましたけれども、本来ならば受けられるであろう退職金も二千万近く減額した上での措置でございますので、それを私は受け入れて国家公務員法に言うところの処分はしないというふうにいたしました。  また、今お話しのように、緊急性というお話がございましたけれども、これは小林本部長が処分をされる同時にやはり私は処分をすべきであるというふうに判断したわけでございます。
  73. 江田五月

    ○江田五月君 もう時間がありませんので最後、ちょっと急ぎますが、処分しないという処分があったのなら一事不再理ということはあるけれども、処分しないというそういう決定が特にあったわけでなければ一事不再理ということはないので、二十八日の、これは一事不再理ということをだれが言ったかちょっとよくわからないところがありますが、もやもやしていますね。  二十八日の会議録、それから会議資料、これをひとつ提出してください。委員長、後ほどこの点はお計らいをいただきます。
  74. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) ただいまの資料要求の件に関しては、後刻理事会で協議いたします。
  75. 江田五月

    ○江田五月君 済みません、もう少し。  保利国家公安委員長、田中警察庁長官の判断と行動、これは違法不適切、重大な職務懈怠、信用失墜、続けていただくわけにいかないと思っておりますが、我々その点を強く求めていきます。  最後に、警察庁に対してちょっと調査の要求だけしておきます。  第一は、全国警察でマージャンをするときにどんなやり方をしているか、満貫賞のみ図書券を渡すというルールでやれというようなことになっているのかどうか、実態調査をしてください。  それから第二。柏崎警察で、これはちょっとお話がございましたが、被疑者母親相談に行った、ところが相談記録簿がないと。これは変なんですね。五年たったらなくなるというんだけれども、五年たった十二月三十一日からじゃない。一年間のものが、一月一日から十二月三十一日まであって、その十二月三十一日になってその翌日の一月一日から五年間ということだろうと思うんですが、そうすると三年間のものがなくなっただけじゃなくてもっとなくなっている勘定になるんですが、いずれにせよ全国警察で防犯相談記録簿その他保存義務のある帳簿がちゃんと保存されているかどうか、総点検をしてください。
  76. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 江田君、簡潔にお願いいたします。
  77. 江田五月

    ○江田五月君 はい、わかりました。  では、次の点は飛ばしまして。  私はやっぱり、委員長、この行政監視委員会は重要だと思うんです。こういうことをやるといったらすぐに、これはたしか東京都のある人が私のホームページに情報を入れてくれて、それでつい先日警察庁の方に尋ねたら、いや、言われることはそのとおりでした、早速善処しますというようなことがありまして、そういうことをどんどん取り上げれば幾らでも出てくるんですよ。やはり警察オンブズマン的なものをつくらなきゃいけない、それができるまで私どもこの委員会が十分に機能しなきゃいけない、つくづくそう思います。  その点を最後に申し上げて質問を終わります。
  78. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 簡潔にお願いいたします。
  79. 保利耕輔

    国務大臣(保利耕輔君) ただいまのことにつきましては、私の代になりましてから国家公安委員会としてのホームページを開いております。多数の御意見が寄せられておりますが、やがていろいろな形で市民からの御要望というのが寄せられると思います。そういったものを真摯に受けとめて、私どもとしては国家公安委員会の再生に向けて、警察の再生に向けて努力をしてまいりたいと思っております。  よろしくお願いいたします。
  80. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) ただいまの江田五月君の調査要求に関しましても、後刻理事会で協議いたします。
  81. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  まず最初に、私は、総務庁にお尋ねしたいわけですけれども行政評価法、この法制化を考えているというふうに伺っておりますけれども行政評価法は情報公開法と車の両輪のように私は思っております。行政の評価については、内部向けの評価だけではなくして、やはり国民に向かって行われるべきでありまして、この中で行政側に逆手に活用されないようにチェックすることも非常に重要ではないかと思っております。  この点に関しまして、取り組みの状況と決意についてお伺いしたいと思います。
  82. 持永和見

    政務次官(持永和見君) 御指摘の政策評価制度につきましては、中央省庁改革の大きな柱の一つであると私どもは考えております。  昨年の中央省庁等関連の法律案の御審議に際しまして、衆議院、参議院、両方の特別委員会からそれぞれ附帯決議をいただいております。行政評価について早急に検討をしなさいという附帯決議をいただいております。このために、まず本年の二月に、私どもといたしましては、有識者から成る政策評価の手法等に関する研究会において政策評価に関する基本的な考え方、あるいは評価の方式等に関する考え方につきまして中間的に整理、公表をしたところであります。さらに、六月には研究会としての中間まとめを公表する予定であります。  それから先は、七月を目途にいたしまして政策評価の実施方法等に関する標準的なガイドラインの案を策定いたしまして、法制化すべき事項があればこれは法制化すべく検討を急ぎ、法制化時期の前倒しについてもさらに努力をしていきたいと考えておりますし、その場合には、今、先生御指摘のように、これはあくまで国民の目線に立った政策評価でなければならないと思いますし、これをいたずらに行政側が単に利用するような制度であってはならない、国民の側に立った政策評価システムの制度であるべきだという、そういう決意で努力をいたしたいと思っております。
  83. 加藤修一

    ○加藤修一君 省庁の再編に伴って環境庁は環境省になるわけですけれども、人員の拡充予定数について、平成十二年度予算の中ではどういうふうに取り組んでいるんでしょうか。
  84. 持永和見

    政務次官(持永和見君) 中央省庁の再編に当たって環境省が省として新しく生まれるわけでありますけれども、今回の中央省庁の再編とあわせて、国全体として新規増員の一層の抑制でありますとか、あるいは省庁の機構、事務のスリム化というのが大変大きな問題として掲げられておるところであります。  そういった中で、環境省につきましては、新規増員につきましてはできるだけ効率化する、あるいは合理化していただくということと再編という形での定員削減にあわせまして、一方、環境省においては事務の移管もございます。そういった事務の移管も十分考えていかなきゃなりませんので、そういう意味で十一年度末の定員が環境省は、今の環境庁でございますけれども、一千二十人でございましたけれども、新規の増員を六十五人いたしまして、さらに他省庁からの振りかえも含めるということで百十人の拡充を行って、十二年度末には千百三十人ということで環境省の定員の決定をいたしたところであります。
  85. 加藤修一

    ○加藤修一君 行政改革ということもあって人員を削減しなければいけないという、そういった事情はよくわかるわけですけれども、いわゆる二十一世紀は環境の世紀と言われているぐらいで、これは別の見方をすればそれだけ環境の問題が深刻になってくるという言い方ができると思うんですけれども、この環境省の人員の拡充について、他省庁との関連においていろいろ考えていかなければいけない部分はよくわかりますけれども、今後ともこういった面について十分論議しながら環境省の人員について拡充の方向で検討すべきではないかと、このように思っているわけですけれども、その辺についての所感はどうでしょうか。
  86. 持永和見

    政務次官(持永和見君) 御指摘のように、環境問題というのは地球環境、国内環境、これから大変大きな社会問題であり、また大きな行政の課題であると私どもも思っております。  そういう意味で、今度初めて新しく環境省が生まれるということでありますし、全体としての各省についてもそれぞれ何分の痛みを伴っていただくというような中での査定であったわけでありますけれども、これから先、環境問題というのはますます事業として大きくなることがございますので、そういったこれからの事業の推移を見ながら私どもとしては取り組んでまいりたいなと、先生の御指摘も踏まえながら取り組んでまいりたいなというふうに思っております。
  87. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは次の質問に移りますけれども、総務庁の行政監察局が北海道通産局に対して行いましたあっせん内容について質疑したいわけですけれども監察局が鉱業法に基づく鉱業権設定出願の処分決定について一つの結論を出しております。  つまり、これは北海道におきます、二十年以上経過した現在、処分されていない、仕事が進んでいないと、そういう行政相談にこたえて行政監察局が事情聴取し、実態を明らかにして北海道通産局にあっせんしたものでありますけれども、この内容について簡単に説明いただけますか。
  88. 持永和見

    政務次官(持永和見君) 御指摘の案件は、たしか平成十一年の四月でございましたか、鉱業権の採掘出願人の方から設定出願をしたけれども二十年以上もまだ処分決定がなされていないということで北海道行政監察局にそういったあっせんの申し出がありまして、北海道通産局に対しまして監察局の方から、平成十一年の一月でございますけれども改善を図るようあっせんをしたものであります。  その要旨は、一つには陸域に係る、鉱業権というのは陸域と海域と両方ございますが、陸域に係る出願権で地方公共団体との協議などの審査に長期間を要する事案については、その長期間未処分の出願について何らかの解消策を検討する必要がある、また海域に係る出願については、これは留保されているというようなことがありますので、こういった処分を留保しているものについては先願主義を採用している鉱業法のもとで後願の、後から出てくる後願の処理を阻害することも考えられるから、早急に処理を開始して処分決定する必要があるというようなあっせんをいたしたところであります。
  89. 加藤修一

    ○加藤修一君 今、そういう内容の総務庁からの報告がありましたけれども、通産省はこのあっせんを受けて、とりわけ北海道通産局ですね、このあっせんを受けて処理を速やかに行うことを約束しておりますけれども、現在の進捗状況についてお伺いしたいんです。
  90. 河野博文

