○寺前
委員 検討するというんだから、それでは、新聞に書いてあるように拒否したという態度じゃないんです、こういうふうに
理解しましょう。
最後にお聞きしますが、現実に行われている
企業再編成には、
企業分割だけではありません、合併や営業譲渡があるんです。それによって
リストラ、人減らしと
労働条件切り下げが行われていって、泣いている人たちがたくさんおるんです。そこで私は、もう時間が限られてきておりますので具体的にお聞きします。
牛乳やジュースなどの紙パックを製造するテトラパック・グループ
会社というのがあるんです。その生産部門を担当している西神テトラパックというのが神戸にありますが、御殿場テトラパック、静岡ですね、それに本社機構的役割をなしている日本テトラパックの三社があるんです。一〇〇%外資
企業と言われておりますが、兵庫・西神工場を二〇〇一年末に操業停止する、閉鎖する。かわって静岡・御殿場市に東海テトラパックという新
会社を設立して、西神工場の最新鋭生産設備を移して、二〇〇二年から本格生産をするという。
会社からは、皆さんに何を言われているかというと、一番、西神テトラパックを退職して、遠隔地に新設される新
会社に応募してくださいよと。二番、
会社は、新
会社の
労働条件を切り下げることになることを従業員には説明しているけれ
ども、組合との
交渉はまだできておりませんがと。三番目に、個人面接を開始するとしていますけれ
ども、新
会社への転籍によって賃下げ、
労働時間
延長がいろいろ言われてきていますがというような話で、この工場
労働者二百人のほとんどが兵庫出身で、定年までこの工場で働けると思って、それを前提にして
雇用契約を結んで今日まで来ているのに、ええっという姿になっている。
御存じのように、神戸は、震災の結果、中には二重ローンの支払いに追われている
労働者もおるわけです。住宅ローンや老人を抱えて静岡へ移れと言われても困難だという事態にも直面します。家族も泣いています。
こういう条件のもとにいる
労働者にとっては、勤務地が遠隔地に変わるというような
労働条件の大幅な
変更は、
解雇を言われたのと一緒なんですね。要するに、新しい
会社に行けと。営業譲渡をやっていく、
会社はそうかもしらぬけれ
ども、場所が変わるということは、事実上
解雇になっていくんだ。
会社は転籍を求めているけれ
ども、本人
同意が必要だといっても、
同意しなかった場合には、工場が閉鎖されるので、事実上の
解雇になっていくじゃないか。
業界シェアは、紙容器全体で九八年で四七%、西神工場で製造している百円物であるブリック容器は実に九四%。西神テトラパックの場合は、商工リサーチのデータによると、九九年三月決算期で二百十億円の売り上げ、
利益は税込みで二十八億円強という優良
企業です。テトラパック・グループ
会社の
会長さんは、九七年十二月現在は、
日経連副
会長をやっておられる山路さんということになっています。
こんな
利益を上げている外資
会社に、本人
同意なしに別
会社をつくって行かせるということが許されるんやろか。日産にルノーが入り込んできたときに、
大臣はえらいこっちゃと言うて現場にまで乗り込まれたようですけれ
ども、外資系の、こんな黒字の、安定した事態が、そこの地域の人たちを長年にわたって雇っておきながら、しかも、今震災で泣かされている、二重ローンもあるという事態の中で、おい、ちょっと待ってくれよぐらいの指導があってしかるべきやと思うんですが、
労働省、こういう問題についてはどうしてますのか。