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櫻井充君 そこのディスクロージャーする項目が
銀行銀行によって異なってくると、なかなか比較するというのは難しいんじゃないかと思うんですね。できればある
程度、幾つかの項目、基本的に最低限これだけは公表してほしいと。例えば地域貢献度とか、それから
中小企業にどれだけ貸し出しているか。実は、これは大蔵省か金融監督庁かどちらかわかりませんが、この手の数字はもう随分持っているんだと思うんですね。それをもう少しわかりやすい形で皆さんに公表していくということが大事なんじゃないか。
そして、情報公開といいますと、なぜか隠しているものを出してこなければいけないと。だから、まるで私は悪いことを何もしていませんよという印象を今の日本の情報公開は受けておりますけれ
ども、決してそうではなくて、
銀行から見てみても非常にいいコマーシャルになるんだと思うんですね。
例えば、私は
担保をどのぐらいとって──うちは
担保をとらないでと言った方がいいかもしれません、
担保をとらないでこのぐらい
融資していますよと、そういうものを数字で出してくれば、これから
企業を起こしてくる人
たち、そして
個人資産もないけれ
どもプロジェクトはきちんとある人
たちにしてみれば、そういう
銀行を選んでいくことができるんだろうと思うんですね。そういう
意味からすると、かなり多様にわたってディスクロージャーしてもらうという方が、もしくは積極的に
銀行からディスクロージャーした方がこれから
銀行にとっていいんじゃないかと思います。
別な観点から通産省は実は
企業のある
意味での格付を行おうとしています。これまでの、資本金が幾らとかということではなくて、割とフレキシブルに勤務時間を決められるとか、休みの日はこうなっているとか休日がどうだとか、そういういろんな人
たちの趣味や何かに合わせた情報をきちんと公開して、そしてある
意味で皆さんから
企業を選んでいただきましょうと。これは通産省の外郭団体でおやりになるようですけれ
ども、そういうこともやられています。
ですから、本当の
意味で言えば、
借り手にとってどういう情報が欲しいのか。これまでは
貸し手が出せる情報だけしか出してこなかったから、だから
借り手にとって不十分な情報だったと思うんですよ。ですから、情報の公開というのは、なるたけ多くの項目に、しかもなるたけ多くの
金融機関に行ってもらうように、そのぐらいの項目はこちら側で出して、後はその数字に対して、あなた方は
中小企業に対しての貸し出しが低いからもうちょっと貸しなさいというのはこれは介入ですが、そこは、貸していない
銀行であれば借りにいってもしようがないわけですから、後は市場がきちんと選べる、そういうシステムになるんじゃないかと思っていますが、その点についてはいかがでしょう。