    政府参考人河野博文君) ただいま御答弁がございましたように、平成十一年の一月に北海道管区行政監察局のあっせんを受けたわけでございます。    〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕  北海道通産局におきましては、従来から開発意識の明確な案件あるいは後願が提出される案件等を極力優先的に処理してきたところではありますが、御指摘のとおり、滞貨も多いということでございまして、北海道通産局におきまして、実際に鉱業を行おうとする者が処理のおくれによって不利益をこうむることがないように、かつ膨大な鉱業権設定出願を効率的に処理すべく対策を立てるということで、具体的には平成十一年の三月でありましたけれども、北海道等の協議先関係行政機関への協力要請ということで公益調整で御意見をいただくことについての協力要請をお願いいたしました。また、局内に出願処理促進委員会を設置いたしまして、審査体制を整備するということで迅速な処理に心がけるようにしたところでございます。その結果、陸域関係の出願案件では、関係地方公共団体との協議などの結果、審査等の処理に長期間を要している案件として、未処分案件が昭和六十年以前に出願された案件の中で百十二件ございましたが、平成十一年十二月末にはこれが三十六件に減少したということが一つでございます。  また二番目の点で、主として海域に係る出願案件でございますけれども、これは受理した後、処理を保留しているものがございました。理由としては、事業計画がはっきりしない場合、あるいは領海等の関係で判断を保留せざるを得ないという場合でございますが、平成十一年度は三月末までに約六千件程度の処理が見込まれるという状況になっております。北海道通産局といたしましては、ことし三月に、領海等の画定の関係で処理が難しいものを除いて、今後十年を目途に未処理案件を解消するという方針で処理促進を図ることといたしております。
  91. 加藤修一

    ○加藤修一君 北海道監察局で開催した行政苦情救済推進会議でつくるべきであると、そういうふうに指摘された要するに未処分案件の審査基準ですね、先ほど審査体制を整えたという話ですけれども、その審査基準については策定したんでしょうか。
  92. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 鉱業権の設定に関する審査基準でございますが、これは行政手続法が施行されることに伴いまして従来から審査基準になっておりました鉱業法の運用に関する通達を整理いたしまして、平成六年に審査基準として公表をいたしております。  この審査基準におきましては、第一番目に出願の対象となっている鉱物と同種鉱床に属するものか否かをどう判断するか、あるいは、鉱業法第二十九条から第三十五条までに不許可の処分に関する項目がございますけれども、その判定の基準となるべき事柄などを定めております。
  93. 加藤修一

    ○加藤修一君 行政手続法で定める標準処理時間あるいは期間ですか、そういったものは定めていないわけですか。
  94. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 行政手続法上はできるだけ標準処理期間を定めるようにということでございますけれども、これは一つの目安ということでございまして、事実関係の認定の難易度が出願の案件によって大きく異なる場合などは実際には標準処理期間が定められない場合もあり得るというふうに承知をいたしております。  鉱業権の設定出願につきましては、都道府県知事との協議、これは鉱業法、先ほど申し述べました二十四条でございますが、あるいは公益との調整、これは鉱業法第三十五条等でございますけれども、またこのほか先ほど御紹介しました領海との関係等もございまして、あらかじめ要する期間の特定が非常に難しいということで標準処理期間を設定いたしていないのが実情でございます。  なお、事実関係の認定の難しさが個々の案件によって大きく異なるということでなかなか定めがたい、また御報告しがたいという面があることを御理解いただきたいと存じます。
  95. 加藤修一

    ○加藤修一君 なかなか理解できない部分もありますけれども、企業等の関係といっても具体的なことがよくわかりません。  通産省はこの件を踏まえて、私も昨年質問した、昨年三月ですが、この問題を取り上げましたけれども全国調査を私はすべきだと求めたわけですけれども、その結果について通産省はどういう行動をとって、その結果はどういうふうになったでしょうか。
  96. 河野博文

    政府参考人河野博文君) たしか昨年の三月三十日に参議院経済・産業委員会で御質問をいただいたと記憶しております。そのときの御指摘を踏まえまして、全国において鉱業権の設定出願、この処理状況調査をさせていただきました。  概要を御報告させていただきますと、内容的には出願件数、未処理・処分件数、処理件数、それから陸域・海域別、あるいは出願年度別の未処分件数等でございまして、平成十一年八月に調査結果を取りまとめたところでございます。非常に大きな結果を御報告いたしますと、この結果、これまで累計約八十六万件の鉱業権の出願があったわけでございますが、そのうち約二十八万件が平成十一年三月末時点で未処理となっているという状況にあるということでございます。  この調査結果につきましては、昨年八月十六日から各通産局担当部局で備えつけ、閲覧に供しているという状況にございます。    〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
  97. 加藤修一

    ○加藤修一君 閲覧に供しているという、そういう意味で公表したということになりますか。
  98. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 閲覧によって公表したというふうに承知しております。
  99. 加藤修一

    ○加藤修一君 ほかの手だては今のところ考えていませんか。
  100. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 御照会があれば御照会にはお答えするつもりでございます。
  101. 加藤修一

    ○加藤修一君 報告結果には処理進行中の案件があるというふうになっていますけれども、この内容が極めてわかりづらいんですけれども、八十六万件が出されていて、そのうち二十八万件が未処分である、処理されていないと。今、さかのぼって二十五年以上にわたって未処分のものが二十二万件を超える膨大な件数があるわけですけれども、二十五年経過して未処分のものが処理進行中というふうに言っていいのかどうなのか。これはもう少し進行状況というのを詳しく教えていただけませんか、なかなか私はこの辺のことについては理解しがたいなと思っていますので。
  102. 河野博文

    政府参考人河野博文君) まず、全国で二十八万件の未処分があると申し上げましたうち、処理進行中、つまり決裁手続中であるものも含め、あるいは事業計画の明確な届け出が欠けているというようなことで処理を保留しているもの等々が約十九万五千件余りでございます。そのほかに、出願に対しまして質問を発しておりますが回答に接していないもの、これが約七千件、そして、さっき第二十四条、協議中と申しました関係地方公共団体等への意見照会中のものが二千件余り、それから、先願の処理待ちが約八千件、境界等の確認中ということで領海等との関係があって調整があるものが約七万件ということでございますが、そのうち今御質問がありましたのはこの十九万五千件余りの処理進行中ということについてのお尋ねかと思います。  二十五年以上未処分状態が続いている案件として二十二万件あるけれどもそのうちどれほどかという御指摘でございまして、これは先ほどの数字と二十五年以上でございますので数字が少し変わりまして、確かに昭和四十八年以前に出願がなされている、つまり二十五年以上未処理案件は約二十一万五千件でございますけれども、このうち出願内容のチェックが終わっていない、あるいは決裁手続途上にあるもの、あるいは事業内容の具体化の処理等を待っているものが十五万二千件ございます。
  103. 加藤修一

    ○加藤修一君 その関連の例えば通産局別とか年度別、陸域・海域別、処理したものが何件あって未処理が何件あるか、そういったものについて詳しい資料をぜひ提出していただきたいと思います。  それから、こういう形で未処分があるという原因についてどういうふうに通産省はとらえているかということなんですけれども、先願主義の原則を逆手にとって先につばをつけたものが勝ちだというような、そういうふうに言う方もいるわけでありまして、そういう結果、石油開発会社が出願を出すだけに終わった結果であるというふうに理解できる部分も私はあるのではないかなと思いますけれども、この辺についてはどういうふうにお考えですか。
  104. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 先ほど北海道の例で運用をただしていく中で約三万二千件の未処理案件のうち今年度六千件ほどの処理ができるというふうに申し上げたわけですので、こうした運用の工夫によりまして例えば事業計画の提出が遅いというようなことで延び延びになっている案件などの処理方法を見直すといったようなことを今後考えてまいりたいというふうに思っておりまして、現在各通産局にも具体的な提案を求めている渦中でございます。
  105. 加藤修一

    ○加藤修一君 先願主義の原則に基づいてそういう考え方が入っています鉱業法の改正ということも考えられるのではないかとも思いますけれども、この辺についてはそういったことも含めて改正の方向が検討されてしかるべきだと思いますけれども、どうでしょうか。
  106. 細田博之

    政務次官(細田博之君) 鉱業権の問題は国が特別な権利を付与するということで、歴史も長く、またさまざまな権利関係の錯綜あるいは境界の不明確等々で非常に担当部局が苦労しているわけでございますけれども委員指摘のように、今日のように未処分案件がこれほど多くなる、また後から出して本当に試掘、採掘をしようと意思のある者がそういう意欲を阻害されるという事態も散見されるということで各通産局においても計画的な処理方針を決めたわけではございますが、できるだけ迅速な処理という運用面の改善を今後いたしまして、まず改善を図ってまいりたいと思っております。  その後、委員のおっしゃるようなことの可能性についても当然考えていかなきゃいけませんが、これは個々の事案に立って考えますと非常に深く、かつ権利関係をよく考えていかなければならないという難しい問題も含んでおることは御理解いただきたいと思います。
  107. 加藤修一

    ○加藤修一君 ぜひ改正を含めて積極的に検討していただいて、残っている案件が速やかに処理できるようにしていただきたいと思います。  それでは、総務庁にお聞きしたいと思います。  今、北海道で三万件という実態、これは北海道通産局に行政監察局があっせんしたわけでありますけれども全国で考えていきますと九倍もの件数が実態としてあるわけでありますけれども、この辺についてどういうふうに所見をお持ちでしょうか。
  108. 持永和見

    政務次官(持永和見君) 未処理案件が全国的に非常に多いというのは委員の御指摘のとおりだと思います。  通産省として、今現在いろいろ、答弁がございましたように、全国的な実態調査をしながら各通産局に処理促進のための委員会を設置するなど、計画的な処理に向けて努力が図られているところでありますし、私どもせっかく先ほど申し上げたように苦情あっせんを行う立場ではありますけれども、このように今現在通産省が積極的に取り組んでおられますので、その対応について関心を持って未処分案件の動向についてのフォローアップをこれからも十分してまいりたいというふうに思っております。
  109. 加藤修一

    ○加藤修一君 私が質問を昨年三月にしたので通産省が北海道以外に対して行動をとり始めたということなんですけれども、経緯としては。  私は、行政監察庁は、北海道でこういうことが起こったときに恐らく全国でもこういったことが起こっている可能性があると、そういったことで調査を速やかにすべきではなかったかと思うんです。やはり、こういった問題に限らず、ほかの苦情も出てきたときに、その地域の特殊な事情によって起こっているのか、あるいは全国的にそういう可能性があるかどうか、そういったことを含めて中央の行政監察局で調査し、場合によってはあっせんをすべきではないかというふうに私は考えておりますけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。
  110. 持永和見

