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2000-05-10 第147回国会 参議院 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十二年五月十日(水曜日) 午前十時十七分開会 ─────────────
委員
の
異動
五月九日 辞任
補欠選任
山下
栄一
君
荒木
清寛
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
陣内
孝雄
君 理 事 大島 慶久君 谷川 秀善君 三浦 一水君
吉村剛太郎
君
佐藤
泰介君
藤井
俊男
君 森本 晃司君 富樫 練三君
日下部禧代子
君 委 員
阿南
一成
君 入澤 肇君 岩瀬 良三君 岩永 浩美君
海老原義彦
君
大野つや子
君
片山虎之助
君 亀井 郁夫君 亀谷 博昭君 久野 恒一君
佐藤
昭郎君 田浦 直君 中島 啓雄君 畑 恵君 水島 裕君 脇 雅史君 伊藤
基隆
君
石田
美栄君 今井 澄君 江田 五月君 小川 勝也君 木俣 佳丈君
谷林
正昭君 内藤 正光君 福山 哲郎君
荒木
清寛
君
魚住裕一郎
君 海野 義孝君 林 紀子君 吉岡
吉典
君 吉川 春子君 谷本 巍君 戸田
邦司
君 石井 一二君
国務大臣
自治大臣
保利
耕輔君
国務大臣
(
総務庁長官
) 続
訓弘
君
政務次官
自治政務次官
平林
鴻三君
総務政務次官
持永 和見君
事務局側
常任委員会専門
員
石田
祐幸君
常任委員会専門
員 入内島 修君
政府参考人
地方分権推進委
員会事務局長
保坂
榮次
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
地方分権推進法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣
提出、
衆議院送付
) ─────────────
陣内孝雄
1
○
委員長
(
陣内孝雄
君) ただいまから
行財政改革
・
税制等
に関する
特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 昨九日、
山下栄一
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
荒木清寛
君が選任されました。 ─────────────
陣内孝雄
2
○
委員長
(
陣内孝雄
君)
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
地方分権推進法
の一部を
改正
する
法律案
の審査のため、本日の
委員会
に
地方分権推進委員会事務局長保坂榮次
君を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
陣内孝雄
3
○
委員長
(
陣内孝雄
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
陣内孝雄
4
○
委員長
(
陣内孝雄
君)
地方分権推進法
の一部を
改正
する
法律案
を議題といたします。 これより
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
阿南一成
5
○
阿南一成
君 自由民主党の
阿南一成
であります。 本日、私の持ち時間は十五分とのことでありますので、早速
地方分権推進法
の一部
改正案
について
質疑
をさせていただきます。
我が国
における明治維新、それから戦後
改革
に次ぐ第三の
改革
としての
地方分権
が、
平成
五年六月の両院における決議に始まり、
平成
七年五月の
地方分権推進法
の
成立
を踏まえて、
平成
七年七月、
推進委員会
が
設置
をされました。そうして、その
推進委員会
の
勧告
に基づいて
政府
による
推進計画
が作成されたのであります。そして、さらにその
推進計画
に基づいて
平成
十一年七月に
地方分権一括法
の制定を見たところであります。そうして、約九カ月間の
準備期間
を経て
平成
十二年四月一日から
地方分権一括法
が
施行
され、
地方分権
は一応その結実を見たところであります。この間の
関係者
の
方々
の並々ならぬ御努力に敬意を表したいと思います。 さて、
地方分権推進法
は御
承知
のように本年七月までの
時限立法
であります。何らかの
法的手続
をしなければこの
法律
は失効をしてしまいます。そこで、今回のこの一年
延長
の
法案
が提出されたのでありますが、昨年の
分権一括法
の
審議
の際に
ポスト分権法
をどうするのかという
議論
がなされております。 そのときに、
小渕
前
総理
の
答弁
では、五年の
時限立法
にしたのは、
一定
の
期限
を設定して
計画
的かつ集中的に取り組むことが肝要であり、
推進委員会
の
活動
は指針の
勧告
と
計画
の
実施状況
の
監視機能
を有しており、
存置期間
まではそれを見守るべきであり、
期限
後の体制はその
時点
での
状況
を踏まえて判断すべきであろうと答えております。 一方、
推進委員会
の
諸井委員長
は、
権限移譲
をもっと進めた方がいいし、
必置規制
の緩和、補助金問題、
税財源
問題などたくさんの問題が残っていると思う、いろいろな面でまだ
地方分権
は不十分であることはそのとおりである、今後の問題について
国民
の皆さん、結局は国会がどう考えるかであると答えております。 こうした経緯を踏まえたときに、今回のこの一年
延長
という一部
改正法
がどういう
意味
を有しているのか、まずお尋ねをしなければならないと思います。なぜ一年なのか、その間に
推進委員会
にはどういうことを
検討
してもらおうとしているのか、単に後は
推進法
に基づく
実施状況
を静かに
監視
してもらえばいいというのか、そしてそれらのためには一年で足りるのか、とりあえず一年
延長
してまたその
時点
で考えるということなのか、それとも一年後には
ポスト推進委員会
を改めて発足させるということなのかどうか。これらの将来展望を含めて
総務庁長官
に御
答弁
をお願いすべく
質問通告
をしておったのでありますが、
事前レク
で
理解
をいたしました。時間の
都合
上、恐縮でございますが、
割愛
をさせていただきます。 次に、今回の
法改正
の中身でありますが、主要な
部分
は、五年の
期限
が終わる
地方分権推進法
の
期限
を一年
延長
して六年にするということであろうかと思います。それと同時に、
推進法
の第十一条一項の「
勧告等
の
尊重等
」の
規定
を削除することとしておられます。この
規定
は、「
内閣総理大臣
は、前条の
勧告
又は
意見
を受けたときは、これを尊重しなければならない。」と、いわゆる
審議会
の
勧告
、答申、
意見等
の
尊重規定
であります。これを削除するというのは、もう
地方分権推進委員会
からの
意見
などは尊重しないというように受け取れないこともないのでありますが、その点について一応
確認
をしておこうと思います。 およそ
政府
が
設置
するこの種の
審議会
は、
政府
がお願いをして有識者の
方々
にお集まりいただいて、時間をかけてすばらしい
意見
を集約していただき、その後の
行政
に反映をさせるものであり、本来、
尊重規定
がなくても
政府
が尊重すべきは理の当然であろうかと私は思うのであります。
政府
は、昨年
成立
した
中央省庁等改革関係法施行法
において、各
省庁
に
設置
されていたこの種の
審議会
の
根拠法
の、
審議会
の
意見
を聴し、かつその
意見
を尊重しなければならないという
規定
を、
審議会
の
意見
を聞かなければならないと
改正
をいたしております。これは、
政策決定責任者
を明確にするという
各省等設置法
の
整理
の際に、言わずもがなの
規定
を
整理
したものと
理解
をいたしております。今回のこの
推進法
の
改正
もそれらとの
整合性
をとるということであろうかと思いますが、念のため
総務庁長官
に
確認
の
意味
で
質問通告
をいたしておりましたが、この点も
確認
できましたので、時間の
都合
上
割愛
をさせていただきます。
総務庁長官
にせっかく御
準備
をいただきましたことに心から感謝を申し上げる次第であります。 次に、
分権
に伴う
税財源
の
強化拡充
についてお
伺い
をいたします。 昨年の
地方分権一括法
の
審議
の際にもこの点については
大変議論
がありました。
委員会
での討論でも、
財源
の
裏づけ
のないこの
分権一括法
は
ミスマッチ
の
法案
だ、車にエンジンがないのも同然だ、
地方分権
に値しない
欠陥法案
だなどなど多くの
質疑者
から
指摘
をされております。
地方団体
からしてみれば、
権限
が与えられてもその
裏づけ
となる
財源措置
がなされていないのは大変困るという悲鳴にも似た声も上がっておりました。 これに対する
政府
の
答弁
は、
小渕
前
総理
は、
経済情勢
の推移や
税制
の
抜本的改革
を見きわめつつ総合的に
検討
していくべきだと
答弁
をされております。
宮澤大蔵大臣
は、年二%成長が続くような
我が国経済
が正常になったときに
財政
の
根本改革
をしなければならない、国と
