○渡辺秀央君 きょうは時間を少しいただいたんですけれども、残念なるかな余り後のスケジュールの関係で十分その時間を消化できないで、少し
質問が前後するかもわかりませんし、あるいはまた
同僚議員と若干ダブる面があるかもわかりません。まとめてきましたので、少し整理したものを申し上げながら
質疑をいたしたいと思います。
冒頭に、私は、この
法律については賛成の立場で
質問させていただきますが、後で
質問の時間があったら申し上げますけれども、この
法律は、先ほど来
同僚議員の午前中からの
質問であってみても、必ずしも完璧、すべて
法律はそうですが、将来に向けて特に完璧ということでもない。しかし、今回はここからスタートだろうと。そのほかに、まだ整理しなければならない
法律、あるいはまた補完しなければならない
法律というのが幾つかあるのではないかというふうに思います。そこら辺のこともちょっと
質問してみたいとも思いますが、時間があればであります。
この
放射性廃棄物については、昭和三十八年に
我が国の
原子力発電が運転を開始したときから
処理処分対策の必要性について既にわかっていたことでありますが、欧米では既に十年以上も前から
技術的
研究が行われていた。いまだ現実に
廃棄物処分は開始されてはいないものの、
廃棄物処分事業の実施主体が設立されて
処分費用の積み立てが開始されており、
我が国は諸外国に比べて私はこの関係では十年から二十年おくれてしまっているというふうに思います。
現在の高
レベル放射性廃棄物の
発生は、先ほど来
質疑のとおり、固化体にして約一万二千六百本もあると言われておりまして、身動きがとれなくなってからやっと動き出したという
感じで、残念なるかな遅きに失したと言ってもいいでしょう。
ところで、この
放射性廃棄物の
処理処分について基本的な方針が出されたのは、今から三十八年前、
原子力委員会の
廃棄物専門部会が中間報告で初めて触れたわけであります。そこで、
最終処分方法として
二つの
方式、いわゆる深海投棄あるいはまた岩石層による
方式、埋設ですね、そういったことだろうというふうに思いますが、国土が狭隘で地震のある
我が国としては深海投棄の
方式が可能性のある
方式とされて、高
レベルについては安全性が確認されるまで行うべきでないということになった。
しかし、一九七〇年代後半に入ると、OECDの
原子力機関が
地層処分に関する報告書を公表したこともあって、
我が国も
地層処分が基本的な方針となった。昭和五十一年に
原子力委員会が出した
放射性廃棄物対策についてと題する報告書では、高
レベル放射性廃棄物は安全な形態に固化し、一時
貯蔵した後
処分するものとする。また、高
レベル放射性廃棄物の
処理については、長期にわたる安全
管理が必要であることから国が責任を負うこととすると述べられているわけであります。それが今日の法案の形になってきている。
その後、六十一年に決定された
原子力開発利用長期計画の中で、高
レベル放射性廃棄物の
処分に関する国の責任と実施主体のあるべき姿に関する見通しが示された。そして、一九九〇年代に入ってようやく
原子力委員会が
地層処分計画の
技術的、社会的側面に関する計画に着手し、いわゆる今後の指針となる答申が
平成十年に出されて、また、翌十一年には総合
エネルギー調査会から
処分事業のあり方に関する答申が出されて、この法案がまさに今日ここに提出されてきているということであります。
その経過を振り返ってみると、非常に長い年月を要して今日まで来たわけであるということでありまして、先ほどのどなたかの
質問で何か非常に拙速だという話があったけれども、まさにそれは逆の話で、かなり相当な年月というか大変な年月を要してようやくここにたどり着いたなという
感じがしてならない。
私は実は若干不満を持っているわけでありまして、
原子力サイクルの政策としてこの法案を一応の締めくくりとして考えた場合に、今日的にここで一応締めくくっておく必要があるだろうという観点から賛成の意は表しておきますけれども、同時に、大変長い間の関係者の御苦労に対しても敬意を表しながら御慰労申し上げたいと思うんです。
今後のことを聞く前に、
廃棄物の
処分について具体的な検討をされてこなかった、もっと表面に出してこなかった。要するに私が言いたいのは、重要な国策の
一つであるこの政策を先送りにしてきた。これは今のエネ庁に言うのではない、あるいはまた今の電気
事業者の人たちに言うのではない。今の我々も含めて過去の政治というものに対する責任の観点から私はあえて申し上げているわけでありますが、大臣、どんな所感でありますか。