    政務次官(持永和見君) 先ほども申し上げましたけれども、北海道で起こった案件につきまして、通産省が全国的にこの問題が存在しているというような状況でその原因の分析なりこれからの早期処理に向けての解決策をいろいろと努力しておられるところでありますから、これは通産省、まさに全国的な立場でそういうことをおやりになっておりますので、当面その状況を私どもとしてはフォローアップしていきたいというように考えているところでございます。
  111. 加藤修一

    ○加藤修一君 質問に答えていない部分がありますけれども、こういうたぐいのやつがほかにもあった場合、全国に向けて調査をすべきだと私は思っています。場合によってはあっせんしたり勧告したり、そういったことも必要だと私は思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、時間がございませんので最後の質問になりますけれども、この鉱業権の未処分問題といわゆる石油・天然ガスの国内調査、こういったことが進められているわけですけれども、この間には密接な関係があるという認識をせざるを得ない、そういった部分も私はあるように思うんですね。要するに、新規参入ができないような形で、先ほど私申し上げましたけれども、つばをつけてほかの方が入ってこないように鉱業権を先にとってしまうというような見方も、そういう見方をすることができる可能性はあると、そういうことなんです。  要するに、国内基礎調査の委託先企業の選定のあり方、あるいは国内基礎調査の今後の方針についてぜひお伺いし、最後の質問といたします。
  112. 河野博文

    政府参考人河野博文君) まず、国内基礎調査の考え方でございますけれども、これは石油・天然ガスの国内基礎調査についての検討ということで平成十一年三月に石油審議会の開発部会基本政策小委員会の中に国内石油・天然ガス基礎調査検討ワーキンググループというものの設置をお願いいたしまして、六回にわたりまして専門的、技術的な観点から評価検討作業を行いまして、昨年の七月に報告をいただいております。  この結果、今後国内基礎調査につきましては、例えばこれまで我が国において実施例の乏しい新たな手法により探鉱を行うようなもの、あるいは過去に探鉱がほとんど行われていないような地域データを収集するもの、さらには日本近海でかなりの量の賦存が見込まれておりまして新しい資源として期待されておりますメタンハイドレートについて調査を行う、こういうふうに対象を絞りながら調査を行うべきだという結論をいただいておりますので、この考え方に基づいて調査候補地点を選定するというふうに考えております。  それから、調査の委託先でございますけれども、石油開発会社が石油公団から事業を受託して作業に当たるということでございます。先ほどの審議会の場におきましても、当該調査事業の見直しに当たって、この委託先企業の選定のあり方についても検討が行われたわけでございます。  具体的には、まず石油・天然ガスの試掘、試錐と呼んでおりますけれども、におきましては複数の石油開発会社による共同実施案件を可能な限りふやすようにするということでデータですとかあるいは作業経験の共有を促進するというようなことを考えております。また、物理探査につきましては……
  113. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 答弁は簡潔に。時間を超過しております。
  114. 河野博文

    政府参考人河野博文君) 申しわけございません。  委託先企業の選定に入札の導入などを実施してまいりたいということでございます。
  115. 加藤修一

    ○加藤修一君 終わります。
  116. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) ただいまの加藤修一君の質疑の中で行われました資料要求に関しましては、後刻理事会で協議させていただきます。
  117. 富樫練三

    ○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。  警察問題について伺います。  きょう、予算委員会と同時に開かれておりますので長官は予算委員会とのかけ持ち、こういうことのようでありますので最初にまず長官に確認をしておきたいと思います。  今までの報告によりますと、二月二十四日の夜と二月二十五日の午前中、関東管区の局長から相談を受けたというか事情を聞いた、こういうことになっております。その段階で、例の一月二十八日の新潟県警本部に対する特別監察、この中で局長新潟県警本部監察に直接参加した時間はどのくらいあるのかということ、十五分間だけ本部長の部屋にいたという話は聞いておりますけれども、その庁舎の中の監察を行っていた会議室には局長出席をしたのかどうかという点が一つであります。それからもう一つは、午後の時間帯で監察に、局長が責任者として行ったわけでありますけれども監察の行動に参加したのかどうかということ、これが二つ目であります。三つ目は、午後の新潟中央署の監察にはどのくらい参加していたのか、この三点について具体的にお願いしたいと思うんです。  私は、きょうの質問は予算委員会とダブるということもありまして、通告については金曜日に大変細かく具体的に通告してあります。ですから、結論だけきちんとお答えいただきたいと思います。
  118. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 管区局長の一月二十八日の行動についてどのように把握をしていたかという御指摘だと思います。  まず第一点目の、これは本部長のところに参りまして本部長室で、十五分というお話でございますが、これは私ども確認いたしまして、十五分おります。そこで今回の特別監察の目的その他について本部長に話をしております。  それから、午後の新潟中央警察署には、これは予定どおりと申しますか、十五時から十六時まで中田局長は行っております。
  119. 富樫練三

    ○富樫練三君 今の答弁だと、警察本部の会議室で行われていたいわゆるチームが行っていた監察の行動には局長は参加していないということですね。  それからもう一つは、その監察はチームの方では午後も続行して進められていたんだけれども、そこにも局長は参加していないと。  それから、新潟中央署では四時四十五分まで監察が行われていたけれども局長は四時ごろにはもう退出をした、こういう理解でよろしいですか。
  120. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 三点ございました。  第一点目の、監察チームが現に監察を行っているところ、そこには行っておりません。他の監察チームは午後も引き続き監察をやっております。  それから、新潟中央警察署につきましては、これは他のチームがやっている、四時五分ぐらいまでだったという報告でございますが、管区局長は四時ごろ、相前後してそこを出ている、こういう報告でございます。
  121. 富樫練三

    ○富樫練三君 ということは、世に言う空監察、こう言われているわけなんですけれども、要は県警本部での監察の現場には局長は一切参加していない、本部長室で本部長と話したのが十五分あっただけ、それから午後については途中から抜け出しているということですね。  こういう事態については、あなたはいつこのことを中田局長から聞きましたか。
  122. 田中節夫

    政府参考人田中節夫君) 中田前関東管区警察局長につきましては、二十四日の時点では全体のことは聞いておりませんが、二十五日の時点で、当日、新幹線が故障でおくれて遅く入ったこと、それから新潟西港に行ったこと、それから本部長室で若干の時間話をしていること、それから新潟中央警察署につきましても、これは行っていることにつきましては当人より報告を受けております。
  123. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 警察庁長官は御退席いただいて結構です。
  124. 富樫練三

    ○富樫練三君 予算委員会と同時ですからやむを得ないと思いますけれども、官房長の方に伺いたいと思います。  ということは、いわゆる全体としては、監察というのはチーム全部で見れば大体三時間三十五分ぐらいやっているんですね。そのうち、関東管区の局長監察担当官、いわゆる責任者として行っているんだけれども、ほかの監察補佐官を残して補佐官の方に監察は任せて、正味二時間三十分、実は監察の現場から抜け出していると、こういうことがはっきりしますよね。あわせて、警察庁が出した書類によりますと、新潟西港の視察というのは今回の監察とは直接関係がない、こういうところに抜け出して行っている、こういうわけなんですね。  要するに、監察はサボったわけですよ。そのことは二十五日の段階で長官は知っていた、こういうことですよね、今の答弁では。ところが、そのいわゆる空監察だと言われているのが、我々が知ったのはいつか、国民が知ったのはいつか。これは二十八日付の朝刊ですよ。  それまでなぜ真実を国民の前に、あるいは国会の前に明らかにしなかったんですか。
  125. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今、長官からも御答弁申し上げましたけれども、列車がおくれて十一時五十五分ぐらいに新潟県警本部本部長の部屋に行って、本部長に対して監察趣旨、それから本部長から現在の不祥事案の再発防止対策の推進状況について説明を聞いた、そして昼食をして、そして新潟西港の方に視察に行った、そして……
  126. 富樫練三

    ○富樫練三君 なぜ発表しないのかを聞いているんです。結論だけ言ってください。
  127. 石川重明

    政府参考人石川重明君) それにつきましては、二十七日の夜から二十八日の朝にかけまして私どもで把握をしたということでプレスにもリリースをした、こういうことでございます。
  128. 富樫練三

    ○富樫練三君 違うじゃないですか。  今の田中長官の話では、二十五日の午前中、中田局長から聞いた段階でそういう実態がわかったんだ、こういう話でしょう。二十七日から二十八日にかけてわかったというのは、それは違うじゃないですか。
  129. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 一部の事実の違い、すなわち昼食に出て、それから本部に戻ったのか、それとも直接西港に行ったのかということについての一部事実の違いについて二十八日の朝までにわかったということでありまして、総体として、前管区の警察局長監察に赴いて、そして極めて短時間の監察従事であったということについては二十五日の調査で既にわかっておった、こういうことでございます。
  130. 富樫練三

    ○富樫練三君 ということは、昼食に行って、その後一時から二時ぐらいの間は警察本部に行って監察に参加していたというふうに思っていたけれども、二十七日から二十八日にかけて、実はその間も警察本部の方は空っぽになっていた、こういうことが新たにわかった、こういうことですね。そういう理解でよろしいですか。
  131. 石川重明

