○水野誠一君 よく
日本と
アメリカの特許摩擦というのが目立つわけでありますが、とりわけハードウエア、製品特許でもよく言われるサブマリン特許、これは
アメリカの特許制度の
一つの特徴とされているわけですが、グローバルスタンダードではなくて
アメリカンスタンダードじゃないか、こういう問題というのがいろいろ出てくるところであります。
特に、
アメリカでの出願ラッシュ、そしてまた
日本でもこれからどんどんこういうビジネスモデル特許が連発されるようになっていくわけでありますが、まさに国内それから国際間のこういった特許にかかわる訴訟というものがもう明らかにふえていく。そうなったときに、一番これから育っていこうという中小・ベンチャーにそういった影響が出てくる、ダメージが大きく出てくるというようなことになると、本当にこれからベンチャーの発展というものをこのビジネス特許、つまり権益を守るべきビジネス特許がかえって阻害
要因になるということもあり得るわけでありまして、これは先ほど畑
委員からの質問の中でも、非常に難しい、これはどちら、どういう立場でこれにかかわるべきかということは大変難しい問題ではあると思いますが、ともかく今言われている日米欧の
特許庁長官会合、こういう場を利用して大いに語り合って、また協調を図っていただきたいというふうに思っております。
それから、先日の所信表明演説の中で、深谷通産大臣、
堺屋企画
庁長官ともに、我が国
経済を本格的な
回復軌道に乗せるためにさまざまな施策を通じて公需から民需へのバトンタッチを円滑に進める、こういう姿勢を強調されたわけであります。
さて、この一週間ほどの間に幾つかの重要な
経済指標が発表されました。昨日発表の九九年十月から十二月期のGDP速報値は、先ほどからも
指摘をされておりますように、
前期比
マイナス一・四%減、年率換算で五・五%の減ということでございました。
これを受けて、
堺屋長官の御説明として、二期連続の
マイナス成長とはいえ
景気後退とは考えていない、一時的な
要因が重なったもので
景気そのものは明るい方向に向かっていると、こういう
見通しを昨日来の報道でもおっしゃっている。また、きょうの
委員会でもその辺のお話を伺ったところであります。
確かに中身を見ますと、
民間設備投資が三期ぶりに
プラスに転じて四・六%という大幅な増がありましたし、また先行指標であります一月の
機械受注も前年同期比で二一%と大幅な
プラス。日経新聞などは、不思議なことに発表に先駆けて日曜日の時点で、一面に、十七日発表の月例
経済報告に
景気自律
回復宣言を明記といった大見出しが書かれるというぐらいでありますから、なるほど指標の面からはまさに民需主導の
回復基調に入ったと言えなくもないのかなと思います。
私自身も
プラス傾向の指標が見られることは無論歓迎すべきだと思いますが、しかし、残念ながら私は、
長官がおっしゃるほどこれを楽観的にとらえることはできないんじゃないかな、こういう感じも持っております。
政府はこれまでたび重なる
景気対策によって莫大な額の
公共事業を行ってきました。また、
平成十二年度
予算においても、
公共事業は前年度当初
予算と同
程度の規模を確保するとされているわけでありますが、こうした
公共事業に主軸を置いた、軸足を置いた政策スタンスが果たして過去の
投資効果を正しく評価した上でのことなのかというと、私はいささか疑問を感じざるを得ないところがあります。
例えば、公共
投資の民需への波及効果については、よく減税かあるいは
公共事業かという、どちらがその乗数効果が高いかといった
議論、これを繰り返しされてきたわけでありますが、
公共事業官庁と民間シンクではその試算の数値に当然大きな隔たりがあるわけでありますが、特に
バブル崩壊後について
公共事業の乗数効果が年々薄れているということについては
経済企画庁も過去にお認めになっている、こういう事実もございます。
そこで伺いたいのでありますが、財政で引っ張る
景気には遠からず行き詰まりが来ること、これは
長官も当然よく御存じのはずでありますが、本当の意味で公需から民需への
転換を進めるに当たっては、
長官もこれもおっしゃっております痛みを伴う
構造改革、これが不可欠なはずであります。一部の目先指標を過大に好材料視するのは
構造改革の推進という観点からむしろ
マイナスに働くのではないか、こう私は思うんですが、その点について
長官のお考えを伺えればと思います。