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栗原(博)
委員 さすが、
中曽根文部大臣、そしてまた、ただいま御発言いただきました
河村総括政務次官、
教育に大変熱心でございまして、的を射た
答弁でございまして、
お話をしまして感無量でございます。
さて、私
ども新潟では、誇るべき米百俵という精神の運動がございます。これは、
戊辰戦争の戦禍で、約二百五十年の間に築き上げました
長岡藩という藩がありますが、その藩が
戊辰戦争で敗れまして、わずか一年の間でこの
長岡の町が
荒廃いたしました。そして、
荒廃をすると同時に、やはりそこに住んでおります武士あるいはまた
一般の
方々は飢えておったわけでありますが、そこに近くの支藩から米百俵が送られてまいりました。この米百俵は、本来、当時の
長岡の方は、それを一刻も早く食べたい。しかしながら、当時の
小林虎三郎という偉い方が、その米の百俵は食べないで
教育に使おう、
教育の施設を、あるいはまた本とかを買うということで、
長岡藩が見事に復興したわけであります。
その中で、私は、
教育というものは何物にもかえがたいものだと思っています。今、
中曽根大臣並びに
河村総括政務次官の
お話を聞きまして、そういうお
気持ちで今度
教育を改革していただきまして、このような
事件が再び起きないように、また
教育の
現場でも御努力願いたいと思っております。
さて、その中で、この
三条の
事件について少しお聞きしたいと思います。
この
事件は、
平成二年の十一月十三日、この
お子さんが通っております
小学校でこの
子供さんが野球を見て、その帰りに、この
学校から御
自宅までは
田んぼ道であります、そこを帰る途中にいなくなったということで、その日の七時四十五分に
地元の
警察に、
駐在所に
子供が帰ってこないということで届けられ、それから八十人以上の方が集まり、そして翌日にはどんどん
捜索が続きまして、延べ二千八百人近い
方々がその
捜索に加わっておるわけであります。その中で、この一月二十八日に
柏崎の
病院でこの子が発見された。そしてこの
事件というものが発覚したわけであります。
そこで、私は、お聞きしたい点につきましてでございますが、この
お子さんが九年以上も
部屋の中で
食事をとらされ、排せつもその
部屋でやらせた、大変やせ細ったお体であったと私は思っております。この中で、こういう
事件がやはり見過ごされたという
社会の環境も私は反省せねばならぬ点もあると思うのであります。
そこで、この
事件につきまして、私は
警察を最も
信頼しております。今でも
信頼しておる。
日本の
警察の生みの親であります
川路利良さんという方がおられます。大先輩、
明治時代の方。この
川路先生は、一国は一家なり、
政府は
父母であり、人民は子であり、
警察は
保傅なり、子が
父母の教えは嫌っても、
子供に教えるのは
父母の
義務であると言っておるのです。これはまさしく、今
教育の
荒廃の中で、
教育が悪いわけでなくて、やはり
子供をしつけできない親にもこれは原因があると思うんでありますが、この
子供を育てる
保傅の役目であると言っているわけであります。
我が国の民はまだ開化されていない
子供だから、
警察がそれを守ってやらねばならぬということで、この
明治時代の
川路先生は
警察はこうあるべきだと説いております。
私は、その中で、今この
事件を見ますると、この九年前の一年半前に、この
柏崎でやはりこのような女の子を
誘拐する
事件があって、逮捕されました
佐藤容疑者は、当時、逮捕されて、起訴されているということであります。私は、またこの
事件の中で、九年二カ月にもわたって
一つの
部屋に閉じ込められた、
幾ら部屋の中で閉じ込められても、そこのうちの
佐藤容疑者がどのような生活をしていたかわかりませんが、
社会がやはりその
異変に気づくというのが大事だと思っております。やはりそういう
異変に気づかなかった点もあろうと思う。
そこで、私は、今いろいろ
事件が刻々と
マスコミ、
新聞等を通じて
報道されておりますが、この
事件について
国家公安委員長並びに
警察庁長官にひとつお聞きしたいと思っております。
それは、私は、今
我が国の
犯罪検挙率は世界一であると思っております。
殺人の
検挙率は九七・七%である。その中で、
警察に対して
国民は一番
信頼をしておる。また、私
どもの村にも
駐在所がございますが、
駐在所の
巡査は今でも、私
どもの部落で会合がありますといつも上座に座って、それだけ尊敬されておる、それからまた