    政府参考人石川重明君) そういうことでございます。
  132. 富樫練三

    ○富樫練三君 ということは、午後から警察本部には一切行っていないということですよね、二時から二時四十五分までもやっていないわけですから。その後三時から新潟中央署で監察には一時間参加した、みんなは四時四十五分までやっていたんだけれども、四時には局長はもう引き揚げて温泉ホテルの方に行った、こういう経過ですよね。  そうすると、一時から二時までの間は新しくわかったことだけれども、それ以外のことは二十五日の段階でわかっていたということでしょう。そういうことですね。
  133. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今申し上げました警察本部における中田局長監察従事というものが極めて短時間であった、十五分間ということになるわけでございますが、こうであったということについては二十八日にわかりましたが、総体として彼の行動が監察の従事として非常に短かったということについては二十五日の段階でもう既にわかっておった、こういうことでございます。
  134. 富樫練三

    ○富樫練三君 それを称して空監察、こう言っているわけなんですよ。  そういうことを二十五日の段階で把握していながら、そのことは国家公安委員長には報告しましたか。もししたとすれば、いつの段階でどういう形で報告しましたか。
  135. 石川重明

    政府参考人石川重明君) これは二十五日の午前中までの私ども調査でわかった範囲内のことについては二十五日の夕方までの時点公安委員の先生方にも、それから公安委員長にも御報告が行っているというふうに承知しております。
  136. 富樫練三

    ○富樫練三君 ということは、大臣も、国家公安委員長もそれ以外の公安委員の方々もそういう事態だったということはみんなわかっていたわけですね。その上で中田局長については処分なしと、こういう決定をしたということになりますね。  そういう理解でよろしいですか。
  137. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 中田前局長に対する人事権者、懲戒権者というのは警察庁長官でございます。したがいまして、警察庁長官が処分等について検討をする、あるいは人事措置について検討をするということでございます。
  138. 富樫練三

    ○富樫練三君 国家公安委員会は決定をしたのではなくて了解をした、この方が正確かと思うんです。  そういうことになっているのに二十五日、二十六日、二十七日。二十八日の朝刊で我々は知ることになるわけですけれども、それまでの間になぜ国会報告しなかったんですか。  二十六日に記者会見をやりましたね。そのときの記者会見の文書は我々のところにも配られましたよ。こういう処分をしましたと、中田局長については二十九日付で退職をすると、こういう文書は来ましたよ。だけど、実際には監察に十分参加をしていなかった、こういうことについては一言も触れていませんね。実態については報告されていませんよ、我々のところには。国民にもそうですよ。マスコミに対してもそうですよ。  どうしてそのことを二十八日、マスコミで明らかになるまで認めなかったんですか、発表しなかったんですか。その理由は何ですか。
  139. 石川重明

    政府参考人石川重明君) これは二十八日の朝刊でございますか。私どもは当日の午前中にマスコミに訂正をいたしておるわけでございます。中田局長警察本部における監察の実施状況について、二十六日の時点でわかっていたことと一部違う点が出てきたということについては報道機関にもその旨訂正をしているところでございます。
  140. 富樫練三

    ○富樫練三君 それは二十八日の朝刊が出てからでしょう。違いますか。
  141. 石川重明

    政府参考人石川重明君) その事実関係について今、私、朝刊か夕刊かということについてわかりかねます。
  142. 富樫練三

    ○富樫練三君 朝刊ですよ。これは読売にも朝日にも出たわけです。  要するに、マスコミで明らかになってから、それを後から認めるという形で発表をした、こういうことなんだと思うんですね。そうやって二十五日にわかった事実を国会にも国民にも伏せてきた、これは国家公安委員長も知っていてもそれをやらなかった、こういうわけですから、これは責任は重大だと思うんですね。二十六日の記者会見でもそのことははっきり言わなかった、こういうことでしょう。これは新潟県警が記者会見でうその発表をして、後から、一カ月近くたってから訂正とおわびの記者会見をやった。神奈川県警もそうだった。  同じようなことを警察庁国家公安委員会がやっているじゃないですか。そういう事実でしょう。違いますか。
  143. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 私どもは、報道機関にそれまで一部事実と違う発表を行っておったわけでございますから、わかった時点で速やかに訂正をした、こういうふうな認識でございまして、特にこの点について何か隠そうとか、そういうような意識は毛頭ございませんでした。
  144. 富樫練三

    ○富樫練三君 二十六日に中田局長についての処分なしということを国家公安委員会は了解した。それを決定したのは警察庁長官だと、任命権者として。その決定をする前にはマスコミにも明らかにしない、国会にも明らかにしない。しかも、明らかにしないまま過ぎるのであればそのままにしたかったけれども、マスコミで二十八日の朝出たものですから訂正をする。それで、二十八日の夜については、その点も含めて処分をどうするかという点について緊急の国家公安委員会が開かれた。こういう経過じゃありませんか。  要するに、発表しなくてもいいものであれば、この空監察については国民の前に明らかにしないという意図が見え見えじゃないですか。違いますか。
  145. 石川重明

    政府参考人石川重明君) これは二十四、二十五、二十六日の時点で、先ほど来申し上げていますように、関東管区警察局長が責任者として行った監察、特に管区警察局長の当日の行動については監察として十分なものではなかったということは二十五日以降既に明らかになって、私どもとして認識しているところでございます。  これについて若干の事実の違いというものがあったので速やかに訂正をしたということでありまして、この点について、特別監察がおっしゃるような非常に不十分なものであったということについて殊さら隠そうという気は毛頭ございませんでした。
  146. 富樫練三

    ○富樫練三君 改めて伺います。  国家公務員法の八十二条第一項の二、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」、これに該当しませんか、途中からサボってどこかの方に出かけていくというのは。どうですか。
  147. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今申し上げていますように……
  148. 富樫練三

    ○富樫練三君 結論だけ言ってくださいよ、違反するかしないか、もう時間がないんだから。
  149. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 十分な監察を行わなかったということにつきましては、職務を万全に行わなかったという意味で国家公務員法の規定の職務の専念義務等に触れる疑いがある、こういうふうに思います。
  150. 富樫練三

    ○富樫練三君 次に伺います。  国家公務員法の九十六条第一項、「職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」。  違反しませんか。どっちですか。
  151. 石川重明

    政府参考人石川重明君) この点についても問題があるというふうに認識をしております。
  152. 富樫練三

    ○富樫練三君 国家公務員法の九十九条、「信用失墜行為の禁止」、「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」、これに違反しませんか。
  153. 石川重明

    政府参考人石川重明君) その点についても問題がある行為であると、こういうふうに思います。
  154. 富樫練三

    ○富樫練三君 国家公安委員会規則第一号、警察職員の職務倫理及び服務に関する規則第二条第二項の三、「規律を厳正に保持し、」ということに違反しませんか。どうですか。
  155. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今一つ一つ指摘でございますが、こうしたものについて私どもの服務規律というものに抵触するという判断でございます。
  156. 富樫練三

    ○富樫練三君 国家公安委員会規則第一号第三条、「警察職員は、」「その職務の遂行に当たっては、」「全力を挙げてこれに専念しなければならない。」。  違反しませんか。どうですか。
  157. 石川重明

    政府参考人石川重明君) これについても問題のある行為であったと、こういうふうに思っております。
  158. 富樫練三

    ○富樫練三君 国家公安委員会規則第一号、「警察職員は、」「その職の信用を傷つけ、又は警察の不名誉となるような行為をしてはならない。」。  違反しませんか。どうですか。
  159. 石川重明

    政府参考人石川重明君) それぞれの規定にもとる行為であったと、こういうふうに思っております。
  160. 富樫練三

    ○富樫練三君 警察庁の行う監察に関する訓令というのがありますね。これで第一条、こういうふうに言っています。「この訓令は、警察の組織的かつ能率的な運営及び警察規律の振粛」、振粛という難しい字なんですけれども、要するにこれは緩んだものを引き締めるという意味ですね。「振粛に資するため、」云々ということですね。  緩んだものを引き締めるために行った特別監察が緩めてきたんじゃないですか。この訓令に違反しませんか。
  161. 石川重明

    政府参考人石川重明君) この特別監察に際して前関東管区警察局長がとった行動、これについてはそれぞれの規定にもとる行為であったというふうに思います。
  162. 富樫練三

    ○富樫練三君 今、国家公務員法と国家公安委員会規則、そして訓令、私が挙げたのに全部もとる、違反する、触れる、こういうことですよね。  ですから、問題なのは、中田局長のこういう実態があの二十六日に記者発表する前に国民の前、国会の中に明らかになったら処分をせざるを得ないでしょう。だから、その後でしか言えなかったと、それまで隠しておいた、これが真相じゃないですか。どうですか。
  163. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 再三御答弁を申し上げておりますけれども、中田局長の一月二十八日の特別監察時における行動が特別監察担当者として極めて見識を欠く不適切な行動であったという全体についてはもう既に二十五日以降把握しておるわけでございますから、これについて、それぞれの規定に違反するということも含めて私どもは把握をしておった、こういうことでそれに基づいた人事措置等を行った、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
  164. 富樫練三

    ○富樫練三君 要するに、幹部の警察に対する処分は甘いというのが国民みんな感じていることですよ。ですから、今度処分しなかったと、本人が辞職すると言ったらすぐそれを受理してしまったと、こういうことですよね。しかも、それはやめなさいと言ったんだと、これは重いものなんだと、こういうふうに説明していますけれども、国民から見れば全然そうじゃないですよね。要するに、実態が明らかになれば処分せざるを得ない、だからその実態を伏せたままで最初に辞任を認めちゃう、こういうことをやったわけでしょう。  さらにひどいのは、これはぜひはっきりさせてもらいたいんだけれども、人事院の通知、一九九七年、平成九年の一月十六日付の「職員の不祥事に対する厳正な対応について」という人事院の事務総局職員局長の通知がありますね。手元にありますか、通告してありますけれども。それの前文の次に「記」というのがあって、一、二、四にはどう書いてありますか。読み上げてください。
  165. 石川重明

