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井上(喜)
委員 平田議員も取り上げておりましたけれども、最近凶悪な本当に痛ましい少年事件が多発をいたしておりまして、また児童の虐待なんというようなことも多くなってきている、こういうことが言われておるわけでありまして、こういうことは家庭でありますとか
地域社会の現状と深くかかわり合っているようなところも多いかと思うのであります。
警察庁の資料を拝見したのでありますが、本当に驚くべきことが多々あるわけでありまして、少年の凶悪犯、凶悪犯というのは殺人、強盗、放火、強姦の四種類を指すようでありますけれども、どんどんふえてきている。しかも、ここ十年間ぐらいのうちに倍ぐらいになってきているわけですね。しかも、一人でやらないで集団でやるのですね。集団も多人数の集団、三人以上の集団でやるような犯罪が増加する、あるいは犯罪少年は無職が多いのですね。これまた非常に特異な現象だと私は思うのであります。
しかも、かつては凶悪犯というのは都市部で大体起こったものでありますけれども、それが全国的に、全
地域的に拡散をしていっているような
状況も見られる、こういうことでありまして、他の非行等につきましては言うに及ばず、大変増加をしてきている、こんな
状況でありまして、本当に罪を犯すことへの抵抗が少なくなってきているのですね。つまり、犯罪意識が希薄になってきているということかもわかりません。それが大勢でやるものだから、なおさら責任感が薄いということもあるのかもわかりません。しかも、この少年犯罪の被害者というのは本当に泣き寝入りでありまして、何ともこれまた残念な
状況でございます。
我々保守党は、改めて家庭のきずなでありますとか
地域社会の
支え合いということを指摘するわけでありまして、そういう対策の緊急性とか必要性、こういうことを強く訴えてまいるのでありますが、同時に、思い切った少年凶悪犯に対する対策をやはり
考えていかないといけない、こんなふうに思うのです。
ちょっとこれは質問が多くなりますので、全部申し上げましてお答えをいただきたいのでありますが、三つばかり私は質問をしたいのです。つまり、今の犯罪事犯を見ておりますと、どうも
日本の
社会が大きく変質してきているような、そんなことを感ずるのでありまして、これはなかなか難しい問題ではありますが、手をこまぬいてはいられない問題だ、こんなふうに
考えるわけであります。
その第一は、家庭とか学校とか警察とか町内会とかあるいは自治体、こういうところが一体になりまして青少年の健全育成というものに今取り組んでおります。かなり成果も上がっているところもあるのでありますけれども、いま
一つというようなところも多々あるんじゃないかと思うのであります。これを私は、今家庭の
教育力というのは非常に落ちておりますから、そういう家庭を
地域が支援をしていくような体制をつくっていくとか、あるいは学校におきまして先生がもっと生徒の中に入っていくとか、あるいは生徒のいろいろなことを聞く相談体制をきちっとするとか、あるいは警察のきめ細かな対応、あるいは、今保護司さんなんかが一生懸命やっておられますけれども、それも本当にこれで十分なのかどうかというような見直し、そういったことが大切じゃないかと思うのです。いずれにしても、
日本の
社会が大変危機的な深刻な
状況にあるわけでありますから、これについての
総理の見解をお聞きするのが第一点であります。
第二は、少年法の改正問題であります。
今、国会の方に少年法の改正案が出ておりますが、これは少年事犯の事実の認定手続を適正化しよう、そういうねらいなんですね。これはもっともなことでありまして、
総理御
承知のとおり、審判手続で三人の裁判官で行うような、そういう裁定合議制度を入れていくとか、あるいは審判への検察官の関与を認めるとか、あるいは観護措置期間を多少延長するとか、こういう中身でありまして、これらのことはもう当然のこととして早くやらなくてはいけないことだと思うのですが、それにとどまらず、犯罪が非常に低年齢化しておりますので、ぜひとも少年法の適用年齢を早急に検討して
結論を出すべきだと思うのです。
例えば、少年法の対象というのは二十歳未満でありますけれども、これを例えば十八歳にするとか。あるいは、刑事責任年齢が今は十六歳からなんですね。ですから、少年なんかはよく知っておるのですね、十五歳まではいろいろな犯罪をやっても罪にならないなんということを知っているわけですね。ですから、これを例えば十六歳を十四歳に引き下げるというようなことを
考えるべきじゃないか。外国の方の法制なんかと比較をいたしましても、いささか
日本は、少年法のこういった年齢というのは高過ぎるのではないかと思うのですね。
あるいは、これは警察庁の内規でありますか通達でありますか、少年警察活動要綱というのがありますが、これなんかは、少年事犯については少年の氏名とか学校は公表しないのだ、こうなっておるのです。一般論としてはよくわかります。わかりますが、非常な凶悪な事犯、本当に更生の見込みもないんじゃないかというような、そういう少年もいるわけでありまして、最近もある事件で少年の氏名を発表した新聞もありましたが、これは、やはり
社会的にも関心を呼ぶというような
意味から、ある限度を超えた事犯については公表を認めるべきじゃないかと思うのですね。そのためのガイドラインをつくるべきじゃないかと思うのですが、これについての
総理の御見解です。
最後は、マスコミ等の対応なんです。
書籍だとかビデオの販売、あるいはテレビの放映なんかで問題のあるものもある、これもよく言われたことでありまして、これら関係者の自粛が本当に求められるのでありますが、
総理自身、こういうことについてどんなお
考えなのか。あるいは、こういったマスコミ等についての対応をこれからどういうぐあいにしようとされているのか。
三つ今御質問いたしましたけれども、まとめてお答えをいただければと思います。