地方
で税目のやりとりをすることにならざるを得ないと答え、今はできないが将来
経済情勢
が好転すれば必ず税収の国と
地方
の
配分変更
を実行すると約束をしていると
承知
をいたしております。 そこで、
平林自治総括政務次官
にお
伺い
をいたします。
平林次官
は
自治省出身
、
知事経験者
で、
地方財政
の
専門家
でもありまするので、あえて御見解を賜りたいと思うのであります。 それは、
東京
都の
銀行業等
に対する
外形標準課税
についてであります。きょうは時間も限られておりますので、単刀直入に何点か私が疑問に感じておることにお答えをいただき、いずれ機会を見て
地方行政
・
警察委員会
等々でじっくりと御指導賜りたいと思っております。 今回の
新税構想
は、
事前
に漏れるとつぶされかねないので一部のメンバーにより
密室
で
検討
を行ったとされております。小骨一本抜かせないとの
報道
にも接しました。一部の
人間
が
密室
で
構想
を練って突然公表し、
大衆
を扇動して味方につけ、勢いに乗じて畳みかけるように短期間で決めてしまうといった
アンフェア
で非民主的な
手法
は、まさに
大衆迎合主義
、ポピュリズム以外の何物でもないと考えるのであります。本件は、法的な
手続面
からも
憲法
三十一条のデュープロセスに照らし問題があるのではないかと私は考えます。また、
憲法
第十四条に言う
租税公平主義
という税の
基本原則
にも反するのではないかと考えております。
平成
十二年二月九日の
ニューヨーク
・タイムズには、
ニューヨーク
市で同様の
計画
が導入されたならば、
ニューヨーク
に本拠を構える
大手銀行
は税金とともに去っていくであろうと
報道
をしております。また、二月十六日のファイナンシャル・タイムズには、恣意的な
税制
は
日本
におけるビジネスの
リスク
を高めるとも
報道
をされております。 私は、今回のように制度や
政策
が一
地方団体
の意向によって恣意的かつ突然に
変更
されることは他の
先進国
では例を見ない現象であり、海外から
東京
のみならず
日本
全体が
行政リスク
の高い国と見られるとするならば、
国際社会
における
我が国
の
地位
にも
影響
を及ぼすものではないかと考えるところであります。 このような
東京
都の
奇襲まがい
の
手法
は決して褒められたものではありませんが、しかし、その投じた一石が
地方財政
の
自治
の確立の
議論
にもつながるというのであれば、その
部分
に限っては評価をし得るものではないかと考えております。 しかし、今回の
新税構想
が発表された直後の二月二十一日、
自治大臣
は
都知事
と会談し、その場で
懸念
や
問題点
を示した
意見書
を手渡したとの
報道
に接しました。その
意見書
の中には、所得による
課税
の均衡を失しないか、
特定業界
だけに
課税
して不公平ではないか、都が先行して実施するのは適当か、他の
自治
体への
影響
をどう考えるのか、
政府
の
景気回復等
や
金融安定化策
と矛盾をしないか、
納税者
となる
銀行側
に必要な
説明
を十分にしたのかの六項目であったと
承知
をいたしております。 私は、
自治大臣
が
指摘
をされた
懸念
や
問題点
はまさに正鵠を得たものであり、
都知事
がそれを聞き入れなかったことには強い
不快感
を抱いておるところであります。同時に、今回の
新税
は現行の
地方税法
にも抵触する
部分
があるのではないかと私個人は疑念を抱いておるところであります。 ところで、
我が国金融界
は、現在
金融ビッグバン
の
最終コーナー
に差しかかっております。
金融ビッグバン
は、一九九六年十一月、当時の
橋本総理
によって提唱され、フリー、自由、
フェア
、公正、グローバル、
国際化
の
三つ
の
原則
に基づき、
我が国金融市場
を国際的な
基準
に合った自由で公正な
市場
に再生し、二〇〇一年までに再び
ニューヨーク
や
ロンドン並み
の
金融市場
にまで
地位
を高めることを目標として、これまで着々と
改革
が進められてきておるところであります。 私は、官民が一体となって
東京金融市場
を二十一世紀に向けて国際的に見ても魅力と競争力あふれる
市場
に変貌させていく必死の
取り組み
を行っているさなかに、今回のような
新税
が導入されることは国策に逆行するものであり、とても看過できるものではないと大いに疑問を感じておるところであります。 そして私は、今回の
新税
が直接的には
銀行
の
コストアップ
を招き、最終的には多くの
国民
、
預金者
や
借り手等
の
利用者
に転嫁されることを恐れるものであります。
借り手
にとって
取引銀行
の
変更
は容易なことではありません。とりわけ弱い立場の
中小企業等
の
借入金利
の引き上げは、せっかく回復しかかった
景気
に水をかけるものであろうかと思うのであります。 私は、
東京市場
の
メジャープレーヤー
である
大手銀行
をねらい撃ちするような今回の
外形標準課税
の導入は、
金融ビッグバン
のもとで
ニューヨーク
や
ロンドン並み
の
国際金融市場
にまで
地位
を高めることを目指す
東京金融市場
の円滑な発展をも阻害する危険があると危惧するものであります。 時間の
都合
で一方的に私の
考え方
を申し上げましたが、
自治省出身
、
知事経験者
で
地方財政
の
専門家
でもある
平林総括政務次官
の御感想、御指導を賜って、簡単でございますが私の
質問
を終わらせていただきます。
平林鴻三
6
○
政務次官
(
平林鴻
三君)
阿南委員
から、
東京
都の
特定
のといいますか、一部の
銀行
に対する
外形標準課税
の問題につきまして、国内外のいろんな
影響
を
指摘
された御
意見
を
伺い
ました。各方面からいろんな
意見
があることは私
ども
もよく
承知
をいたしておるところでございます。
政府
といたしましては、二月二十二日の
閣議
で、
閣議口頭了解
として
東京
都案に対する
考え方
を取りまとめて、
東京
都に対して慎重な対応を求めたといういきさつがございます。二月二十一日には、
自治大臣
と
東京都知事
が会談をいたしました際に、
大臣
から、
納税者
である
銀行側
に
理解
を得るべく必要な
説明
がなされているか等の
懸念
や
問題点
を
指摘
いたしたところでございます。
閣議口頭了解
において示した
考え方
につきましては今も変わりはございません。ございませんが、
東京
都の方では都議会において
審議
をされ、
東京
都がみずからの
責任
において判断をいたしたものでございまして、これを直ちに違法と断ずることはできないものと私
ども
は考えております。
自治省
といたしましては、今後の問題でございますけれ
ども
、
全国知事会
からの要望もいただいておるところであり、あくまでも
政府
の
税制調査会等
におきましてこれまで
議論
をされてきた方向に沿って、すべての都道府県において幅広い業種を対象に薄く広く
負担
を求める本来の
外形標準課税
が望ましいと考えておりまして、こうした仕組みができるだけ早期に導入できるよう、具体的な
検討
を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
藤井俊男
7
○
藤井俊男
君 民主党・新緑風会の
藤井俊男
でございます。
地方分権推進法
は五年間の
時限立法
でありますけれ
ども
、まず
地方分権
の
委員会
の
関係
で私はお聞きしたいと思います。
平成
七年七月に
地方分権推進委員会
が発足しまして、以後、一次
勧告
から
平成
十年十一月に五次
勧告
までなされたわけでありますが、その後も
地方分権
を推進するための
関係法律
の整備を図る中で、
平成
十一年七月八日、この
法律
が
成立
したわけであります。
地方分権一括法
が本年四月に
施行
されまして、わずか三カ月後の七月に
地方分権推進法
が失効することになると
地方分権推進委員会
の
監視活動
が十分できないと提案
説明
しておりますけれ
ども
、これまでの
委員会
の、
法案成立
以降、昨年の七月八日以降、この
会議
の
状況
と
取り組み
について、まずお聞かせを賜りたいと思います。
続訓弘
8
○
国務大臣
(続
訓弘
君)
藤井委員
の御
質問
にお答え申し上げます。 昨年七月に
地方分権一括法
が
成立
して以降、
委員会
におきましては、これまでのところ十五回にわたる
会議
を開催するとともに、
地方分権推進講演会
を
全国各地
で四回実施していると
承知
しております。
会議
におきましては、
地方分権一括法
に関連する
政省令
、告示や
法定受託事務
の
処理基準
が適切なものとなっているかどうかに関する
審議
を行うとともに、
農地法等
の
個別法
にかかわる事項や
国庫補助負担金
の
整理合理化
などの
措置状況
のヒアリングを行うなどにより、
地方分権推進計画
に基づく
施策
の
実施状況
について
監視活動
を行っていると伺っております。 また、
地方分権推進講演会
におきましては、
地方分権
に対する
地方公共団体
の
取り組み
を推進するとともに、
地域住民
の
理解
と参画を促進するため、
分権型社会
の意義を積極的にPRするなどの
活動
を行っていると
承知
しております。