    政府参考人石川重明君) この「職員の不祥事に対する厳正な対応について」というのは平成九年の一月十六日に出たものでございますが、「記 一」といたしまして、「懲戒処分に付すことにつき相当の事由があると思料される職員から辞職願が提出された場合には、一旦辞職願を預かり、事実関係を十分把握した上で、懲戒処分に付す等厳正に対処すること。」、「二 事実関係の把握、処分の決定に時間の掛かることが予想される場合その他特段の必要が認められる場合には官房付等への配置といった対応も考慮すること。」、「四 幹部職員に対する処分等社会的にも影響の大きな事案については特に厳正に対処すること。なお、処分の適用等については、人事院において懲戒規定の適正な運用の確保の観点から相談に応ずる用意があること。」でございます。
  166. 富樫練三

    ○富樫練三君 人事院はそういうふうに言っているんですよ。それはあなたのところにも行っているはずですよね。「一旦辞職願を預かり、事実関係を十分把握した上で、懲戒処分に付す等厳正に対処すること。」、まずは一たん預かって、すぐに受理するのではなくて預かって、それで事実関係を十分調査する。その調査をすることにふたをしたんでしょう、すぐやめさせちゃって。それで、もし時間がかかるような場合には官房付等への配置、今までだってそういうことをやってきたじゃないですか。ところが、今回に限ってはすぐやめさせてしまった、こういうことですよね。特に幹部職員に対しては、社会的にも影響が大きい、そういう事案については特に厳正に対処すること、こうなっているじゃないですか。  何でこの人事院が考えているこういう方向に沿わないでこれを頭から否定したんですか。何で頭から無視したんですか。理由を言ってください。
  167. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 二十五日の午前中までの時点で事実関係についての概要、これについては十分把握をされておると。そして、人事措置、これは厳しい措置として引責辞職をさせる方向ということがあったわけでございまして、そういうことを前提にいたしましてその処分なり人事措置というものを急速に行う、こういうことでございますので、事実関係の把握、処分の決定に時間がかかるといったような事柄ではないというふうにその当時判断をした、こういうことでございます。
  168. 富樫練三

    ○富樫練三君 そんなことはないでしょう。新たに見つかった事実、二十七日から二十八日、それは昼休み後の一時間の間県警本部に行っているだろうと思っていたけれども行っていなかったと、港に遊びに行ったか視察に行ったか、そういうふうになっていたと、要するに監察はやっていなかったということが明らかになっただけの話で、その前の段階と午後の段階、ここでは監察はしていないということは二十五日の段階でもうはっきりしていたじゃないですか。そのこと自身が国家公務員法やあるいは規則や訓令に触れるんだということを今あなたが言ったでしょう。  だから、そういうことを発表したらこれは処分をせざるを得ない。ですから、いわゆるキャリア幹部については処分をしなくても済むようにそのことは伏せておいて、それで処分なしで発表してそれを決定してしまったと。人事院のこの通知に対してもこれは頭から否定して、それで全部物事が決まってからそれが明らかになる、こういうことじゃないですか。  要するに、国家公安委員長もそれを知っていた、長官もそれを知っていたと。そうやって仲間内をかばったというのが今度の処分なしという処置でしょう。こういうやり方をやるから国民は信用できないわけですよ、警察庁を。だから、警察庁みずからがそういうことについて厳しくやらないと問題の解決にならない。  ですから、当然のことながらこれは責任は長官が負うべきであるし、それを認めた国家公安委員長が責任をとるのが当たり前だと思うんですよ。あなた自身にその答弁を求めても難しいかもしれないけれども、物の理屈からいえば、筋からいえばそういうふうになるのは当然じゃないですか。どうですか。
  169. 石川重明

    政府参考人石川重明君) この処分なり人事措置に至る経緯は先ほど来重ねて御説明しているとおりであります。  今、本庁の部屋に十二時十分まで約十五分間だけいたということにつきましては、先ほど私から御答弁申しましたように、二十八日の午前中に警察庁が発表をいたしまして二十八日の夕刊に出ていると、こういうメモが入りました。
  170. 富樫練三

    ○富樫練三君 時間が来ましたので終わります。
  171. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 中曽根大臣、どうもお疲れでございます。  実は三月六日のこの委員会で、科学技術庁のロケットの打ち上げあるいは文部省のロケットの打ち上げ、それ全部大臣にかかわるわけですが、この打ち上げの失敗に対しまして、やっぱりけじめというのか反省をしているという姿を国民にどのように示すのか、そしてさらにこの原因を究明して、そして次に二度とこういうことの失敗を繰り返さないという意味で、政務次官がお二人お見えでしたから大臣の責任について、大臣いなかったものですから、お聞きしました。  その前の十年二月のHⅡ五のロケットの失敗と、それから十一月のHⅡ八の失敗と、それから文部省の宇宙開発研究所のミューⅤの失敗と合わせまして、損失額というのは千二百億を超えているんですよ。これは人口五十万の一般の都市の年間予算に匹敵するぐらいの額。今、介護保険をめぐって基盤の整備を非常に国民が望んでおりますが、これもままならぬような状況の中でこんな大きな損害をかけておるにもかかわらず、私が大臣の責任問題についていかに考えるかということを聞いたときに斉藤鉄夫政務次官は、HⅡロケット五号機に引き続きまして昨年十一月のHⅡロケット八号の失敗、国民の期待に沿えない結果となりまことに残念であり、申しわけないことと深刻に受けとめておると。深刻に受けとめておると。ここは国民に対して一回もわびていないんです。このような事態が発生した現在、それぞれの失敗について徹底的な原因究明を行い、必要な対策を講ずる所存でございます、それによって今後のロケット打ち上げをより信頼性高いものにし、我が国の宇宙開発体制を立て直すことが何よりも重要である、こう答えているんです。これは私が後半に言ったことなんです。大臣、そして私、政務次官でございますが、そのために関係者を督励し、国民の期待にこたえられるよう、また国民の期待にこたえられる宇宙開発となるよう、今後とも全力を挙げていく所存でございますと、こう言っているんです。  それから、文部省の河村政務次官は、文部省といたしましても今回の失敗については非常にその責任の重さといいますか、国民に対して申しわけない、一段と強いものがございます、特にミューⅤロケット等については世界の最先端を行っているものでございますし、これから世界の研究にも影響を及ぼすわけでありますから、原因の究明は徹底することはもちろんでありますが云々と、十四年、十五年、十六年と計画があるということを言って、これを確実に成功させるという大きな責務を負っているわけでございます、全省を挙げて頑張るというようなことを言っておるんです。  やっぱり大臣、責任のとり方というのは、これはまあ運が悪いと思うんですが、ジェー・シー・オーもあったし、同僚で昔からのおつき合いでありますが、やっぱりけじめは、それは大臣をやめろということを言っているわけじゃないが、何かあったときには大臣はどう責任をとるのか、あるいは文部省や科学技術庁の責任者はどういう責任のとり方があるのか、それから現場の宇宙開発、科学技術庁の開発事業団の方はどこがどういう責任をとったのか、それから文部省の研究所の方は現場の責任者はどういう、やっぱりそこのところはずっと逃げてきているんです。だから、それはよくない。  ほかの質問をきょうはしようかと思ったんですけれども、この前の答弁を聞いておりまして、どうもそんなことではけじめのつけようがないものですから、国民に対してそのつかさつかさの責任はどのようにとるのか、重ねて御答弁願いたいと思います。
  172. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 先日の委員会では私が、多分予算委員会だったと思いますが、出席できず、それぞれの総括政務次官から御答弁申し上げました。  このロケットの打ち上げ失敗、最初の十一月十五日のHⅡ八号機、またこの二月のミューⅤ四号機、両ロケットの打ち上げに失敗したということは、先ほどもお話がありましたけれども、私は非常に重く受けとめておりますし、また国民の皆様方の期待に沿うこともできず、また多額な税金を使わせていただいたにもかかわらずこのような結果になったということを本当に申しわけなく思っております。  三つの点で私は問題があろうかと思っておりまして、一つは、今、委員がおっしゃいましたように、総額で千二百億円とおっしゃいましたか、そのような多大な国費がこのような結果になったということが一つ。  それから、宇宙開発事業というのは大変大事な事業でございまして、日本のみならず各国が協調して協力しながらそれぞれ分担を行い、あるいは日本国内だけを考えましても、気象衛星あるいはその他の衛星等の現在の果たしている役割、国民生活に密着している点等々を考えますとこれらの開発がやはりスケジュールどおりに進むことが好ましいわけでありまして、特に気象衛星等は現在の「ひまわり」の寿命ということもありますし、あるいは今新しい車にはみんなカーナビゲーションがついていまして、これも衛星を利用してこういうようなシステムができるようになったわけで、多くの方がこれを利用しているわけですが、そのように今の国民生活に密着しているわけでありまして、予定どおりこれらの開発、打ち上げが進むということが好ましいわけですが、そういう面でも支障を来しました。  それからもう一点は、科学技術に対する信頼、海外の信頼、国内の国民皆様方の信頼、これを著しく失墜させたという、この三つに大きくなるのではないかと、そういうふうに思っております。  その総責任者としての私の責任は大変重いわけでありますし、それぞれの担当部署のそれぞれの者の責任もあるわけでございます。今まで決してそういう責任問題について逃げてきたわけではありません。私は、やはりまず担当した者が徹底的な原因究明に当たるということが第一歩であると。原子力もそうでございましたけれども、責任者はすぐそこで例えば何らかの処罰をすると、そういうことよりもまず原因究明をやって再発防止、今後の対策等をきちっとやるということが国民の皆さんに対する私どもの最低限の務めではないかと思っておりまして、その先頭に立つのがまた私の務めでもあろうかと、そういうふうに思っております。  現在は両ロケットの打ち上げ失敗につきましても原因究明を行っているところでございますし、委員御承知のとおり、昨年のHⅡ八号機は二千九百メーターの海底からエンジンを引き揚げ、そして重大な問題点も発見されているということでございますし、ミューⅤロケットにつきましても打ち上げ時のグラファイトの破損というものが判明しておりまして、それらの解明も進んでいるところでございます。  そういうことで原因解明、再発防止等にまず全力で取り組むのが今の私どもの責務と、そういうふうに思っております。  また、これは単に技術的なことだけではなくて、事業団やあるいは宇宙科学研究所の体制の問題、私ども科学技術庁や文部省の仕事のやり方、行政の問題もあろうかと思います。そういう点も含めて原因究明とともに今後検証していかなければならない、その上で私なりに判断をさせていただきたいと、そういうふうに思っているところでございます。
  173. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 なるほど、そのような答弁があるんだろうとは思っておりましたが、しかし部署部署においては何らかの形でこれはやっぱり、これから我が国は科学立国を目指すということで予算も御承知のように科学技術には重点配分をやっているでしょう。どんどんふえている。昭和六十三年度の宇宙関係の開発予算というのは千四百十八億でした。これが平成十年度には二千四百七十四億円になっているんですよね。どんどん毎年伸びておるんですよ。  だから、そういうところで、何か流れに沿って科学技術立国を目指せば少しはやり損なっても後が何とかなりゃいいじゃないかというようなけじめのないやり方というのは私はよくないと。早急に原因究明をやると同時に、それを見てと、こう言われましたが、同時に強く何らかの形のけじめをつけるように要望しておきます。
  174. 中曽根弘文

