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政務次官(中馬弘毅君)
大臣ともども私どもは就任以来、安全は運輸行政の
基本であるという認識のもとに、昨年のトンネルコンクリート剥落
事故におきましても、
大臣もですが、私もすぐ現地に飛びまして、神戸トンネルでたたいてまいりました。こういった直ちの
対応というのは、やはり組織が挙げてそれに真剣に取り組んでいるということ、それを働く人たちにも現実に意識づけをすることになろうかと思っておりまして、今回もすぐ飛んだわけでございます。
ちょうど当日の九時に
大臣室で事務の打ち合わせをいたしておりました。そこに入ってまいりまして、それが十五分ごろでございましたでしょうか、本部を
設置すると同時に私も
運輸省を出ましたのが三十分ごろじゃないかと思います。案外早く行けまして、九時前ということは
事故が起こりましてから一時間以内に
現場に到達することができました。
もちろん警察等の警備も非常に厳しゅうございましたけれども、こういう立場ですから、現地にすぐ行きまして、まず初めに心配しましたのは爆発だという情報でした。しかし、現地を見ますと、どうも両方の
車両の横が壊れているわけですから、爆発的な破壊
状況でしたけれども、これは爆発でないということを、これはなぜ
確認したかといいますと、両方とも窓ガラスは一枚も破れていないんです、こっち側は、ということは、爆発であれば飛んでいるはずですから。そうするとこれは爆発でないということをこれまたすぐ、
対策本部に
鈴木次官もいらっしゃいましたが、事務次官の方にもそれをすぐ
報告すると同時に、また現地を見ましたら、本当に
上りの車の中はもう血の海でございまして、血のじゅうたんを敷いたようで、そこに文庫本や新聞が散らばっているといった、満員の
状況でこの事態が起こったということがよくわかりました。しかし、下りの方はがらがらとしていまして非常にきれいな
状況でもあったわけですが、本当にそのときにこれは大変な
事故だ、亡くなられた方がいらっしゃる、それも情報がちゃんと入っておりませんで、二名とか三名という、しかし少なくとも亡くなった方がいらっしゃいましたので、本当にその場で御
冥福をお祈りしたようなことでございました。
そして、我々としましては、施設課長やあるいはまた関東運輸局の専門官も同行しておりましたので、そこにすぐどういう
状況かをかなり細かく調べさせまして、
一つの見取り図といいますか、ポンチ絵をかきました。ほかのところもかいておりましたが、どうも私たちがかいたのが一番正確なようでございまして、警察やあるいはまた新聞記者やその他も、
現場の
状況がわからないものですから、それをぜひ見せてくれといったようなことで、これも早くもちろん本省の方にもこれは送りました。
そして、そこで感じましたのは、今回の場合にはそれぞれの所掌のところが本当に真剣に
対応よくやっていただいたのではないかと思います。消防の方も死傷者をすぐ病院にほとんど片づけて、私が行きましたときには、ということは一時間以内でしたけれども、そのときにはもうけが人も、もちろんそういった
状況の方はだれもいらっしゃいませんでした。ちゃんとそれぞれの病院に運び込んだのではないかと思います。
警察の方も、これは刑事事件としての大変な事件でございますから、この
現場検証、
現場保存というのが非常に大事だということはわかりますが、これも
大臣が官邸に申し入れられまして、警察庁の方に協力をしろということの御
指示があったようでして、かなり柔軟に
対応してくれておりました。
もちろん、また
営団の方はこれは
運転を再開するということは非常に大事なことです。
利用者の利便のためにもこれは必要なので、これまた早く片づけて早く
線路を敷き直して
列車を通したいという気持ちはよくわかるんですが、それも一方で警察のこともございましょう。しかし、そこも
双方が柔軟に
対応して、次の日の朝の五時に一番
電車がちゃんと走ったことは御承知のとおりでございます。
また我々の
事故調査検討会、これも
事故原因の
究明ですからなるべくそのままで調べさせていただきたいんですけれども、とはいいながらも我々としましても
現場検証のことがありますから、実際に
先生方がそれをさわることはできませんでした。しかし、外見をずっと見て回ってかなり詳しくその時点における視察をしていただいた。ただ、クッションの空気が抜けていたとか抜いたとかいったようなことの若干の誤解はあったようでございますが。
そういったことで、今回はそれぞれの職務に忠実だったけれども、一方相手の立場にもなって、柔軟にそれぞれが
対応をしたがために非常にスムーズに現在まで至っていると私どもは認識をいたしております。
ちょっと何か言い間違ったようですね、到着しましたのは十時ちょっと前でございました。
しかし、そこで感じましたのは、今回はそれぞれの立場の
方々が今言ったように柔軟に
対応していただきましたけれども、理想からいえば、情報を一元的に集めて、そして適切な
指示を出す何かコントロールセンターみたいなものがあった方がよかったのではないか。それがあればなおスムーズにいっておったかもしらぬという、これは
一つの今後の課題だと私はそのときに思ったようなことでございました。
ともかく、今回こうして
事故調査検討会の
先生方も本当に今一生懸命ワーキンググループを構成しながら頑張っていただいております。
先生方からきょういただきましたいろんな御示唆やあるいはまた御
提言を踏まえまして、今後私たち
運輸省、こういった
事故が起こらないように最大限また努力してまいりますことも申し添えまして、私の御
報告とさせていただきます。