藤井俊男
9
○
藤井俊男
君 そもそも
委員会
の
任務
、
役割
でございますけれ
ども
、どういうことなのか、ちょっと私は疑問を持っております。 それは、
分権委員会
の
任務
、
役割
については
延長
後も
変更
をしないとしておりますけれ
ども
、ここで言う
監視
とは何を指しておるのか。今、
総務庁長官
から、
実施状況
の
監視活動
をしてきたという報告を承っておるという旨ございましたけれ
ども
、この辺について
大臣
はどう位置づけておりますか。
続訓弘
10
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 御案内のとおり、
分権委員会
におきましては、
政府
が作成いたしました
地方分権推進計画
について、
計画
に基づく
施策
の
実施状況
の
監視
を行っているということを伺っております。
地方分権一括法
につきましては、
計画
に示された
内容
を法制上具体化するものでございますけれ
ども
、
分権委員会
におきましては、
一括法
の
内容
が
計画
にのっとったものとなっているかどうかの
監視
も行っていると
承知
しております。 また、
一括法成立
に伴って
改正
されることとなった
政省令
について、その
改正
の
内容
が
計画
の
趣旨
に沿ったものとなっているかどうかについての
監視
を行っている、このように
承知
しております。
藤井俊男
11
○
藤井俊男
君 そうしますと、
大臣
、
地方分権一括法
の
実施状況
の
監視
ということで、直接の
任務
に当たられてはいないけれ
ども
、
実施状況
というよりも、その
計画状況
の、この辺の
関係
の
監視
ということに一年間当たっていくと、こういうことで
理解
していいんですか。
続訓弘
12
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 今、
委員
御
指摘
の
監視
の問題もありますし、残された
課題
の
議論
も行われるものと
承知
しております。
藤井俊男
13
○
藤井俊男
君 そこで、ここで言う一年
延長
する理由として、引き続き
検討
を要する
課題
もあることが挙げられておりますが、この引き続き
検討
を要する
課題
とは何かであります。 私は、
地方分権
を推進するに当たっては、市町村がよくなれば県も国もよくなるというこれまで持論を持っておりました。特に
総務庁長官
も
東京
都の副
知事
さんを長くやられたわけですから、その辺の御
理解
はあろうかと思うんですが、今日、
地方
の時代を迎えた中で、
権限
、
財源
、
人間
のこの
三つ
の柱を確立しなければその達成はできないことと私は思っております。 この間の
地方議員
の
経験
から私は見ておるんですけれ
ども
、そこでこれまで考えてきたのは、
最大
の
課題
は
財源
の問題であると私は思いますけれ
ども
、いかがでしょうか。
続訓弘
14
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 今、
藤井議員
の御
質問
もございましたし、先ほど
阿南委員
の御
質問
の中にございました、
諸井委員長
が御
指摘
されました
課題
の重要な
部分
は
財源配分
の問題だと、そのことにつきまして
大蔵大臣
の
答弁
を引用しながら
阿南委員
がおっしゃいましたけれ
ども
、いずれにいたしましても、今、
藤井議員
が御
指摘
のように、
地方
の自主権を本当に
一括法
の
趣旨
のとおりに
施行
、実施するためには何といっても
財源
の問題を解決しなければならない、このように私も
認識
しております。
藤井俊男
15
○
藤井俊男
君 それでは、このたびの一年間の
延長
によりまして、
地方分権推進委員会
に税を含めて
財源
問題についてさらに
検討
してもらい、
一定
の
結論
を見出すことを考えておるのかどうか。この辺については
自治大臣
の方にお聞きしたいと思うんですが、いかがですか。
保利耕輔
16
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) ただいま
総務庁長官
から御
答弁
がございましたように、今後
検討
すべき
課題
というのはいろいろあるわけでございますが、特に
財源配分
を考えます場合にはどういう
権限
をさらに移譲していくかということもきちんと考えなければいけない、極めて大きな問題が残っていると私は
認識
をいたしております。 それに見合う
財源配分
ということになりますと、これは
税制調査会
の
議論
もあわせて
検討
していかなければならないわけでございますけれ
ども
、この一年間
延長
した中で集中的に御
議論
をいただいて、そして適切な方策を見出していただくというのが
延長
後の
地方分権推進委員会
に課せられた仕事ではないか、そのように
認識
をいたしております。
藤井俊男
17
○
藤井俊男
君
財源
を含めまして
税財源
の問題が今後の
最大
の
検討課題
であるとするなら、今、
大臣
からも
税制調査会
で集中的に
議論
していく旨もお話しされておりますけれ
ども
、私は、一年の
延長
では短過ぎるんではないかと思うんです。その
課題
の大きさから見れば、一年ではなく三年なりやはりもっと五年ぐらい
延長
すべきではないかという考えを私は持っておるんですけれ
ども
、一年だけで大丈夫なのかどうか。再度の
延長
はないんですか。ちょっとこの辺についてお聞きしたいと思います。
総務庁長官
、どうですか。
続訓弘
18
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 先ほど
阿南委員
の御
質問
の中に
小渕
前
総理
のお言葉がございました。
地方分権一括法
を提案するに際して、要するに退路を断つ、五年間で集中的に
審議
をしていただいて
結論
をいただく、そのための五年間の
時限立法
だと、こういうお話が前
総理
の
答弁
の中であった、こういうことが先ほど述べられました。まさに私は、そういう
意味
で待ったなしの
議論
をしていただく、そのための
時限
が五年間だったと存じます。 したがって、今それでは足らない、現に足らなかったじゃないか、今回の一年の
延長
に対しても、今、
自治大臣
からも御
答弁
がございましたように
財源配分
の問題は大変重要な問題である、だとするならば一年間では難しいんじゃないかという御
議論
、全くそのとおりだと存じますけれ
ども
、いずれにいたしましても、私
ども
としては一年間で
議論
を尽くし
一定
の
結論
を出していただく、そういう
趣旨
で一年間の
延長
をお願いしている、こういうことで御
理解
を賜りたいと存じます。
藤井俊男
19
○
藤井俊男
君
総務庁長官
の、
提案者
から見た場合、それは
理解
いたすところでありますが、
自治大臣
からお聞きしますと、非常にこの問題、
税制
問題が重要な中で、集中的に
議論
していくという形の中で私の先ほど
質問
いたしました
関係
についてはどうとらえておるのか、お答えを賜れば幸いです。
保利耕輔
20
○
国務大臣
(
保利耕輔君
)
総務庁長官
からお答えのように、やはり
時限
を切って、そしてきちんとした
結論
を得るように努力をしていただくというのが私
ども
の基本的な考えでありまして、時間がやや短いではないかという御
指摘
は私
ども
も
理解
するところでございますけれ
ども
、一応のゴールをつくって、そこで十分に
議論
をしていただいて詰めていただくということを期待いたしております。
藤井俊男
21
○
藤井俊男
君 先ほ
ども
お話ししましたが、
分権
推進に当たって、私は、
権限
、
財源
、
人間
の面から見た場合、
分権一括法
の
法律
が、四百七十五本の
法律
ですけれ
ども
、誕生しまして、
権限
の移行をまず国から県、県から市町村へ、この辺の移行の
関係
は着実に移行されてきたのかどうか、この辺についてはどうですか。お聞きしたいと思います。
保利耕輔
22
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) 御
指摘
の
権限
、
財源
、
人間
、三ゲンというお話、大変私も興味深く伺っておりますし、非常に重要な御
指摘
だと思います。 今度
施行
されました
地方分権一括法
におきましては、森林法を初め三十五の個別の
法律
を
改正
いたしまして、国の
権限
を都道府県あるいはその都道府県の
権限
を市町村に移譲したところでございます。さらに、あわせまして
地方
自治
法を
改正
いたしまして、二十万以上の都市に対して
権限
をまとめて移譲いたします特例市制度をつくっておりまして、現在五十九ほど二十万以上の都市がございますが、そのうち三十一の市が特例市への移行を希望しているというようなことであります。事務処理の特例制度についても、すべての都道府県において条例の制定や
改正
が行われましてその活用が図られるなど、
権限移譲
の動きは着実に進展しているものと
認識
をしておりますが、今後とも、さらなる
権限移譲
を含め
地方分権
の一層の推進に私
ども
としても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