信頼されておる。そういう
警察に対する尊敬と
信頼というものが、今回の
事件を通じまして、やや揺らいでいるというふうに私は思うわけであります。
そういう中で、その
捜査の過程を見まして、私は
新聞報道しか物はわかりませんが、きょうのニュースでもまた出ておりました。例えば、この
三条の行方不明の
子供さんに対して、先ほど私申し上げましたけれ
ども、失踪しましたその三十分後から約二千何百人も動員されて
捜索した、しかし見つからなかったと。そして、話をお伺いしますと、
初動ミスがあったのではなかろうかという御
指摘もございます。
今現地の
新聞を見ますると、この
事件について、
身内の
巡査が、
警察官がその
事件に関与していたのではないかというような、そういう疑念があったと。そういうところに
捜査が集中して、本当に、
県央地域じゃなくてよその
地域に対してもちゃんと、それだけの手当てを怠っていたのではなかろうかということも言われている。
あるいは、その
犯人が一年半前に
柏崎でそのような女性の
誘拐の
事件を起こしている。当然、その
事件はコンピューターにインプットされていると思うのであります。ですから、当然それに対する
捜査というものもあったろうと思う。しかしながら、後に聞きますと、インプットされていなかったというようなことも伺っております。
私は、今まで、
警察のいろいろの最近の事例を見ましても、やはり
身内に対し、
身内に何か
事件が起きますとそれを何とか隠そうとする、このような感じを受けてならない。この
三条の
事件につきましても、その
警察の
署員が
誘拐の
犯人であったというようなことでもし
捜査を怠ったとしたならば、私はこれは大変な問題だと思っておるわけであります。そういうことを踏まえながら、ひとつお聞きしたい。
かつまた、関連しまして、きょうの
新聞にもテレビにも
報道されておりましたけれ
ども、例えば、
柏崎の
病院に運ばれてこの子が実は発覚したと言われておりますが、県の
保健所等の話によりますと、
保健所の
職員がその
加害者の
自宅に行って、そして暴れている
加害者と今のこの
お子さんを保護した。保護して
警察に電話を、すぐ来るように言っても
警察は来なかったというような
報道もきょうされておりました。
あるいはまた、これもあってはならぬと思うのでありますが、私
どもの
新潟県におきまして、せんだって
豊栄市で
長岡の
警察の
職員がある
事件で逮捕されました。そうしましたら、その翌日、逮捕された
長岡の署長が、
豊栄の
署員が同じことをしたら徹底的に逮捕しろと、このような何かわからないような話が
新聞にも載っておりました。
私はこれは事実ではないと思っておりますが、しかしながら、こうして
新聞にどんどん載る以上は、私はやはりこれは大いに反省すべき点があると思っております。
そこで、私は
国家公安委員長にお聞きしたいと思います。
まず、この
事件につきまして、
捜査についていろいろ手違いがあったというようなことになっておりますが、私が申し上げました、
警察は最も
国民から
信頼されるべきものであります。これについて、
国家公安委員長としてどのようにこの
事件を
考えながら、例えば京都の
事件もそうでございますが、
犯人を拘束しながら逃がして自殺してしまったということ、こういうものを
国家公安委員長としてどのようにお
考えであるか。
もう
一つは、私はもう
一つお聞きしたいのでありますが、最近、全国の県警の本部長を見ますると、四、五人ぐらいの方が
警察出身じゃなくて、ほかの、外務省とか自治省の出身の方がおられるようであります。私は、
警察は命をかけて
捜索活動をするものである、やはりその
警察の経験者上がりが最高の地位につけて、あるいは自分の身をかけての立場であらねばならぬと思う。
もう
一つは、こういう
新潟の
事件だけじゃございませんで、今まで神奈川県とかいろいろの
事件を見ましても、キャリアとノンキャリアの問題。もっとノンキャリアの
方々、
現場で苦労されている
方々、そういう
方々も大いに登用して、願わくば県警本部長ぐらいに一人ぐらい登用する、ほかの省庁から連れてくるんじゃなくて。私は、やはりそういう中で、
我が国の
警察機構はすばらしい
警察機構でありますが、願わくは、末端の
捜査の前線であるいは
地域で活動している
方々、こういった
方々に対してもっと目を向けた任用制度というものもあろうかと思います。
そういうことも含めて
国家公安委員長にお聞きしたいと思います。