○佐藤道夫君 私からは、本日御
報告のありました
違法射撃事案、それからNECの
過大請求事案、これにつきましては
報告書をつぶさに
検討いたしまして後刻またお尋ねをするということで、本日は、何かと先般来問題になっております石原東京都知事の三国人発言をめぐる問題につきまして
防衛庁長官の御所見を伺いたいと、こう思っております。
石原知事は、我が国に不法に入国した三国人、外国人というふうに言いかえておりますけれ
ども、これが大震災その他大災害が
発生した場合に集団で大変な暴動を起こすおそれがある、大変な騒擾事犯の
発生も考えられる、警察の力には限りがある、そこで
自衛隊もこのために十分な任務を果たしてもらいたいということを申し述べていたわけであります。
実は、世間の方はこの三国人の発言にとらわれまして議論がそれで終始してしまったと。最終的には、いろんなこと、紆余曲折ありましたけれ
ども、石原知事が、まことに遺憾である、今後使わないということをおっしゃったので、一応一件落着と考えていいかと。あの自信満々の、恐らく引っ込むことを知らないあの知事さんが遺憾であるという言葉を使ったことは、少なくとも相当な挫折感を味わっておるんだろうと。それは彼の反省の弁として受けとめていいわけでありまして、三国人論争はまず終わりとしてもいいかと思いますが、私は、その三国人発言の中に隠れていて、全然世間的に問題となっていない内容の方を取り上げてみたいと思うんです。
実は、彼は大変な発言をしておるんですよ。一たん事あるときには、この日本に不法に入ってきたような不良外国人が集団で暴動を起こす、大規模な騒擾事件を起こす、これはもうとても警察の手には負えない、よって
自衛隊が治安出動するしかないんだよということなのであります。
日本に不法に入国してきた外国人、特に三国人と呼ばれる人たちがどれぐらいいるのか私わかりませんけれ
ども、それが何か集団で万が一のときは暴れようということで一つのグループ、集団をつくりまして、それから
武器も用意してこそこそと何か陰謀をたくらんでおる、さあ地震が来ないかと彼らが考えている。そんなことを今まで考えていた日本人は一人もいないんじゃないでしょうか。
特に、不良外国人というのは、東京を中心とする首都圏と大阪を中心とする京阪神に大量に住んでいると、こう思われますけれ
ども、既にして五年前に阪神大震災のときに何か問題が起きたかといえば、何も起きていないわけです。むしろ、極めて治安、秩序もよく保たれていたというわけでありますが、阪神地区に住む外国人は非常におとなしいけれ
ども、東京地区に住む外国人はこれは危険でしようがない、すぐ暴れ出すんだというふうなことを石原さんは考えておられるのかどうか。
しかも、こういう話が一小説家の空想の産物で言ったり書いたりしておることならだれも相手にしない、それはそれでいいんですけれ
ども、東京都知事という限りなく重い
立場の方が口から発した言葉なんですね。
いかな石原さんでもいいかげんなことは言うわけはない。きちっと調べた上で、彼が調べるということは警視庁に照会したのでしょう、警視庁は彼の管轄下にあるわけですから。そして、警視庁が、いや知事大変です、万が一東京で大地震が起きたら、もう不良外国人たちが暴れ出して我々の手には負えません、
自衛隊と今のうちから話をつけておいてくださいよと、それぐらいのことは警視庁が言いまして、それを踏まえて石原知事はああいう発言をしたと。その
立場立場で物を言う人は皆それだけの
責任があるわけですから、いや単なる思いつきだと、そんなことは許されるわけはないのであります。
そこで、
防衛庁長官にお伺いしたいんですけれ
ども、警視庁がそれだけの危惧感を持って知事に
資料を上げている、いや大変ですよ知事さんと言っているんだろうと思います。警視庁が調べているぐらいですから、
防衛庁も
責任を持って、いざというときには治安出動するわけですから、一体東京周辺の不良外国人はどれぐらいいるのか。韓国系の人、中国系の人、パキスタン系だとかイラン系だとか、あの人たちが危ないと、こう恐らく知事は思っておるんでしょうね。
いずれにしろ、そういうことについても十分に調べ上げて、彼らはこんな
武器も隠し持っている、いざとなったら警察の手には負えないから我々が出動せざるを得ないんだと、知事はなるほどいいタイミングで世の中に警告を発してくれたと、こう考えておられるのか。いやそんなことはない、あれはいいかげんな話なんだ、世間を驚かすまことにもって知事にふさわしくない発言なんだと、こういうふうに考えておられるのか、どちらでありましょうか。結論だけでも結構なんですけれ
ども。