藤井俊男
23
○
藤井俊男
君 積極的に取り組んでいく姿勢が示されておりますけれ
ども
、
地方
はこの間の
分権
推進に当たって、受け皿づくり、そしてまた実施に向けた
取り組み
に大変な苦労をされたとお聞きいたしております。 そこに来ましてこの四月から介護保険が導入をされて、
地方
はそれ以上に四苦八苦の
状況
もあったとお聞きをいたしておりますけれ
ども
、
財源
の問題、
権限
から私は
財源
で先ほ
ども
触れましたけれ
ども
、
財源
については国、
地方
を合わせて六百四十五兆ということで、また
地方
でも百八十四兆円も借入金が残っておるということで非常に
財源
不足が続いておりまして、
自治
体は
財政
の健全化に向けて徹底した
行財政改革
に取り組んでおるわけであります。
財政
基盤の確立が望まれておりますので、この辺について
自治
体を運営するための
税財源
の
分権
改革
が必要と私は思っておりますが、そこで、この
財源
について、現段階として
自治大臣
としてはどういうふうにとらえて、またこの
地方
自治
体を見ているのか、この辺ちょっとお聞かせを賜りたいと思うんです。
保利耕輔
24
○
国務大臣
(
保利耕輔君
)
地方
自治
を行ってまいります場合の
財源
の確保というのは非常に大事でありますが、御
承知
のように安定的な
財源
としては固定資産税がございまして、これは
景気
の変動にかかわりなく、そう大きな変動なく入って安定的な収入
財源
になっておる。 しかし、一方の法人事業税につきましては、非常に
景気
に左右をされまして大きく変動する。大きな変動がある
財源
によって仕事をするというのは非常に難しさがございますので、そこへ
外形標準課税
を導入して安定的な税源にしていこうという動きがある。
東京
都がそれについて先行しておやりになったわけでございますが、
全国知事会
からも、これは安定的な
財源
にするために全国一律の
外形標準課税
を考えてもらいたいということで、目下
政府
税制調査会
において真剣に御論議をいただいておりまして、私の方からもこの御要請をいたしております。 そういう安定的な
財源
を確保するということ、さらにまた、今度
地方分権一括法
で認められました法定外目的税というようなものを活用して
財源
を確保するというような形で税源をできるだけ安定的に確保していく、しかも、それは偏在性が少なくて、さらに安定性を持った
財源
の構築でなければならないということであります。 しかし、遠い将来、遠い将来ということはありませんが、できるだけ早い方がいいかもしれませんけれ
ども
、もっと抜本的な
税制
の
改正
が必要ではないか。もう少し国から
地方
へ基本的な移譲、
財源
移譲をすべきではないかという御
議論
もございまして、これは
税制調査会
の中におきましても、私
ども
からもお願いをし、また
財政
当局ともいろいろ協議を重ねていかなければならない事項である、このように
認識
をいたしております。 このようにして、安定的な
財源
を
地方
に回していくということに努力をしていくことが私
ども
の
役割
である、このように
認識
をいたしております。
藤井俊男
25
○
藤井俊男
君 強い決意が示されておりますけれ
ども
、先般の
地方分権
の推進を図るための
関係法律
の整備についても、附帯決議で参議院の場でも
財源
の問題で
地方
を通ずる税体系を抜本的に
検討
してほしいということを言っております。また、衆議院の場でもそのような形でこの
地方
税財源
の充実確保に向けた附帯決議もなされておりますので、ぜひ
地方
においてこの
税財源
確保に向けて抜本的な
改革
、これが強く求められておりますので、よろしくひとつお願いしたいと思います。 以上で、時間でございますので終わります。 ありがとうございました。
佐藤泰介
26
○
佐藤
泰介君 民主党の
佐藤
泰介でございます。 私は、まず
法案
から少し離れるかと思いますけれ
ども
、
地方分権推進法
の一部を
改正
する
法律案
に関連して
質問
させていただく前に、この連休を挟んで社会的にも衝撃的な少年による犯行が続いて発生しました。この問題について少し伺わせていただきたいと思います。 私も二十年余の教員生活をしてきた者として、少年が人の命の重さを
認識
できず、多くの人を傷つけ死に至らしめた事実に大きな衝撃を受けています。なぜ、子供たちが私たちの
理解
を超えた生命を軽視する行動をするのか。ここにも、家庭や学校、地域社会で子供を育てる過程で今日私たちが気づかなかった要素が現代社会にあるのではないか、このように思っております。 私は、人の命を大切にする教育として人権教育、もちろん学校教育だけでなく、生涯にわたる学習を通しての人権教育、啓発が必要ではないかと考えております。折しも、ことしは人権教育のための国連十年の折り返しの一年で、今後どのように
取り組み
を進めていくか、国全体としても大切な時期にある、このように思っております。 そこでまず、この事件に関して、人権問題にもかかわってこられた
総務庁長官
の率直な所見をお聞かせいただければと、このように思う次第です。
続訓弘
27
○
国務大臣
(続
訓弘
君)
佐藤
委員
は、長年教育に携わってこられました。そういう思いから、今少年犯罪をめぐる問題に対しての御
質問
があったと存じます。 今回の事件に対しまして、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された
方々
の一日も早い全快をまずお祈り申し上げます。 そこで、青少年
行政
を所管する私としては、少年非行一般が深刻化していることを重く受けとめるべきだと考えております。この少年非行の深刻化は、社会の基本的なルールについての
認識
の希薄化といった社会風潮や少年を取り巻く環境の悪化等、広範な要因が相互に絡み合った問題であると存じます。 この問題につきましては、昨年七月に出された青少年問題
審議会
の答申等を踏まえ、家庭、学校、地域社会等が協力して社会が一丸となって取り組んでいくことが必要との
認識
のもとに、
関係
省庁
と連携して社会全体の
取り組み
の促進に努めてまいりたいと考えております。 このため、私といたしましては、今週中に
関係
省庁
の局長クラスで構成されている青少年対策推進
会議
を開催し、深刻化する少年非行にどのように対処するか協議するよう事務当局へ指示したところでございます。
佐藤泰介
28
○
佐藤
泰介君 今、長官の
答弁
にもございましたように、すぐこういう事件が起きると、どこに
責任
があって、生育歴がどうでというような
報道
に終始されることを私は非常に残念に思っております。今言われたように、かなり複合的な要因あるいは社会変化あるいは大人たちの
責任
、政治の
責任
もあるかとも私は思っております。 そうした
意味
で、今直ちにその対策に向けての
会議
を招集されるということと同時に、事件に対する対処と、それからこれからの青少年の健全な育成に向けて両面からの
取り組み
が非常に必要ではないか、このように思っております。 私は、だれもが自由に安心して地域でともに暮らせる社会をつくっていくためには、先ほど
人間
関係
が希薄になったというようなお話もございましたけれ
ども
、人権抑圧や人権侵害を引き起こすさまざまな無
理解
な偏見、差別意識という土壌を
改革
し、多様な文化や価値観の共存を認め、お互いの違いを
理解
し人権を尊重する、まさに二十一世紀に向けて人権文化を創造していくことが極めて重要だ、このように考えております。 そのため、今回の事件で問題となっている、人の命を大切にすることに限って言いますと、これまでの人権教育、啓発の
取り組み
についてまだまだ不十分であると私自身も反省しております。 そのことについて、人権に対する
行政
を担ってこられた総務庁として、
省庁
再編に際し、人権
行政
を総合調整、企画推進していくための部局、例えば人権
行政
推進局的なものをこれからの中央
省庁
再編の中で
内閣
府もしくは総務庁に
設置
するようなお考えはお持ちになってみえないのかどうか、長官にお尋ねをしたい、このように思います。
続訓弘
29
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 今、
佐藤
委員
御
指摘
のように、人権教育、啓発に関する
施策
の推進が
政府
全体として取り組むべき重要な
課題
であるということは、まさに御
指摘
のとおりでございます。その推進に当たりましては、中央
省庁
等
改革
基本法及び法務省
設置
法に基づき、人権啓発を所掌することとなる法務省を初め
関係
行政
機関が十分に協力していくべきものであり、既に国会で御議決いただいたこれらの
法律
に基づき法務省が所掌することを御
理解
賜りたいと存じます。
佐藤泰介
30
○
佐藤
泰介君 私は、今の
答弁
で法務省の人権擁護局のことを指してお話しなされたのかというふうに思いますけれ
ども
、人権侵害に対する機関だと、私はそのように思います。もっと広範な人権教育、啓発、人権救済だけではなくて広範な人権啓発に
取り組み
を強化していかなければ、やはり二十一世紀人権文化といってもなかなかおぼつかないのではないか。 例えば、人権教育のための国連十年推進本部、これは本部長は