    国務大臣中曽根弘文君) 梶原委員のおっしゃりたいことはよく私も理解しているつもりでございます。  しかし、事故が起きたらまず原因が何だったのかということぐらいはきちっと把握をいたしませんと、今後の開発体制の再建、あるいは科学技術庁、文部省を初め事業団等の体制の問題等をいろいろ議論していく上でまず原因がどこにあったのか、このシステム全体に問題があったのか、あるいは行政に問題があったのか、物づくりに問題があったのかという点ぐらいはしっかりと私は把握するということが必要だと思いましてここまで時間がたっているということをぜひまた御理解いただきたいと思います。
  175. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 もう時間がなくなりましたが、平成十年の四月二十七日に総務庁行政監察局が行政監察の勧告をしているんですね。その勧告の中身というのは、ロケットの打ち上げの価格が非常に高い、アメリカのロケットの倍ぐらいかかっていると。それともう一つは、文部省も科学技術庁も、両方から打ち上げていると、この問題の指摘がある。  それからもう一つは、競争入札をやっていいようなところが随意契約でやっているところもあると。ロケットの打ち上げ所の清掃とかなんとか、そういうところはそうなっているんですね。私は、ただ価格の高いのは随意契約、その辺も非常に中身はわからないんです。だから、会計検査院の担当者に来てもらって、随意契約をやって、どこそこのロケットの部品や衛星の取りつけや製作についてはその価格は妥当かどうかと言ったら、なかなかわからぬと言うわけですよ。行政監察の場合もわかりにくい。  会計検査院長、お見えですか。  私は、会計検査院たるもの、もっとも会計検査院がわからなきゃ我々わかる者はいないわけですから、ちょっと結論を急ぐようですが、随意契約の中身について、それは価格的に妥当性があるのかどうなのかというのは会計検査院がわかってくれなきゃわかる人はいないんだから、あるいは内部で絶対これは正しい、これは工数も間違っていないということを科学技術庁や文部省の研究所やあるいは事業団のところで把握しているなら別ですが、やっぱりそれも甘いんじゃないか。  会計検査院は価格の妥当性まで私は頑張ってもらいたいと思うんですが、できますかね、それは。
  176. 金子晃

    会計検査院長(金子晃君) 今お話のありました総務庁の契約のあり方について指摘している勧告につきましては、会計検査院でも十分な関心を持っており、指摘の勧告も参考にして現在契約のあり方を含め検査に当たっているところでございます。  なお、ロケット本体、あるいは打ち上げに関する施設や設備等につきましては、計画、設計、積算、発注及び施工、また完成後の管理が適切に行われているかどうか、衛星ロケット等の機器等の調達について同じように調達の時期、価格、方法などが適切かどうか、また調達後の管理が適切に行われているか、調達の方法が適切かなどに着眼して実施をしております。  ロケット等につきましては、技術的にかなり困難な点もありますけれども、会計検査院では鋭意検査方法等開発に現在努め、これに対応していきたいというふうに考えております。
  177. 梶原敬義

