○内
藤正光君 民主党・新緑風会の内
藤正光でございます。引き続き
質問をさせていただきたいと思います。
まず、
我が国の
現状について振り返ってみますと、
技術水準は
アメリカ、特に
アメリカに大きなおくれをとり、IMDの
総合評価では十六位といったような、国際的な
競争力も大きく後退をしているわけでございます。
なぜそうなってしまったのかと私なりに
考えてみますと、
我が国、
日本は今まで他国から
技術だとか製品を輸入して、そしてそれに改良を加えていく。つまり、よりよいものをより安くといったいわゆるプロセスイノベーションに大変な力点を置いてきた。
ところが、最近私たちを取り巻くあるいはまた
日本を取り巻く環境が大きく変わってきている。例えば、代表的なものでいえばバイオテクノロジーといったような、そういった新しい分野が大きく飛躍をしてきているわけでございますが、こういった分野では、いかに早く他国に先駆けて基本
特許を押さえるか、これが勝負になってきていると。もっと端的なことを言うならば、二番手以降はもうけがかなり一番手に比べると少なくなっていってしまう。これが
一つの大きな変化。
〔理事
馳浩君退席、
委員長着席〕
そしてまた、さらには製品個々のサイクルが年を追うごとに短くなってきていると。
私が調べたところによりますと、十年前は、平均してなんですが、製品の平均寿命、つまり市場に出回っている寿命ということですが、売り物になる寿命ということなんですが、およそ十年前は十一・一年ぐらいだった。これが五年前になりますと、八・九年、二年縮まっていると。そして現在はどれぐらいかといいますと、八・一年。つまり、年を追うごとに市場に出回るようなそんな寿命が、製品サイクルがどんどん短くなってきている。
こういったことを
考えあわせますと、もうプロセスイノベーション、品質改良を通じてもうけを得ようということがなかなか難しくなってきているというふうに思います。
私は、今後
日本も、プロセスイノベーションも当然大事なんですが、それに加えて、新しい
技術を生み出すような、新しい製品を生み出すようなプロダクトイノベーション、こういったものにも軸足を移していかなきゃいけない。
これを実際に証明してきたのが
アメリカだろうと思います。最近、
アメリカは本当に目覚ましいほどに発展を遂げているわけなんですが、なぜそうなったのかといえば、
大学から
産業界へのダイナミックな
技術移転が行われた。そしてそのことに加えて、
事業化への取り組みもどんどん進めていった。早い話、プロダクトイノベーションを産と学が
連携し合ってどんどん
強化をしていった、進めていった。だからこそ、
アメリカの
経済は目覚ましいほどに発展を遂げていった。
これのきっかけとなったのが何なのか。それは私は一九八〇年に成立をしたバイ・ドール法だったと思います。そして、このバイ・ドール法、名前から明らかなように民主党のバーチ・バイ議員とそして共和党のロバート・ドールさんが超党派でこの
法案を成立させて、そして今日
アメリカ経済の回復を実現させた。
私は、これに見習って、そして
日本の置かれた現下の厳しい
状況を憂えながら、本
法律案をより
実効性のあるものにしていかなければならない、そういった立場で幾つか
質問させていただきたいと思います。
それで、
質問なんですが、
我が国の
産業技術力を
強化させるための一連の施策についてまず簡単に振り返ってみたいと思います。九八年のTLO法、そして九九年の
日本版バイ・ドール条項、そして今回の
法律案でございますが、私は、TLOがホップ・ステップ・ジャンプでいえばホップ、第一弾、そして
日本版バイ・ドール条項がステップ、そして今回の
法案がジャンプ、つまり第三弾というか完結編とも言うべきものなんだろうと思います。
この今回の第三弾、ホップ、ステップ、ジャンプのこの今回の
法案をより
実効あらしめるためには、やはりまず第一弾のTLO法と第二弾の
日本版バイ・ドール条項の
実効性についてまず振り返ってそして調べてみることに私は大きな
意味があると思いますので、まずTLOとそしてバイ・ドール条項について、それぞれ数点にわたって
質問をさせていただきたいと思います。
まず、
通産大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。これはTLOではないんですが、
アメリカのベンチャーキャピタル、以前テレビでも見たりまた実際私は書籍等を通じていろいろ調べたんですが、ベンチャーキャピタルには博士号を取ったような人たちが大勢社員として雇われていて、専門的な知識、そういったものを持った人たちが絶えず
大学だとか
研究機関のいろいろな
成果をウオッチをしている。そして
事業化になりそうなものがあったらそれを、積極的に
大学の先生のところまでアプローチをかけて、
事業化をしてみませんかというふうにプッシュするわけなんです。
大学の先生だけでは
事業化に向けて何もほかはわからないと思いますから、じゃほかの
経営に関するいろんなことはお手伝いしましょうということでいろいろもう手助けしてあげるわけなんです。私はTLOもやはり絶えず
大学等の
研究成果を積極的にウオッチし、そして発掘していくような姿勢が必要なんだろうと思います。
そこで、お伺いしたいのは、今幾つか
日本にもTLOというのは設立されているかと思いますが、そういった体制が本当に整備されているのかどうか、お伺いをしたいと思います。