内閣総理大臣
、そして各
省庁
が協力をして人権教育、啓発に取り組んではいるんですけれ
ども
、国際的にも人権後進国とも言われる
部分
もあります。そして、
内閣総理大臣
を本部長とする重要な位置づけであるにもかかわらず、その体制とか予算は極めて限られたもので、国内
計画
に関して
責任
を持って実施していくものとはなり得ていないと言わざるを得ないというふうに思います。 したがって、既存の機関ではなくて新たな機関を設けて早急に、そうした対処ではなくて、これからの防止といいますか、これからの子供たちの健全育成に向けてそうした
部分
での予算とか人員の補給を行う体制、そんなものを考えていくと、今各
省庁
に人権問題がまたがっているものを、
総理
大臣
が本部長となる推進本部の事務局的なものとしてのそうした総合的な人権
行政
推進局のようなものが私は必要であろう、そういうものを
設置
しないとなかなか縦割りの中で連携がうまくいかないんではないかとつくづく思っているわけです。 今、
大臣
は法務省の人権擁護局のことを言われましたけれ
ども
、この擁護局自体も私はむしろ、人権救済問題ですから、法務省の中よりは外へ出して、外局にして独立機関にした方がいいんではないか、こんな考えを持っている者として、同じような
答弁
になるかもしれませんが、そうしたことを
検討
していただく余地はないのか、そのことについて再度伺わせてください。
続訓弘
31
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 今、
佐藤
委員
から縦割り
行政
云々という御
指摘
がございました。確かに今までは各省がそれぞれ少しずつ
権限
を持って、そして今のような問題に対処をしていたわけでございますけれ
ども
、今回、
省庁
再編の目玉は何かといえば、そういう縦割り
行政
の弊害を除去して、例えば今、人権問題であるとするならば法務省に一括をすると。そして、従来は人権の擁護の問題だけであったけれ
ども
、救済の問題も、そしてまた啓発の問題も教育の問題も総合的に法務省が所管をすると。それで、同時に各省に対して
意見
を求める、あるいは総合調整を働かせる、そういう
役割
分担が今回新たにでき上がりました。 そういう
意味
では、
佐藤
委員
の御
質問
の
趣旨
に沿うような
行政
がこれから行われる。それは今の問題だけでございません。すべての問題に対してそういう調整権が発動できるような、そういう仕組みに今回の
省庁
再編の中で考えたということでございます。 また、予算の問題に対しても、そういう
意味
では魂を入れるということでございますので、御
理解
を賜りたいと存じます。
佐藤泰介
32
○
佐藤
泰介君 大分前にも同じような
答弁
をお聞きしたような、長官からではございませんけれ
ども
、ほかの
委員会
でも同じような
答弁
をいただいたように思います。が、なかなか改まってきていない。それを今強い決意で縦割り
行政
から集中をさせて、予算も集中をさせて、その弊害が出ないようにという決意をお述べになりましたので、きょうはこれ以上この問題についてお聞きすることを避けますけれ
ども
、ぜひ、ばらんばらんになっている人権教育とか啓発の問題をもう少し集中的に扱えるような部局の
設置
の必要が生じればさらに
検討
を加えていただきたい、私はそのことをこれからも要望してまいりたい、このように思っておりますので、よろしくお願いします。 次に、
地方分権
推進に関して、
政策
評価について
総務庁長官
に
質問
をさせていただきたいと思います。 総務庁の
行政
監察は、会計検査院の会計検査と並ぶ国の
行政
監査制度の二本柱でありますが、これまでの
政策
評価能力については不十分であったと私は思っております。 このことは、
平成
九年の
行政
改革
委員会
最終
意見
でも、
行政
監察は、
行政
監視機能
としては
一定
の
役割
を果たしているが、
行政
に課せられた
説明
責任
の高度化により、より高度の
政策
評価機能としては不十分だと
指摘
されています。 これを受けて、
平成
十一年一月に中央
省庁
等
改革
に係る大綱を作成し、各府省に
政策
評価専門の部門を設け、新設する総務省に府省横断的な
政策
評価等を担うほか、現行の
行政
監察機能を引き継ぐこと、これらの実施体制として
行政
監察局を
行政
評価、
監視機能
を担う部局として改編することを挙げています。 ここで十分に
政策
評価を行う条件として、私は人員や専門能力、予算あるいは
権限
の付与の仕方が大変重要になってくるであろうと思います。かつ時間を要するものと見なくてはならないと思いますが、これらについて具体的にどのように考えておられるか、
説明
をしていただきたいと思います。
続訓弘
33
○
国務大臣
(続
訓弘
君)
佐藤
委員
御
指摘
のように、今回の
省庁
改革
の目玉は何といっても情報公開を徹底するということ、主権者である
国民
の皆様に徹底的な情報公開をして批判を仰ぐということが一つ。 それとあわせまして、税金の重みをやはり十分知る必要がある。そして、効率的な予算を編成する必要がある。そのためには、何といっても今御
指摘
のような
政策
評価が十分になされなければならない。それは、着手の段階、そして着手後の段階、そしてさらには完成後の段階等々でしっかりした
政策
評価をやり、その
政策
評価の過程も、先ほど申し上げましたように
国民
の皆様にディスクロージャーする、全部公開をする、こういう仕組みが一応でき上がりました。 それで、今御
指摘
もございましたように、各
省庁
がそれぞれの
政策
に対して評価できるような仕組みが各
省庁
に設けられましたけれ
ども
、あわせて総務省に、今回総務省には、それぞれの
省庁
が評価されるものをさらに客観性を高めるために総務省が総合調整をするという、そういう仕組みがございました。その仕組みの中で、今まで以上のやはり努力といいますか、これをやって
国民
の皆様の御期待にこたえる必要がある。 そのためには、それでは人員はどうなるのか、予算はどうなるのかという御
質問
でございますけれ
ども
、現在百六十一名の職員がこれに従事しておりますけれ
ども
、これを何年か
計画
で二百人にふやすという
計画
も我々の中で
議論
しておりますし、さらには予算の問題に対してもちゃんとした予算をお願いしたい。例えば、来年一月六日に組織が新しくつくられますけれ
ども
、それに対する三カ月分の予算として七千万円を既に組んでございます。したがいまして、来年は、
平成
十三年度は丸々一年分でございますので、今御
指摘
のような事案にかなうような人員と予算をちゃんと組んで、そして御期待に沿えるような仕事をさせていただきたい、このように思います。
佐藤泰介
34
○
佐藤
泰介君 大変な力を入れた
取り組み
という御
答弁
がございましたけれ
ども
、私は
行政
監察と
政策
評価とはかなり違った
手法
になろうと思いますし、相当な助走期間も必要であろうと思いますし、今話がありましたようにコスト、費用、人員、時間、相当こうしたものに配慮していかなければなかなか効果を上げていくことができないのではないかということを危惧いたしておりますが、いずれしても、どのような
権限
が付与されるかということも大きな
課題
であろうというふうに思います。と同時に、明確な評価ルールとシステムの策定が必要であろう。さらには、あわせて有識者による第三者のチェックも必要なんではないかというふうに思います。 このことを申し上げて、時間がそろそろ来ましたので、こうした
政策
評価の問題も含めて、これからの
地方分権
を推進していく場合に、こうした
政策
評価の問題は避けて通れない
課題
だと私は思います。今後、これらの問題に一層強力に取り組まれ、
地方分権
を推進していかなければならない重要な時期だと私は考えております。 これらの問題を解決しつつ、
地方分権
推進に向けた長官の決意をお
伺い
して、私の
質問
を終わります。
続訓弘
35
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 今、
佐藤
委員
からいろいろと御示唆に富む御発言をいただきました。私
ども
としては、それを真摯に受けとめて、
地方分権
の推進に大いに意を用いたい、このように思います。御指導のほどをお願い申し上げます。
佐藤泰介
36
○
佐藤
泰介君 ありがとうございました。
富樫練三
37
○富樫練三君
日本
共産党の富樫練三でございます。
分権
推進法
改正案
について何点か
伺い
たいと思っております。 まず第一には、
推進委員会
と
政府
の
関係
の問題について最初に伺っておきたいと思います。 九六年の三月に中間報告が出されました。同じ年の十二月に第一次
勧告
、さらに九八年には第五次
勧告
が出されたわけでありますけれ
ども
、この一連の経過の中で中間報告の
内容
と、それから一次から五次までの
勧告
の
内容
、ここに大きな変化があるということが従来から
指摘
されていたわけでありますけれ
ども
、その違いというのは、中間報告では機関委任事務制度の廃止や、あるいは
必置規制
、
国庫補助負担金
の
改革