    ○梶原敬義君 終わります。
  178. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 ずっと討議は警察、それから公安委員関係等に大分の議論が行き渡ってきておりますが、私も先般の質問に続いて幾つかもう少しはっきりさせたいなと思っていることがありまして、そうしたら公安委員長も警察庁長官もみんな予算委員会か何かで時間をとられているということですから、官房長、お答えできる範囲で結構ですが、ただこの間もお願いしたように、きちんと公安委員長、警察庁長官にここでの質疑を伝えていただくようにお願いをしておきたいと思います。  最初に、直前の質問通告で申しわけなかったんですが、私の地元の三条で、私はきのうもおとといも三条におったわけですが、市長が、高橋市長と申しますけれども、彼がどうしてもこのままにしておけぬと。それから、家族も大変なわけですな、親戚からもみんな。この間申し上げたように、我々もみんなボランティアで、金銭のことを言うわけじゃありませんけれども、やってきているわけです。それで、今の段階はある程度のことが、病院入院とかあるいはボランティアで多少のことはできるんですけれども、しかしとてもそんなことではこれから先のことを考えると、それは一日一日のことはできても、容易でないことが想像できますね。  したがって、募金活動ということが取り上げられて、法的には問題ないと思うと、三条市の教育委員会としては。集まった募金をこの被害者家族に有効に役立ててもらいたいと、また被害者本人にも将来立ち直ってしっかりやってもらうのにということでこれから地域ぐるみでやろうとしているわけです。私も一市民としてこの問題について、余り政治家が表に立つと余分なことを憶測されますから、我々参議院は今選挙はないから余分なことを言われませんけれども、しかしそういうことを憶測されてもいけませんのでそれは注意をしつつでもありますが、何かお役に立っていかなきゃいかぬ。  いろいろ考えたあげくこの記事を見ながら感じたのは、一つはいわゆる被害者、犯罪に遭った場合の被害者の救済支援で給付制度というのがあることはある。ところが、これは全く微々たるものであったり、あるいはまた何か谷間的なものを幾らか補償するみたいなことでありますね。そういうことではなくて、今度の場合にはかなり大々的になると思うんです。またそうあってほしいなと願っています。  そういう意味では税制面とか、そういう観点も出てくるだろうと思うんです。税務署なんというのは銭が動けば銭を取りたいと思っている連中ですから、そういう意味では善も悪もない。税務署の職員というのは私は余り信用していないんですが、そういう意味ではこういうのも一緒くたにしちゃう。いや、一緒くたにしちゃうんです、実際に。  だから、そういう意味でこの場で私が申し上げたいことは被害者、国の人的ミスによって被害を受けた、これは自然災害とかそういうのは別にしても、これはある程度人的なミス、そういうミスによって起こったこれだけの被害は国がやっぱり全面的に補償すべきだと私は思うんです。  それはなぜか。だから、そういうことを感じたから退職金も返上したのではないかなというふうに善意に解釈もするんです。だから、私は前の委員会のときにその当時の県警本部長は今どうしている、どう感じているんだと憤りがいまだに消えません。あるいは柏崎警察の署長も同じですよ。そういうことが一年半前にあったのに、もう同じことをなぞらえませんけれども、そこに頭が行かなかったなんてばかな話はない。県内、市内にそんな婦女暴行だの少女の暴行みたいな話なんて幾つもあるわけじゃない。そんなことを見逃しているなんというのは問題にならぬことでしょう。そういう人がもし退職しているとして、私は新潟県民として、あるいは一国民として、署長が退職金をもらって、しかも一方では子供がそうやって虐待されている、そんなことを考えたら黙っておれぬ。  ですから、出したものは取り上げることはできない法律になっているでしょう。それは本人の善意しかないでしょう。だからあえて言っている。善意があるのなら考えるべきだというふうに思うんですが、しかしそんなものを当てにしてもしようがない。  そこで、私が申し上げたいのは、この補償についてひとつぜひ国家として、あるいはまたある意味においては警察庁として、これだけの責任を問われているわけですから、この犯罪被害給付制度というものに頼ることなく、あるいはそこで茶を濁すことなく、一言でいいんですが、検討をしていってほしいということを申し上げておきたいと思うんです。余り長く答弁要りません、もっと質問があるので。
  179. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今この犯罪被害者に対してどういう救済をするかということが社会で大きな問題となっておるところでございまして、政府レベルにおきましても関係省庁の局長レベルで構成するこの問題について検討する会議がセットされております。また、各政党においてもこの問題について積極的に取り組まれておるということも私ども承知をしているところでございまして、そういう場において今回のような事態というものがこの救済の制度にどういう形で乗ってくるか、救済ができるかといったようなことについては十分に私どもからも検討をするように努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
  180. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 これは特に国税の方へよく言っておいてくださいよ。そうでないと、これは仏つくって魂入れずということになっていきますから希望を申し上げておきます。  次は、先ほどからの外部監察制度というのがいいのか悪いのかという議論があります。これは委員会の場ですから各人それぞれの考えを申し述べておいた方がいいと思うんです。  私は、問題は監察制度の中で、この監察をやるところに警察庁から異動されていくと、まず一つはそれがどうも島流しに遭ったんじゃないかと、こういうような気風があるやにも聞いています。いわば人事の問題として、この監察制度というものと人事ということ、これはむしろ崇高な、あるいはまた警察の国家使命というか、あるいは機能、そういうものを守っていく大事な部署であるということをやっぱり位置づけるべきではないかと思うんです。  大変生意気なようで手前みそになって恐縮なんだけれども、私は郵政大臣になったときに、郵政省も監察制度というのが、御存じのとおり監察官、あります。私は、これが一番大事だぞと、こう言ったんです、就任したときに。犯罪を内部で起こさせない、事故を起こさせない、そのためにある制度であって、起こったことを発見する制度ではないぞと、起こらないように絶えずどうやるかということでやってくれよということを、私は今でも覚えていますけれども、内部の訓示で申し上げたんです。  警察監察制度も同じではないかと。首席監察官というのは郵政省では本当に有能な人間がなります。しかもキャリアがなります、当然のことながら。  私は、そういう意味で、第三者機関というよりも、問題は県警本部長がキャリアでなくてたたき上げであるべきだと。今二、三カ所でしょう、四十七都道府県で。むしろ、本当にその地域のことの隅々まで、就任して二年やそこらで村の名前も字の名前も覚えられないような県警本部長が最前線の警察官を指揮監督はできませんよ。もうそこに一つの制度上の欠陥があると私は思う。あるいは人事面における欠陥があると。  だから、申し上げたいことは、県警本部長というのはその県内のたたき上げ。もちろん、その県内のキャリアがいればなお結構ですよ。キャリアであってはならぬということを言うんじゃない。警察庁から派遣されて、人事異動で出かけていって戻ってくるという、そういうものであってはおかしいのではないかと。いろんな各県において不祥事も出ている一面を考えるとそんな感じがしますよ。ぜひお考えいただいて、この監察の方に本当にいろんな意味での知識の深い、あるいはまた客観的なキャリアをむしろ向けると。内部をわからない人間がいきなり行ったってこれまた監察なんかできるわけがない。温泉なんて行くよりもむしろ昼寝しているようになっちゃうかもわからぬ、こんなのは本当のことを言って。  私は第三者機関ということに対しては疑問を呈する。しかし、内部における人事のあり方については、これは警察は立派な識見を持った人間を、しかも精通した人間を、そして人格的にすぐれた、内部において信望の厚い、そういう人をむしろ監察の責任者にしていくべきではないか、それによって警察全体が締まるのではないか、あるいは管区全体が締まっていくのではないかと。  それは、キャリア同士が集まって、よう、行くからな、じゃ、まあちょっと一杯夜やるようにして待ってますわという仲間意識も、それは私は本当のことを言って人間の心の通いです。だけれども、そこに油断があってはならないという意味においてはこれは心の油断、すき間風ですよ。それはなれ合いでやってきたからですよ。それは仕組みだからですよ。それは人事の問題だったからですよ。それがきちんとなっていればそんなことにならない。例えば、同じ飲んだって違うわけで、あるいは飲んでいようとすぐに帰るんですよ。  そういう意味で、私は、もちろんそういうことを感じておられるんでしょうが、この際、締めくくりとしてぜひお考えをいただいておきたいと。一言で結構ですが、参考にしていただけますか。
  181. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 監察制度と人事の問題ということにつきましては、私どももこのたびの一連の問題から大きな問題だというふうに考えております。  今御指摘のように、監察に従事する者が優秀であり人望があるということでいろいろな話が監察に上がってくるわけでありますし、その処理もそういう人間がやったんだからしっかりした処理だろうということになるわけでございまして、むしろその監察をやった人間がまた次に例えば異動になるといった場合にはしっかりした立派なところでまた活躍してもらうと、そういったような人事というものに心がけるべきであろうと思いますし、また監察担当者になった者にしっかりそうした形で活動してもらうようないろいろな環境も整備したいと、こういうふうに思っております。  それから、本部長についての話、またキャリアが監察に従事すべきじゃないかということでございますが、その県で採用された、例えば都道府県警察で採用されてずっとそこで仕事をしてきて、部長なりなんなりで立派な仕事をしたという人もそれぞれ見識なり判断能力もしっかりしたものだろうと思います。  ただ、採用された県で本部長職につくということにつきましては、人事の公平性という問題とか、あるいは行政の中立性の担保といったような問題もやっぱり考えなければならないといったふうな慎重に考えなきゃならない問題もございます。  ただ、資格にかかわらず、とにかく本部長という職につく者は委員の御指摘のようなきちっとした判断ができる、そういう人物がなるべきでありますので、その適格性についてきちっと事前に審査をして問題のない人間を、立派な人間をつけるというふうにしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
  182. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 あなたたちはキャリアをやめてたたき上げにしますなんということはここで言えるはずがないんだけれども、これは本当にこの機会に、先週も私は申し上げたけれども、思い切った改革を、むしろ本当にこの機会がチャンスだと思うんですよ。  例えば制度そのものを考えるなら、私は北海道が何で警視庁と同じように警察庁長官の直轄下にあるのかどうも一向にわからぬ。それは終戦後のことがそのまま来ている。したがって、内部改革が警察庁の中で行われていないという一例だと思うんですよね。どう考えたって北海道と警視庁だけ直轄なんというのがそのままにしてあるなんというのはおかしいですよ。それはいろんな理由があった。私はこの場ではあえて言いませんよ。終戦後の自衛隊ができる前の制度でありますから、だからそれはこの場ではあえて言いませんけれども、だけれどもしかし、そうしたらすぐにその時代に対応する組織になぜしなかったのかと。怠慢だということです。  もう一つ怠慢、時間がもう五分あるようですからついでに申し上げておきますが、やっぱり国家公安委員のあり方ですよ。これもあなたに言っても始まらないことですが、保利委員長にぜひ、さっきの答弁も若干聞いておったけれども、私も長い間の友人で彼の能力も人柄もよくわかっていて信頼をしております。しかし、私はこれから国家公安委員を選ぶのを我々国会議員も、ここにおられる同僚の皆さんも考えようじゃないかということも一緒に申し上げたいが、これはいわゆる縦割りで来ていますよ、この公安委員の人選が。  いや、これは内閣がやるんですと。私だって内閣にいたこともあるし、官邸にも副長官として一年半もおりました。人事のことはわかっていますよ。だけれども、やっぱりできるのは下から上がってくるんだから、あなたたちから上がってくるんだから。それは官邸がいきなりこれとこれを公安委員にしろなんということは絶対にないんだから。そうでしょう。  だから、そういうことを見ると、今までは、今なっておられる人は立派な人ですよ。私もみんなよく知っている人たちばかりだ。一人として私は個人としての不満も不平もないです。しかし、申し上げたいことは、どういう土壌から上がってくる、こういう土壌から上がってくる、この縦割りのいわゆる経路がもうできちゃっているというところに、私はもうこれは本当に、今度のこれもいい機会ですから、おやめになった方がいいと思う。それは何々業界の会長であるとか、どこどこの役所のOBであるとかね。変な話が、あえてさっき同僚の江田議員が公安委員出席を求めた。それは常識的に公安委員がテレビに出ていて国会に出られないなんということはない。マスコミの出身だと思ってテレビにサービスしたのなら、じゃ国会に出てくるのかと。だけれども国家公安委員というのは国会にいまだかつて出たことはないから私は理事会で話をするつもりです。これはあり得ないことをやってはいかがかと思う。しかし、そういう不見識なことはいけませんよ。そんなもの自分が人気取りみたいにマスコミに出ていくんだったら、なぜここへ出てこないかと、それは江田議員じゃないけれども私だって言いたくなる。  しかしながら、制度として、あるいはまた国家公安委員というこの重さ、あるいはまたこれからのありようの中で、国会というところは古いところ、慣習をつくっちゃったらその中にずっといってしまうおそれもあるから、これは今ここでいまだかつてないことをやれと言ってもそれは大変なことだと私は思うんです。賛成するか反対するかは別にして、これは大変な問題提起だと思いますよ。だけれどもしかし、そういう声が出るんです。なぜ出るか。少なくとも非常に心の油断があったのではないかと思いますよ。何で国家公安委員がマスコミから出なきゃならないのか、あるいはなぜあの業界から出なきゃならないのか、なぜどこかの学者でなきゃいかぬのか。そんな必要ないじゃないですか。  内閣から別個に政治的中立でやる、しかも機能を持って、責任と使命を持ってしっかりやっていくと言うならば、これからそういう個人、人間を尊重して、評価して選んだらどうですか。  今までの国家公安委員を選んだその土壌に対して私はクレームをつけておきます。これから国家公安委員を選ぶについて、そういう今までの概念からのいわゆる人選であってはならないのではないかという問題提起をして、国家公安委員長に申し上げておいていただきたい。
  183. 石川重明

    政府参考人石川重明君) ただいまの委員の御意見については、私の方から責任を持って国家公安委員長にお伝えいたします。
  184. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 それと同時に、あなたたちの事務的なこともそのことを頭に置いてやってください。  終わります。
  185. 田名部匡省

    田名部匡省君 きょうは保利さんが出られると、こういうことでありましたが、官房長でだめだとは申しませんが、保利さんから直接私は話を聞きたかったことがあるんです。それはテレビで私に権限はないし裁決権もないしと。そうすると、だれにあるかというと、今、渡辺さんが言ったように、じゃ公安委員長と公安委員は先例にないということになると、これは聞きようがないと思ってね。  それはいいとして、今度国家公安委員会が設置する第三者機関警察組織刷新会議というんですか、これに中坊さんがお入りになったようでありますけれども、私はここでやるのも悪いとは言いませんが、内部のことが一番わかっている国家公安委員会警察庁一連不祥事反省の上に立ってみずからの考え方を示すべきだと、こう思うんです。一番何が悪かったかというのがわかっている人たちですから、どこをどうすればいいかというのがわかっている。だから、みずからをみずからが律することが大事だと。  今、皆さんが今度はこういうふうに変えますと、こうやってごらんなさい。もう信頼がぐっと出ますよ。何か人に言われたからやりますという、そういうことを私は思うんですが、考え方はどうですか。
  186. 石川重明