、
地方
に対する
税財源
の拡充の確保などについて、ある
意味
では中間報告は大変積極的に
地方
自治
権を拡充する、こういう立場を鮮明にされていたというふうに思います。その
内容
は、大変格調高いものだったというふうに言われております。 ところが、その後、第一次
勧告
を作成する前のあたりから、
分権
推進委員会
はその
審議
方法を大きく転換させることになった、こう言われております。それは、
勧告
をするに当たって
政府
の側から見れば
勧告
内容
は実行可能なものであること、したがって各
省庁
と合意した事項のみについて
勧告
するということにならざるを得なかった、こういうふうに表現もされているわけなんです。 そこで
伺い
ますけれ
ども
、中間報告とその後の
勧告
の違いについて、きょうは
自治大臣
及び推進委
員会事務局長
さんにおいでいただいていると思いますけれ
ども
、その中間報告と
勧告
の違いについてどのような
認識
をお持ちなのか、この点について
大臣
及び事務局長に
伺い
ます。
保坂榮次
38
○
政府参考人
(
保坂
榮次
君) お答えいたします。
地方分権推進委員会
は、今、先生がおっしゃいましたように、これまで五次にわたる
勧告
を
内閣総理大臣
に提出いたしましたが、これらの
勧告
は、明治以来の中央集権型
行政
システムを変革し
分権型社会
を築くという究極の目的には一朝一夕に達成できるものではなく、まずはその道筋をつけることが大切であるという
認識
に立ちまして、
政府
の作成する
地方分権推進計画
に着実に具体化され実施に移されるよう、現実的で実現可能な
内容
となるようにしたものでございます。 一方、
平成
八年三月二十九日の中間報告は、
委員会
のその
時点
における基本姿勢と
検討
方向を明らかにしたものでございまして、広く各界各層の
理解
などを求める
趣旨
のものでありました。
委員会
の最終
結論
を提示したものではなかったものでございます。
委員会
といたしましては、この中間報告を調査
審議
の踏み台にいたしまして、
地方分権
推進に関する
委員会
の基本姿勢を維持しながら
関係
各界との
意見
調整に努めまして、具体的な指針の
勧告
に向けて精力的に調査
審議
を進め、
勧告
を取りまとめたものでございます。
保利耕輔
39
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) 今御
指摘
の点でございますけれ
ども
、基本的な
考え方
、方針というものは、私は
変更
があったとは
認識
をいたしておりません。 なお、中間報告というのは、今も御
答弁
ありましたように、その後の調査
審議
の、これは原文のままですが、踏み台とするために広く各界各層の
意見
を求めるために提示した文書である、そのように
理解
をいたしておりまして、理念等を高らかにうたったという形のトーンになっております。 私といたしましては、
地方分権推進委員会
の
勧告
などの
活動
は、
我が国
の中央集権
行政
システムを根本から変革して、
地方分権
を推進するための具体的指針の全体像を示したものであると思いまして、高く評価をいたしているところであります。
富樫練三
40
○富樫練三君 中間報告では、大変格調高く理想を掲げたというか、ある
意味
では
憲法
で定められた
地方
自治
権について、真正面から取り組むというか、それを実現しようという意図があったというふうに、私も中間報告を読んでそういうふうに
理解
をしているわけですけれ
ども
、さまざまな
問題点
はあるとしても、基本はそういうことであったろうと。 ところが、各
省庁
との合意事項のみを
勧告
する、こういう中身にする、現実的なものにすると、先ほど
答弁
ありましたけれ
ども
、そういうことによって
自治
権の拡充という点について大きく結果としては後退したんじゃないかということが言われているわけなんですね。
推進委員会
の
議論
の中身よりも
政府
の方針の方が優先される、こういう結果になったのではないかと思うんですけれ
ども
、例えば機関委任事務制度、これは廃止はするんだけれ
ども
、
法定受託事務
として国の関与は大きく残す、
地方
の
税財源
拡充に関しては、事実上これは実行はしないというか、第五次までの
勧告
とその後の
一括法
では、
税財源
の移譲については実現はしないと、こういうことですね。これは、
推進委員会
が本来掲げた
課題
は結局のところ中途半端になってしまった、こういうことだったと思うんです。したがって、
課題
は引き続き残された、こういうことだと思うんです。 私は、ここで
分権
推進委員会
を引き続き
設置
して一年間
延長
するという場合に、二つどうしても必要な条件があるだろうというふうに思うんです。一つは、
推進委員会
の中での自由な
審議
、これをしっかり保障するということですね。各
省庁
から、これはだめだあれはだめだ、こういう
勧告
を出されちゃ困ると、こういうことではなくて、自由な討議と自由な
勧告
、これをできるようにするということ。もう一つは、
政府
の側から
推進委員会
の
結論
や
勧告
の中身にあらかじめ枠をはめないということが必要だと思うんです。枠をはめなかったのは中間報告なんです。ところが、第一次
勧告
から第五次
勧告
までは
政府
の側が逆に枠をはめたんですよね。その結果、中途半端なものになったわけです。 ですから、こういう最低二つの条件が必要だというふうに思いますけれ
ども
、
自治大臣
と事務局長の見解を伺っておきたいと思います。
保坂榮次
41
○
政府参考人
(
保坂
榮次
君) お答えいたします。
地方分権推進委員会
は、自由な活発な討議をしていただくという雰囲気のもとでこれまで引き続きやってきております。また、
政府
の方から、これについて具体的にこうしてくださいというようなことにつきましては、これまで私
ども
につきまして、この点についてはこうだとかというような点についてはございませんでした。
保利耕輔
42
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) 私も就任後
諸井委員長
とお会いをいたしましていろいろお話を伺わさせていただきました。極めて自由闊達な
議論
をいたしておりますと、また
政府
からいろいろ
意見
を聞きますが、やはり
推進委員会
は
推進委員会
としての独自性のもとに仕事をしていきたいということでございまして、おっしゃいますようないろいろな枠はめみたいなことがきつく行われたというふうには私は
理解
をいたしておりません。
富樫練三
43
○富樫練三君 きつく行われたかどうかというのは、それは
認識
の差はあるだろうと思いますけれ
ども
、最初から実は推進
委員
でありました
委員
の
方々
はいろんな場所でいろんな発言をしているんですね。既にこういう厚い本も発行されておりますし、どういう経過だったかということも出されておりますし、調査室のこういう資料も出されているわけなんですけれ
ども
、共通しているのは、第一次
勧告
をするに当たって、先ほど
審議
のあり方を変えたというふうに言いましたけれ
ども
、幾つかのグループに分かれて、そのグループが各
省庁
と協議を重ねて、その結果合意に達したものを
勧告
にすると、こういうふうになったわけですね、その進め方の問題として。その中で実はどんどん枠がはめられていく。合意に達しなければこれは
勧告
にはならないわけです。 ですから、
税財源
の移譲の問題というのも、そういう中で結局のところは日の目を見ないで、第五次
勧告
までの間あるいは法制化の段階ではこれはできなかったと、こういうことだったと思うんです。 したがって、私が言ったその二つの条件、枠をはめないこと、自由な討議ができること、これはしっかり
諸井委員長
さんの方にも事務局長の方から伝えていただきたいし、
自治大臣
もそういう立場で臨んでいただきたいというふうに思います。 その上で私は、実際の問題として、ひとつ
権限
の移譲の問題について伺っておきたいと思います。 従来ありました機関委任事務五百六十一事務のうち、引き続き
地方
が行うという事務が五百三十、そのうち
法定受託事務
として国が
権限
を持つ、これが二百七十五、結果として四〇%はいわゆる
法定受託事務
、国が
一定
の
権限
を持つと、こういうものとして残されたわけなんです。私は、この二百七十五の
法定受託事務
に関して、当初
推進委員会
の方は、八割は
地方
に
権限
を移譲して二割程度は残るかもしれないと、こういう方向だったのが、それが、八対二が六対四になって、結局
法定受託事務
はふえたわけなんですね、二割だったのが四割になったわけですから。 そういう点で、改めてこの二百七十五の
法定受託事務
について洗い直してみて、
地方
に対する
権限移譲
を改めて行うべきだというふうに思いますけれ
ども
、
自治大臣
の見解を伺っておきたいと思います。
保利耕輔
44
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) 政治はある
意味
で現実のものでありますから、いろいろな
意見
を聴取しながら一つの文章をつくっていくということは、これは現実の問題としてあり得ることだ、私はそう思います。 それで、今後の問題でありますが、
法定受託事務
を
自治
事務の方へ移していくことが可能かどうかということでありますが、これは
議論
の要るところでございますけれ
ども
、社会情勢の変化等その他に応じましてその区分の見直しが行われ得るもの、見直されることがあり得るというふうに私は
理解
をしておりまして、そのことをまた
推進委員会
の方にもお願いをしなきゃならぬと。それはよく
検討
の上ということになろうかと思いますが、私はこれは、
自治
事務の方へ移行させるということは
検討
すべき事項だと思っております。
富樫練三
45
○富樫練三君 ぜひそこは積極的に進めていただきたいと思います。 その上で、
自治省
の
分権
に対する
考え方
というか、
自治省
が現実にやっていることとの
関係
で幾つか伺っておきたいと思います。 一つは、
地方
行革に対して
自治省
がああしなさい、こうしなさいということを余りにも強力に干渉し過ぎるという傾向が従来あったけれ
ども
、この
分権
を推進するという
一括法
が通った後もやっぱり同じように行われているんじゃないかという点についてなんです。
推進法
の第二条基本理念のところでは、「
地方公共団体
の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図る」というふうに
規定
されているわけなんですね。ところが、実際には
地方
行革の押しつけが行われているというふうに思います。特に福祉とか教育とか生活環境問題、こういう点に関して、もちろん国として
国民
的な全国的な最低水準、これを維持するという国の
責任
はありますよ、福祉についても、教育についても。これは必要なわけですけれ
ども
、ところが、それを超えてさまざまな干渉、
意見
が出されている。 一つは、国庫
負担
金や補助金あるいは交付税などの制度を通じてむしろ
政策
誘導しているという傾向が一つです。 もう一つは、通知、今度は通達というのはなくなったはずですから通知ということなんだと思うんですけれ
ども
、そういうものが次から次に出されている。特に定員管理の問題や人件費に関する
行政
指導、これについては、例えばアルバイトにしたりパートにしたりせざるを得ないような人員削減を求めたり、あるいは福祉や何かでは民間委託にするとか民間に移譲するとか、今大変問題になっているのは、介護保険を通じて、ホームヘルパーさんが今までは公が
責任
を負っていたのが今度は民間の事業者に全部渡すということで、公は
責任
を負わないようにして公の方は縮小するというふうな格好です。こういうことも行われている。 ここに通達がたくさんあります。
自治省
の事務次官通達から課長の通達から、それから事務の合理化というか縮小のための具体的な手だて、これをやるようにという通達がたくさん出ているわけなんですけれ
ども
、私は、これは
分権
を推進するという立場とは逆行するものだというふうに思うんです。ですから、こういうのは直ちに私はやめるべきだというふうに思いますけれ
ども
、
大臣
、どうですか。
保利耕輔
46
○
国務大臣
(
保利耕輔君
)
地方
の行革その他
地方分権
に絡みますいろいろな仕事につきましては、
地方
自治
体が自主的そしてまた主体的に取り組んでいくということが求められているところだと、私はそのように
理解
をいたしております。 なお、いろいろな形で指針等を示しておりますけれ
ども
、
地方分権推進委員会
におきましても、「国は、
地方公共団体
における
行政
改革
大綱の改定・実施が円滑かつ確実に行われるよう、新たな指針を策定する。」というようなことがございまして、そうしたものを策定して
地方公共団体
にお示しをしているところでございますし、また
地方
自治
法の二百四十五条第一項で
規定
をしております技術的な助言、
勧告
、これはむしろやらなければならないということで、そういった面から技術的な助言、
勧告
をいたしておるというのが現状でございます。 しかし、御
指摘
のような干渉ということは決してしてはならぬ、やはり
勧告
にとどめるべきもの、助言にとどめるべきもの、このように
理解
をいたしております。
富樫練三
47
○富樫練三君 干渉はしていない、助言だと、こういうことのようなんだけれ
ども
、そこは非常に微妙なところで、事実上は
行政
指導という形で干渉にわたる
部分
まで含めて私はやられているというふうに思います。 例えば、それとの関連でいつも自主的な市町村合併と、こう言うんですね。
法律
にもそうなっています。自主的なというのは頭に必ずついているんです。ところが、ちっとも自主的な市町村合併ということにはなっていない事実があるのではないかというふうに思います。 これは
分権一括法
の中で市町村合併に対する
法律
も改定されたわけなんですけれ
ども
、実際は国から強力な合併の働きかけが特に都道府県を通じて市町村に行われる、都道府県に合併の
計画
を立てさせる、こういうことをやらせていますよね。それで、
自治省
に対して、これは決まってはいないんだけれ
ども
事実上
自治省
にちゃんと報告が来る、義務づけるというか。どう見ても自主的なものとは思えない、そういうものだと思うんです。 ここに、これは
自治省
の資料ですけれ
ども
、合併の推進についての要綱作成
状況
という全国の都道府県の一覧表があります。これ、
自治省
がつくった資料なんです。こうやって発表するわけですよ。 そうしますと、これが発表されると、うちの県はどうだ、うちの県はまだおくれているとかどこそこは進んでいるとか、こうなるわけです。これを全部やりますと、どこだってこれはそれなりのプレッシャーにはなるということです。こうやって、まだあなたのところは
計画
は出ていませんねと、これが発表されれば無言のうちにそういうことになるわけです。 こうやって事実上合併を促進する。これは自主的な合併とは言えないんです。しかも、これには合併のパターンを事細かく書いてあって、こういうパターンでやったらいかがですかと。それが先ほど
大臣
の言った中身なんだろうと思うんです、指針を示すと。指針を示して、その中から選択してどれでいくのか選んでくれみたいな話になっているわけですよ、実際には。 ですから、そういう点ではこれは明らかな都道府県の
行政
と市町村の
行政
に対する
自治省
からの干渉だというふうに言わざるを得ないと思うんです。こういうことも私は直ちにやめるべきだというふうに思いますけれ
ども
、いかがですか。
保利耕輔
48
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) 御
指摘
の市町村合併の推進についての要綱で
知事
さん方にケーススタディーとしてお願いをいたしております。 市町村合併というのは、頭の中で描いたということよりも、むしろ現実的な姿がどういうものであろうか、それをやはり
地方
自治
体の方からお示しをいただく方がよろしいのではないかというような観点から、ひとつ勉強してみていただきたいんですがということでお願いをしているのがこのものであります。 今お示しをいただいたのでは、ことしの末、遅くとも本年度内には大体出そろう形になっておりますが、これは各都道府県、それぞれ取り組んでいただいておりまして、市町村合併が現下の
状況
からいって必要だという観点に立って、現実的な姿を描いてみようということで作業をしていただいているわけでございまして、決して私
ども
から押しつけてそういうものをつくれ、こう言っているわけではございませんので、その辺は御
理解
をいただきたいと思います。
富樫練三
49
○富樫練三君 時間が来ましたので最後にしますけれ
ども
、私は、きょうの
議論
の中で、一つはやっぱり
権限
をもっと移譲するべきだと。その
権限
の移譲と、もう一つの大きな柱になっているのが
財源
の移譲ということだと思うんです。 ところが、これは全然行われていないということですから、これを一年間
延長
するということであれば、その中で確実に
財源
の移譲についての方針を明確にするということが今度の課せられた
課題
だというふうに思いますので、これは
大臣
の方からむしろ
推進委員会
の方に改めて積極的にそういう立場で働きかけるということも要請するということが必要だというふうに思いますので、
大臣
の最後の見解を聞いて、
質問
を終わります。
保利耕輔
50
○
国務大臣
(
保利耕輔君
)
自治大臣
の立場から申しますれば、当然そのことは要請していかなければならないということは私自身が考えていることでございますので、よく頭に入れて対処したいと思います。
富樫練三
51
○富樫練三君 終わります。
日下部禧代子
52
○
日下部禧代子
君 社会民主党・護憲連合の
日下部禧代子
でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 百四十五国会で
成立
いたしました
地方分権一括法
がいよいよ本年四月一日から
施行
されております。しかしながら、今回の
改革
というのはスタートにすぎないというのが共通の
認識
でございます。 そこで、
地方分権推進委員会
の大変な御努力にこたえるためにも、早急にセカンドステップ、第二歩のスタートを踏み出さなければならないと思いますが、国として