    政府参考人石川重明君) この第三者機関と申しますか警察行政組織刷新会議というものを、国家公安委員会がその組織に対していろいろな御提言をいただくという形で発足をするというふうに承知しておるわけでございますが、私ども警察庁といたしましては神奈川以来いろいろな対策というものを講じてまいりました。そして、今回の新潟の問題も踏まえまして、この問題についてさらに対策面の充実を図っていかなきゃならないと思っておるわけでございますが、庁内に警察行政総合検討委員会という場がございます。これは局長クラスをメンバーとする会議でございます。その下に人事とか教育とかいったものを個別に詰める分科会をつくりまして、今詰めているところでございます。  それで、いろいろなところでまた御意見、御批判があるわけでございまして、こういうものも含めまして、また有識者の御意見なんかも十分取り入れて、警察庁としての対策と申しますか改革案と申しますか、そういうものについても急いで取りまとめていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
  187. 田名部匡省

    田名部匡省君 時間が十五分ぐらいしかないので簡単に答えていただきたいんですが、今も言うように、国家公安委員会が今大変批判されているわけですよ、これは本当に役に立っていたのかと。そういう人たちがやっぱりそのぐらいのことを自分たちで見ておってやれるようでないと、また何かそっちの方でやったことを言われたらやるんだという認識では国民は信頼しないんじゃないですかということなんですね。  次に、監察の制度のことですけれども、どういってもやっぱり内部でやるというのは、本気になっているんでしょうけれども、どうしても形骸化するんだろうと思うんですね。行政官庁というのはどこでもそうですが、事件が起きると内部調査というのをやるわけですよ。内部でやったんじゃ、やっぱりそれは仲間同士ですから、国民の目からは最初からもう、ああこれはいいかげんになるなと、こう思っているんですから。思っているようにいくからだんだん不信が出てくるということになるので、最低限執行部とは独立した組織、プロ集団をつくって、もうそこへ行った人たちはそこのトップになってやるんだということぐらいないとなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。  これはこの制度についても、中坊さんなんかも国民から監視を受けるような公正な第三者による外部監察制度を導入すべきだと、これは随分多いですよ、いろんな人がこう言っていますが、私もそう思いますので、これについてはどう思いますか。
  188. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 今般の事案で警察の内部監査の実効性が問われるという事態になっていることは大変重く受けとめているわけでございます。  まず、私ども監察体制なり機能というものをきちっとやるということを前提といたしまして、そしてさらに警察以外の第三者制と申しますか、そういうような監察のあり方といったようなものにつきましてはいろいろな御意見が今あるところでございますから、そういうものを十分参考にさせていただいて、今後の課題と申しますか、今後いろいろなところで議論がなされる、そういうところで私どもも十分考えてまいりたいということでございます。
  189. 田名部匡省

    田名部匡省君 私はいつもスポーツに例えて言うんですけれども、ルールをつくるのは国際連盟でつくる。レフェリーは厳正に反則をとるわけですから、ルールをつくって全世界の選手がそれで練習してオリンピックへ出てくると。反則は遠慮なくびんびんとりますから、別の組織ですから。やられる方の選手というのは、これはまた全く関係ない。こういうのでやらないとフェアとか公正にならぬのですよね。どうしてもどこかとどこかがくっついていると、反則とろうかなと思ってもあれは知っているやつだからというので見逃してみたり、そんなことやったのでは試合にならぬという感覚で見ておるから申し上げているんです。  私は、国家公安委員会についても、国民はもともと国、県の公安委員会がどんなことをしているのか知らない人が多いと思うんです。今回初めてわかった、あれだけ新聞に出て。しかも、岩男委員ですか、新聞で見ると、やったことは普通の人間の感覚では理解できないと、こう言いながらも、出てくるのを見ると何かそんな感じでないものを認めちゃったと、こういうことになるから関心が相当、これは国民は今見ていますよ。  ですから、私どももそうですが、各種委員会とか審議会がありますが、委員会と審議会の区別もわからないんです、国民は。ただ、医療審議会とか米価審議会というとわんわんやるものですからああ一生懸命やっておるなというのに比べると、この今回の国家公安委員会というのは何か給料というか報酬は二千六百万だと。この間、渡部恒三副議長と食事をしたら、いや、おれも知らなかったと言うんです。あの人は国家公安委員長をやっていたんですね。そんな程度ですから、そんなのは国民が聞いたらこれはびっくりしますよ。  ですから、マスコミを通じて国民は今回は内容を十分理解したと思うんです。また、公安委員会対応を見て、これは良識を反映していないな、あるいは甘い処分を追認しただけだろうと。見ると経済界の、今、渡辺さんが言ったように、何か専門家でない人たちがいっぱい、名誉職でなければ、新聞ではお飾りだお飾りだと書かれているんですから、やっぱりこれは思い切ってこの際、さっき言われたこと、私も賛成です。本当にやれる人たちを選ぶということにしていただきたい、こう思うんです。いずれにしても、公安委員の人選、委員会の運営を警察から切り離すべきだと思う。  また、オンブズマンを採用すべきだとか、さっき保利委員長が今度は警察庁もホームページを開設したと。これなんかも結構な話で、そこからいろんな情報が入ったり、苦情が出たりということは、それはやってもらえばいいと思うんですが、今私が申し上げたようなことを、これ考え方でいいですから、別にそれ言ったからそのとおりやりなさいということは申し上げませんから、私ならばこう思いますということがあったらお答えください。
  190. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 私の立場でなかなかすべてにお答えできないのは残念なんでございますが、今回の不祥事案をめぐって公安委員会のあり方あるいは監察制度のあり方、あるいは人事あるいは教育の問題、さまざまな御意見があることは承知しておるわけでございまして、こうした点について警察庁といたしましても改善すべき点は改善するということで積極的に検討を行ってまいりたいと、このように思っております。
  191. 田名部匡省

    田名部匡省君 これは渡辺さんからもキャリア制度の話があったが、私はやっぱり実力主義だと思うんですよ。キャリアでも優秀な人はどんどんやればいいし、しかしノンキャリアでも本当に実績を上げてよく表彰されて、そういう人なんかが上に立った方が私は本当にきちっといくと思うんです。そのことでこの問題も御検討いただきたい。  それから、私はアメリカのFBIというのはどういう役割を果たしているかよくわかりませんけれども、今の県ごとの警察本部ではちょっと、地方分権だなんという話ですから道州制ぐらいにしたらどうかなと。そうすると、いろんな事件があっても相当やれるし、それからプロ集団でこれとこれはもう絶対この人たちにやってもらわなきゃいかぬというようなものは専門の、例えば麻薬だとか暴力団だとか一番国民生活に関係のあるところはその人たちをきちんと専任として最後までやるというようなことがあってもいいのではないかというふうに思いますが、なかなかこれ官房長、自分の考えでああだこうだと後から問題があるかもしれないが、いいんですよ、議論ですから。思うことをまず言っていただきたい。
  192. 石川重明

    政府参考人石川重明君) 我が国の現行の警察制度におきましては、基本的に捜査等の執行権限は自治体警察である都道府県警察がそれぞれ一元化して持っておる、ただ警察法の第五条によって定められました一定の範囲内で国家公安委員会の管理のもとで警察庁が各都道府県警察の調整等を行う、こういう仕組みをとっているわけでございます。  こうした警察のあり方は、今、委員指摘のように、犯罪が広域化している、また国際化している、あるいは組織化が進んでいるといったような新たな情勢があるわけでございまして、こうした問題に対してこの仕組みをどういうふうにするかということについていろいろな御意見があり得ると思います。  現在の国と地方の警察組織のあり方の基本と申しますのは、能率的な運営ということもあるし、地方自治の尊重あるいは国家的な要請との調和、こういうこともあるわけでございまして、それはそれとして、すぐれた組織だというふうに私ども考えておるわけでございます。  したがいまして、御指摘の米国のFBI的な国家捜査機関と申しますか、そういうものを設置するかどうかということにつきましてはその中の御意見の中にもあるわけでございまして、一つの貴重な御意見として承っておきたいというふうに存じます。
  193. 田名部匡省

    田名部匡省君 もう時間がありませんから終わりますけれども、いずれにしても、捜査でも何でもそうですが、国民の協力というのは非常に大事なんですね、いろんな情報を出してくれる。国民の信頼を失ったら、そんなものやらなくなったら警察官だけで全部の情報なんかとりながら捜査できるかというと私はできないと思う。ですから、今のようなこの機会に国民が本当に信頼してくれたなというようなことをやってほしい、こう思うんです。  特に、最後に情報公開のことを私は申し上げたいんですけれども、何も捜査中の秘密まで公開しろとは言いませんけれども、終わったらやっぱりこうだったということをきちっと出すとか、そういうことを、情報公開のいいことは独善的なことを排してみたり、あるいは組織の透明性ということもあるでしょうし、あるいは警察をよく理解してくれるということもあるんでしょうし、国民が常時警察を一方では協力し、一方では監視するということが私は望ましいと思うんです。  この間、読売新聞を見ておったら、皆さんの先輩が昔とは「使命感や忠誠心に大きな差がある」とか、「キャリアは自分のポストにあぐらをかいている」、これはみんな先輩が言っているんです。恐らく目を通しているんだろうと思うんです。また、検挙率は史上最低だということやら今までいろんなことを言われています。これは皆さんの先輩がそう思っているんですから、そういうことなんかも踏まえてもっともっとやっぱり優秀な先輩の意見というものも活用する、あるいは場合によってはどこかに入ってもらってやってもらうということの方が今やっている国家公安委員の皆さんよりは私はずっといいと思うんですよ。どうぞ真剣に考えて、いろいろやったことの反省は必要ですよ、その反省の上に立って今度しっかりしたものをつくり上げる、これで信頼を回復するということに全力を挙げてやっていただきたい、このことを要望して終わります。
  194. 浜田卓二郎

    委員長浜田卓二郎君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。    午後四時三十二分散会