計画
を当然お持ちのことと思いますが、次なる
地方分権
改革
のプログラムをまずお示しいただきたいと存じます。
続訓弘
53
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 日下部
委員
の御
質問
にお答えする前に、実は森
総理
が百四十七国会の所信表明をされました。その中で、
地方分権
の問題について触れておられます。
政府
におきましても、
地方分権
の推進や来年一月の中央
省庁
再編の実施を通じて
行政
改革
を徹底的に推進するという方針が述べられました。 御
質問
にもございましたように、
一括法
が四月一日から
施行
されまして、まず最初の第一歩をしるしたわけでございますけれ
ども
、不断の努力を森
総理
も誓っておられますし、我々自身も、今御
指摘
のようにそれは第一歩であるという
認識
のもとに
地方分権
の推進に努力をしてまいりたい、このように考えております。
日下部禧代子
54
○
日下部禧代子
君 私は、プログラムをお示しいただきたいと申し上げました。御決意のほどは今
伺い
ました。プログラムのことについて。
続訓弘
55
○
国務大臣
(続
訓弘
君)
地方分権
推進のプログラムにつきましては、今回の一年間の
延長
の中で
委員会
が精力的に
議論
を進めていただけるものだと、このように私
ども
は期待を申し上げているわけであります。
日下部禧代子
56
○
日下部禧代子
君
推進委員会
は
推進委員会
のお仕事をこれからやっていただくわけでございますけれ
ども
、第五次までの
勧告
を受けた形、その先のことは、やはり
諸井委員長
もおっしゃっておりましたが政治の出番であるということでございます。したがいまして、やはり政治の方が何をやるかというその意欲を示す、それは言葉だけではなく具体的なプログラムを示すことによって
政府
の意欲というものが形になってくるということだろうというふうに思います。 その点に関しまして、ちょっと今のお言葉は、私にとりましてなかなか満足できるものではございません。そのことを申し添えておきます。 さて、これから
検討
しなければならない
最大
の
課題
は、皆様が御
指摘
になる国と
地方
の
税財源
の見直しでございます。
地方分権一括法
案の
審議
の際に、私の代表
質問
に対しまして
宮澤大蔵大臣
が、
我が国
の経済が年率二%の成長軌道に乗ったときに
税財源
の移譲について
検討
するというお答えをしてくださいました。その
税財源
の移譲についてこのような前提あるいは条件というのを設けるのは、
地方分権推進法
第六条に定める
政府
の責務に反するものではないかというふうに思うわけでございます。ちなみに、
地方分権推進法
の第六条というのは「国は、
地方公共団体
が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と
地方公共団体
との
役割
分担に応じた
地方
税財源
の充実確保を図るものとする。」というふうに定めております。 国の御見解をいただきとうございます。
続訓弘
57
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 日下部
委員
はかつて
政府
の一員でもございました。したがって、今、
宮澤大蔵大臣
の御
答弁
を引用されましたけれ
ども
、具体的な
地方分権
に関する
税財源
の配分こそ
地方分権
推進の重要な
役割
だということはみんな
承知
をしておりますけれ
ども
、しからば
税財源
の配分に対してどういう具体的な決断が現
時点
でできるのかといえば、
宮澤大蔵大臣
がお示しされましたように、ある程度
日本
の経済が成長軌道に乗り、そしてまた、それがコンスタントにそういう持続的な経済成長が遂げられているという
状況
を踏まえないと国と
地方
との
税財源
の配分は難しかろうということの率直な御
意見
ではないかと存じます。 同時に、先ほど
自治大臣
も御
答弁
ございましたように、何といってもこの
税財源
の配分こそ
地方分権
推進の大きな重要な要素である、そういうお互いに
認識
を持ちながら、しからば具体的にどうそれを具体化するかということについては、諸井
委員会
も実は
結論
が出ませんでしたけれ
ども
、いずれにいたしましても、この一年間の中でどういう御
議論
が真摯にしていただけるものか、あるいは真摯にしていただきたい、そして
一定
の方向でも出していただきたいというのが私
ども
の期待でもございますし願いでもございます。
日下部禧代子
58
○
日下部禧代子
君 今回の
地方分権
改革
というのは国の
自治
体への関与の縮小、廃止ということが主たる目的でございます。しかし、関与の縮小あるいは廃止ということについて、通達、通知による関与を極力縮小、廃止するというレベルに今回の
改革
はとどまっているようにも思われるわけでございます。 ということは、
法律
、法令、省令、告示などの法令レベルにおける国の縛りというのはほとんど手をつけられていない状態だと言ってもいいのではないかと思うんです。条例の決定権とか
自治
立法権などの
自治
権というのは、法令で細かく決められてしまいますと、当然それは縛られてしまうということなんです。ですから、国の法令を大綱化するということが本来の
改革
を全うすることにつながるだろうというふうに思うわけでございます。 そこで、国の関与の縮小あるいは廃止という点で問題になるのは、補助金による国の誘導ということでございます。
推進委員会
は第二次
勧告
におきまして、現在の補助金等を
負担
金的なもの、それから奨励補助金的なものとに明確に区別して、奨励的補助金については
整理合理化
の方法を考えるべきであるという
勧告
をしております。 そこで、今その補助金の
整理合理化
についてどのような進捗
状況
なのか、そしてまた御見解を承りたいと存じます。
保利耕輔
59
○
国務大臣
(
保利耕輔君
) 補助金と
負担
金でございますけれ
ども
、
負担
金の方は御
指摘
のとおり法定されている国の持つべき費用でございますので、これは性格が非常にはっきりしております。それから、補助金の方は非常に種類が多うございまして、また金額も大きい。したがって、そこをよく
整理
して統合できるものか、あるいは
負担
金の方に直せるものなのか、いろいろな
議論
がこれから
分権
推進委員会
の中でも行われるだろうと思っております。 おっしゃることを考えますれば、補助金の方の
整理
というのを一遍きちんとやらなきゃいかぬ。相当な時間がかかると思いますが、これはぜひやっていただきたい、このように思っております。そして、
地方
自治
の実効を上げるためにそうしたものはできるだけ
地方
に移していくということを
自治省
としては希望いたしておりますし、またそういうふうにやっていかなければならないと思っております。 なお、先ほど御
指摘
のございました
地方分権推進法
の第六条、この
規定
は非常に含みがございまして、「国と
地方公共団体
との
役割
分担に応じた
地方
税財源
の充実確保」、したがって、
役割
分担ということを明確にしないと
地方
税財源
というものの配分も明確になってこないということがこの中には含まれていると思っておりますので、そういった点を明確にしていただくことも
推進委員会
にお願いをしなければならないことだ、このように思っております。
日下部禧代子
60
○
日下部禧代子
君 今までのお答えをいただきますと、非常にこれから
推進委員会
のお役目、大変なことだなというふうに思います。でも、すべて
推進委員会
にというのではなく、やはり国としてあるいは
行政
ができることというのはきちんとやっていかなければならないということを私つくづく感じたわけでございます。 特にこの補助金の問題というのは、かつてシャウプ
勧告
が求めたのが補助金を全廃するという、そして平衡交付金に一元化するということでございました。いわゆる
特定
補助金の一般補助金化ということを
勧告
したんですね。ところが、これは実現していない。今回の
改革
が未完である、
分権
化が未完であるというゆえんの一つの問題でもあるというふうに思うわけでございます。 ですから、
地方
自治
体の歳出の自由、それと同時に歳入の自由があってこそ初めて真の
分権
化が行われる、そのことを申し添えまして
質問
を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
陣内孝雄
61
○
委員長
(
陣内孝雄
君) 他に御発言もないようですから、
質疑
は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
地方分権推進法
の一部を
改正
する
法律案
に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
陣内孝雄
62
○
委員長
(
陣内孝雄
君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
陣内孝雄
63
○
委員長
(
陣内孝雄
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十分散会